説明

スイッチング電源装置

【課題】トランス部の2次側出力を精度よく検出する。
【解決手段】スイッチング電源装置1は、トランス11、スイッチング回路13、平滑回路15及びノイズフィルタ回路16を有する電力変換部10と、平滑回路15で平滑化した2次側出力を検出し該2次側出力に基づきスイッチング回路13を制御する制御ユニット20と、平滑回路15で平滑化した2次側出力の一部を利用して制御ユニット20に電力を供給する補助電源30と、を備えている。スイッチング電源装置1では、検出ライン3及び供給ライン4が別系統とされていると共に、トランス11の2次側導電路において検出ライン3の接続部3cと供給ライン4の接続部4cとの間にノイズフィルタ回路16が設けられていることから、補助電源30からのノイズが検出ライン3を介して制御ユニット20へ混入する(回り込む)のを好適に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスイッチング電源装置としては、トランス部、トランス部の1次側に配置されたスイッチング回路部、及びトランス部の2次側に配置された平滑回路部を有する電力変換部と、スイッチング回路部を制御する制御部と、制御部に電力を供給する補助電源部と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなスイッチング電源装置では、制御部によってトランス部の2次側出力が検出されその2次側出力に基づきスイッチング回路部が制御されると共に、補助電源部によってトランス部の2次側出力の一部が利用されて制御部に電力が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−209072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したようなスイッチング電源装置では、例えばスイッチング電源装置の高精度化・高効率化のため、制御部によってトランス部の2次側出力を精度よく検出することが強く望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、トランス部の2次側出力を精度よく検出することができるスイッチング電源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るスイッチング電源装置は、トランス部、トランス部の1次側に配置されたスイッチング回路部、トランス部の2次側に配置された平滑回路部、及びトランス部の2次側に配置されたノイズフィルタ回路部を有する電力変換部と、平滑回路部で平滑化したトランス部の2次側出力を検出し、検出した2次側出力に基づいてスイッチング回路部を制御する制御部と、平滑回路部で平滑化した2次側出力の一部を利用して、制御部に電力を供給する補助電源部と、を備え、ノイズフィルタ回路部は、電力変換部の導電路において制御部が2次側出力を検出するための検出ラインの接続部と補助電源部へ2次側出力の一部を供給するための供給ラインの接続部との間に設けられていることを特徴とする。
【0007】
このスイッチング電源装置では、制御部が2次側出力の検出するための検出ラインと補助電源部へ2次側出力の一部を供給するための供給ラインとが別系統にされると共に、検出ラインの接続部と供給ラインの接続部との間の導電路にノイズフィルタ回路部が設けられることから、補助電源部からのノイズが検出ラインを介して制御部へ混入する(回り込む)のを好適に抑制することができる。その結果、トランス部の2次側出力を精度よく検出することが可能となる。
【0008】
また、導電路において供給ラインの接続部よりも出力側には、ノイズフィルタ回路部とは別のノイズフィルタ回路部がさらに設けられていることが好ましい。この場合、補助電源部からノイズが外部へ流出するのを別のノイズフィルタ回路部によって抑制することができる。
【0009】
また、並列接続された電力変換部としての第1及び第2電力変換部を備え、検出ラインは、第1又は第2電力変換部の一方における導電路において平滑回路部とノイズフィルタ回路部との間に接続され、供給ラインは、第1又は第2電力変換部の他方における導電路において平滑回路部とノイズフィルタ回路部との間に接続されていることが好ましい。この場合、検出ラインの接続部と供給ラインの接続部との間にノイズフィルタ回路部が2つ設けられることととなり、補助電源部からのノイズが検出ラインを介して制御部へ混入するのを一層抑制することができる。
【0010】
また、上記作用効果を好適に奏する構成として、具体的には、並列接続された電力変換部としての第1及び第2電力変換部を備え、検出ラインは、第1又は第2電力変換部の一方における導電路において平滑回路部とノイズフィルタ回路部との間に接続され、供給ラインは、第1又は第2電力変換部の他方における導電路においてノイズフィルタ回路部よりも出力側に接続されている構成が挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トランス部の2次側出力を精度よく検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態に係るスイッチング電源装置を示すブロック図である。
【図2】第2実施形態に係るスイッチング電源装置を示すブロック図である。
【図3】インダクタの一例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係るスイッチング電源装置を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態のスイッチング電源装置1は、例えばハイブリッドカーや電気自動車等に用いられる車載用の降圧型DC−DCコンバータであり、高圧バッテリ等から入力端子T1を介して入力された電力の直流電圧を降圧して出力端子T2から直流電圧を出力し、低圧バッテリ2に充電(給電)する。
【0015】
このスイッチング電源装置1は、電力を伝送し変換する電力変換部10と、電力変換部10を制御するための制御ユニット(制御部)20と、制御ユニット20に電力を供給するための補助電源(補助電源部)30と、を備えている。電力変換部10は、電圧を変換するトランス(トランス部)11を有している。ここでのトランス11としては、その1次側コイル巻線の巻数Npと2次側コイル巻線の巻数Nsとの巻線比Ns/Npが1未満であり、入力電圧を所定電圧に降圧する降圧型のトランスが用いられている。このトランス11の1次側(入力側)導電路(電力(電圧)変換部の導電経路、電力変換部の電源ライン)には、入力フィルタ12及びスイッチング回路(スイッチング回路部)13が、入力側から出力側に向けてこの順に設けられている。
【0016】
入力フィルタ12は、コンデンサ等を含み、入力端子T1からの入力電圧・入力電流におけるノイズを除去する。スイッチング回路13は、FET等のスイッチング素子を複数含んで構成されており、スイッチング素子のON/OFFを制御ユニット20のドライブ信号に応じて制御し、入力フィルタ12から出力された直流の出力電圧を交流の電圧へと変換する。スイッチング回路13としては、例えば、フルブリッジ型、ハーフブリッジ型、プッシュプル型又はフォワード型等のものが挙げられる。
【0017】
一方、トランス11の2次側(出力側)導電路には、整流回路14、平滑回路(平滑回路部)15及びノイズフィルタ回路16,17が、入力側から出力側に向けてこの順に設けられている。整流回路14は、ダイオード等の整流素子を含み、トランス11の2次側交流出力電圧(以下、単に「2次側出力」という)を整流する。整流回路14としては、半波整流型、センタタップ型やブリッジ型等の全波整流型等のものが挙げられる。平滑回路15は、チョークコイル15a及びコンデンサ15bを含み、整流回路14で整流された2次側出力を平滑化し、交流の2次側出力を直流電圧へと変換する。
【0018】
ノイズフィルタ回路(ノイズフィルタ回路部)16は、インダクタ16a及びコンデンサ16bを含み、平滑回路15で平滑化された2次側出力のノイズ(特に、スイッチングノイズや整流ノイズ等の高周波ノイズ)を除去する。ノイズフィルタ回路(別のノイズフィルタ回路部)17は、インダクタ17a及びコンデンサ17bを含み、ノイズフィルタ回路16でノイズ除去された2次側出力のノイズをさらに除去する。なお、インダクタ16a,17aは、高周波ノイズ対策用コイル等が用いられ、例えば図3に示すように、バスバBをUI型のコア(磁心)Cで挟んで構成される。
【0019】
制御ユニット20は、2次側出力の電圧値を検出(センス)する電圧検出部21と、電圧検出部21で検出した電圧値に基づきスイッチング回路13へドライブ信号を出力して該スイッチング回路13を制御するコントローラ22と、を有している。ここでの制御ユニット20は、例えば、低圧バッテリ2に充電される電圧が一定となるようにスイッチング回路13を制御する。制御ユニット20によるスイッチング回路13の制御としては、例えばPWM制御や位相シフト制御等が挙げられる。
【0020】
補助電源30は、2次側出力の一部を利用して制御ユニット20に電力を供給する制御ユニット20用の電源である。ここでの補助電源30は、スイッチング回路を有している、つまり、スイッチング電源で構成されている。
【0021】
ここで、電圧検出部21が2次側出力を検出するための検出ライン3は、平滑回路15とノイズフィルタ回路16との間の導電路に接続されている。具体的には、検出ライン3は、トランス11の2次側導電路において、平滑回路15のチョークコイル15aよりも出力側で、且つノイズフィルタ回路16のインダクタ16aよりも入力側から引き出されている。
【0022】
また、補助電源30へ2次側出力の一部を供給するための供給ライン4は、ノイズフィルタ回路16,17間の導電路に接続されている。具体的には、供給ライン4は、トランス11の2次側導電路において、ノイズフィルタ回路16のインダクタ16aよりも出力側で、且つノイズフィルタ回路17のインダクタ17aよりも入力側から引き出されている。
【0023】
すなわち、本実施形態では、「電圧検出部21による2次側出力の電圧検出」と「補助電源30への2次側出力の供給」とが、ともに平滑回路15のチョークコイル15aよりも出力側から独立して行われ、且つ、かかる検出位置と供給位置との間には、インダクタ16a及びコンデンサ16bからなるノイズフィルタ回路16が介在される。換言すると、チョークコイル15aの出力端部で電圧検出部21による電圧検出が行われると共に、この出力端部に対しノイズフィルタ回路16を挟んで出力側で補助電源30への電力供給が行われる。従って、本実施形態のノイズフィルタ回路16にあっては、トランス部の2次側導電路において検出ライン3の接続部3cと供給ライン4の接続部4cとの間に設けられることとなる。
【0024】
以上、本実施形態では、検出ライン3と供給ライン4とが別系統になっており、導電路においてライン3,4の接続部3c,4c間にノイズフィルタ回路16が設けられている(つまり、補助電源30から電圧検出部21へ回り込む際の経路上にノイズフィルタ回路16がある)。よって、補助電源30からのノイズが検出ライン3を介して電圧検出部21へ混入する(回り込む)のを好適に抑制することができる。その結果、トランス部の2次側出力を、電圧検出部21によって精度よく検出することが可能となる。
【0025】
また、本実施形態では、上述したように、トランス11の2次側導電路において供給ライン4の接続部4cよりも出力側に、ノイズフィルタ回路17がさらに設けられている。そのため、補助電源30からのノイズが出力端子T2から外部へ流出し、車載電子機器等に悪影響が及ぶのを抑制することができる。
【0026】
なお、本実施形態では、ノイズフィルタ回路16によって、2次側出力に対してのノイズの除去と、補助電源30から電圧検出部21へ回り込むノイズの除去とが同時になされるため、回路構成が複雑になるのを抑制できるともいえる。
【0027】
また、本実施形態では、上述したように、検出ライン3がノイズフィルタ回路16よりも前段の導電路に接続されており、ノイズフィルタ回路16よりも前段で電圧検出部21が2次側出力の電圧検出を行っている。そのため、検出ライン3がノイズフィルタ回路16よりも後段の導電路に接続される場合に比べ、電圧検出部21で検出した電圧値が不安定になる(なまる)のを抑制することができる。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明では、上記実施形態と異なる点について主に説明する。
【0029】
図2は、第2実施形態に係るスイッチング電源装置を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態のスイッチング電源装置50は、上記電力変換部10と同様な第1及び第2電力変換部10R,10Lを備えている。第1及び第2電力変換部10R,10Lは、互いに並列接続されている。ここでは、第1電力変換部10Rが、マスター電源側とされ、第2電力変換部10Lが、スレイブ電源側とされている。また、第1及び第2電力変換部10R,10Lは、互いに同様な回路構成とされ、電流バランスするよう構成され制御されている。
【0030】
入力フィルタ12は、入力端子T1からの入力におけるノイズを除去した後、当該入力を第1及び第2電力変換部10R,10Lの各スイッチング回路13,13へ分岐して出力する。第1電力変換部10Rのノイズフィルタ回路16Rは、インダクタ16Ra及びコンデンサ16bで構成されている。一方、第2電力変換部10Lのノイズフィルタ回路16Lは、インダクタ16La及びコンデンサ16bで構成されている。つまり、ノイズフィルタ回路16R,16Lでコンデンサ16bが共通に構成されている。ノイズフィルタ回路17は、ノイズフィルタ回路16R,16Lでノイズ除去されて合流された2次側出力におけるノイズをさらに除去する。
【0031】
ここで、電圧検出部21が2次側出力を検出するための検出ライン51は、第1電力変換部10Rにおける平滑回路15Rとノイズフィルタ回路16Rとの間の導電路に接続されている。具体的には、検出ライン51は、第1電力変換部10Rのトランス11Rの2次側導電路において、平滑回路15Rのチョークコイル15Raよりも出力側で、且つノイズフィルタ回路16Rのインダクタ16Raよりも入力側から引き出されている。
【0032】
また、補助電源30へ2次側出力の一部を供給するための供給ライン52は、第2電力変換部10Lにおける平滑回路15Lとノイズフィルタ回路16Lとの間の導電路に接続されている。具体的には、供給ライン52は、第2電力変換部10Lのトランス11Lの2次側導電路において、平滑回路15Lのチョークコイル15Laよりも出力側で、且つノイズフィルタ回路16Lのインダクタ16Laよりも入力側から引き出されている。
【0033】
すなわち、本実施形態では、「電圧検出部21による2次側出力の電圧検出」が第1電力変換部10Rのチョークコイル15Raの出力側から行われると共に「補助電源30への2次側出力の供給」が第2電力変換部10Lのチョークコイル15Laの出力側から行われ、且つ、かかる検出位置と供給位置との間には、ノイズフィルタ回路16R,16Lが介在されている。従って、本実施形態のノイズフィルタ回路16R,16Lは、トランス11R,11Lの2次側導電路において検出ライン51の接続部51cと供給ライン52の接続部52cとの間に設けられることとなる。
【0034】
以上、本実施形態においても、補助電源30からのノイズが検出ライン51を介して電圧検出部21へ混入するのを抑制しトランス部の2次側出力を精度よく検出できるという上記効果と同様な効果が奏される。
【0035】
また、本実施形態では、上述したように、導電路において接続部51c,52c間に2つのノイズフィルタ回路16R,16Lが設けられることになるため、補助電源30からのノイズが検出ライン51を介して電圧検出部21へ混入するのを一層抑制することができる。
【0036】
なお、本実施形態では、ノイズフィルタ回路16R,16Lによって、2次側出力に対してのノイズの除去と、補助電源30から電圧検出部21へ回り込むノイズの除去と、補助電源30から外部へ流出するノイズの除去と、が同時になされるため、回路構成が複雑になるのを一層抑制できるともいえる。
【0037】
さらに、本実施形態では、第1及び第2電力変換部10R,10L双方を同様の回路構成とし、一方の電力変換部からのみ電力供給を行うと共に、他方の電力変換部からのみ電圧検出を行っているため、回路が複雑にならず、コスト的にも有利である。
【0038】
ちなみに、本実施形態のように第1及び第2電力変換部10R,10Lが並列接続されるスイッチング電源装置50では、出力側のラインが長くなってノイズの悪影響が大きくなり易いため、ノイズの混入を抑制する上記作用効果は特に有効である。
【0039】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明に係るスイッチング電源装置は、実施形態に係る上記スイッチング電源装置1,50に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0040】
例えば、上記第1実施形態では検出ライン3の接続部3cと供給ライン4の接続部4cとの間に1つのノイズフィルタ回路16が設けられ、上記第2実施形態では検出ライン51の接続部51cと供給ライン52の接続部52cとの間に2つのノイズフィルタ回路16R,16Lが設けられているが、これらの間に3つ以上のノイズフィルタ回路が設けられていてもよい。なお、複数のノイズフィルタ回路の回路構成は、等しくなくてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、検出ライン3(51)の接続部3c(51c)と供給ライン4(52)の接続部4c(52c)との間の導電路にチョークコイルが別途さらに設けられていてもよい。また、供給ライン4(52)上にノイズフィルタ回路がさらに設けられていてもよい。
【0042】
また、上記第1実施形態の供給ライン4は、ノイズフィルタ回路16,17間の導電路に接続されているが、これに限定されるものではなく、ノイズフィルタ回路17よりも出力端子T2側の導電路に接続されていてもよい。同様に、上記第2実施形態の供給ライン52は、ノイズフィルタ回路16Rよりも出力端子T2側(ノイズフィルタ回路16Lよりも出力端子T2側)の導電路に接続されていてもよい。つまり、供給ライン52は、第1電力変換部10R(第2電力変換部10L)における導電路において、ノイズフィルタ回路部16R(ノイズフィルタ回路部16L)よりも出力側に接続されていればよい。
【0043】
また、上記第2実施形態においては、ノイズフィルタ回路16Rとは別の他のノイズフィルタ回路が、検出ライン51の接続部51cとノイズフィルタ回路16Rとの間の導電路にさらに設けられ、そして、検出ライン51とは別の検出ラインが、他のノイズフィルタ回路とノイズフィルタ回路16Rとの間の導電路にさらに接続されていてもよい。同様に、他のノイズフィルタ回路が供給ライン52の接続部52cとノイズフィルタ回路16Lとの間の導電路にさらに設けられ、そして、別の検出ラインが、他のノイズフィルタ回路とノイズフィルタ回路16Lとの間の導電路にさらに接続されていてもよい。並列接続された電力変換部10R,10Lの双方に検出ラインが設けられている場合、例えば、各電力変換部10R,10Lにて2次側出力をそれぞれ検出してスイッチング回路13,13をそれぞれ制御してもよい。
【0044】
なお、スイッチング電源装置1としては、上記降圧型DC−DCコンバータに限定されるものではなく、昇圧型DC−DCコンバータでもよく、また、多出力型のものでもよい。さらに、AC−DCコンバータ等のスイッチング電源等であってもよい。また、双方向性のスイッチング電源であってもよく、この場合、例えば順方向での電圧検出部21による2次側出力の電圧検出精度が向上される。また、ノイズフィルタ回路16,17は、インダクタ(コイル)のみのL型の回路構成でもよいし、LCL型の回路構成でもよいし、CLC型の回路構成でもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、トランス11の出力電圧を2次側出力として検出しているが、出力電流又は出力電力等を2次側出力として検出してもよい。また、上記第2実施形態では、コンデンサ16bがノイズフィルタ回路16R,16Lで共通になるよう設けられているが、これらノイズフィルタ回路16R,16Lのそれぞれにおいては、コンデンサが別々に設けられていてもよい。
【0046】
なお、図1,2では、導電路においてノイズフィルタ回路15の後段側(出力側)に接続部3c,51c,52cが接続された例が示されているが、接続部3c,51c,52cについては、導電路においてコンデンサ15bとインダクタ16aとの間に接続されていれば勿論よい。
【0047】
また、トランス11の巻線比は、上述したものに限定されず、種々の巻き線比としてもよい。また、スイッチング回路13、整流回路14及び平滑回路15についても、上述したものに限定されず、種々のものを用いることができ、例えば平滑回路15としては、コンデンサ15bのみの平滑回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,50…スイッチング電源装置、3,51…検出ライン、4,52…供給ライン、3c,51c…検出ラインの接続部、4c,52c…供給ラインの接続部、10…電力変換部、10L…第2電力変換部、10R…第1電力変換部、11,11L,11R…トランス(トランス部)、13…スイッチング回路(スイッチング回路部)、15,15L,15R…平滑回路(平滑回路部)、16,16L,16R…ノイズフィルタ回路(ノイズフィルタ回路部)、17…ノイズフィルタ回路(別のノイズフィルタ回路部)、20…制御ユニット(制御部)、30…補助電源(補助電源部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランス部、前記トランス部の1次側に配置されたスイッチング回路部、前記トランス部の2次側に配置された平滑回路部、及び前記トランス部の2次側に配置されたノイズフィルタ回路部を有する電力変換部と、
前記平滑回路部で平滑化した前記トランス部の2次側出力を検出し、検出した前記2次側出力に基づいて前記スイッチング回路部を制御する制御部と、
前記平滑回路部で平滑化した前記2次側出力の一部を利用して、前記制御部に電力を供給する補助電源部と、を備え、
前記ノイズフィルタ回路部は、前記電力変換部の導電路において前記制御部が前記2次側出力を検出するための検出ラインの接続部と前記補助電源部へ前記2次側出力の一部を供給するための供給ラインの接続部との間に設けられていることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記導電路において前記供給ラインの前記接続部よりも出力側には、前記ノイズフィルタ回路部とは別のノイズフィルタ回路部がさらに設けられていることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
並列接続された前記電力変換部としての第1及び第2電力変換部を備え、
前記検出ラインは、前記第1又は第2電力変換部の一方における前記導電路において前記平滑回路部と前記ノイズフィルタ回路部との間に接続され、
前記供給ラインは、前記第1又は第2電力変換部の他方における前記導電路において前記平滑回路部と前記ノイズフィルタ回路部との間に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
並列接続された前記電力変換部としての第1及び第2電力変換部を備え、
前記検出ラインは、前記第1又は第2電力変換部の一方における前記導電路において前記平滑回路部と前記ノイズフィルタ回路部との間に接続され、
前記供給ラインは、前記第1又は第2電力変換部の他方における前記導電路において前記ノイズフィルタ回路部よりも出力側に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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