説明

スケジュ−ル共有管理システム、サーバ装置及びそれらに用いるスケジュ−ル共有管理方法

【課題】 複数のメンバーが同じスケジュールを共有可能とし、スケジュールの立案者がスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻や定期アラームの発動間隔を設定可能なサーバ装置を提供する。
【解決手段】 サーバ装置(1)は、スケジュールの立案者の通信端末から送られてきたスケジュールデータをスケジュールへの参加予定のメンバーの通信端末に配信する配信手段(11)と、メンバーの通信端末からのスケジュールデータを受け入れたか否かの通知に基づいてメンバーの参加の有無を確認する確認手段(12)と、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期アラームの発動間隔を少なくとも含む立案者の通信端末からのスケジュールデータに基づいて確認手段で参加が確認されたメンバーの通信端末へのアラームの配信を行う管理手段(13)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスケジュ−ル共有管理システム、サーバ装置及びそれらに用いるスケジュ−ル共有管理方法に関し、特にメンバー間で共有するスケジュールを管理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連するスケジュール管理技術では、スケジュ−ルを共有するメンバーがいても、スケジュ−ル管理を個人々が持つ通信端末のスケジュ−ル機能に予定や目的とする場所、スケジュ−ルの開始時刻や予告アラ−ムの開始時間を設定している。この場合、スケジュ−ルを共有するメンバーは、自ら設定した予告アラ−ムの開始時間から場所への移動を開始し、開始時間を気にかけながら目的場所へ集ることとなる。
【0003】
この種のスケジュール管理に関しては、携帯情報端末が取得した位置情報とスケジュール情報に関連する位置情報とを比較して行動予定との差異を通知する方法(例えば、特許文献1参照)、移動携帯端末が取得した現在位置がスケジュールに係る適用エリアに入った時にスケジュールの内容を通知する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−078944号公報
【特許文献2】特開2005−223782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、スケジュ−ルに設定する内容は、集合場所がメモ書き、予告アラ−ムを開始する時間等、個人でさまざまである。そのため、スケジュ−ルを立案した者は、参加を予定したメンバーが本当に集合場所に向かっているかどうかを確認するのに、メンバー一人一人に電話をかけたり、メ−ルをするといった手間を労さなければ、全員の状況を知る手段がない。
【0006】
また、集合場所へ集まるメンバー達も、これから向かおうとする場所がどこであるかや、他のメンバーが何人集まっているかといった情報を得るには同様に個々に調べる必要がある。
【0007】
上記のように、気の合う仲間同士の集まりごとでは、とかくなじみの店に行く場合を除くと、場所を勘違いしたり、集まりごとの開始日時を誤っていたりする等して、なかなか会の主催者が計画したように人が集まってくれないことが多い。
【0008】
特に、時間に遅れているような場合、自分の状況を教えたくてもそれができないことがあったり、連絡相手をたまたま携帯端末の電話帳に登録してなくて連絡ができない状況で、主催者や仲間の顔を思い浮かべながら集合場所へ移動するといったシュチエーションは誰しも経験している。
【0009】
尚、上記の特許文献1,2に記載のスケジュール管理技術でも、やはり、スケジュ−ルを立案した者が、参加を予定したメンバーが本当に集合場所に向かっているかどうかを確認するのに、メンバー一人一人に電話をかけたり、メ−ルをするといった手間を労さなければ、全員の状況を知る手段がない。
【0010】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、複数のメンバーが同じスケジュールを共有することができ、スケジュールの立案者がスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻や定期アラームの発動間隔を設定することができるスケジュ−ル共有管理システム、サーバ装置及びそれらに用いるスケジュ−ル共有管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるスケジュ−ル共有管理システムは、
スケジュールの立案者の通信端末と、
前記スケジュールへの参加予定のメンバーの通信端末と、
前記立案者の通信端末から送られてきたスケジュールデータを前記メンバーの通信端末に配信する配信手段と、前記メンバーの通信端末からの前記スケジュールデータを受け入れたか否かの通知に基づいて前記メンバーの参加の有無を確認する確認手段と、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期アラームの発動間隔を少なくとも含む前記立案者の通信端末からのスケジュールデータに基づいて前記確認手段で参加が確認された前記メンバーの通信端末へのアラームの配信を行う管理手段とを含むサーバ装置とを備えている。
【0012】
本発明によるサーバ装置は、スケジュールの立案者の通信端末から送られてきたスケジュールデータを前記スケジュールへの参加予定のメンバーの通信端末に配信する配信手段と、前記メンバーの通信端末からの前記スケジュールデータを受け入れたか否かの通知に基づいて前記メンバーの参加の有無を確認する確認手段と、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期アラームの発動間隔を少なくとも含む前記立案者の通信端末からのスケジュールデータに基づいて前記確認手段で参加が確認された前記メンバーの通信端末へのアラームの配信を行う管理手段とを備えている。
【0013】
本発明によるスケジュ−ル共有管理方法は、
サーバ装置に、
スケジュールの立案者の通信端末から送られてきたスケジュールデータを前記スケジュールへの参加予定のメンバーの通信端末に配信する配信ステップと、
前記メンバーの通信端末からの前記スケジュールデータを受け入れたか否かの通知に基づいて前記メンバーの参加の有無を確認する確認ステップと、
スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期アラームの発動間隔を少なくとも含む前記立案者の通信端末からのスケジュールデータに基づいて前記確認ステップで参加が確認された前記メンバーの通信端末へのアラームの配信を行う管理ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、複数のメンバーが同じスケジュールを共有することができ、スケジュールの立案者がスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻や定期アラームの発動間隔を設定することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明の概念について説明する。本発明では、一つのスケジュールをグループのメンバーが共有することで、参加メンバー全員に対して同じアラームを通知することが可能となり、数人が予定を勘違いするといったことが発生しなくなる。
【0016】
また、本発明では、GPS(Global Positioning System)を用いて定期的に参加メンバーの状況や目的地での状況を自動的に通知することで、参加メンバーの安否を知る手段にもなり、スケジュールの立案者も参加メンバーも安心して目的地へ行くことができる。
【0017】
つまり、本発明は、通信端末でのスケジュ−ルを共有するメンバーが、指定した日時と場所へ計画通りに集まるために、位置情報の差分による直線距離や、その距離から概算される所要時間、地図上での位置、メンバーへのメッセ−ジや連絡手段等を提示して、メンバーを支援することを特徴とする。
【0018】
次に、図1を参照して本発明について説明する。図1は本発明によるサーバ装置の構成例を示すブロック図である。図1において、本発明によるサーバ装置1は、スケジュールデータ配信部11と、スケジュール参加確認部12と、スケジュール管理部13とを備えている。
【0019】
スケジュールデータ配信部11は、スケジュ−ルの立案者[通信端末(発信側)]からスケジュ−ルデ−タが送られてくると、そのスケジュ−ルデ−タを、スケジュ−ルを共有させたいメンバー[通信端末(受信側)]へ配信する。スケジュール参加確認部12は、メンバー[通信端末(受信側)]からそのスケジュールを受け入れたことが通知されるか否かに応じて当該メンバーのスケジュ−ルへの参加の有無を確認する。
【0020】
スケジュール管理部13は、スケジュ−ルの立案者[通信端末(発信側)]からのスケジュ−ルデ−タ内の集合場所の指定や予告アラ−ムの指定に応じて、つまりスケジュ−ルの立案者が設定している時間に応じて、スケジュールの管理、つまり集合場所と個々の通信端末の位置情報とに基づいたメンバーの状況の管理や予告アラ−ムの発動の管理を行う。これによって、本発明では、メンバーに対して同時にスケジュ−ルデ−タや予告アラームを通知することが可能となる。
【0021】
サーバ装置1は、個々の通信端末の位置情報の取得を予告アラ−ム発動と共に開始し、個々の通信端末の位置情報を予告アラ−ムやメッセ−ジの発動に連動して、スケジュ−ル情報登録用のデ−タベ−ス(図示せず)に記録する。また、サーバ装置1は、スケジュ−ルの立案者[通信端末(発信側)]やメンバー[通信端末(受信側)]から発信されたメッセ−ジをメッセ−ジデ−タベ−ス(図示せず)に記録する。
【0022】
これら2つのデ−タベ−スは、サーバ装置1内において地図情報サ−ビス(図示せず)の情報と連動させることによって、スケジュ−ルの立案者と、スケジュ−ルを共有するメンバーとが地図情報サ−ビスへ接続すると、互いの位置や、直線での距離、発信したメッセ−ジ等を相互に確認することが可能となり、メンバーの足を計画的に目的地へ運ばせるための情報支援が可能となる。
【0023】
上述したように、本発明では、上記の構成及び動作によって、複数のメンバーが同じスケジュールを共有することができ、スケジュールの立案者がスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻や定期アラームの発動間隔を設定することができる。
【0024】
図2は本発明の実施の形態によるサーバ装置の構成例を示すブロック図である。図2において、本発明の実施の形態によるサーバ装置1は、スケジュールデータ配信部11と、スケジュール参加確認部12と、スケジュール管理部13と、通信端末位置情報取得部14と、メッセージデータベース15と、スケジュ−ルデ−タベ−ス16と、地図情報サ−ビス部17とを備えている。
【0025】
スケジュールデータ配信部11は、スケジュ−ルの立案者[通信端末(発信側)]からスケジュ−ルデ−タが送られてくると、そのスケジュ−ルデ−タを、スケジュ−ルを共有させたいメンバー[通信端末(受信側)]へ配信する。スケジュール参加確認部12は、メンバー[通信端末(受信側)]からそのスケジュールを受け入れたことが通知されるか否かに応じて当該メンバーのスケジュ−ルへの参加の有無を確認する。
【0026】
スケジュール管理部13は、スケジュ−ルの立案者からのスケジュ−ルデ−タ内の集合場所の指定や予告アラ−ムの指定に応じて、つまりスケジュ−ルの立案者が設定している時間に応じて、スケジュールの管理、つまり集合場所と個々の通信端末の位置情報とに基づいたメンバーの状況の管理や予告アラ−ムの発動の管理を行う。これによって、本実施の形態では、メンバーに対して同時にスケジュ−ルデ−タや予告アラームを通知することが可能となる。
【0027】
スケジュール管理部13は、通信端末位置情報取得部14による個々の通信端末の位置情報の取得を予告アラ−ム発動と共に開始させ、個々の通信端末の位置情報を予告アラ−ムやメッセ−ジの発動に連動して、スケジュ−ルデ−タベ−ス16に記録する。また、スケジュール管理部13は、スケジュ−ルの立案者[通信端末(発信側)]やメンバー[通信端末(受信側)]から発信されたメッセ−ジをメッセ−ジデ−タベ−ス15に記録する。
【0028】
スケジュール管理部13は、これら2つのデ−タベ−スを地図情報サ−ビス部17の情報と連動させることによって、スケジュ−ルの立案者[通信端末(発信側)]と、スケジュ−ルを共有するメンバー[通信端末(受信側)]とが地図情報サ−ビス部17へ接続すると、互いの位置や、直線での距離、発信したメッセ−ジ等を相互に確認することが可能となり、メンバーの足を計画的に目的地へ運ばせるための情報支援が可能となる。
【0029】
図3は本発明の実施の形態によるスケジュ−ル共有管理システムの構成例を示すブロック図である。図3において、本発明の実施の形態によるスケジュ−ル共有管理システムは、スケジュ−ルをメンバーへ発信する通信端末(発信側)(以下、発信端末とする)2と、スケジュ−ル受信する通信端末(受信側)(以下、受信端末とする)3と、網中継基地局サ−バ1aとから構成されている。尚、網中継基地局サ−バ1aは、上記のサーバ装置1を網中継基地局内に設置したものであり、網中継基地局外に設置してもよく、これに限定されない。
【0030】
発信端末2及び受信端末3は、本発明によるメンバーとの間でスケジュ−ルを共有するスケジュ−ラ211,311と、スケジュ−ルデ−タを共有するメンバーの名前や電話番号、メ−ルアドレスを持つアドレス帳212,312と、メンバーへメッセ−ジを送るためのメッセ−ジ発信部213,313と、GPSを使って集合場所や自分の位置情報等を取得する位置情報取得部214,314と、地図情報サ−ビス部17から集合場所の位置情報を取得したり、地図情報サ−ビス部17を介してメンバーの位置情報や連絡先等を確認するためのインタネット利用部215,315とからなる機能群21,31を備えている。
【0031】
網中継基地局サ−バ1aは、発信端末2から発信されたスケジュ−ルデ−タを登録するスケジュ−ルデ−タベ−ス16と、発信端末2及び受信端末3から発信されたメッセ−ジを保存するメッセ−ジデータベース15とを備え、これら2つのデータベースを地図情報サ−ビス部17の情報と連動させている。
【0032】
また、本実施の形態におけるメンバーとスケジュ−ルを共有することを可能とするスケジュ−ラ211,311は、イベント発生時のイベントの発生に関わる情報(位置情報やメッセ−ジ)を網中継基地局サ−バ1aへ登録するために発信する機能、スケジュ−ルの完了判断するために、位置情報の差分を計算する機能を有している。その他の機能や装置は既存の技術で構成されている。
【0033】
図4は本発明の実施の形態におけるメンバーと共有するスケジュールの登録動作を示すシーケンスチャートであり、図5は本発明の実施の形態におけるスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムと、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ム後に定期的に一定間隔で実行されるアラーム、メッセージ送信によって実行されるアラームにより発動されるイベントとスケジュールの管理と終了の処理を示すシーケンスチャートである。
【0034】
また、図6は本発明の実施の形態による通信端末から見た地図情報サービス経由でのメンバーの位置情報の表示例を示す図であり、図7は本発明の実施の形態による通信端末から見た位置情報の詳細な表示例を示す図である。これら図2〜図7を参照して本発明の実施の形態によるスケジュ−ル共有管理システムの動作について説明する。
【0035】
尚、図6(a)は発信端末2から見た地図情報サービスでのメンバーの位置を示し、図6(b)は発信端末2と受信端末3との両方で見えるスケジュール終了時のイメージを示し、図6(c)は受信端末3から見た地図情報サービスでの目的地の位置を示している。また、図7(a)は発信端末2から見た地図情報サービスでのメンバーの詳細な位置を示し、図7(b)は受信端末3から見た地図情報サービスでの目的地の詳細な位置を示している。
【0036】
図3においては、スケジュ−ルを共有するメンバーとして、発信端末2及び受信端末3のみとなっているが、実運用では、受信端末3は複数台の利用を想定している。ここでは便宜的に、1台のみとして説明する。
【0037】
図4を参照してスケジュ−ルのメンバー共有について説明する。まず、発信端末2は、メンバーと共有するスケジュ−ルをスケジューラ211に登録する(図4のa1)。登録する内容としては、目的地の住所と連絡先、地図上の位置、メンバーのアドレス情報(名前、メ−ルアドレス、電話番号等)、スケジュ−ルの開始時刻、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期的にアラ−ムが発動するための時間がある。
【0038】
特に、目的地の住所と連絡先、地図上の位置、これらの情報は、地図情報サ−ビス部17を使って取得する場合もある。また、位置については、発信者の位置情報を目的地として設定する場合もある。参加メンバーは、スケジュ−ルデ−タベ−ス16に登録されると、それぞれ各メンバーを特定するための識別記号が自動的に付与される。この識別記号は、発信端末2や受信端末3のインタネット利用部215,315にてメンバーの位置情報を確認する際、識別情報として表示用に利用される。
【0039】
携帯端末には、図7(b)を示すような表示イメ−ジが表示される。この表示イメージでは、人名の先頭に識別子の例として、「◆」、「●」、「■」といった記号が付与されている。
【0040】
スケジュ−ルの登録が完了すると、発信端末2は、登録したスケジュ−ルを網中継基地局サ−バ1aに送信する(図4のa2)。網中継基地局サ−バ1aは、発信端末2から送られてきたスケジュ−ル情報をスケジュ−ルデ−タベ−ス16に登録し、メンバースケジュ−ルを登録する(図4のa3)。
【0041】
網中継基地局サ−バ1aは、参加予定のメンバーの受信端末3に対し、他のメンバーのアドレス情報を含まないスケジュ−ル情報を送信する(図4のa4)。参加予定のメンバーの受信端末3は、網中継基地局サ−バ1aから送信されてきたスケジュ−ルを受信すると、スケジュ−ルを受理するか、そうでないかの選択をメンバーへ求め(図4のa5)、メンバーがスケジュ−ルの受理に承諾すれば、スケジュ−ルをスケジューラ311に登録する(図4のa6)。この後、受信端末3は、スケジュ−ル受理の結果を網中継基地局サ−バ1aに送信する(図4のa7)。
【0042】
メンバーが網中継基地局サ−バ1aから送信されてきたスケジュ−ルの受理を断った場合、スケジュ−ルは受信端末3に登録されず、網中継基地局サ−バ1aに送信されるスケジュ−ルの受理結果は、受理不可、すなわち「不参加」という意思表示となる。網中継基地局サ−バ1aは、受信端末3からスケジュ−ルの受理結果が送られてくると、当該メンバーのスケジュールの受理結果をスケジュ−ルデ−タベ−ス16へ登録する(図4のa8)。
【0043】
次に、図5を用いてスケジュ−ル開始前の予告アラ−ム発動やメンバーの状態を通知させるための定期アラ−ム発動、及びメンバーが自分の状況をメッセ−ジ送信するといったイベントの発動にあわせ、メンバーの状況確認するプロセスについて説明する。
【0044】
尚、図5のb1,b3には便宜的に「イベント発動」と記載しているが、これをスケジュ−ル開始前の予告アラ−ム発動やメンバーの状態を通知させるための定期アラ−ム発動、及びメンバーが自分の状況をメッセ−ジ送信するといったイベントの発動と読み替えることで、3種の動作を説明することになる。ここでは、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムのイベント発動を中心に説明する。
【0045】
スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動は、発信端末2及び受信端末3のスケジュ−ラ211,311によって各々に発動する。個体差は多少あるが、発信端末2及び受信端末3のスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動は、ほぼ同時刻となるが、まずは発信端末2の動作から説明する。
【0046】
発信端末2では、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムが発動されると(図5のb1)、スケジュ−ラ211がスケジュ−ルを設定した条件によって、メンバーの目的地となる位置情報が地図情報サ−ビス部17から取得した位置情報であるか、それともスケジュ−ルを発信したメンバーの通信端末の位置情報であるかを判断する(図5のb2)。
【0047】
メンバーの目的地となる位置情報が地図情報サ−ビス部17から取得した位置情報であれば、発信端末2は、メンバーの目的地の位置情報を網中継基地局サ−バ1aへ送信する(図5のb6)。また、メンバーの通信端末の位置情報であれば、発信端末2の位置情報を取得してから(図5のb4)、メンバーの目的地の位置情報を網中継基地局サ−バ1aへ送信する(図5のb6)。
【0048】
網中継基地局サ−バ1aは、発信端末2から送信された目的地の位置情報を受信すると、その目的地の位置情報をスケジュ−ルデ−タベ−ス16へ登録する(図5のb8)。
【0049】
メッセ−ジをメンバーに発信するメッセ−ジ発信イベントの場合には、上記のa1の処理でメッセ−ジ発信イベントが発動し、位置情報に関してはa2,a4の処理を経て、a6の処理にて位置情報及びメッセ−ジの両方が網中継基地局サ−バ1aへ送信され、a8の処理で、位置情報がスケジュ−ルデ−タベ−ス16へ、メッセ−ジがメッセ−ジデ−タベ−ス15へそれぞれ登録される。
【0050】
次に、発信端末2は、網中継基地局サ−バ1aに対し、メンバーの位置情報を要求する(図5のb9)。網中継基地局サ−バ1aは、スケジュ−ルデ−タベ−ス16にメンバーの受信端末2の位置情報が登録されていることを確認する。網中継基地局サ−バ1aは、位置情報が登録されていなければ、位置情報が登録されるまで確認する。
【0051】
登録デ−タの読出しには、タイマ設定等があり、メンバーが複数人いる場合、登録デ−タの読出しを飛び抜かす場合もあるが、図5ではその動作の図示を省略している。位置情報が見つかれば、網中継基地局サ−バ1aは、目的地及びメンバーの受信端末3の位置情報の最新版を発信端末2へ送信する(図5のb11,b12)。
【0052】
発信端末2は、網中継基地局サ−バ1aから目的地及びメンバーの受信端末3の位置情報を受信する(図5のb13)。発信端末2は、網中継基地局サ−バ1aから得た目的地及びメンバーの受信端末3の位置情報の差分によって、メンバーが目的地の周辺エリア内にいるかどうかを判断する(図5のa15)。
【0053】
発信端末2は、エリア内にメンバーがいれば、スケジュ−ルを終了する(図5のa17)。発信端末2は、エリア内にメンバーがいなければ、インタネット利用部215から網中継基地局サ−バ1aのデ−タベ−スとデ−タ連携している地図情報サ−ビス部17へ接続し、メンバーの位置情報を取得する(図5のb19)。この時の発信端末2での地図情報サ−ビス部17を介したメンバーの見え方を図6(a)に示す。
【0054】
発信端末2は、スケジュ−ルの開始時刻となるまで、アラ−ムやメッセ−ジ発信イベントの発生毎にメンバーの位置確認を行うが、メンバーがすべて目的地へきてしまえば、スケジュ−ルの開始時刻前に、共有したスケジュ−ルを終了する。また、発信端末2は、スケジュ−ルの開始時刻を過ぎても、メンバーが目的地に到着していない場合、スケジュ−ルを終了しない。
【0055】
次に、受信端末3での動作について説明する。受信端末3でスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムが発動すると(図5のb3)、受信端末3は、自機の位置情報を取得し(図5のbステップ5)、その位置情報を網中継基地局サ−バ1aへ送信する(図5のbステップ7)。
【0056】
網中継基地局サ−バ1aは、受信端末3から受け取った位置情報をスケジュ−ルデ−タベ−ス16に登録する(図5のb8)。メッセ−ジ発信イベントの場合も、まったく同じル−トを通り、位置情報の取得判断がない以外は、上記と同じ動作を行うため、この説明については省略する。
【0057】
受信端末3は、網中継基地局サ−バ1aに対して目的地の最新位置情報を呼び出す(図5のb10)。網中継基地局サ−バ1aは、スケジュ−ルデ−タベ−ス16上に発信端末2による目的地の最新位置情報の登録があれば、その情報を読出し(図5のb11)、その情報を受信端末3へ送信する(図5のb12)。
【0058】
受信端末3は、網中継基地局サ−バ1aからの目的地の最新位置情報を受信すると(図5のb14)、受信端末3が目的地の周辺エリア内にいるかどうかを判断する(図5のb16)。
【0059】
受信端末3は、エリア内にいれば、スケジュ−ルを終了する(図5のb18)。受信端末3は、エリア内にいなければ、インタネット利用部315から網中継基地局サ−バ1aのデ−タベ−スとデ−タ連携している地図情報サ−ビス部17へ接続し、目的地との自機の位置情報を取得する(図5のb20)。この時の発信端末3での地図情報サ−ビス部17を介した目的地の見え方を図6(c)に示す。
【0060】
次に、地図情報サ−ビス部17と連携した網中継基地局サ−バ1a内のスケジュ−ルやメッセ−ジのデ−タベ−スとのデ−タ連携と、メンバーで共有するスケジュ−ルを使い、発信端末2や受信端末3がいかにしてスケジュ−ルを終了させるかについて図6(a)〜(c)と図7(a),(b)とを用いて説明する。
【0061】
まず、発信端末2及び受信端末3は、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムのイベントが発動すると、スケジュール開始まで定期アラーム、もしくは不定期なメッセージの発信によって、網中継基地局サ−バ1aのデ−タベ−スへ位置情報やメッセージを書込み続ける。
【0062】
参加メンバーでの受信端末3が、目的地の周辺エリアに到達するまで、この動作は繰り換えされる。参加メンバーの受信端末3が、目的地の周辺エリアに到達してなく、地図情報サービス部17に接続すると、発信端末2には、図6(a)の画面が、受信端末3には図6(c)の画面がそれぞれ表示される。
【0063】
発信端末2の画面[図6(a)]には、参加メンバーの受信端末3の現在位置402が表示される。この表示位置はアンカーであり、アローポインタやカーソルを使って選択すると、403のようなポップアップメッセージが表示される。これを選択すると、図7(a)のような受信端末3のメンバーの詳しいステータス情報の画面に切替わる。
【0064】
この表示内容を見れば、メンバーまでの距離や所要時間、またはメンバーがどのような経緯で目的地へ向かっているかを確認することが可能である。発信端末2の利用者は、参加メンバーからの連絡がなかったり、動きがないような場合には、電話やメッセージの手段を使って意思を伝えることが可能となり、メンバーを目的地へ誘導することが可能となる。
【0065】
受信端末3の画面[図6(c)]も、上記と同様に、目的地401のポップアップ情報として403が表示され、同様に画面から選択すれば、図7(b)の詳細画面に切り替わり、目的地までの距離や所要時間、他のメンバー[図7(b)内で<メンバ>と表示されているもの]の状況等を知ることができる。
【0066】
図6(b)は、発信端末2及び受信端末3の両方で確認される画面であり、スケジュールを終了した状態を示している。参加メンバーの受信端末3の最新位置情報である430が、目的地401の周辺エリア400に達するとスケジュールが終了する。
【0067】
また、図6(a)及び図6(c)は、メンバー名でリンクが相互にかけられており、発信端末2でも受信端末3でも閲覧することが可能である。また、メッセージが発信された場合には、参加メンバーの移動履歴にもメッセージ送信があったことを示すマーク[図7(a)のM]が打刻される。「参加者」は『到着者数/参加承認者数(全メンバー数)』の書式で表示されるため、参加状況が確実に分かる。
【0068】
このように、本実施の形態では、複数のメンバーが同じスケジュールを共有することができ、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻や、定期アラームの発動間隔をスケジュールの立案者が設定することができる。この場合、スケジュールを共有するメンバー側からは、スケジュールを変更することができない。
【0069】
また、本実施の形態では、すべてのメンバーが目的地の周辺エリアに到達するまで、スケジュールが終了しないため、スケジュールの開始時刻が過ぎても遅れてくるメンバーをフォローすることが可能である。
【0070】
さらに、本実施の形態では、目的地を地図情報サービス部17からの固定情報だけでなく、スケジュールの立案者の位置情報とすることが可能であるため、メンバーが全員そろっていない状況下での急な途中変更にも対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、GSP等の位置情報取得手段を搭載し、かつ携帯端末を通じて複数のメンバー達と一つのスケジュールを共有し、遊びや集まりごとを確実に行いたい学生や社会人、家族、お年寄り等の幅広い年齢層や職業層を対象とした携帯端末に適用可能である。
【0072】
また、本発明は、ハイキングやゴルフ、ボランティア活動、国内ツアー等の団体で一つの場所に移動するような用途があるクラブや団体に向けた業種向けサービス利用を考えた携帯端末に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明によるサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態によるサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態によるスケジュ−ル共有管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるメンバーと共有するスケジュールの登録動作を示すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の実施の形態におけるスケジュ−ル開始前の予告アラ−ムと、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ム後に定期的に一定間隔で実行されるアラーム、メッセージ送信によって実行されるアラームにより発動されるイベントとスケジュールの管理と終了の処理を示すシーケンスチャートである。
【図6】本発明の実施の形態による通信端末から見た地図情報サービス経由でのメンバーの位置情報の表示例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態による通信端末から見た位置情報の詳細な表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1 サーバ装置
1a 網中継基地局サ−バ
2 通信端末(発信側)
3 通信端末(受信側)
11 スケジュールデータ配信部
12 スケジュール参加確認部
13 スケジュール管理部
14 通信端末位置情報取得部
15 メッセ−ジデータベース
16 スケジュ−ルデ−タベ−ス
17 地図情報サ−ビス部
21,31 機能群
211,311 スケジュ−ラ
212,312 アドレス帳
213,313 メッセ−ジ発信部
214,314 位置情報取得部
215,315 インタネット利用部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジュールの立案者の通信端末と、
前記スケジュールへの参加予定のメンバーの通信端末と、
前記立案者の通信端末から送られてきたスケジュールデータを前記メンバーの通信端末に配信する配信手段と、前記メンバーの通信端末からの前記スケジュールデータを受け入れたか否かの通知に基づいて前記メンバーの参加の有無を確認する確認手段と、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期アラームの発動間隔を少なくとも含む前記立案者の通信端末からのスケジュールデータに基づいて前記確認手段で参加が確認された前記メンバーの通信端末へのアラームの配信を行う管理手段とを含むサーバ装置とを有することを特徴とするスケジュ−ル共有管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、前記メンバーの通信端末の現在の位置情報を取得する手段と、取得した位置情報に基づいて前記メンバーの通信端末の状況と前記スケジュールの目的地での状況とを提示する手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のスケジュ−ル共有管理システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、前記メンバーの通信端末の現在の位置情報と前記目的地の位置情報との差分による直線距離、当該直線距離から概算される所要時間、地図上での前記メンバーの通信端末及び前記目的地の位置、前記メンバーへのメッセ−ジ及び連絡手段を提示することを特徴とする請求項2記載のスケジュ−ル共有管理システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記スケジュールデータ及び前記確認手段の確認結果を少なくとも蓄積するスケジュールデータベースと、前記メッセージを蓄積するメッセージデータベースと、前記スケジュールデータベース及び前記メッセージデータベースとの間で情報を連動させる地図情報サ−ビスとを含むことを特徴とする請求項3記載のスケジュ−ル共有管理システム。
【請求項5】
前記立案者の通信端末及び前記メンバーの通信端末から前記地図情報サ−ビスへ接続することで、前記立案者の通信端末及び前記メンバーの通信端末の相互の位置、直線距離、発信したメッセ−ジを相互に確認する可能とすることを特徴とする請求項4記載のスケジュ−ル共有管理システム。
【請求項6】
スケジュールの立案者の通信端末から送られてきたスケジュールデータを前記スケジュールへの参加予定のメンバーの通信端末に配信する配信手段と、前記メンバーの通信端末からの前記スケジュールデータを受け入れたか否かの通知に基づいて前記メンバーの参加の有無を確認する確認手段と、スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期アラームの発動間隔を少なくとも含む前記立案者の通信端末からのスケジュールデータに基づいて前記確認手段で参加が確認された前記メンバーの通信端末へのアラームの配信を行う管理手段とを有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
前記メンバーの通信端末の現在の位置情報を取得する手段と、取得した位置情報に基づいて前記メンバーの通信端末の状況と前記スケジュールの目的地での状況とを提示する手段とを含むことを特徴とする請求項6記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記メンバーの通信端末の現在の位置情報と前記目的地の位置情報との差分による直線距離、当該直線距離から概算される所要時間、地図上での前記メンバーの通信端末及び前記目的地の位置、前記メンバーへのメッセ−ジ及び連絡手段を提示することを特徴とする請求項7記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記スケジュールデータ及び前記確認手段の確認結果を少なくとも蓄積するスケジュールデータベースと、前記メッセージを蓄積するメッセージデータベースと、前記スケジュールデータベース及び前記メッセージデータベースとの間で情報を連動させる地図情報サ−ビスとを含むことを特徴とする請求項8記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記立案者の通信端末及び前記メンバーの通信端末から前記地図情報サ−ビスへ接続することで、前記立案者の通信端末及び前記メンバーの通信端末の相互の位置、直線距離、発信したメッセ−ジを相互に確認する可能とすることを特徴とする請求項9記載のサーバ装置。
【請求項11】
サーバ装置に、
スケジュールの立案者の通信端末から送られてきたスケジュールデータを前記スケジュールへの参加予定のメンバーの通信端末に配信する配信ステップと、
前記メンバーの通信端末からの前記スケジュールデータを受け入れたか否かの通知に基づいて前記メンバーの参加の有無を確認する確認ステップと、
スケジュ−ル開始前の予告アラ−ムの発動時刻及び定期アラームの発動間隔を少なくとも含む前記立案者の通信端末からのスケジュールデータに基づいて前記確認ステップで参加が確認された前記メンバーの通信端末へのアラームの配信を行う管理ステップとを有することを特徴とするスケジュ−ル共有管理方法。
【請求項12】
前記サーバ装置に、前記メンバーの通信端末の現在の位置情報を取得するステップと、取得した位置情報に基づいて前記メンバーの通信端末の状況と前記スケジュールの目的地での状況とを提示するステップとを含むことを特徴とする請求項11記載のスケジュ−ル共有管理方法。
【請求項13】
前記サーバ装置が、前記メンバーの通信端末の現在の位置情報と前記目的地の位置情報との差分による直線距離、当該直線距離から概算される所要時間、地図上での前記メンバーの通信端末及び前記目的地の位置、前記メンバーへのメッセ−ジ及び連絡手段を提示することを特徴とする請求項12記載のスケジュ−ル共有管理方法。
【請求項14】
前記サーバ装置に、前記スケジュールデータ及び前記確認手段の確認結果を少なくとも蓄積するスケジュールデータベースと、前記メッセージを蓄積するメッセージデータベースと、前記スケジュールデータベース及び前記メッセージデータベースとの間で情報を連動させる地図情報サ−ビスとを配設したことを特徴とする請求項13記載のスケジュ−ル共有管理方法。
【請求項15】
前記立案者の通信端末及び前記メンバーの通信端末から前記地図情報サ−ビスへ接続することで、前記立案者の通信端末及び前記メンバーの通信端末の相互の位置、直線距離、発信したメッセ−ジを相互に確認する可能とすることを特徴とする請求項14記載のスケジュ−ル共有管理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−205311(P2009−205311A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−45362(P2008−45362)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】