説明

スケジューリングリクエストプロシージャとランダムアクセスプロシージャーの間の相互作用を改善する方法及び装置

【課題】UE(ユーザー端末)でスケジューリングリクエスト(SR)プロシージャに対応するランダムアクセス(RA)プロシージャーを実行するときに発生しうるアップリンク伝送エラーまたはRAプロシージャの失敗を防止するために、SRプロシージャとRAプロシージャーの間の相互作用を改善する方法及び通信装置を提供する。
【解決手段】方法は、SRプロシージャをトリガーする段階と、UEにPUCCH(物理アップリンク制御チャネル)が既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SR(専用スケジューリングリクエスト)メッセージの送信回数が所定回数に達するまで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、D−SRメッセージの送信回数が前記所定回数に達すれば、SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスケジューリングリクエスト(SR)プロシージャとランダムアクセス(RA)プロシージャーの間の相互作用を改善する方法及び通信装置に関し、特に無線通信システムのUE(ユーザー端末)においてSRプロシージャとRAプロシージャーの間の相互作用を改善し、UEでSRプロシージャに対応するRAプロシージャーを実行するときにUEのアップリンク伝送エラーまたはRAプロシージャの失敗を防止する方法及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(long term evolution)無線通信システムは、第三世代移動通信システム(例えばUMTS(汎用移動通信システム))をもとに確立されたアドバンスド高速無線通信システムである。LTE無線通信システムはパケット交換のみサポートし、そのRLC(無線リンク制御)通信プロトコル層とMAC(媒体アクセス制御)通信プロトコル層は基地局(ノードB)とRNC(無線ネットワークコントローラ)に別々に設けなくてもよく、同一の通信ネットワークエンティティー(例えば基地局(ノードB))に統合できるので、システム構造が比較的に簡単である。
【0003】
LTEシステムでは、eNB(エンハンスドノートB)などのE−UTRAN(エボルブドUMTS地上無線アクセスネットワーク)は無線リソースを割り当てることで、UEに伝送リソースを与え、ネットワークへのデータのアップリンク伝送、及びネットワークからのデータのダウンリンク伝送を可能にする。無線リソースの割り当て方式としては、所定リソース割り当て方式とダイナミックリソース割り当て方式という2種類がある。所定リソース割り当て方式によれば、ネットワークはRRC(無線リソース制御)シグナリングで無線リソースを割り当てるので、UEは一定のデータ量を有するデータ(例えば音声データ)を周期的に伝送できる。UEは周期的なTTI(送信時間間隔)において、割り当てられた無線リソースを利用してデータをアップリンクかダウンリンク伝送することで、ネットワークとデータを交換する。一方、ダイナミックリソース割り当て方式によれば、ネットワークは同じセルにあるUEの数量、流量、及びQoS(サービス品質)によって、無線リソースをUEにダイナミックに割り当てる。また、UEはPDCCU(物理ダウンリンク制御チャネル)をモニターして制御シグナリングを受信することで、ダウンリンクまたはアップリンクの伝送リソースを取得する。
【0004】
ダイナミックリソース割り当て方式によれば、UEにアップリンク伝送のデータがあるが、利用できるUL−SCH(アップリンク共用チャネル)リソースがない場合では、UEはアップリンクデータを伝送するために、SRプロシージャでアップリンク伝送リソースを割り当てるようにネットワークに求める。UEにPUCCH(物理アップリンク制御チャネル)リソースが既に配置(configure)されれば、SRメッセージはPUCCHで送信される。さもなければ、例えばUEにPUCCHリソースがないか、または配置されたPUCCHリソースが無効になった場合では、RAプロシージャでアップリンク伝送リソースを割り当てるようにネットワークに求めなければならない。PUCCHリソースはUE専用の伝送リソースであるので、PUCCHで送信されるSRメッセージは専用スケジューリングリクエスト(D−SR)メッセージとも呼ばれる。それに対して、RAプロシージャで送信されるSRメッセージは、ランダムアクセススケジューリングリクエスト(RA−SR)メッセージと呼ばれる。
【0005】
現行の仕様によれば、スケジューリングプロシージャがトリガーされると、UEにPUCCHリソースが既に配置されていれば、UEは、新規伝送のために割り当てられた伝送リソースをネットワークから受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定パラメーターDSR_TRANS_MAXを超えるまで、PUCCHでD−SRメッセージを周期的に送信する。D−SRメッセージの送信回数が所定パラメーターDSR_TRANS_MAXを超えれば、UEのアップリンク伝送に問題が発生したかもしれない。例えば、PUCCHリソースが無効になったか、またはアップリンクタイミングと同期しなくなり、UEから送信されるD−SRメッセージがネットワークに正常に受信・復号されない問題である。この場合、UEはD−SRメッセージの送信を止め、配置されたPUCCHリソースを解放し、RAプロシージャでSRメッセージを送信しなければならない。前記パラメータDSR_TRANS_MAXは、RRCシグナリングにより設定される。
【0006】
しかし、UEにネットワークから予め割り当てられた周期的伝送リソース(例えばSPS(セミパーシステントスケジューリング)伝送リソース)があった場合、D−SRメッセージの送信回数がパラメータDSR_TRANS_MAXを超えれば、UEのアップリンク伝送に問題が発生したかもしれない。このとき、前記周期的伝送リソースを引き続き利用すれば、送信が失敗したり他UEへの妨害が生じうる。一方、UEがRAプロシージャでSRメッセージを送信した場合では、割り当てられた所定の周期的伝送リソースがRAプロシージャのメッセージ2で運ばれるUL−SCHリソースと衝突し、RAプロシージャのメッセージ3が割り当てられた所定の周期的伝送リソースを誤用してデータのアップリンク伝送を行い、RAプロシージャの失敗によりUEがアップリンク伝送リソースを取得できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、UEでSRプロシージャに対応するRAプロシージャーを実行するときに発生しうるアップリンク伝送エラーまたはRAプロシージャの失敗を防止するために、SRプロシージャとRAプロシージャーの間の相互作用を改善する方法及び通信装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、無線通信システムのUE(ユーザー端末)においてスケジューリングリクエスト(SR)プロシージャとランダムアクセス(RA)プロシージャの相互作用を改善する方法を開示する。同方法は、SRプロシージャをトリガーする段階と、UEにPUCCH(物理アップリンク制御チャネル)が既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SR(専用スケジューリングリクエスト)メッセージの送信回数が所定回数に達するまで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、D−SRメッセージの送信回数が前記所定回数に達すれば、SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む。
【0009】
本発明では更に、無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するための通信装置を開示する。通信装置は、プログラムを実行するCPU(中央処理装置)と、CPUに結合され、プログラムを記憶する記憶装置とを含む。プログラムは、SRプロシージャをトリガーする段階と、UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、D−SRメッセージの送信回数が前記所定回数に達すれば、SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む。
【0010】
本発明では更に、無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善する方法を開示する。同方法は、SRプロシージャをトリガーする段階と、UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、D−SRメッセージの送信回数が所定回数に達すれば、SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、UEのすべてのHARQ(ハイブリッド自動リピート要求)バッファの内容を消去する段階とを含む。
【0011】
本発明では更に、無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するための通信装置を開示する。通信装置は、プログラムを実行するCPUと、CPUに結合され、プログラムを記憶する記憶装置とを含む。プログラムは、SRプロシージャをトリガーする段階と、UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、D−SRメッセージの送信回数が所定回数に達すれば、SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、UEのすべてのHARQバッファの内容を消去する段階とを含む。
【0012】
本発明では更に、無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善する方法を開示する。同方法は、RAプロシージャをトリガーする段階と、RAプロシージャを実行する前に、UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む。
【0013】
本発明では更に、無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するための通信装置を開示する。通信装置は、プログラムを実行するCPUと、CPUに結合され、プログラムを記憶する記憶装置とを含む。プログラムは、RAプロシージャをトリガーする段階と、RAプロシージャを実行する前に、UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】無線通信システムを表す説明図である。
【図2】無線通信システムの無線通信装置のブロック図である。
【図3】図2に示すプログラムを表す説明図である。
【図4】本発明による方法のフローチャートである。
【図5】本発明による方法のフローチャートである。
【図6】本発明による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
かかる方法及び装置の特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図を参照にして以下に説明する。
【0016】
図1を参照する。図1は無線通信システム10を表す説明図である。無線通信システム10は望ましくはLTEシステムであり、概してネットワークと複数のUE(ユーザー端末)を含む。図1に示すネットワークとUEは無線通信システム10の構造を説明するために用いるに過ぎない。実際、ネットワークは要求に応じて複数の基地局、RNC(無線ネットワークコントローラー)を含みうる。UEは携帯電話、コンピュータシステムなどの装置である。
【0017】
図2を参照する。図2は無線通信システムの無線通信装置のブロック図である。無線通信装置100は図1に示すUEを実施するために用いられる。説明を簡素化するために、図2では無線通信装置100の入力装置102、出力装置104、制御回路106、CPU(中央処理装置)108、記憶装置110、プログラム112及びトランシーバー114のみ示している。無線通信装置100では、制御回路106はCPU108を用いて記憶装置110に記憶されたプログラム112を実行し、無線通信装置100の動作を制御し、入力装置102(例えばキーボード)でユーザーが入力した信号を受信し、出力装置104(スクリーン、スピーカーなど)で映像、音声などの信号を出力する。無線信号を受発信するトランシーバー114は受信した信号を制御回路106に送信し、または制御回路106による信号を無線で出力する。言い換えれば、通信プロトコルに当てはめれば、トランシーバー114は第一層の一部とみなされ、制御回路106は第二層と第三層の機能を実施する。
【0018】
図3を参照する。図3は図2に示すプログラム112を表す説明図である。プログラム112はアプリケーション層200と、第三層インターフェイス202と、第二層インターフェイス206とを含み、第一層インターフェイス218に接続されている。第三層インターフェイス202はRRC(無線リソース制御)を実施する。第二層インターフェイス206はRLC(無線リンク制御)層とMAC(媒体アクセス制御)層を含み、リンク制御を実施する。第一層インターフェイス218は物理接続を実施する。
【0019】
LTE無線通信システムにおいて、UEにアップリンク送信されるデータがあるが、利用できるUL−SCHリソースが無かった場合では、MAC層はアップリンクデータを伝送するために、SRプロシージャでアップリンク伝送リソースを割り当てるようにネットワークに求める。SRプロシージャがトリガーされると、UEにPUCCHリソースが既に配置されていれば、PUCCHでSRメッセージを送信する。さもなければ、例えばUEにPUCCHリソースがないか、または配置されたPUCCHリソースが無効になった場合では、RAプロシージャでSRメッセージを送信しなければならない。
【0020】
それに鑑みて、本発明の実施例では、UEでSRプロシージャに対応するRAプロシージャーを実行するときにUEのアップリンク伝送エラーまたはRAプロシージャの失敗を防止するために、SRプロシージャ・RAプロシージャ相互作用改善プログラム220を設ける。図4を参照する。図4は本発明による方法40のフローチャートである。下記方法40は無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するために用いられ、SRプロシージャ・RAプロシージャ相互作用改善プログラム220としてコンパイルすることができる。
【0021】
ステップ400:開始。
ステップ402:SRプロシージャをトリガーする。
ステップ404:UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する。
ステップ406:D−SRメッセージの送信回数が所定回数に達すれば、前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する。
ステップ408:終了。
【0022】
以上のように、SRプロシージャがトリガーされると、UEにPUCCHリソースが既に配置されていれば、UEは新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達する(例えばRRC層により設定されたパラメータDSR_TRANS_MAXに達する)まで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する。D−SRメッセージの送信回数がパラメータDSR_TRANS_MAXを超えると、本発明の実施例によるUEは前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する。
【0023】
D−SRメッセージの送信回数がパラメータDSR_TRANS_MAXを超えれば、UEのアップリンク伝送に問題が発生したかもしれない(例えばPUCCHリソースが無効になったか、アップリンクタイミングと同期しなくなり、UEから送られたD−SRメッセージがネットワークにより正常に受信・復号されない)。この場合、本発明の実施例ではSRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、割り当てられたすべての所定伝送リソース(例えばSPS伝送リソース)の使用を停止し、UEが引き続き周期的伝送リソースを利用してアップリンク伝送を行い、伝送が失敗するのを防止する。また、本発明の実施例は、RAプロシージャのメッセージ3が割り当てられた所定の周期的伝送リソースを誤用するのを防止し、UEでアップリンク伝送リソースを取得できないのを改善する効果がある。
【0024】
したがって、D−SRメッセージの送信回数が所定回数を超え、RAプロシージャでRA−SRメッセージを送信した場合、本発明の実施例では配置されたすべてのPUCCHリソースを解放し、割り当てられたすべての所定周期的伝送リソースの使用を停止することで、UEのアップリンク伝送エラーやRAプロシージャの失敗を防止する。
【0025】
注意すべきは、本発明の実施例では、実際の要求に応じて、使用を停止された割り当てられた所定周期的伝送リソースを、RAプロシージャの完成後に再び使用することが可能である。これも本発明の範囲に属する。
【0026】
図5を参照する。図5は本発明による方法50のフローチャートである。下記方法50は無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するために用いられ、SRプロシージャ・RAプロシージャ相互作用改善プログラム220としてコンパイルすることができる。
【0027】
ステップ500:開始。
ステップ502:SRプロシージャをトリガーする。
ステップ504:UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、PUCCHでD−SRメッセージを繰り返して送信する。
ステップ506:D−SRメッセージの送信回数が所定回数に達すれば、前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEのすべてのHARQ(ハイブリッド自動リピート要求)バッファの内容を消去する。
ステップ508:終了。
【0028】
D−SRメッセージの送信回数が所定回数を超えれば、UEのアップリンク伝送に問題が発生したかもしれない(例えばPUCCHリソースが無効になったかアップリンクタイミングと同期しなくなることにより、UEから送られたD−SRメッセージがネットワークにより正常に受信・復号されない)。前記方法40に比べて、本発明の実施例ではSRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、UEのすべてのHARQバッファの内容を消去し、UEがアップリンク伝送を行い(例えば非適応再送(Non−adaptive retransmission)方式でHARQバッファのデータを再送するか、またはダウンリンク受信データのACK/NACK制御メッセージを返信する)、アップリンク伝送が失敗するのを防止する。もっとも、方法40と50は以上に限らず、同じ実施例として合併してもよい。
【0029】
注意すべきは、前掲実施例は本発明の例示に過ぎない。RAプロシージャを実行する前に、割り当てられた所定の伝送リソースを解放するかまたは使用を停止し、RAプロシージャのメッセージ2で運ばれるUL−SCHリソースと衝突するのを防ぐ動作ならば、すべて本発明の範囲に属する。
【0030】
図6を参照する。図6は本発明による方法60のフローチャートである。下記方法60は無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するために用いられ、SRプロシージャ・RAプロシージャ相互作用改善プログラム220としてコンパイルすることができる。
【0031】
ステップ600:開始。
ステップ602:RAプロシージャをトリガーする。
ステップ604:前記RAプロシージャを実行する前に、UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する。
ステップ606:終了。
【0032】
以上のように、RAプロシージャがトリガーされた(例えばUEにPUCCHが配置されていない状態で、SRプロシージャによりRAプロシージャがトリガーされた)後、本発明ではRAプロシージャを実行する前に、UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止し、UEのアップリンク伝送エラーやRAプロシージャの失敗を防止する。
【0033】
まとめて言えば、本発明の実施例では、UEがSRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行した場合に発生しうるUEのアップリンク伝送エラーやRAプロシージャの失敗を防止するために、SRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善する方法を提供する。
【0034】
以上は本発明に好ましい実施例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、本発明の精神の下においてなされ、本発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0035】
10 無線通信システム
100 無線通信装置
102 入力装置
104 出力装置
106 制御回路
108 CPU
110 記憶装置
112 プログラム
114 トランシーバー
200 アプリケーション層
202 第三層インターフェイス
206 第二層インターフェイス
218 第一層インターフェイス
220 SRプロシージャ・RAプロシージャ相互作用改善プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムのUE(ユーザー端末)においてスケジューリングリクエスト(SR)プロシージャとランダムアクセス(RA)プロシージャの相互作用を改善する方法であって、
SRプロシージャをトリガーする段階と、
前記UEにPUCCH(物理アップリンク制御チャネル)が既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SR(専用スケジューリングリクエスト)メッセージの送信回数が所定回数に達するまで、前記PUCCHで前記D−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、
前記D−SRメッセージの送信回数が前記所定回数に達すれば、前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む、SRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項2】
前記アップリンク伝送リソースはUL−SCH(アップリンク共用チャネル)リソースである、請求項1に記載のSRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項3】
前記方法は更に、
前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEに配置されたすべてのPUCCHを解放する段階を含む、請求項1または2に記載のSRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項4】
前記所定回数は、RRC(無線リソース制御)層で設定されるパラメータDSR_TRANS_MAXにより定められる、請求項1から3の何れか1項に記載のSRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項5】
前記UEに割り当てられた所定伝送リソースはSPS(セミパーシステントスケジューリング)伝送リソースを含む、請求項1から4の何れか1項に記載のSRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項6】
無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するための通信装置であって、
プログラムを実行するCPU(中央処理装置)と、
前記CPUに結合され、前記プログラムを記憶する記憶装置とを含み、前記プログラムは、
SRプロシージャをトリガーする段階と、
前記UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、前記PUCCHで前記D−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、
前記D−SRメッセージの送信回数が前記所定回数に達すれば、前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む、通信装置。
【請求項7】
前記アップリンク伝送リソースはUL−SCHリソースである、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記プログラムは更に、
前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEに配置されたすべてのPUCCHを解放する段階を含む、請求項6または7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記所定回数は、RRC層で設定されるパラメータDSR_TRANS_MAXにより定められる、請求項6から8の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記UEに割り当てられた所定伝送リソースはSPS伝送リソースを含む、請求項6から9の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善する方法であって、
SRプロシージャをトリガーする段階と、
前記UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、前記PUCCHで前記D−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、
前記D−SRメッセージの送信回数が前記所定回数に達すれば、前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEのすべてのHARQ(ハイブリッド自動リピート要求)バッファの内容を消去する段階とを含む、SRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項12】
無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するための通信装置であって、
プログラムを実行するCPUと、
前記CPUに結合され、前記プログラムを記憶する記憶装置とを含み、前記プログラムは、
SRプロシージャをトリガーする段階と、
前記UEにPUCCHが既に配置されていれば、新規伝送のために割り当てられたアップリンク伝送リソースを受信するまで、またはD−SRメッセージの送信回数が所定回数に達するまで、前記PUCCHで前記D−SRメッセージを繰り返して送信する段階と、
前記D−SRメッセージの送信回数が前記所定回数に達すれば、前記SRプロシージャに対応するRAプロシージャを実行する前に、前記UEのすべてのHARQバッファの内容を消去する段階とを含む、通信装置。
【請求項13】
無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善する方法であって、
RAプロシージャをトリガーする段階と、
前記RAプロシージャを実行する前に、前記UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む、SRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項14】
前記RAプロシージャは、前記UEにPUCCHが配置されていない状態でSRプロシージャによりトリガーされる、請求項13に記載のSRプロシージャ・RAプロシージャの相互作用を改善する方法。
【請求項15】
無線通信システムのUEにおいてSRプロシージャとRAプロシージャの相互作用を改善するための通信装置であって、
プログラムを実行するCPUと、
前記CPUに結合され、前記プログラムを記憶する記憶装置とを含み、前記プログラムは、
RAプロシージャをトリガーする段階と、
前記RAプロシージャを実行する前に、前記UEに割り当てられたすべての所定伝送リソースの使用を停止する段階とを含む、通信装置。
【請求項16】
前記RAプロシージャは、前記UEにPUCCHが配置されていない状態でSRプロシージャによりトリガーされる、請求項15に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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