説明

スクリーン表示範囲分割方法およびスクリーン表示範囲分割システム、コンピュータプログラム製品

【課題】簡単な操作でスクリーンの表示範囲を複数の表示領域に分割する方法、システム等を提供する。
【解決手段】スクリーン表示範囲分割システム100はスクリーン10を有する電子機器に設けられ、スクリーン10の画素数を検出する検出モジュール2を含む。分割プロセッサ3は分割数nを含む分割命令を受信し表示範囲をメイン表示領域101とn−1個の拡張表示領域102に分割する。メイン及び拡張表示領域101、102で表示範囲の左右に隣り合うものの幅方向の画素数の合計はスクリーン10の幅方向の画素数に等しく、表示範囲の上下に隣り合うものの高さ方向の画素数の合計はスクリーン10の高さ方向の画素数に等しい。表示モジュール5は1以上のアプリケーションの操作インタフェース、ファイルおよび/またはページのうちの2つもしくはそれ以上をメイン及び拡張表示領域101、102の夫々に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示範囲を分割する技術に関する。より詳しくは、ワイドスクリーンに適用可能な表示範囲の分割技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワイドスクリーン型のノートブックコンピュータが市場において非常に一般的になっている。ワイドスクリーンの実面積は同じサイズ(同じ対角長さ)で4:3のアスペクト比を有する従来のスクリーンと比べて非常に大きいというわけではないが、ワイドスクリーンはユーザには比較的大きく見え、標準規格の16:9の映像フォーマットで作成される映画を放映するのに特に適している。
【0003】
文書処理やウェブ閲覧のような別の用途の面では、ワイドスクリーンは従来のスクリーンに比べ、2つのウィンドウを隣同士に表示させるのにより適している。しかしながら、従来のワイドスクリーン型のノートブックコンピュータでは、2つのウィンドウを隣同士に表示させるには、ユーザが手動操作で文書の表示比率を調整したり、ドラッグ操作により表示部分の調整やサイズ変更を行ったりする必要があった。従来のワイドスクリーン型のノートブックコンピュータは、表示範囲の分割やタイル表示を自動で行うことを助けるものではないためである。
【0004】
ディスプレイの表示範囲の分割を目的とする従来技術に関しては、台湾特許公開第200744391号に、複数の画像処理ユニットを使用して、表示する4または16の画像の縮小をそれぞれ実行し、処理された画像データを一時的にメモリ装置に記憶することが開示されている。縮小された画像は特定の決まりにそって表示範囲の予め定められた領域に配置される。例えば、表示範囲が4つのタイル表示領域に分割されるとすれば、1024×768の画素数を有する表示範囲は各々512×384の画素数を有する4つの領域に分割される(高さが2分割、幅が2分割される)。縮小処理後、4つの画像は上左、上右、下左、下右と順に配置され、これにより表示範囲分割の目的が達せられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許公開第200744391号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の技術は単に表示範囲を4または16の標準的なタイル表示領域に分割することに適するもので、通常セキュリティ監視装置のモニタ領域に表示を行うために用いられる。このような技術は、ユーザが必要に応じた分割領域の調整を簡易に行うことや、より多様な表示領域の変更を行うことを可能にするものではない。そのため、前述したワイドスクリーン型のノートブックコンピュータに用いることには適さない。
【0007】
つまり、ノートブックコンピュータ(特にワイドスクリーン型のノートブックコンピュータ)において、容易なユーザ操作で、スクリーンの表示範囲を分割するシステムや方法はなく、ユーザの容易な操作で、ワイドスクリーン型のノートブックコンピュータの特性を生かすシステムや方法を開発する必要が高まっている。
【0008】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は表示範囲を分割する拡張スクリーンのコンセプトに基づいた、スクリーン表示範囲分割方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、表示範囲を分割する拡張スクリーンのコンセプトに基づいた、必要に応じて容易に操作可能なスクリーン表示範囲分割システムを提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、コンピュータに読み込まれて、前述のスクリーン表示範囲分割方法を実行するコンピュータプログラム製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達するための本発明のスクリーン表示範囲分割方法は、スクリーン表示範囲分割システムにより実行される。当該システムは、電子機器のスクリーンの画素数と開いたアプリケーションおよび/またはファイルの情報とを検出する検出モジュールと、前記検出モジュールに接続され、分割を実行する分割プロセッサと、前記電子機器の前記スクリーンと前記分割プロセッサとに接続され、1以上のアプリケーションの1以上の操作インタフェースと1以上のファイルおよび/または1以上のページを表示領域に夫々表示する表示モジュールとを具備する。
【0012】
本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法は、以下のステップを含む。即ち、検出モジュールがスクリーンの画素数p×qを検出するステップと、分割プロセッサが分割数nを含む分割命令を受信し、表示範囲をp×qの画素数を有するメイン表示領域と各々p×q(i=2〜n)の画素数を有するn−1個の拡張表示領域とに、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの前記表示範囲の左から右に隣り合うものの幅方向の画素数の合計がpにほぼ等しく、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの前記表示範囲の上から下に隣り合うものの高さ方向の画素数の合計がqにほぼ等しくなるように分割するステップと、表示モジュールが、表示させる、1以上のアプリケーションの1以上の操作インタフェースと1以上のファイルおよび/または1以上のページのうちの2つまたはそれ以上、を前記メイン表示領域と前記拡張表示領域に夫々表示するステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な操作を通してユーザが迅速に電子機器のスクリーンの表示範囲を複数の表示領域に分割でき、効率性を高めることができる、電子機器、特にワイドスクリーンを備える電子機器におけるヒューマニスティックなスクリーン分割のソフトウェアを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るスクリーン表示範囲分割システムの好適な実施形態を示すシステムブロック図
【図2】本実施形態に係るスクリーン表示範囲分割システムを設けたワイドスクリーン型のノートブックコンピュータを示す概略図
【図3】本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法の好適な実施形態を示すフローチャート
【図4】本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法の好適な実施形態を示すフローチャート
【図5】表示させる内容をユーザ選択できるようにする選択ダイアログボックスインタフェースを示す概略図
【図6】本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法の好適な実施形態を示すフローチャート
【図7】本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法の好適な実施形態を示すフローチャート
【図8】本実施形態のビュー共有機能を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係るスクリーン表示範囲分割システムの好適な実施形態を示す構成ブロック図である。
図2は本実施形態に係るスクリーン表示範囲分割システムを設けたワイドスクリーン型のノートブックコンピュータを示す概略図である。
図3、図4、図6、および図7は本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法の好適な実施形態を示すフローチャートである。
図5は表示させる内容をユーザ選択できるようにする選択ダイアログボックスインタフェースを示す概略図である。
図8は本実施形態のビュー共有機能を示す概略図である。
【0016】
図1、図2に示すように、本発明に係るスクリーン表示範囲分割システム100の好適な実施形態では、スクリーン表示範囲分割システム100がスクリーン10を有する電子機器に設けられる。本実施形態では、システム100は1600×600の画素数を有するスクリーン10を備えるワイドスクリーン型のノートブックコンピュータに設けられるが、本発明の別の実施形態においてこれに限られることはない。システム100はスクリーン10の表示範囲の分割の容易な操作と制御、そして各表示領域に表示させる内容の選択をユーザに可能とするものである。本発明に係るスクリーン表示範囲分割システム100は、検出モジュール2と、分割プロセッサ3と、入力モジュール4と、表示モジュール5と、調整モジュール6とを含む。
【0017】
検出モジュール2は、スクリーン10の画素数と、開いたアプリケーション、開いたファイル、ファイルのページ数を検出する。本実施形態では、検出モジュール2はスクリーン10の画素数を1600×600と検出する。
【0018】
本実施形態の入力モジュール4は、ソフトウェアで生成されたキーアイコン、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、ハードウェアの物理キーを含む。入力モジュール4は、主にユーザ操作を受けて、表示範囲の分割に係る様々な命令を生成する。実際の入力モジュール4の操作は後述する。本発明に係る入力モジュール4は本実施形態に限られず、ソフトウェア/ハードウェアのキーとグラフィカルユーザインタフェースのすべてを含む必要はない。即ちこれらのうちの1つを選択し使用するようにしてもよい。さらに、キーの他、タッチパネル、ダイアル、音声による制御、光による制御、プログラムソフトウェアを用いた自動入力等、既知の様々な指示入力手段が適用可能である。
【0019】
分割プロセッサ3は、入力モジュール4を介してユーザにより与えられた命令に応じて、スクリーン10の表示範囲の分割を行う。スクリーン分割に関連する原則、ロジック、技術的手段については後ほど図3のフローチャートを参照しながら述べる。表示モジュール5は、予め表示するよう定められた、もしくは入力モジュール4を介して選択されたアプリケーション、ファイル、および/またはページを、分割プロセッサ3により表示範囲から分割された表示領域に対応させて順に表示する。調整モジュール6は、ユーザが表示領域のサイズを変更する場合に表示領域の調整に必要なツールおよび制御機能を提供する。これについては後ほど図3のフローチャートを参照しながら詳細を述べる。
【0020】
図1から図3を参照しながら、システム100がノートブックコンピュータにおいて本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法を実行する手順を、システム100のすべての機能が一連の制御手順において示されている例をとって説明する。本発明に係るスクリーン表示範囲分割方法は以下のステップを含む。
【0021】
ステップS10において、スクリーン10の画素数p×qが予め検出される。本実施形態では、p=1600、q=600である。
【0022】
ステップS11において、入力モジュール4は分割命令を受け取り、分割プロセッサ3に分割命令を送信する。分割命令は入力モジュール4の操作を介してユーザにより生成される。実際には、対応する物理キーを1回押下することにより分割命令が生成されてもよいし、あるいはソフトウェア生成された対応するキーアイコンにマウスカーソルを動かして当該アイコンを1回クリックすることにより分割命令が生成されてもよい。
【0023】
ステップS12において、分割プロセッサ3は分割命令に応じて分割演算を開始する。本実施形態では、分割命令を受信した後、分割プロセッサ3は予め定められた分割モードを適用する。これは、スクリーン10の表示範囲を2等分する、即ちメイン表示領域101(本実施形態では左側)と第1拡張表示領域102(本実施形態では右側)を含む左右の表示領域に分割するものである(予め決められた分割数n=2)。予め定められた分割モードは表示範囲を2等分する分割モードであるので、メイン表示領域101はp×qの画素数を有し、p=1600/2=800、q=600である。また第1拡張表示領域102はp×qの画素数を有し、p=1600−800=800、q=600である。
【0024】
ステップS13は、ステップS12と同時に実行される。ステップS13では、ノートブックコンピュータのオペレーションシステムを介して、検出モジュール2が、アクティブなファイルが複数ページを含むか否かをまず検出する。YESであればステップS14が実行され、NOであればステップS15が実行される。
【0025】
ステップS14では、ステップS12、S13が行われた後に、表示モジュール5が、直近に使用されたページと当該ページに続くページをメイン表示領域101と第1拡張表示領域102にそれぞれ表示する。
【0026】
ステップS15では、検出モジュール2が、アクティブなアプリケーションで開かれているファイル数が2つ以上であるか否かを検出する。YESならステップS16が実行され、NOならステップS17が実行される。
【0027】
ステップS16では、表示モジュール5が直近に使用された2つのファイルをメイン表示領域101と第1拡張表示領域102にそれぞれ表示する。
【0028】
ステップS17では、表示モジュール5がアクティブなアプリケーションと直近に開かれたアプリケーションの操作インタフェースをメイン表示領域101と第1拡張表示領域102にそれぞれ表示する。
【0029】
即ち、ユーザが本実施形態に係るキーの操作を行うと、スクリーン10の表示範囲は自動的に分割モードに切り替わり、異なるページもしくはファイルがスクリーン10上で(左右に)隣り合って表示される。アプリケーション(複数の場合を含む)の操作インタフェース、ファイルもしくはページの検出および表示に係る前述のロジックフローは本実施形態を示すための例であり、本発明においてはこれに限られることはない。
【0030】
しかしながら、システム100において予め定められた分割モード、あるいは表示された内容が1度キー操作を行ったユーザの要求に合わない場合、ユーザは、予め定められた期間内で、その後すぐに続けて2度キー操作を行うことにより、図4に示すフローを開始することができる。
【0031】
ステップS21では、入力モジュール4がオプション開始命令を受信する。オプション開始命令は、ユーザによる入力モジュール4の操作を介して生成される。実際には、対応する物理キーを2度押下することによりオプション開始命令が生成されてもよいし、あるいはソフトウェア生成された対応するキーアイコンにマウスカーソルを動かして当該アイコンをダブルクリックすることによりオプション開始命令が生成されてもよい。
【0032】
ステップS22では、入力モジュール4が図5に示すような選択ダイアログボックスインタフェースをスクリーン10上に表示する。選択ダイアログボックスインタフェースは、グラフィカルユーザインタフェースであり、ノートブックコンピュータ上で開かれている複数のアプリケーション、ファイル、および/またはページをユーザ選択のため一覧表示する。また隠れたツールバーやダイナミックズームのような、表示状態に関連する、開いたアプリケーションにおける設定可能なオプションも同様に一覧表示する。
【0033】
ステップS23では、入力モジュール4は分割命令を受け取り、分割命令を分割プロセッサ3に送信する。分割命令は、選択ダイアログボックスインタフェースにおけるオプション選択を介してユーザにより生成される。そのため、分割命令は表示させる(複数もしくは単数の)ページや、(複数もしくは単数の)ファイル、(複数もしくは単数の)アプリケーションと(分割数nを含意する)、表示状態の設定の情報を含んでいる。本実施形態では、分割数は選択されたページ、ファイルやアプリケーションの数と等しいとする。例えば、本実施形態では3つのファイルが選択される。勿論分割数nは任意の2以上の数であってよく、ここで開示するものに限られることはない。
【0034】
ステップS24において、分割プロセッサ3はステップS23で受信した分割命令に応じて分割を開始する。分割命令を受信した後、分割プロセッサ3は、予め定められたルールに基づいて、スクリーン10の表示範囲を800×600の画素数を有し、左に配置されるメイン表示領域(不図示)と、それぞれ800×300の画素数を有し、右上、右下に配置される第1および第2の拡張表示領域(不図示)とに分割する。本実施形態では、上述の予め定められたルールとは以下のようなものである。即ち、n=3の場合、表示範囲は一つの(大きな)メイン表示領域と2つの(小さな)拡張表示領域に分割される。n=4の場合、表示範囲は4つの等サイズの表示領域に分割される。しかしながら、予め定めるルールとは、本発明の別の実施形態においては上述したものに限らない。例えば、表示範囲を異なるサイズの表示領域に分割したり、ランダムに表示範囲を分割したりするものであってもよい。
【0035】
ステップS25において、表示モジュール5は表示させる3つのファイルをメイン表示領域と第1、第2の拡張表示領域に表示する。
【0036】
ユーザが表示領域のサイズの調整をしたい場合は、図6に示されるフローに係る以下のステップを含む調整操作を実行すればよい。調整操作のポイントは相互調整を行うことである。即ち、隣り合う表示領域やウィンドウの間の比率関係をドラッグ操作により変化させることができる。
【0037】
ステップS31において、検出モジュール2は、カーソルが2つの隣り合う表示領域の隣接境界に一致する位置にあることを検出し、この情報を調整モジュール6に送信する。
【0038】
ステップS32において、調整モジュール6は、サイズ変更を示す双方向矢印のような、2つの隣り合う表示領域の隣接境界の位置を調整するためのシンボルにカーソルを変化させる。
【0039】
ステップS33において、当該シンボルが現れ、当該シンボルをマウスでドラッグ操作して2つの隣り合う表示領域のサイズ変更を行うことが可能になる。表示領域の調整のポイントは、2つの隣り合う表示領域の間の比率関係を1度の調整操作で同時に変化させることが可能であり、調整の間以下のステップS35で説明する画素の関係が保たれることである。検出モジュール2はシンボルの位置の検出を続けて行い、シンボルの位置が変わるたびに調整モジュール6に情報を送信する。
【0040】
ステップS34において、調整モジュール6はシンボルの位置の変化に応じて調整命令を生成し、分割プロセッサ3に調整命令を送信する。調整命令は2つの隣り合う表示領域の隣接境界の座標情報を含む。
【0041】
ステップS35において、分割プロセッサ3は、調整命令に応じて2つの隣り合う表示領域のpもしくはqの値を変更する。分割プロセッサ3は表示範囲を以下の原則に基づいて分割する。即ち、メイン表示領域と各拡張表示領域のサイズは調整及び変更が可能であるが、その際にスクリーン10の表示範囲の左から右に隣り合う表示領域の幅方向の画素数の合計はほぼ1600(即ちp)に等しく、スクリーン10の表示範囲の上から下に隣り合う表示領域の高さ方向の画素数の合計は600(即ちq)にほぼ等しく保たれる。
【0042】
ユーザがフルスクリーン表示に戻したい、即ち表示範囲の分割モードを解除したいときは、入力モジュール4の対応する物理キーもしくはソフトウェア生成されたキーを再度操作する。システム100はこの操作を分割モードの解除命令とみなす。
【0043】
加えて、本発明に係るスクリーン表示範囲分割システム100は、図7に示すフローにて実行可能なビュー共有(view−sharing)機能を有するよう構成されていてもよい。
【0044】
ステップS41では、検出モジュール2が、例えば不図示のヒンジ部を利用して(但しこれに限定されない)、スクリーン10がほぼ水平の角度もしくは180度以上の角度で配置されていることを検出すると、分割プロセッサ3はビュー共有機能を実行するための分割命令(分割数n=2)を受信する。本実施形態におけるスクリーン10の配置角の検出は、不図示のセンサを用いて行うことができる。スクリーン10がノートブックコンピュータ本体に対して所定角以上回転しているとき、当該センサはスクリーン10が水平方向にあることを示す信号を検出モジュール2に送信する。スクリーンの配置角の変化を検出する方法は、本発明の別の実施形態においては上記したものに限られず、産業界において既知の方法を用いることができる。
【0045】
ステップS42では、表示モジュール5は、メイン表示領域101と第1拡張表示領域102のそれぞれにアクティブなページを表示し(即ち同じ内容が2つの表示領域に表示される)、第1拡張表示領域102に表示された内容を180度回転させる。本モードでは、第1拡張表示領域102はメイン表示領域101の複製(reproduction)となるよう設定され、メイン表示領域101と連動させて操作することができる。
【0046】
これにより、ユーザと、ユーザと反対側に位置する人間が、スクリーン10の反対側からスクリーン10上で同じ内容のファイルや文書を見ることができ、ユーザがメイン表示領域101の操作を行ったときには、第1拡張表示領域102はメイン表示領域101に同調して応じ、ユーザの反対側に位置する人間が動いたり、位置を変えたりする必要がない。このため、本発明は少人数の会合や会議での使用にも適している。
【0047】
ユーザがビュー共有機能を必要としないときは、入力モジュール4の物理キーあるいはソフトウェア生成されたキーを再度操作すればよい。するとシステム100はこれを分割モードの解除命令とみなす。あるいは、物理キーもしくはソフトウェア生成されたキーを連続して2回操作することで入力モジュール4によりスクリーン10上に選択のための選択ダイアログボックスインタフェースを表示するようにすることもできる。
【0048】
つまり、本発明は電子機器のスクリーンを、当該電子機器のスクリーンのp×qの画素数に基づきメイン表示領域と少なくとも一つの拡張表示領域に分割する拡張スクリーンのコンセプトを実用化するものである。本発明はまた、スクリーンの左から右に隣り合う表示領域の幅方向の画素数の合計がpにほぼ等しく、スクリーンの上から下に隣り合う表示領域の高さ方向の画素数の合計がqにほぼ等しい状態となるよう機能する、設定変更可能な調整機能の事前設定を行うこともできる。このため、本発明はユーザの求めに応じた分割機能の簡易な使用を可能にし、選択可能な様々な分割オプションをユーザに提供するだけでなく、本発明がワイドスクリーンを有する電子機器に適用される場合には、本発明によりユーザが当該電子機器をあたかも2つまたはそれ以上のスクリーンを有するかのごとく使用することもできる。それ故、ワイドスクリーンを有する電子機器の利点を最大限活用して高効率の作業を実現する点で、本発明は特にワイドスクリーンを有する電子機器における使用に適している。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は開示された例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0050】
2………検出モジュール
3………分割プロセッサ
4………入力モジュール
5………表示モジュール
6………調整モジュール
10………スクリーン
41………選択ダイアログボックスインタフェース
100………システム
101………メイン表示領域
102………拡張表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンの表示範囲を分割するスクリーン表示範囲分割方法であって、
前記スクリーンの画素数p×qを検出するステップと、
分割数nを含む分割命令を受信するステップと、
前記スクリーンの前記表示範囲を、p×qの画素を有するメイン表示領域と、夫々p×q(i=2〜n)の画素を有するn−1個の拡張表示領域とに、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの表示範囲の左から右に隣り合うものの幅方向の画素数の合計がpとほぼ等しく、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの表示範囲の上から下に隣り合うものの高さ方向の画素数の合計がqとほぼ等しくなるよう分割するステップと、
表示させる、1以上のアプリケーションの1以上の操作インタフェースと1以上のファイルおよび/または1以上のページのうちの2つもしくはそれ以上、を前記メイン表示領域および前記拡張領域の夫々に表示するステップと、
を具備することを特徴とするスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項2】
アクティブなファイルが複数のページを含んでいるか否か、アクティブなアプリケーションの複数のページが開かれているか否か、複数のアプリケーションが開いているか否かを検出する予め定められたロジックに基づいて、1以上のアプリケーションの1以上の操作インタフェースと1以上のファイルおよび/または1以上のページのうちの2つもしくはそれ以上、について表示させるための有効性を検出するステップと、
前記検出した結果より有効であるものを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域の夫々に表示するステップと、
を更に具備することを特徴とする請求項1記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項3】
前記検出するステップ及び前記表示するステップは、
前記アクティブなファイルが複数のページを含んでいるか否かを検出し、
前記アクティブなファイルが複数のページを含んでいる場合、前記複数のページを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域に夫々表示し、
前記アクティブなファイルが複数のページを含んでいない場合、前記アクティブなアプリケーションの複数のファイルが開かれているか否かを検出し、
前記アクティブなアプリケーションの複数のファイルが開かれている場合、前記アクティブなアプリケーションの前記複数のファイルを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域に夫々表示し、
前記アクティブなアプリケーションの複数のファイルが開かれていない場合、前記アクティブなアプリケーションと直近に開かれたアプリケーションを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域に夫々表示するロジックにより実行されることを特徴とする請求項2記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項4】
前記分割命令は、表示させる、前記1以上のアプリケーションの前記1以上の操作インタフェースと前記1以上のファイルおよび/または前記1以上のページ、のうちの2つもしくはそれ以上、を特定するものであることを特徴とする請求項1記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項5】
前記分割命令を受信する前に、
オプション開始命令を受信するステップと、
前記オプション開始命令を受信したことに応じて選択ダイアログボックスインタフェースを表示するステップと、
を含み、
前記選択ダイアログボックスインタフェースは、開いたアプリケーションの操作インタフェース、ファイル、ページのうちの複数を選択のため一覧表示し、
前記分割命令は、前記選択ダイアログボックスインタフェースに選択のため提示された開いたアプリケーションの操作インタフェース、ファイル、ページのうちの複数から選択されたものを特定するものであることを特徴とする請求項4記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項6】
前記オプション開始命令は、物理キーおよび仮想キーのうちの1つを続けて2度操作することにより生成されることを特徴とする請求項5記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項7】
前記選択ダイアログボックスインタフェースは、更に、表示状態に関して設定可能なオプションを一覧表示することを特徴とする請求項5記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項8】
前記分割命令は、物理キーおよび仮想キーのうちの1つを1度操作することにより生成され、予め定められた分割数nを含み、n=2であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項9】
前記分割命令に含まれる前記分割数nは2に予め定められ、
前記表示範囲は前記メイン表示領域と1つの拡張表示領域に分割され、
前記メイン表示領域と前記拡張表示領域は同じ内容を表示し、
前記拡張表示領域に表示される内容は、前記メイン表示領域に表示される内容に対し180度回転されるものであることを特徴とする請求項1記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項10】
前記拡張表示領域に表示する内容の回転は、前記スクリーンの配置角がほぼ水平であることを検出したことに伴う前記分割命令を受信すると開始されることを特徴とする請求項9記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項11】
前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で隣り合うもののpもしくはqの値を変更する調整命令を受信するステップを更に具備し、
前記調整命令は、カーソルの位置が前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で隣り合うものの隣接境界に一致することを検出し、前記カーソルを前記隣接境界の位置が調整可能であることを示すシンボルに変化させ、前記シンボルの位置を検出し、前記シンボルの位置の変化に基づく前記調整命令を生成することで、生成されるものであることを特徴とする請求項1記載のスクリーン表示範囲分割方法。
【請求項12】
スクリーンを有する電子機器に備えられるよう適合されるスクリーン表示範囲分割システムであって、
前記電子機器の前記スクリーンの画素数p×qを検出する検出モジュールと、
前記検出モジュールと接続し、分割数nを含む分割命令を受信し、前記スクリーンの前記表示範囲を、p×qの画素を有するメイン表示領域と、夫々p×q(i=2〜n)の画素を有するn−1個の拡張表示領域に、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの前記表示範囲の左から右に隣り合うものの幅方向の画素数の合計がpとほぼ等しく、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの前記表示範囲の上から下に隣り合うものの高さ方向の画素数の合計がqとほぼ等しくなるよう分割する分割プロセッサと、
前記スクリーンと前記分割プロセッサと接続し、表示させる、1以上のアプリケーションの1以上の操作インタフェースと1以上のファイルおよび/または1以上のページのうちの2つもしくはそれ以上、を前記メイン表示領域および前記拡張領域の夫々に表示する表示モジュールと、
を具備することを特徴とするスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項13】
前記検出モジュールは、更に、アクティブなファイルが複数のページを含んでいるか否か、アクティブなアプリケーションの複数のファイルが開かれているか否か、複数のアプリケーションが開いているか否かを検出する予め定められたロジックに基づいて、表示させる、前記電子機器で実行している1以上のアプリケーションの1以上の操作インタフェースと1以上のファイルおよび/または1以上のページのうちの2つもしくはそれ以上、について表示させるための有効性を検出し、
前記表示モジュールは、前記検出した結果より有効であるものを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域の夫々に表示することを特徴とする請求項12記載のスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項14】
前記検出モジュールと前記表示モジュールは夫々、
前記アクティブなファイルが複数のページを含んでいるか否かを検出し、
前記アクティブなファイルが複数のページを含んでいる場合、前記複数のページを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域に夫々表示し、
前記アクティブなファイルが複数のページを含んでいない場合、前記アクティブなアプリケーションの複数のファイルが開かれているか否かを検出し、
前記アクティブなアプリケーションの複数のファイルが開かれている場合、前記アクティブなアプリケーションの前記複数のファイルを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域に夫々表示し、
前記アクティブなアプリケーションの複数のファイルが開かれていない場合、前記アクティブなアプリケーションと直近に開かれたアプリケーションを前記メイン表示領域と前記拡張表示領域に夫々表示するロジックにより検出と表示を実行することを特徴とする請求項13記載のスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項15】
ユーザにより分割命令を入力する入力モジュールを更に具備し、
前記入力モジュールは、前記電子機器の表面に設けられるよう適合される物理キーと前記スクリーンに表示される仮想キーのうちの1つを含むことを特徴とする請求項12記載のスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項16】
前記入力モジュールは、前記スクリーンに表示する選択ダイアログボックスインタフェースを更に含み、
前記選択ダイアログボックスインタフェースは、開いたアプリケーションの操作インタフェース、ファイル、ページのうちの複数を選択のため一覧表示し、
前記分割命令は、前記選択ダイアログボックスインタフェースで選択のため提示された開いたアプリケーションの操作インタフェース、ファイル、ページのうちの複数から選択されたものを特定するものであることを特徴とする請求項15記載のスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項17】
前記選択ダイアログボックスインタフェースは、更に、前記アプリケーションにおける、表示状態に関して設定可能なオプションを一覧表示することを特徴とする請求項16記載のスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項18】
前記検出モジュールは前記スクリーンの配置角がほぼ水平であるか否かを更に検出し、
前記スクリーンの配置角がほぼ水平である場合、
前記分割プロセッサにより受信される分割命令に含まれる前記分割数nが2に予め定められ、
前記表示範囲は前記メイン表示領域と1つの拡張表示領域とに分割され、
前記メイン表示領域と前記拡張表示領域は同じ内容を表示し、
前記拡張表示領域に表示される内容は、前記メイン表示領域に表示される内容に対し180度回転されるものであることを特徴とする請求項12記載のスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項19】
前記検出モジュールと前記分割プロセッサに接続される調整モジュールを更に具備し、
前記検出モジュールは、カーソルの位置が前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で隣り合うものの隣接境界に一致することを検出すると、前記調整モジュールに情報を送信し、
前記調整モジュールは、前記送信された情報に応じて、前記カーソルを前記隣接境界の位置が調整可能であることを示すシンボルへ変化させるよう制御し、
前記調整モジュールは、前記検出モジュールにより送信された情報より前記調整モジュールが定めた前記シンボルの位置のその後の変化に基づく調整命令を生成して、前記調整命令を前記分割プロセッサに送信し、
前記分割プロセッサは、前記調整命令に基づき、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で隣り合うもののpもしくはqの値を変更することを特徴とする請求項12記載のスクリーン表示範囲分割システム。
【請求項20】
コンピュータに前記コンピュータのスクリーンの表示範囲を分割するスクリーン表示範囲分割方法を実行させるプログラム命令により構成されるコンピュータプログラム製品であって、
前記スクリーンの表示範囲分割方法は、
前記スクリーンの画素数p×qを検出するステップと、
分割数nを含む分割命令を受信するステップと、
前記スクリーンの前記表示範囲を、p×qの画素数を有するメイン表示領域と、夫々p×q(i=2〜n)の画素数を有するn−1個の拡張表示領域とに、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの表示範囲の左から右に隣り合うものの幅方向の画素数の合計がpとほぼ等しく、前記メイン表示領域と前記拡張表示領域で前記スクリーンの表示範囲の上から下に隣り合うものの高さ方向の画素数の合計がqとほぼ等しくなるよう分割するステップと、
表示させる、1以上のアプリケーションの1以上の操作インタフェースと1以上のファイルおよび/または1以上のページのうちの2つもしくはそれ以上、を前記メイン表示領域と前記拡張表示領域の夫々に表示するステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
前記分割命令に含まれる前記分割数nは2に予め定められ、
前記表示範囲は前記メイン表示領域と1つの拡張表示領域とに分割され、
前記メイン表示領域と前記拡張表示領域は同じ内容を表示し、
前記拡張表示領域に表示される内容は、前記メイン表示領域に表示される内容に対し180度回転されるものであることを特徴とする請求項20記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
前記スクリーンは4:3よりも大きなアスペクト比p:qを有するものであることを特徴とする請求項20記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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