説明

スイッチング制御回路

【課題】リップルコンバータを安定に動作させつつ、外付け部品の点数を減少することが可能なスイッチング制御回路を提供する。
【解決手段】入力電圧から目的レベルの出力電圧を生成するために、入力電極に入力電圧が印加され、出力電極にインダクタを介して負荷が接続されるトランジスタをスイッチングするスイッチング制御回路であって、トランジスタのスイッチング周期毎に、出力電圧に基づいて出力電圧に応じた傾きで変化するスロープ電圧を生成する電圧生成回路と、目的レベルの出力電圧の基準となる基準電圧または出力電圧に応じた帰還電圧に、スロープ電圧を加算する加算回路と、基準電圧及び帰還電圧のうち、スロープ電圧が加算された何れか一方の電圧のレベルが、他方の電圧のレベルとなるとトランジスタをスイッチングする駆動回路と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
入力電圧から目的レベルの出力電圧を生成するスイッチング電源回路としては、リップルコンバータやヒステリシス制御レギュレータと呼ばれる方式の電源回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。図20は、一般的なオン時間固定方式のリップルコンバータ300の一例を示す図である。制御回路410は、出力電圧Voutに応じた帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefより低くなると、NMOSトランジスタ420を所定時間オンする。この結果、出力電圧Voutは上昇することになる。そして、負荷の影響によって出力電圧Voutが低下し、帰還電圧Vfbが基準電圧Vrefより低くなると、制御回路410は再度NMOSトランジスタ420を所定時間オンする。このような動作が繰り返されることにより、目的レベルの出力電圧Voutが生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−104942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リップルコンバータ300において、出力電圧Voutのリップル電圧を小さくするために、ESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)の小さいセラミック型のコンデンサ440が用いられることがある。このような場合、帰還電圧Vfbに含まれるリップル電圧が小さくなるため、リップルコンバータ300が安定に動作しなくなることがある。したがって、リップルコンバータ300を安定に動作させるために、例えば、帰還電圧Vfbの利得及び位相を調整する調整回路(不図示)や、インダクタ430に流れる電流に基づいてリップル電圧を生成し、帰還電圧Vfbに加算する回路(不図示)が用いられる(特許文献1参照)。しかしながら、一般に、これらの回路に含まれる抵抗、容量等の素子の値は大きいため、制御回路410を集積化した際には、調整回路等を制御回路410に含めることができず、リップルコンバータ300の外付け部品の点数が増加する。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、リップルコンバータを安定に動作させつつ、外付け部品の点数を減少することが可能なスイッチング制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一つの側面に係る、入力電圧から目的レベルの出力電圧を生成するために、入力電極に前記入力電圧が印加され、出力電極にインダクタを介して負荷が接続されるトランジスタをスイッチングするスイッチング制御回路であって、前記トランジスタのスイッチング周期毎に、前記出力電圧に基づいて前記出力電圧に応じた傾きで変化するスロープ電圧を生成する電圧生成回路と、前記目的レベルの出力電圧の基準となる基準電圧または前記出力電圧に応じた帰還電圧に、前記スロープ電圧を加算する加算回路と、前記基準電圧及び前記帰還電圧のうち、前記スロープ電圧が加算された何れか一方の電圧のレベルが、他方の電圧のレベルとなると前記トランジスタをスイッチングする駆動回路と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
リップルコンバータを安定に動作させつつ、外付け部品の点数を減少することが可能なスイッチング制御回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態であるリップルコンバータ10aの構成を示す図である。
【図2】レベルシフト回路51,52及びコンパレータ55の構成を示す図である。
【図3】電流生成回路61の構成を示す図である。
【図4】パルス信号Vp2がHレベルからLレベルに変化した際の電圧V1の波形の一例を示す図である。
【図5】リップルコンバータ10aの主要な波形を示す図である。
【図6】リップルコンバータ10aの主要な波形を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態であるリップルコンバータ10bの構成を示す図である。
【図8】電流生成回路63の構成を示す図である。
【図9】リップルコンバータ10bの主要な波形を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態であるリップルコンバータ10cの構成を示す図である。
【図11】リップルコンバータ10cの主要な波形を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態であるリップルコンバータ11aの構成を示す図である。
【図13】リップルコンバータ11aの主要な波形を示す図である。
【図14】リップルコンバータ11aの主要な波形を示す図である。
【図15】本発明の第5の実施形態であるリップルコンバータ11bの構成を示す図である。
【図16】リップルコンバータ11bの主要な波形を示す図である。
【図17】本発明の第6の実施形態であるリップルコンバータ12の構成を示す図である。
【図18】リップルコンバータ12の主要な波形を示す図である。
【図19】リップルコンバータ12の主要な波形を示す図である。
【図20】一般的なリップルコンバータ300の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
<<<第1の実施形態>>>
図1は、本発明の第1の実施形態であるオン時間固定方式のリップルコンバータ10aの構成を示す図である。リップルコンバータ10aは、例えば、入力電圧Vinから目的レベルの出力電圧Voutを生成する回路であり、制御IC(Integrated Circuit)20a、NMOSトランジスタ30,31、インダクタ32、コンデンサ33、抵抗34〜36を含んで構成されている。また、リップルコンバータ10aでは、リップルコンバータ10aを安定に動作させるため、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化するスロープ電圧Vsが基準電圧Vrefに加算されている。
【0011】
負荷15は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の集積回路であり、出力電圧Voutを電源電圧として動作する。
制御IC20a(スイッチング制御回路)は、出力電圧Voutを抵抗35,36で分圧した帰還電圧Vfbに基づいて、NMOSトランジスタ30,31をスイッチングする集積回路である。制御IC20aは、端子A,FB,OUT1,OUT2を備えている。
端子Aには、出力電圧Voutが印加され、端子FBには、帰還電圧Vfbが印加される。
端子OUT1には、NMOSトランジスタ30のゲート電極が接続され、端子OUT2には、NMOSトランジスタ31のゲート電極が接続される。
【0012】
また、制御IC20は、基準電圧生成回路50、レベルシフト回路51,52、抵抗53,54、コンパレータ55、パルス信号生成回路56,60、駆動回路57、及び電流生成回路61を含んで構成される。
【0013】
基準電圧生成回路50は、例えば、バンドギャップ電圧等の所定の基準電圧Vrefを生成する。
レベルシフト回路51は、基準電圧Vrefのレベルをシフトした電圧VAを抵抗53の一端に出力する回路であり、図2に示すように、PNPトランジスタQ1及び定電流源70を含んで構成される。PNPトランジスタQ1及び定電流源70は、エミッタフォロワを構成するため、電圧VA=Vref+Vbe1(Vbe1:PNPトランジスタQ1のベース−エミッタ電圧)となる。なお、電圧Vccは、例えば制御IC20aの内部で生成されるいわゆる内部電源の電圧である。
レベルシフト回路52は、帰還電圧Vfbのレベルをシフトした電圧VBを抵抗54の一端に出力する回路であり、PNPトランジスタQ2及び定電流源71を含んで構成される。PNPトランジスタQ2及び定電流源71は、エミッタフォロワを構成するため、電圧VB=Vfb+Vbe2(Vbe2:PNPトランジスタQ2のベース−エミッタ電圧)となる。なお、電圧Vbe1及び電圧Vbe2が等しくなるよう、定電流源70と定電流源71の電流値が等しくなるよう設計されている。
【0014】
抵抗53の他端は、コンパレータ55の非反転入力端子に接続され、抵抗54の他端は、コンパレータ55の反転入力端子に接続される。ここでは、コンパレータ55の非反転入力端子の電圧を電圧VCとし、反転入力端子の電圧を電圧VDとする。
コンパレータ55は、電圧VC及び電圧VDを比較し、比較結果を示す比較電圧Vcpを出力する。コンパレータ55は、定電流源72、NPNトランジスタQ5,Q6、PNPトランジスタQ7,Q8を含んで構成される。
【0015】
定電流源72及びNPNトランジスタQ5,Q6は差動入力回路を構成し、PNPトランジスタQ7,Q8の夫々は電流源として動作する。このため、コンパレータ55は、電圧VDが電圧VCより高くなると、ローレベル(以下、“L”レベル)の比較電圧Vcpを出力し、電圧VDが電圧VCより低くなると、ハイレベル(以下、“H”レベル)の比較電圧Vcpを出力する。
パルス信号生成回路56は、いわゆるワンショット回路であり、比較電圧Vcpが“H”レベルとなると、所定時間T1だけ“H”レベルとなるパルス信号Vp1を生成する。
【0016】
駆動回路57は、パルス信号Vp1が“H”レベルとなると、“L”レベルの駆動信号Vdr2を出力してNMOSトランジスタ31をオフした後、“H”レベルの駆動信号Vdr1を所定時間T1だけ出力してNMOSトランジスタ30をオンする。また、駆動回路57は、パルス信号Vp1が“L”レベルとなると、“L”レベルの駆動信号Vdr1を出力してNMOSトランジスタ30をオフした後、“H”レベルの駆動信号Vdr2を出力してNMOSトランジスタ31をオンする。このように、駆動回路57は、NMOSトランジスタ30,31がともにオンしないよう、いわゆるデッドタイムを設けてNMOSトランジスタ30,31を相補的にスイッチングする。
【0017】
パルス信号生成回路60は、スイッチング周期毎、例えば、NMOSトランジスタ30がオンされる直前のデッドタイムの期間毎に“H”レベルとなるパルス信号Vp2を生成する。つまりパルス信号生成回路60は、駆動信号Vdr1が“L”レベルであり、駆動信号Vdr2が“H”レベルから“L”レベルとなる間に“H”レベルのパルス信号Vp2を出力する。
電流生成回路61は、パルス信号Vp2が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化する電流Irを生成する。具体的には、パルス信号Vp2が“H”レベルの間には、ゼロとなり、パルス信号Vp2が“L”レベルとなると、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで増加する電流Irを生成する。そして、電流生成回路61は、抵抗53とコンパレータ55の非反転入力端子とが接続されるノードに電流Irを供給することにより、基準電圧Vrefのレベルを変化させる。
【0018】
ここで、抵抗53の抵抗値をRとし、電流Irの電流値をIrとし、コンパレータ55の入力インピーダンスを無限大とすると、電圧VCは、
VC=VA+Ir×R=Vref+Vbe1+Ir×R・・・(1)
となる。
また、電流生成回路61は、電圧Vbe1及び電圧Vbe2が等しくなるよう、すなわちコンパレータ55のオフセットがキャンセルされるよう、レベルシフト回路52及び抵抗54が接続されるノードに対して電流Irを供給する。
このため、電圧VDは、
VD=VB=Vfb+Vbe2=Vfb+Vbe1・・・(2)
となる。なお、電流生成回路61及び抵抗53は、電圧生成回路に相当し、レベルシフト回路51及び抵抗53は、加算回路に相当する。また、電流生成回路61の詳細については後述する。
【0019】
NMOSトランジスタ30は、ハイサイドのパワートランジスタであり、ドレイン電極(入力電極)には入力電圧Vinが印加され、ソース電極(出力電極)は、NMOSトランジスタ31のドレイン電極及びインダクタ32が接続される。
NMOSトランジスタ31は、ローサイドのパワートランジスタであり、ソース電極は接地され、ドレイン電極にはインダクタ32が接続されている。
【0020】
インダクタ32及びコンデンサ33は、NMOSトランジスタ30,31が接続されるノードの電圧を平滑化するLCフィルタである。ここでは、インダクタ32に流れる電流をインダクタ電流ILとする。
抵抗34は、コンデンサ33の等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)である。なお、コンデンサ33は、例えばセラミック型のコンデンサであるため、抵抗34の抵抗値は、例えば数mΩ等の小さい値となる。このため、出力電圧Voutに含まれるリップル電圧も小さくなる。
【0021】
==電流生成回路61の詳細==
ここで図3を参照しつつ、電流生成回路61の具体的な構成について説明する。電流生成回路61は、充放電回路80及び電圧電流変換回路81を含んで構成される。
【0022】
充放電回路80は、パルス信号Vp2が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に放電されたコンデンサ94を充電し、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化する電圧V1を生成する。充放電回路80は、抵抗90〜92、オペアンプ93、コンデンサ94、NPNトランジスタQ10、PNPトランジスタQ11,Q12、及び、NMOSトランジスタM1を含んで構成される。
抵抗90及び抵抗91は、出力電圧Voutを分圧した電圧をオペアンプ93の非反転入力端子に印加する。
【0023】
また、NPNトランジスタQ10のベース電極は、オペアンプ93の出力に接続され、エミッタ電極は、オペアンプ93の反転入力端子に接続されている。したがって、オペアンプ93は、反転入力端子の電圧が非反転入力端子に印加された電圧に一致するように、NPNトランジスタQ10を制御する。この結果、抵抗92に印加される電圧は分圧電圧に等しくなるため、NPNトランジスタQ10には、抵抗92の抵抗値に反比例し、出力電圧Voutのレベルに比例した電流I1が流れる。また、電流I1は、ダイオード接続されたPNPトランジスタQ11に流れる。
【0024】
PNPトランジスタQ11,Q12は、カレントミラー回路を構成するため、PNPトランジスタQ12に流れる電流I2も、出力電圧Voutに比例した電流となる。PNPトランジスタQ12のコレクタ電極には、NMOSトランジスタM1のドレイン電極及びコンデンサ94が接続されている。したがって、例えば、パルス信号Vp2が“H”レベルの場合、NMOSトランジスタM1はオンとなるため、コンデンサ94の充電電圧である電圧V1はほぼゼロとなる。一方、パルス信号Vp2が“L”レベルの場合、NMOSトランジスタM1はオフとなるため、電圧V1は、出力電圧Voutに比例した電流I2により充電される。つまり、充放電回路80は、図4に示すように、パルス信号Vp2が“H”レベルから“L”レベルとなるとコンデンサ94を充電し、電圧V1のレベルをゼロから出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで上昇させる。
【0025】
電圧電流変換回路81は、電圧V1のレベルに応じた値の電流Irを生成する回路であり、定電流源95、抵抗96、PNPトランジスタQ20,Q22〜Q24、及びNPNトランジスタQ21を含んで構成される。
【0026】
PNPトランジスタQ20及び定電流源95は、エミッタフォロワ回路を構成する。このため、PNPトランジスタQ20のエミッタ電極には、電圧V1に応じた電圧V2(=V1+Vbe20)が生成される。なお、ここでは、PNPトランジスタQ20のベース−エミッタ間電圧をVbe20としている。
【0027】
NPNトランジスタQ21のベース電極には、電圧V2が印加され、エミッタ電極には抵抗96が接続されている。本実施形態では、電圧V1がゼロとなり、電圧V2が前述のVbe20となる際には、NPNトランジスタQ21はオフするよう設計されている。このため、電圧V1がゼロの場合、NPNトランジスタQ21に流れる電流Irはゼロとなる。一方、電圧V1がゼロから上昇すると、NPNトランジスタQ21には、抵抗96の抵抗値に反比例し、電圧V2のレベルに比例した電流Irが流れる。
【0028】
また、電流Irは、ダイオード接続されたPNPトランジスタQ22に流れ、PNPトランジスタQ22〜Q24は、カレントミラー回路を構成する。本実施形態では、PNPトランジスタQ22〜Q24のトランジスタサイズは同じであるため、PNPトランジスタQ23,24は、電圧V2のレベルに比例した電流Irを供給する電流源として動作する。
【0029】
ところで、電圧V2は、電圧V1と同様に出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで変化する。このため、電流Irも出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで変化することになる。
【0030】
==リップルコンバータ10aの動作==
ここで、図1及び図5を参照しつつ、リップルコンバータ10aの動作について説明する。なお、本実施形態では、出力電圧Voutに含まれるリップル電圧は十分小さいため、帰還電圧Vfbに含まれるリップル電圧も十分小さくなる。つまり、目的レベルの出力電圧Voutが生成されている際の帰還電圧Vfbのレベル、すなわち、電圧VDのレベルはほぼ一定となる。
【0031】
まず、時刻t0に電圧VC(一方の電圧)のレベルが上昇して電圧VD(他方の電圧)のレベルとなると、比較電圧Vcpは“H”レベルとなるため、“H”レベルのパルス信号Vp1が出力される。このため、NMOSトランジスタ31をオフすべく駆動信号Vdr2が“L”レベルとなり、パルス信号Vp2は“H”レベルとなる。この結果、電流生成回路61が供給する電流Irはゼロとなり、電圧VCはVC=Vref+Vbe1まで低下する。
【0032】
そして、時刻t0からデッドタイムだけ経過した時刻t1となると、NMOSトランジスタ30をオンすべく、駆動信号Vdr1が“H”レベルとなる。この結果、パルス信号Vp2は“L”レベルになるため、電流Irは出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで増加する。また、電圧VCも電流Irと同様に、出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで上昇する。
【0033】
時刻t1から所定時間T1だけ経過した時刻t2となると、NMOSトランジスタ30をオフすべく、駆動信号Vdr1は“L”レベルとなる。そして、時刻t2からデッドタイムだけ経過した時刻t3となると、NMOSトランジスタ31をオンすべく、駆動信号Vdr2は“H”レベルとなる。
【0034】
その後、時刻t4において、電圧VCのレベルが上昇して電圧VDのレベルとなると、再び時刻t0の動作が繰り返される。
【0035】
ところで、NMOSトランジスタ30がオフ、NMOSトランジスタ31がオンされている際のインダクタ32の両端電圧は、出力電圧Voutとなる。このため、NMOSトランジスタ31がオンされている時間において、インダクタ電流ILは、出力電圧Voutのレベルに比例し、インダクタ32のインダクタンスLに反比例する傾きで減少する。なお、インダクタンスLは所定値であるため、NMOSトランジスタ31がオンされている時間のインダクタ電流ILは、実質的に出力電圧Voutのレベルに比例する。
【0036】
リップルコンバータ10aでは、リップル電圧、もしくはリップル電圧と相似形の電圧が基準電圧Vrefに加算されていないが、リップル電圧の変化と同様に変化する傾きの電圧(Ir×R)が、NMOSトランジスタ30がオフの期間に基準電圧Vrefに加算されている。つまり、本実施形態では、NMOSトランジスタ30がオンするタイミングを検出するために、NMOSトランジスタ30がオフしている期間(例えば、時刻t2〜時刻t4)に、リップル電圧の傾き(Vout/Lに比例)と同様の傾き(Voutに比例)で電圧VCを変化させている。
【0037】
したがって、リップルコンバータ10aは、例えばリップル電圧が基準電圧Vrefに加算された一般的なリップルコンバータと同様に、安定に動作する。つまり、リップルコンバータ10aは、インダクタ電流IL等を検出する外付け部品等を用いることなく、安定に動作する。
【0038】
==電圧VCの変化のタイミングについて==
リップルコンバータ10aでは、時刻t1のタイミングで電圧VCを上昇させることとした。ただし、リップルコンバータ10aの動作を安定させるためには、NMOSトランジスタ30がオフされている時間の電圧VCの傾き(Voutに比例)が、リップル電圧の傾き(Vout/Lに比例)と同様であれば良い。このため、例えば、図1に示すように、パルス信号生成回路60の代わりにパルス信号生成回路62を用いても良い。
【0039】
パルス信号生成回路62は、例えば図6に示すように、駆動信号Vdr2が“L”レベルとなってから、駆動信号Vdr1が“L”レベルとなるまでの間、“H”レベルのパルス信号Vp2を出力する。このような場合、電圧VCは時刻t2から上昇することになるが、NMOSトランジスタ30がオフされている時間の電圧VCの傾きは、リップル電圧の傾きと同様になる。したがって、このような場合であっても、リップルコンバータ10aは、安定に動作する。
【0040】
<<<第2の実施形態>>>
図7は、本発明の第2の実施形態であるオン時間固定方式のリップルコンバータ10bの構成を示す図である。
【0041】
リップルコンバータ10bでは、リップルコンバータ10bを安定に動作させるため、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化するスロープ電圧Vsが帰還電圧Vfbに加算されている。本明細書では、例えば図1にあるブロックと同じ符号の付されたブロックは同じである。図1と図7とを比較すると、制御IC20bでは、電流生成回路61の代わりに電流生成回路63が設けられている。
【0042】
電流生成回路63は、パルス信号Vp2が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化するソース電流(電流Ir,2×Ir(以下、2Irと記載する))、及びシンク電流(電流Ir)を生成する。
【0043】
図8は、電流生成回路63の詳細を示す図である。電流生成回路63は、充放電回路80及び、電圧電流変換回路82を含んで構成される。図8と、図3とにおいて、同じ符号の付されたブロックは同じであるため、ここでは、PNPトランジスタQ30,31、及びNPNトランジスタQ32,33について説明する。
【0044】
PNPトランジスタQ30,Q31は、PNPトランジスタQ22とカレントミラー回路を構成する。ただし、PNPトランジスタQ30には、電流Irの2倍の電流(2Ir)が流れ、PNPトランジスタQ31には、電流Irが流れるよう設計されている。このため、PNPトランジスタQ30はソース電流である電流2Irを生成する。また、ダイオード接続されたNPNトランジスタQ32と、NPNトランジスタQ33は同じ電流が流れるようなカレントミラー回路を構成する。このため、NPNトランジスタQ33は、シンク電流である電流Irを生成する。
【0045】
また、図7に示すように、レベルシフト回路52及び抵抗54が接続されるノードには、電流2Irが供給され、抵抗54及びコンパレータ55の非反転入力端子が接続されるノードには、シンク電流である電流Irが流れる。
【0046】
このため、抵抗54の抵抗値をRとすると、電圧VDは、
VD=VB−Ir×R=Vfb+Vbe2−Ir×R・・・(3)
となる。
また、電流生成回路63は、電圧Vbe1及び電圧Vbe2が等しくなるよう、すなわちコンパレータ55のオフセットがキャンセルされるよう、レベルシフト回路51及び抵抗53が接続されるノード対して電流Irを供給する。
このため、電圧VCは、
VC=VA=Vref+Vbe1=Vref+Vbe2・・・(4)
となる。
【0047】
ところで、前述のように電流Irは、パルス信号Vp2が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、出力電圧Voutのレベルに比例して大きくなる。このため、電圧VDは、パルス信号Vp2が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで低下することになる。
【0048】
==リップルコンバータ10bの動作==
図7及び図9を参照しつつ、リップルコンバータ10bの動作について説明する。なお、ここでは、基準電圧Vrefのレベル及び電圧Vbe1のレベルは一定であるため、電圧VCのレベルも一定となる。
【0049】
まず、時刻t10に電圧VDのレベルが低下して電圧VCのレベルとなると、比較電圧Vcpは“H”レベルとなるため、“H”レベルのパルス信号Vp1が出力される。このため、NMOSトランジスタ31をオフすべく駆動信号Vdr2が“L”レベルとなり、パルス信号Vp2は“H”レベルとなる。この結果、電流生成回路63が生成する電流Irはゼロとなり、電圧VDはVD=Vfb+Vbe2まで上昇する。
【0050】
そして、時刻t10からデッドタイムだけ経過した時刻t11となると、NMOSトランジスタ30をオンすべく、駆動信号Vdr1が“H”レベルとなる。この結果、パルス信号Vp2は“L”レベルになるため、電流Irは出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで増加する。したがって、電圧VDは、出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで低下する。
【0051】
時刻t11から所定時間T1だけ経過した時刻t12となると、NMOSトランジスタ30をオフすべく、駆動信号Vdr1は“L”レベルとなる。そして、時刻t12からデッドタイムだけ経過した時刻t13となると、NMOSトランジスタ31をオンすべく、駆動信号Vdr2は“H”レベルとなる。
【0052】
その後、時刻t14において、電圧VDのレベルが低下して電圧VCのレベルとなると、再び時刻t10の動作が繰り返される。
【0053】
ところで、NMOSトランジスタ30がオフされている時間(例えば、時刻t12〜t時刻14)の電圧VDの傾き(Voutに比例)は、NMOSトランジスタ30がオフされている時間のリップル電圧の傾き(Vout/Lに比例)と同様である。したがって、リップルコンバータ10bは、NMOSトランジスタ30がオフされている時間において、例えばリップル電圧が帰還電圧Vfbに加算された一般的なリップルコンバータと同様に、安定に動作をする。
【0054】
なお、リップルコンバータ10bの動作を安定させるためには、NMOSトランジスタ30がオフされている時間における電圧VDの傾き(Voutに比例)が、リップル電圧の傾き(Vout/Lに比例)と同様であれば良い。このため、例えば、パルス信号生成回路60の代わりにパルス信号生成回路62を用い、電圧VDを時刻t12から低下させても良い。
【0055】
<<<第3の実施形態>>>
図10は、本発明の第3の実施形態であるオン時間固定方式のリップルコンバータ10cの構成を示す図である。
【0056】
リップルコンバータ10cでは、リップルコンバータ10cを安定に動作させるため、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化するスロープ電圧Vsが、基準電圧Vref及び帰還電圧Vfbの両方に加算されている。なお、図10の制御IC20cと、図7の制御IC20bとを比較すると、電流生成回路63から電流Irが、抵抗53及びコンパレータ55の非反転入力端子が接続されたノードに供給されている以外は同じである。なお、電流Irが、抵抗53及びコンパレータ55の非反転入力端子が接続されたノードに供給されている構成は、図1に示した場合と同様である。
【0057】
このため、電圧VCは、式(1)で表されることになり、電圧VDは、式(3)で表されることになる。
VC=VA+Ir×R=Vref+Vbe1+Ir×R・・・(1)
VD=VB−Ir×R=Vfb+Vbe2−Ir×R・・・(3)
【0058】
つまり、パルス信号Vp2が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、電圧VCは、出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで上昇し、電圧VDは、出力電圧Voutのレベル比例した傾きで低下する。したがって、図11に示すように、リップルコンバータ10cは、図5、及び図9に示したリップルコンバータ10a,10bと同様に動作する。なお、図11において、NMOSトランジスタ30がオフされている時間における電圧VC,VDの傾き(Voutに比例)は、リップル電圧の傾き(Vout/Lに比例)と同様である。このため、リップルコンバータ10cは、リップルコンバータ10a等と同様に、安定に動作する。
【0059】
なお、式(1)における電圧Ir×Rは、第1スロープ電圧に相当し、式(3)における電圧(−Ir)×Rは、第2スロープ電圧に相当する。また、電流生成回路63及び抵抗53は、第1電圧生成回路に相当し、電流生成回路63及び抵抗54は、第2電圧生成回路に相当する。さらに、レベルシフト回路51及び抵抗53は、第1加算回路に相当し、レベルシフト回路52及び抵抗54は、第2加算回路に相当する。
【0060】
<<<第4の実施形態>>>
図12は、本発明の第4の実施形態であるオフ時間固定方式のリップルコンバータ11aの構成を示す図である。リップルコンバータ11aでは、リップルコンバータ11aを安定に動作させるため、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの差のレベルに応じた傾きで変化するスロープ電圧Vsが基準電圧Vrefに加算されている。
【0061】
なお、図12の構成と、例えば図1の構成を比較すると、制御IC21aに含まれるブロックのうち、パルス信号生成回路100,102、駆動回路101、及び減算回路103以外の構成は同じである。このため、ここでは、図1と異なるブロックについて説明する。
【0062】
パルス信号生成回路100は、いわゆるワンショット回路であり、比較電圧Vcpが“L”レベルとなると、所定時間T2だけ“L”レベルとなるパルス信号Vp3を生成する。
駆動回路101は、パルス信号Vp3が“L”レベルとなると、NMOSトランジスタ30をオフした後、NMOSトランジスタ31をオンする。そして、駆動回路101は、パルス信号Vp1が“L”レベルとなってから、所定時間T2だけ経過する直前(所定時間T2からデッドタイムだけ短いタイミング)に、NMOSトランジスタ31をオフする。さらに、駆動回路101は、駆動回路101は、パルス信号Vp1が“L”レベルとなってから、所定時間T2だけ経過すると、NMOSトランジスタ30をオンする。
【0063】
このように、駆動回路101は、NMOSトランジスタ30,31がともにオンしないよう、デッドタイムを設けてNMOSトランジスタ30,31を相補的にスイッチングする。
【0064】
パルス信号生成回路102は、スイッチング周期毎、例えば、NMOSトランジスタ31がオンされる直前のデッドタイムの期間毎に“H”レベルとなるパルス信号Vp4を生成する。
減算回路103は、端子Bを介して入力される入力電圧Vinと、端子Aを介して入力される出力電圧Voutとの差を演算し、演算結果である差電圧Vin−Voutを電流生成回路63に出力する。
【0065】
したがって、電流生成回路63は、パルス信号Vp4が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、差電圧Vin−Voutのレベルに応じた傾きで変化するソース電流(電流Ir,2Ir)、及びシンク電流(電流Ir)を生成する。このため、電圧VCは、
VC=VA−Ir×R=Vref+Vbe1−Ir×R・・・(5)
となり、電圧VDは、
VD=VB=Vfb+Vbe2・・・(6)
となる。
【0066】
==リップルコンバータ11aの動作==
図13を参照しつつ、リップルコンバータ11aの動作について説明する。なお、前述のように、本実施形態では出力電圧Voutに含まれるリップル電圧は十分小さいため、帰還電圧Vfbのレベル、すなわち、電圧VDのレベルはほぼ一定となる。
【0067】
まず、時刻t30に電圧VCのレベルが低下して電圧VDのレベルとなると、比較電圧Vcpは“L”レベルとなるため、“L”レベルのパルス信号Vp3が出力される。このため、駆動信号Vdr1も“L”レベルとなり、パルス信号Vp4は“H”レベルとなる。この結果、電流生成回路63が供給する電流Irはゼロとなり、電圧VCはVC=Vref+Vbe1まで上昇する。
【0068】
そして、時刻t30からデッドタイムだけ経過した時刻t31となると、NMOSトランジスタ31をオンすべく、駆動信号Vdr2が“H”レベルとなる。この結果、パルス信号Vp4は“L”レベルになるため、電流Irは差電圧Vin−Voutのレベルに比例した傾きで増加する。一方、電圧VCは、電流Irの増加に伴い、差電圧Vin−Voutのレベルに比例した傾きで低下する。
【0069】
時刻t30から所定時間T2だけ経過する直前の時刻t32となると、NMOSトランジスタ31をオフすべく、駆動信号Vdr2は“L”レベルとなる。そして、時刻t30から所定時間T2だけ経過した時刻t33となると、NMOSトランジスタ30をオンすべく、駆動信号Vdr1は“H”レベルとなる。
【0070】
その後、時刻t34において、電圧VCのレベルが低下して電圧VDのレベルとなると、再び時刻t30の動作が繰り返される。
【0071】
ところで、NMOSトランジスタ30がオン、NMOSトランジスタ31がオフされている際のインダクタ32の両端電圧は、Vin−Voutとなる。このため、NMOSトランジスタ30がオンされている時間において、インダクタ電流ILは、差電圧Vin−Voutのレベルに比例し、インダクタ32のインダクタンスLに反比例する傾きで増加する。なお、インダクタンスLは所定値であるため、NMOSトランジスタ30がオンされている時間のインダクタ電流ILは、実質的には、差電圧Vin−Voutのレベルに比例する。
【0072】
ところで、NMOSトランジスタ30がオンされている時間の電圧VCの傾き(Vin−Voutに比例)は、NMOSトランジスタ30がオンされている時間のリップル電圧の傾き((Vin−Vout)/Lに比例)と同様である。
【0073】
リップルコンバータ11aでは、リップル電圧等は基準電圧Vrefに加算されていないが、リップル電圧の変化((Vin−Vout)/L)と同様に変化する傾きの電圧(−Ir×R)が、NMOSトランジスタ30がオンの期間に基準電圧Vrefに加算されている。つまり、本実施形態では、NMOSトランジスタ30がオフするタイミングを検出するために、NMOSトランジスタ30がオンしている期間(例えば、時刻t33〜時刻t34)に、リップル電圧の傾きと同様の傾きで電圧VCを変化させている。
したがって、リップルコンバータ11aは、例えばリップル電圧が基準電圧Vrefに加算された一般的なリップルコンバータと同様に、安定に動作する。
【0074】
==電圧VCの変化のタイミングについて==
リップルコンバータ11aでは、時刻t31のタイミングで電圧VCを低下させることとした。リップルコンバータ11aの動作を安定させるためには、NMOSトランジスタ30がオンされている時間の電圧VCの傾き(Vin−Voutに比例)が、リップル電圧の傾き((Vin−Vout)/Lに比例)と同様であれば良い。
このため、例えば、図12に示すように、パルス信号生成回路102の代わりにパルス信号生成回路110を用いても良い。
【0075】
パルス信号生成回路110は、例えば図14に示すように、駆動信号Vdr1が“L”レベルの間、“H”レベルのパルス信号Vp4を出力する。このような場合、電圧VCは時刻t33から低下することになるが、NMOSトランジスタ30がオンされている時間の電圧VCの傾きは、リップル電圧の傾きと同様になる。したがって、このような場合であっても、リップルコンバータ11aは、安定に動作する。
【0076】
<<<第5の実施形態>>>
図15は、本発明の第5の実施形態であるオフ時間固定方式のリップルコンバータ11bの構成を示す図である。
【0077】
リップルコンバータ11bでは、リップルコンバータ11bを安定に動作させるため、差電圧Vin−Voutのレベルに応じた傾きで変化するスロープ電圧Vsが帰還電圧Vfbに加算されている。図15の構成と、例えば図12の構成を比較すると、制御IC21bに含まれるブロックのうち、電流生成回路61以外の構成は同じである。
【0078】
電流生成回路61からの電流Irは、レベルシフト回路51及び抵抗53が接続されるノードと、抵抗54及びコンパレータ55の反転入力端子が接続されたノードの夫々に供給される。
このため、電圧VCは、
VC=VA=Vref+Vbe1・・・(7)
となり、電圧VDは、
VD=VB+Ir×R=Vfb+Vbe2+Ir×R・・・(8)
となる。したがって、パルス信号Vp4が“H”レベルから“L”レベルとなると、電圧VDが、差電圧Vin−Voutのレベルに応じた傾きで変化する。
【0079】
==リップルコンバータ11bの動作==
図16を参照しつつ、リップルコンバータ11bの動作について説明する。なお、ここでは、基準電圧Vrefのレベル及び電圧Vbe1のレベルは一定であるため、電圧VCのレベルも一定となる。
【0080】
まず、時刻t40に電圧VDのレベルが上昇して電圧VCのレベルとなると、比較電圧Vcpは“L”レベルとなるため、“L”レベルのパルス信号Vp3が出力される。このため、駆動信号Vdr1も“L”レベルとなり、パルス信号Vp4は“H”レベルとなる。この結果、電流生成回路61が供給する電流Irはゼロとなり、電圧VDはVD=Vfb+Vbe2まで低下する。
【0081】
そして、時刻t40からデッドタイムだけ経過した時刻t41となると、NMOSトランジスタ31をオンすべく、駆動信号Vdr2が“H”レベルとなる。この結果、パルス信号Vp4は“L”レベルになるため、電流Irは差電圧Vin−Voutのレベルに比例した傾きで増加する。また、電圧VDも、電流Irの増加に伴い、差電圧Vin−Voutのレベルに比例した傾きで上昇する。
【0082】
時刻t40から所定時間T2だけ経過する直前の時刻t42となると、NMOSトランジスタ31をオフすべく、駆動信号Vdr2は“L”レベルとなる。そして、時刻t40から所定時間T2だけ経過した時刻t43となると、NMOSトランジスタ30をオンすべく、駆動信号Vdr1は“H”レベルとなる。
【0083】
その後、時刻t44において、電圧VDのレベルが上昇して電圧VCのレベルとなると、再び時刻t40の動作が繰り返される。
【0084】
本実施形態では、NMOSトランジスタ30がオンされている時間(例えば、時刻t43〜時刻t44)の電圧VDの傾き(Vin−Voutに比例)は、NMOSトランジスタ30がオンされている時間のリップル電圧の傾き((Vin−Vout)/Lに比例)と同様である。したがって、リップルコンバータ11bは、NMOSトランジスタ30がオンされている時間において、例えばリップル電圧が帰還電圧Vfbに加算された一般的なリップルコンバータと同様に、安定に動作をする。
【0085】
なお、リップルコンバータ11bの動作を安定させるためには、NMOSトランジスタ30がオンされている時間における電圧VDの傾きが、リップル電圧の傾きと同様であれば良い。このため、例えば、パルス信号生成回路102の代わりにパルス信号生成回路110を用い、電圧VDを時刻t43から上昇させても良い。
【0086】
<<<第6の実施形態>>>
図17は、本発明の第6の実施形態であるヒステリシス・ウインドウ方式のリップルコンバータ12の構成を示す図である。リップルコンバータ12は、帰還電圧Vfbが、基準電圧Vref1と基準電圧Vref2(>Vref1)との間で変化するように、NMOSトランジスタ30,31をスイッチングする。また、リップルコンバータ12では、リップルコンバータ12を安定に動作させるため、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化するスロープ電圧Vs1が基準電圧Vref1に加算されている。さらに、リップルコンバータ12では、入力電圧Vinと出力電圧Voutの差のレベルに応じた傾きで変化するスロープ電圧Vs2が基準電圧Vref2に加算されている。
【0087】
リップルコンバータ12の制御IC22は、基準電圧生成回路120,121、レベルシフト回路51,52,122、抵抗53,54,123、コンパレータ130,131、駆動回路132、パルス信号生成回路140,141、電流生成回路142,143、減算回路103及び端子A,B,FB,OUT1,OUT2を含んで構成される。なお、図17において、例えば図1と同じ符号が付されたブロックは同じである。このため、ここでは、基準電圧生成回路120等について説明する。
【0088】
基準電圧生成回路120は、所定の基準電圧Vref1(第1基準電圧)を生成し、基準電圧回路121は、基準電圧Vref1よりも高い所定の基準電圧Vref2(>Vref1)を生成する。
【0089】
レベルシフト回路122は、基準電圧Vref2(第2基準電圧)のレベルをシフトした電圧VEを、抵抗123の一端に出力する。なお、レベルシフト回路122は、例えばレベルシフト回路51と同様の構成であるため、電圧VEは、電圧VE=Vref2+Vbeとなる。なお、Vbeは、レベルシフト回路122の内部に含まれるPNPトランジスタ(不図示)のベース−エミッタ間電圧である。また、ここでは、抵抗123の他端の電圧を電圧VFとする。
【0090】
コンパレータ130は、電圧VC及び電圧VDを比較し、比較結果を示す比較電圧Vcp1を出力する。コンパレータ131は、電圧VD及び電圧VFを比較し、比較結果を示す比較電圧Vcp2を出力する。
【0091】
駆動回路132は、比較電圧Vcp1が“H”レベルとなると、NMOSトランジスタ31をオフした後にNMOSトランジスタ30をオンする。また、駆動回路132は、比較電圧Vcp2が“H”レベルとなると、NMOSトランジスタ30をオフした後にNMOSトランジスタ31をオンする。このように、駆動回路132は、NMOSトランジスタ30,31がともにオンしないよう、デッドタイムを設けてNMOSトランジスタ30,31を相補的にスイッチングする。
【0092】
パルス信号生成回路140は、スイッチング周期毎、例えば、NMOSトランジスタ30がオンされる直前のデッドタイムの期間毎に“H”レベルとなるパルス信号Vp5を生成する。
パルス信号生成回路141は、スイッチング周期毎、例えば、NMOSトランジスタ31がオンされる直前のデッドタイムの期間毎に“H”レベルとなるパルス信号Vp6を生成する。
電流生成回路142は、パルス信号Vp5が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、出力電圧Voutのレベルに応じた傾きで変化する電流Ir1を生成する。なお、電流生成回路142からの電流Ir1は抵抗53に供給される。
【0093】
このため、電圧VCは、
VC=VA+Ir×R=Vref1+Vbe1+Ir1×R・・・(9)
となる。なお、電流生成回路142及び抵抗53は第1電圧生成回路に相当し、電流生成回路142は、例えば電流生成回路61と同様である。
【0094】
電流生成回路143は、パルス信号Vp6が“H”レベルから“L”レベルに変化する毎に、差電圧Vin−Voutのレベルに応じた傾きで変化するソース電流(電流2Ir2)、及びシンク電流(電流Ir2)を生成する。ソース電流、及びシンク電流は、電圧VFが電圧VEより低くなるよう抵抗123に供給される。
抵抗123の抵抗値をRとすると、電圧VFは、
VF=VE−Ir×R=Vref2+Vbe−Ir2×R・・・(10)
となる。なお、電流生成回路143及び抵抗123は第2電圧生成回路に相当し、電流生成回路143は、例えば電流生成回路63と同様である。
【0095】
また、レベルシフト回路51及び抵抗53は、第1加算回路に相当し、レベルシフト回路122及び抵抗123は、第2加算回路に相当する。
【0096】
==リップルコンバータ12の動作==
ここで、図18を参照しつつ、リップルコンバータ12の動作について説明する。なお、ここでは、出力電圧Voutに含まれるリップル電圧は十分小さいため、帰還電圧Vfbのレベル、及び電圧VDのレベルはほぼ一定となる。
【0097】
まず、時刻t50に電圧VCのレベルが上昇して電圧VDのレベルとなると、比較電圧Vcp1は“H”レベルとなるため、NMOSトランジスタ31をオフすべく駆動信号Vdr2は“L”レベルとなる。また、駆動信号Vdr2が“L”レベルとなると、パルス信号Vp5は“H” レベルとなるため、電流Ir1はゼロとなり、電圧VCはVC=Vref1+Vbe1まで低下する。
【0098】
そして、時刻t50からデッドタイムだけ経過した時刻t51となると、NMOSトランジスタ30をオンすべく、駆動信号Vdr1は“H”レベルとなる。この結果、パルス信号Vp5は“L”レベルになるため、電流Ir1は出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで増加する。この結果、電圧VCも電流Ir1と同様に、出力電圧Voutのレベルに比例した傾きで上昇する。
【0099】
また、時刻t52に電圧VFのレベルが低下して電圧VDのレベルとなると、比較電圧Vcp2は“H”レベルとなるため、NMOSトランジスタ30をオフすべく駆動信号Vdr1は“L”レベルとなる。また、駆動信号Vdr1が“L”レベルとなると、パルス信号Vp6は“H” レベルとなるため、電流Ir2はゼロとなり、電圧VFはVF=Vref2+Vbeまで上昇する。
【0100】
そして、時刻t52からデッドタイムだけ経過した時刻t53となると、NMOSトランジスタ31をオンすべく、駆動信号Vdr2は“H”レベルとなる。この結果、パルス信号Vp6は“L”レベルになるため、電流Ir2は差電圧Vin−Voutのレベルに比例した傾きで増加する。この結果、電圧VFは、差電圧Vin−Voutのレベルに比例した傾きで低下する。
【0101】
その後、時刻t54において、電圧VCのレベルが上昇して電圧VDのレベルとなると、再び時刻t50の動作が繰り返され、時刻t55において、電圧VFのレベルが低下して電圧VDのレベルとなると、再び時刻t52の動作が繰り返される。
【0102】
ところで、NMOSトランジスタ31がオンされている時間(例えば、時刻t53〜時刻t54)の電圧VCの傾き(Voutに比例)は、NMOSトランジスタ31がオンされている時間のリップル電圧の傾き(Vout/Lに比例)と同様である。また、NMOSトランジスタ30がオンされている時間(例えば、時刻t51〜時刻t52)の電圧VFの傾き(Vin−Voutに比例)は、NMOSトランジスタ30がオンされている時間のリップル電圧の傾き((Vin−Vout)/Lに比例)と同様である。
【0103】
つまり、本実施形態では、リップル電圧は基準電圧Vref1,Vref2に加算されていないが、リップル電圧の変化と同様に変化する傾きのスロープ電圧Vsが基準電圧Vref1,Vref2の夫々に加算されている。したがって、リップルコンバータ12は、インダクタ電流IL等を検出する外付け部品等を用いることなく、安定に動作する。
【0104】
==電圧VC,VFの変化のタイミングについて==
リップルコンバータ12の動作を安定させるためには、NMOSトランジスタ30がオンされている時間の電圧VCの傾き、及びNMOSトランジスタ31がオンされている時間の電圧VFの傾きの夫々が、リップル電圧の傾きと同様であれば良い。
【0105】
このため、例えば、図19に示すように、パルス信号生成回路140に、駆動信号Vdr2が“L”レベルの間、“H”レベルのパルス信号Vp5を出力させ、パルス信号生成回路141に、駆動信号Vdr1が“L”レベルの間、“H”レベルのパルス信号Vp6を出力させることとしても良い。
【0106】
このような場合、NMOSトランジスタ31がオンされている時間(例えば、時刻t53〜時刻t54)の電圧VCの傾き(Voutに比例)は、NMOSトランジスタ31がオンされている時間のリップル電圧の傾き(Vout/Lに比例)と同様である。さらに、NMOSトランジスタ30がオンされている時間(例えば、時刻t51〜時刻t52)の電圧VFの傾き(Vin−Voutに比例)は、NMOSトランジスタ30がオンされている時間のリップル電圧の傾き((Vin−Vout)/Lに比例)と同様である。したがって、このような場合であっても、リップルコンバータ12は、安定に動作する。
【0107】
以上、本発明の一実施形態であるリップルコンバータ10〜12について説明した。
【0108】
図1に示す制御IC20aは、例えばインダクタ電流ILに基づくリップル電圧等を用いることなく、リップルコンバータ10aを安定に動作させている。このため、リップルコンバータ10aでは、インダクタ電流IL等を検出するために必要な外付け部品等を用いる必要がないため、部品点数を削減できる。また、一般に、外付け部品からのリップル電圧を用いてリップルコンバータを制御する場合、外付け部品はノイズの影響を受け易いため、リップルコンバータの動作が不安定になることがある。制御IC20aは、出力電圧Voutに基づいて、いわゆるスロープ電圧Vs(Ir×R)を生成しているため、ノイズの影響を受けにくい。
【0109】
また、例えば制御IC20aを用いることにより、リップルコンバータの制御方式をオン時間固定方式とすることができる。
【0110】
また、例えば図12に示す制御IC21aを用いることにより、リップルコンバータの制御方式を、オフ時間固定方式とすることができる。
【0111】
また、基準電圧Vref、帰還電圧Vfbの何れか一方の電圧のみにスロープ電圧Vsを加算してもよいが、スロープ電圧Vsの変化が大きくなると、電圧VC、または電圧VDがコンパレータ55のいわゆる同相入力電圧範囲を超えてしまうことがある。このような場合、例えば、図11に示したように、基準電圧Vrefにスロープ電圧Vs(Ir×R)を加算し、帰還電圧Vfbにスロープ電圧Vs(−Ir×R)を加算し、電圧VC,VDの両方を変化させても良い。電圧VC及び電圧VDを変化させることにより、電圧VC,VDは、コンパレータ55の同相入力電圧範囲を超えにくくなる。
【0112】
また、例えば図17に示す制御IC22を用いることにより、リップルコンバータの制御方式を、ヒステリシス・ウインドウ方式とすることができる。
【0113】
なお、上記実施例は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0114】
例えば、NMOSトランジスタ30,31を制御IC20aに集積化しても良い。このようなパワートランジスタを含むスイッチング電源回路であっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0115】
また、制御IC20a等は、NMOSトランジスタ30,31を含む同期整流方式の電源回路でなく、NMOSトランジスタ31の代わりにダイオードが設けられているダイオード整流方式の電源回路に用いることも可能である。
【0116】
また、オフ時間固定方式のリップルコンバータであっても、基準電圧Vref、帰還電圧Vfbの両方にスロープ電圧Vsを加算しても良い。
【0117】
また、NMOSトランジスタ31のソース電極はグランドGNDに接地されているが、例えば、グランドGNDの代わりに負電圧(−Vdd)が印加されていても良い。このような場合、NMOSトランジスタ31がオンされている際のスロープ電圧VsをVin−(−Vdd)の電圧レベルに応じて生成すると、より精度良くリップルコンバータを制御できる。
【符号の説明】
【0118】
10a〜10c,11a,11b,12 リップルコンバータ
15 負荷
20a〜20c,21a,21b,22 制御IC
30,31,M1 NMOSトランジスタ
32 インダクタ
33,94 コンデンサ
34〜36,53,54,90〜92,96,123 抵抗
50,120,121 基準電圧生成回路
51,52,122 レベルシフト回路
55,130,131 コンパレータ
56,60,62,100,102,110,140,141 パルス信号生成回路
57,101,132 駆動回路
61,63,142,143 電流生成回路
70〜72,95 定電流源
93 オペアンプ
103 減算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧から目的レベルの出力電圧を生成するために、入力電極に前記入力電圧が印加され、出力電極にインダクタを介して負荷が接続されるトランジスタをスイッチングするスイッチング制御回路であって、
前記トランジスタのスイッチング周期毎に、前記出力電圧に基づいて前記出力電圧に応じた傾きで変化するスロープ電圧を生成する電圧生成回路と、
前記目的レベルの出力電圧の基準となる基準電圧または前記出力電圧に応じた帰還電圧に、前記スロープ電圧を加算する加算回路と、
前記基準電圧及び前記帰還電圧のうち、前記スロープ電圧が加算された何れか一方の電圧のレベルが、他方の電圧のレベルとなると前記トランジスタをスイッチングする駆動回路と、
を備えることを特徴とするスイッチング制御回路。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチング制御回路であって、
前記駆動回路は、
前記何れか一方の電圧のレベルが前記他方の電圧のレベルとなると、前記トランジスタを所定時間オンした後にオフすること、
を特徴とするスイッチング制御回路。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチング制御回路であって、
前記電圧生成回路は、
前記スイッチング周期毎に、前記入力電圧及び前記出力電圧に基づいて前記入力電圧と前記出力電圧との差に応じた傾きで変化する電圧を前記スロープ電圧として生成し、
前記駆動回路は、
前記何れか一方の電圧のレベルが前記他方の電圧のレベルとなると、前記トランジスタを所定時間オフした後にオンすること、
を特徴とするスイッチング制御回路。
【請求項4】
入力電圧から目的レベルの出力電圧を生成するために、入力電極に前記入力電圧が印加され、出力電極にインダクタを介して負荷が接続されるトランジスタをスイッチングするスイッチング制御回路であって、
前記トランジスタのスイッチング周期毎に、前記出力電圧に基づいて前記出力電圧の上昇に応じて上昇する傾きの第1スロープ電圧を生成する第1電圧生成回路と、
前記スイッチング周期毎に、前記出力電圧に基づいて前記出力電圧の上昇に応じて下降する傾きの第2スロープ電圧を生成する第2電圧生成回路と、
前記目的レベルの出力電圧の基準となる基準電圧または前記出力電圧に応じた帰還電圧の何れか一方の電圧に、前記第1スロープ電圧を加算する第1加算回路と、
前記基準電圧または前記帰還電圧のうち他方の電圧に、前記第2スロープ電圧を加算する第2加算回路と、
前記何れか一方の電圧のレベルが、前記他方の電圧のレベルとなると前記トランジスタをスイッチングする駆動回路と、
を備えることを特徴とするスイッチング制御回路。
【請求項5】
入力電圧から目的レベルの出力電圧を生成するために、入力電極に前記入力電圧が印加され、出力電極にインダクタを介して負荷が接続されるトランジスタをスイッチングするスイッチング制御回路であって、
前記トランジスタのスイッチング周期毎に、前記出力電圧に基づいて前記出力電圧に応じた傾きで変化する第1スロープ電圧を生成する第1電圧生成回路と、
前記スイッチング周期毎に、前記入力電圧及び前記出力電圧に基づいて前記入力電圧と前記出力電圧との差に応じた傾きで変化する第2スロープ電圧を生成する第2電圧生成回路と、
前記目的レベルの出力電圧の基準となる第1基準電圧に、前記第1スロープ電圧を加算する第1加算回路と、
前記目的レベルの出力電圧の基準となり前記第1基準電圧より高い前記第2基準電圧に、前記第2スロープ電圧を加算する第2加算回路と、
前記第1基準電圧及び第1スロープ電圧が加算された電圧のレベルが、前記出力電圧に応じた帰還電圧のレベルとなると前記トランジスタをオンし、前記第2基準電圧及び前記第2スロープ電圧が加算された電圧のレベルが、前記帰還電圧のレベルとなると前記トランジスタをオフする駆動回路と、
を備えることを特徴とするスイッチング制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−130137(P2012−130137A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278425(P2010−278425)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(311003743)オンセミコンダクター・トレーディング・リミテッド (166)
【Fターム(参考)】