説明

スイッチ、及び、電子機器

【課題】防水性のケースを有する機器に設けられるスイッチとして、シンプルな構造で高
い防水性を実現できるものを提供する。
【解決手段】ダイブコンピュータ1は、防水性を有するケース2に収容され、各種情報を
表示する液晶表示パネル11と、ケース2の外側から操作可能な接触スイッチ4とを備え
、接触スイッチ4は、ケース2の表面に露出して配設された不透水性の誘電体からなる誘
電体層42と、誘電体層42の下に埋設された複数の電極43と、隣り合う複数の電極4
3間に配設された絶縁部材と、を備えており、電極43間における静電容量に基づいて接
触スイッチ4への操作を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水性を有するケースに配設可能なスイッチ、及び、このスイッチを備えた
電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防水性のケースを有する時計等の電子機器は、押圧操作されるスイッチを備える
ものが多い。このような機器が備える典型的なスイッチは、押圧操作される部材がケース
の内外に跨って配設され、この部材とケースとの接合部に防水パッキンを配置することで
防水性を確保している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−148367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、防水性のケースを備えた機器においてケースの内外に跨る部材を設けた場
合には、パッキン等を用いて防水性を確保することが必要になる。パッキンを用いて防水
性を確保する機器は、パッキンの経時変化等に対応するために定期的なメンテナンスを必
要とする。
また、より確実な防水性が求められる機器においては、パッキンの経時変化や個体差の
影響を排除するため、パッキンを二重に配置した構造等が採用される。このような複雑な
構造は、製造工程における工数や部材の増加によりコストの増加を招き、さらに、メンテ
ナンス時の作業が難しくなるという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、防水性のケースを有する機器に
設けられるスイッチとして、シンプルな構造で高い防水性を実現できるものを提供するこ
とを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、防水性を有するケースに配設されるスイッチで
あって、前記ケースの表面に露出して配設された不透水性の誘電体層と、前記誘電体層の
下に、互いに離隔して埋設された複数の導体と、隣り合う複数の前記導体間に配設された
絶縁体と、を備え、各々の前記導体には、複数の前記導体の間の静電容量を検出可能に配
線が接続されたこと、を特徴とするスイッチを提供する。
【0005】
また、本発明は、防水性を有するケースに収容され、各種情報を表示する表示画面と、
前記ケースの外側から操作可能なスイッチと、前記スイッチに対する操作を検出する操作
検出部とを備え、前記スイッチは、前記ケースの表面に露出して配設された不透水性の誘
電体層と、前記誘電体層の下に、互いに離隔して埋設された複数の導体と、隣り合う複数
の前記導体間に配設された絶縁体と、を備え、前記操作検出部は、複数の前記導体の間に
おける静電容量に基づいて前記スイッチへの操作を検出すること、を特徴とする電子機器
を提供する。
【0006】
上記構成において、前記操作検出部は、複数の前記導体から2つの前記導体を選択して
組合せた場合に、各々の組合せにおける前記導体間の静電容量を、他の組合せにおける前
記導体間の静電容量と比較することにより、前記スイッチへの操作を検出するとともに操
作位置を特定するものとしてもよい。
【0007】
また、上記構成において、前記操作検出部は、複数の前記導体から2つの前記導体を選
択した組合せのうち、前記導体間の静電容量が、他の組合せにおける前記導体間の静電容
量よりも小さい組合せがあった場合は、この組合せを構成する前記導体の間で接触操作が
あったと検出するものとしてもよい。
さらに、上記構成において、前記操作検出部は、複数の前記導体から2つの前記導体を
選択した組合せのうち、前記導体間の静電容量が、他の組合せにおける前記導体間の静電
容量よりも大きい組合せがあった場合は、この組合せを構成する前記導体の間で接触操作
があったと検出するものとしてもよい。
【0008】
当該電子機器が水中にあるか否かを判定する水中判定部をさらに備え、前記操作検出部
は、前記水中判定部による判定結果と、複数の前記導体から2つの前記導体を選択して組
合せた場合の各組合せにおける前記導体間の静電容量とに基づいて、前記スイッチへの操
作を検出するとともに操作位置を特定するものとしてもよい。
【0009】
上記構成は、水中において潜水中のダイバーに対し各種情報を表示する情報表示装置で
あってもよい。
また、時刻を計時する計時部を備え、前記計時部により計時する時刻を前記表示画面に
表示する時計であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誘電体層の下に埋設された導体の間における静電容量の変化に基づい
て接触操作を検出するスイッチを実現することで、防水ケースの内外に跨って配設される
部材がないため、パッキン等を用いることなく容易に防水性を確保することができる。こ
れにより、シンプルな構造で実現可能であるため、製造時の工数及び部材が少なくて済み
、低コストで実現可能となり、その上、メンテナンスの頻度を少なくすることも可能とな
る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の電子機器及び時計に係る実施形態としてのダイブコンピュータ1の使
用状態を示す図である。図2は、ダイブコンピュータ1(ダイバーズ用情報処理装置)の
構成を示す平面図であり、図3は、ダイブコンピュータ1の機能的構成を示すブロック図
である。
【0012】
図1には、ユーザ(ダイバー)がダイビングを行う際の装備品を装着した状態を示す。
潜水装備200は、大別すると、複数のタンク201A、201Bを有するタンクユニッ
ト201と、切換バルブ・レギュレータ202と、水深・残圧計203と、ダイブコンピ
ュータ1と、を備えている。
ダイブコンピュータ1の機能としては、潜水中のダイバーの深度や潜水時間を計算して
表示するとともに、潜水中に体内に蓄積される不活性ガス量(主として窒素ガス量)を計
測し、この計測結果から潜水後に水からあがった状態で体内に蓄積された窒素が排出され
るまでの時間などの安全確保情報を表示する機能等がある。
【0013】
ダイブコンピュータ1は、各部を収容する矩形のケース2に、腕時計における6時の側
および12時の側にベルト3が連結された構造を有し、ベルト3によって、腕時計と同様
に腕に装着して使用できる。ケース2は、例えば上下に分割されるケース部品を完全水密
状態でビス止めなどの方法により固定して封止したもので、いわゆる防水構造となってお
り、所定の水圧に耐え得る防水性を有している。ケース2の内部には各種の電子部品など
が搭載された基板(図示略)が収納されている。また、ダイブコンピュータ1全体の電源
は、ケース2に内蔵されるボタン型の電池(図示略)である。
【0014】
図2に示すように、ケース2の上面(表面)には、各種情報を表示するための表示部1
0が配置されている。表示部10は、ケース2に嵌め込まれたガラス製または合成樹脂製
の風防(図示略)の内側に、液晶表示パネル11(表示画面)を視認可能に収容して構成
される。
ケース2の側面には、ダイブコンピュータ1を操作するための4個のスイッチA〜Dが
配設されている。これら4個のスイッチA〜Dは、いずれも押圧操作される押しボタンス
イッチである。
また、ケース2の上面には、表示部10に隣接する領域(図中下方)に接触スイッチ4
が設けられている。接触スイッチ4は、ユーザが指等で接触することによって操作するス
イッチであって、その表面は誘電体層42により覆われており、誘電体層42の直下に複
数の電極43(導体)が埋設されている。誘電体層42は、ケース2の表面に露出する。
表示部10の風防及び誘電体層42は、ケース2の他の部分とともに防水構造を構成し
ており、ケース2の他の部分に対して接着等によって密に接合されている。
【0015】
また、ケース2の上面において、腕時計における9時の側(図中左側)には、ダイブコ
ンピュータ1が水没しているか否かを検出するための電極31、32が露出している。電
極31、32は、後述する水中判定センサ30によって、ダイブコンピュータ1が水中に
没しているか否かを判定するための電極である。
【0016】
図3に示すように、本実施形態のダイブコンピュータ1は、各種の情報を表示して利用
者に報知するための液晶表示パネル11、およびそれを駆動する液晶ドライバ12を備え
る表示部10と、各モードでの処理を行うとともに、各モードに応じた表示を液晶表示パ
ネル11で行わせる制御部50とが構成されている。制御部50に対しては、電極31、
32を利用してダイブコンピュータ1が水中にあるか否かを判定する水中判定センサ30
の出力と、スイッチA〜D及び接触スイッチ4における操作を検出する操作部35の出力
とが入力される。操作部35には、接触スイッチ4における操作の有無、及び、操作位置
を検出する接触操作検出部36(操作検出部)が接続され、この接触操作検出部36によ
り検出された操作の有無及び操作位置を示す操作信号を、制御部50に出力する。
本実施形態において、制御部50は、装置全体を制御するCPU51と、CPU51の
制御の下に液晶ドライバ12および時刻用カウンタ63を制御する制御回路52とが用い
られ、ROM53に格納されているプログラムに基づいてCPU51が行う各処理によっ
て後述する各モードが実現される。RAM54は、各種プログラム、各種データを一時的
に格納するワーキングメモリとして使用される。
【0017】
ダイブコンピュータ1では、通常時刻の表示や潜水時間の計測を行うことから、制御部
50に対しては、発振回路61からのクロック出力が分周回路62を介して入力され、時
刻用カウンタ63によって1秒単位での計時が行われる計時部60が構成されている。
また、ダイブコンピュータ1は、水深を計測、表示するとともに、水深(水圧)と潜水
時間とから体内に蓄積される窒素ガス(不活性ガス)の量を計測していくことから、圧力
センサ66(半導体圧力センサ)、この圧力センサ66の出力信号に対する増幅回路67
、およびこの増幅回路67から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して制御部
50に出力するA/D変換回路68を備える水深計測部65が構成されている。さらに、
ダイブコンピュータ1には報音装置57が構成され、警告などをアラーム音でダイバーに
知らせることが可能である。
【0018】
水中判定センサ30は、図2に示したようにケース2の表面に露出する2つの電極31
、32に接続され、これら電極31、32間における電気抵抗値に基づいて、ダイブコン
ピュータ1が水中に没しているか否かを判定する。ダイブコンピュータ1が水中に没した
場合、電極31、32がともに海水または真水に浸ることで導通し、電極31、32間の
抵抗値が小さくなるので、この電気抵抗値、或いは電気抵抗値の変化量に基づいて、ダイ
ブコンピュータ1が水中にあるか陸上にあるかを判定できる。
なお、ダイブコンピュータ1は、水中判定センサ30の出力を、あくまで入水したこと
を検出して、後述するダイビングモードに移行するのに用い、1回のダイビングを開始し
た旨を判定するものではない。すなわち、水中判定センサ30が水中にあると判定した場
合であっても、ダイブコンピュータ1を装着した腕が海水に浸かっただけである可能性が
あるためである。本実施形態のダイブコンピュータ1は、装置本体に内蔵の圧力センサに
よって水深(水圧)が一定以上、たとえば、本実施形態では水深が1.5mより深くなっ
たときにダイビングを開始したものと見做し、かつ、この水深値よりも浅くなったときに
ダイビングが終了したものと見做す機能を備える。
【0019】
このように構成されるダイブコンピュータ1は、制御部50の制御のもとに、スイッチ
A〜D或いは接触スイッチ4における操作に応じて、動作モードを切り替えて動作し、ダ
イビングモードにおいては、潜水開始が指示されてからの経過時間や、圧力センサ66の
検出値から求めた水深、これらの情報に基づいて算出した体内の蓄積不活性ガス量、現在
時刻等を表示するとともに、必要に応じて報音装置57による報知を行う。これにより、
潜水中のダイバーに対して重要な情報を的確に提供し、安全かつ円滑なダイビングの進行
を補助する。
【0020】
また、ダイブコンピュータ1は、スイッチA〜D或いは接触スイッチ4における操作に
応じて、制御部50の動作により、以下の各種動作モードを実行する。
ダイブコンピュータ1の動作モードとしては、例えば、時刻モード、サーフェスモード
、プランニングモード、設定モード、ダイビングモードおよびログモードがある。以下、
概要を説明する。
時刻モードは、スイッチ操作を行わず、かつ、体内窒素分圧が平衡状態にあり、陸上で
携帯するときの動作モードである。この時刻モードにおいて、液晶表示パネル11には、
現在月日、現在時刻及び高度ランクが表示される。
サーフェスモードは、前回のダイビングから48時間経過するまで陸上で携帯するとき
のモードであり、ダイブコンピュータ1は、前回のダイビングの終了後、ダイビング中に
導通状態にあった水中判定センサ30が絶縁状態になると自動的にサーフェスモードに移
行するようになっている。このサーフェスモードにおいては、時刻モードで表示される現
在月日、現在時刻および高度ランクの他に、体内窒素排出時間がカウントダウン表示され
る。ただし、体内窒素排出時間として表示すべき時間が0時間00分に至ると、それ以降
は無表示状態となる。また、サーフェスモードにおいては、ダイビング終了後の経過時間
が水面休止時間として表示される。
【0021】
プランニングモードは、次に行うダイビングの最大水深と潜水時間の目安を、そのダイ
ビング前に入力することが可能な動作モードである。このプランニングモードにおいては
、水深ランク、無減圧潜水可能時間、水面休止時間、体内窒素グラフが表示される。
設定モードは、現在月日や現在時刻の設定の他に、警告アラームのオン/オフ設定、セ
ーフティレベルの設定を行うための動作モードである。この設定モードでは、現在月日、
現在年、現在時刻の他にも、セーフティレベル(図示略)、アラームのオン/オフ(図示
略)、高度ランク(図示略)が表示される。
ダイビングモードとは、潜水時の動作モードであり、無減圧潜水時の動作モードである
無減圧潜水モード、現在時刻表示モードおよび減圧潜水時の動作モードである減圧潜水表
示モードを備えている。このダイビングモードでは、現在水深、潜水時間、最大水深、無
減圧潜水可能時間、体内窒素グラフ、高度ランク、減圧停止時間などダイビングに必要な
情報が表示される。
ログモードは、ダイビングモードに入った状態で水深1.5mよりも深くに3分以上潜
水したときの各種データを記憶、表示する機能である。このようなダイビングのデータは
、ログデータとして潜水毎に順次記憶され、所定数(例えば、10回)の潜水のログデー
タを記憶保持する。
【0022】
そして、液晶表示パネル11には、上記の各種動作モードに応じて情報を表示するため
の8つの表示領域が構成されている。
すなわち、図2に示すように、図2中の上部、すなわち腕時計の12時の側に位置する
第1の表示領域111は、各表示領域のうちで最も大きく構成され、そこには、後述する
ダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモード
のときに、現在水深、現在月日、水深ランク、潜水月日(ログナンバー)が表示される。
第1の表示領域111より3時側(図中右側)に配置された第2の表示領域112には
、ダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモー
ドのときにそれぞれ潜水時間、現在時刻、無減圧潜水可能時間、潜水開始時刻(潜水時間
)が表示される。
第1の表示領域111より6時側(図中下側)に配置された第3の表示領域113には
、ダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモー
ドのときにそれぞれ最大水深、体内窒素排出時間、セーフティレベル、最大水深(平均水
深)が表示される。
第3の表示領域113より3時の側(図中右側)に配置された第4の表示領域114に
は、ダイビングモード、サーフェスモード(時刻モード)、プランニングモード、ログモ
ードのときにそれぞれ無減圧潜水可能時間、水面休止時間、温度、潜水終了時刻(最大水
深時水温)が表示される。
【0023】
第3の表示領域113より6時の側(図中下側)に配置された第5の表示領域115は
、電池の残容量表示104や高所ランク表示103を有する。電池の残容量表示104は
、5つのマークのうち点灯しているマークの数により、電池(図示略)の残量を表示する
。また、電池の残容量が所定のレベルを下回った場合には、5つのマークの点滅により、
電池切れが近いことを表示する。
液晶表示パネル11の最も6時側(図中下側)に配置された第6の表示領域116には
、体内窒素蓄積量がグラフ表示される。第6の表示領域116より3時側(右側)に配置
された第7の表示領域117には、ダイビングモードで減圧潜水状態になったときに窒素
(不活性ガス)が吸収傾向にあるのか、排出傾向にあるかを示す領域、浮上速度が高すぎ
る旨の浮上速度違反警告の1つとしての「SLOW」を表示する領域、および潜水中に減
圧潜水に至った旨の警告としての「DECO」を表示する領域が構成されている。
このように、ダイブコンピュータ1は、液晶表示パネル11においてダイビング中の管
理に有用な各種情報を表示する情報表示装置として機能するとともに、時刻モードにおい
ては、第1の表示領域111に現在時刻を表示して時計として機能する。
【0024】
上述したように、ケース2の上面には、ユーザにより接触操作される接触スイッチ4が
配設されている。この接触スイッチ4の構成について、詳述する。
図4は、接触スイッチ4の構成を示す図であり、図4Aは要部拡大平面図、図4Bは要
部断面図である。なお、図4A及び図4Bは位置を対応させて示す。
図4Aに破線で示すように、接触スイッチ4においては、誘電体層42の下に複数の電
極43が並べて埋設されている。本実施形態では、6個の電極43A〜Fが一列に並べら
れ、隣接する電極43どうしの間隔は等間隔となっている。
【0025】
図4Bに示すように、接触スイッチ4は、合成樹脂やセラミックス等の誘電体からなる
誘電体層42の下に電極43が埋設され、隣接する電極43A〜Fと電極43A〜Fとの
間、及び、端に位置する電極43A及び電極43Fに接して絶縁部材45が配設され、絶
縁部材45の下に絶縁体層46が配設されて構成される。
誘電体層42は、ケース2の防水構造の一部を構成するものであり、不透水性の板また
はフィルムであって、上記の防水性を保持し、ケース2の他の部分に接合するのに足りる
強度を確保できるよう、所定の厚さとなっている。誘電体層42は、ユーザの指により接
触操作されるものであるから、誘電体層42の表面は摩擦に対してある程度の強度を有す
ることが好ましい。
【0026】
電極43A〜Fは、それぞれ、金属等の導体で構成された棒状の部材であり、下端には
検出用配線44がそれぞれ接続されている。各々の検出用配線44は電極43A〜Fと導
通し、接触操作検出部36(図3)に接続されている。
合成樹脂等からなる絶縁部材45は、電極43の周りに配設されて電極43と他の部材
とを絶縁する。絶縁部材45は、電極43に接していてもよい。
また、絶縁部材45の下端は絶縁体層46により支持されている。絶縁体層46は、合
成樹脂等の絶縁体からなるフィルムまたは板であり、絶縁部材45を下方から支持可能な
程度の強度があれば、その厚さは任意である。電極43の下端は、絶縁体層46を貫通し
て突出し、この突出部から上述した検出用配線44が接触操作検出部36へ延びている。
【0027】
このように構成される接触スイッチ4において、各電極43A〜Fは絶縁部材45等の
存在によって互いに絶縁されているが、これらの電極43A〜Fの上には誘電体層42が
配設されている。このため、隣接する2個の電極43は、その間に誘電体層42が介在す
ることでコンデンサ(キャパシタ)を構成しており、これら2個の電極43の間には所定
の静電容量が存在する。上述したように各々の電極43A〜Fは等間隔で並べられている
ため、隣接する2個の電極43の間における静電容量は、どの2個の電極43についても
同様である。例えば、電極43Aと電極43Bとの間の静電容量は、電極43Bと電極4
3Cとの間、電極43Cと電極43Dとの間、電極43Dと電極43Eとの間、電極43
Eと電極43Fとの間のいずれにおける静電容量とも、ほぼ等しい。
【0028】
図5は、接触スイッチ4の操作状態を示す図であり、図5Aは空気中における操作の例
を、図5Bは水中における操作の例を示す。
図5Aに示すように、ユーザの指5が誘電体層42に接触すると、この接触位置を挟ん
で隣り合う2個の電極43(図5Aの例では電極43Cと電極43D)の間における静電
容量が変化する。具体的には、誘電体層42に、空気よりも比誘電率の高い指5が接する
ことで、電極43Cと電極43Dとの間に位置する誘電体層42の見かけ上の誘電率が増
大する。このため、電極43Cと電極43Dとの間の静電容量が、他の2個の電極43の
組合せに比べて大幅に増大するので、この静電容量の変化を接触操作検出部36によって
検出することで、電極43Cと電極43Dとの間において、指5の接触操作が行われたこ
とを検出できる。
【0029】
ところで、ダイブコンピュータ1は防水性を有するケース2に各部を収めた構造となっ
ているので、水中においても使用可能である。
図5Bに示すように、水中においては誘電体層42が水7に接している。水7は人体よ
りも比誘電率が高く、水7と指5の比誘電率の差はそれほど大きくないので、水7の中で
指5が誘電体層42に接しても静電容量の変化は小さい。しかしながら、ダイブコンピュ
ータ1はダイビング中に必要な情報を表示する装置であるから、ダイブコンピュータ1を
装着したユーザが水中にいる状態では、ユーザがグローブ6を装着している可能性が高い
。グローブ6は、通常、合成樹脂または合成ゴム製であり、水7との比誘電率の差は顕著
である。従って、図5Bに示すように、誘電体層42の表面が水7に浸っている状態で、
グローブ6を装着したユーザの指5が誘電体層42に接すると、接触した箇所を挟んで隣
り合う2個の電極43(図5Bの例では電極43Cと電極43D)の間における静電容量
が変化する。具体的には、誘電体層42に、水7よりも比誘電率の低いグローブ6が接す
ることで、電極43Cと電極43Dとの間に位置する誘電体層42の見かけ上の誘電率が
低下する。このため、電極43Cと電極43Dとの間の静電容量が、他の2個の電極43
の組合せに比べて大幅に小さくなるので、この静電容量の変化を接触操作検出部36によ
って検出することで、電極43Cと電極43Dとの間において、指5の接触操作が行われ
たことを検出できる。
なお、水7が海水であっても淡水であっても、同様の静電容量の変化が起こるため、接
触操作検出部36によって操作を検出できる。
【0030】
このように、接触スイッチ4に対してユーザの指5が接触する操作が行われた場合には
、ケース2が水中にあっても、陸上にあっても、その接触操作を検出することができ、接
触位置を特定することもできる。
また、接触操作検出部36は、隣り合う2個の電極43からなる組合せについて、最も
静電容量が大きい、或いは最も小さい組合せを特定することで、操作位置を特定する。
つまり、上述のように6個の電極43A〜Fがある場合、接触操作検出部36は、電極
43Aと電極43Bとの組合せ、電極43Bと電極43Cとの組合せ、電極43Cと電極
43Dとの組合せ、電極43Dと電極43Eとの組合せ、電極43Eと電極43Fとの組
合せの5通りの組合せについて、静電容量を比較する。そして、最も静電容量が大きい、
或いは最も小さい組合せを特定し、この組合せに対応する位置を操作位置として特定し、
この操作位置を示す信号を制御部50に出力する。
【0031】
従って、例えば、3個以上の電極43に跨るように指5が接触する操作が行われた場合
も、接触操作検出部36は、静電容量の大小に基づいて操作位置を特定することができる

なお、複数の電極43の組合せどうしの間で、非操作時における静電容量の差が大きい
場合、接触操作検出部36は、組合せどうしの静電容量の差を補正して、静電容量を比較
してもよいし、個々の組合せにおける静電容量の変化を検出して、この変化量を比較する
ことで操作位置を特定してもよい。
また、誘電体層42に対する接触操作は、隣接する2個の電極43の上に完全に跨るよ
うな操作でなくてもよく、例えば、誘電体層42のごく一部に指5又はグローブ6が接す
る操作であってもよい。この場合も、接触位置に近い電極43と、その隣の電極43との
間では静電容量が変化するので、接触操作検出部36が確実に接触操作を検出できる。
【0032】
ここで、接触スイッチ4における接触操作を検出する動作をまとめる。
接触操作検出部36は、予め検出対象として設定された、隣接する2個の電極43の組
合せの全てについて、所定時間毎に、順次静電容量を検出する。この検出は、例えば、電
極43A〜Fの一方の端から、順に行われる。
制御部50は、水中判定センサ30から入力される判定結果に基づいて、ダイブコンピ
ュータ1が水中にあるか否かを特定し、ダイブコンピュータ1が水中にあるか否かに応じ
て、水中判定センサ30に対し、静電容量が最大の組合せか、或いは、静電容量が最小の
組合せかのいずれかを特定するよう、制御信号を出力する。この制御信号は、水中判定セ
ンサ30を介して接触操作検出部36に入力される。
そして、接触操作検出部36は、電極43A〜Fのうち2個を組み合わせてなる全ての
組合せについて、検出した静電容量を比較し、静電容量が最も大きい、或いは最も小さい
組合せを、接触操作がなされた位置として特定し、この位置を示す操作信号を出力する。
また、接触操作検出部36は、全ての組合せについて検出した静電容量の差が所定の範囲
内であった場合には、接触操作がされていないと判定して、操作がないことを示す信号を
生成して出力する。
なお、接触操作検出部36は、全ての組合せについて検出した静電容量を必要に応じて
一時的に記憶する機能を持っていてもよい。
また、接触操作検出部36は、全ての組合せについて検出した静電容量と、基準となる
静電容量とを比較することにより、誘電体層42が水中にあるか否かを判定してもよい。
この場合、水中判定センサ30による判定結果を用いることなく、ダイブコンピュータ1
が水中にあるか否かに応じて、正確に操作位置を特定できる。
【0033】
そして、接触スイッチ4における電極43の組合せが、一つの操作に対応するものとす
れば、6個の電極43が並んだ接触スイッチ4は、5つの電極43の組合せがあるから、
5種類の操作が可能である。つまり、5個のスイッチが並んだ構成と等価である。従って
、接触操作検出部36が特定した操作位置に基づき、5種類の操作の中からユーザが意図
した操作を特定できる。このように、多数のスイッチが並んだ構成を、一つのコンパクト
な接触スイッチ4によって置き換えることが可能となるので、限られたサイズのケース2
において、多様な操作を可能とし、操作性の向上を図ることができる。
【0034】
以上のように、本発明を適用した実施形態に係るダイブコンピュータ1によれば、防水
性を有するケース2に、各種情報を表示する液晶表示パネル11と、ケース2の外側から
操作可能な接触スイッチ4とを備えるとともに、接触スイッチ4に対する操作を検出する
接触操作検出部36を有する回路を内蔵し、接触スイッチ4が、ケース2の表面に露出し
て配設された不透水性の誘電体層42と、誘電体層42の下に互いに離隔して埋設された
複数の電極43と、を備え、接触操作検出部36により、電極43間における静電容量に
基づいて接触スイッチ4への操作を検出するので、ケース2の内外を貫通する部材を持た
ないシンプルな構成からなる接触スイッチ4により、ユーザの接触操作を検出できるので
、パッキン等を用いることなく、容易に、ケース2の高い防水性を確保することができる
。これにより、製造時の工数及び部材が少なく、低コストで実現可能な接触スイッチ4を
備えることで、ダイブコンピュータ1の低コスト化を図ることが可能になる上、ダイブコ
ンピュータ1の防水性を保つためのメンテナンスの頻度を少なくすることができる。
特に、接触スイッチ4は、誘電体層42の下に埋設された複数の電極43について、接
触操作検出部36が隣り合う電極43の間の静電容量に基づいて操作を検出することがで
きるので、操作時に動く可動部を持たないことから、機械的な故障の懸念が極めて小さく
、メンテナンスの頻度を大幅に減らしても十分な性能を維持できる。
また、電極43と電極43との間に絶縁部材45を配置することで、電極43同士を導
通させずに安定して保持することができる。
【0035】
また、接触操作検出部36は、複数の電極43から2つの電極43を選択して組合せた
場合に、各々の組合せにおける電極43間の静電容量を、他の組合せにおける静電容量と
比較することにより、接触スイッチ4への操作を検出するとともに操作位置を特定するも
のとしてもよい。この場合、複数の組合せにおける静電容量を比較するので、例えば複数
の組合せを構成する3以上の電極43に跨ってユーザの指5(又はグローブ6)が接触し
た場合であっても、速やかに一つの操作位置を特定することができる。
さらに、電極43は等間隔に配置されているため、隣り合う2つの電極43の間におけ
る静電容量は、どの2つの電極43を選択した場合もほぼ等しい。このため、複数の組合
せについて、電極43間の静電容量を比較するだけで、複雑な演算を行うことなく、接触
操作がなされた位置を速やかに特定できる。
【0036】
また、上記構成において、接触操作検出部36は、複数の電極43から2つの電極43
を選択した組合せのうち、電極43間の静電容量が、他の組合せにおける電極43間にお
ける静電容量よりも小さい組合せがあった場合は、この組合せを構成する電極43の間で
接触操作があったと検出する。これにより、図5Aに示すように、ダイブコンピュータ1
が空気中にある場合に、接触操作の有無と操作位置とを確実に検出できる。
さらに、上記構成において、接触操作検出部36は、複数の電極43から2つの電極4
3を選択した組合せのうち、電極43間の静電容量が、他の組合せにおける電極43間に
おける静電容量よりも大きい組合せがあった場合は、この組合せを構成する電極43の間
の位置で接触操作があったと検出する。これにより、図5Bに示すように、ダイブコンピ
ュータ1が水中にある場合に、接触操作の有無と操作位置とを確実に検出できる。
【0037】
そして、制御部50が水中判定センサ30の判定結果に基づいて接触操作検出部36を
制御することで、接触操作検出部36は、複数の電極43から2つの電極43を選択して
組合せた場合の各組合せにおける電極43間の静電容量に基づいて、接触スイッチ4への
操作を検出するとともに操作位置を特定する。このため、ダイブコンピュータ1が空気中
にあっても水中にあっても、速やかに、かつ正確に、接触操作の有無と操作位置とを特定
できる。
ダイブコンピュータ1は、水中において潜水中のダイバーに対し各種情報を表示する情
報表示装置としても使用可能であるし、時刻を計時する時計としても使用可能である。換
言すれば、ダイビング中に情報を表示する情報表示装置としても、時計としても、操作性
の高い接触スイッチ4を備え、防水性の高い構造を容易に実現できるという利点がある。
【0038】
なお、上記実施の形態において、ユーザが電極43の位置を知ることができるように、
誘電体層42にマーク等を付してもよい。また、接触スイッチ4の形状は図2に示したよ
うな直線状に限らず、曲線を含む形状としてもよい。以下、これらの場合について変形例
として説明する。
【0039】
[変形例1]
図6は、上記実施形態の変形例として、接触操作部40A、40Bの構成を示す図であ
り、図6Aは接触操作部40Aの平面図、図6Bは接触操作部40Bの平面図である。
図6Aに示す接触操作部40Aは、誘電体層42の表面に、その直下に埋設された電極
43の位置を示す円形の操作ガイド記号48が付されたものである。操作ガイド記号48
は、電極43の径とほぼ同サイズの円であり、電極32の上面からみたサイズ及び位置を
明示する。接触操作部40Aを用いた場合、ユーザは、2個の操作ガイド記号48に跨る
ように指5を触れさせて操作を行うことができ、意図した操作が確実に検出されるように
操作を行える。これにより、操作の確実性が高まるとの安心感を与えることができ、操作
の目安が表示されることによって操作性を高めることもできる。
また、図6Bに示す接触操作部40Bは、誘電体層42の表面において、電極43と電
極43との間に相当する位置に、操作ガイド記号49を付したものである。この操作ガイ
ド記号49を目安に接触操作を行えば、2つの電極43の中央に対して接触操作が行われ
るので、接触操作検出部36が操作位置を確実に検出できる。また、上述したように、接
触スイッチ4を複数のスイッチと等価なものとして使用する場合に、個々のスイッチに対
応する操作位置をユーザに案内できるので、接触スイッチ4により多種の操作を行う場合
に、操作がしやすくなるという利点がある。
【0040】
[変形例2]
図7は、上記実施形態の変形例として、接触操作部40Cをダイブコンピュータ1に配
設した例を示す平面図である。
この図7に示す変形例において、ダイブコンピュータ1のケース2には、L字状に曲が
った接触操作部40Cが配設されている。接触操作部40Cには、L字をなす2辺の両方
に、複数の電極43が並べて埋設されている。
すなわち、図7に示す構成は、接触操作部40Cにおいて隣り合う2個の電極43の組
合せを一つのスイッチとしてみれば、非常に多数のスイッチを並べた構成と等価である。
このため、限られたサイズのケース2に多数の電極43を配置して、非常に多彩な操作が
可能となっている。
この図7に示す変形例に限らず、接触スイッチ4は、例えば半円形としてもよいし、弧
を描くように配設してもよい。また、電極43を縦横に並べてマトリクス状のスイッチの
集合体と等価に構成してもよく、接触スイッチ4の形状と電極43の配置をケース2の形
状に合わせて様々に変えることで、限られたスペースを使って多彩な操作が可能となる。
【0041】
なお、上述した実施形態及び変形例は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、
本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上記実施形態及び変形例において、誘電体層42は、誘電体からなる層を少な
くとも一つ含む複数の層により構成されてもよいし、所定の厚さと剛性を有する板材とし
ても、可撓性を有するフィルムとしてもよい。さらに、電極43は丸棒形状に限らず、直
方体や立方体としてもよいし、断面が円形、楕円形または多角形の柱状としてもよく、そ
のサイズも特に限定されない。また、絶縁部材45のサイズや形状は、電極43との間に
極端に大きな空間を形成するものでなければ任意であり、複数の部材を組み合わせて一つ
の絶縁部材45を構成してもおい。或いは、一つの絶縁体の塊に、複数の電極43を貫通
させるための複数の孔を形成したものを用いて、この一つの絶縁部材45に全ての電極4
3を配設してもよい。また、絶縁部材45と電極43との間に、絶縁性の接着剤や充填剤
を入り込ませることで、電極43を固定することも可能であるし、絶縁部材45において
、検出用配線44を固定するための構造を設けてもよい。さらに、絶縁部材45は、例え
ば、誘電体層42と絶縁体層46との間において電極43の周囲に形成される空間に、ウ
レタンフォーム等を充填して形成されるものであってもよい。また、接触操作検出部36
は、隣接する電極43だけでなく、離れた2個の電極43からなる組合せについて静電容
量を検出してもよい。
【0042】
また、例えば、ケース2の上面および表示部10の形状は、図2、図6及び図7に例示
した形状に限らず、真円、楕円、トラック形状、多角形状など他の任意の形状であっても
よい。また、上記実施形態では、ダイブコンピュータ1は、スイッチA〜D及び接触スイ
ッチ4を備える構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、スイッチA〜D
を廃した構成としてもよいし、その数を増減することも任意である。また、上記実施形態
において、ベルト3を構成する材料は合成樹脂や合成ゴム、或いは合成または天然繊維の
いずれであってもよく、ベルト3をケース2に取り付けるベルト通しの形状や材料も任意
であって、単にベルト3を孔に通すような形態だけでなく、ベルト3にケース2を着脱可
能な形状であれば限定されない。その他、ダイブコンピュータ1の細部構成については、
本発明の趣旨を損なうことのない範囲において任意に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係るダイブコンピュータの使用状態を示す図である。
【図2】ダイブコンピュータ本体の構成を示す平面図である。
【図3】ダイブコンピュータの機能的構成を示すブロック図である。
【図4】ダイブコンピュータが備える接触スイッチの構成を示す図である。
【図5】接触スイッチの操作状態の例を模式的に示す図である。
【図6】接触スイッチの変形例の構成を示す図である。
【図7】接触スイッチの別の変形例の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…ダイブコンピュータ(電子機器)、2…ケース、4…接触スイッチ(スイッチ)、
10…表示部、11…液晶表示パネル(表示画面)、30…水中判定センサ(水中判定部
)、31、32…電極、36…接触操作検出部(操作検出部)、42…誘電体層、43…
電極(導体)、44…検出用配線、45…絶縁部材、46…絶縁体層、50…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水性を有するケースに配設されるスイッチであって、
前記ケースの表面に露出して配設された不透水性の誘電体層と、
前記誘電体層の下に、互いに離隔して埋設された複数の導体と、を備え、
各々の前記導体には、複数の前記導体の間の静電容量を検出可能に配線が接続されたこ
と、
を特徴とするスイッチ。
【請求項2】
防水性を有するケースに収容され、各種情報を表示する表示画面と、前記ケースの外側
から操作可能なスイッチと、前記スイッチに対する操作を検出する操作検出部とを備え、
前記スイッチは、
前記ケースの表面に露出して配設された不透水性の誘電体層と、
前記誘電体層の下に、互いに離隔して埋設された複数の導体と、を備え、
前記操作検出部は、複数の前記導体の間における静電容量に基づいて前記スイッチへの
操作を検出すること、
を特徴とする電子機器。
【請求項3】
前記操作検出部は、複数の前記導体から2つの前記導体を選択して組合せた場合に、各
々の組合せにおける前記導体間の静電容量を、他の組合せにおける前記導体間の静電容量
と比較することにより、前記スイッチへの操作を検出するとともに操作位置を特定するこ
と、
を特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記操作検出部は、複数の前記導体から2つの前記導体を選択した組合せのうち、前記
導体間の静電容量が、他の組合せにおける前記導体間の静電容量よりも小さい組合せがあ
った場合は、この組合せを構成する前記導体の間で接触操作があったと検出すること、
を特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
前記操作検出部は、複数の前記導体から2つの前記導体を選択した組合せのうち、前記
導体間の静電容量が、他の組合せにおける前記導体間の静電容量よりも大きい組合せがあ
った場合は、この組合せを構成する前記導体の間で接触操作があったと検出すること、
を特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項6】
当該電子機器が水中にあるか否かを判定する水中判定部をさらに備え、
前記操作検出部は、前記水中判定部による判定結果と、複数の前記導体から2つの前記
導体を選択して組合せた場合の各組合せにおける前記導体間の静電容量とに基づいて、前
記スイッチへの操作を検出するとともに操作位置を特定すること、
を特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の電子機器。
【請求項7】
水中において潜水中のダイバーに対し各種情報を表示する情報表示装置であること、
を特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の電子機器。
【請求項8】
時刻を計時する計時部を備え、前記計時部により計時する時刻を前記表示画面に表示す
る時計であること、
を特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−230852(P2009−230852A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70811(P2008−70811)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】