説明

スイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置

【課題】電力量計の動作状態を不正に切り替えることによる電力の不正使用を防止すること。
【解決手段】スイッチ遮断指示を受信した場合に電源および負荷を電気的に遮断し、遮断時における電力量計の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を配電管理支援装置110に送信するとともに、スイッチ接続指示を受信した場合に当該スイッチ接続指示の受信時における電力量計の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計の識別情報を含む接続承認要求を配電管理支援装置110に送信し、送信した接続承認要求に応じて配電管理支援装置110から送信された接続承認情報を受信した場合に、電源および負荷を電気的に接続するスイッチ装置130を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力の供給や供給の停止の管理業務を支援するスイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気の受給契約を廃止する際には、電力の供給を受ける負荷を備えた施設に設けられた電力量計(メーター)が設置されている現地において、電気の供給を停止する電源処理をおこなっていた。また、従来、たとえば、電気の受給契約を廃止した施設が賃貸物件である場合、電気の受給契約を一旦廃止した後に電気の供給を再開する電源処理をおこなう場合があった。
【0003】
従来、たとえば、電気の受給契約を廃止する際や電気の供給を再開する際におこなう電源処理は、電力量計が設置されている現地においておこなっていた。電源処理に際しては、電気の受給契約を廃止する際に電力量計が示している指示数や電気の供給を再開する際に電力量計が示している指示数の確認をともなう。確認した各指示数は、電気の受給契約の廃止時における指示数と電気の供給の再開時における指示数とが一致するか否かの判断に供される。
【0004】
また、従来、たとえば、電気の受給契約の廃止に際して、上記の電源処置をおこなわず、負荷設備を備えた施設内に設けられたブレーカー(屋内ブレーカー)を電力受給者(顧客)が操作することによって契約廃止とする場合があった。このように、電力会社の作業員が現地においておこなう作業を簡素化することによって、電源処理の効率化を図ることができる。
【0005】
また、従来、たとえば、電圧・電流・漏電電流の計測および記録、遠隔操作による負荷開閉、計量パターンの設定および変更を可能とした技術があった(たとえば、下記非特許文献1を参照。)。
【0006】
また、従来、たとえば、送電停止停解装置に、電力量計を介して送られる電力の供給を停止させたり、電力の供給の停止を解除したりする開閉器および無線にて送信された停止停解指令に基づいて開閉器の開閉制御を行う無線通信装置を設け、開閉器を電力量計に取り付けたままで開閉器から分離できるように構成した無線通信装置を開閉器に接続するようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−92725号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】坪根 浩二、「自動検針用電力量計の高機能化に関する研究(多機能型電力量計の開発完了について)」、技法ニュース、中国電力株式会社、平成14年8月23日、No.64、p.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述したように顧客による屋内ブレーカーの操作によって契約廃止とする従来の技術は、契約廃止後から電力の供給を再開するまでの間に、屋内ブレーカーが不正に操作され、電力が無断で使用されることがあるという問題があった。このように、契約廃止中であるにもかかわらず電力が無断で使用された場合、家主や不動産会社に対して該当する施設における入居や使用の有無を確認したり、現地調査をおこなったりしなくてはならず、煩わしいという問題があった。また、この場合、家主や不動産会社に対する確認作業が難航し、対応に苦慮する場合があるという問題があった。
【0010】
また、電力会社においては当該電力会社の営業時間内に電源処理をおこなうような運用をおこなっていることが多く、このような運用をおこなっている電力会社においては、上述したように現地において電源処理をおこなう従来の技術では、顧客が要望する電源処理の日時が電力会社の営業時間外であると対応することが難しいという現状があった。このために、顧客の要望に対応することができず、顧客の満足度を低下させてしまうという問題があった。
【0011】
また、上述したように現地において電源処理をおこなう従来の技術では、顧客が要望する電源処理の日時が電力会社の営業時間外である場合は、顧客が、電力会社の営業時間内で電源処理をおこなう日時を再度検討しなくてはならないため、顧客に負担をかけてしまうという問題があった。これによっても顧客の満足度を低下させてしまうという問題があった。
【0012】
また、上述したように現地において電源処理をおこなう従来の技術では、顧客が要望する電源処理の日時が電力会社の営業時間外である場合は、顧客の了承が得られていることを条件として、顧客が当初要望した日時の翌日や前日などに振り替えて電源処理をおこなう場合があったが、この場合、電力会社の都合によって顧客が要望していない日時に電源処理をおこなうことになり、顧客の満足度を低下させてしまうという問題があった。
【0013】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電力量計の動作状態を不正に切り替えることによる電力の不正使用を防止することができるスイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるスイッチ装置は、電源と負荷との間に設けられて前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する電力量計に設けられるスイッチ装置であって、前記電源および前記負荷を電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を前記通信手段によって前記外部装置に送信する遮断完了通知手段と、前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記通信手段によって前記外部装置に送信する接続承認要求手段と、を備え、前記スイッチ制御手段が、前記接続承認要求手段によって送信した接続承認要求に応じて前記外部装置から送信された接続承認情報を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる電力量計は、電源と負荷との間に設けられる電力量計であって、前記電源に接続される第1の端子と前記負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量手段と、前記計量部を介して前記電源と前記負荷とを電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を前記通信手段によって前記外部装置に送信する遮断完了通知手段と、前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記通信手段によって前記外部装置に送信する接続承認要求手段と、を備え、前記スイッチ制御手段が、前記接続承認要求手段によって送信した接続承認要求に応じて前記外部装置から送信された接続承認情報を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる配電管理支援装置は、上記のスイッチ装置から当該スイッチ装置が設けられた電力量計の積算値および当該電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段によって遮断完了情報を受信した場合に、受信された遮断完了情報に含まれる前記積算値と前記識別情報とを関連付けして記憶する記憶手段と、前記電力量計の積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記スイッチ装置から受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段によって受信された接続承認情報に基づいて、当該接続承認情報に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と前記接続承認情報に含まれる積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となるスイッチ装置に対して接続承認情報を送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる配電管理支援装置は、上記の発明において、前記一致判断手段によって一致しないと判断された場合に、前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となるスイッチ装置が接続された電力量計に関する情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかる配電管理支援装置は、上記の電力量計から当該電力量計の積算値および当該電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を受信する第1の受信手段と、前記第1の受信手段によって遮断完了情報を受信した場合に、受信された遮断完了情報に含まれる前記積算値と前記識別情報とを関連付けして記憶する記憶手段と、前記電力量計の積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記スイッチ装置から受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段によって受信された接続承認情報に基づいて、当該接続承認情報に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と前記接続承認情報に含まれる積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に、前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となる電力量計に対して接続承認情報を送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかる配電管理支援装置は、上記の発明において、前記一致判断手段によって一致しないと判断された場合に、前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となる電力量計に関する情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかるスイッチ装置は、電源と負荷との間に設けられて前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する電力量計に設けられるスイッチ装置であって、前記電源および前記負荷を電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を記憶する記憶手段と、前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値と前記記憶手段によって記憶された積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかる電力量計は、電源と負荷との間に設けられる電力量計であって、前記電源に接続される第1の端子と前記負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量手段と、前記計量手段を介して前記電源と前記負荷とを電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を記憶する記憶手段と、前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値と前記記憶手段によって記憶された積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明にかかるスイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置によれば、電力量計の動作状態を不正に切り替えることによる電力の不正使用を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムのシステム構成を示す説明図である。
【図2】この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムにおけるスイッチ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムにおける配電管理支援装置のハードウエア構成を示す説明図である。
【図4】この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図5】この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムにおける配電管理支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムにおけるスイッチ装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システムのシステム構成を示す説明図である。
【図8】この発明にかかる実施の形態2の配電管理システムにおける電力量計のハードウエア構成を示す説明図である。
【図9】この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システムの機能的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるスイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
(配電管理支援システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムについて説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システムのシステム構成を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100は、配電管理支援装置110と電力量計120とを備えている。配電管理支援システム100において、電力量計120は複数設けられている。各電力量計120には、それぞれ、スイッチ装置130が設けられている。スイッチ装置130については、説明を後述する。
【0026】
配電管理支援装置110と電力量計120とは、たとえば、インターネットなどのネットワーク140を介してそれぞれ通信可能に設けられている。配電管理支援システム100において、配電管理支援装置110と電力量計120とは、たとえば、配電管理支援システム100を運用する電力会社などが所有する、専用のネットワークを介して接続されていてもよい。
【0027】
電力量計120は、本体部121と接続端子台122とを備えている。本体部121は、計量部123および表示部124を備えている。計量部123は、電力量計120に供給された電力量の積算値を計量する。表示部124は、計量部123が計量した電力量の積算値に関する情報を表示する。表示部124における表示内容は、電力量計120の外側から視認することができる。
【0028】
電力量計120における計量部123は、電力量計120に対して供給された電力に基づいて、電圧と電流との乗算をおこない、乗算結果を積分することによって電力量計120に供給された電力量の積算値を計量する。電力量計120における計量部123は、入力変換部と乗算処理部と分周回路部とを備えている(いずれも図示を省略する)。
【0029】
電力量計120の計量部123における入力変換部は、供給された電力の電圧レベルおよび電流レベルを、電源に接続される第1の端子(図示を省略する)および負荷に接続される第2の端子(図示を省略する)間に構成される電子回路の電圧レベルおよび電流レベルに応じた値の電圧および電流に変換する。負荷は、電力量計120を通過した電力が供給される電気機器の当該電力を消費する設備によって実現することができる。
【0030】
電力量計120の計量部123における乗算処理部は、上記の入力変換部によって変換された電圧レベルおよび電流レベルに基づいた乗算処理によって、供給された電力量に比例したパルス信号を生成する。電力量計120の計量部123における分周回路部は、乗算処理部が生成したパルス信号のクロック周波数を当該クロック周波数よりも低い所定のクロック周波数に変換する。このような計量部123は、分周回路部が所定のクロック周波数に変換したパルス信号に基づく積分処理をおこなって電力量の積算値を計量する。
【0031】
上記のような電子式の電力量計120の場合、当該電力量計120における計量部123は、乗算に際して、パルス幅変調をおこなう時分割乗算方式(アナログ乗算)や、ΔΣ・A/D変換乗算方式(デジタル乗算)などの乗算方式を用いて電力量の積算量を計量する。時分割乗算方式(アナログ乗算)およびΔΣ・A/D変換乗算方式(デジタル乗算)、電子式電力量計120における計量部123の構成については、公知の各種技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
【0032】
接続端子台122は、第1の端子と第2の端子とを備えている。第1の端子および第2の端子は、それぞれ複数(たとえば3つずつ)設けられ、それぞれが対(たとえば3対)をなしている。第1の端子は、それぞれ、電源に接続される。電源は、たとえば、電力量計120に対する電力の供給元によって実現することができる。第1の端子は、発電所ないし送電線に繋がる配電線に接続されている。第2の端子は、それぞれ、負荷に接続される。
【0033】
上記の計量部123は、第1の端子と第2の端子との間に設けられている。第1の端子と第2の端子とは、それぞれ、計量部123を介して電気的に接続されている。電源から第1の端子を介して電力量計120に供給された電気は、計量部123を通過し、第2の端子を介して負荷に供給される。
【0034】
計量部123は、電源側から第1の端子と計量部123と第2の端子とを経由して、すなわち電力量計120を介して、負荷側に供給された電力量を計量する。計量部123は、電力量計120に供給された電力における電圧値および電流値に基づいて電力量を計量することができる。
【0035】
電力量計120は、通信端子(図示を省略する)を備えている。通信端子は、一定の電力量に達するごとにパルス信号を送信するために設けられた端子であって、この通信端子を設けることにより電力量を遠隔地でも確認することが可能とされている。通信端子は、上記のネットワーク140を介して配電管理支援装置110に接続されている。これにより、電力量計120は、たとえば、専用の通信網を介して電力量に関する情報を、上記のネットワーク140を介して配電管理支援装置110に送信することができる。
【0036】
電力量計120において、通信端子のそれぞれには、図示を省略するネジなどを用いて、図示を省略する通信線が固定される。この通信線は、上記のネットワーク140に接続されており、これにより、電力量計120を介してスイッチ装置130から配電管理支援装置110に各種の情報を送信することができる。電力量計120における通信端子および当該通信端子を用いた通信方法については、公知の各種技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。
【0037】
この発明にかかる実施の形態1の電力量計120は、通信機能を備えているものであればよく、電子式の電力量計120に限るものではない。電力量計120は、たとえば、誘導型の電力量計であってもよい。誘導型の電力量計の場合、計量部123は、電子式電力量計120とは異なる計量方法によって電力量を計量する。誘導型の電力量計が備える計量部123における電力量の計量方法については、公知の技術であるため説明を省略する。
【0038】
(スイッチ装置130のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1のスイッチ装置130のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100におけるスイッチ装置130のハードウエア構成を示す説明図である。図2において、この発明にかかる実施の形態1のスイッチ装置130は、電力量計120における第1の端子と第2の端子との間に設けられ、電力量計120における計量部123を介して電源と負荷とを電気的に遮断可能に接続する。
【0039】
スイッチ装置130は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、スイッチ回路204と、通信インターフェース(以下「通信I/F」という)205と、を備えている。スイッチ装置130が備える各部201〜205は、バス206によってそれぞれ接続されている。
【0040】
CPU201は、スイッチ装置130全体の制御をつかさどる。ROM202は、CPU201が実行する各種のプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201が、ROM202に記憶された各種のプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する。CPU201は、RAM203をワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムを実行することにより、スイッチ装置130の全体の制御をつかさどる。
【0041】
スイッチ回路(開閉回路)204は、CPU201によって駆動制御されることによって、電源と負荷とを電気的に接続したり、電気的な接続を遮断したりする電気回路によって実現することができる。すなわち、スイッチ回路204は、電源と負荷とを電気的に遮断可能に接続する。スイッチ回路204の構成および動作については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。
【0042】
通信I/F205は、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して配電管理支援装置110に接続される。通信I/F205は、ネットワーク140とスイッチ装置130の内部とのインターフェースをつかさどり、スイッチ装置130と配電管理支援装置110との間におけるデータの入出力を制御する。
【0043】
スイッチ装置130は、たとえば、RAM203をCPU201のワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムをCPU201によって実行することにより、通信I/F205を介して電力量計120と通信をおこなって、電力量計120において計量された電力量に関する情報を取得したり、電力量計120において計量された電力量に関する情報を配電管理支援装置110に送信したりする。
【0044】
また、スイッチ装置130は、たとえば、通信I/F205を介して電力量計120と通信をおこなうことによって、配電管理支援装置110から送信された各種指示に関する情報を電力量計120を介して受信し、スイッチ回路204を開放したり、スイッチ回路204を閉じたりする。
【0045】
(配電管理支援装置110のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110のハードウエア構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100における配電管理支援装置110のハードウエア構成を示す説明図である。
【0046】
図3において、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD304と、HD305と、通信I/F306と、を備えている。配電管理支援装置110が備える各部301〜306は、バス307によってそれぞれ接続されている。配電管理支援装置110は、たとえば、パーソナルコンピュータなどの汎用的なコンピュータ装置によって実現することができる。
【0047】
CPU301は、配電管理支援装置110全体の制御をつかさどる。ROM302は、CPU301が実行する各種のプログラムを記憶している。RAM303は、CPU301が、ROM302に記憶された各種のプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する。CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することにより、配電管理支援装置110の全体の制御をつかさどる。
【0048】
HDD304は、CPU301の制御にしたがってHD305に対するデータのリード/ライトを制御する。HD305は、HDD304の制御で書き込まれたデータを記憶する。HDD304には、たとえば、電力量計120の積算値と、電力量計120の識別情報と、を関連付けして記憶するデータベース(図4を参照)が設けられている。
【0049】
電力量計120の識別情報は、電力量計120ごとに固有の情報であって、たとえば各電力量計120の製造番号によって実現することができる。また、電力量計120の識別情報は、たとえば、電力会社など配電管理支援システム100の運用者が任意に設定した情報によって実現するようにしてもよい。
【0050】
データベースにおいては、各電力量計120の状態を示す情報が、記憶されている。各電力量計120の状態を示す情報は、電力量計120の識別情報に関連付けして記憶されている。電力量計120の状態は、「契約廃止/ロック中」、「使用中/ロック解除中」、「状態確認中」など複数の状態の中のいずれかが設定される。
【0051】
また、データベースにおいては、電力量計120の識別情報と契約番号とが関連付けして記憶されている。データベースにおいて、電力量計120の識別情報と契約番号とは、たとえば、顧客と電力会社との契約開始時に、電力会社の社員などによってあらかじめ関連付けして記憶することができる。あるいは、契約番号によって、電力量計120の識別情報を実現するようにしてもよい。
【0052】
配電管理支援装置110においては、HD305に代えてあるいはHD305に加えて、FD(フレキシブルディスク)、CD−ROM(CD−RW)、MO、DVD(Digital Versatile Disc)などの各種の着脱可能な記録媒体を用いてもよい。この場合、配電管理支援装置110を実現するコンピュータ装置は、各種の記録媒体に対するデータのリード/ライトを制御するドライブを備える。
【0053】
通信I/F306は、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して各電力量計120に接続される。通信I/F306は、ネットワーク140と配電管理支援装置110の内部とのインターフェースをつかさどり、スイッチ装置130と配電管理支援装置110との間におけるデータの入出力を制御する。
【0054】
配電管理支援装置110は、キーボードやマウスなどの入力装置、ディスプレイなどを備えていてもよい。この場合、入力装置は、配電管理支援装置110の操作者による入力操作を受け付け、受け付けた操作内容に応じた信号をCPU301に出力する。ディスプレイは、CPU301によって駆動制御されて、所定の情報を表示する。
【0055】
また、この場合、ディスプレイは、たとえば、データベースに記憶されている電力量計120の積算値に関する情報や、各積算値に該当する電力量計120の識別情報、当該電力量計120が設置された施設の管理者(電気を利用する顧客)に関する情報(たとえば、氏名、住所、電話番号)などの情報を表示する。キーボードやマウスなどの入力装置およびディスプレイについては、公知の技術であるため図示および説明を省略する。
【0056】
(配電管理支援システム100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100の機能的構成について説明する。図4は、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100の機能的構成を示すブロック図である。図4において、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100は、配電管理支援装置110と、スイッチ装置130と、によって構成されている。
【0057】
(配電管理支援装置110の機能的構成)
配電管理支援装置110は、指示送信部410と、第1の受信部411と、記憶部412と、データベース413と、第2の受信部414と、一致判断部415と、送信部416と、を備えて構成されている。配電管理支援装置110が備える、指示送信部410、第1の受信部411、記憶部412、データベース413、第2の受信部414、一致判断部415および送信部416は、配電管理支援装置110が備える各部301〜306によって実現することができる。
【0058】
指示送信部410は、状態に変化があった電力量計120に設けられたスイッチ装置130に対して、該当する指示情報を送信する。指示送信部410は、たとえば、契約廃止とされた設備に設置された電力量計120に設けられたスイッチ装置130に対して、スイッチ遮断指示を送信する。スイッチ遮断指示は、スイッチ装置130を介した電源から負荷への電力の供給を遮断させる指示情報によって実現することができる。
【0059】
また、指示送信部410は、たとえば、契約を再開する設備に設置された電力量計120に設けられたスイッチ装置130に対して、スイッチ接続指示を送信する。スイッチ接続指示は、スイッチ装置130を介した電源から負荷への電力の供給を再開させる指示情報によって実現することができる。
【0060】
スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示などの指示情報は、たとえば、配電管理支援装置110が備える入力装置を介して、オペレータが配電管理支援装置110に対して所定の入力操作をおこなった場合に、該当する電力量計120に設けられたスイッチ装置130に対して出力される。
【0061】
また、スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示などの指示情報は、たとえば、顧客が顧客自身のパーソナルコンピュータ装置や携帯型電話機など、配電管理支援装置110に接続された端末装置に対して所定の入力操作をおこなった結果、インターネットなどのネットワーク140を介して配電管理支援装置110に対して所定の情報が入力された場合に、該当する電力量計120に設けられたスイッチ装置130に対して出力される。
【0062】
第1の受信部411は、スイッチ装置130から、電力量計120の積算値および当該電力量計120の識別情報を含む遮断完了情報を受信する。電力量計120の積算値は、各電力量計120において、それぞれ計測されている。第1の受信部411は、スイッチ装置130の制御によって、電力量計120の通信端子を介して出力された遮断完了情報を受信する。
【0063】
記憶部412は、第1の受信部411によって遮断完了情報を受信した場合に、受信された遮断完了情報から当該遮断完了情報に含まれる積算値と識別情報とを抽出し、抽出された積算値と識別情報とを関連付けしてデータベース413に記憶する。記憶部412は、遮断完了情報から抽出された積算値および識別情報に加えて、当該遮断完了情報を受信した日時に関する情報を関連付けしてデータベース413に記憶してもよい。
【0064】
第2の受信部414は、電力量計120の積算値および電力量計120の識別情報を含む接続承認要求を、スイッチ装置130から受信する。接続承認要求は、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ接続指示を受信したスイッチ装置130から送信される。
【0065】
接続承認要求は、スイッチ装置130が設けられた電力量計120における積算値および電力量計120の識別情報を含んでいる。電力量計120の積算値は、スイッチ接続指示を受信したスイッチ装置130が電力量計120と通信をおこなうことによって、当該電力量計120から取得することができる。
【0066】
一致判断部415は、第2の受信部414によって受信された接続承認要求に基づいて、当該接続承認要求に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と接続承認要求に含まれる積算値とが一致するか否かを判断する。一致判断部415は、第2の受信部414によって接続承認要求が受信された場合、受信された接続承認要求に含まれる識別情報を抽出する。つぎに、データベース413を参照して、抽出された識別情報に一致する識別情報の有無を判断する。データベース413において、抽出された識別情報に一致する識別情報が存在する場合は、当該データベース413において一致すると判断された識別情報に関連付けして記憶された積算値を取得する。そして、データベース413から取得された積算値と、接続承認要求に含まれる積算値と、が一致するか否かを判断する。
【0067】
送信部416は、一致判断部415によって一致すると判断された場合に、第2の受信部414によって受信された接続承認要求の送信元となるスイッチ装置130に対して接続承認情報を送信する。接続承認情報は、接続承認要求の送信元となるスイッチ装置130が設けられた電力量計120の識別情報と、当該識別情報によって識別される電力量計120を介した、電源から負荷への通電を指示する情報と、を含んでいる。
【0068】
(スイッチ装置130の機能的構成)
スイッチ装置130は、通信部420と、スイッチ部421と、スイッチ制御部422と、接続承認要求部423と、遮断通知部424と、積算値取得部425と、を備えて構成されている。スイッチ装置130が備える、通信部420、スイッチ部421、スイッチ制御部422、接続承認要求部423、遮断通知部424および積算値取得部425は、スイッチ装置130が備える各部201〜205によって実現することができる。
【0069】
通信部420は、インターネットなどのネットワーク140に接続され、配電管理支援装置110との間における通信をおこなう。スイッチ部421は、電力量計120を介して、電源および負荷を電気的に遮断可能に接続する。スイッチ制御部422は、通信部420によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、スイッチ部421を制御して電源および負荷を電気的に遮断する。
【0070】
遮断通知部424は、スイッチ制御部422による遮断時における電力量計120の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計120の識別情報を含む遮断完了情報を生成し、生成された遮断完了情報を通信部420によって配電管理支援装置110に送信する。スイッチ制御部422による遮断時における電力量計120の積算値は、スイッチ装置130と電力量計120との間で通信をおこなうことによって取得することができる。
【0071】
接続承認要求部423は、通信部420によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における電力量計120の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計120の識別情報を含む接続承認要求を通信部420によって配電管理支援装置110に送信する。配電管理支援装置110は、スイッチ装置130から送信された接続承認要求を受信すると、上記の一致判断処理をおこなって一致した場合に、接続承認要求の送信元となるスイッチ装置130に対して接続承認情報を送信する。
【0072】
上記のスイッチ制御部422は、接続承認要求部423によって送信した接続承認要求に応じて配電管理支援装置110から送信された接続承認情報を受信した場合に、スイッチ部421を制御して電源および負荷を電気的に接続する。このように、この実施の形態1においては、スイッチ制御部422の制御によってスイッチ部421を制御して電源および負荷を電気的に接続するごとに、当該接続に先立って電力量計120の積算値に関する情報を配電管理支援装置110に対して送信する。
【0073】
(配電管理支援システム100における処理手順)
(配電管理支援装置110の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100における処理手順について説明する。図5は、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100における配電管理支援装置110の処理手順を示すフローチャートである。
【0074】
図5に示すフローチャートにおいて、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100における配電管理支援装置110は、まず、遮断指示があったか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501においては、たとえば、配電管理支援装置110の操作者による所定の入力操作があったか否かを判断することにより、遮断指示があったか否かを判断することができる。この場合、所定の入力操作は、電力量計120の識別情報の入力をともなう。
【0075】
また、ステップS501においては、たとえば、通信I/F306を介して、顧客のパーソナルコンピュータなどの外部装置から所定の指示情報を入力したか否かを判断することにより、遮断指示があったか否かを判断するようにしてもよい。この場合、配電管理支援システム100の運用上、顧客は、所定のホームページ上から、異動(契約解約)の申し込みが可能とされている。所定のホームページ上からの異動の申し込みに際しては、電力量計120の識別情報の入力をともなう。所定のホームページ上からの異動の申し込み方法および当該申し込みを実現する技術については、公知の技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
【0076】
ステップS501において、遮断指示があった場合(ステップS501:Yes)は、該当する電力量計120に設けられたスイッチ装置130に対してスイッチ遮断指示を送信する(ステップS502)。該当する電力量計120は、ステップS501:Yesにおいて遮断指示があったと判断する際に用いられた情報とともに入力された電力量計120の識別情報に基づいて特定することができる。
【0077】
そして、ステップS502において送信されたスイッチ遮断指示に対応する遮断完了情報を受信するまで待って(ステップS503:No)、当該遮断完了情報を受信した場合(ステップS503:Yes)は、受信した遮断完了情報に含まれる電力量計120の積算値および当該電力量計120の識別情報に関する情報を関連付けしてデータベース413に記憶して(ステップS504)、一連の処理を終了する。
【0078】
一方、ステップS501において、遮断指示がない場合(ステップS501:No)は、再開指示があったか否かを判断する(ステップS505)。ステップS505においては、たとえば、配電管理支援装置110の操作者による所定の入力操作があったか否かを判断することにより、再開指示があったか否かを判断することができる。この場合、所定の入力操作は、電力量計120の識別情報の入力をともなう。
【0079】
また、ステップS505においては、たとえば、通信I/F306を介して、顧客のパーソナルコンピュータなどの外部装置から所定の指示情報を入力したか否かを判断することにより、再開指示があったか否かを判断するようにしてもよい。この場合、配電管理支援システム100の運用上、顧客は、所定のホームページ上から、電力量計120の識別情報の入力をともなう異動(再使用)の申し込みが可能とされている。
【0080】
ステップS505において、再開指示がない場合(ステップS505:No)は、ステップS501へ戻る。ステップS505において、再開指示があった場合(ステップS505:Yes)は、該当する電力量計120に設けられたスイッチ装置130に対してスイッチ接続指示を送信する(ステップS506)。該当する電力量計120は、ステップS505:Yesにおいて再開指示があったと判断する際に用いられた情報とともに入力された電力量計120の識別情報に基づいて特定することができる。
【0081】
そして、ステップS506において送信されたスイッチ接続指示に対応する接続承認要求を受信するまで待って(ステップS507:No)、当該接続承認要求を受信した場合(ステップS507:Yes)は、受信した接続承認要求に含まれる電力量計120の積算値および当該電力量計120の識別情報を抽出する(ステップS508)。
【0082】
つぎに、データベース413を参照して、ステップS508において抽出された電力量計120の識別情報に一致する識別情報があるか否かを判断する(ステップS509)。一致する識別情報がない場合(ステップS509:No)は、一連の処理を終了する。一致する識別情報がない場合は、たとえば、一致する識別情報がないことを示す情報を報知するなどの所定のエラー処理をおこなってもよい。
【0083】
ステップS509において、一致する識別情報がある場合(ステップS509:Yes)は、データベース413において当該一致する識別情報に関連付けして記憶されている電力量計120の積算値に、ステップS507:Yesにおいて受信された接続承認要求に含まれる電力量計120の積算値が一致するか否かを判断する(ステップS510)。
【0084】
ステップS510において、データベース413において当該一致する識別情報に関連付けして記憶されている電力量計120の積算値に、ステップS507:Yesにおいて受信された接続承認要求に含まれる電力量計120の積算値が一致すると判断した場合(ステップS510:Yes)は、ステップS507:Yesにおいて受信された接続承認要求の送信元となるスイッチ装置130に対して、接続承認情報を送信する(ステップS511)。
【0085】
その後、ステップS511において送信された接続承認情報に対応する接続完了情報を受信したか否かを判断する(ステップS512)。接続完了情報は、ステップS511において送信された接続承認情報を受信したスイッチ装置130において、電源と負荷との電気的な接続が完了したことを示す情報であって、電源と負荷との電気的な接続が完了した場合に当該スイッチ装置130から配電管理支援装置110に対して送信される。
【0086】
ステップS512において、ステップS511において送信された接続承認情報に対応する接続完了情報を受信した場合(ステップS512:Yes)は、ステップS504へ移行し、データベース413における電力量計120の状態を「使用中/ロック解除中」に更新する。
【0087】
ステップS511において送信された接続承認情報に対応する接続完了情報を受信していない場合(ステップS512:No)は、ステップS511において接続承認情報を送信してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS513)。ステップS513においては、たとえば、配電管理支援装置110の管理者などが任意に設定した所定時間が経過したか否かを判断する。
【0088】
ステップS513において、ステップS511において接続承認情報を送信してから所定時間が経過していない場合(ステップS513:No)は、ステップS512へ戻り、当該所定時間が経過するまでの間、ステップS511において送信された接続承認情報に対応する接続完了情報を受信したか否かを判断する。一方、ステップS513において、ステップS511において接続承認情報を送信してから所定時間が経過した場合(ステップS513:Yes)は、一連の処理を終了する。
【0089】
また、ステップS510において、データベース413において当該一致する識別情報に関連付けして記憶されている電力量計120の積算値に、ステップS507:Yesにおいて受信された接続承認要求に含まれる電力量計120の積算値が一致しない場合(ステップS510:No)は、電力量計120の積算値が一致しない電力量計120に関するリスト情報を記憶して(ステップS514)、一連の処置を終了する。
【0090】
ステップS514においては、たとえば、電力量計120の積算値が一致しない電力量計120の識別情報、当該電力量計120を介して電力の供給を受ける顧客(契約者)や当該電力量計120の設置位置に関する情報などを、HD305の所定の領域に記憶する。HD305の所定の領域に記憶されたリスト情報は、たとえば、配電管理支援装置110に対する所定の入力操作がおこなわれた場合に読み出され、当該配電管理支援装置110に接続されたディスプレイやプリンタを介して可視化された状態で出力される。あるいは、配電管理支援装置110に接続された他のコンピュータ装置に対して所定の入力操作がおこなわれ、当該コンピュータ装置からリスト情報の出力要求を受信した場合に、当該コンピュータ装置に対して出力されるものであってもよい。
【0091】
(スイッチ装置130の処理手順)
図6は、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100におけるスイッチ装置130の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートにおいて、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100におけるスイッチ装置130は、まず、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ遮断指示を受信したか否かを判断する(ステップS601)。
【0092】
ステップS601において、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ遮断指示を受信した場合(ステップS601:Yes)は、スイッチ回路204を駆動制御して、電源と負荷との電気的な接続を遮断し(ステップS602)、ステップS602における遮断時における電力量計120の積算値を取得する(ステップS603)。
【0093】
そして、ステップS603において取得された電力量計120の積算値および当該電力量計120の識別情報に基づいて、当該積算値および当該識別情報を含む遮断完了情報を生成する(ステップS604)。その後、配電管理支援装置110に対して、ステップS604において生成された遮断完了情報を送信して(ステップS605)、一連の処理を終了する。
【0094】
一方、ステップS601において、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ遮断指示を受信していない場合(ステップS601:No)は、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ接続指示を受信したか否かを判断する(ステップS606)。ステップS606において、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ接続指示を受信していない場合(ステップS606:No)は、ステップS601へ戻る。
【0095】
ステップS606において、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ接続指示を受信した場合(ステップS606:Yes)は、電力量計120の積算値を取得する(ステップS607)。そして、ステップS607において取得された電力量計120の積算値および当該電力量計120の識別情報に基づいて、当該積算値および当該識別情報を含む接続承認要求を生成する(ステップS608)。その後、配電管理支援装置110に対して、ステップS608において生成された接続承認要求を送信する(ステップS609)。
【0096】
つぎに、ステップS609において送信した接続承認要求に対応する接続承認情報を受信したか否かを判断する(ステップS610)。ステップS609において送信した接続承認要求に対応する接続承認情報を受信した場合(ステップS610:Yes)は、スイッチ回路204を駆動制御して、電源と負荷とを電気的に接続する(ステップS611)。そして、接続完了情報を生成して(ステップS612)、配電管理支援装置110に対してステップS612において生成された接続完了情報を送信して(ステップS613)、一連の処理を終了する。
【0097】
ステップS610において、ステップS609において送信した接続承認要求に対応する接続承認情報を受信していない場合(ステップS610:No)は、ステップS609において接続承認要求を送信してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS614)。ステップS614において、ステップS609において接続承認要求を送信してから所定時間が経過していない場合(ステップS614:No)は、ステップS610へ戻る。
【0098】
一方、ステップS614において、ステップS609において接続承認要求を送信してから所定時間が経過した場合(ステップS614:Yes)は、接続再開が承認されなかったと判断して、接続再開が承認されないエラーを報知して(ステップS615)、一連の処理を終了する。ステップS615においては、たとえば、ブザーをならしたり、電力量計120の本体部121が備える表示部124にエラーメッセージを表示したりすることによってエラーを報知する。
【0099】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態1のスイッチ装置130は、スイッチ遮断指示を受信した場合に電源および負荷を電気的に遮断し、遮断時における電力量計120の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計120の識別情報を含む遮断完了情報を配電管理支援装置110に送信する。また、この発明にかかる実施の形態1のスイッチ装置130は、スイッチ接続指示を受信した場合に当該スイッチ接続指示の受信時における電力量計120の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計120の識別情報を含む接続承認要求を配電管理支援装置110に送信する。そして、スイッチ装置130から送信した接続承認要求に応じて配電管理支援装置110から送信された接続承認情報を受信した場合に、電源および負荷を電気的に接続するようにしたことを特徴としている。
【0100】
この発明にかかる実施の形態1のスイッチ装置130によれば、電力量計120を介しておこなわれる、電源から負荷に対する電力の供給および供給の停止が、当該電力量計120の遠隔地に設置された配電管理支援装置110からの指示に基づいておこなわれる。そして、電源から負荷に対して電力が供給されている動作状態、および、電源から負荷に対する電力の供給が停止された動作状態などの電力量計120の各動作状態は、配電管理支援装置110から新たな指示が送信されない限り維持される。
【0101】
すなわち、電力量計120の動作状態は、当該電力量計120の遠隔地から切り替えられるとともに、切り替えられた動作状態を電力量計120の設置場所(現地)において変更できないようにロックすることができる。これによって、仮に、顧客が現場において電力量計120のロックを解除して電気の不正使用を試みた場合にも、ロックを解除することができないため、電力量計120の動作状態を不正に切り替えることによる電力の不正使用を防止することができる。
【0102】
また、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110によれば、通信機能を備えた既存の電力量計120に、スイッチ装置130を設けるだけで、上記の各種の効果を奏することができる。これによって、上記の各種の効果を得られる配電管理支援システム100を、簡易な構成で、かつ、多大なコストをかけることなく実現することができる。
【0103】
また、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110は、スイッチ装置130から当該スイッチ装置130が設けられた電力量計120の積算値および当該電力量計120の識別情報を含む遮断完了情報を受信した場合に、受信された遮断完了情報に含まれる積算値と識別情報とを関連付けして記憶する。また、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110は、電力量計120の積算値および電力量計120の識別情報を含む接続承認要求をスイッチ装置130から受信した場合は、受信された接続承認情報に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と接続承認情報に含まれる積算値とが一致するか否かを判断し、一致すると判断された場合には、先に受信された接続承認要求の送信元となるスイッチ装置130に対して接続承認情報を送信するようにしたことを特徴としている。
【0104】
この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110によれば、電力量計120による電源と負荷との電気的な接続および遮断の切り替えをおこなうごとに電力量計120の積算値を取得し、取得された積算値に基づいて電力量計120の動作状態を切り替えることができる。すなわち、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110によれば、スイッチ遮断指示およびスイッチ接続指示の送信と電力量計120の積算値の取得とが対になっているため、取得された積算値に対する信頼性を確保することができる。
【0105】
具体的には、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110によれば、配電管理支援装置110の操作者あるいは顧客によって電力量計120の識別情報の入力を含む所定の入力操作がおこなわれた場合に、スイッチ遮断指示およびスイッチ接続指示が送信されるように構成されているため、仮にスイッチ遮断指示やスイッチ接続指示が不正におこなわれた場合にも当該不正を特定しやすくすることができる。
【0106】
さらに、スイッチ遮断指示およびスイッチ接続指示を送信させるための所定の入力操作に際して、電力量計120の識別情報に加えて、当該入力操作をおこなっている操作者を識別可能な情報(顧客の氏名や契約番号、配電管理支援装置110の操作者の氏名やID情報など)を入力させるようにしてもよい。これによって、スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示をおこなった操作者を特定しやすくなる。また、スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示をおこなった操作者を特定しやすくすることにより、スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示の不正入力を抑止する効果を期待することができる。これによって、電力量計120の動作状態を不正に切り替えることによる電力の不正使用を防止することができる。
【0107】
また、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110は、スイッチ装置130から受信された接続承認情報に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と接続承認情報に含まれる積算値とが一致しないと判断された場合に、当該接続承認要求の送信元となるスイッチ装置130が接続された電力量計120に関する情報を記憶するようにしたことを特徴としている。
【0108】
この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110によれば、記憶された情報をリストとして定期的に印字あるいは表示するなどして出力することによって、不正がおこなわれた可能性がある電力量計120を定期的にまとめて確認することができる。これによって、受給契約の解約時の積算値と再開時の積算値とが異なることにより不正がおこなわれた可能性がある電力量計120を管理することができるとともに、不正がおこなわれるごとに現地に作業者がおもむく必要をなくし、作業負担の軽減を図ることができる。また、出力されたリストに基づいて、不正利用者の特定作業をおこなうことができるので、不正が疑われる場合の確認作業を効率よくおこなうことができる。
【0109】
上述したように、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110およびスイッチ装置130を備えた配電管理支援システム100においては、電力の需給契約の廃止に際しては、通信を利用してスイッチ遮断指示(電力の需給契約の廃止指示)を送信し、当該スイッチ遮断指示に応じた電力の需給契約の廃止時刻に、該当する電力量計120の積算値をデータベース413に記憶するとともに、電源と負荷との電気的な接続を遮断し、遮断した状態でロック状態とする。
【0110】
また、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110およびスイッチ装置130を備えた配電管理支援システム100においては、電力の供給を再開する際に、配電管理支援装置110あるいは顧客のPCに対して所定の入力操作がおこなわれることによって受け付けた異動申し込みに基づいて配電管理支援装置110からスイッチ装置130に所定の指示を送信した場合に、ロック状態を解除し、電力量計120を介して電源から負荷への電力の供給を開始する。
【0111】
これにより、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援システム100によれば、現地での人為的な電源処理作業を廃止することができる。そして、現地での人為的な電源処理作業を廃止することにより、当該電源処理にかかる人件費の削減を図ることができる。
【0112】
また、これにより、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110およびスイッチ装置130を備えた配電管理支援システム100によれば、契約廃止後から電気の供給を再開するまでの間に電力が無断で(不正に)使用されることを防止することができる。そして、契約廃止後から電気の供給を再開するまでの間に電力が無断で(不正に)使用されることを防止することにより、電力の受給契約の廃止中に電力が使用されることに対する調査業務を不要とすることができる。
【0113】
また、これにより、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110およびスイッチ装置130を備えた配電管理支援システム100によれば、受給契約の解約や再開を必要とする現地に作業員がおもむくことなく、受給契約の解約や再開のための電源処理をおこなうことができる。そして、これによって、電力会社の営業時間など、日時に左右されることなく電源処理をおこなうことが可能となるので、電力会社に対する顧客の満足度の向上を図ることができる。
【0114】
また、これにより、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110およびスイッチ装置130を備えた配電管理支援システム100によれば、現地に作業員がおもむくことなく電力量計120の積算値を取得することができる。そして、これによって、電力量計120の積算値の読み取りミスの発生を防止することができ、電源処理に対する信頼性の向上を図ることができる。また、これによって、電力会社に対する顧客の満足度の向上を図ることができる。
【0115】
上記の実施の形態1においては、スイッチ装置130と配電管理支援装置110との間における通信を、電力量計120を介することによって実現するようにしたが、スイッチ装置130と配電管理支援装置110との間における通信方法はこれに限るものではない。たとえば、スイッチ装置130を、電力量計120と配電管理支援装置110との間における通信を実現するネットワーク140に、スイッチ装置130が備える通信I/F205を介して接続することによって、電力量計120を介することなくスイッチ装置130と配電管理支援装置110との通信を実現するようにしてもよい。
【0116】
(実施の形態2)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システムについて説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分については同一符号で示し、説明を省略する。図7は、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システムのシステム構成を示す説明図である。図7において、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システム700は、配電管理支援装置110と電力量計710とを備えている。配電管理支援システム100において、電力量計710は複数設けられている。
【0117】
(電力量計710のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の配電管理システム700における電力量計710のハードウエア構成について説明する。図8は、この発明にかかる実施の形態2の配電管理システム700における電力量計710のハードウエア構成を示す説明図である。
【0118】
図8において、この発明にかかる実施の形態2の配電管理システム700における電力量計710は、CPU801と、ROM802と、RAM803と、計量部123と、表示部124と、スイッチ回路204と、通信I/F205と、を備えている。電力量計710が備える各部801〜803、123、124、204、205は、バス804によってそれぞれ接続されている。
【0119】
(電力量計710の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システム700における電力量計710の機能的構成について説明する。図9は、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システム700の機能的構成を示すブロック図である。図9において、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システム700における電力量計710は、通信部420と、スイッチ部421と、スイッチ制御部422と、接続承認要求部423と、遮断通知部424と、計量部123と、を備えて構成されている。スイッチ装置130が備える、通信部420、スイッチ部421、スイッチ制御部422、接続承認要求部423、遮断通知部424および計量部123は、電力量計710が備える各部801〜803、123、124、204、205によって実現することができる。
【0120】
計量部123は、入力変換部901と、乗算処理部902と、分周回路部903と、を備えている。入力変換部901は、電力量計710を通過する電力の電圧レベルおよび電流レベルに応じた値の電圧および電流に変換する。乗算処理部902は、入力変換部901によって変換された電圧レベルおよび電流レベルに基づいた乗算処理によって、供給された電力量に比例したパルス信号を生成する。分周回路部903は、乗算処理部902が生成したパルス信号のクロック周波数を当該クロック周波数よりも低い所定のクロック周波数に変換する。計量部123は、分周回路部903が所定のクロック周波数に変換したパルス信号に基づく積分処理をおこなって電力量の積算値を計量する。
【0121】
(配電管理支援システム100における処理手順)
この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システム700における配電管理支援装置110は、上述した実施の形態1における配電管理支援システム100における配電管理支援装置110と同様の処理手順をおこなう(図5を参照)。
【0122】
この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援システム700における電力量計710は、電力量計710の積算値の取得を計量部123から直接取得する以外は、上述した実施の形態1における配電管理支援システム100におけるスイッチ装置130と同様の処理手順をおこなう(図6を参照)。
【0123】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態2の電力量計710は、電源から負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量部123と、計量部123を介して電源と負荷とを電気的に遮断可能に接続するスイッチ部421と、を備えている。そして、この発明にかかる実施の形態の電力量計710は、配電管理支援装置110から送信されたスイッチ遮断指示を受信した場合、電源および負荷を電気的に遮断し、遮断時における電力量計の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を配電管理支援装置110に送信する。
【0124】
また、この発明にかかる実施の形態2の電力量計710は、スイッチ接続指示を受信した場合、当該スイッチ接続指示の受信時における電力量計の積算値を取得し、取得された積算値および電力量計の識別情報を含む接続承認要求を配電管理支援装置110に送信する。そして、送信された接続承認要求に応じて配電管理支援装置110から送信された接続承認情報を受信した場合に、電源および負荷を電気的に接続することを特徴としている。
【0125】
この発明にかかる実施の形態2の電力量計710によれば、電力量計710による電源から負荷に対する電力の供給および供給の停止が、当該電力量計710の遠隔地に設置された配電管理支援装置110からの指示に基づいておこなわれる。そして、電源から負荷に対して電力が供給されている動作状態、および、電源から負荷に対する電力の供給が停止された動作状態などの電力量計710の各動作状態は、配電管理支援装置110から新たな指示が送信されない限り維持される。
【0126】
すなわち、電力量計710の動作状態は、当該電力量計710の遠隔地から切り替えられるとともに、切り替えられた動作状態を電力量計710の設置場所(現地)において変更できないようにロックすることができる。これによって、仮に、顧客が現場において電力量計710のロックを解除して電気の不正使用を試みた場合にも、ロックを解除することができないため、電力量計710の動作状態を不正に切り替えることによる電力の不正使用を防止することができる。
【0127】
また、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援装置110は、スイッチ装置130から当該スイッチ装置130が設けられた電力量計120の積算値および当該電力量計120の識別情報を含む遮断完了情報を受信した場合に、受信された遮断完了情報に含まれる積算値と識別情報とを関連付けして記憶する。また、この発明にかかる実施の形態1の配電管理支援装置110は、電力量計710の積算値および電力量計710の識別情報を含む接続承認要求をスイッチ装置130から受信した場合は、受信された接続承認情報に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と接続承認情報に含まれる積算値とが一致するか否かを判断し、一致すると判断された場合には、先に受信された接続承認要求の送信元となる電力量計710に対して接続承認情報を送信するようにしたことを特徴としている。
【0128】
この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援装置110によれば、電力量計710による電源と負荷との電気的な接続および遮断の切り替えをおこなうごとに電力量計710の積算値を取得し、取得された積算値に基づいて電力量計710の動作状態を切り替えることができる。すなわち、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援装置110によれば、スイッチ遮断指示およびスイッチ接続指示の送信と電力量計710の積算値の取得とが対になっているため、取得された積算値に対する信頼性を確保することができる。
【0129】
具体的には、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援装置110によれば、配電管理支援装置110の操作者あるいは顧客によって電力量計710の識別情報の入力を含む所定の入力操作がおこなわれた場合に、スイッチ遮断指示およびスイッチ接続指示が送信されるように構成されているため、仮にスイッチ遮断指示やスイッチ接続指示が不正におこなわれた場合にも当該不正を特定しやすくすることができる。
【0130】
さらに、スイッチ遮断指示およびスイッチ接続指示を送信させるための所定の入力操作に際して、電力量計710の識別情報に加えて、当該入力操作をおこなっている操作者を識別可能な情報(顧客の氏名や契約番号、配電管理支援装置110の操作者の氏名やID情報など)を入力させるようにしてもよい。これによって、スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示をおこなった操作者を特定しやすくなる。また、スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示をおこなった操作者を特定しやすくすることにより、スイッチ遮断指示やスイッチ接続指示の不正入力を抑止する効果を期待することができる。これによって、電力量計710の動作状態を不正に切り替えることによる電力の不正使用を防止することができる。
【0131】
また、この発明にかかる実施の形態2の配電管理支援装置110は、接続承認要求に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と接続承認要求に含まれる積算値とが一致しないと判断された場合に、受信された接続承認要求の送信元となる電力量計710に関する情報をデータベース413に記憶するようにしたことを特徴としている。これによって、電力の不正利用が疑われる電力量計710を容易かつ確実に管理することができる。
【0132】
なお、上述した実施の形態1および実施の形態2においては、スイッチ接続指示の受信時における電力量計120、710の積算値を取得し、取得された積算値とデータベース413によって記憶された該当する積算値とが一致するか否かを、配電管理支援装置110において判断するように構成したが、当該一致の判断は配電管理支援装置110においておこなうものに限らない。
【0133】
たとえば、上述した実施の形態1の配電管理支援システム100においては、一致の判断をスイッチ装置130においておこなうように構成してもよい。あるいは、上述した実施の形態2の配電管理支援システム700においては、一致の判断を電力量計710においておこなうように構成してもよい。これらの一致の判断は、スイッチ装置130が備えるCPU201や、電力量計710が備えるCPU801において所定の処理を実行することによって容易に実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
以上のように、この発明にかかるスイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置は、電力の供給や供給の停止の管理業務を支援するスイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置に有用であり、特に、電力の不正使用を防止するために電力の供給や供給の停止の管理業務を支援するスイッチ装置、電力量計および配電管理支援装置に適している。
【符号の説明】
【0135】
100 配電管理支援システム
110 配電管理支援装置
120 電力量計
123 計量部
130 スイッチ装置
410 指示送信部
411 第1の受信部
412 記憶部
413 データベース
414 第2の受信部
415 一致判断部
416 送信部
420 通信部
421 スイッチ部
422 スイッチ制御部
423 接続承認要求部
424 遮断通知部
425 積算値取得部
700 配電管理支援システム
710 電力量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷との間に設けられて前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する電力量計に設けられるスイッチ装置であって、
前記電源および前記負荷を電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、
所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、
前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、
前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を前記通信手段によって前記外部装置に送信する遮断完了通知手段と、
前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記通信手段によって前記外部装置に送信する接続承認要求手段と、
を備え、
前記スイッチ制御手段は、前記接続承認要求手段によって送信した接続承認要求に応じて前記外部装置から送信された接続承認情報を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
電源と負荷との間に設けられる電力量計であって、
前記電源に接続される第1の端子と前記負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量手段と、
前記計量手段を介して前記電源と前記負荷とを電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、
所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、
前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、
前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を前記通信手段によって前記外部装置に送信する遮断完了通知手段と、
前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記通信手段によって前記外部装置に送信する接続承認要求手段と、
を備え、
前記スイッチ制御手段は、前記接続承認要求手段によって送信した接続承認要求に応じて前記外部装置から送信された接続承認情報を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とする電力量計。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ装置から当該スイッチ装置が設けられた電力量計の積算値および当該電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段によって遮断完了情報を受信した場合に、受信された遮断完了情報に含まれる前記積算値と前記識別情報とを関連付けして記憶する記憶手段と、
前記電力量計の積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記スイッチ装置から受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段によって受信された接続承認情報に基づいて、当該接続承認情報に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と前記接続承認情報に含まれる積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、
前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となるスイッチ装置に対して接続承認情報を送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする配電管理支援装置。
【請求項4】
前記一致判断手段によって一致しないと判断された場合に、前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となるスイッチ装置が接続された電力量計に関する情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の配電管理支援装置。
【請求項5】
請求項2に記載の電力量計から当該電力量計の積算値および当該電力量計の識別情報を含む遮断完了情報を受信する第1の受信手段と、
前記第1の受信手段によって遮断完了情報を受信した場合に、受信された遮断完了情報に含まれる前記積算値と前記識別情報とを関連付けして記憶する記憶手段と、
前記電力量計の積算値および前記電力量計の識別情報を含む接続承認要求を前記スイッチ装置から受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段によって受信された接続承認情報に基づいて、当該接続承認情報に含まれる識別情報に一致する識別情報に関連付けして記憶された積算値と前記接続承認情報に含まれる積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、
前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に、前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となる電力量計に対して接続承認情報を送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする配電管理支援装置。
【請求項6】
前記一致判断手段によって一致しないと判断された場合に、前記第2の受信手段によって受信された接続承認要求の送信元となる電力量計に関する情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の配電管理支援装置。
【請求項7】
電源と負荷との間に設けられて前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する電力量計に設けられるスイッチ装置であって、
前記電源および前記負荷を電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、
所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、
前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、
前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を記憶する記憶手段と、
前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値と前記記憶手段によって記憶された積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、
前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項8】
電源と負荷との間に設けられる電力量計であって、
前記電源に接続される第1の端子と前記負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量手段と、
前記計量手段を介して前記電源と前記負荷とを電気的に遮断可能に接続するスイッチ手段と、
所定の外部装置との間で通信をおこなう通信手段と、
前記通信手段によってスイッチ遮断指示を受信した場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に遮断するスイッチ制御手段と、
前記スイッチ制御手段による遮断時における前記電力量計の積算値を記憶する記憶手段と、
前記通信手段によってスイッチ接続指示を受信した場合に、当該スイッチ接続指示の受信時における前記電力量計の積算値を取得し、取得された前記積算値と前記記憶手段によって記憶された積算値とが一致するか否かを判断する一致判断手段と、
前記一致判断手段によって一致すると判断された場合に、前記スイッチ手段を制御して前記電源および前記負荷を電気的に接続することを特徴とする電力量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−23808(P2012−23808A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157929(P2010−157929)
【出願日】平成22年7月12日(2010.7.12)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】