説明

スイッチユニットおよび電子機器

【課題】防水機能を有する薄型レバースイッチユニットを提供する。
【解決手段】上記課題を解決すべく、スイッチユニットは、電気的な接点を回路面に有する基板と、ユーザの操作に伴って回路面に対して平行に移動する突起部を有する操作部材と、接点の周縁部を取り囲んで基板に密着する弾性部材とを備え、弾性部材は、移動する突起部の押圧力を受けて弾性変形する傾斜面を有するドーム部と、ドーム部の内側に設けられ、傾斜面の弾性変形により回路面に垂直に移動し、接点を押圧して導通させる押圧部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチユニットおよび電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、カメラにおける背面カバーの一部を封止する透明板の内外にフォトセンサおよび反射板を配して防塵、防滴としたスイッチユニットが記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2004−354590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フォトセンサは部品として高価である上、フォトセンサを用いた構造は部品点数が増加するので組立工数も増加する。よって、スイッチの製造コスト上昇が避けられない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決すべく、本発明の第一態様として、電気的な接点を回路面に有する基板と、ユーザの操作に伴って回路面に対して平行に移動する突起部を有する操作部材と、接点の周縁部を取り囲んで基板に密着する弾性部材とを備え、弾性部材は、移動する突起部の押圧力を受けて弾性変形する傾斜面を有するドーム部と、ドーム部の内側に設けられ、傾斜面の弾性変形により回路面に垂直に移動し、接点を押圧して導通させる押圧部とを備えるスイッチユニットが提供される。
【0005】
また、本発明の第二態様として、上記スイッチユニットを備える電子機器が提供される。
【0006】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。これら特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】カメラ100の背面図である。
【図2】スイッチ組立体200の分解斜視図である。
【図3】スイッチ組立体200の断面図である。
【図4】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的斜視図である。
【図5】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的斜視図である。
【図6】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的平面図である。
【図7】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的断面図である。
【図8】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的平面図である。
【図9】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的断面図である。
【図10】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的平面図である。
【図11】レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、電子機器の一種であるカメラ100の背面図である。カメラ100は、背面に複数の操作部を備える。カメラ100において操作部を配置できる領域の面積には限りがあるので、複合的な操作部が設けられる場合がある。カメラ100は、複合的な操作部のひとつとして、トップカバー110の背面部分に配されたスイッチ組立体200を備える。スイッチ組立体200は、後述するように、回転レバー210を含むスイッチユニットと押しボタン220を含むスイッチユニットとを有する。
【0010】
回転レバー210は、トップカバー110から指を離すことなく、トップカバー110の表面に沿って指を動かすことによりユーザが操作できる。回転レバー210は、トップカバー110の背面に沿って紙面と平行に先端を押し下げた場合に電気的な接点を導通させる。
【0011】
押しボタン220は、回転レバー210から指を大きく移動させることなく操作できる。押しボタン220は、カメラ100の内部に向かって、紙面に垂直に押し込む操作により電気的な接点を導通させる。
【0012】
このように、スイッチ組立体200は、回転により操作する回転レバー210と、押し込みにより操作する押しボタン220とを併せて備える。また、回転レバー210および押しボタン220は個別に動作するので、各々に個別の機能を割り当てることができる。
【0013】
なお、回転レバー210および押しボタン220は、いずれも、ユーザが操作している期間に限って接点が導通して、ユーザが指を離した非操作期間には、接点の導通が絶たれる。しかしながら、回転レバー210または押しボタン220の操作をトリガとして動作するフリップフロップ回路等を設けることにより、ある操作により生じた状態を、次の操作まで維持する機能が与えられる場合もある。
【0014】
図2は、スイッチ組立体200の分解斜視図である。スイッチ組立体200は、トップカバー110の外側に配される回転レバー210および押しボタン220を有する。また、スイッチ組立体200は、カメラ100においてトップカバー110の内部に配される、レバー固定板金230、防滴ラバー250、フレキシブル基板260および押さえ板金270を有する。
【0015】
回転レバー210は、ユーザが指を掛けて操作する操作部212と、回転レバー210自体の回転軸となる環状部214とを一体的に有する。環状部214の内側には、押しボタン220を挿通する貫通穴216が形成される。更に、回転レバー210は、貫通穴216の図中下端に、下向きに開口したキー溝218を有する。
【0016】
トップカバー110は軸受け穴112を有する。軸受け穴112は、円弧状の内面形状を有して、環状部214の下部を挿通される。これにより、回転レバー210は、トップカバー110の表面と垂直な回転軸の周りを、トップカバー110の表面に沿って回転する。
【0017】
押しボタン220は略円筒状で、径方向に突出するキー224を下端に有する。押しボタン220の側周面は、貫通穴216の内面と相補的な形状を有する。
【0018】
押しボタン220は、キー溝218が開口する図中下側から貫通穴216に挿通される。これにより、押しボタン220の上端面に位置する押し下げ面222が、貫通穴216の内部に現れる。押しボタン220の下端ではキー224がキー溝218に嵌合するので、押しボタン220が環状部214から抜け落ちることはない。
【0019】
レバー固定板金230は、バネ受け234および突起部238と、一対のビス穴236とを有する。バネ受け234は、レバー固定板金230の径方向に突出して配される。バネ受け234には、戻しバネ240の一端が結合される。突起部238は、プレス加工によりレバー固定板金230の一部を変形させて形成される。
【0020】
ビス穴236は、レバー固定板金230を厚さ方向に貫通する。ビス穴236の各々には、レバー固定板金230を環状部214の下面に結合するビス232がそれぞれ挿通される。
【0021】
回転レバー210およびレバー固定板金230がビス232により結合された場合、ユーザに操作された回転レバー210が回転すると、レバー固定板金230も共に回転する。よって、レバー固定板金230の一部である突起部238も、回転レバー210の回転に伴ってトップカバー110と平行に移動する。
【0022】
なお、トップカバー110の軸受け穴112は、周方向の一部において径を拡大された一対の逃げ部113を更に有する。回転レバー210およびレバー固定板金230を結合したビス232は逃げ部113の内側を通過する。
【0023】
逃げ部113はそれぞれ円弧状であり、周方向の端部に、径方向に形成された端面115を有する。このため、回転レバー210がある程度回転すると、ビス232が端面115に当接する。これにより、回転レバー210の回転の範囲は、ビス232が逃げ部113の内側で移動できる範囲に規制される。このように、逃げ部113およびビス232は協働して、回転レバー210の回転を規制する規制部材を形成する。
【0024】
防滴ラバー250は、シリコンゴム等のように、弾性を有し、且つ、液密な材料により形成される。防滴ラバー250は、全体としては厚さの均一なシート状だが、一部が隆起して円形ドーム部252および非対称ドーム部254を形成する。
【0025】
円形ドーム部252は、回転レバー210の回転軸Cと同軸の球面状の隆起部をなす。円形ドーム部252の中央には、防滴ラバー250を厚さ方向に貫通する嵌合穴253が形成される。
【0026】
非対称ドーム部254は、円形ドーム部252の周縁に沿って概ね円弧状に形成される。非対称ドーム部254は、円形ドーム部252の周方向について一方に偏って配された水平面257と、円形ドーム部252の周方向に水平面257に向かって登る緩やかな傾斜を有する傾斜面255とを有する。
【0027】
フレキシブル基板260は、図中上面にあたる回路面に、ドームスイッチ262および接点領域264を有する。ドームスイッチ262は、フレキシブル基板260の厚さ方向に押圧された場合に接触して導通する少なくとも一対の接点を有する。接点領域264は、少なくとも表面が導体材料により形成され、他の接点部材を押し付けられた場合に導通する。ドームスイッチ262および接点領域264は、それぞれ、フレキシブル基板260の配線を通じてスイッチ組立体200の外部に電気的に接続される。
【0028】
押さえ板金270は、一対のビス穴272を有する。ビス穴272の各々には、押さえ板金270を、トップカバー110の裏面(図中では下面)に結合するビス274がそれぞれ挿通される。押さえ板金270は、高い曲げ剛性を有して、防滴ラバー250およびフレキシブル基板260を下面から支持する。
【0029】
図3は、スイッチ組立体200の断面図である。同図には、回転レバー210の回転軸Cと非対称ドーム部254の水平面257とを含む、スイッチ組立体200の縦断面のひとつが示される。図1および図2と共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
【0030】
軸受け穴112に下端が入り込んだ環状部214の上部は、軸受け穴112の内径よりも大きな外径を有する。これにより、回転レバー210が軸受け穴112の中に落ち込むことはない。
【0031】
環状部214に結合されたレバー固定板金230は、少なくとも一部において、軸受け穴112の内径よりも大きな外径を有する。よって、レバー固定板金230と結合された回転レバー210が、トップカバー110から脱落することもない。
【0032】
押しボタン220は、貫通穴216の内部に挿通されている。押しボタン220の押し下げ面222は、環状部214の上面よりも上方に突出する。これにより、押しボタン220の外径よりも太い指でも、押しボタン220を押し下げることができる。
【0033】
また、押しボタン220は、図中下方に向かって突出する押圧軸226を有する。押圧軸226の下端近傍は、防滴ラバー250の嵌合穴253に嵌合しつつ、防滴ラバー250の下面まで突出する。更に、押圧軸226の下端は、フレキシブル基板260のドームスイッチ262の頂部に当接する。これにより、押しボタン220を押し下げた場合は、押圧軸226がドームスイッチ262を押圧して導通させるスイッチユニットが形成される。
【0034】
なお、嵌合穴253の内径は、押圧軸226の外径よりも小さい。よって、押圧軸226が嵌合穴253に挿通された場合に、押圧軸226および嵌合穴253内面は相互に密着する。これにより、押圧軸226のよび嵌合穴253の間は密閉され、防滴ラバー250の下方に、外部から液体または塵芥が侵入することを阻止する。
【0035】
また、防滴ラバー250に嵌合穴253を設けずに、押圧軸226が、防滴ラバー250を挟んでドームスイッチ262を押圧する構造にすることもできる。このような構造にした場合、防滴ラバー250の弾性により、ドームスイッチ262を押圧したときのクリック感は減少する。しかしながら、防滴ラバー250の気密性は向上するので、特に高い防滴性、防水性が求められる場合に有利になる。
【0036】
カメラ100の内部となるトップカバー110の下面には、スイッチ組立体200を環状に包囲するリブ114が配される。ビス274によりトップカバー110の下面に締結された押さえ板金270は、フレキシブル基板260および防滴ラバー250を、リブ114の図中下端に向かって押し付ける。
【0037】
これにより、リブ114と押さえ板金270とに挟まれた領域においては、防滴ラバー250が圧縮されて、リブ114およびフレキシブル基板260に密着する。よって、トップカバー110および防滴ラバー250の間は液密に封止される。
【0038】
こうして、防滴ラバー250よりも下方に位置するフレキシブル基板260の回路面は、トップカバー110の外部から侵入する液体、塵芥等から遮断される。従って、回路面上のドームスイッチ262および接点領域264に液体、塵芥等が付着することが防止される。なお、リブ114の下端には、防滴ラバー250を局部的に強く押し付ける鋭利な先端部116が形成され、防滴性を向上させている。
【0039】
なお、リブ114の一部は、戻しバネ240の他端を受けるバネ受け111を兼ねる。これにより、リブ114のバネ受け111と、レバー固定板金230のバネ受け234との間に挟まれて圧縮された戻しバネ240により、レバー固定板金230が付勢される。
【0040】
また、レバー固定板金230の下面は、非対称ドーム部254の頂面である水平面257に触れている。しかしながら、非対称ドーム部254は中空に隆起して、非対称ドーム部254の内部に配された導通部256は、フレキシブル基板260の接点領域264から離れている。
【0041】
図4は、スイッチ組立体200からレバー固定板金230および防滴ラバー250を抜き出して見下ろした様子を示す模式的斜視図である。他の図と共通の要素には同じ参照番号を服して重複する説明を省く。
【0042】
図示の状態は、回転レバー210が操作されておらず、図中に矢印Rで示す戻しバネ240の付勢力により、回転レバー210は初期位置に保たれている。このとき、突起部238は、下方に位置する非対称ドーム部254の傾斜面255に向かって突出している。ただし、突起部238は、傾斜面255の下端近傍に位置しており、突起部238と傾斜面255とは離間している。
【0043】
換言すれば、傾斜面255は、回転レバー210が非操作状態にある場合に、非対称ドーム部254において突起部238に近い側に配される。また、回転レバー210が操作された場合、突起部238は、傾斜面255を登って水平面257に向かう方向に移動する。
【0044】
図5は、スイッチ組立体200からレバー固定板金230および防滴ラバー250を抜き出して見上げた様子を示す模式的斜視図である。同図には、防滴ラバー250の下面形状が現れている。円形ドーム部252は、裏面においても球面形状をなして、中央に嵌合穴253が配される。
【0045】
非対称ドーム部254において、傾斜面255の下面は、防滴ラバー250の上面と略同じ傾斜を有する。一方、水平面257の下面では防滴ラバー250の膜厚がやや厚くなり、下方に向かって隆起した平坦面を有する導通部256が配される。導通部256は、カーボン粉末、導電性金属酸化物等の導電材料を分散されて電気的な接点となり得る導電性を有する。
【0046】
これにより、非対称ドーム部254の水平面257が押圧された場合、非対称ドーム部254は弾性変形して、内側に配された導通部256を降下させる。よって、導通部256の下方に他の電気的接点を配することによりスイッチユニットが形成される。
【0047】
図6は、図4および図5に示したレバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的平面図である。なお、図3に示した縦断面を図6において点線Aで示す。
【0048】
スイッチ組立体200において、レバー固定板金230は戻しバネ240により図中に矢印Rで示す方向に付勢される。回転レバー210が操作されていない非操作状態では、レバー固定板金230に挿通されたビス232が、逃げ部113の一方の端面115に当接する。
【0049】
よって、レバー固定板金230は、図示の位置で制止される。このとき、突起部238は、非対称ドーム部254の傾斜面255の下端部に僅かに掛かった位置にある。このように、回転レバー210が非操作状態にある場合、戻しバネ240は、ビス232および端面115により定められた位置に回転レバー210を戻す。
【0050】
図7は、図6において点線Bで示す断面におけるレバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的断面図である。図4を参照して説明したように、非操作状態における突起部238は、傾斜面255を含む非対称ドーム部254から離間している。
【0051】
また、非対称ドーム部254の内部において、導通部256は、フレキシブル基板260上の接点領域264から離間している。よって、導通部256および接点領域264により形成されたスイッチは非導通状態となる。
【0052】
図8は、ユーザが回転レバー210を操作し始めて、回転レバー210が僅かに回転した状態を、図6と比較して示す模式的平面図である。図示のように、回転レバー210が回転し始めると、レバー固定板金230は、図中に矢印Rで示す戻しバネ240の付勢に逆らって図中時計廻りに回転し始める。レバー固定板金230の回転に伴い突起部238も、非対称ドーム部254に接近する方向に移動し始める。
【0053】
図9は、図8において点線Bで示す断面におけるレバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的断面図である。図中左方に移動した突起部238は、非対称ドーム部254の傾斜面255に接しているが、非対称ドーム部254は殆ど変形していない。ただし、突起部238がこれよりも図中左方に移動すると、突起部238の押圧力を受けた傾斜面255が押し下げられて、非対称ドーム部254が弾性変形を始める。
【0054】
図10は、レバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的平面図である。同図は、回転レバー210が回り切って、それ以上回転しない状態を、図6および図8と比較して示す。
【0055】
回転レバー210が回転し切ると、レバー固定板金230に挿通されたビス232が逃げ部113の端面115に当接する。これにより、回転レバー210はそれ以上回転しなくなる。このとき、突起部238は、非対称ドーム部254の水平面257の直近まで移動している。
【0056】
図11は、図10において点線Bで示す断面におけるレバー固定板金230および防滴ラバー250の模式的断面図である。回転レバー210が廻り切った場合、突起部238は、その押圧力により非対称ドーム部254を大きく弾性変形させる。
【0057】
これにより、非対称ドーム部254の導通部256は、フレキシブル基板260上の接点領域264に押し付けられる。このように、スイッチ組立体200においては、回転レバー210を回転させる操作により、回転レバー210の回転軸方向に導通部256を移動させて電気的に導通させることができる。
【0058】
なお、既に説明した通り、逃げ部113の端面115とビス232との作用により回転レバー210の回転範囲が規制される。よって、移動した突起部238が、水平面257を越えて非対称ドーム部254を通り過ぎることはない。
【0059】
また、ユーザが回転レバー210の操作をやめた場合は、戻しバネ240の付勢によりバネ受け234が矢印Rの方向に押され、回転レバー210は初期位置に復帰する。従って、非対称ドーム部254の弾性変形も解かれ、導通部256は上昇して接点領域264から離間する。
【0060】
ここまでに説明したように、スイッチ組立体200は、トップカバー110の表面に沿って操作する回転レバー210により、回転レバー210の回転軸方向に当接または離間する接点を操作できる。回転レバー210は、その操作において回転する範囲内で操作反力が殆ど変化しないので円滑に操作できる。
【0061】
また、スイッチ組立体200では、リブ114および防滴ラバー250により、接点領域264を含むフレキシブル基板260を、カメラ100の外部から液密に封止している。よって、スイッチ組立体200を通じてカメラ100の内部に液体、塵芥等が侵入することが防止される。
【0062】
更に、防滴ラバー250の一部に導通部256を設けた独特の構造により、スイッチ組立体200全体を薄くすることができる。これにより、スイッチ組立体200の配置の自由度が向上されると共に、カメラ100の内部空間の利用効率を向上させることができる。
【0063】
また更に、スイッチ組立体200は、防水構造であるにもかかわらず部品点数が少なく、組立工数も少ないので、製造コストの低減と信頼性向上に寄与する。なお、上記の説明では回転レバー210を例に挙げて説明したが、上記のような構造は、突起部238を直線的に移動させるスライドスイッチにおいても同様に実現できる。
【0064】
また、スイッチ組立体200は、環状のレバー固定板金230と円弧状に配された非対称ドーム部254とを組み合わせて形成されるので、回転レバー210の回転軸上に、更に押しボタン220を配置できる。ただし、押しボタン220無しに、単独のレバースイッチとしても用い得ることはいうまでもない。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0066】
100 カメラ、110 トップカバー、111、234 バネ受け、112 軸受け穴、113 逃げ部、114 リブ、115 端面、116 先端部、200 スイッチ組立体、210 回転レバー、212 操作部、214 環状部、216 貫通穴、218 キー溝、220 押しボタン、222 押し下げ面、224 キー、226 押圧軸、230 レバー固定板金、232、274 ビス、236、272 ビス穴、238 突起部、240 戻しバネ、250 防滴ラバー、252 円形ドーム部、253 嵌合穴、254 非対称ドーム部、255 傾斜面、256 導通部、257 水平面、260 フレキシブル基板、262 ドームスイッチ、264 接点領域、270 押さえ板金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的な接点を回路面に有する基板と、
ユーザの操作に伴って前記回路面に対して平行に移動する突起部を有する操作部材と、
前記接点の周縁部を取り囲んで前記基板に密着する弾性部材と
を備え、
前記弾性部材は、
移動する前記突起部の押圧力を受けて弾性変形する傾斜面を有するドーム部と、
前記ドーム部の内側に設けられ、前記傾斜面の弾性変形により前記回路面に垂直に移動し、前記接点を押圧して導通させる押圧部と
を備えるスイッチユニット。
【請求項2】
前記突起部が前記傾斜面を乗り越えないように前記突起部の移動を規制する規制部材を備える請求項1に記載のスイッチユニット。
【請求項3】
ユーザの非操作時において、前記接点を非導通状態とする定位置へ前記操作部材を付勢する付勢部材を備える請求項1または2に記載のスイッチユニット。
【請求項4】
前記操作部材は回転レバーであって、
前記回転レバーの回転中心には、前記基板上に設けられた他の接点を導通させる押しボタンを備える請求項1から3のいずれか1項に記載のスイッチユニット。
【請求項5】
前記押しボタンの、前記他の接点を押圧する押圧軸は、前記弾性部材に設けられた嵌合穴を貫通して前記他の接点を押圧する請求項4に記載のスイッチユニット。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれかに記載のスイッチユニットを備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−253634(P2011−253634A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124810(P2010−124810)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】