説明

スイッチ

追跡システムは、広い地理的範囲上の複数の機械または装置の操作において、イベントをカウントする。例えば、バルクベンダーのために、システムが硬貨機構のサイクルの回転に対応するそれぞれの販売をカウントし、そして望ましくは、それぞれの販売の日付および時間を記録する。アクティブ・タグは、販売イベント、例えばイベントの日付および時間を表すデータを格納するためのメモリを有する。データは、タグ・メモリに格納されたデータをダウンロードし、そしてベンダーの継続的な監視のためにタグをリセットしてメモリを消去する呼掛器によって、定期的に読みとられる。この情報により、経営者は収益に満足することができ、どのくらいの期間で終わったかを突き止めることができ、そしてサービス要員の作業慣行を突き止めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベンディングマシンに関し、特に、ベンディングマシンおよび販売された商品を追跡するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
口語で「ガムボールマシーン」として知られているバルクベンダーは、商品の菓子類および他の小さな物品を販売するために広く使われている。一般的なバルクベンダーは、商品を保管する箱として機能し、ホッパーの中で回転する分配用ホイールの上に設置される透明な球体を有するホッパー組立部を備えている。
【0003】
顧客が硬貨機構へ必要な硬貨を置いて、ハンドルを回すと、分配用シュートへ予め設定された量の商品を運ぶための分配用ホイールが回転させる。ホッパー組立部は、基礎の上に設置される本体の上方に位置し、置かれた硬貨を硬貨機構が排出するキャッシュボックスを含む安全区画を定義している。
【0004】
バルクベンダーは、一般的に、ショッピングモール、レストランのような人のよく通る場所にベンダーを据付けて保守点検をするベンダー経営者によって購入され、維持される。経営者は、定期的にベンダーに補給し、ベンダーによって販売された品物の販売の収益を集め、そして、一般的に収益の一部を建物の所有者に支払う。大きなベンダー経営者は、数百のバルクベンダーを経営しており、ベンダーを保守点検しキャッシュボックスに蓄積した硬貨を経営者に配送するサービス要員を雇っている。
【0005】
バルクベンダーは、特に管理されない公共区域のために意図されており、このように顧客による窃盗および破壊行為に耐えるように設計されている。しかし、従来のバルクベンダーにおいては、それぞれのベンダーから販売された品物の数が監視されていないため、ベンダー経営者がどれくらいの硬貨が保守点検の依頼の間に特定のベンダーから得られなければならないかについて、決して知ることができず、経営者は、経営者のサービス要員による硬貨の窃盗に非常に無防備である。
【0006】
また、経営者は、収集した硬貨が経営者に届けられる前のサービス要員による硬貨の代用物への置換にも無防備でありえる。
【0007】
いずれにせよ、経営者の収益は、かなり減じられえる。このことは、経営者である彼または彼女の事業を拡大するための経営者の能力を大きく制限する。なぜならば、経営者が信頼のある少数の従業員のみを使用することに制限され、または従業員による横領のための実質的な損失の危険を負うためである。
【0008】
さらに、これはベンダーが設置される建物の所有者に支払うという経営者の能力を減じる。なぜなら、ベンダーによって集まった全ての金が計上されていることを、建物の所有者へ収益の一部を支払うときに決して確かめられないからである。
【0009】
さらに、バルクベンダーは最小のメンテナンスによって、ユーザーによるセルフサービスのために設計されているため、バルクベンダーはそれらの使用が直ちに監督されることができない位置にしばしば置かれる。その結果、バルクベンダーは、容易に窃盗をうけやすく、そして、回収されても、当局はベンダーの経営者/所有者を識別することができない。
【0010】
また、時々ベンダーはその経営者によって放棄されることがあり、または何かの理由でベンダーの問題に関して経営者に通知しなければならないかもしれず、そして、時々ベンダーの所有者を識別する容易な方法がない。
【発明の開示】
【0011】
本発明は、追跡システムを種々の硬貨投入式の機械または装置、例えばバルクベンダーに提供することによって、これらの不利な点を克服するものである。望ましい実施形態において、本発明のシステムは、硬貨機構のサイクルに反応してそれぞれの販売をカウントし、それぞれの販売の日付および時間を記録する。
【0012】
本発明は、ハウジングに配置されるマイクロチップの形状のアクティブ・タグで提供されて達成される。アクティブ・タグは販売のイベントを示すデータ、例えばイベントの日付および時間を記録するためのメモリを有する。
【0013】
データは手持ちの読み取り器(reader)または‘呼掛器(interrogator)’によって定期的に読みとられる。この手持ちの読み取り器または呼掛器は、タグ・メモリに記録されたデータをダウンロードして、ベンダーの継続的な監視のためにタグをリセットしてメモリを消去する。
【0014】
この情報により、経営者は、経営者の収益が従業員により盗まれていないことを保証するために、ベンダーから得られた硬貨の数を記録された販売の数と一致させることができる。
【0015】
より広い能力範囲の従業員が経営者により利用可能となるので、経営者がもはや彼らの事業の拡大を制限する必要が無い程度まで、タグの存在が窃盗を防止し、経営者が保守管理できるベンダーの数がきわめて増加する。
【0016】
記録された情報によって、経営者はベンダーをいつ補充する必要がありそうかについて決定することができ、それによって保守点検の要求を予期することができる。
【0017】
保守点検の要求とは、いつ販売され、そしてどれくらいの期間で売りつくされたかを突き止め、ベンダーの位置の商用の生存能力の決定を助け、サービス要員の作業慣行を突き止め、彼らの作動効率を決定することである。
【0018】
望ましい実施形態において、タグは高周波(RF;radio frequency)信号を経由してデータを送り、固有の識別コードを有し、デジタルキーに応答して作動するものである。デジタルキーは、対応するキーを持つ読み取り器のみが、データのためにタグを働かせるとともにそのメモリを消去することを可能とする。
【0019】
このように、タグは硬貨投入式の機械または装置の活動を監視するだけでなく、所有者/経営者の身元に関しても、緊急の指示を提供する。
【0020】
タグは、’超小型電気機械システム’(microelectromechanical system)、または’MEMS’を含む、またはその構成部となることができる。このような装置は、タグによる身元識別機能、データメモリ、機械動力の発生および貯蔵、RF通信、硬貨認識/販売作動、販売がイベントとなりえるイベント捕捉、温度または湿度警報、そしてデータ転送などを提供することができる。
【0021】
その他の望ましい実施形態において、呼掛器100は無線通信能力および/またはGPSまたはGSMトランスポンダを備えることができ、経営者がサービス要員の所在を追跡することを可能とする。
【0022】
ほかの適用において、例えばタクシーに関する収益および他のイベントの追跡ために、本発明の装置を、発生したイベントを記録するための既存の集計回路に接続することができる。
【0023】
本発明は、例えば食品加工および後処理作業、例えば品質管理および消費者安全のための貯蔵や運送のような、製品寿命やサービスのイベントを追跡することが効果的な他の工業への適用性を有する。
【0024】
本発明は、したがって、識別コードを含むメモリと、呼掛器から指示を受け取り、データを呼掛器に伝達するためのRFトランシーバと、販売イベント・データを格納するための消去可能なメモリと、を持つタグを有する追跡システムであって、少なくとも1つのセンサから受け取られるイベント・データがタグによって記録され、そしてタグが呼掛器によって読みとられるときに、イベント・データはタグへ転送され、メモリが消去される。
【0025】
前記追跡システムの他の側面として、追跡システムは時計を有し、前記イベント・データは、日付、時間、または両者を有する。前記イベント・データは温度データを有する。前記イベント・データは水分データまたは湿度データを有する。前記イベント・データは不揮発性メモリに格納される。前記タグは、前記イベント・データの転送の間、呼掛器によって発生させられる電磁界から動力を得る。前記メモリは、少なくとも1つのデジタルキーをさらに有し、前記タグが当該デジタルキーを所有する呼掛器のみへ前記イベント・データを転送する。前記呼掛器は、当該呼掛器の位置を周期的に示すための全地球位置測定システム(GPS)トランスポンダまたはグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)トランスポンダが設けられている。前記呼掛器がセントラルステーションと通信するための携帯電話を備えている。
【0026】
本発明は、さらに、商品格納部と、外部に露出した回転用のハンドルを有する硬貨機構とを有し、これら両者により選択された商品量が前記硬貨機構の各回転サイクルにより販売されるベンダーであって、識別コードおよび少なくとも1つのデジタルキーを有するメモリと、呼掛器からの指示を受信し、データを呼掛器に送信するためのRFトランシーバと、販売イベント・データを格納するためのRAMと、前記硬貨機構の各回転でRAMに格納された販売数を逐次増加するためのインターフェイスと、を備えたタグを有する追跡システムを有するベンダーが設けられている。
【0027】
前記ベンダーの他の側面として、前記ベンダーは時計を有し、前記販売イベント・データは、日付、時間、または両者を有する。前記販売イベント・データは、販売された商品の種類を表すコードを有する。前記インターフェイスは、ピボット支持され、開位置および閉位置のいずれか一方に付勢されており、硬貨の通路内にピボットの各端部で直立したフィンガーが設けられているドッグと、導電性のある前記フィンガーの1つと対面する接触点に位置された接触ハウジングと、を有し、前記硬貨が一方のフィンガーを通過し、ドッグを、回路を閉じる閉位置へ押すとともにタグにカウント・パルスを発生させ、かつ前記硬貨が他方のフィンガーを通過し、ドッグを開位置へ押し、前記接触点から離隔させる。前記ドッグは、ばねの力で2つのノッチのいずれか一方に納まるばね式ボールによって付勢されている。
【0028】
本発明は、さらに、ピボット支持され、開位置および閉位置のいずれか一方に付勢されており、硬貨の通路内にピボットの各端部で直立したフィンガーが設けられているドッグと、導電性のある前記フィンガーの内の1つと対面する接触点に位置された接触ハウジングと、を有し、回転式の硬貨機構との協働で追跡タグに電気信号を送るためのスイッチであって、前記硬貨が一方のフィンガーを通過し、ドッグを、回路を閉じる閉位置へ押すとともにタグにカウント・パルスを発生させ、かつ前記硬貨が他方のフィンガーを通過し、ドッグを開位置へ押し、前記接触点から離隔させるスイッチが設けられる。
【0029】
前記スイッチの他の側面として、前記ドッグは、ばねの力で2つのノッチのいずれか一方に納まるばね式ボールによって、付勢されている。
【0030】
図面の簡単な説明
本発明の望ましい実施形態のみを例証として図面に示す。
【0031】
図1は本発明を適用したバルクベンダーの斜視図である。
【0032】
図2は本発明をバルクベンダーに適用した場合の硬貨機構の後部斜視図である。
【0033】
図3は図2の硬貨機構のカバープレートの後部背面図である。
【0034】
図4は販売イベントの信号を送るためにタグにパルスを送るためのスイッチの拡大正面図である。
【0035】
図5Aは図4のスイッチ接触点に隣接して位置するスイッチのドッグの拡大正面図である。
【0036】
図5Bは図5Aのスイッチ接触点から離れて位置するドッグの拡大正面図である。
【0037】
図6Aはスイッチの閉位置を示す図4のスイッチの拡大正面図である。
【0038】
図6Bはスイッチの開位置を示す図6Aのスイッチの拡大正面図である。
【0039】
本発明の詳細な説明
図1は、本発明のシステムが用いられえる一般的なバルクベンダー2を示す。
【0040】
ベンダー2は、従来は、硬貨機構10の仕組みおよび置かれた硬貨または代用硬貨1を得るためのキャッシュボックス(不図示)を囲んでいる下側ハウジング4と、販売するためのガムボールや他の物品のような商品を格納するための透明な物品貯蔵箱5と、そして、周知のように、分配シュート8への開口が設けられ、複数の製品コンベヤのうちの1つを一直線に並べるために、硬貨機構10の回転によって回転させられるターンテーブル6と、を有する。
【0041】
この種類のベンダーは1999年9月21日に発行された米国特許第5,954,181号明細書の’磁気施錠システムを有する硬貨機構(Coin Mechanism with Magnetic Locking System)’において記述および図示されており、本願明細書に引用して援用する。
【0042】
これは、本発明が実施されえるバルクベンダーの単に1つの一例であると認識されるものであり、その記述によって制限されることを目的したものではない。
【0043】
本発明は硬貨に関して記述しているが、用語’硬貨’は、ここでは硬貨、代用硬貨およびそのような要素を含むものとして用いられ、貨幣価値を有する通貨や硬貨に制限するものではない。
【0044】
さらに、本発明は、ここでバルクベンダー2の硬貨機構10の文脈に記述されるが、本発明の硬貨機構は、硬貨機構に応答して作動するその他の機械や装置に用いられえる。他の機械や装置には、パーキングメータ、洗濯機およびテレビゲームのような商品を販売しないさまざまな種類の機械および装置が含まれ、そして例示によって限定されず、したがって本発明は、硬貨機構のどのような特定の種類や用途にも制限されない。
【0045】
本発明は、複数の機械または装置が主要電源へ即座のアクセスが提供されない場所に設置される場合、および複数の機械または装置が広い地理的範囲に亘って広がっている場合に有利に実施され、バルクベンダー2は単なる一例に過ぎない。
【0046】
貨幣機構のサイクルが、商品を販売されるか、パーキングメータの時間を増加させるか、洗濯機に洗浄サイクルを完了させるか、テレビゲームにプレイモードへ移行せるか、またはそれ以外にかかわらず、それぞれのベンディングマシンまたは装置2における硬貨機構の全サイクルが、ここでは’販売’として示される。
【0047】
図2,3は、バルクベンダー2に本発明を実施した硬貨機構10の望ましい実施形態を示す。
【0048】
機構10は、硬貨用穴24を持つカバープレート20を有している。
【0049】
ハンドル30は、カバープレート20から突出しているニップル26によって形成される開口を通って伸延し、実質的にディスク形状の硬貨コンベヤ40の中央を通って配置される開口38に連結されるテーパの付いた軸32に固定される。軸32は、回転的に硬貨コンベヤ40に連結される縦方向に平らな(またはわずかに凹の)面32aを有する。
【0050】
硬貨コンベヤ40は、意図された硬貨1の大きさに形成された凹部42が設けられた、硬貨1を受けるための硬貨受け部を有しており、そこに、硬貨機構10の回転サイクルに運ばれるように硬貨1が置かれる。
【0051】
例示の実施形態において、硬貨コンベヤ40は、大部分の回転サイクルの間、機構10の逆転を予防するためのつめと協働する周辺のつめ車歯41が設けられている。(小さい範囲の逆転は、安静位置を越えてもすぐに許容され、これは、測定器が置かれた硬貨を拒絶する場合に、硬貨コンベヤ40が安静位置に戻ることを可能とする)。
【0052】
バックプレート80は、硬貨コンベヤ40にかぶせて、ボルト81によって、カバープレート20に対して動かないように取り付けられる。バックプレート80は、ハンドル30が回転させられるにしたがって硬貨1が従う回転通路に沿う硬貨凹部42に硬貨1を保持する。軸32は、バックプレート80の開口86を通って伸延し、ターンテーブル6を回転させるための分配ギア64に、回転的に連結される。
【0053】
このように、カバープレート20およびバックプレート80は静止しており、その一方で、ハンドル30が回転されると、硬貨コンベヤ40およびギア64は軸32上に固定されており、回転する。
【0054】
硬貨1の厚さを測定するためのドッグ70は、置かれた硬貨または代用硬貨が機構10の意図された硬貨1よりも薄く、そして機構10の回転が静止した場合に、硬貨凹部42の後縁をつかむために、ばね70aにより硬貨凹部42に対して付勢されてバックプレート80に設置されえる。
【0055】
従来は、置かれた硬貨または代用硬貨が意図された硬貨1より小さい直径を有し、従って機構10の回転が静止した場合に、硬貨凹部42の後縁をつかむために硬貨1の直径を測定するための直径計測ドッグ34は、カバープレート20にピボット支持され、ばね34aによって硬貨コンベヤ40に対して付勢されている。
【0056】
硬貨コンベヤ40は、このように適当な硬貨1を硬貨排出ランプ25へ運び、そこで、測定ドッグ34が指定された半径方向の位置で硬貨1を計測することができる特定の回転通路に沿って、硬貨1がベンダー・ハウジング4の中に隠されている硬貨トレイ(不図示)に落ちる。置かれた硬貨または代用硬貨が正しい大きさでない場合、ドッグ34が機構10の回転を抑えるために硬貨コンベヤ40と協動する。
【0057】
本発明によれば、タグは販売のイベントを記録するために与えられている。
【0058】
タグは高周波識別タグ(RF IDタグ;radio frequency identification tag)110であってもよい。そして、高周波識別タグ110は、いくつかの必要な作動ソフトウェアと一緒に、消去不可能な識別コードおよび少なくとも一つのデジタルキーを含んでいるROMと、読み取り器または’呼掛器(interrogator)’100(図1に幻影(phantom)で示す)から指示を受け取って、データを呼掛器100に送信するためのRFトランシーバと、時計と、望ましい実施形態において、硬貨機構10のそれぞれの完全な回転のデータおよび時間、そして選択的に、ベンダー2に蓄えられている商品の種類、およびベンダー2が位置する環境の温度および/または湿度を示す、販売活動データを保存するための消去可能なRAMと、を有し、全てが単一チップに統合されている。
【0059】
このようなRF IDタグは、電子装置の用途に市販されており、例えば電子温度計またはサーモスタットから温度測定値を記録する。限定されるものではないが、適切なタグ100の一例は、13.56MHzで作動し、ISO18000−3/15693プロトコルまたは同様のプロトコルで接続する。
【0060】
望ましい実施形態において、タグ110は、電源114、例えば市販の小型のリチウム電池とともに、ハウジング112に密封される。電池114は2、3マイクロアンペアで、電圧が3.3Aまたはそれ以下の出力であり、これはタグ110を作動させるのに十分である。
【0061】
タグ110は好ましくはカバープレート20とバックプレート80の間に取り付けられ、図1に示すように、タグ・トランシーバが硬貨機構10の前に位置する呼掛器100と情報交換できるように配置される。必要に応じて、タグ110を覆っているカバープレート20の一部分は厚さを減少させることができ、または、タグ・トランシーバが呼掛器100と情報交換するためのRFウインドウをつくるために、非金属の差込み部をタグ110の上のカバー20に加えることができる。
【0062】
エネルギを節約して、ベンダーがお互いに近い近接においてある場合に、問い合わせられているベンダーだけからデータが回収されることを確実にするために、タグ110からのRF信号は、かなり低い電力に保たれなければならない。したがって、呼掛器100は、硬貨機構10のカバープレート20にかなり近い状態(例えば、10cm以内)に、または接触して保たれなければならない。
【0063】
呼掛器100は、付属の読み取り器へ接続するためのポートを提供する標準のパーソナルデジタルアシスタント(PDA)と、PDAにダウンロードされ、または付属のカードにより提供されえるソフトウェア(いかなる標準の動作プラットホームにもプログラムされえる)と、を有することができる。適切なPDAおよび他の読み取り器は、一般に入手可能である。
【0064】
本発明によれば、インターフェイス120は、全サイクル(単一の販売イベントを表す)を通して回っている硬貨機構の運動を認識して、タグ110に販売数を逐次増加させ、そして好ましくは販売イベントの日付および時間を記録するパルスを発生させるために提供される。
【0065】
図3に示される望ましい実施形態において、インターフェイス120は、硬貨1の通路に、両端が直立したフィンガー122a、122bを有する金属性ドッグ122を有している。接触箱124は接触点126を有して、フィンガー122bと対面して配置され、そのため、硬貨1がフィンガー122aを通過すると、硬貨1がフィンガー122bを接触点126に押しつけ、したがってワイヤ128を通して回路が閉じ、タグ110にカウント・パルスを発生させる。硬貨がフィンガー122bを通過すると、硬貨はフィンガー122bを押して接触点126から離れさせる。ドッグ122は、好ましくは摩擦を有してハブ121に連結されており、その結果、機械が振られるかまたは振動を受ける場合に、ドッグ122は開位置と閉位置の間で滑らない。
【0066】
本実施形態において、カウンタまたはタグ110がベンディングマシンのそれぞれの販売で一度だけカウントすることを確実にすることが重要であり、カウンタまたはダグにパルスを送るスイッチが、単一の販売イベントを表す硬貨機構10のそれぞれの全サイクルの間に一度だけなされなければならない。これは、ユニットによりカウンタまたはタグ110に販売カウントを逐次増加し、そして選択的に、販売イベントの日付および時間を記録する。
【0067】
図4〜6に示される望ましい実施形態において、切換インターフェイス120は、硬貨1の通路に、両端に直立したフィンガー122a、122bを有するドッグ122を有する。フィンガー122bは導電性か、または導電性塗料が適用されている。接触箱124(図6参照)は接触点126を有して、フィンガー122bと対面して配置され、そのため、硬貨2がフィンガー122aを通過すると、硬貨2がフィンガー122bを接触点126に押しつけ、したがってワイヤ128を通して回路が閉じ、タグ110にカウント・パルスを発生させる。硬貨がフィンガー122bを通過すると、硬貨はフィンガー122bを押して接触点126から離れさせる。
【0068】
スイッチドッグ122は、開(オフ)または閉(オン)のいずれかに付勢されており、例えば、ドッグ122の位置に依存して、圧縮ばね131の力を受けてノッチ132aまたはノッチ132bのいずれかに位置されるばね式ボール130によって付勢されており、ばね式ボール130はオフまたはオンの位置の間でのドッグ122の自由な移動を制限している。
【0069】
フィンガー122aおよび122bを通過する各々の硬貨2によって、ドッグ122はこのように一度だけ接触点126と接触することができ、したがって、単一パルスがタグまたはカウンタ118へ伝わることを確実にする。
【0070】
この回路(不図示)をつくるための配線の接続は、当業者にとって明らかである。
【0071】
他の方法として、インターフェイス120は、硬貨コンベヤ40上の、密度差または反射面により作動する、または他の近接アクチュエータによって作動する近接センサと、硬貨コンベヤに埋め込まれた磁石に応答するリード・スイッチと、または、タグ110のイベント入力ピンにパルスを発生させるために回路を閉じるいくつかの他の起動されているインターフェイスと、を有することができる。各々のケースにおいて、インターフェイス120は、硬貨がすでに受け取られた硬貨機構10の回転サイクルの位置に位置し、そのため、タグ110は、硬貨機構サイクルの初めの自由に回転できる部分の部分的な回転を、実際の販売と誤ってカウントしない。
【0072】
作業時に、ベンダー2は選択された位置に配置され、そして、貯蔵箱5は商品が蓄えられる。呼掛器110は、図1に示すように配置されて、タグ110をスリープ(電力削減)モードから切り換えるために信号を送り、その識別コードを伝えるために作動する。
【0073】
これが一回目の呼掛器である場合、呼掛器100がタグ110に初期化されて、すなわち、タグ110のROMに格納される経営者キーが、呼掛器100にプログラムされて、その後に、呼掛器100によって認識される。(あるいは、経営者キーは、認識されたキーとして製造業者によって呼掛器100に前もってプログラムされていることがありえる)。
【0074】
識別コードは呼掛器100によって回収され、そして、サービス要員は英数字キーパッド(不図示)を経て呼掛器100の中へ入り、ベンダー10の場所に入る。
【0075】
その後、硬貨機構10が全サイクルで回転させられるたびに、カム120がスイッチ122を通過し、タグ110は販売をカウントし、そして好ましくは、販売の日付および時間を表している販売イベント・データと関連づけられる。
【0076】
周期的に、サービス要員は、呼掛器100を使用しているタグ110に問い合わせて、RAMに格納されるデータを回収する。呼掛器100は、タグ110をスリープ・モードから切り換えるために信号を送り、その識別コードを伝えるために作動する。
【0077】
経営者キーが呼掛器100によって認識される場合、識別コードが、販売イベントを表すデータと一緒に呼掛器100によって回収され、この販売イベントを表すデータは、販売のデータおよび時間、そして望ましい場合には、販売された商品の種類を表すコードを含む。データの回収が完了すると、呼掛器100はタグ110に信号を送り、そのRAMを消去し、スリープ・モードに戻す。
【0078】
ルート上の多くのベンダーからデータを集めた後に、呼掛器100に格納されたデータは、再検討および分析のために、コンピュータ、例えばデスクトップまたはラップトップPC(不図示)を含んでいるデータ収集システムにダウンロードされる。呼掛器100は受け台に入れられるか、または直接コンピュータに(ケーブル、赤外線、RFまたはその他を経て)ドッキングされることができるか、または、呼掛器かその受け台にコンピュータへのダイヤルアップ接続のためのモデムが設けられ、またはこのモデムに接続されることができる。
【0079】
1つの実施形態において、タグ110は使い捨てができることを目的とする。現在リチウム電池は、最高5年まで持続することができる。タグ110の電池故障または他の故障により、タグ110は廃棄されて、新しいタグ110に交換される。
【0080】
間隔をおいて伝達するタグが市販されているが、望ましい実施形態においては、電池寿命を節約し、したがってタグ110の寿命を長くするために、呼掛器100によってスリープ・モードから切り換えられた場合にのみタグ110が伝達する。
【0081】
別の実施形態において、タグ100は永久的であり、別個の電池が提供される。電池は、例えば誘導によって再充電されることができる充電式の電池とすることができ、または電池が使い捨て可能であり、電池がその予想される寿命の終わりに近づいた時に取り換えることができる。
【0082】
タグ110はまた、’超小型電気機械システム’(microelectromechanical system)、または’MEMS’を含み、または構成部となることができる。このような装置は、ここで記述されたように、タグによる身元識別機能、データメモリ、機械動力の発生および貯蔵、RF通信、硬貨認識/販売作動、そしてイベント捕捉を有する。
【0083】
いずれの場合においても、タグ110は好ましくは呼掛器100によって発生させられる電磁場から、誘導によって電力が供給されることができる。そして、それはまた、呼掛器100が動力を節約し、そして電源114が切れた場合にもデータが回復できる(タグ110が不揮発性メモリを有する)ことを確実にするために、電源114を使用せずにタグ110からデータ転送を遂行することを可能とする。
【0084】
望ましくは、タグ110はROMに、ベンダーの所有者/経営者を識別する必要があるときに製造業者が情報(例えば識別コード)を操作して回収することを可能とする製造業者キーまたはマスターキーを、格納する。
【0085】
その上、好ましくは、製造業者は、特定のタグ110に経営者キーを認識(または拒絶)させるために、またはタグ110をリセットするために呼掛器100をプログラムすることができる。そのため、経営者が他の経営者へルートの一部または販売区域を売ることを容易にすることができるように、他の呼掛器100をタグ110へ初期化することができる。
【0086】
さらに他の望ましい実施形態において、呼掛器100は全地球位置測定システム(GPS)トランスポンダまたはグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)トランスポンダ(不図示)、または他のいかなる適切な無線位置決め/通信媒体を備えることができ、それは例えば局所のセルラーネットワークを通じて通信することができ、または人工衛星により非常に広い範囲の適用し、経営者がベンダー2を保守点検しているサービス要員の所在を追跡することを可能とする。
【0087】
これらの実施形態において、携帯電話を組み入れることができる呼掛器100は、予め定められた間隔でセントラルステーションと通信を始めることができ、または、経営者によって望まれる時にいつでも、情報をアップロードすることをセントラルステーションに負担させることができる。
【0088】
他の適用において、例えばタクシーに関する収益および他のイベントの追跡のために、本発明の装置は、生じたイベントを記録するために既存の集計回路に接続することができる。この場合においても同様に、セントラルステーションまたは管理者へ所望の間隔で情報をアップロードすることができ、またはタクシーが物理的にセントラルステーションに戻るときに呼掛器100により読み取ることができる。
【0089】
タグ110は、揮発性メモリを利用することができ、この場合、動力はタグがメモリのデータを保持するために常に適用されなければならない。
【0090】
他の望ましい実施形態において、タグ110は、例えば現在のEPROM、EEPROMおよびFLASH技術で見つけられる不揮発性メモリを有し、電池114がタグ110に不変に連結されることを必要としない。
【0091】
後者の実施形態において、切換インターフェイス120がタグ・カウンタの入力への回路を開き、そして切換インターフェイス120を閉じた状態にし、または呼掛器100によりタグ110をスリープ・モードから復帰させて再接続されるときはいつでも、電池114を完全にタグ110から分離させることができる。
【0092】
このように、メモリ(半導体、磁性物質およびその他)が電力なしで情報を保持するかまたは一定の電力供給を必要とするかどうかにかかわらず、どのような種類のメモリも本発明で使われることができる。
【0093】
本発明の望ましい実施形態は、例示のみに制限されることなく記載されたものである。当業者は、請求された発明の範囲から離れずに、確実な変形例と適用例を実施することができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明を適用したバルクベンダーの斜視図である。
【図2】本発明をバルクベンダーに適用した場合の硬貨機構の後部斜視図である。
【図3】図2の硬貨機構のカバープレートの後部背面図である。
【図4】販売イベントの信号を送るためにタグにパルスを送るためのスイッチの拡大正面図である。
【図5A】図4のスイッチ接触点に隣接して位置するスイッチのドッグの拡大正面図である。
【図5B】図5Aのスイッチ接触点から離れて位置するドッグの拡大正面図である。
【図6A】スイッチの閉位置を示す図4のスイッチの拡大正面図である。
【図6B】スイッチの開位置を示す図6Aのスイッチの拡大正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別コードを含むメモリと、
呼掛器から指示を受け取り、データを前記呼掛器に伝達するためのRFトランシーバと、
販売イベント・データを格納するための消去可能なメモリと、
を持つタグを有し、
少なくとも1つのセンサから受け取られる前記イベント・データは前記タグによって記録され、タグが呼掛器によって読みとられるときに、イベント・データはタグへ転送され、メモリが消去される追跡システム。
【請求項2】
前記追跡システムは時計を有し、前記イベント・データは、日付、時間、または両者を有する請求項1に記載の追跡システム。
【請求項3】
前記イベント・データは温度データを有する請求項2に記載の追跡システム。
【請求項4】
前記イベント・データは水分データまたは湿度データを有する請求項2に記載の追跡システム。
【請求項5】
前記イベント・データは不揮発性メモリに格納される請求項1に記載の追跡システム。
【請求項6】
前記タグは、前記イベント・データの転送の間、前記呼掛器によって発生させられる電磁界から動力を得る請求項5に記載の追跡システム。
【請求項7】
前記メモリは、少なくとも1つのデジタルキーをさらに有し、前記タグが当該デジタルキーを所有する前記呼掛器のみへ前記イベント・データを転送する請求項1に記載の追跡システム。
【請求項8】
前記呼掛器は、当該呼掛器の位置を周期的に示すための全地球位置測定システム(GPS)トランスポンダまたはグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)トランスポンダが設けられている請求項1に記載の追跡システム。
【請求項9】
前記呼掛器がセントラルステーションと通信するための携帯電話を備えている請求項1に記載の追跡システム。
【請求項10】
商品格納部と、外部に露出した回転用のハンドルを有する硬貨機構とを有し、これら両者により選択された商品量が前記硬貨機構の各回転サイクルにより販売されるベンダーであって、
識別コードおよび少なくとも1つのデジタルキーを有するメモリと、
呼掛器からの指示を受信し、データを呼掛器に送信するためのRFトランシーバと、
販売イベント・データを格納するためのRAMと、
前記硬貨機構の各回転でRAMに格納された販売数を逐次増加するためのインターフェイスと、
を備えたタグを有する追跡システムを有するベンダー。
【請求項11】
前記ベンダーは時計を有し、前記販売イベント・データは、日付、時間、または両者を有する請求項10に記載のベンダー。
【請求項12】
前記販売イベント・データは、販売された商品の種類を表すコードを有する請求項10に記載のベンダー。
【請求項13】
前記インターフェイスは、ピボット支持され、開位置および閉位置のいずれか一方に付勢されており、硬貨の通路内にピボットの各端部で直立したフィンガーが設けられているドッグと、
導電性のある前記フィンガーの1つと対面する接触点に位置された接触ハウジングと、を有し、
前記硬貨が一方のフィンガーを通過し、ドッグを、回路を閉じる閉位置へ押すとともにタグにカウント・パルスを発生させ、かつ前記硬貨が他方のフィンガーを通過し、ドッグを開位置へ押し、前記接触点から離隔させる請求項10に記載のベンダー。
【請求項14】
前記ドックは、ばねの力で2つのノッチのいずれか一方に納まるばね式ボールによって付勢されている請求項13に記載のベンダー。
【請求項15】
ピボット支持され、開位置および閉位置のそれぞれに付勢されることができ、硬貨の通路内にピボットの各端部で直立したフィンガーが設けられているドッグと、
導電性のある前記フィンガーの内の1つと対面する接触点に位置された接触ハウジングと、
を有し、回転式の硬貨機構との協働で追跡タグに電気信号を送るためのスイッチであって、
前記硬貨が一方のフィンガーを通過し、ドッグを、回路を閉じる閉位置へ押すとともにタグにカウント・パルスを発生させ、かつ前記硬貨が他方のフィンガーを通過し、ドッグを開位置へ押し、前記接触点から離隔させるスイッチ。
【請求項16】
前記ドッグは、ばねの力で2つのノッチのいずれか一方に納まるばね式ボールによって、付勢されている請求項15に記載のスイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピボット支持され、開位置および閉位置のそれぞれに付勢されることができ、開位置または閉位置でそれぞれ硬貨と接触するためのフィンガーをピボットの各側に有するドッグと、
前記フィンガーの内の1つと対面して位置された接触ハウジングと、
を有し、内部で回転サイクルによって硬貨が搬送される回転式の硬貨機構との協働で電気信号を送るためのスイッチであって、
前記硬貨が一方のフィンガーを通過してドッグを閉位置へ押し、回路を閉じると共に追跡装置で電気パルスを発生させ、硬貨が他方のフィンガーを通過してドッグを開位置へ押してフィンガーが接触点から離隔するまで、ドッグが閉位置に残存するスイッチ。
【請求項2】
前記接触ハウジングは、導電性のあるフィンガーと対面する一対の接触点を有し、当該フィンガーは、回路を閉じるために前記一対の接触点と接する請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
前記ドックは、開位置の第1ノッチまたは閉位置の第2ノッチに納まるボールによって付勢されている請求項1に記載のスイッチ。
【請求項4】
前記ボールは、ばねにより力を受ける請求項3に記載のスイッチ。
【請求項5】
前記ドッグは、摩擦によりハブに連結される請求項1に記載のスイッチ。
【請求項6】
前記スイッチは、追跡装置へ信号を送る請求項1に記載のスイッチ。
【請求項7】
前記硬貨機構は、ベンダーである請求項6に記載のスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2006−509265(P2006−509265A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−570315(P2003−570315)
【出願日】平成15年2月25日(2003.2.25)
【国際出願番号】PCT/CA2003/000263
【国際公開番号】WO2003/071496
【国際公開日】平成15年8月28日(2003.8.28)
【出願人】(504374399)スマートメク コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】