説明

スキンケア組成物の移動に対抗するバリアシートを有する吸収性物品

フッ素性化学物質を含まないバリアシートを含む吸収性物品。吸収性物品は、身体面と、衣類面と、吸収性コアとを含む。吸収性物品の少なくとも一部分は、吸収性物品上に設けられるスキンケア組成物を含む。吸収性物品は、吸収性物品上におけるスキンケア組成物の視認可能な印又は染みを残すような移動に対して抵抗性を有する、フッ素性化学物質を含まないバリアシートを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、バリアシート上におけるスキンケア組成物の移動に対して抵抗性を有する、バリアシートを含む吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
体液の吸収のために、あらゆる方式及び多様な吸収性物品が周知である。これらの吸収性物品は、体液を吸収するために概して有効であるが、これら吸収性物品の着用に関連する不快感を解決する必要がある。例えば、製品を着用/適用することに伴う摩擦と、経血の着用者の皮膚への付着と、製品表面の着用者の皮膚への付着とにより、着用者に不快感を生ずる。これらの不快感は、皮膚の水和、掻痒、及び皮膚の炎症を通じて、着用者が汚い/不潔な感じを抱く原因となり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、吸収性物品を着用することに関連する不快感を低減するため、吸収性物品上にスキンケア組成物を適用することが望ましい。油系スキンケア組成物は、皮膚を、柔らかくする、滑らかにする、被覆する、潤いを与える、すべすべにする、又は洗浄する、並びに皮膚及び/又は物品のトップシートが汗、糞便、及び/又は経血で濡れることを低減するなど、着用者の皮膚に対して効果を有することが既知である。しかしながら、こうした油系スキンケア組成物は、局部に留まらずに吸収性物品のその他の部分に移動又は移行する傾向がある。例えば、生理用ナプキンのトップシート上のスキンケア組成物は、包装のために折り曲げられる場合に、バックシートへ、又はパンティー固定用接着剤を被覆する剥離紙へと移動して、醜い不快な染みを残す可能性がある。吸収性物品の意図しない部分への油系スキンケア組成物のこの移動又は移行は、吸収性物品の外観及び/又は品質を低下させる場合がある。この移動又は移行は、吸収性物品の全体としての液体吸収力を低減させる場合があり、更には接着剤を劣化させて、吸収性物品が期待通りの機能を果せなくする場合がある。
【0004】
更に、組成物は、物品の他の、意図しない部分上に移動する可能性もある。こうした移動は、物品を審美的に不快にし得る、見苦しい染みを結果としてもたらし得る。
【0005】
従って、吸収性物品に付着されたスキンケア組成物の移動及び/又は移行に対して抵抗性を有する吸収性物品の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、フッ素性化学物質を含まないバリアシートを有する吸収性物品に関する。吸収性物品は、身体面と、衣類面と、吸収性コアとを含む。吸収性物品の少なくとも一部分は、吸収性物品上に設けられるスキンケア組成物を含む。吸収性物品は、視認可能な印又は染みを残すような方式での、バリアシート上におけるスキンケア組成物の移動に対して抵抗性を有する、フッ素性化学物質を含まないバリアシートを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
A.吸収性物品
本明細書で使用するとき、「吸収性物品」とは、身体から排出される様々な滲出物を吸収及び収容するために着用者の皮膚に対して設置される装置を指す。本明細書で使用するとき「使い捨て」とは、一回使用を目的とし、一回の使用後、洗濯する、修復する、ないしは別の方法で吸収性物品として再利用することを企図しない吸収性物品を記載するのに使用される。使い捨て吸収性物品の例には、婦人衛生物品、例えばタンポン、陰唇間装置、生理用ナプキン、及びパンティライナー、おむつ、失禁用ブリーフ、おむつホルダー、トレーニングパンツなどが挙げられる。膣管又は他の身体の空洞部に、膣管又は他の身体の空洞部からの流体の吸収のために挿入される吸収性構造体の任意の種類を指す。基礎的なタンポン構造体は、米国特許第1,926,900号、ハース(Haas)へ1933年9月12日発行;米国特許第1,946,911号、ハース(Haas)へ1934年7月3日発行;及び米国特許第3,322,123号、ギズウォルド(Giswold)らへ1967年5月30日発行、に記載されている。本明細書で使用するとき、「陰唇間吸収性物品」とは、月経時のために、又失禁時のバリアとして、又は月経時且つ失禁時のバリアとして、女性着用者の陰唇間空間の中に挿入可能な吸収装置を指す。好適な陰唇間吸収性物品は、例えば米国特許第5,762,644号、名称「トイレ処分可能陰唇内吸収装置(Toilet-Disposable Absorbent Interlabial Device)」、オズボーン(Osborn)らへ1998年6月9日発行;PCT国際公開特許WO98/29078(PCT Publication No. WO 98/29078)、名称「薄く快適な陰唇間吸収構造(Thin Comfortable Interlabial Absorbent Structure)」、オズボーン(Osborn)らの名前で1988年7月9日公開;米国特許意匠404,814(U.S. Patent Des.404,814)、名称「陰唇内吸収装置(Interlabial Absorbent Device)」、メイヤー(Mayer)へ1999年1月26日発行;米国特許第6,270,486号、名称「陰唇内吸収装置(Absorbent Interlabial Device)」、ブラウン(Brown)らへ2001年8月7日発行、に開示されている。本明細書で使用するとき、「パンティーライナー(panty liner)」又は「パンティライナー(panti-liner)」という用語は、一般に女性がその月経期間中に着用する生理用ナプキンほど嵩高くない吸収性物品を指す。好適な吸収性物品は、例えば、米国特許第4,738,676号、名称「パンティライナー(Pantiliner)」、オズボーン(Osborn)、1988年4月19日発行、に開示されている。本明細書で使用するとき、「おむつ」は、一般に幼児及び失禁症状のある人々が着用し、着用者の胴体下部の周囲に着用される吸収性物品を指す。好適なおむつは、例えば米国特許第3,860,003号、ブエル(Buell)へ1975年1月14日発行、米国特許第5,151,092号、ブエル(Buell)らへ1992年9月29日発行、米国特許第5,221,274号、ブエル(Buell)らへ1993年6月22日発行、及び米国特許第5,554,145号、ロー(Roe)らへ1996年9月10日発行、に開示されている。本明細書で使用するとき、「失禁用物品」とは、それらが成人又は他の失禁症状のある人々によって着用されるか否かにかかわらず、吸収性物品用のパッド、下着、挿入物、吸収性物品用の吸収能力向上物、ブリーフ、ベッドパッドなどを指す。好適な失禁用物品は、例えば、米国特許第4,253,461号、ストリックランド(Strickland)ら、1981年3月3日発行;米国特許第4,597,760号及び第4,597,761号、ブエル(Buell)に発行;上記の米国特許第4,704,115号;米国特許第4,909,802号、アール(Ahr)らに発行;米国特許第4,964,860号、ギプソン(Gipson)ら、1990年10月23日発行、及びPCT国際公開特許WO92/11830(PCT Publication No. WO 92/11830 )ノエル(Noel)ら、1992年7月23日公開、に開示されている。本明細書で使用するとき、「トレーニングパンツ」とは、固定された側面及び脚部開口を有する使い捨て衣類を指す。トレーニングパンツは、着用者の脚を脚部開口へ挿入して、着用者の胴体下部周囲の適所へトレーニングパンツを滑らせることによって、着用者上の適所に設置される。好適なトレーニングパンツは、例えば、米国特許第5,246,433号、ハッセ(Hasse)らへ1993年9月21日発行、に開示されている。
【0008】
本明細書で使用するとき、「身体面」とは、着用者の身体の方に向いて又は隣接して着用されることが意図される、物品又は構成要素の表面を意味する。本明細書で使用するとき、「衣類面」とは、身体面反対側の表面を意味する。本明細書で使用するとき、吸収性物品の「身体接触面」という用語は、着用期間中のある時点で、着用者に接触するいずれかの物品構成要素の一以上の表面である。身体接触面には、使用中に着用者に接触する、トップシート、フラップ、レッグカフ、ウエスト領域、サイドパネル、固定タブなどの部分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0009】
本明細書で使用するとき、「接合した」という用語は、ある要素を他の要素に直接固着することによって、要素を別の要素に直接固定する構成;ある要素を中間部材(類)に固着し、次にその中間部材を他の要素に固着することによって、ある要素を他の要素に間接的に固定する構成;ある要素が別の要素と一体化する構成、即ち、ある要素が他の要素の本質的に一部分である構成を包含する。
【0010】
本明細書で使用するとき、「長手方向」という用語は、生理用ナプキンを着用する場合に、直立着用者を左半身と右半身とに二分する垂直平面にほぼ一直線に並ぶ(例えば、およそ平行になる)、生理用ナプキンの平面内の線、軸、又は方向を指す。本明細書で使用するとき、「横断方向」又は「横方向」という用語は互換して使用可能で、長手方向にほぼ垂直の生理用ナプキンの平面内に存在する線、軸、又は方向を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「移行する」、「移行」、又は「移行している」という用語は、スキンケア組成物が、物質の上を動く又は間に存在する物質を通って浸透することにより、一つの場所から別の場所へ動くことを意味する。
【0012】
スキンケア組成物との関連において本明細書で使用する場合「移動」という用語は、スキンケア組成物が、移行によるのではなく、吸い取り効果によるなど、スキンケア組成物との直接的接触により、吸収性物品の一つの領域から吸収性物品上の別の領域に動くことを指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、「実質的に防止する」とは、大量のスキンケア組成物の、バリアシートの中又は上への移行又は移動を、バリアシートが防ぐことを意味する。スキンケア組成物に対するバリアシートの防止度(即ち、耐久性効果)は、加速移行試験(Accelerated Migration Test)により評価することができる。加速移行試験(Accelerated Migration Test)は、次の工程;(1)バリアシート材料の120×120mmをアルミニウムホイルシートの上に置く工程、(2)トップシート上にスキンケア組成物を含む生理用パッドを、トップシートがバリアシートに面し、直接接触するように、バリアシートに対して設置する工程;(3)生理用パッド上におもりを設置するが、このおもりは少なくとも900g、好ましくは1200g、より好ましくは2000gの重量を有する、工程;(4)移行試験試料(Migration Test Sample)をインキュベーターの中に40±1℃で24時間±1/2時間保持する工程;(5)指定された時間の後、おもりと試験生理用パッドとを、いずれの剪断動作もなく持ち上げることにより取り除く工程;(6)バリアシート上の目視可能な油染みの類などの、スキンケア組成物のいずれかの視認可能な移動を、バリアシートに観測する工程、により実行される。観測時に、試験バリアシート上に目に見える油染みが観測される場合には、スキンケア組成物のバリアシートの、中又は上への移行又は移動が生じており、バリアシートは耐久性について欠陥を有すると評価される。所望により、工程(6)の後に染みがはっきりと視認可能でない場合、もう一つの工程:(7)バリアシートを清潔な暗い表面上に移動する工程、を行うことができる。観測時に、試験バリアシート上における目に見える油染みが観測される場合には、スキンケア組成物のバリアシートの中又は上への移行又は移動が生じており、バリアシートは耐久性について欠陥を有すると評価される。
【0014】
本明細書で使用するとき、「視認可能な移動」という用語は、ヒトの観測者が裸眼(近視、遠視、若しくは正視を補正するために適合された標準的矯正レンズ、又は他の矯正視力を例外とする)により、標準規格の100ワット白熱電球の照度に少なくとも等しい照明の中、1mの距離で、移動したスキンケア組成物を視覚的に識別できるために十分なスキンケア組成物の移動の量を意味する。
【0015】
図1は、着用者の外陰部領域周囲への外部着用に使用される使い捨て吸収性物品の一つの種類である生理用ナプキンを描写している。図1に示されるように、生理用ナプキン20は、主本体部分22と二つの任意フラップ24とを含む。生理用ナプキン20は、二つの表面、身体面20Aと衣類面20Bとを有する。図1は、その身体面20Aから目視する。生理用ナプキン20は、主長手方向中心線Lと主横断方向中心線Tとを有する。主本体部分22は、二つの相隔たる長手方向縁部26、二つの相隔たる横断方向縁部又は終縁部28を有し、これらは一緒になって主本体部分の周囲30を形成する。主本体部分22はまた、第1末端部領域32と第2末端部領域34とを有し、その間に中心領域36が配置されている。生理用ナプキン20の主本体部分22は、相対的に厚い、中間の厚さ、相対的に薄い、又は非常に少なくもある(又は、米国特許第4,950,264号及び第5,009,653号、オズボーン(Osborn)に発行、に記載されるように「極度に薄い」)厚さを包含するいずれの厚さであることもできる。
【0016】
図2は、液体透過性トップシート38と、液体不透過性バックシート40と、トップシート383及びバックシート40の間に位置付けられる複合物としての個々の層44を含み得る吸収性コア42、とを包含する、生理用ナプキン20の主本体部分22の、個々の構成要素を示す。パンティー固定用接着剤82は、剥離ストリップ86により被覆され得る。
【0017】
好適なトップシート38は、織布材料及び不織布材料、孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、ハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、及び熱可塑性スクリムなど広範囲の材料から製造されてもよい。好適な織布材料及び不織布材料は、天然繊維、合成繊維、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせから構成され得る。不織布ウェブは、スパンボンド、カード、湿式載置、メルトブローン、水流交絡、上記の組み合わせ、又は同様なものを包含する多数の既知の技術により製造されてもよい。好適なトップシート38は、米国特許第4,342,314号、ラデル(Radel)らに発行、並びに第4,463,045号、アール(Ahr)らに発行、に従って製造される孔あき成形フィルムを含み、これはオハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のプロクター・アンドギャンブル社(The Procter & Gamble Company)により、ドライ−ウィーブ(DRI-WEAVE)トップシートの生理用ナプキンとして市販されている。こうした孔あきフィルムは、製品番号X−5652として、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products)から得ることができる。トップシート38の身体面は親水性であるか、又はそれを界面活性剤により処理することにより親水性にすることができ、その結果、液体はトップシートを通ってより容易に移動する。こうした界面活性剤は、米国特許第4,950,254号、オズボーン(Osborn)に発行;米国特許第4,988,344号、名称「多層吸収性層を含む吸収性物品(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent Layers)」、ライジング(Reising)らに1991年1月29日に発行、米国特許第4,988,345号、名称「迅速に獲得する吸収性コアを含む吸収性物品(Absorbent Articles with Rapid Acquiring Absorbent Cores)」、ライジング(Reising)に1991年1月29日に発行、に記載されている。
【0018】
バックシート40は、液体に対して不透過性であり、薄いプラスチックフィルム、織布又は不織布材料、ポリマーフィルム、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム、又はフィルムコーティング不織布材料のような複合材料を含むことができる。好適なバックシート40は、約0.012mm(0.5mil)〜約0.051mm(2.0mil)の厚さを有するポリエチレンフィルムである。代表的なポリエチレンフィルムは、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のクロペイ社(Clopay Corporation)によりP18−1401の表記で、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products)によりXP−39385の表記で製造されている。好適な通気性バックシート材料は、米国特許第3,929,135号、トンプソン(Thompson)に発行、に記載されるもののような孔あきフィルムのラミネートであり、これは裏返しにされて、その結果次第に細くなる毛管の小さい方の開口部が、吸収性コア42に面するが、これはエクソン(Exxon)の米国特許第4,777,073号に記載されるもののようにミクロ孔質フィルムに接着剤でラミネートされている。
【0019】
吸収性コア42は、多種多様な大きさと形状(例えば、長方形、楕円形、砂時計形、「T」字形、「I(犬用の骨)」字形、非対称形など)で製造されてもよい。吸収性コアは、いずれかの多種多様な液体吸収性材料、例えば粉砕木材パルプ(エアフェルト)、捲縮セルロース塊;メルトブローンポリマー(コフォーム;化学的に剛化された、変性された又は架橋されたセルロース繊維);合成繊維(捲縮ポリエステル繊維);ピートモス;ティッシュラップ;ティッシュラミネート;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル材料など、これらの混合物を包含してもよい。吸収性コア42の構成及び構造もまた異なってもよい(例えば、変化するキャリバーの区域;中心でより厚くなる輪郭;親水性勾配;吸収性複合物の勾配、超吸収性勾配;より低い平均密度区域、より低い平均坪量区域、獲得区域;又は層)。吸収性コアの大きさ及び総吸収能力は、おむつ、失禁用パッド、パンティライナー、標準の生理用ナプキン、及び夜用生理用ナプキンのような異なる用途に適応するために、並びに幼児から成人までの範囲の着用者に適応するために変化し得る。
【0020】
吸収性コア42は、約52%のセルロース繊維、約20%のバイコンポーネント繊維、約25%の超吸収性ヒドロゲル形成材料の粒子、並びに約3%のラテックス結合剤を含むマルチボンドエアレイド不織布材料を含むことができる。吸収性コア42は、吸収性ゲル材料の粒子を包含して、約150g/m(約125g/yd)の坪量を有し得る。こうしたマルチボンドエアレイド不織布材料は、メルフィン・ハイジーニック・プロダクツ(Merfin Hygienic Products)から製品915000X313として、ロール形態で得られる。
【0021】
吸収性コアは、ダスティング層、ウィッキング若しくは獲得層、又は着用者の快適性を高めるための第2トップシートのような他の吸収性構成要素を含むことができる。獲得構成要素44は、トップシート38と吸収性コア42との間に位置付けられる別の構成要素であってもよいし、それはトップシート38の一部分若しくは吸収性コア42の一部分を含んでもよい。獲得構成要素44は、合成、天然、又は天然と合成繊維の組み合わせとから製造される織布と不織布とを含む、好適ないずれかの材料から製造され得る。獲得構成要素44は、不織布である場合、エアレイド、湿式載置、メルトブローン、スパンボンド、カード、熱接着、エアースルー接着、粉末接着、ラテックス接着、溶剤接着、スパンレース、並びに前述のものの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない多数の異なるプロセスにより製造され得る。
【0022】
獲得構成要素44は、二つの不織布材料のラミネートから構成され得る。最上層は、ワシントン州ワショーガル(Washougal)のファイバーウェブ・ノースアメリカ(Fiberweb, North America)から得られる製品番号065MLPV60U(又は「P−9」)により参照される、22.5g/m(19g/yd)のスパンボンドされているポリプロピレン不織布材料を含むことができる。下に存在する層は、粉末接着とラテックス接着とを使用して熱接着されるマルチボンドエアレイド不織布材料を含むことができる。このマルチボンドエアレイド不織布材料は、約77%のセルロース繊維、約20%の粉末結合剤、並びに約3%のラテックス結合剤(ウェブの各側上に1.5%噴霧される)を含み得、約60g/m(約50g/yd)の坪量を有する。こうしたマルチボンドエアレイド不織布は、カナダのブリティッシュコロンビア州デルタ(Delta)のメルフィン・ハイジーニック・プロダクツ社(Merfin Hygienic Products, Ltd.)から製品番号90830X312として得ることができる。本目的に好適な低密度ラテックスボンドエアレイド材料は、製品番号FG413MHBとして既知の約80g/mの坪量を有する材料であり、ノースカロライナ州マウント・ホーリー(Mt. Holly)のウォーキソフトUSA(Walkisoft, USA)から得られる。
【0023】
トップシート38、バックシート40、及び吸収性コア42は、図1〜3のように層にされた又は「サンドイッチ」構成であってもよいし、包まれた又は「筒(tube)」構成であってもよい。獲得構成要素44を含む図2及び3に示される実施形態では、トップシート38の衣類に面する側は、吸収性コアの身体に面する側に接合されることができる。吸収性コア42が、層状構造である場合、各層44は接合され得る。獲得構成要素44は、吸収性コア42に接合され得る。バックシート40は、吸収性コア42の衣類に面する側に接合され得る。生理用ナプキン20の主本体部分22の構成要素は、接着剤手段、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又は当該技術分野において既知のいずれかの他の好適な取り付け手段又は組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野において既知のいずれかの手段であるとして接合され得る。接着剤の均一な連続層、接着剤の模様付き層、又は接着剤の分離線、らせん、若しくは点の配列を使用してもよい。満足のいくものであることが判明した接着剤は、ミネソタ州セントポール(St. Paul)のH.B.フーラー社(H. B. Fuller Company)により表記HL−1258又はH−2031として製造されている。
【0024】
図1〜3に示される生理用ナプキン20は、上述のように、いずれかの好適な方式で主本体部分22に接合されるフラップ24の任意の対を含む。フラップ24は、主本体部分22の長手方向側縁部26を越えて横方向外方に、それらの近位縁60からそれらの末端縁62まで延びる。図1〜3に示されるように、ラップ24は、トップシート38とバックシート40との伸長部から構成される主本体部分22と一体になっている。しかしながら、フラップ24は、内側に向かってくぼんだ領域又は線により描かれる接合線68のような接合に沿って主本体部分22に接合される別の構成要素を含むことができる。
【0025】
フラップ24は、再審査特許B1 4,589,876(Reexamined Patent No. B1 4,589,876)、名称「生理用ナプキン(Sanitary Napkin)」、ヴァン・ティルブルフ(Van Tilburg)、1993年4月27日再審査証明書(Certificate of Reexamination)発行;米国特許第4,687,478号、名称「フラップを含む成形生理用ナプキン(Shaped Sanitary Napkin With Flaps)」、ヴァン・ティルブルフ(Van Tilburg)、1987年8月18日発行;米国特許第5,389,094号、名称「フラップ及び異なる伸張性の区域を含む吸収性物品(Absorbent Article Having Flaps and Zones of Differential Extensibility)」、ラヴァッシュ(Lavash)ら、1995年2月14日発行;米国特許第5,558,663号、名称「伸張性の区域を含む下着被覆構成要素を含む吸収性物品(Absorbent Article Having Undergarment Covering Components With Zones of Extensibility)」、ワインバーガー(Weinberger)ら、1996年9月24日発行、に記載されるようないずれかの好適な構成であることができる。
【0026】
生理用ナプキン20が着用者に着用される場合に、フラップ24は、着用者の下着の下に折り畳まれる。フラップ24は、典型的には、近位縁60に沿って又は隣接して折り畳まれるか、又は主本体部分22とフラップ24の少なくとも一部分との間にヒンジ70を形成する変形領域を含んでもよい。生理用ナプキン20は、伸張性区域72の少なくとも一つの区域を、フラップ24の上に、それらがパンティの股の周囲に折り畳まれるとき応力を軽減するように含み得る。これらは、PCT国際公開特許WO97/12576(PCT publication WO 97/12576)、名称「変形したヒンジ及び伸張性区域を含むフラップを含む吸収性物品(Absorbent Article Having Flaps With A Deformed Hinge And Zones Of Extensibility)」、1997年4月10日公開、に記載されている。
【0027】
生理用ナプキン20の衣類面20Bは、パンティー固定用接着剤と一般的に呼ばれる中心パッドファスナ82を、着用者の下着の股領域に生理用ナプキンを固定するために包含してもよい。フラップ24は、フラップ24を下着に、又は相対するフラップに、フラップ24の衣類面20B上に設けられているフラップファスナ84により取り付けることにで、適所に維持され得る。接着剤ファスナ及び機械的ファスナ、又はこれらの組み合わせのような当該技術分野において既知のファスナのいずれの種類も使用できる。接着剤ファスナは、スチレンゴム系、スチレンブタジエン系、及びスチレンイソプレン系から成る群から選択されるホットメルト感圧接着剤であることができる。接着剤ファスナを、接着剤が外部表面に使用前に粘着しないように、取り外し可能な剥離ライナー86により被覆してもよい。同様に、生理用ナプキン20は、ベルクロ(VELCRO)、又は米国特許第5,392,498号、名称「非磨耗性の皮膚に優しい機械的ファスニングシステム(Non-Abrasive Skin Friendly Mechanical Fastening System)」、グーレイト(Goulait)らに1995年2月28日発行、のような機械的ファスナにより着用者の下着に固定され得る。
【0028】
スキンケア組成物は、生理用ナプキン20の身体接触面の少なくとも一部分に適用され得る。スキンケア組成物は、生理用ナプキン20の身体接触面のいずれの部分に適用されてもよく、及び/又は生理用ナプキン20の衣類面のいずれの部分に適用されてもよい。幾つかの実施形態では、ファスナの接着剤は、スキンケア組成物により劣化され得るため、スキンケア組成物は、中心パッド接着剤ファスナ82及びフラップ接着剤ファスナ84のような接着剤ファスナに隣接して適用されない。スキンケア組成物は、タンポン、陰唇間吸収性物品、パンティライナー、失禁用物品、幼児用おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁おむつなどを包含するおむつが挙げられるが、これらに限定されない、他の種類の吸収性物品の身体接触面に適用されてもよい。
【0029】
図1に示される実施形態では、スキンケア組成物を、トップシート38の全体又は部分のいずれか、所望であればフラップ24の全体の領域又は部分に適用できる。スキンケア組成物を、生理用ナプキン20の長手方向末端領域92と94とに適用できる。スキンケア組成物は、着用者の陰毛周囲の身体の部分に相当する前側末端領域92と、着用者の肛門周囲の身体の部分に相当する後ろ側末端領域94と、着用者の外陰部周囲の身体の部分に相当する中心領域96とに適用され得る。スキンケア組成物は、他の不連続な構成において、例えば、ローションのストライプ、バンド、又はビーズにおいて適用できる。
【0030】
吸収性物品はバリアシートを含む。バリアシートは、バリアシートを通したスキンケア組成物の移行に、又はバリアシート上へのスキンケア組成物の移動に対して抵抗性を有するシート又は材料である。バリアシートは、スキンケア組成物の視認可能な移動に対して好ましくは抵抗性を有し、その結果、バリアシートがスキンケア組成物と接触する場合、特に、使用前に包装されるときなど長期間接触する場合に、油系スキンケア組成物からの視認可能な染み又は汚れはバリアシート上に現れない。バリアシートは、その上のスキンケア組成物の触知可能な移動及び/又は視認可能な移動の両方に対して抵抗性を有し得る。同様に、バリアシートは、バリアシートを通したスキンケア組成物の移行を実質的に防止することができる。バリアシートは、フラップ接着剤84、中心パッド接着剤82、トップシート38の一部分、又はバックシート40の一部分のような生理用ナプキン20の一部分を被覆するために使用され得る。一つの実施形態では、バリアシートは、中心パッド接着剤又はフラップ接着剤を被覆する剥離紙である。それはまた、吸収性コア42の一部分を被覆するために使用されてもよい。バリアシートは、生理用ナプキン20の全体を被覆する主ラッパーシートの代わりに使用されてもよい。
【0031】
フッ素性化学物質処理をされた紙は、バリアシートとして使用できるが、一つの実施形態では、本発明のバリアシートは、フッ素性化学物質処理されていない紙である。即ち、本発明のバリアシートは、フッ素性化学物質を含まない、又はフルオロポリマーを含まないとして記載されることが可能で、その結果バリアシートはフッ素性化学物質を含まない。フッ素性化学物質の使用により健康にマイナス効果が起こり得るために、こうした実施形態は、婦人衛生物品のような物品に使用するのが好ましい。例えば、婦人衛生物品へのフッ素性化学物質処理は、これらの物質が物品上に、ひいては身体へと移行した場合に起こり得る安全性の問題を提示する可能性がある。こうした物質はまた、環境公害を引き起こす原因となり得る。
【0032】
図5〜10は、バリアシートの生理用ナプキン20への適用の実施形態を示す。実施形態では、生理用ナプキン20は、主ラッパーシート102、中心パッド接着剤カバー106、並びにフラップ接着剤カバー104を包含する幾つかの要素を含むラッパー100により包まれる。これらの要素は、単一部材の一体部分を含むこともできるし、それらは部材に接合される別個の構成要素を含むこともできる。ラッパー100の各要素がバリアシートを構成することも可能で、選択された要素のみがバリアシートを構成することも可能である。
【0033】
主ラッパーシート102は、生理用ナプキン20の全体を被覆することができ、バリアシートとなることができる。主ラッパーシート102(又は「ラッパーシート」)は、生理用ナプキン20の個々のパッケージを設けるために、生理用ナプキン20の周囲に折り畳まれるラッパー100の部分である。図5〜7に示されるように、主ラッパーシート102は、内側表面102F及び外側表面102Eの二つの表面と、長手方向縁部部分102Dと、第1末端部部分102Aと、第2末端部部分102Bとを含む。
【0034】
中心パッド接着剤カバー106は、生理用ナプキン20上に適用されるスキンケア組成物の移動及び移行から、中心パッド接着剤82を保護するバリアシートを含むことも可能である。中心パッド接着剤カバーはまた、スキンケア組成物の移動に対して抵抗し、その結果、カバーは、スキンケア組成物の視認可能な付着を有しない。中心パッド接着剤カバー106は、中心パッド接着剤82を被覆するような大きさである。中心パッド接着剤カバーは、内側表面106Bと相対する表面106Aの二つの表面とを含む。中心パッド接着剤カバー106の相対する表面106Aは、主ラッパーシート102の内側表面に接合され得る。同様に、フラップ接着剤カバー104は、フラップ接着剤84を被覆するための任意の大きさのバリアシートを含むことも可能である。図5及び6に示される実施形態では、フラップ接着剤カバー104は二つの表面を含み、その内の一つは、フラップ接着剤84に剥離可能に取り付けられる非粘着性面(又は剥離可能な面)104Aであり、相対する面若しくは側104Bである。
【0035】
図5〜7に示される実施形態では、フラップ接着剤カバー104も、1対の長手方向縁部部分と、第1末端部部分(固定末端部)104Cと、第2末端部部分(遠位端)104Dとを含む。フラップ接着剤カバー104の第1末端部部分104Cは、主ラッパーシート102の第1末端部部分102Aに隣接して、接着剤103により接合される。フラップ接着剤カバー104の第2末端部部分104Dは、主ラッパーシート102の中心部分102Cに向かって、並びに生理用ナプキン20の中心部分36に向かって延びる。あるいは、フラップ接着剤カバー104は、主ラッパーシート102の部分に接合されなくてもよい。
【0036】
バリアシートが、フラップ接着剤カバー104及び/又は中心パッド接着剤カバー106の代わりに使用される場合、バリアシートの少なくとも一つの表面は、剥離可能であるように処理され得る。フラップ接着剤カバー104Aの非粘着性面及び/又は中心パッド接着剤カバー106Bの内側表面は、剥離可能に処理され得、その結果着用者が生理用ナプキン20をラッパー100から取り出す場合に、カバー104A又は106Bは接着剤から剥離する。剥離処理のために、フラップ接着剤カバー104の非粘着性表面及び/又は中心パッド接着剤カバー106Bの内側表面は、別個の剥離紙又は要素を非粘着性物質で処理されている表面に取り付けることによるか、カバーのすべて又は一部分を非粘着性コーティングにより処理するかにより、設けられ得る。剥離コーティングは、この目的のために当該技術分野において既知であるいずれの物質を含んでもよいが、シリコーンコーティングが好ましい。コーティングが使用される場合、コーティング106は、主ラッパー102の全内側表面102F、又は中心パッド接着剤82に実質的に接触することになる主ラッパーシート102の区域のみをコーティングすることにより設けられてもよい。ラッパーの内側全部をコーティングすることは、米国特許第5,181,610号、名称「非粘着性内部を含む可撓性容器(Flexible Container with Nonstick Interior)」、クイック(Quick)らに1993年1月26日発行、に開示されている。
【0037】
ラッパー100は、生理用ナプキンをラッパー100上におけるいずれかの好適な位置で、その折り畳まれた構成に維持するために任意のパッケージファスナ108を含む。パッケージファスナ108は、接着剤の点又はパッチ、テープ、及び機械的ファスナなど、パッケージに剥離可能に取り付けられると共に再密閉可能である。
【0038】
ラッパー100への生理用ナプキン20の仮包装のために、主本体部分22の衣類面20Bは、主ラッパーシート102の上に設置される。生理用ナプキン20は、中心パッド接着剤82が、主ラッパーシート102上の中心パッド接着剤カバー106の上に存在するように位置付けられる。フラップ24がフラップ24の衣類面上に配置されている接着剤84のパッチを暴露するように、フラップ24がトップシート38の少なくとも一部分を被覆するように、フラップ24を折り畳むことができる。フラップ24をトップシート38の上に折り畳んだ後、生理用ナプキン20と主ラッパーシート102とは、次に、図6に示される折り畳み軸F1及びF2により画定される3つの区分に折り畳まれることになる。
【0039】
図9は、ラッパー100と生理用ナプキン20とを折り畳むことにより形成される生理用ナプキンのための、輸送、販売、並びに着用者による便利な携帯のための構成に、パッケージを描写している。図9では、スキンケア組成物層150が、トップシート38の表面全体にわたって適用されている。主ラッパーシート102はまた、スキンケア組成物の、主ラッパーシート102を通っての外への移動と移行とを防止する。図9に示されるように、主ラッパーシート102の第1末端部部分102Aは、生理用ナプキン20の第1末端部領域32とフラップ接着剤カバー104と共に、第1折り畳み軸F1の周囲に、生理用ナプキン20の中心領域36の上に折り畳まれる。生理用ナプキン20及びラッパー100がこの方式で折り畳まれる場合に、フラップ接着剤カバー104の非粘着性面104Aは、フラップファスナ84の上に設置され、各接着剤パッチ84に剥離可能に取り付けられる。図9に示されるように、生理用ナプキン20の折り畳まれた構成では、フラップ接着剤カバー104は、スキンケア組成物層150に面し、並びにフラップ接着剤84と接着剤103とをスキンケア組成物から実質的に保護する。加えて、フラップ接着剤カバー104は、フラップ24の間をつなぐ各フラップ24間の接続を設け、それによって、フラップ接着剤カバー104が取り外されるまで、フラップ24を所望の位置に保つ。主ラッパーシート102の第2末端部部分102Bは、生理用ナプキン20の第2末端部領域34と、テープタブ108と共に、次に、第2折り畳み軸F2の周囲に折り畳まれる。これは、これらの構成要素を、主ラッパーシート102の第1末端部部分102Aと、生理用ナプキン20の第1末端部領域32との上に設置する。テープタブ108をラッパー100の外部の上に、図9に描写される位置で押し付けることにより、生理用ナプキン20、そのフラップ24、並びにラッパー100は、示される構成において留まる。
【0040】
B.スキンケア組成物
本発明のスキンケア組成物は、保護的非閉塞性機能(protective, non-occlusive function)、身体滲出物中に含有される物質への皮膚の暴露の回避;吸収性物品の身体接触面が着用者の皮膚に接触する領域での皮膚への刺激を低減する表皮剥離最小化の機能;臭気低減;又は直接若しくは間接のいずれかにより送達する剤の含有、スキンケアの利益を設けることができる。間接的利益には、経血、糞便、又は尿のような皮膚刺激物の除去改善が挙げられる。組成物は、多様な形態であってもよく、それには、エマルション、ローション、クリーム、軟膏(ointments)、軟膏(salves)、粉末、懸濁液、カプセル封入、ゲルなどが挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、スキンケア組成物は油系であり、本明細書では、水を実質的に含まないことを意味する。
【0041】
スキンケア組成物は:(1)1以上の皮膚軟化剤(類)、(2)皮膚軟化剤(類)を安定化させるための1以上の不動化剤(類)、(3)1以上のスキンケア活性成分(類)、(4)他の任意構成成分、を含んでもよい。スキンケア組成物の種類、等級、並びに各構成成分の含有量は任意であるが、結果として、この組成物の安全且つ有効な量が吸収性物品の着用者の皮膚上に移動されるように、この組成物が吸収性物品に適用され得るように、少なくとも一つのスキンケア活性成分を包含するスキンケア組成物が調製される。そのため、ローション組成物は、周囲条件下で相対的に不動であり、吸収性物品の着用者接触面上に局在し体温で着用者に容易に移動可能であり、更に過激な貯蔵条件下で完全に液体ではないような製品稠度を有するのが好ましい。換言すれば、ローション組成物は、組成物が通常の接触、着用者の動き、及び/又は身体の熱により皮膚上に容易に移動するように、周囲条件(約25℃)及び/又は体温(約37℃)で、固体又は半固体である。ローション組成物の稠度は、稠度を測定するための透過度計の使用を伴うASTM D5試験方法により測定することができる。典型的には、本発明のローション組成物は、40℃でASTM D5試験方法中に概説された試験手順により測定した場合に、約10〜約300、好ましくは約20〜約250、より好ましくは約30〜約200の稠度を有する。
【0042】
このローション組成物の固体又は半固体の稠度は、所望のローションの利益を付与するために吸収性物品に適用されるべき組成物の相対的に低い濃度を設ける。「半固体」とは、組成物が吸収性物品上の所望の位置に相対的に静止して留まり、並びに物品の望ましくない位置に流動又は移行する傾向がないように、組成物が、擬塑性体又は塑性液体の典型的なレオロジーを有することを意味する。本発明の固体ローション組成物は、同様に特定の位置に留まることができ、物品の望ましくない位置に流動又は移行しない。これらの固体及び半固体のローション組成物は、組成物を物品の意図された位置に局在した状態に保持するのに十分高いが、着用者の皮膚ヘの移動を妨げる程には高くはない粘度を有する。典型的には、固体及び半固体のローション組成物の最終製品は、40℃で、約300Pa(3×10ダイン/cm)の剪断応力条件下(吸収性物品が約40℃の温度条件で貯蔵又は輸送される間の、組成物に適用される剪断応力)で、約1000Pa.s(1.0×10センチポアズ)〜約1E7Pa.s(1.0×1010センチポアズ)の範囲の粘度を有する。
【0043】
しかしながら、固体及び半固体のローション組成物は、結果として組成物の変形をもたらす剪断応力を適用することにより、組成物の皮膚上に移動又は移行できるように流動可能とされ得る。約40℃の温度条件下で吸収性物品の着用の間に少なくとも一度は適用される剪断応力は、典型的には約100kPa(1.0×10ダイン/cm)であり、この剪断応力によりローション組成物は約0.01Pa.s(1.0×10センチポアズ)〜約100Pa.s(1.0×10センチポアズ)の粘度を有する結果となり得る。適用された剪断応力下で、ローション組成物がより低い粘度の値を実現するのは、組成物が固体構成成分を含有する一方で、組成物が液体物質をも含有するという事実によると考えられる。本明細書に記載された吸収性物品着用中に、結果としてローション組成物を着用者の皮膚上へ有効に移動させるように、着用者の皮膚と物品の身体接触面との間に十分な潤滑を得るために低粘度を実現することが望ましい。様々な剪断応力での粘度は、レオメトリックス・インコーポレーション(Rheometrics Incorporation)より入手可能なレオメーター(Rheometer)SR−2000のような当該技術分野において既知のレオメーターを使用して測定することができる。
【0044】
好適なスキンケア組成物の例は、米国特許第5,643,588号、「ローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet)」、ロー(Roe)、ベークス(Bakes)、及びワーナー(Warner)に1997年7月1日発行;並びに米国特許第5,635,191号、「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含有するローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet Containing a Polysiloxane Emollient)」、ロー(Roe)及びマッケイ(Mackey)に1997年6月3日発行;米国特許第5,609,587号、「液状ポリオールポリエステル皮膚軟化剤及び不動化剤を含むローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet Comprising a Liquid Polyol Polyester Emollient and an Immobilizing Agent)」、ロー(Roe)に1997年3月11日発行;米国特許第5,607,760号、「皮膚軟化剤とポリオールポリエステル不動化剤とを含むローションの付いたトップシートを含む使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having a Lotioned Topsheet Containing an Emollient and a Polyol Polyester Immobilizing Agent)」、ロー(Roe)に1997年3月4日発行;米国特許第6,803,496号、名称「皮膚の健康を保持する又は改善するための方法(A Method For Maintaining or Improving Skin Health)」、エルダー(Elder)らに2004年10月12日発行;米国特許第6,710,223号、名称「皮膚の状態を改善するための方法(A Method For Improving Skin Condition)」、ヴァン・ライスワイク(Van Rijswijck)らに2004年3月24日発行;米国特許出願08/908,852、「ローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet)」、ロー(Roe)ら、1997年8月8日出願;米国特許出願10/152,924、「皮膚治療剤の低濃度を含むスキンケア組成物(Skin Care compositions Comprising Low Concentrations of Skin Treatment Agents)」、ウォーレン(Warren)ら、2002年5月21日出願;米国特許出願10/444,241、「疎水性ローションを含む生理用ナプキン(Sanitary Napkins With Hydrophobic Lotions)」、ハモンズ(Hammons)ら、2003年5月23日出願;米国特許出願10/789,967、「疎水性ローションを含む生理用ナプキン(Sanitary Napkins With Hydrophobic Lotions)」、ガット(Gatto)ら、2004年2月27日出願;又は米国特許出願10/992,383、「疎水性ローションを含む生理用ナプキン(Sanitary Napkins With Hydrophobic Lotions)」、ガット(Gatto)ら、2004年2月27日出願、に開示されている。
【0045】
皮膚活性成分:本発明のスキンケア組成物は、皮膚と湿気の多い空気との間の接触の結果として生じ得る皮膚疾患、湿気又は他の身体滲出物に暴露された皮膚から生じ得る長期間にわたる湿ったヒト組織の結果として生じる皮膚疾患、及び/又は皮膚と微生物若しくは細菌媒介物との間の接触から発生する皮膚疾患、の発生を低減及び排除することができる皮膚治療剤の選択された組み合わせの、相対的に低い濃度を含む。「皮膚治療剤の選択された組み合わせ」という語句は、次の組み合わせ:a.ヘキサミジン、酸化亜鉛、ナイアシンアミドと;b.ヘキサミジン(hexamadine)及び酸化亜鉛と;c.ヘキサミジン(hexamadine)及びナイアシンアミド、とを指す。皮膚活性成分の総濃度は、ローション組成物の約0.002重量%〜約20重量%、好ましくは約0.01重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約15重量%の範囲である。
【0046】
本発明のスキンケア組成物は、ヘキサミジン皮膚治療剤を、組成物の約0.001重量%〜約0.1重量%、約0.005重量%〜約0.1重量%、又は、更には約0.01重量%〜約0.1重量%の範囲の濃度で含んでもよい。本明細書に使用するのに好適なヘキサミジン皮膚治療剤には、次の式に一般に適合する芳香族ジアミンが挙げられる:
【化1】

【0047】
これらの芳香族ジアミンは、4,4’−[1,6−ヘキサンジイルビス(オキシ)]ビスベンゼンカルボキシイミドアミド;4,4’−(ヘキサメチレンジオキシ)ジベンズアミジン;及び4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシヘキサンと呼ばれる。ヘキサミジンの最もよく使用される形態は、ヘキサミジン塩の一般的な種類であり、これにはヘキサミジンの、酢酸塩、サリチル酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩、及び塩酸塩が挙げられる。ヘキサミジン塩の具体的な非限定例には、イセチオン酸ヘキサミジン、ジイセチオン酸ヘキサミジン、塩酸ヘキサミジン、グルコン酸ヘキサミジン、及びこれらの混合物が挙げられる。ヘキサミジンイセチオネート及びヘキサミジンジイセチオネートは、ヘキサミジンのβヒドロキシエタンスルホネート塩であり、これは皮膚疾患の予防及び/又は治療における皮膚治療剤として本明細書で使用するのに好ましい。ヘキサミジンジイセチオネートは、本明細書に皮膚治療剤として使用するのに好適な最も好ましいヘキサミジン化合物であり、並びにラボラトリーズ・セロロバイロジクーズ(Laboratories Serolobilogiques)(フランスのプルノイ(Pulnoy))から、コグニス・インコーポレーション(Cognis Incorporation)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))からエラスタブ(ELASTAB)HP100の商標名により入手可能である。
【0048】
本発明の皮膚活性成分は、酸化亜鉛皮膚治療剤を、約0.001%〜約20%、好ましくは約0.005%〜約15%、より好ましくは約0.005%〜約10%の範囲の濃度で含んでもよい。酸化亜鉛皮膚治療剤は、スキンケアの利益を設けるために、個々の又は組み合わされた酸化亜鉛がヘキサミジン及びナイアシンアミド皮膚治療剤と容易に組み合わされ得るという条件のもとに、個々の酸化亜鉛化合物として、又は酸化亜鉛の組み合わせとして組成物中に包含され得る。
【0049】
本明細書に使用するのに好適な酸化亜鉛皮膚治療剤には、式ZnOに適合する無機の白色粉末及び黄色がかった白色粉末が挙げられ、並びにこれはメルクインデックス(Merck Index)の11版、登録10050、1599ページ(1989年)に、より詳細に記載されている。酸化亜鉛の幾つかの特に有用な形態には、約1nm(ナノメートル)〜約10μm(マイクロメートル)、あるいは約10nm〜約1μm、又は更には約20nm〜約500nmの範囲の平均粒度直径で製造され、市販されるものが挙げられる。製品使用中に吸収性物品のトップシートから着用者の身体への酸化亜鉛含有皮膚軟化剤の移動の結果として生じる、望ましくない皮膚又は毛髪の白色化を、上述の相対的に小さいナノ粒子直径サイズの酸化亜鉛の使用が回避することを、驚くべきことに、本発明者は発見している。製品が、パンティーライナー、生理用ナプキン、失禁用ブリーフ、又はその他の吸収性物品である場合は、これは特に有益である。その他の吸収性物品とは、ローション組成物が移動するであろう領域に、毛髪を有する成人により使用されるように意図された吸収性物品である。
【0050】
市販の酸化亜鉛には、商標名ウルトラファイン(ULTRAFINE)350として販売される白色の酸化亜鉛粉末が挙げられ、ニュージャージー州のサウスプレーンフィールド(South Plainfield)所在のコボ・インコーポレーション(Kobo Incorporation)から市販されている。その他の好適な酸化亜鉛物質には、酸化亜鉛とポリヒドロキシステアリン酸のような分散剤とのプレミックスが挙げられ、このプレミックスはユニケマ・インコーポレーション(Uniqema Incorporation)(デラウェア州ウィルミントン(Wilimington))より商標名アーレセル(Arlecel)(登録商標)P100として入手可能であり、酸化亜鉛とイソノニルイソノナノエート分散剤とのプレミックスが挙げられ、これはイケダ・インコーポレーション(Ikeda Incorporation)(ニューヨーク州アイランドパーク(Island Park))より商標名サラコス(Salacos)(登録商標)99として入手可能である。
【0051】
本発明の皮膚活性成分は、ナイアシンアミド皮膚治療剤を、個々のナイアシンアミド又はナイアシンアミドの組み合わせとして、ローション組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.05重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の範囲のナイアシンアミドの総濃度で含んでもよい。ナイアシンアミド皮膚治療剤はスキンコンディショニングの利益を設け、並びに皮膚疾患の抑制における皮膚治療剤の有効性の向上をもたらす。
【0052】
本発明のローション組成物に使用するのに好適なナイアシンアミド皮膚治療剤の非限定例には、ニコチン酸のアミド誘導体であり、一般に次式に適合するナイアシンアミド化合物が挙げられる:
【化2】

【0053】
ナイアシンアミド及びニコチン酸は、ビタミンB及びビタミンBとしても既知であり、一方ナイアシンアミドは活性形態で一般的に使用される。塩誘導体を包含するナイアシンアミド誘導体もまた皮膚治療剤として本明細書に使用するのに好適である。好適なナイアシンアミド誘導体の非限定具体例として、ニコチン尿酸及びニコチニルヒドロキサム酸が挙げられる。
【0054】
ナイアシンアミド皮膚治療剤はまた、酸性化されたナイアシンアミド化合物として組成物中に包含され得る。ナイアシンアミド化合物の酸性化プロセスは、当業者には初歩的なものであり、一つのこうした技術は、ナイアシンアミドをアルコール溶液中に溶解すること、攪拌しながらステアリン酸のような脂肪酸の当モル量を添加すること(例えば一部のナイアシンアミドを2.4部のステアリン酸に混合する)、次いでアルコールが蒸発するまで混合物を空気乾燥することを伴う。ナイアシンアミドの酸性化プロセスに使用できる好適なステアリン酸化合物は、商標名イマーゾール(Emersol)(登録商標)150として販売されるステアリン酸であり、これはコグニス・コーポレーション(Cognis Corporation)より入手可能である。
【0055】
上記のナイアシンアミド化合物の例は、当該技術分野において周知であり、多数の供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(the Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス(St Louis));ICNバイオメディカルズ・インコ−ポレーション(ICN Biomedicals,Incorporation)(カリフォルニア州アービン(Irvin));アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee));EmインダストリーズHHN(Em Industries HHN)(ニューヨーク州ホーソーン(Hawthorne))より市販されている。
【0056】
任意の皮膚活性構成成分:本発明に有用な任意の好適な皮膚治療活性物質の非限定例には、アラントイン;水酸化アルミニウムゲル;カラミン;塩酸システイン;ラセミ体メチオニン;重炭酸ナトリウム;ビタミンC及びその誘導体;セリンプロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパルチルプロテアーゼ、ペプチダーゼ、及びフェニルスルホニルフロオライドを包含するプロテアーゼ抑制剤;リパーゼ;ジエステラーゼを包含するエステラーゼ;ウレアーゼ;アミラーゼ;エラスターゼ;ヌクレアーゼ;グアニジノ安息香酸並びにその塩と誘導体;カモミールを包含する草木抽出物;並びにこれらの混合物が挙げられる。グアニジノ安息香酸並びにその塩と誘導体は、米国特許第5,376,655号(イマキ(Imaki)ら、1994年12月27日発行)に、より詳細に記載されている。これらその他の好適な皮膚治療活性物質は、典型的にはローション組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲の濃度で包含される。
【0057】
その上、ローション組成物に使用するのに既知の又はそれ以外の有効な一以上の任意構成成分が、必須皮膚治療構成成分及びキャリア構成成分と物理的及び化学的に適合性があるか、あるいは製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なわないという条件のもとに、この任意構成成分が包含されてもよい。こうした任意構成成分は典型的には組成物の約0.001重量%〜約20重量%の範囲の濃度で包含され、水、皮膚コンディショニング剤、香料、防臭剤、不透明化剤、収れん剤、防腐剤、乳化剤、皮膜形成剤、安定剤、タンパク質、レシチン、尿素、コロイド状オートミール、pH制御剤、並びに米国の食品医薬品局(FDA)により、21C.F.R.§347のもとでヒトの皮膚への使用について安全であると見なされたその他のモノグラフにある物質といった物質が挙げられる。本発明のローション組成物に使用するその他の任意構成成分には、脂肪若しくは油、又は精油が挙げられる。これらの油は、組成物の約0.0001重量%〜10重量%の範囲の濃度で存在し得、アニス油、バームミント油、ビーバーム油、バーチ油、ビターアーモンド油、ビターオレンジ油、カレンジュラ油、カリフォルニアナツメグ油、キャラウェイ油、カモミール油、桂皮油、クローブリーフ油、丁子油、コリアンダー油、サイプレス油、ユーカリ油、ウイキョウ油、クチナシ油、ゼラニウム油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ヒプティス油、ジュニパー油、キーウィ油、ローレル油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ラビッジ油、マンダリンオレンジ油、ジャコウバラ油、ナツメグ油、オリバナーン(Olibanurn)、オレンジフラワー油、オレンジ油、ペパーミント油、松根油、ローズヒップ油、ローズマリー油、ローズ油、ヘンルーダ油、セージ油、ビャクダン油、サッサフラス油、スペアミント油、スイートマジョラム油、ニオイスミレ油、茶木油、タイム油、ワイルドミント油、セイヨウノコギリソウ油、イランイランノキ油、杏仁油、アボカド油、ババス油、ルリジサ種子油、バター、C12〜Cl酸トリグリセリド、ツバキ油、キャノーラ油、カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸305トリグリセリド、ニンジン油、カシューナッツ油、ヒマシ油、サクランボ種子油(Cherry Pit Oil)、カカオバター、ココヤシ油、タラ肝油、トウモロコシ胚芽油、トウモロコシ油、綿実油、C10〜Clトリグリセリド、月見草油、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレエート、スフィンゴ糖脂質、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、ヒト胎盤脂質、ハイブリッドベニバナ油、ハイブリッドヒマワリ種子油、硬化ヒマシ油、硬化ココヤシ油、硬化綿実油、水素添加C2〜C1トリグリセリド、硬化魚油、水素添加ラード、硬化メンハーデン油、硬化ミンク油、硬化オレンジラフィー油、硬化パーム核油、硬化パーム油、硬化ピーナッツ油、硬化サメ肝油、硬化大豆油、水素添加タロー、315硬化植物油、ラード、ラウリン酸/パルミチン/オレイン酸トリグリセリド、ラノリン及びラノリン誘導体、レスケレラ油(Lesquerella Oil)、マカダミアナッツ油、マレイン酸(Maleated)大豆油、マルラ油、メドウファーム種子油(Meadowfoarn Seed Oil)、メンハーデン油、ミンク油、ワサビノキ油、モルティエレラ油、オレイン酸/リノール酸トリグリセリド、オレイン酸/パルミチン酸(Paimitic)/ラウリン酸/ミリスチン酸/リノール酸トリグリセリド、オレオステアリン、オリーブハスク油(Olive Husk Oil)、オリーブ油、オーネンタル(Ornental)脂質、パーム核油、パーム油、320桃仁油、ピーナッツ油、ペンタデスマバター(Pentadesma Butter)、リン脂質、ピスタチオナッツ油、菜種油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、サメ肝油、シアバター、大豆油、スフィンゴ脂質、ヒマワリ種子油、スイートアーモンド油、トール油、タロー、トリベヘニン、トリカプリン、トリカプリリン、トリヘプタノイン、C10脂肪酸:アラキジン酸、ベヘン酸、カプリン酸、カプロン酸、330カプリル酸、ココナツ酸、トウモロコシ酸(Corn Acid)、綿実酸(Cottonseed Acid)、硬化ココナツ酸、硬化メンハーデン酸(Hydrogenated Menhaden Acid)、水素添加タロー酸(Hydrogenated Tallow Acid)、ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パーム核酸、ペラルゴン酸、リシノール酸、大豆酸、ステアリン酸、タロー酸(Tallow Acid)、ウンデカン酸、ウンデシレン酸、小麦胚芽酸(Wheat Germ Acid)など、並びにこれらの混合物のような物質が挙げられる。本発明において有用であることが見出された具体的な任意のローションコンディショニング剤には、パンテノール、グリセリン、並びにカモミール油が挙げられ、これらは以下に詳細に記載される。
【0058】
パンテノール:包含される場合、パンテノールは典型的には、ローション組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.005重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%を構成する。任意のパンテノールスキンコンディショニング剤は、皮膚組織と皮膚治療剤の相互作用の間と後とに、滑らかな、鎮静する、柔らかい皮膚感触を残し得る皮膚の軟化の利益を設ける。本発明のローション組成物は、単一のパンテノール化合物又はパンテノール化合物の混合物を包含することができる。
【0059】
パンテノールの非限定例には、パントテン酸のアルコール又はエステル誘導体であるパンテノール化合物が挙げられる。パントテン酸は、B複合体系統の一員であり、しばしばビタミンBと呼ばれる。パントテン酸のように、この酸のパンテノールアルコール誘導体は立体異性体として、例えばD(+)形態、L(−)形態、ラセミ化合物、並びにD(+)とL(−)形態の混合物として存在できる。パンテノールの具体例には、D−パンテノール(a.k.a.デクスパンテノール)、並びにdl−パンテノールが挙げられるが、これらに限定されない。パンテノールは、メルクインデックス(Merck Index)の第11版、登録2924、464ページ(1989年)に、より詳細に記載されており、この記載は参考として本明細書に組み込まれる。市販のパンテノールの例には、F.ホフマン・ラロシュ社(F.Hoffman LaRoche,Ltd.)の子会社であるロシュ・ビタミンズ・インコーポレーション(Roche Vitamins Incorporation)(ニュージャージー州ナットレー(Nutley))より入手可能であるD−パンテノールが挙げられる。
【0060】
グリセリン:包含される場合、ローション組成物は、好ましい任意のグリセリン皮膚コンディショニング剤を、ローション組成物の約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.02重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%の範囲の濃度で含む。任意のグリセリンスキンコンディショニング剤はまた、滑らかな、鎮静する、柔らかい皮膚感触といった皮膚の軟化の利益並びにナイアシンアミド皮膚治療剤のための分散剤を設ける。
【0061】
グリセリンは、グリセロール、及び1,2,3−プロパントリオールとも呼ばれるC3一価アルコールである。グリセリン誘導体はまた、本明細書の任意のスキンコンディショニング剤として使用するのにも好適であり、こうした誘導体には、約2〜約16の繰り返しグリセロール部分を含むポリグリセロールが挙げられる。好適なグリセリンスキンコンディショニング剤の具体例は、グリセリン、USPコーシャ(USP Kosher)(登録商標)であり、これはオハイオ州シンシナティ(Cincinnati)所在のプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)から市販されている。
【0062】
カモミール:ローション組成物は好ましい任意のカモミール油を、ローション組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.001重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約2重量%の範囲の濃度で含む。任意のカモミール油スキンコンディショニング剤はまた、鎮静するなどの皮膚への利益を設ける。カモミール油は、カモミールの花の油抽出物として一般的に調製される。市販のカモミール油の例には、フィトコンセントロール(Phytoconcentrol)カモミールが挙げられ、これはドラゴコ・インコーポレーション(Dragoco Incorporation)(ニュージャージー州トトワ(Totowa))より入手可能である。
【0063】
C.身体接触面のスキンケア組成物による処理
スキンケア組成物により処理される製品を調製する際には、印刷、噴霧、コーティング、はけ塗り、押出成形、又はこれらの適用技術の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、粘稠な物質を均一に分配する多用な適用方法のいずれかを使用することができ、それにより、スキンケア組成物は、吸収性物品の身体面表面の少なくとも一部分上において適用される。スキンケア組成物が相対的に疎水性である場合は、下に横たわる吸収性コアに流体を伝達するトップシート能力を確実にするために、スキンケア組成物は、流体経路(例えば、トップシートの開口)の中に分配されなくてもよい。スキンケア組成物は、ストライプ、ドット、円などが挙げられる、コーティングの模様においては適用されてもよい。
【0064】
身体接触面上に配置されている組成物の有効量は、使用される特定のスキンケア組成物、スキンケア組成物が適用される身体接触面部分、及び/又は処理されている吸収性物品の種類に、大幅に依存することになる。典型的には、少なくとも約0.00015mg/cm(0.001mg/インチ)〜約15.5mg/cm(100mg/インチ)、好ましくは約0.0006mg/cm(0.004mg/インチ)〜約11mg/cm(72mg/インチ)、より好ましくは約0.005mg/cm(0.03mg/インチ)〜約6.2mg/cm(40mg/インチ)の組成物が、典型的には吸収性物品を一回につき約3時間使用する間に皮膚に移動されるように、安全且つ有効な量の本発明のローション組成物が吸収性物品に適用される。これらの範囲は単なる例であり、当業者は、組成物の性質が、所望の皮膚の効果を実現するためにその上に配置されるべき濃度を決定することと、こうした濃度は本発明の開示を考慮した日常的な実験により確かめられること、とを認識することになる。
【0065】
吸収性物品は一般に日中は3〜6時間毎に、夜間の保護に1度取り換えられるが、結果として少なくとも安全且つ有効な量の約0.00045mg/cm(0.003mg/インチ)〜約124mg/cm(800mg/インチ)、好ましくは約0.0018mg/cm(0.012mg/インチ)〜約88mg/cm(576mg/インチ)、より好ましくは約0.015mg/cm(0.09mg/インチ)〜約49.6mg/cm(320mg/インチ)のローション組成物が、一日間隔(24時間周期)で投与される。しかしながら、安全且つ有効な量のローション組成物が本明細書に記載された皮膚治療の利益をもたらすために投与されるという条件のもとに、本明細書に記載された吸収性物品を介する本発明のローション組成物の着用者の皮膚上への移動は、一日、数日、数週間、数ヶ月、又は数年の間の適切な間隔で生じ得る。
【0066】
ローション組成物を含有する吸収性物品の使用中に、着用者の皮膚に移動される本明細書に記載されたローション組成物の量を決定する際に、いずれかの好適な方法を使用することができる。ローション組成物の移動量を計算する方法の具体例には、生体内皮膚類似物質の分析を伴うガスクロマトグラフ分析手順と、その他の定量的分析手順とが挙げられる。好適なガスクロマトグラフ手順は、PCT国際公開特許WO99/45973、ドナルドC.ロー(Donald C.Roe)らに1999年9月16日公開、により詳細に記載されている。
【0067】
スキンケア組成物は典型的には、その溶融物から物品に適用される。スキンケア組成物は、周囲温度より大幅に高い温度で溶融し、それは、普通は、加熱されたコーティングとして物品の身体接触面に適用される。温度は、主として、スキンケア組成物の融点、物品の製造プロセス中の温度の低下などの他の要因を考慮して決定される。スキンケア組成物は、物品に適用される前に、多くの場合50℃〜100℃、より多くの場合60℃〜90℃の範囲の温度に加熱される。溶融したスキンケア組成物が物品に適用されたら、固化したコーティング又はフィルムを身体接触面表面上に形成するために冷却及び固化される。適用プロセスは、スキンケア組成物の冷却/配置を助けるように設計される。スキンケア組成物を身体接触面に適用する例は、例えば米国特許第5,643,588号、「ローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet)」、ロー(Roe)、ベークス(Bakes)、並びにワーナー(Warner)に1997年7月1日発行、に記載される;スキンケア組成物により処理される代表的なトップシートは、例えば、米国特許第5,643,588号、「ローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet)」、ロー(Roe)、ベークス(Bakes)、並びにワーナー(Warner)に1997年7月1日発行;及び米国特許第5,635,191号、「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含有するローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet Containing a Polysiloxane Emollient)」、ロー(Roe)及びマッケイ(Mackey)に1997年6月3日発行;米国特許第5,609,587号、「液状ポリオールポリエステル皮膚軟化剤と不動化剤とを含むローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet Comprising a Liquid Polyol Polyester Emollient and an Immobilizing Agent)」、ロー(Roe)に1997年3月11日発行;並びに米国特許第5,607,760号、「皮膚軟化剤とポリオールポリエステル不動化剤とを含むローションの付いたトップシートを含む使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having a Lotioned Topsheet Containing an Emollient and a Polyol Polyester Immobilizing Agent)」、ロー(Roe)に1997年3月4日発行、に記載されている。こうした処理されたトップシートを含む吸収性物品の反復使用を介してスキンケア組成物を送達するための方法は、米国特許第6,803,496号、名称「皮膚の健康を保持する又は改善するための方法(A Method For Maintaining or Improving Skin Health)」、エルダー(Elder)らに2004年10月12日発行;米国特許第6,710,223号、名称「皮膚の状態を改善するための方法(A Method For Improving Skin Condition)」、ヴァン・ライスワイク(Van Rijswijck)らに2004年3月24日発行;並びに米国特許出願08/908,852、「ローションの付いたトップシートを含むおむつ(Diaper Having A Lotioned Topsheet)」、ロー(Roe)らに1997年8月8日出願、に開示されている。スキンケア組成物により処理される代表的なカフは、例えば、米国特許第6,156,024号、出願番号08/766,386、「ローションの付いたレッグカフを含む吸収性物品(Absorbent Articles Having Lotioned Leg Cuffs)」、シュルテ(Schulte)らに2000年12月5日発行;PCT国際公開特許WO98/47546、名称「ポリシロキサン皮膚軟化剤を含有するローションの付いたレッグカフを含む吸収性物品(Absorbent Articles Having Lotioned Leg Cuffs Containing a Polysiloxane Emollient)」、シュルテ(Schulte)ら、1998年10月29日公開;米国特許第6,166,285号、名称「上配置されているスキンケア組成物を含むカフとトップシートとを含む吸収性物品(Abs
orbent Article Having cuffs and Topsheet with Skin Care Composition Disposed Thereon)」、シュルテ(Schulte)らに2000年12月26日発行;米国特許第6,120,488号、名称「上配置されているスキンケア組成物(類)を含むカフとトップシートとを含む吸収性物品(Absorbent Article Having cuffs and Topsheet with Skin Care Composition(s) Disposed Thereon)」、ヴァン・ライスワイク(VanRijswijck)らに2000年9月19日発行、に記載されている。スキンケア組成物により処理される代表的な陰唇間吸収性物品は、例えば米国特許第6,409,713号「皮膚軟化剤処理された陰唇内吸収用具(Emollient-Treated Absorbent Interlabial Device)」、オズボーン(Osborn)らに2002年6月25日発行;米国特許第5,891,126号「ポリシロキサン皮膚軟化剤により処理される陰唇内吸収装置(Absorbent Interlabial Device Treated With A Polysiloxane Emollient)」、オズボーン(Osborn)らに1999年4月6日発行、に開示されている。スキンケア組成物により処理される通気性を有する代表的な吸収性物品は、例えば、米国特許出願第6,107,537号(U.S. Patent Application 6,107,537)、名称「スキンコンディショニングの利益を設ける使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Articles Providing a Skin Condition Benefit)」、エルダー(Elder)らに2000年8月22日発行、に開示されている。
【0068】
D.バリアシート
バリアシートは、スキンケア組成物のそれ自体の上への視認可能な移動に対して抵抗性を有する。バリアシートは、スキンケア組成物の移動に対して抵抗性を有し、その結果、物品がそれ自体の上に折り畳まれる場合など、スキンケア組成物がバリアシートと接触する場合に、油系スキンケア組成物からの視認可能な染み又は汚れがバリアシートの上に見られる。バリアシートは、その上のスキンケア組成物の触知可能な又は視認可能な移動のいずれに対しても抵抗性を有することができる。バリアシートはまた、それを通ってのスキンケア組成物の移行を低減するように処理され得る。
【0069】
バリアシートは、ベースシートを含むことができる。ベースシートは、紙又はフィルムのようないずれかの材料であってもよい。ベースシートは、親水性ポリマー、シリコーン、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を含む組成物により処理されてもよい。ベースシートはまた、フッ素性化学物質、親水性ポリマー、無機粒子、又はこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を含む組成物により処理され得る。一つの実施形態では、ベースシートはフッ素性化学物質を含まない。ベースシートは、いずれの追加的化学処理をせずに、油に対して耐性にするために、パルプから調製することも可能である。
【0070】
バリアシートが接着剤を被覆するために使用される場合には、バリアシートは剥離可能になるように処理することが可能である。この目的のために、バリアシートは、シリコーン、多種多様なフッ素性化学物質、又はこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を含む組成物により処理されてもよい。一つの実施形態では、バリアシートはフッ素性化学物質を含まない。スキンケアローションの移動に対して抵抗性を示すバリアシートの例には、ペーパーテク社(Papertec, Inc)(ニュージャージー州エリザベス(Elizabeth))からの耐油性剥離紙(Greaseproof Release Paper)GR/3786−51、又はセントラル・ナショナル・ゴッテスマン(Central National Gottesman)(ニューヨーク州パーチェス(Purchase))からのノルディック・ペーパー・エコ・ベーク(Nordic Paper Eco Bake)#BP118、又はセントラル・ナショナル・ゴッテスマン(Central National Gottesman)(ニューヨーク州パーチェス(Purchase))からのノルディック・ペーパー・シリドー(Nordic Paper Silidor)1#BP114、又はチャネルド・リソーシーズ・グループ(Channeled Resources Group)(イリノイ州シカゴ(Chicago))からの耐油紙(Greaseproof Paper)#238−2307が挙げられる。バリアは、10g/m〜200g/m、好ましくは15g/m〜100g/m、及びより好ましくは20g/m〜50g/mの坪量であり得る。
【0071】
使用される場合、フッ素性化学物質は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルキルアクリレート、ポリペルフルオロアルコキシ、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリヘキサフルオロイソブチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フルオロアルキル塩、エチレンのコポリマー、プロピレンのコポリマー、又はこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。フッ素性化学物質は、バリアシートのベースシートに、溶液の形態で、又は水、アルコールのような有機溶媒(類)、若しくはそれらの混合物中の分散物の形態で、又は溶融樹脂の形態で適用されてもよい。フッ素性化学物質がベースシートに、溶液又は分散物の形態で適用される場合、それは、例えば(a)ベースシートを溶液又は分散物の中に浸漬して、その後乾燥すること、(b)溶液又は分散物をベースシート上に噴霧し、その後乾燥すること、又は(c)印刷、又ははけ若しくはローラーを用いて塗布し、その後乾燥することによって、ベースシートをコーティングすること、とで適用されてもよい。フッ素性化学物質がベースシートに、溶融樹脂の形態で適用される場合、それは押出ラミネートにより適用されてもよい。バリアシート中に使用され得るフッ素性化学物質には、フルオロアルキル塩、例えば、水中に溶解したフルオロアルキルアンモニウム塩が挙げられる。水中に溶解されたフルオロアルキルアンモニウム塩は、ベルギーのズウェインドレヒト、B−2070、カナダシュトラート11、ハーフェン1005(Haven 1005, Canadastraat 11, B-2070, Zwijndrecht, Belgium)の3Mにより商標名スコッチバン(Scotchban)FC−807Aにより入手可能である。
【0072】
親水性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエチレンビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリエチレンアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエチレンメタクリレート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミド、又はこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。親水性ポリマーは、バリアシートのベースシートに、溶液の形態で、又は水、アルコールのような有機溶媒(類)、若しくはそれらの混合物中の分散物の形態で適用されてもよい。親水性ポリマーがベースシートに、溶液又は分散物の形態で適用される場合、それは、例えば(a)ベースシートを溶液又は分散物の中に浸漬して、その後乾燥すること、(b)溶液又は分散物をベースシート上に噴霧し、その後乾燥すること、又は(c)印刷、又ははけ若しくはローラーを用いて塗布し、その後乾燥することによって、ベースシートをコーティングすること、とで適用されてもよい。親水性ポリマーがベースシートに、溶融樹脂の形態で適用される場合、それは押出ラミネートにより適用されてもよい。バリアシート中に使用され得る一つの親水性ポリマーは、ポリエチレンビニルアセテートであり、並びに19898デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)マーケットストリート(Market Street)1007のデュポン(DuPont)より、エルバックス(ELVAX)の商標名で入手可能である。
【0073】
無機粒子は、カオリン粘土、ベントナイト粘土、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、タルク、シリカ、ヒュームドシリカ、又はこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。それらは、幾つかの結合剤と共にベース紙に適用されてもよい。結合剤は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリエチレンビニルアセテート、ポリアクリレート、ポリエチレンアクリレート、デンプン、トラガカントガム、グアーガム、アラビアガム、カラヤゴム、デキストリン、天然樹脂、熱可塑性ゴム(例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ネオプレンゴム、スチレンゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム)系接着剤、又はこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。結合剤が熱可塑性ゴム系接着剤である場合、無機粒子は、ベースシートに、例えばスーパーカレンダー工法により適用されてもよい。結合剤が水溶性である場合、例えば、印刷することにより、又は無機粒子、結合剤、並びに少量の(20%までの)水から構成されるスラリーをベースシート上にはけ若しくはローラーを用いて塗布することにより、無機粒子はをベースシートに適用しもよい。カオリン粘土、ベントナイト粘土、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、又はこれらの混合物のような無機粒子は、結合剤としての熱可塑性ゴム系接着剤と組み合わされてもよい。
【実施例】
【0074】
本発明の実施例1
バリアシートは、57g/mの坪量を有する、ペーパーテク社(Papertec, Inc)(ニュージャージー州エリザベス(Elizabeth))からの耐油紙(Greaseproof Paper)GR/3786−51であり得る。紙の一つの表面全体はまた、表面が接着剤で剥離可能になるように、シリコーンにより処理される。
【0075】
ウィングとそのトップシートとに適用されたスキンケア組成物を含む生理用ナプキンを3つに折り畳み、40μmの厚さを有する低密度ポリエチレンフィルムから製造された可撓性フィルムラッパーシートを含むパッケージの中に包装することができる。バリアシートは、ウィング上のパンティー固定用接着剤のための接着剤カバー、並びにパッドの主本体上のパンティー固定用接着剤のための中心パッド接着剤カバーとして機能し得る。処理された物品のフラップは、トップシート上に折り畳まれる。主ラッパーシート、フラップ接着剤カバー、中心パッド接着剤カバーが、図5〜9に示されるように組み立てられる。
【0076】
本発明の実施例2
バリアシートは、39g/mの坪量を有する、セントラル・ナショナル・ゴッテスマン(Central National Gottesman)(ニューヨーク州パーチェス(Purchase))からのノルディック・ペーパー・エコ・ベーク(Nordic Paper Eco Bake)#BP118の耐油紙であり得る。バリアシートの一つの表面の一部分が、表面が接着剤で剥離可能になるように、シリコーンにより処理される。
【0077】
ウィングとそのトップシートとに適用されたスキンケア組成物を含む生理用ナプキンを3つに折り畳み、40μmの厚さを有する低密度ポリエチレンフィルムから製造された可撓性フィルムラッパーシートを含むパッケージの中に包装することができる。バリアシートは、ウィング上のパンティー固定用接着剤のための接着剤カバー、並びにパッドの主本体上のパンティー固定用接着剤のための中心パッド接着剤カバーとして機能し得る。処理された物品のフラップは、トップシート上に折り畳まれる。主ラッパーシート、フラップ接着剤カバー、中心パッド接着剤カバーが、図5〜10に示されるように組み立てられる。
【0078】
本発明の実施例3
バリアシートは、41g/mの坪量を有する、セントラル・ナショナル・ゴッテスマン(Central National Gottesman)(ニューヨーク州パーチェス(Purchase))からのノルディック・ペーパー・シリドー(Nordic Paper Silidor)1#BP114の耐油紙であり得る。紙の一つの表面はまた、表面が接着剤で剥離可能になるように、シリコーンにより処理される。
【0079】
ウィングとそのトップシートとに適用されたスキンケア組成物を含む生理用ナプキンを3つに折り畳み、40μmの厚さを有する低密度ポリエチレンフィルムから製造された可撓性フィルムラッパーシートを含むパッケージの中に包装することができる。バリアシートは、ウィング上のパンティー固定用接着剤のための接着剤カバー、並びにパッドの主本体上のパンティー固定用接着剤のための中心パッド接着剤カバーとして機能し得る。処理された物品のフラップは、トップシート上に折り畳まれる。主ラッパーシート、フラップ接着剤カバー、中心パッド接着剤カバーが、図5〜10に示されるように組み立てられる。
【0080】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0081】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0082】
本明細書は、本発明を形成すると見なされる主題を特に指摘し、明確に請求している請求項により結論とするが、本発明は、添付図面と共に示す以下の説明により更に理解できるであろうと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】生理用ナプキンの形態の吸収性物品の一つの実施形態の平面図。
【図2】図1に示される生理用ナプキンの線2−2に沿って取った横断面図。
【図3】フラップの一つの中心部分を通る、図1の線3−3に沿って取った横断面図。
【図4】スキンケア組成物が適用される領域を示す、図1に示される生理用ナプキンの平面図。
【図5】図1に示される生理用ナプキンに関して、開かれた位置でのバリアシートを構成するラッパーの一つの実施形態の平面図。
【図6】生理用ナプキンのトップシートの上に折り畳まれたフラップを含む、図5に示されるラッパーと生理用ナプキンとの平面図。
【図7】図5に示されるラッパーの透視図。
【図8】主ラッパーシートから離れるように折り戻されたフラップ固定用カバーの自由端を含む、図7に示されるラッパーの部分透視図。
【図9】生理用ナプキンを折り畳まれた構成でその中に含む、ラッパーの(中心線に沿った)断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンケア組成物とバリアシートとを含む吸収性物品であって、
前記バリアシートは、フッ素性化学物質を含まず、
前記バリアシートは、前記バリアシート上における前記スキンケア組成物の視認可能な移動に対して抵抗性を有する、ことを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記バリアシートは、前記吸収性物品の一部分を被覆するように配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性物品は接着剤を含み、
前記バリアシートは前記接着剤を被覆するように配置されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記接着剤は、前記吸収性物品の衣類面上に設けられ、
前記バリアシートは、前記吸収性物品の使用前に前記接着剤を被覆し、使用時に取り除かれる、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性物品は外方に延びるフラップを含み、
前記接着剤は、フラップの衣類面の少なくとも一部分上に設けられ、前記吸収性物品が使用される場合に前記フラップを着用者の下着に固定するフラップ接着剤である、請求項3又は4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記スキンケア組成物は、前記吸収性物品の身体面の少なくとも一部分上に設けられ、
前記フラップは、前記吸収性物品の使用前に、前記吸収性物品の前記身体面上に折り畳まれ、
前記バリアシートは前記フラップ接着剤を被覆するように配置されている、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記接着剤は、前記吸収性物品の衣類面の少なくとも一部分上に設けられ、前記吸収性物品が使用される場合に前記吸収性物品を前記着用者の下着に固定するパッド接着剤である、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性物品は、前記吸収性物品を個々に包装するための主ラッパーシートを含み、
前記ラッパーの少なくとも一部分が前記バリアシートを構成する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記バリアシートはベースシートを含み、
前記ベースシートは、親水性ポリマー、シリコーン、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を含む組成物により処理されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−531227(P2008−531227A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558350(P2007−558350)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2006/008975
【国際公開番号】WO2006/099341
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】