説明

スイッチ構造

【課題】簡単な構成で多数の操作を行うことができるスイッチ構造を提供すること。
【解決手段】ベース板11に並設されて多方向に傾倒自在な操作軸22A,22Bを有する一対のジョグスイッチ13A,13Bと、これらジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22B間に架け渡されるとともに、ベース板11に対して回動するための軸体63を備えるノブ15とを備え、このノブ15の軸体63をベース板11に係脱自在に構成し、この軸体63をベース板11から離脱させ、ノブ15をベース板11に対してスライドさせて操作軸22A,22Bを同一の方向に傾倒させるスライド操作と、当該軸体63をベース板11に係合させ、ノブ15をベース板11に対して回動させて操作軸22A,22Bを異なる方向に傾倒させる回動操作とを実行可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置などの車両に搭載された電子機器の操作を行うスイッチ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車には、エアコンやオーディオ装置、ナビゲーション装置等の各種の電子機器が搭載されている。この種の電子機器にはそれぞれ個別の操作子が設けられているのが一般的である。
ところで、目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置は、近年、多機能化が進む傾向にある。このため、この種のものでは、表示部の地図上に各機能のアイコンを多数表示したり、操作パネル部に多数のスイッチを設けているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−122876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のものでは、ユーザが各機能を実行する毎に、アイコンやスイッチの位置を確認する必要があるため不便であった。さらに、操作パネルに多数のスイッチを設けることにより、部品点数が多くなり操作パネルのスイッチ構成が煩雑となるといった問題があった。
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で多数の操作を行うことができるスイッチ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、ベース板に並設されて多方向に傾倒自在な操作軸を有する一対のジョグスイッチと、これらジョグスイッチの前記操作軸間に架け渡されるとともに、当該操作軸を同一の方向に傾倒させる第1の操作と当該操作軸を異なる方向に傾倒させる第2の操作とを実行可能に構成されたノブと、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ノブを介して、操作軸を同一の方向に傾倒させる第1の操作と操作軸を異なる方向に傾倒させる第2の操作とを実行できるため、これら操作軸の傾倒方向の組み合わせにそれぞれ操作コマンドを割り当てることにより、1つのスイッチで多数の操作コマンドの出力を実現することができる。このため、簡単な構成で多数の操作を行うスイッチを実現することができる。
【0005】
この構成において、前記ノブは、前記ベース板に対して回動するための回動軸を備え、この回動軸は前記ベース板に係脱自在とされ、前記第1の操作は、前記回動軸を前記ベース板から離脱させて前記ノブを前記ベース板に対してスライドさせるスライド操作であり、前記第2の操作は、前記回動軸を前記ベース板に係合させて当該回動軸を中心に前記ノブを回動させる回動操作である構成としても良い。この構成によれば、回動軸を係脱することにより、簡単にノブのスライド操作と回動操作とを実行することができ、これらスライド操作と回動操作に対応する操作軸の傾倒方向の組み合わせにそれぞれ操作コマンドを割り当てることにより、1つのスイッチで多数の操作コマンドの出力を実現することができる。
【0006】
また、前記回動軸は前記一対のジョグスティック間の略中央に設けられた構成としても良い。この構成によれば、ジョグスイッチの操作軸は、回動軸を挟んだ直線上であって、当該回動軸から略等距離の位置に設けられているため、この回動軸を中心にノブを回動させた場合、操作軸には同じ大きさの力が作用するため、ジョグスイッチでの誤検出を防止できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ノブを介して、操作軸を同一の方向に傾倒させる第1の操作と操作軸を異なる方向に傾倒させる第2の操作とを実行できるため、これら操作軸の傾倒方向の組み合わせにそれぞれ操作コマンドを割り当てることにより、1つのスイッチで多数の操作コマンドの出力を実現することができる。このため、簡単な構成で多数の操作を行うスイッチを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかるスイッチのダッシュボードへの取付状態を示す斜視図である。スイッチ1は、自動車に搭載されたナビゲーション装置3に対して各種操作を行うものである。ナビゲーション装置3は、ダッシュボード5の運転席と助手席との間に配置され、ダッシュボード5から車室内に露出した表示部3Aと、ダッシュボード5内に収納された本体部(不図示)とを備える。
このナビゲーション装置3の下方には、ダッシュボード5から車体後方に延びる箱状のコンソール7が設けられ、このコンソール7の上面部7Aに上記スイッチ1が設けられている。このスイッチ1は、ナビゲーション装置3の表示部3Aと近接して設けられ、運転者が運転席に着座した状態で、当該表示部3Aを見ながら片手(本実施形態では左手)でナビゲーション装置3を操作できるようになっている。
【0009】
次に、スイッチの構成について説明する。
図2は、スイッチ1の上面図であり、図3は、スイッチ1の右側面図である。
スイッチ1は、図3に示すように、ベース板11と、このベース板11の下方に並設される一対のジョグスイッチ13A,13Bと、ベース板11の上方に配置されて当該ジョグスイッチ13A,13Bを同時に操作するためのノブ15とを備えて構成されている。
ベース板11は、ノブ15を支持するための支持部材であり、図2に示すように、4隅には当該ベース板11をコンソール7の上面部7Aに止めつけるためのねじ孔11Aがそれぞれ設けられている。
このノブ15は、図2に示すように、ベース板11に対して図2中に矢印で示した回動操作が自在であるとともに、図中2に矢印で示した8方向(前方、後方、左方、右方、右斜め前方、右斜め後方、左斜め前方及び左斜め後方)にスライド操作が自在となるように当該ベース板11に支持されている。このノブ15を支持する構造については後述する。
【0010】
ジョグスイッチ13A,13Bは、図3に示すように、スイッチ本体21A,21Bと、これらスイッチ本体21A,21Bの上面からそれぞれ上方に延びる操作軸22A,22Bとを備え、上記コンソール7内に設けられた保持部材(不図示)によって保持されている。本実施形態では、ジョグスイッチ13A,13Bは、操作軸22A,22Bが8方向(前方、後方、左方、右方、右斜め前方、右斜め後方、左斜め前方及び左斜め後方)に傾倒自在に構成されるとともに、スイッチ本体21A,21Bの内部には上記各方向に対応する接点(不図示)を備える。これにより、ジョグスイッチ13A,13Bは、操作軸22A,22Bがある方向に傾倒した際に、当該操作軸22A,22Bの動作により当該方向の接点が閉じるため、当該操作軸22A,22Bの操作方向を検出することができる。
ジョグスイッチ13A,13Bは、スイッチ本体21A,21Bの側面に出力端子23A,23Bを備え、これら出力端子23A,23Bは信号ケーブル(不図示)を介してナビゲーション装置3の本体部に形成された入力端子(不図示)に接続されている。
本構成では、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bには、上記したノブ15が架け渡されている。このため、ノブ15の操作に応じて、操作軸22A,22Bが所定の方向に傾倒されるため、各操作軸22A,22Bの傾倒方向を検出し、当該傾倒方向に対応する出力信号を組み合わることにより、スイッチ1は複数パターンの信号を出力することができる。
【0011】
次に、スイッチ1の内部構成について説明する。
図4は、図2及び図3のIV−IV断面図である。ベース板11は、図4に示すように、上板31と下板32とを重ね合わせた二層構造となっている。上板31の略中央部には円形の開口部31Aが形成されている。一方、下板32の略中央部には上記開口部31Aよりも大きく形成された円形の凹部32Aが形成されており、この凹部32Aと上板31との間には当該凹部32Aの高さに相当する隙間11Bが形成されている。
【0012】
ノブ15は、ベース板11が備える上記隙間11Bに介装されるスライド板41と、このスライド板41の上部に設けらえたノブ本体43と、このノブ本体43に固着されて上記スライド板41を貫通する一対の支柱45A,45Bと、これら支柱45A,45Bの下端部間を連結してベース板11の下板32の下方に延在する連結体47とを備える。
スライド板41は、支柱45A,45Bを介して、ノブ本体43と一体に上記した隙間11B内をスライド移動する板材であり、上板31の開口部31Aよりも大きく、下板32の凹部32Aよりも小さい大きさの円板状に形成されている。スライド板41は、このスライド板41の厚みが隙間11Bの高さよりも薄く形成されるとともに、スライド板41の上面及び下面の外周部にそれぞれ円環状の突条41Aを備える。このため、ベース板11とスライド板41との接触面積を低減し、スライド板41のスライド時の抵抗を低減することができる。スライド板41は、上記支柱45A,45Bが貫通する孔部41Bを備え、この孔部41Bの上部には当該支柱45A,45Bを摺動自在に案内するガイド孔部41Cが立設されている。
【0013】
ノブ本体43は、図2乃至図4に示すように、略円筒形状の胴体51と、この胴体51の上部を覆う蓋体53とを備える。この蓋体53は、手のひらで包みこめる程度の大きさ(本実施形態では直径約80mm)に形成されており、外周部の対向する位置には、それぞれノブ本体43を手のひらで包んで操作する際にグリップとして機能するグリップ部53A,53Aが形成されている。
胴体51の周面には、所定間隔毎に複数の孔部51A(図3)が形成され、この孔部51AにはLED素子(不図示)が配置されている。このLED素子は、ノブ本体43の操作に応じて発色を変更するように構成されており、ユーザに視覚で操作を認識させることが可能となっている。
【0014】
胴体51は、図4に示すように、その内部に支柱45A,45Bの上端部と固着される固着部55,55を備える。この固着部55,55は、支柱45A,45Bの上端部がそれぞれ挿入されて当該支柱45A,45Bの上端部と嵌合する一対の嵌合孔部である。この固着部55,55で支柱45A,45Bとノブ本体43とが固着されることにより、このノブ本体43は、スライド板41に対して上下に摺動可能となっている。本実施形態では、ノブ本体43は胴体51内に当該ノブ本体43を押下する操作により作動する押下スイッチ(不図示)が設けられている。
また、胴体51は、この胴体51内の略中央部に延在する円柱状の作動部57を備え、この作動部57の下方には、スライド板41上の略中央部にゴム製のばね体(付勢手段)59が設けられている。このばね体59は、ノブ本体43の作動部57の下面と当接するように配置されており、ノブ本体43を押下した場合には、作動部57によりばね体59が弾性変形して、当該ノブ本体43が下方に摺動する。一方、ノブ本体43から手を離すと、ばね体59の復元力によってノブ本体43は上方に摺動され、ばね体59が復元すると、当該ばね体59の付勢力によってノブ本体43はその位置で停止した状態を保持する。
【0015】
連結体47は、横長の板材であり、その両端には支柱45A,45Bの下端部と固着する嵌合孔部61,61が形成されている。これにより、連結体47はノブ本体43とともにスライド板41に対して上下に摺動可能とされる。
また、連結体47は、嵌合孔部61,61の略中央部に、上方に突出した半球形状の軸体(回動軸)63が形成されている。
一方、ベース板11の下板32の下面には、上記軸体63と係合自在な軸受32Bと、上記した支柱45A,45Bが貫通する貫通孔32C,32Cとが形成されている。これら貫通孔32C,32Cは支柱45A,45Bの径に比べて十分大きく形成されている。また、軸受32Bは、下方に開放したすり鉢形状をなしており、ばね体59の付勢力によって、ノブ本体43が上方に摺動すると、連結体47の軸体63が軸受32Bと係合する。これにより、ノブ15は、ベース板11に対して水平方向へのスライド操作が規制され、軸受32Bに嵌った軸体63を回動軸として、支柱45A,45Bが貫通孔32C,32C内を移動できる範囲を限度として、図2に矢印で示すような、回動操作を行うことが可能となる。
また、ノブ本体43を押下すると、このノブ本体43の作動部57によりばね体59が弾性変形し、当該ノブ本体43及び連結体47が下方に摺動するため、この連結体47の軸体63が軸受32Bから離脱する。これにより、ノブ15は、支柱45A,45Bが貫通孔32C,32C内を移動できる範囲を限度として、図2に矢印で示すような、スライド操作を行うことが可能となる。
【0016】
次に、ノブ15とジョグスイッチ13A,13Bとの連結構造について説明する。図5は、図2のV−V断面図である。この図5では、ベース板11の下板32と、ノブ本体43の胴体51の記載を省略している。
ジョグスイッチ13A,13Bは、図5に示すように、操作軸22A,22Bの上端部に、当該操作軸22A,22Bよりも拡径した頭部24A,24Bを備え、これら頭部24A,24Bには、円筒状の一対の筒体71,71が接続されている。この筒体71,71は、下板(不図示)及びスライド板41を貫通した後、ノブ本体43の胴体(不図示)に固着されている。これにより、ノブ本体43を操作した場合には、この操作に応じて、各筒体71,71が操作軸22A,22Bを所定の方向に傾倒するため、当該操作に相当する信号を出力することができる。
また、この筒体71は、操作軸22A,22Bの頭部24A,24Bと隙間を有して接続されている。本構成では、この隙間を設けることにより、自動車の運転中等に当該自動車の振動等を拾わず、スイッチ1の各機構に負荷がかからないといった効果を奏する。また、上記隙間はノブ本体43を操作した際に、操作軸22A,22Bが傾倒できる程度に設けるのが良い。
また、本実施形態では、筒体71,71の略中央に、上記連結体47の軸体63が嵌る軸受32Bが設けられている。すなわち、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bは、軸受32Bを挟んだ直線上であって、当該軸受32Bから略等距離の位置に設けられている。このため、ノブ本体43を、軸受32Bに嵌った軸体63を中心に回動した場合、操作軸22A,22Bには、同じ大きさの力が作用するため、ジョグスイッチ13A,13Bでの誤検出を防止することができる。
【0017】
次に、スイッチ1の動作について説明する。
ノブ本体43を押下すると、このノブ本体43の作動部57によりばね体59が弾性変形し、当該ノブ本体43及び連結体47が下方に摺動するため、この連結体47の軸体63が軸受32Bから離脱する。これにより、ノブ本体43をベース板11に対して水平方向にスライド操作することが可能となる。
このスライド操作を実行する場合、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bは、ノブ本体43のスライド操作によって同一の方向に傾倒する。具体的には、図2に示すように、ノブ本体43を図中上方にスライド操作すると、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bは、図6に示す上方への矢印X方向に傾倒する。
また、図2に示すように、ノブ本体43を図中左方にスライド操作すると、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bは、図6に示す左方への矢印Y方向に傾倒する。
【0018】
また、ノブ本体43の押下をやめると、ばね体59の付勢力によってノブ本体43が上方に摺動するため、連結体47の軸体63が軸受32Bと係合する。これにより、このノブ本体43は、軸受32Bに嵌った軸体63を回動軸としてベース板11に対して回動操作を行うことが可能となる。
この回動操作を実行する場合、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bは、ノブ本体43の回動操作によって異なる方向に傾倒する。具体的には、図2に示すように、ノブ本体43を右に回動操作すると、ジョグスイッチ13Aの操作軸22Aは、図6に示す右方への矢印Z方向に傾倒し、ジョグスイッチ13Bの操作軸22Bは、図中左方への矢印Y方向に傾倒する。また、図2に示すように、ノブ本体43を左に回動操作すると、ジョグスイッチ13Aの操作軸22Aは、図6に示す左方への矢印Y方向に傾倒し、ジョグスイッチ13Bの操作軸22Bは、図中右方への矢印Y方向に傾倒する。
【0019】
このように、本実施形態のスイッチ1は、一対のジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bを同一の方向に傾倒させるスライド操作と、当該操作軸22A,22Bを異なる方向に傾倒させる回動操作とを実行可能としているため、各操作軸22A,22Bの傾倒方向を検出し、当該傾倒方向に対応する出力信号を組み合わることにより、スイッチ1は各種操作に応じた複数パターンの信号を出力することができる。
そして、これら各種信号を受けるナビゲーション装置3では、当該各種信号に対するコマンドを指定しておくことにより、ナビゲーション装置3の操作パネルのスイッチ構成の簡素化を図ることが可能となる。
具体的には、図7に示すように、地図画面表示中にスライド操作がされた場合には、このスライド操作がされた方向へのスクロール表示を行い、地図画面表示中に回動操作がされた場合には、この回動操作がされた方向に地図を回転して表示する。また、メニュー画面表示中に回動操作がされた場合には、随時、選択項目を変更する操作としても良い。
特に、本構成では、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bは、8方向に傾倒自在に構成されているため、これら操作軸22A,22Bの傾倒方向の組み合わせは(8×8=)64通りあり、一方の操作軸が傾倒しない状態(8×2=16)を含めれば、理論上合計80通りの組み合わせを実現できる。このため、これらの組み合わせにそれぞれ操作コマンドを割り当てることにより、1つのスイッチで多数の操作コマンドの出力を実現することができる。
【0020】
本実施形態によれば、ベース板11に並設されて多方向に傾倒自在な操作軸22A,22Bを有する一対のジョグスイッチ13A,13Bと、これらジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22B間に架け渡されるとともに、ベース板11に対して回動するための軸体63を備えるノブ15とを備え、このノブ15の軸体63をベース板11の軸受32Bに係脱自在に構成し、この軸体63をベース板11の軸受32Bから離脱させ、ノブ15をベース板11に対してスライドさせて操作軸22A,22Bを同一の方向に傾倒させるスライド操作と、当該軸体63をベース板11の軸受32Bに係合させ、ノブ15をベース板11に対して回動させて操作軸22A,22Bを異なる方向に傾倒させる回動操作とを実行可能に構成したため、当該軸体63をベース板11の軸受32Bに係脱することにより、簡単にノブ15のスライド操作と回動操作とを実行することができる。このため、スライド操作と回動操作に対応する操作軸22A,22Bの傾倒方向の組み合わせにそれぞれ操作コマンドを割り当てることにより、1つのスイッチで多数の操作コマンドの出力を実現することができる。
【0021】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。本実施形態では、ノブ15は、ベース板11に対するスライド操作と回動操作を実行可能に構成したが、これに限るものではなく、ジョグスイッチ13A,13Bの操作軸22A,22Bを異なる方向に傾倒できるように構成できるのであれば、押下操作を採用することもできる。これによれば、スイッチの操作に基づく操作軸22A,22Bの傾倒方向の組み合わせパターンを増やすことができ、1つのスイッチでより多くの操作コマンドの出力を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態にかかるスイッチのダッシュボードへの取付状態を示す斜視図である。
【図2】スイッチの上面図である。
【図3】スイッチの右側面図である。
【図4】図2及び図3のIV−IV断面図である。
【図5】図2のV−V断面図である。
【図6】スイッチの模式図である。
【図7】スイッチの動作説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1 スイッチ
3 ナビゲーション装置
3A 表示部
5 ダッシュボード
7 コンソール
7A 上面部
11 ベース板
11B 隙間
13A、13B ジョグスイッチ
15 ノブ
22A、22B 操作軸
31 上板
31A 開口部
32 下板
32A 凹部
32B 軸受
41 スライド板
41A 突条
41C ガイド孔部
43 ノブ本体
45A 支柱
47 連結体
51 胴体
53 蓋体
55 固着部
57 作動部
59 ばね体(付勢手段)
63 軸体(回動軸)
63 軸部
71 筒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板に並設されて多方向に傾倒自在な操作軸を有する一対のジョグスイッチと、これらジョグスイッチの前記操作軸間に架け渡されるとともに、当該操作軸を同一の方向に傾倒させる第1の操作と当該操作軸を異なる方向に傾倒させる第2の操作とを実行可能に構成されたノブと、を備えたことを特徴とするスイッチ構造。
【請求項2】
前記ノブは、前記ベース板に対して回動するための回動軸を備え、この回動軸は前記ベース板に係脱自在とされ、前記第1の操作は、前記回動軸を前記ベース板から離脱させて前記ノブを前記ベース板に対してスライドさせるスライド操作であり、前記第2の操作は、前記回動軸を前記ベース板に係合させて当該回動軸を中心に前記ノブを回動させる回動操作であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ構造。
【請求項3】
前記回動軸は前記一対のジョグスティック間の略中央に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−21116(P2010−21116A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183052(P2008−183052)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】