スイッチカバーのロックアウト機構
【課題】スイッチカバーへの施錠によるロックアウト機能を備える。
【解決手段】手動操作される操作スイッチ11に対してスイッチカバー20への施錠によるロックアウト機能を備える際に、操作スイッチ11の不使用時に操作スイッチ11の操作部11cを覆うスイッチカバー20を、操作スイッチ11を取り付けたベース部材13,14上に着脱自在に設け、且つ、スイッチカバー20の内側からベース部材14のカバー係止片14dがスイッチカバー20の係止孔20a1内に進入した状態でベース部材14のカバー支持用貫通孔14e1,14f1とスイッチカバー20のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させて各カバー支持用貫通孔内に係止棒30を挿通させ、且つ、係止棒30中でスイッチカバー20の外側に延出された部位に少なくとも一つ以上の南京錠36を掛け渡してスイッチカバーのロックアウト機構10を構成する。
【解決手段】手動操作される操作スイッチ11に対してスイッチカバー20への施錠によるロックアウト機能を備える際に、操作スイッチ11の不使用時に操作スイッチ11の操作部11cを覆うスイッチカバー20を、操作スイッチ11を取り付けたベース部材13,14上に着脱自在に設け、且つ、スイッチカバー20の内側からベース部材14のカバー係止片14dがスイッチカバー20の係止孔20a1内に進入した状態でベース部材14のカバー支持用貫通孔14e1,14f1とスイッチカバー20のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させて各カバー支持用貫通孔内に係止棒30を挿通させ、且つ、係止棒30中でスイッチカバー20の外側に延出された部位に少なくとも一つ以上の南京錠36を掛け渡してスイッチカバーのロックアウト機構10を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチに対してスイッチカバーへの施錠によるロックアウト機能を備える際に、各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用でき、また、操作スイッチの使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認でき且つコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能なスイッチカバーのロックアウト機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人手によって手動操作される押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチは、電源パネル,制御パネルなどに取り付けられて各種の機器に多用されている。
【0003】
この種の操作スイッチのうちで安全性を確保しなければならない操作スイッチに対して法的にいくつかの規定が存在している。
【0004】
例えば、米国労働安全衛生局(OSHA)では、工場内で作業者を守る目的で、機械や装置をロックアウトすることが義務付けられている。
【0005】
また、米国規格協会(ANSI)では、エネルギー源のロックアウト/タグアウトの最低安全要件が規定されている。
【0006】
更に、日本国において、JIS B 9700−2(ISO12100−2)では、機械類の安全性における安全防護及び付加防護方策として、保全及び修理時に動力供給を遮断する際、全ての遮断装置を遮断の位置に施錠することが規定されている。
【0007】
尚、上記した「ロックアウト」とは、機械や装置に供給されるエネルギー(動力)源などを施錠することによって遮断もしくは遮断し続けることであり、上記した「タグアウト」とは、エネルギー(動力)源の遮断中にエネルギー遮断装置の操作を禁止することをタグ(札)などによって明示することである。
【0008】
上記から、作業者の安全を確保する操作スイッチについては、作業者以外の者が勝手に操作できないようにロックアウト対策を施したものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭60−115423号公報
【特許文献2】特開平09−019015号公報
【0009】
図15(a),(b)は従来例1のスイッチの保護カバーを示した斜視図,正面図、
図16は従来例2の操作盤を示した正面図である。
【0010】
まず、図15(a),(b)に示した従来例1のスイッチの保護カバー100は、上記した特許文献1(実開昭60−115423号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0011】
図15(a),(b)に示した如く、従来例1のスイッチの保護カバー100は、電気的切換え操作のための回転つまみ110aを有するスイッチ110を垂直面101aに固定した固定カバー101と、この固定カバー101の上端に一対のヒンジ103を介して矢印方向に回動自在に支持される可動カバー102とによって構成されている。
【0012】
そして、可動カバー102の上面102aに、スイッチ110の回転つまみ110aに対応する形状の回転規制用の孔102a1が貫通して穿設されている共に、固定カバー101の垂直面101aの左右から突出した左右の側面101b,101cの各下部に、複数の南京錠120の各掛け金120aを通す複数の孔101b1,101c1がそれぞれ貫通して穿設されている。
【0013】
上記のように構成した従来例1の保護カバー100によれば、可動カバー102を開いたときにスイッチ110の回転つまみ110aを操作でき、一方、可動カバー102を閉じたときに固定カバー101の左右の側面101b,101cに穿設した各孔101b1,101c1内に複数の南京錠120の各掛け金120aを通して施錠を行うことによって、スイッチ110の回転つまみ110aを回転不可能な状態にすると共に、複数の錠保有者の立合いのもとでなければ可動カバー102を開くことが不可能となるので、1人の作業者が故意に可動カバー102を開くことを防止するロックアウト対策が施されている旨が開示されている。
【0014】
次に、図16に示した従来例2の操作盤200は、上記した特許文献2(特開平09−019015号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献2を参照して簡略に説明する。
【0015】
図16に示した如く、従来例2の操作盤200では、ケース201の正面の中央部位に回転式の切替えスイッチ202が取り付けられ、且つ、正面の下方に三つの釦スイッチ203が取り付けられていると共に、正面の上方に三つの表示ランプ204が取り付けられている。
【0016】
更に、切替えスイッチ202及び釦スイッチ203の勝手な操作を防ぐために、ケース201の正面の下半分を開閉自在に覆うカバー205がヒンジ206を介して回動自在に取り付けられている。
【0017】
この際、カバー205には、閉じたときに切替えスイッチ202の操作つまみ202aを入り込ませて切り替えをできないようにする孔205aが貫通して穿設されている。
【0018】
一方、切替えスイッチ202の操作つまみ202aには、カバー205を固定するための南京錠207の掛け金207aを通す孔202a1が穿設されている。
【0019】
上記のように構成した従来例2の操作盤200によれば、カバー205を開いたときに切替えスイッチ202及び釦スイッチ203の操作が可能であり、一方、カバー205を閉じたときに切替えスイッチ202の操作つまみ202aをカバー205の孔205aに入り込ませて、この操作つまみ202aの孔202a1に南京錠207の掛け金207aを通すことにより、カバー205が完全に固定されて切替えスイッチ202及び釦スイッチ203の操作が不可能となるので、機器の動作にかかわる重要なスイッチ202,203に対して勝手な操作を確実に保護できる旨が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、上記した従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200によれば、いずれも、保護カバー100又はカバー205と、少なくとも一以上の南京錠120又は南京錠207とによりスイッチ110又はスイッチ202,203に対して安全性を考慮してロックアウト対策を行っているものであるが、保護カバー100又はカバー205を開いたときに、スイッチ110又はスイッチ202,203が使用状態であることを目視で確認できるためには、保護カバー100又はカバー205を開放状態に保持していなければならないので、不図示のカバー開放用保持手段などの別部品が必要であり、この分、部品点数が多くなるので、従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200が高価になってしまう。
【0021】
また、開放状態の保護カバー100又はカバー205の開放スペースが大きく必要になると共に、不図示のカバー開放用保持手段の配置スペースも必要となるので、従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200が大型化するなどの問題もある。
【0022】
更に、従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200によれば、スイッチ110の回転つまみ110a又は切替えスイッチ202の操作つまみ202aをそれぞれ入り込ませる孔102a1又は205aを保護カバー102又はカバー205に穿設しなければならないので加工が複雑となると共に、回転つまみがない押し釦スイッチなどに対して何等の考慮もされていないなどの別の問題もある。
【0023】
そこで、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチに対してスイッチカバーへの施錠によるロックアウト機能を備える際に、各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用でき、且つ、操作スイッチの使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認でき且つコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能なスイッチカバーのロックアウト機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、手動操作される操作部を有する操作スイッチが取り付けられ、且つ、前記操作部側にカバー係止片と、カバー支持片に形成したカバー支持用貫通孔とを有するベース部材と、
前記ベース部材に対して着脱自在であり、前記操作スイッチの不使用時に前記ベース部材上に搭載されたときに前記操作スイッチの操作部を覆うと共に、前記ベース部材のカバー係止片に係止される係止孔とカバー支持用貫通孔とを有するスイッチカバーと、
を有し、前記ベース部材のカバー係止片を前記スイッチカバーの係止孔内に進入させた状態で前記ベース部材のカバー支持用貫通孔と前記スイッチカバーのカバー支持用貫通孔とを合致させたときに、前記ベース部材に対して前記スイッチカバーの取り外しを規制する係止棒が前記各カバー支持用貫通孔内に挿通され、前記係止棒中で前記スイッチカバーの外側に延出された部位に少なくとも一つの鍵部材が掛け渡されるように構成されていることを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0025】
また、第2の発明は、上記した第1の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記ベース部材は、
前記操作スイッチを取り付けるための第1スイッチ取付け用貫通孔を有する第1ベース部材と、
前記操作スイッチを取り付けるための第2スイッチ取付け用貫通孔,前記カバー係止片及び前記カバー支持片に形成した前記カバー支持用貫通孔を有する第2ベース部材とに分離されており、
前記第1,第2スイッチ取付け用貫通孔同士を合致させて前記第1ベース部材上に前記第2ベース部材を分離可能に重ねたことを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0026】
また、第3の発明は、上記した第2の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記第1,第2ベース部材は共に鉄材を用いると共に、前記第2ベース部材の前記カバー係止部と前記カバー支持片とを曲げ形成したことを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0027】
また、第4の発明は、上記した第1の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記ベース部材は、鉄材を用いて前記カバー係止部と、前記カバー支持片とを切り起こし形成したことを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0028】
また、第5の発明は、上記した第1〜第4のいずれかの発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記スイッチカバーは、透明な樹脂材を用いて形成されており、且つ、底面側に前記操作部及び前記カバー係止片が進入するための開口部を有することを特徴するスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0029】
更に、第6の発明は、上記した第3又は第4の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記スイッチカバーは底面側に磁石が固着されており、前記操作スイッチの使用時に前記カバー係止片と前記係止孔とによる係止が解除されたときに、前記磁石の磁力により前記スイッチカバーが前記ベース部材上又は前記第1ベース部材上の適宜な位置に搭載可能であることを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係るスイッチカバーのロックアウト機構によれば、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチに対してスイッチカバーへの施錠によるロックアウト機能を備える際に、操作スイッチを取り付けたベース部材上にスイッチカバーを着脱自在に設け、且つ、操作スイッチの不使用時にスイッチカバーで操作スイッチの操作部を覆うと共に、スイッチカバーの内側からベース部材に形成したカバー係止片をスイッチカバーの係止孔内に進入させた状態でベース部材のカバー支持用貫通孔とスイッチカバーのカバー支持用貫通孔とを合致させて各カバー支持用貫通孔内に係止棒を挿通させ、且つ、係止棒中でスイッチカバーの外側に延出された部位に少なくとも一つ以上の南京錠を掛け渡してスイッチカバーのロックアウト機構を構成しているために、スイッチカバーは操作スイッチの操作部の形状に合わせて何等の加工を施す必要がないので安価に作製でき、且つ、このロックアウト機構を押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用できる。
【0031】
また、スイッチカバーは、ベース部材に対して着脱自在であり、操作スイッチの使用時にはスイッチカバーが操作スイッチの近傍から取り外され、一方、操作スイッチの不使用時にはスイッチカバーで操作スイッチの操作部を覆うので、操作スイッチの使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認できると共に、従来例で説明したような回動式のスイッチカバーではないのでスイッチカバーの開放スペースやカバー開放用保持手段の配置スペースも必要なくなり、スイッチカバーのロックアウト機構をコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能である。この際、スイッチカバーは、透明な樹脂材を用いて成形した透明樹脂製スイッチカバーが好ましい。
【0032】
また、ベース部材を第1ベース部材と第2ベース部材とに分離させた場合には、第1ベース部材上での第2ベース部材の締結向きにより、第2ベース部材上に支持されるスイッチカバーの装着向きを適宜設定できるので、スイッチカバーのロックアウト機構の使い勝手が良好となる。
【0033】
また、ベース部材は、鉄材を用いてカバー係止部と、カバー支持片とを切り起こし形成しているために、部品数を削減できる。
【0034】
また、スイッチカバーは底面側に磁石が固着されており、操作スイッチの使用時にカバー係止片と係止孔とによる係止が解除されたときに、磁石の磁力によりスイッチカバーが鉄材を用いたベース部材上又は第1ベース部材上の適宜な位置に搭載可能であるので、着脱自在なスイッチカバーを紛失させることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に本発明に係るスイッチカバーのロックアウト機構の一実施例について図1〜図14を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0036】
図1は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図、
図2(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、第2ベース部材を示した左側面図,上面図,右側面図,正面図、
図3は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチを第1,第2ベース部材に固定する状態を説明するための断面図であり、(a)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径とスイッチ取付け用貫通孔の径とが略等しい場合を示し、(b)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径がスイッチ取付け用貫通孔の径よりも小さい場合を示した図、
図4(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、スイッチカバーを示した左側面図,上面図,右側面図,X−X矢視断面図、
図5(a)〜(c)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、係止棒の構造を説明するために示した斜視図である。
【0037】
図1に示した如く、本発明に係る実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10は、人手によって手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付け、且つ、操作スイッチ11の操作部11cを覆う着脱自在なスイッチカバー20に対して操作スイッチ11の不使用時に施錠によりスイッチカバー20の取り外しを規制するようにロックアウト機能を備えたことを特徴とするものである。
【0038】
上記した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10に適用される操作スイッチ11は、この操作部11cに対して何等の加工を施す必要がないので、押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチに適用可能であるが、この実施例では操作スイッチ11として押し釦スイッチを適用した場合について図示して説明する。
【0039】
上記した操作スイッチ(以下、押し釦スイッチと記す)11は、縦×横×高さが例えば40mm×40mm×30mmに直方体形状に形成されたスイッチ本体部11aと、このスイッチ本体部11aの上面11a1から上方に向かって突出形成されて外径が例えばφ30mmの雄ネジ部11bと、手動操作により雄ネジ部11bの内部を上下動する操作部(以下、押し釦部と記す)11cとで構成されている。
【0040】
また、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの外側に、厚みが例えば5mm程度のゴム材を用いてリング状に形成したリング状摩擦部材12が嵌め込まれており、このリング状摩擦部材12は押し釦スイッチ11のスイッチ本体部11aと後述する第1ベース部材13の下面13aとの間に介装されて両者11a,13aに対して摩擦力と緩衝効果とを付与している。
【0041】
また、押し釦スイッチ11の上方には、この押し釦スイッチ11を取り付けて固定すると共に、後述するスイッチカバー20を着脱自在に支持するための第1,第2ベース部材13,14が分離して設けられている。
【0042】
まず、第1,第2ベース部材13,14のうちで第1ベース部材13は、鉄板などを用いて平板状に形成されており、この下面13aと上面13bとの間を貫通してスイッチ取付け用貫通孔13cが穿設されている。この際、スイッチ取付け用貫通孔13cの孔径は、押し釦スイッチ11に形成した外径φ30mmの雄ネジ部11bが嵌入できる程度で例えばφ30.5mm程度に設定されている。
【0043】
次に、第1,第2ベース部材13,14のうちで第2ベース部材14は、この実施例の要部の一部を構成する部材であり、鉄板などを用いて一部の箇所が折り曲げ形成されており、且つ、上記した第1ベース部材13の上面13b上に分離可能に重ねられている。
【0044】
この第2ベース部材14は、図1及び図2(a)〜(d)に示した如く、この下面14aと上面14bとの間を貫通してスイッチ取付け用貫通孔14cが第1ベース部材13のスイッチ取付け用貫通孔13cと略同径に穿設されている。
【0045】
また、第2ベース部材14は、押し釦スイッチ11の押し釦部11c側が突出される上面14bの一端側にカバー係止片14dが曲げ形成されており、且つ、カバー係止片14dは下面14aからの高さがH1{図2(d)}で上方に向かって略垂直に曲げ形成された後に下面14a及び上面14bと略平行にL字状に曲げ形成されている。
【0046】
また、第2ベース部材14は、上面14b側で一端側とスイッチ取付け用貫通孔14cを挟んだ他端側の左右に互いに間隔を離して対向した一対のカバー支持片14e,14fが上方に向かって略垂直に曲げ形成されており、且つ、一対のカバー支持片14e,14fの内壁間寸法がW{図2(b)}に設定されている。
【0047】
また、一対のカバー支持片14e,14fに一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1が互に対向して下面14aからの高さがH2{図2(d)}で同一水平線上に貫通して穿設されており、この際、一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1の高さH2は、上記したカバー係止片14dの高さH1の2倍程度の値に設定されていると共に、一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1の孔径はφ7mm程度に設定されている。
【0048】
更に、第2ベース部材14の他端側で左右一対のカバー支持片14e,14f間に切り欠き部14gが凹状に切り欠き形成されている。
【0049】
図1に戻り、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bに螺合する化粧ナット15は、外周部15aの下方が円筒状に形成されてここにスプライン加工を施すことで人手により把持可能になっており、且つ、外周部15aの上方が低い高さで円錐状に形成されていると共に、円筒状の内部に内径φ30mmの雌ネジ部15bが形成されている。
【0050】
そして、押し釦スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付けて固定する際に、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの径と、第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14cの径とが略等しい場合には、図3(a)に示したように、第1ベース部材13の上面13b上に第2ベース部材14の下面14aを搭載してスイッチ取付け用貫通孔13c,14c同士を合致させ、且つ、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bにリング状摩擦部材12を嵌め込んだ状態でこの雄ネジ部11bを第1ベース部材13の下面13a側からスイッチ取付け用貫通孔13c,14c内に挿入し、この後、第2ベース部材14の上面14b側から化粧ナット15の雌ネジ部15bを押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bに螺合させることで、押し釦スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付けている。
【0051】
この際、第1ベース部材13と、第2ベース部材14とが分離されているので、第1ベース部材13上での第2ベース部材14の締結向きにより、第2ベース部材14上に支持される後述のスイッチカバー20の装着向きを適宜設定できる。
【0052】
尚、万一、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの径が、第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14cの径よりも小さい場合には、図3(b)に示した如く、剛性を有するスペーサ16を別途用意し、このスペーサ16の外周部16aの径を第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14cの径よりも大径に形成すると共に、内周部16bの径を押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの径と略同径に形成して、このスペーサ16をリング状摩擦部材12と第1ベース部材13の下面13aとの間に介装すれば良いものである。
【0053】
この際、押し釦スイッチ11の本体部が第1ベース13のスイッチ取付け用貫通孔13cよりも大きく、この孔13c内を通過できない場合には、上記とは異なって、スペーサ16を第2ベース14の上面14bと化粧ナット15との間に介装することも可能である。
【0054】
再び図1に戻り、押し釦スイッチ11の押し釦部(操作部)11cを覆うスイッチカバー20も、この実施例の要部の一部を構成する部材であり、内部が目視可能な透明な樹脂材を用いて縦×横×高さが50mm×45mm×40mm程度の直方体形状に一体的に形成されている。
【0055】
このスイッチカバー20は、図1及び図4(a)〜(d)に示した如く、前後の側板部20a,20bと、左右の側板部20c,20dと、天板部20eとに囲まれて透明な樹脂材により直方体形状に形成されているが、底板がないために底面20f側は矩形状の開口部20fが形成されて、後述するように、このスイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着したときに開口部20fから押し釦スイッチ11の押し釦部11c及び第2ベース部材14のカバー係止片14dが内部に進入可能になっている。
【0056】
この際、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dの外壁間寸法W’{図4(b)}が上記した一対のカバー支持片14e,14fの内壁間寸法W{図2(b)}より僅かに狭く設定されているので、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dが第2ベース部材14に形成した一対のカバー支持片14e,14fの内壁間に着脱自在に装着可能になっていると共に、後述するようにスイッチカバー20の装着動作時に一対のカバー支持片14e,14fの内壁間でスイッチカバー20がスライド可能になっている。
【0057】
また、スイッチカバー20の底面20f側には、前側板部20aと左右の側板部20c,20dとが交差する部位に磁力の弱い一対の磁石21(図4),22が固着され、且つ、後側板部20bの外壁から三角状に突出させた三角状突出部20b1の底面に磁力の弱い磁石23が固着されており、これらの磁石21〜23の磁力によってスイッチカバー20が第1ベース部材13の上面13b上に吸着可能になっており、スイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着しない場合に、スイッチカバー20を第1ベース部材13上の適宜な位置に固定して搭載できるようにしている。
【0058】
また、スイッチカバー20の前側板部20aに係止孔20a1が貫通して長方形状に穿設されており、後述するように、押し釦スイッチ11の不使用時にスイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着したときに、スイッチカバー20の係止孔20a1内に第2ベース部材14の一端側に形成したカバー係止片14dがスイッチカバー20の内側から進入可能になり、これによりスイッチカバー20が第2ベース部材14に対して係止されるようになっている。
【0059】
また、スイッチカバー20の後側板部20b側で左右の側板部20c,20dに一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1が孔径φ7mm程度で貫通して穿設されており、且つ、一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1は第2ベース部材14の一対のカバー支持片14e,14fに孔径φ7mm程度で穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と合致するように磁石21〜23の底面からの高さがH2{図4(d)}に設定されている。
【0060】
そして、スイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着して、左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1を第2ベース部材14の一対のカバー支持片14e,14fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と合致させたときに、一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1内及び一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1内に下記する1本の係止棒30が(図5)が挿脱可能になっている。
【0061】
上記した係止棒30は、図5(a),(b)に示した如く、例えば外径がφ6mm程度で剛性を有する長尺な金属製鋼管31と、この金属製鋼管31の一端側に取り付けられて金属製鋼管31の外径より大径の頭部32aを有するネジ32と、金属製鋼管31の他端側に埋め込んだピン33と、金属製鋼管31と略同径でこの金属製鋼管31の他端側に引き出し自在に取り付けられた金属製円筒34と、ピン33と金属製円筒34との間に環状に掛け渡された環状の金属製ワイヤー35とで構成されている。
【0062】
そして、この係止棒30は、図5(a)に示したように、金属製鋼管31の一端側にネジ32を取り付け、且つ、金属製鋼管31内に金属製ワイヤー35が収納されて金属製円筒34が金属製鋼管31の他端に当接した第1態様と、図5(b)に示したように、金属製鋼管31の他端に当接した金属製円筒34を引き出して金属製鋼管31内に収納した金属製ワイヤー35を外部に露出させる第2形態と、図5(c)に示したように、外部に露出した金属製ワイヤー35に少なくとも一つ以上の鍵部材(以下、南京錠と記す)36の掛け金36aを掛け渡す第3形態とを取り得るようになっており、通常、複数の鍵保有者が持っている複数の南京錠36を金属製ワイヤー35に掛け渡すように管理されている。
【0063】
次に、上記のように構成した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10の動作について図6〜図12を用いて動作順に説明する。
【0064】
図6(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第1動作段階を示した左側面図,正面図、
図7(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第2動作段階を示した左側面図,正面図、
図8(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第3動作段階を示した左側面図,正面図、
図9(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第4動作段階を示した左側面図,正面図、
図10(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第5動作段階を示した左側面図,正面図、
図11は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図、
図12は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの使用状態を示した斜視図である。
【0065】
実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10において、人手によって手動操作され且つ安全性の確保が必要な押し釦スイッチ11を使用しない時(不使用時)には、この押し釦スイッチ11を確実に保護するためにロックアウト(締め出し)する必要がある。
【0066】
そこで、まず、図6(a),(b)に示した如く、第1動作段階では、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bにリング状摩擦部材12を嵌め込んだ状態でこの雄ネジ部11bを第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14c(図1,図3)に挿入した後に、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bに化粧ナット15の雌ネジ部15bを螺合させて、押し釦スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付けているものとする。
【0067】
この際、第1ベース部材13と、第2ベース部材14とが分離されているので、第1ベース部材13上での第2ベース部材14の締結向きにより、第2ベース部材14上に支持されるスイッチカバー20の装着向きを適宜設定できるので、スイッチカバーのロックアウト機構10の使い勝手が良好となる。
【0068】
ここで、押し釦スイッチ11の押し釦部11cの上方から直方体形状のスイッチカバー20を第1,第2ベース部材13,14側に向かって下降させる。
【0069】
このときに、スイッチカバー20の前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1側を第2ベース部材14の一端側に曲げ形成したカバー係止片14d側と対向させ、且つ、
スイッチカバー20の底面20f側に形成した開口部20gを押し釦スイッチ11の押し釦部11cと対向させると共に、スイッチカバー20の後側板部20b側を第2ベース部材14の他端側の左右に曲げ形成した左右一対のカバー支持片14e,14f間に対向させて、スイッチカバー20の第1,第2ベース部材13,14への装着向きを決めている。
【0070】
次に、図7(a),(b)に示した如く、第2動作段階では、スイッチカバー20の内部に第2ベース部材14のカバー係止片14dを進入させた後に、スイッチカバー20の前側板部20aの底面と左右の側板部20c,20dの各底面とが交差する部位に固着させた磁石(21),22を第1ベース部材13上に当接させ、且つ、スイッチカバー20の後側板部20b側で左右の側板部20c,20dを第2ベース部材14の左右一対のカバー支持片14e,14f間に進入させながら前側板部20a側に対して後側板部20b側を少し持ち上げてスイッチカバー20を傾けると、スイッチカバー20の後側板部20bの三角状突出部20b1の底面に固着させた磁石23は第1ベース部材13上から少し浮いている。
【0071】
この際、スイッチカバー20を傾ける理由は、前側板部20aと後側板部20bとの間の間隔をできるだけ短くして小型化を図った際に、後側板部20bの内壁を化粧ナット15に接触させないためであり、前側板部20aと後側板部20bとの間の間隔を余裕を持って長く設定した場合にはスイッチカバー20を傾ける必要はない。
【0072】
次に、図8(a),(b)に示した如く、第3動作段階では、スイッチカバー20の内側から第2ベース部材14のカバー係止片14dを前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1内に進入させた後に、第2ベース部材14の左右一対のカバー支持片14e,14f間でスイッチカバー20の左右の側板部20c,20dをガイドしながらこのスイッチカバー20を第2ベース部材14上でスライドにより矢印方向に後ずさりさせて、第2ベース部材14の一対のカバー支持片14e,14fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させる。
【0073】
この際、スイッチカバー20の底面側に固着させた磁石21〜23の磁力は弱いので、スイッチカバー20のスライド動作に対して支障はない。
【0074】
そして、この第3動作段階で、スイッチカバー20の内側から第2ベース部材14のカバー係止片14dが前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1内に進入することで、スイッチカバー20が第2ベース部材14に係止されるが、スイッチカバー20を矢印と反対方向に移動させれば容易に係止解除できるので、スイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が不完全である。
【0075】
次に、図9(a),(b)に示した如く、第4動作段階では、第2ベース部材14の左右一対のカバー支持片14e,14fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とが合致しているので、例えば、スイッチカバー20の左側板部20c側から長尺に形成された係止棒30を上記した各孔14e1,20c1,20d1,14f1内に順に挿通させると、スイッチカバー20が第2ベース部材14に対して固定支持されるので、第3動作段階よりもスイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が強まる。
【0076】
しかしながら、係止棒30を構成する金属製鋼管31の一端側に取り付けたネジ32の頭部32aがスイッチカバー20の左側板部20cに当接して抜け防止用のストッパーとして機能するものの、金属製鋼管31と略同径でこの金属製鋼管31の他端側に取り付けた金属製円筒34側はスイッチカバー20の右側板部20dの外側に延出されているものの抜け防止が図られていないので、係止棒30を容易に引き抜くことが可能であるために、第4動作段階でもスイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が不完全である。
【0077】
次に、図10(a),(b)及び図11に示した如く、第5動作段階では、第2ベース部材14及びスイッチカバー20の各孔14e1,20c1,20d1,14f1内に挿通させた係止棒30中でスイッチカバー20の外側に延出した金属製鋼管31の他端側に取り付けた金属製円筒34を引き出して金属製鋼管31内に収納した金属製ワイヤー35を外部に露出させ、且つ、この金属製ワイヤー35に少なくとも一つ以上の南京錠36の掛け金36aを掛け渡している。
【0078】
これにより、係止棒30は、第2ベース部材14及びスイッチカバー20の各孔14e1,20c1,20d1,14f1内から抜去できなくなるので、スイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が完全となるために、押し釦スイッチ11の押し釦部11cを操作できなくなる。
【0079】
この際、複数の鍵保有者が持っている複数の南京錠36を金属製ワイヤー35に掛け渡すことによって、複数の錠保有者の立合いのもとでなければスイッチカバー20を第2ベース部材14から取り外すことが不可能であるので、1人の作業者が故意に押し釦スイッチ11を操作できないのでロックアウト対策を完全に施すことが可能となる。
【0080】
一方、第2ベース部材14及びスイッチカバー20の各孔14e1,20c1,20d1,14f1内を挿通した係止棒30に掛け渡された少なくとも一つ以上の南京錠36を外した後に、スイッチカバー20の第2ベース部材14への係止を解除して、押し釦スイッチ11の操作を可能にする場合には、図12に示した如く、スイッチカバー20が押し釦スイッチ11の近傍から取り外されているので、第1,第2ベース部材13,14に取り付けた押し釦スイッチ11の押し釦部11cが露出し、押し釦部11cへの操作が可能になる。
【0081】
この際、第2ベース部材14から取り外されたスイッチカバー20は、この底面20f側に固着させた磁石21〜23の弱い磁力によって第1ベース部材13の上面13b上の適宜な位置に固定して搭載できるので、着脱自在なスイッチカバー20を紛失させることはない。
【0082】
以上詳述した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10によれば、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチ(押し釦スイッチ)11に対してスイッチカバー20への施錠によるロックアウト機能を備える際に、操作スイッチ11を取り付けたベース部材13,14上にスイッチカバー20を着脱自在に設け、且つ、操作スイッチ11の不使用時にスイッチカバー20で操作スイッチ11の操作部11cを覆うと共に、スイッチカバー20の内側からベース部材14に形成したカバー係止片14dをスイッチカバー20の係止孔20a1内に進入させた状態でベース部材14のカバー支持用貫通孔14e1,14f1とスイッチカバー20のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させて各カバー支持用貫通孔内に係止棒30を挿通させ、且つ、係止棒30中でスイッチカバー20の外側に延出された部位に少なくとも一つ以上の南京錠36を掛け渡してスイッチカバーのロックアウト機構10を構成しているために、スイッチカバー20は操作スイッチ11の操作部11cの形状に合わせて何等の加工を施す必要がないので安価に作製でき、且つ、このロックアウト機構10を押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用できる。
【0083】
また、スイッチカバー20は、第1,第2ベース部材13,14に対して着脱自在であり、操作スイッチ11の使用時にはスイッチカバー20が操作スイッチ11の近傍から取り外され、一方、操作スイッチ11の不使用時にはスイッチカバー20で操作スイッチ11の操作部11cを覆うので、操作スイッチ11の使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認できると共に、従来例で説明したような回動式のスイッチカバーではないのでスイッチカバーの開放スペースやカバー開放用保持手段の配置スペースも必要なくなり、スイッチカバーのロックアウト機構10をコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能である。この際、スイッチカバー20は、透明な樹脂材を用いて成形した透明樹脂製スイッチカバーが好ましいが、この透明樹脂製スイッチカバーに限定されるものではない。
【0084】
次に、実施例のスイッチカバーのロックアウト機構を一部変形させた変形例について図13及び図14を用いて実施例と異なる点についてのみ説明し、且つ、実施例と同一構成部材に対して同一符番を付して図示のみとし、ここでの説明を省略する。
【0085】
図13は変形例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図、
図14は変形例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーをベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図である。
【0086】
図13及び図14に示した如く、変形例のスイッチカバーのロックアウト機構10’では、人手によって手動操作され且つ安全性の確保が必要な押し釦スイッチ(操作スイッチ)11を取り付けるために、実施例とは異なって一つのベース部材17を用いている点が実施例に対して異なっているだけであり、第1,第2ベース部材を用いた実施例に対して部品数の削減を図っている。
【0087】
上記した一つのベース部材17は、鉄板などを用いて一部の箇所が切り起こし形成されている。
【0088】
また、ベース部材17は、この下面17aと上面17bとの間を貫通してスイッチ取付け用貫通孔17cが孔径φ30.5mm程度に穿設されている。
【0089】
また、ベース部材17は、押し釦スイッチ11の押し釦部11c側が突出される上面17bの一端側にカバー係止片17dが実施例と同様な形状で切り起こし形成されており、且つ、カバー係止片17dの周辺に切り起こし用の逃げ孔17d1が貫通して穿設されている。
【0090】
また、ベース部材17は、上面17b側で一端側とスイッチ取付け用貫通孔17cを挟んだ他端側の左右に互いに間隔を離して対向した一対のカバー支持片17e,17fが上方に向かって略垂直に切り起こし形成され、且つ、一対のカバー支持片17e,17fに一対のカバー支持用貫通孔17e1,17f1が互に対向して同一水平線上に孔径φ7mm程度で貫通して穿設されていると共に、一対のカバー支持片17e,17fの周辺に切り起こし用の一対の逃げ孔17e2,17f2が貫通して穿設されている。
【0091】
そして、押し釦スイッチ11をベース部材17に直接取り付けて、この押し釦スイッチ11の押し釦部11cの上方からスイッチカバー20をベース部材17上に着脱自在に装着可能になっている。
【0092】
この際、スイッチカバー20の内部にベース部材17のカバー係止片17dを進入させ、且つ、このカバー係止片17dをスイッチカバー20の内側から前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1内に進入させて係止させ、ベース部材17の一対のカバー支持片17e,17fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔17e1,17f1と、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させることで、各孔17e1,20c1,20d1,17f1内に係止棒30を挿通させることができ、この係止棒30に少なくとも一つ以上の南京錠36を掛け渡すことで、変形例のスイッチカバーのロックアウト機構10’も実施例と同様にロックアウト機能を確実に施すことができる。
【0093】
尚、上記した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10及び変形例のスイッチカバーのロックアウト機構10’では、操作スイッチのベース部材への取り付け方法として、操作スイッチと一体な雄ネジ部と、雌ネジ部を有する化粧ナットとの螺合により締結しているが、これに限定されるものでなく、適宜な締結方法を用いて良いし、また、ベース部材にスイッチ取付け用貫通孔を穿設することなくベース部材の上面側に操作スイッチを取り付けても上記したロックアウト10,10’を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図である。
【図2】(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、第2ベース部材を示した左側面図,上面図,右側面図,正面図である。
【図3】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチを第1,第2ベース部材に固定する状態を説明するための断面図であり、(a)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径とスイッチ取付け用貫通孔の径とが略等しい場合を示し、(b)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径がスイッチ取付け用貫通孔の径よりも小さい場合を示した図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、スイッチカバーを示した左側面図,上面図,右側面図,X−X矢視断面図である。
【図5】(a)〜(c)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、係止棒の構造を説明するために示した斜視図である。
【図6】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第1動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図7】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第2動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図8】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第3動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図9】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第4動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図10】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第5動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図11】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図である。
【図12】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの使用状態を示した斜視図である。
【図13】変形例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図である。
【図14】変形例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーをベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図である。
【図15】(a),(b)は従来例1のスイッチの保護カバーを示した斜視図,正面図である。
【図16】従来例2の操作盤を示した正面図である。
【符号の説明】
【0095】
10…実施例のスイッチカバーのロックアウト機構、
10’…変形例のスイッチカバーのロックアウト機構、
11…操作スイッチ(押し釦スイッチ)、
11a…スイッチ本体部、11a1…上面、
11b…雄ネジ部、11c…操作部(押し釦部)、
12…リング状摩擦部材、
13…第1ベース部材、13a…下面、13b…上面、
13c…スイッチ取付け用貫通孔、
14…第2ベース部材、14a…下面、14b…上面、
14c…スイッチ取付け用貫通孔、
14d…カバー係止片、14e,14f…一対のカバー支持片、
14e1,14f1…一対のカバー支持用貫通孔、14g…切り欠き部、
15…化粧ナット、15a…外周部、15b…雌ネジ部、
16…スペーサ、16a…外周部、16b…内周部、
17…ベース部材、17a…下面、17b…上面、17c…スイッチ取付け用貫通孔、
17d…カバー係止片、17d1…切り起こし用の逃げ孔、
17e,17f…一対のカバー支持片、
17e1,17f1…一対のカバー支持用貫通孔、
17e2,17f2……切り起こし用の逃げ孔、
20…スイッチカバー、20a…前側板部、20a1…係止孔、
20b…後側板部、20b1…後側板部、20c…左側板部、20d…右側板部、
20c1,20d1…一対のカバー支持用貫通孔、
20e…天板部、20f…底面、20g…開口部、
21〜23…磁石、
30…係止棒、31…金属製鋼管、32…ネジ、32a…頭部、
33…ピン、34…金属製円筒、35…金属製ワイヤー、
36…鍵部材(南京錠)、36a…掛け金。
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチに対してスイッチカバーへの施錠によるロックアウト機能を備える際に、各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用でき、また、操作スイッチの使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認でき且つコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能なスイッチカバーのロックアウト機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人手によって手動操作される押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチは、電源パネル,制御パネルなどに取り付けられて各種の機器に多用されている。
【0003】
この種の操作スイッチのうちで安全性を確保しなければならない操作スイッチに対して法的にいくつかの規定が存在している。
【0004】
例えば、米国労働安全衛生局(OSHA)では、工場内で作業者を守る目的で、機械や装置をロックアウトすることが義務付けられている。
【0005】
また、米国規格協会(ANSI)では、エネルギー源のロックアウト/タグアウトの最低安全要件が規定されている。
【0006】
更に、日本国において、JIS B 9700−2(ISO12100−2)では、機械類の安全性における安全防護及び付加防護方策として、保全及び修理時に動力供給を遮断する際、全ての遮断装置を遮断の位置に施錠することが規定されている。
【0007】
尚、上記した「ロックアウト」とは、機械や装置に供給されるエネルギー(動力)源などを施錠することによって遮断もしくは遮断し続けることであり、上記した「タグアウト」とは、エネルギー(動力)源の遮断中にエネルギー遮断装置の操作を禁止することをタグ(札)などによって明示することである。
【0008】
上記から、作業者の安全を確保する操作スイッチについては、作業者以外の者が勝手に操作できないようにロックアウト対策を施したものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】実開昭60−115423号公報
【特許文献2】特開平09−019015号公報
【0009】
図15(a),(b)は従来例1のスイッチの保護カバーを示した斜視図,正面図、
図16は従来例2の操作盤を示した正面図である。
【0010】
まず、図15(a),(b)に示した従来例1のスイッチの保護カバー100は、上記した特許文献1(実開昭60−115423号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0011】
図15(a),(b)に示した如く、従来例1のスイッチの保護カバー100は、電気的切換え操作のための回転つまみ110aを有するスイッチ110を垂直面101aに固定した固定カバー101と、この固定カバー101の上端に一対のヒンジ103を介して矢印方向に回動自在に支持される可動カバー102とによって構成されている。
【0012】
そして、可動カバー102の上面102aに、スイッチ110の回転つまみ110aに対応する形状の回転規制用の孔102a1が貫通して穿設されている共に、固定カバー101の垂直面101aの左右から突出した左右の側面101b,101cの各下部に、複数の南京錠120の各掛け金120aを通す複数の孔101b1,101c1がそれぞれ貫通して穿設されている。
【0013】
上記のように構成した従来例1の保護カバー100によれば、可動カバー102を開いたときにスイッチ110の回転つまみ110aを操作でき、一方、可動カバー102を閉じたときに固定カバー101の左右の側面101b,101cに穿設した各孔101b1,101c1内に複数の南京錠120の各掛け金120aを通して施錠を行うことによって、スイッチ110の回転つまみ110aを回転不可能な状態にすると共に、複数の錠保有者の立合いのもとでなければ可動カバー102を開くことが不可能となるので、1人の作業者が故意に可動カバー102を開くことを防止するロックアウト対策が施されている旨が開示されている。
【0014】
次に、図16に示した従来例2の操作盤200は、上記した特許文献2(特開平09−019015号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献2を参照して簡略に説明する。
【0015】
図16に示した如く、従来例2の操作盤200では、ケース201の正面の中央部位に回転式の切替えスイッチ202が取り付けられ、且つ、正面の下方に三つの釦スイッチ203が取り付けられていると共に、正面の上方に三つの表示ランプ204が取り付けられている。
【0016】
更に、切替えスイッチ202及び釦スイッチ203の勝手な操作を防ぐために、ケース201の正面の下半分を開閉自在に覆うカバー205がヒンジ206を介して回動自在に取り付けられている。
【0017】
この際、カバー205には、閉じたときに切替えスイッチ202の操作つまみ202aを入り込ませて切り替えをできないようにする孔205aが貫通して穿設されている。
【0018】
一方、切替えスイッチ202の操作つまみ202aには、カバー205を固定するための南京錠207の掛け金207aを通す孔202a1が穿設されている。
【0019】
上記のように構成した従来例2の操作盤200によれば、カバー205を開いたときに切替えスイッチ202及び釦スイッチ203の操作が可能であり、一方、カバー205を閉じたときに切替えスイッチ202の操作つまみ202aをカバー205の孔205aに入り込ませて、この操作つまみ202aの孔202a1に南京錠207の掛け金207aを通すことにより、カバー205が完全に固定されて切替えスイッチ202及び釦スイッチ203の操作が不可能となるので、機器の動作にかかわる重要なスイッチ202,203に対して勝手な操作を確実に保護できる旨が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、上記した従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200によれば、いずれも、保護カバー100又はカバー205と、少なくとも一以上の南京錠120又は南京錠207とによりスイッチ110又はスイッチ202,203に対して安全性を考慮してロックアウト対策を行っているものであるが、保護カバー100又はカバー205を開いたときに、スイッチ110又はスイッチ202,203が使用状態であることを目視で確認できるためには、保護カバー100又はカバー205を開放状態に保持していなければならないので、不図示のカバー開放用保持手段などの別部品が必要であり、この分、部品点数が多くなるので、従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200が高価になってしまう。
【0021】
また、開放状態の保護カバー100又はカバー205の開放スペースが大きく必要になると共に、不図示のカバー開放用保持手段の配置スペースも必要となるので、従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200が大型化するなどの問題もある。
【0022】
更に、従来例1の保護カバー100又は従来例2の操作盤200によれば、スイッチ110の回転つまみ110a又は切替えスイッチ202の操作つまみ202aをそれぞれ入り込ませる孔102a1又は205aを保護カバー102又はカバー205に穿設しなければならないので加工が複雑となると共に、回転つまみがない押し釦スイッチなどに対して何等の考慮もされていないなどの別の問題もある。
【0023】
そこで、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチに対してスイッチカバーへの施錠によるロックアウト機能を備える際に、各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用でき、且つ、操作スイッチの使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認でき且つコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能なスイッチカバーのロックアウト機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、手動操作される操作部を有する操作スイッチが取り付けられ、且つ、前記操作部側にカバー係止片と、カバー支持片に形成したカバー支持用貫通孔とを有するベース部材と、
前記ベース部材に対して着脱自在であり、前記操作スイッチの不使用時に前記ベース部材上に搭載されたときに前記操作スイッチの操作部を覆うと共に、前記ベース部材のカバー係止片に係止される係止孔とカバー支持用貫通孔とを有するスイッチカバーと、
を有し、前記ベース部材のカバー係止片を前記スイッチカバーの係止孔内に進入させた状態で前記ベース部材のカバー支持用貫通孔と前記スイッチカバーのカバー支持用貫通孔とを合致させたときに、前記ベース部材に対して前記スイッチカバーの取り外しを規制する係止棒が前記各カバー支持用貫通孔内に挿通され、前記係止棒中で前記スイッチカバーの外側に延出された部位に少なくとも一つの鍵部材が掛け渡されるように構成されていることを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0025】
また、第2の発明は、上記した第1の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記ベース部材は、
前記操作スイッチを取り付けるための第1スイッチ取付け用貫通孔を有する第1ベース部材と、
前記操作スイッチを取り付けるための第2スイッチ取付け用貫通孔,前記カバー係止片及び前記カバー支持片に形成した前記カバー支持用貫通孔を有する第2ベース部材とに分離されており、
前記第1,第2スイッチ取付け用貫通孔同士を合致させて前記第1ベース部材上に前記第2ベース部材を分離可能に重ねたことを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0026】
また、第3の発明は、上記した第2の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記第1,第2ベース部材は共に鉄材を用いると共に、前記第2ベース部材の前記カバー係止部と前記カバー支持片とを曲げ形成したことを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0027】
また、第4の発明は、上記した第1の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記ベース部材は、鉄材を用いて前記カバー係止部と、前記カバー支持片とを切り起こし形成したことを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0028】
また、第5の発明は、上記した第1〜第4のいずれかの発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記スイッチカバーは、透明な樹脂材を用いて形成されており、且つ、底面側に前記操作部及び前記カバー係止片が進入するための開口部を有することを特徴するスイッチカバーのロックアウト機構である。
【0029】
更に、第6の発明は、上記した第3又は第4の発明のスイッチカバーのロックアウト機構において、
前記スイッチカバーは底面側に磁石が固着されており、前記操作スイッチの使用時に前記カバー係止片と前記係止孔とによる係止が解除されたときに、前記磁石の磁力により前記スイッチカバーが前記ベース部材上又は前記第1ベース部材上の適宜な位置に搭載可能であることを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構である。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係るスイッチカバーのロックアウト機構によれば、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチに対してスイッチカバーへの施錠によるロックアウト機能を備える際に、操作スイッチを取り付けたベース部材上にスイッチカバーを着脱自在に設け、且つ、操作スイッチの不使用時にスイッチカバーで操作スイッチの操作部を覆うと共に、スイッチカバーの内側からベース部材に形成したカバー係止片をスイッチカバーの係止孔内に進入させた状態でベース部材のカバー支持用貫通孔とスイッチカバーのカバー支持用貫通孔とを合致させて各カバー支持用貫通孔内に係止棒を挿通させ、且つ、係止棒中でスイッチカバーの外側に延出された部位に少なくとも一つ以上の南京錠を掛け渡してスイッチカバーのロックアウト機構を構成しているために、スイッチカバーは操作スイッチの操作部の形状に合わせて何等の加工を施す必要がないので安価に作製でき、且つ、このロックアウト機構を押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用できる。
【0031】
また、スイッチカバーは、ベース部材に対して着脱自在であり、操作スイッチの使用時にはスイッチカバーが操作スイッチの近傍から取り外され、一方、操作スイッチの不使用時にはスイッチカバーで操作スイッチの操作部を覆うので、操作スイッチの使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認できると共に、従来例で説明したような回動式のスイッチカバーではないのでスイッチカバーの開放スペースやカバー開放用保持手段の配置スペースも必要なくなり、スイッチカバーのロックアウト機構をコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能である。この際、スイッチカバーは、透明な樹脂材を用いて成形した透明樹脂製スイッチカバーが好ましい。
【0032】
また、ベース部材を第1ベース部材と第2ベース部材とに分離させた場合には、第1ベース部材上での第2ベース部材の締結向きにより、第2ベース部材上に支持されるスイッチカバーの装着向きを適宜設定できるので、スイッチカバーのロックアウト機構の使い勝手が良好となる。
【0033】
また、ベース部材は、鉄材を用いてカバー係止部と、カバー支持片とを切り起こし形成しているために、部品数を削減できる。
【0034】
また、スイッチカバーは底面側に磁石が固着されており、操作スイッチの使用時にカバー係止片と係止孔とによる係止が解除されたときに、磁石の磁力によりスイッチカバーが鉄材を用いたベース部材上又は第1ベース部材上の適宜な位置に搭載可能であるので、着脱自在なスイッチカバーを紛失させることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に本発明に係るスイッチカバーのロックアウト機構の一実施例について図1〜図14を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0036】
図1は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図、
図2(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、第2ベース部材を示した左側面図,上面図,右側面図,正面図、
図3は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチを第1,第2ベース部材に固定する状態を説明するための断面図であり、(a)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径とスイッチ取付け用貫通孔の径とが略等しい場合を示し、(b)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径がスイッチ取付け用貫通孔の径よりも小さい場合を示した図、
図4(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、スイッチカバーを示した左側面図,上面図,右側面図,X−X矢視断面図、
図5(a)〜(c)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、係止棒の構造を説明するために示した斜視図である。
【0037】
図1に示した如く、本発明に係る実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10は、人手によって手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付け、且つ、操作スイッチ11の操作部11cを覆う着脱自在なスイッチカバー20に対して操作スイッチ11の不使用時に施錠によりスイッチカバー20の取り外しを規制するようにロックアウト機能を備えたことを特徴とするものである。
【0038】
上記した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10に適用される操作スイッチ11は、この操作部11cに対して何等の加工を施す必要がないので、押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチに適用可能であるが、この実施例では操作スイッチ11として押し釦スイッチを適用した場合について図示して説明する。
【0039】
上記した操作スイッチ(以下、押し釦スイッチと記す)11は、縦×横×高さが例えば40mm×40mm×30mmに直方体形状に形成されたスイッチ本体部11aと、このスイッチ本体部11aの上面11a1から上方に向かって突出形成されて外径が例えばφ30mmの雄ネジ部11bと、手動操作により雄ネジ部11bの内部を上下動する操作部(以下、押し釦部と記す)11cとで構成されている。
【0040】
また、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの外側に、厚みが例えば5mm程度のゴム材を用いてリング状に形成したリング状摩擦部材12が嵌め込まれており、このリング状摩擦部材12は押し釦スイッチ11のスイッチ本体部11aと後述する第1ベース部材13の下面13aとの間に介装されて両者11a,13aに対して摩擦力と緩衝効果とを付与している。
【0041】
また、押し釦スイッチ11の上方には、この押し釦スイッチ11を取り付けて固定すると共に、後述するスイッチカバー20を着脱自在に支持するための第1,第2ベース部材13,14が分離して設けられている。
【0042】
まず、第1,第2ベース部材13,14のうちで第1ベース部材13は、鉄板などを用いて平板状に形成されており、この下面13aと上面13bとの間を貫通してスイッチ取付け用貫通孔13cが穿設されている。この際、スイッチ取付け用貫通孔13cの孔径は、押し釦スイッチ11に形成した外径φ30mmの雄ネジ部11bが嵌入できる程度で例えばφ30.5mm程度に設定されている。
【0043】
次に、第1,第2ベース部材13,14のうちで第2ベース部材14は、この実施例の要部の一部を構成する部材であり、鉄板などを用いて一部の箇所が折り曲げ形成されており、且つ、上記した第1ベース部材13の上面13b上に分離可能に重ねられている。
【0044】
この第2ベース部材14は、図1及び図2(a)〜(d)に示した如く、この下面14aと上面14bとの間を貫通してスイッチ取付け用貫通孔14cが第1ベース部材13のスイッチ取付け用貫通孔13cと略同径に穿設されている。
【0045】
また、第2ベース部材14は、押し釦スイッチ11の押し釦部11c側が突出される上面14bの一端側にカバー係止片14dが曲げ形成されており、且つ、カバー係止片14dは下面14aからの高さがH1{図2(d)}で上方に向かって略垂直に曲げ形成された後に下面14a及び上面14bと略平行にL字状に曲げ形成されている。
【0046】
また、第2ベース部材14は、上面14b側で一端側とスイッチ取付け用貫通孔14cを挟んだ他端側の左右に互いに間隔を離して対向した一対のカバー支持片14e,14fが上方に向かって略垂直に曲げ形成されており、且つ、一対のカバー支持片14e,14fの内壁間寸法がW{図2(b)}に設定されている。
【0047】
また、一対のカバー支持片14e,14fに一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1が互に対向して下面14aからの高さがH2{図2(d)}で同一水平線上に貫通して穿設されており、この際、一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1の高さH2は、上記したカバー係止片14dの高さH1の2倍程度の値に設定されていると共に、一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1の孔径はφ7mm程度に設定されている。
【0048】
更に、第2ベース部材14の他端側で左右一対のカバー支持片14e,14f間に切り欠き部14gが凹状に切り欠き形成されている。
【0049】
図1に戻り、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bに螺合する化粧ナット15は、外周部15aの下方が円筒状に形成されてここにスプライン加工を施すことで人手により把持可能になっており、且つ、外周部15aの上方が低い高さで円錐状に形成されていると共に、円筒状の内部に内径φ30mmの雌ネジ部15bが形成されている。
【0050】
そして、押し釦スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付けて固定する際に、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの径と、第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14cの径とが略等しい場合には、図3(a)に示したように、第1ベース部材13の上面13b上に第2ベース部材14の下面14aを搭載してスイッチ取付け用貫通孔13c,14c同士を合致させ、且つ、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bにリング状摩擦部材12を嵌め込んだ状態でこの雄ネジ部11bを第1ベース部材13の下面13a側からスイッチ取付け用貫通孔13c,14c内に挿入し、この後、第2ベース部材14の上面14b側から化粧ナット15の雌ネジ部15bを押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bに螺合させることで、押し釦スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付けている。
【0051】
この際、第1ベース部材13と、第2ベース部材14とが分離されているので、第1ベース部材13上での第2ベース部材14の締結向きにより、第2ベース部材14上に支持される後述のスイッチカバー20の装着向きを適宜設定できる。
【0052】
尚、万一、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの径が、第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14cの径よりも小さい場合には、図3(b)に示した如く、剛性を有するスペーサ16を別途用意し、このスペーサ16の外周部16aの径を第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14cの径よりも大径に形成すると共に、内周部16bの径を押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bの径と略同径に形成して、このスペーサ16をリング状摩擦部材12と第1ベース部材13の下面13aとの間に介装すれば良いものである。
【0053】
この際、押し釦スイッチ11の本体部が第1ベース13のスイッチ取付け用貫通孔13cよりも大きく、この孔13c内を通過できない場合には、上記とは異なって、スペーサ16を第2ベース14の上面14bと化粧ナット15との間に介装することも可能である。
【0054】
再び図1に戻り、押し釦スイッチ11の押し釦部(操作部)11cを覆うスイッチカバー20も、この実施例の要部の一部を構成する部材であり、内部が目視可能な透明な樹脂材を用いて縦×横×高さが50mm×45mm×40mm程度の直方体形状に一体的に形成されている。
【0055】
このスイッチカバー20は、図1及び図4(a)〜(d)に示した如く、前後の側板部20a,20bと、左右の側板部20c,20dと、天板部20eとに囲まれて透明な樹脂材により直方体形状に形成されているが、底板がないために底面20f側は矩形状の開口部20fが形成されて、後述するように、このスイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着したときに開口部20fから押し釦スイッチ11の押し釦部11c及び第2ベース部材14のカバー係止片14dが内部に進入可能になっている。
【0056】
この際、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dの外壁間寸法W’{図4(b)}が上記した一対のカバー支持片14e,14fの内壁間寸法W{図2(b)}より僅かに狭く設定されているので、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dが第2ベース部材14に形成した一対のカバー支持片14e,14fの内壁間に着脱自在に装着可能になっていると共に、後述するようにスイッチカバー20の装着動作時に一対のカバー支持片14e,14fの内壁間でスイッチカバー20がスライド可能になっている。
【0057】
また、スイッチカバー20の底面20f側には、前側板部20aと左右の側板部20c,20dとが交差する部位に磁力の弱い一対の磁石21(図4),22が固着され、且つ、後側板部20bの外壁から三角状に突出させた三角状突出部20b1の底面に磁力の弱い磁石23が固着されており、これらの磁石21〜23の磁力によってスイッチカバー20が第1ベース部材13の上面13b上に吸着可能になっており、スイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着しない場合に、スイッチカバー20を第1ベース部材13上の適宜な位置に固定して搭載できるようにしている。
【0058】
また、スイッチカバー20の前側板部20aに係止孔20a1が貫通して長方形状に穿設されており、後述するように、押し釦スイッチ11の不使用時にスイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着したときに、スイッチカバー20の係止孔20a1内に第2ベース部材14の一端側に形成したカバー係止片14dがスイッチカバー20の内側から進入可能になり、これによりスイッチカバー20が第2ベース部材14に対して係止されるようになっている。
【0059】
また、スイッチカバー20の後側板部20b側で左右の側板部20c,20dに一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1が孔径φ7mm程度で貫通して穿設されており、且つ、一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1は第2ベース部材14の一対のカバー支持片14e,14fに孔径φ7mm程度で穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と合致するように磁石21〜23の底面からの高さがH2{図4(d)}に設定されている。
【0060】
そして、スイッチカバー20を第2ベース部材14上に装着して、左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1を第2ベース部材14の一対のカバー支持片14e,14fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と合致させたときに、一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1内及び一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1内に下記する1本の係止棒30が(図5)が挿脱可能になっている。
【0061】
上記した係止棒30は、図5(a),(b)に示した如く、例えば外径がφ6mm程度で剛性を有する長尺な金属製鋼管31と、この金属製鋼管31の一端側に取り付けられて金属製鋼管31の外径より大径の頭部32aを有するネジ32と、金属製鋼管31の他端側に埋め込んだピン33と、金属製鋼管31と略同径でこの金属製鋼管31の他端側に引き出し自在に取り付けられた金属製円筒34と、ピン33と金属製円筒34との間に環状に掛け渡された環状の金属製ワイヤー35とで構成されている。
【0062】
そして、この係止棒30は、図5(a)に示したように、金属製鋼管31の一端側にネジ32を取り付け、且つ、金属製鋼管31内に金属製ワイヤー35が収納されて金属製円筒34が金属製鋼管31の他端に当接した第1態様と、図5(b)に示したように、金属製鋼管31の他端に当接した金属製円筒34を引き出して金属製鋼管31内に収納した金属製ワイヤー35を外部に露出させる第2形態と、図5(c)に示したように、外部に露出した金属製ワイヤー35に少なくとも一つ以上の鍵部材(以下、南京錠と記す)36の掛け金36aを掛け渡す第3形態とを取り得るようになっており、通常、複数の鍵保有者が持っている複数の南京錠36を金属製ワイヤー35に掛け渡すように管理されている。
【0063】
次に、上記のように構成した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10の動作について図6〜図12を用いて動作順に説明する。
【0064】
図6(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第1動作段階を示した左側面図,正面図、
図7(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第2動作段階を示した左側面図,正面図、
図8(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第3動作段階を示した左側面図,正面図、
図9(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第4動作段階を示した左側面図,正面図、
図10(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第5動作段階を示した左側面図,正面図、
図11は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図、
図12は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの使用状態を示した斜視図である。
【0065】
実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10において、人手によって手動操作され且つ安全性の確保が必要な押し釦スイッチ11を使用しない時(不使用時)には、この押し釦スイッチ11を確実に保護するためにロックアウト(締め出し)する必要がある。
【0066】
そこで、まず、図6(a),(b)に示した如く、第1動作段階では、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bにリング状摩擦部材12を嵌め込んだ状態でこの雄ネジ部11bを第1,第2ベース部材13,14のスイッチ取付け用貫通孔13c,14c(図1,図3)に挿入した後に、押し釦スイッチ11の雄ネジ部11bに化粧ナット15の雌ネジ部15bを螺合させて、押し釦スイッチ11を第1,第2ベース部材13,14に取り付けているものとする。
【0067】
この際、第1ベース部材13と、第2ベース部材14とが分離されているので、第1ベース部材13上での第2ベース部材14の締結向きにより、第2ベース部材14上に支持されるスイッチカバー20の装着向きを適宜設定できるので、スイッチカバーのロックアウト機構10の使い勝手が良好となる。
【0068】
ここで、押し釦スイッチ11の押し釦部11cの上方から直方体形状のスイッチカバー20を第1,第2ベース部材13,14側に向かって下降させる。
【0069】
このときに、スイッチカバー20の前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1側を第2ベース部材14の一端側に曲げ形成したカバー係止片14d側と対向させ、且つ、
スイッチカバー20の底面20f側に形成した開口部20gを押し釦スイッチ11の押し釦部11cと対向させると共に、スイッチカバー20の後側板部20b側を第2ベース部材14の他端側の左右に曲げ形成した左右一対のカバー支持片14e,14f間に対向させて、スイッチカバー20の第1,第2ベース部材13,14への装着向きを決めている。
【0070】
次に、図7(a),(b)に示した如く、第2動作段階では、スイッチカバー20の内部に第2ベース部材14のカバー係止片14dを進入させた後に、スイッチカバー20の前側板部20aの底面と左右の側板部20c,20dの各底面とが交差する部位に固着させた磁石(21),22を第1ベース部材13上に当接させ、且つ、スイッチカバー20の後側板部20b側で左右の側板部20c,20dを第2ベース部材14の左右一対のカバー支持片14e,14f間に進入させながら前側板部20a側に対して後側板部20b側を少し持ち上げてスイッチカバー20を傾けると、スイッチカバー20の後側板部20bの三角状突出部20b1の底面に固着させた磁石23は第1ベース部材13上から少し浮いている。
【0071】
この際、スイッチカバー20を傾ける理由は、前側板部20aと後側板部20bとの間の間隔をできるだけ短くして小型化を図った際に、後側板部20bの内壁を化粧ナット15に接触させないためであり、前側板部20aと後側板部20bとの間の間隔を余裕を持って長く設定した場合にはスイッチカバー20を傾ける必要はない。
【0072】
次に、図8(a),(b)に示した如く、第3動作段階では、スイッチカバー20の内側から第2ベース部材14のカバー係止片14dを前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1内に進入させた後に、第2ベース部材14の左右一対のカバー支持片14e,14f間でスイッチカバー20の左右の側板部20c,20dをガイドしながらこのスイッチカバー20を第2ベース部材14上でスライドにより矢印方向に後ずさりさせて、第2ベース部材14の一対のカバー支持片14e,14fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させる。
【0073】
この際、スイッチカバー20の底面側に固着させた磁石21〜23の磁力は弱いので、スイッチカバー20のスライド動作に対して支障はない。
【0074】
そして、この第3動作段階で、スイッチカバー20の内側から第2ベース部材14のカバー係止片14dが前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1内に進入することで、スイッチカバー20が第2ベース部材14に係止されるが、スイッチカバー20を矢印と反対方向に移動させれば容易に係止解除できるので、スイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が不完全である。
【0075】
次に、図9(a),(b)に示した如く、第4動作段階では、第2ベース部材14の左右一対のカバー支持片14e,14fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔14e1,14f1と、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とが合致しているので、例えば、スイッチカバー20の左側板部20c側から長尺に形成された係止棒30を上記した各孔14e1,20c1,20d1,14f1内に順に挿通させると、スイッチカバー20が第2ベース部材14に対して固定支持されるので、第3動作段階よりもスイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が強まる。
【0076】
しかしながら、係止棒30を構成する金属製鋼管31の一端側に取り付けたネジ32の頭部32aがスイッチカバー20の左側板部20cに当接して抜け防止用のストッパーとして機能するものの、金属製鋼管31と略同径でこの金属製鋼管31の他端側に取り付けた金属製円筒34側はスイッチカバー20の右側板部20dの外側に延出されているものの抜け防止が図られていないので、係止棒30を容易に引き抜くことが可能であるために、第4動作段階でもスイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が不完全である。
【0077】
次に、図10(a),(b)及び図11に示した如く、第5動作段階では、第2ベース部材14及びスイッチカバー20の各孔14e1,20c1,20d1,14f1内に挿通させた係止棒30中でスイッチカバー20の外側に延出した金属製鋼管31の他端側に取り付けた金属製円筒34を引き出して金属製鋼管31内に収納した金属製ワイヤー35を外部に露出させ、且つ、この金属製ワイヤー35に少なくとも一つ以上の南京錠36の掛け金36aを掛け渡している。
【0078】
これにより、係止棒30は、第2ベース部材14及びスイッチカバー20の各孔14e1,20c1,20d1,14f1内から抜去できなくなるので、スイッチカバー20の第2ベース部材14への係止が完全となるために、押し釦スイッチ11の押し釦部11cを操作できなくなる。
【0079】
この際、複数の鍵保有者が持っている複数の南京錠36を金属製ワイヤー35に掛け渡すことによって、複数の錠保有者の立合いのもとでなければスイッチカバー20を第2ベース部材14から取り外すことが不可能であるので、1人の作業者が故意に押し釦スイッチ11を操作できないのでロックアウト対策を完全に施すことが可能となる。
【0080】
一方、第2ベース部材14及びスイッチカバー20の各孔14e1,20c1,20d1,14f1内を挿通した係止棒30に掛け渡された少なくとも一つ以上の南京錠36を外した後に、スイッチカバー20の第2ベース部材14への係止を解除して、押し釦スイッチ11の操作を可能にする場合には、図12に示した如く、スイッチカバー20が押し釦スイッチ11の近傍から取り外されているので、第1,第2ベース部材13,14に取り付けた押し釦スイッチ11の押し釦部11cが露出し、押し釦部11cへの操作が可能になる。
【0081】
この際、第2ベース部材14から取り外されたスイッチカバー20は、この底面20f側に固着させた磁石21〜23の弱い磁力によって第1ベース部材13の上面13b上の適宜な位置に固定して搭載できるので、着脱自在なスイッチカバー20を紛失させることはない。
【0082】
以上詳述した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10によれば、手動操作され且つ安全性の確保が必要な操作スイッチ(押し釦スイッチ)11に対してスイッチカバー20への施錠によるロックアウト機能を備える際に、操作スイッチ11を取り付けたベース部材13,14上にスイッチカバー20を着脱自在に設け、且つ、操作スイッチ11の不使用時にスイッチカバー20で操作スイッチ11の操作部11cを覆うと共に、スイッチカバー20の内側からベース部材14に形成したカバー係止片14dをスイッチカバー20の係止孔20a1内に進入させた状態でベース部材14のカバー支持用貫通孔14e1,14f1とスイッチカバー20のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させて各カバー支持用貫通孔内に係止棒30を挿通させ、且つ、係止棒30中でスイッチカバー20の外側に延出された部位に少なくとも一つ以上の南京錠36を掛け渡してスイッチカバーのロックアウト機構10を構成しているために、スイッチカバー20は操作スイッチ11の操作部11cの形状に合わせて何等の加工を施す必要がないので安価に作製でき、且つ、このロックアウト機構10を押し釦スイッチや、トグルスイッチとかシーソースイッチなどの各種の操作スイッチに対して操作性が損なわれることなく共用できる。
【0083】
また、スイッチカバー20は、第1,第2ベース部材13,14に対して着脱自在であり、操作スイッチ11の使用時にはスイッチカバー20が操作スイッチ11の近傍から取り外され、一方、操作スイッチ11の不使用時にはスイッチカバー20で操作スイッチ11の操作部11cを覆うので、操作スイッチ11の使用状況及び不使用状況を目視で確実に確認できると共に、従来例で説明したような回動式のスイッチカバーではないのでスイッチカバーの開放スペースやカバー開放用保持手段の配置スペースも必要なくなり、スイッチカバーのロックアウト機構10をコンパクトな形状で省スペース化でき、更に低コスト化が実現可能である。この際、スイッチカバー20は、透明な樹脂材を用いて成形した透明樹脂製スイッチカバーが好ましいが、この透明樹脂製スイッチカバーに限定されるものではない。
【0084】
次に、実施例のスイッチカバーのロックアウト機構を一部変形させた変形例について図13及び図14を用いて実施例と異なる点についてのみ説明し、且つ、実施例と同一構成部材に対して同一符番を付して図示のみとし、ここでの説明を省略する。
【0085】
図13は変形例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図、
図14は変形例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーをベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図である。
【0086】
図13及び図14に示した如く、変形例のスイッチカバーのロックアウト機構10’では、人手によって手動操作され且つ安全性の確保が必要な押し釦スイッチ(操作スイッチ)11を取り付けるために、実施例とは異なって一つのベース部材17を用いている点が実施例に対して異なっているだけであり、第1,第2ベース部材を用いた実施例に対して部品数の削減を図っている。
【0087】
上記した一つのベース部材17は、鉄板などを用いて一部の箇所が切り起こし形成されている。
【0088】
また、ベース部材17は、この下面17aと上面17bとの間を貫通してスイッチ取付け用貫通孔17cが孔径φ30.5mm程度に穿設されている。
【0089】
また、ベース部材17は、押し釦スイッチ11の押し釦部11c側が突出される上面17bの一端側にカバー係止片17dが実施例と同様な形状で切り起こし形成されており、且つ、カバー係止片17dの周辺に切り起こし用の逃げ孔17d1が貫通して穿設されている。
【0090】
また、ベース部材17は、上面17b側で一端側とスイッチ取付け用貫通孔17cを挟んだ他端側の左右に互いに間隔を離して対向した一対のカバー支持片17e,17fが上方に向かって略垂直に切り起こし形成され、且つ、一対のカバー支持片17e,17fに一対のカバー支持用貫通孔17e1,17f1が互に対向して同一水平線上に孔径φ7mm程度で貫通して穿設されていると共に、一対のカバー支持片17e,17fの周辺に切り起こし用の一対の逃げ孔17e2,17f2が貫通して穿設されている。
【0091】
そして、押し釦スイッチ11をベース部材17に直接取り付けて、この押し釦スイッチ11の押し釦部11cの上方からスイッチカバー20をベース部材17上に着脱自在に装着可能になっている。
【0092】
この際、スイッチカバー20の内部にベース部材17のカバー係止片17dを進入させ、且つ、このカバー係止片17dをスイッチカバー20の内側から前側板部20aの下方に穿設した係止孔20a1内に進入させて係止させ、ベース部材17の一対のカバー支持片17e,17fに穿設した一対のカバー支持用貫通孔17e1,17f1と、スイッチカバー20の左右の側板部20c,20dに穿設した一対のカバー支持用貫通孔20c1,20d1とを合致させることで、各孔17e1,20c1,20d1,17f1内に係止棒30を挿通させることができ、この係止棒30に少なくとも一つ以上の南京錠36を掛け渡すことで、変形例のスイッチカバーのロックアウト機構10’も実施例と同様にロックアウト機能を確実に施すことができる。
【0093】
尚、上記した実施例のスイッチカバーのロックアウト機構10及び変形例のスイッチカバーのロックアウト機構10’では、操作スイッチのベース部材への取り付け方法として、操作スイッチと一体な雄ネジ部と、雌ネジ部を有する化粧ナットとの螺合により締結しているが、これに限定されるものでなく、適宜な締結方法を用いて良いし、また、ベース部材にスイッチ取付け用貫通孔を穿設することなくベース部材の上面側に操作スイッチを取り付けても上記したロックアウト10,10’を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図である。
【図2】(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、第2ベース部材を示した左側面図,上面図,右側面図,正面図である。
【図3】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチを第1,第2ベース部材に固定する状態を説明するための断面図であり、(a)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径とスイッチ取付け用貫通孔の径とが略等しい場合を示し、(b)は押し釦スイッチの雄ネジ部の径がスイッチ取付け用貫通孔の径よりも小さい場合を示した図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、スイッチカバーを示した左側面図,上面図,右側面図,X−X矢視断面図である。
【図5】(a)〜(c)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、係止棒の構造を説明するために示した斜視図である。
【図6】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第1動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図7】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第2動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図8】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第3動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図9】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第4動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図10】(a),(b)は実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させる際の第5動作段階を示した左側面図,正面図である。
【図11】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーを第1,第2ベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図である。
【図12】実施例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの使用状態を示した斜視図である。
【図13】変形例のスイッチカバーのロックアウト機構を示した分解斜視図である。
【図14】変形例のスイッチカバーのロックアウト機構において、押し釦スイッチの不使用時にスイッチカバーをベース部材に係止させた状態を押し釦スイッチを除いて示した斜視図である。
【図15】(a),(b)は従来例1のスイッチの保護カバーを示した斜視図,正面図である。
【図16】従来例2の操作盤を示した正面図である。
【符号の説明】
【0095】
10…実施例のスイッチカバーのロックアウト機構、
10’…変形例のスイッチカバーのロックアウト機構、
11…操作スイッチ(押し釦スイッチ)、
11a…スイッチ本体部、11a1…上面、
11b…雄ネジ部、11c…操作部(押し釦部)、
12…リング状摩擦部材、
13…第1ベース部材、13a…下面、13b…上面、
13c…スイッチ取付け用貫通孔、
14…第2ベース部材、14a…下面、14b…上面、
14c…スイッチ取付け用貫通孔、
14d…カバー係止片、14e,14f…一対のカバー支持片、
14e1,14f1…一対のカバー支持用貫通孔、14g…切り欠き部、
15…化粧ナット、15a…外周部、15b…雌ネジ部、
16…スペーサ、16a…外周部、16b…内周部、
17…ベース部材、17a…下面、17b…上面、17c…スイッチ取付け用貫通孔、
17d…カバー係止片、17d1…切り起こし用の逃げ孔、
17e,17f…一対のカバー支持片、
17e1,17f1…一対のカバー支持用貫通孔、
17e2,17f2……切り起こし用の逃げ孔、
20…スイッチカバー、20a…前側板部、20a1…係止孔、
20b…後側板部、20b1…後側板部、20c…左側板部、20d…右側板部、
20c1,20d1…一対のカバー支持用貫通孔、
20e…天板部、20f…底面、20g…開口部、
21〜23…磁石、
30…係止棒、31…金属製鋼管、32…ネジ、32a…頭部、
33…ピン、34…金属製円筒、35…金属製ワイヤー、
36…鍵部材(南京錠)、36a…掛け金。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動操作される操作部を有する操作スイッチが取り付けられ、且つ、前記操作部側にカバー係止片と、カバー支持片に形成したカバー支持用貫通孔とを有するベース部材と、
前記ベース部材に対して着脱自在であり、前記操作スイッチの不使用時に前記ベース部材上に搭載されたときに前記操作スイッチの操作部を覆うと共に、前記ベース部材のカバー係止片に係止される係止孔とカバー支持用貫通孔とを有するスイッチカバーと、
を有し、前記ベース部材のカバー係止片を前記スイッチカバーの係止孔内に進入させた状態で前記ベース部材のカバー支持用貫通孔と前記スイッチカバーのカバー支持用貫通孔とを合致させたときに、前記ベース部材に対して前記スイッチカバーの取り外しを規制する係止棒が前記各カバー支持用貫通孔内に挿通され、前記係止棒中で前記スイッチカバーの外側に延出された部位に少なくとも一つの鍵部材が掛け渡されるように構成されていることを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項2】
前記ベース部材は、
前記操作スイッチを取り付けるための第1スイッチ取付け用貫通孔を有する第1ベース部材と、
前記操作スイッチを取り付けるための第2スイッチ取付け用貫通孔,前記カバー係止片及び前記カバー支持片に形成した前記カバー支持用貫通孔を有する第2ベース部材とに分離されており、
前記第1,第2スイッチ取付け用貫通孔同士を合致させて前記第1ベース部材上に前記第2ベース部材を分離可能に重ねたことを特徴とする請求項1記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項3】
前記第1,第2ベース部材は共に鉄材を用いると共に、前記第2ベース部材の前記カバー係止部と前記カバー支持片とを曲げ形成したことを特徴とする請求項2記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項4】
前記ベース部材は、鉄材を用いて前記カバー係止部と、前記カバー支持片とを切り起こし形成したことを特徴とする請求項1記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項5】
前記スイッチカバーは、透明な樹脂材を用いて形成されており、且つ、底面側に前記操作部及び前記カバー係止片が進入するための開口部を有することを特徴する請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項6】
前記スイッチカバーは底面側に磁石が固着されており、前記操作スイッチの使用時に前記カバー係止片と前記係止孔とによる係止が解除されたときに、前記磁石の磁力により前記スイッチカバーが前記ベース部材上又は前記第1ベース部材上の適宜な位置に搭載可能であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項1】
手動操作される操作部を有する操作スイッチが取り付けられ、且つ、前記操作部側にカバー係止片と、カバー支持片に形成したカバー支持用貫通孔とを有するベース部材と、
前記ベース部材に対して着脱自在であり、前記操作スイッチの不使用時に前記ベース部材上に搭載されたときに前記操作スイッチの操作部を覆うと共に、前記ベース部材のカバー係止片に係止される係止孔とカバー支持用貫通孔とを有するスイッチカバーと、
を有し、前記ベース部材のカバー係止片を前記スイッチカバーの係止孔内に進入させた状態で前記ベース部材のカバー支持用貫通孔と前記スイッチカバーのカバー支持用貫通孔とを合致させたときに、前記ベース部材に対して前記スイッチカバーの取り外しを規制する係止棒が前記各カバー支持用貫通孔内に挿通され、前記係止棒中で前記スイッチカバーの外側に延出された部位に少なくとも一つの鍵部材が掛け渡されるように構成されていることを特徴とするスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項2】
前記ベース部材は、
前記操作スイッチを取り付けるための第1スイッチ取付け用貫通孔を有する第1ベース部材と、
前記操作スイッチを取り付けるための第2スイッチ取付け用貫通孔,前記カバー係止片及び前記カバー支持片に形成した前記カバー支持用貫通孔を有する第2ベース部材とに分離されており、
前記第1,第2スイッチ取付け用貫通孔同士を合致させて前記第1ベース部材上に前記第2ベース部材を分離可能に重ねたことを特徴とする請求項1記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項3】
前記第1,第2ベース部材は共に鉄材を用いると共に、前記第2ベース部材の前記カバー係止部と前記カバー支持片とを曲げ形成したことを特徴とする請求項2記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項4】
前記ベース部材は、鉄材を用いて前記カバー係止部と、前記カバー支持片とを切り起こし形成したことを特徴とする請求項1記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項5】
前記スイッチカバーは、透明な樹脂材を用いて形成されており、且つ、底面側に前記操作部及び前記カバー係止片が進入するための開口部を有することを特徴する請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【請求項6】
前記スイッチカバーは底面側に磁石が固着されており、前記操作スイッチの使用時に前記カバー係止片と前記係止孔とによる係止が解除されたときに、前記磁石の磁力により前記スイッチカバーが前記ベース部材上又は前記第1ベース部材上の適宜な位置に搭載可能であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のスイッチカバーのロックアウト機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−27382(P2010−27382A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187230(P2008−187230)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(391009372)ミドリ安全株式会社 (201)
【Fターム(参考)】
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