説明

スタイラスを有した撮像装置

【課題】スタイラスを,部品点数,スペースの増加を抑制しながら装置本体に収納すること。
【解決手段】タッチパネル付き表示部と,外部機器との接続端子と,スタイラスを有する撮像装置において,接続端子は,プラグ挿入口の背面までプラグ挿入穴が貫通しており,スタイラスは,前記接続端子の背面を貫通して前記接続端子に収納される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,タッチパネルを有するカムコーダや,デジタルスチルカメラ,携帯電話といった撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,カムコーダ,デジタルスチルカメラ等の携帯機器において,小型化,多機能化を実現するため,撮像した映像を表示する表示部としてタッチパネル付きモニタが搭載されている。
【0003】
タッチパネル付きモニタは,例えば映像再生時には再生,停止といった操作ボタンを表示し,操作者の指先による接触を検知することで,各々の操作ボタンの機能を実現する。
【0004】
また,例えば撮影した映像に表題を記入する際にも,表示された文字列を指先にて選択することで,十字ボタンなどを用いる場合より,簡易に操作することが可能である。
【0005】
しかしながら更なる装置の小型化,多機能化にともない,タッチパネル付きモニタの操作ボタンの操作が指先では困難な大きさとなってきている。このため,タッチパネル入力用のペン(スタイラス)を用いることが望まれており,装置本体にはスタイラスの収納構造を設けることが要求されている。特に小型の携帯機器においては,簡易な方法による脱着,及び,持ち運び時の紛失防止のため収納時のロックが望まれる。
【0006】
このような要求に対し,例えば特許文献1に示すスタイラスの収納構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許平6−324782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に示す従来技術は,図14,15,16に示すように,伸縮自在に構成されたスタイラスのスライド柄24をバネ26の反発力によって押し出す方向に付勢し,装置本体11のペン収納部14にスタイラスを縮めながら係合することで,バネ26の付勢力によって保持するものである。
【0009】
しかしながら,上記従来の構成では,スタイラスをロックするために,バネ26やスライド柄24といったロック用部品を追加する必要があり装置のコストが高くなる。また,装置本体11にもペン収納部14を設ける必要があり,装置が大型化する。
【0010】
また,近年の携帯機器には外部機器との接続端子が搭載されることが一般的である。 特に,撮像装置では,映像を出力するAV出力端子,音声信号の入出力を行うイヤホン端子,マイク入力端子などが搭載されている。かかる端子類は使用される状況が限定されており,常に用いられるものではない。このため,該端子類に主用途以外の付加価値を与えることも望まれている。
【0011】
本発明の目的はかかる問題点を解決する撮像装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の撮像装置は,撮像レンズを備えるレンズ部と,前記レンズ部で撮像された映像を表示し,タッチパネルを操作することにより所定の入力を入力可能としたタッチパネル付き表示部と,外部機器との接続端子と,前記接続端子が実装された端子基板と,前記タッチパネルを操作するスタイラスと,を有する撮像装置において,前記接続端子は,プラグ挿入口の背面までプラグ挿入穴が貫通しており,前記スタイラスは,前記接続端子の背面を貫通して前記接続端子に収納されることを特徴とする。
【0013】
また,前記撮像装置は,前記接続端子の背面よりプラグ挿入方向に延在するホルダを有しており,前記ホルダには前記プラグ挿入穴と略同一軸に穴が開いており,前記端子基板と,前記ホルダによって前記穴の周囲を囲む壁を構成することを特徴とする。
【0014】
また,前記接続端子に,前記プラグと前記スタイラスの何れが挿入,または,両者が脱却されたかを判別する挿入判別手段を有し,前記挿入判別手段の判別結果に応じて,前記表示部の表示情報を切り替える表示情報切り替え手段を有することを特徴とする。
【0015】
また,前記撮像装置は,スピーカを有し,かつ,前記接続端子は音声信号出力可能な端子であって,前記接続端子は,前記プラグと前記スタイラスの何れが挿入,または,両者が脱却されたかを判別する挿入判別手段を有し,前記挿入判別手段の判別結果に応じて,前記スピーカの駆動有無を切り替えるスピーカ切り替え手段を有することを特徴とする。
【0016】
前記接続端子は,プラグの挿入を検出するプラグ挿入検出手段を有し,かつ,前記スタイラスの収納時における前記スタイラスの先端が到達し,前記プラグが到達しない位置に,前記スタイラスの挿入を検出するスタイラス挿入検出手段を設け,前記挿入判別手段は,前記プラグ挿入検出手段と,前記スタイラス挿入検出手段の検出結果と,に応じて前記プラグと前記スタイラスの何れが挿入されたかを判別することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように,本発明によれば,従来技術よりも低コストで小型化が実現可能なスタイラスの収納構造を有した撮像装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施例における撮像装置の本発明にかかる部分のみを抜粋したブロック図
【図2】本発明の第1の実施例における撮像装置の外観を示す前方からみた斜視図
【図3】本発明の第1の実施例におけるカ撮像装置の外観を示す後方からみた斜視図
【図4】本発明の第1の実施例における撮像装置の内部の主な構成を示す図
【図5】本発明の第1の実施例における接続端子の構造を説明するための図
【図6】本発明の第1の実施例における端子ホルダを示す図
【図7】本発明の第1の実施例における端子ホルダを接続端子に取り付けた状態を示す図
【図8(a)】本発明の第1の実施例における接続端子の断面図
【図8(b)】本発明の第1の実施例における接続端子の断面図
【図8(c)】本発明の第1の実施例における接続端子の断面図
【図9】本発明の第1の実施例における動作フローを示す図
【図10】本発明の第2の実施例における動作フローを示す図
【図11】本発明の第3の実施例における撮像装置の本発明にかかる部分のみを抜粋したブロック図
【図12】本発明の第3の実施例における動作フローを示す図
【図13】本発明の表示部に表示されるアイコンを示す図
【図14】従来技術によるスタイラスの構造を示す図
【図15】従来技術による装置本体とスタイラスを示す図
【図16】従来技術によるスタイラスの装置本体への収納動作を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施形態>
以下に,本発明の撮像装置の第1の実施例を示す。なお,本実施例においては,撮像装置としてカムコーダを挙げている。
【0020】
図1は本実施例のカムコーダの本発明にかかる部分を抜粋したブロック図,図2はカムコーダの本発明にかかる部分のみの外観を示す前方からみた斜視図,図3は後方からみた斜視図であり,図2は表示部が閉じた状態を,図3は表示部が開いた状態を示す。
【0021】
撮像装置100の前面にはレンズ部101を備え,上面には電源スイッチ104と,撮影モードと再生モードを切り替えるモードダイアル105を,背面には撮影の開始と停止を操作するトリガースイッチ114を備えている。前方から見て右側には開閉可能なタッチパネル付き表示部111をそなえ,タッチパネル付き表示部111を開くと表示収納部119があり,表示収納部119には接続端子106を備えている。本実施例の接続端子106はテレビ等の映像機器との接続用の映像信号を出力する端子である。
【0022】
図4に本発明の撮像装置100の内部の主な構成を示す。レンズ部101の下に水平に端子基板115を備え,端子基板115上には水平に接続端子106が実装されている。
【0023】
図5にあるように接続端子106は背面穴106bが開いており,端子の前面穴106aと貫通している。
【0024】
図6に端子ホルダ118を示す。端子ホルダ118にはコの字状の端子押さえ部118aと,Uの字状に形成されたU字部118bと,ホルダ背面部118dと,ビス締めするためのビスボス部118cを備えている。
【0025】
図7に該端子ホルダ118を取り付けた状態を示す。前記端子押さえ部118aで接続端子106を覆い,図示しないビスにより端子基板115と端子ホルダ118を固定する。
【0026】
図8に撮像装置100の接続端子106における断面図を示す。図8(a)は接続端子106に何も挿入されていない状態,(b)はスタイラス116が挿入されている状態,(c)はプラグ117が挿入されている状態を示す。107は接続端子106へのプラグ117の挿入有無を検出するプラグ挿入検出手段である。本実施例では板バネ状のプラグ挿入検出手段107が,図8(c)に示すように,プラグ117の挿入によって押圧され,接続端子106内の図示しない別の導通部と接触・または離間することによる,電気的導通の変化を検出することで構成されている。なお,プラグ挿入検出手段107の詳細な構成については公知のため説明は省略する。また,後述する本実施例でのフローでは,プラグ117が挿入された状態をONとする。
【0027】
108は,端子背面の穴部106bより挿入方向奥であって,スタイラス116が押圧可能な位置に配置されたスタイラス挿入検出手段である。なお,図中のスタイラス挿入検出手段は揺動型スイッチとしているが,例えばスタイラス116と干渉しない位置に配置し,非接触で被測定物の反射光を受光するフォトセンサなどを用いることも可能である。かかる場合,フォトセンサからのレーザ光を反射するために,スタイラス116のレーザ光が照射される箇所に金属膜を蒸着,または鏡面シールを貼ることで好適に検出可能である。
【0028】
図8(b)に示すように,スタイラス116の外形は接続端子106に挿入されるプラグ117と略同一径の円筒形状で形成されており,先端部はタッチパネルを操作するために略円錐形状となっている。これにより,操作者が把持した際の剛性感と,タッチパネルの微小領域の操作を両立している。なお,本実施例では図示したようにスタイラス116を略円筒形状のみで形成したが,例えば接続端子106との嵌合部より撮像装置100の奥側では,より小径の円筒形状や四角柱といった別の形状で形成することも可能である。
【0029】
また,スタイラス116の後側端部には凸部116aが形成されている。凸部116aは図示したように表示収納部119の凹部119aと当接することで,スタイラス116の挿入方向における位置決めとなっている。
【0030】
なお,図3からも明らかなように,本実施例では接続端子106を表示収納部119に配置している。このため,該凸部116aをエラストマーやゴムといった柔らかい材質で形成することで,接続端子106からスタイラス116が浮いている場合に,タッチパネル付き表示部111が収納される際の衝突によるタッチパネル付き表示部111の傷つきを低減することが可能となる。
【0031】
スタイラス116を接続端子106に挿入すると,先端部が端子背面の穴部106bを通過し,スタイラス挿入検出手段108を押圧しスイッチがONに切り替わる。また,プラグ挿入検出手段108は,図示した様にスタイラス116に設けられた凹部116bによって付勢されない状態で維持される。
【0032】
以上の構成により,本実施例ではプラグ117挿入時と,スタイラス116挿入時でことなる検出手段の出力が現れるため,図1に示す挿入判別手段109において各々の識別が可能である。
【0033】
また,本実施例のスタイラス116は,プラグ117と同様に接続端子106に設けられた板バネ等の部材によって挿入後の保持力を発生することが可能である。かかる構成はプラグと端子では一般的な構成のため,詳細な説明は省略する。本実施例でも例えば図8(b)に示したように,プラグ挿入検出手段107と,スタイラスの凹部116bの引っ掛りで保持力を発生することや,その他図示しない接続端子106に配された接点用の板バネなどを用いることも可能である。
【0034】
また,端子ホルダ118のU字部118b,ホルダ背面部118dによって,スタイラス116挿入時におけるその他撮像装置100の本体内部の部品,ワイヤ等との接触を防止することが可能である。これは,スタイラス116の長さが長くなり,接続端子106の嵌合長に対する先端部のズレが大きくなる際に特に有効である。
【0035】
なお,本実施例においては,端子背面の穴部106bと,端子ホルダ118のU字部118bと,ホルダ背面部118dと,端子基板115で覆われる空間が,本発明の請求項における収納部である。
【0036】
次に図1と図9を用いて動作のフローについて詳述する。なお,該フローはCPU103にて処理されるものである。
【0037】
電源スイッチ104を押すことで撮像装置100に電源が投入され(S201)る。次に,スタイラス挿入検出手段108からの検出信号に基づいて,挿入判別手段109において,スタイラス挿入判別(S202)が行われる。スタイラス挿入判別(S202)がONの場合,スタイラス116が接続端子106に収納されていると判断し,CPU103からの指令に基づいて表示情報切り替え手段110によって,タッチパネル付き表示部111に表示する操作用表示アイコンを指先入力モードON(S203)に切り替える。
【0038】
指先入力モードがONの場合,例えばメニュー一覧やサムネイルなどでは,表示アイコンの大きさを指先入力が可能なように大型化して表示し,多数のメニューが有る場合などはスクロールすることで全アイコンを選択可能に構成する。これは,モードダイアル105によって選択された撮影/再生モードの双方ともに実行する。
【0039】
また,撮影中に顔検出を行い,選択した顔の被写体にフォーカスを追尾させるフォーカス追尾機能では,顔検出を行う被写体の顔の大きさの下限値を指先で選択可能なサイズに切り替える。これは,モードダイアル105が撮影モードであった場合に実行する。
【0040】
一方,スタイラス挿入判別(S202)がOFFの場合,次に,プラグ挿入検出手段107の検出結果に基づいて,挿入判別手段109においてプラグ挿入判別(S204)が行われる。プラグ挿入判別(S204)がONの場合,CPU103からの指令に基づいて表示情報切り替え手段110によって,タッチパネル付き表示部111の表示を低消費電力モードON(S205)に切り替える。本実施例では映像出力用のプラグが挿入されていると判断される。再生モード時を例として低消費電力モードを具体的に説明する。まずタッチパネル付き表示部111には,図13に示すように再生アイコン200a,停止アイコン200b,早送りアイコン200c,といった一般的な再生動作用アイコンが表示される。そして,再生アイコンが選択されたことを検出したのち,表示情報切り替え手段110によって,タッチパネル付き表示部111に表示される映像をOFFに切り替える。その後,タッチパネル付き表示部111のタッチパネル部に入力を検出した際や,再生映像が終了した際にタッチパネル付き表示部111に再度再生動作用アイコンを表示する。これにより,映像再生中の映像表示は外部モニタのみとなり,タッチパネル付き表示部111に表示するための消費電力の削減が実現される。なお,本状態においては,タッチパネル部の駆動のみを実施し,表示パネル部の駆動をOFFにすることも可能である。このように構成すると,操作者は外部モニタを見ながら映像の表示されていないタッチパネル付き表示部111を操作することで,各種操作が可能である。なお,上記低消費電力モードは,撮影/再生,双方において利用することが可能である。
【0041】
また,プラグ挿入判別(S204)にてOFFが判別された場合,CPU103からの指令に基づいて表示情報切り替え手段110によって,タッチパネル付き表示部111に表示する操作用表示アイコンを,スタイラス入力モードON(S206)に切り替える。
【0042】
スタイラス入力モードがONの場合,例えばメニュー一覧などの表示アイコンを小さく表示することで,表示画面内に多くの表示アイコンを表示することが可能となり,操作性の向上が実現される。また,フォーカス追尾機能の顔検出を行う被写体の大きさの下限値を,先述した指先で選択可能なサイズより小さい,スタイラスにて選択可能なサイズに切り替える。これにより,好適な撮影環境の提供が可能となる。これは,モードダイアル105によって選択された撮影/再生モードの双方ともに実行する。
【0043】
上述した各モードにタッチパネル付き表示部111の表示を切り替えた後に,撮影,再生等の一般的なカムコーダの動作が実施される。
【0044】
以上,詳述したように本発明によれば,接続端子を用いてスタイラスを収納可能に構成することで,スタイラス収納用の専用部品の低減が可能である。また,図8からも明らかなように,接続端子の嵌合部をスタイラスの収納に共用するために,スタイラス自身を単独で収納する場合と比較し占有領域の低減も実現可能である。また,スタイラスと接続端子に挿入されるプラグ各々を判別することで,好適な操作性の提供も可能である。
【0045】
なお,本発明の効果は上述した実施例にのみ限定されるものではない。
【0046】
例えば接続端子を表示収納部以外の場所に配置することも可能である。
【0047】
また,例えば図9に示したフローの順番を変更することも可能である。
【0048】
また,例えば図9に示したフローのうち,一部を削除することも可能である。
【0049】
また,接続端子を映像信号接続用以外の端子を用いることも可能である。
【0050】
<第2の実施形態>
以下に,本発明の撮像装置の第2の実施例を示す。なお,基本的な構成は第1の実施例と同様であり,同一部分の説明は省略する。
【0051】
本実施例においては,電源スイッチ104をOFFに操作する時に図10に示すフローを実施する。なお,該フローはCPU103にて処理されるものである。
【0052】
電源スイッチ104を押すことで撮像装置100に電源が投入され(S211),通常の撮影や再生動作(S212)が実施される。その後,操作者が電源スイッチ104を再度押すことで,電源スイッチのOFF動作が検知(S213)される。次に,スタイラス挿入検出手段108からの検出信号に基づいて,挿入判別手段109において,スタイラス挿入判別(S214)が行われる。スタイラス挿入判別(S214)がONの場合,スタイラス116が接続端子106に収納されているため,そのまま撮像装置100の電源がOFFになる。
【0053】
一方,スタイラス挿入判別(S214)がOFFの場合,スタイラス116が未収納状態であるため,タッチパネル付き表示部111に,「スタイラスを収納して下さい」といったスタイラス116が撮像装置100に未収納であることを示す警告を表示(S215)する。その後,操作者がスタイラス116を接続端子106に収納することで,スタイラス挿入判別(S214)がONになり,撮像装置100の電源がOFFになる。
【0054】
かかる構成により,スタイラスの紛失を好適に防止することが可能である。
【0055】
なお,本発明の効果は上述した実施例にのみ限定されるものではない。
【0056】
例えば警告表示(S215)後,スタイラス挿入判別(S214)に戻ることなく,一定時間の経過で撮像装置100の電源をOFFにすることも可能である。
【0057】
<第3の実施形態>
以下に,本発明の撮像装置の第3の実施例を示す。なお,基本的な構成は第1の実施例と同様であり,同一部分の説明は省略する。
【0058】
本実施例の接続端子106はテレビや外部スピーカ,ヘッドホンとの接続用の音声信号を出力する端子である。
【0059】
図11に本実施例のブロック図を,図12に動作フローを示す。本実施例の撮像装置100には,第1の実施例の構成に加え,音声出力用のスピーカ113が搭載されている。なお,該フローはCPU103にて処理されるものである。
【0060】
電源スイッチ104を押すことで撮像装置100に電源が投入され(S221)る。次に,モード判別(S222)において,モードダイアル105で選択されている撮影/再生モードの何れかが判別される。モード判別(S222)の判別結果が撮影モードであった場合,そのまま通常の撮影動作(S223)が実行される。
【0061】
一方,モード判別(S222)の判別結果が再生モードであった場合,スタイラス挿入検出手段108からの検出信号に基づいて,挿入判別手段109において,スタイラス挿入判別(S224)が行われる。スタイラス挿入判別(S224)がONの場合,スタイラス116が接続端子106に収納されているため,CPU103からの指令に基づいて,スピーカ切り替え手段112によってスピーカ113をON(S225)に切り替える。これにより,再生動作が実行(S228)される際には,スピーカ113から音声が出力される。
【0062】
また,スタイラス挿入判別(S224)がOFFの場合は,次に,プラグ挿入検出手段107の検出結果に基づいて,挿入判別手段109においてプラグ挿入判別(S226)が行われる。プラグ挿入判別(S226)がOFFの場合,スピーカ切り替え手段112によって,スピーカ113をON(S225)に切り替える。これにより,再生動作が実行(S228)される際には,スピーカ113から音声が出力される。
【0063】
また,プラグ挿入判別(S226)においてONが判別された場合,接続端子106に音声信号出力用のプラグが挿入されていると判断される。このため,スピーカ切り替え手段112によって,スピーカ113をOFF(S227)に切り替える。これにより,再生動作が実行(S228)される際には,スピーカ113の音声が出力されないため,撮像装置100の消費電力の低減が実現される。また,操作者がスピーカ113をOFFにするための操作を別途実行する必要がないため,好適な操作性の提供が可能となる。
【0064】
なお,本発明の効果は上述した実施例にのみ限定されるものではない。
【0065】
例えば接続端子106に接続されるプラグを映像・音声双方が出力可能なプラグとし,第1の実施例と第2の実施例,第3の実施例の全ての動作フローを用いることや,また,その一部を用いることも可能である。なお,かかるプラグが用いられる接続端子は,一般的なカムコーダではAV OUT端子と呼称される。
【0066】
また,カムコーダ等においては,上述したAV OUT端子以外に,マイクといった音声入力用の外部機器と接続されるマイク端子が搭載される場合もある。AV OUT端子やマイク端子は同一形状の接続端子を利用することが一般的であるため,撮像装置100には,該用途向けに2個同形状の接続端子を配置して用いる。かかる構成の撮像装置100においては,スタイラス116はどちらの接続端子に収納可能なように構成することも可能である。また,一方の接続端子のみに収納可能に構成し,他方には図6に示したホルダ背面部118dを,図5に示す端子背面の穴部106bの間近に配置することで,誤挿入を防止することも可能である。
【0067】
また,カムコーダ以外のデジタルスチルカメラや携帯電話など,その他タッチパネルを有した撮像装置に用いることも可能である。
【符号の説明】
【0068】
100 撮像装置
101 レンズ部
102 撮像素子
103 CPU
104 電源スイッチ
105 モードダイアル
106 接続端子
107 プラグ挿入検出手段
108 スタイラス挿入検出手段
109 挿入判別手段
110 表示情報切り替え手段
111 タッチパネル付き表示部
112 スピーカ切り替え手段
113 スピーカ
114 トリガースイッチ
115 端子基板
116 スタイラス
117 プラグ
118 端子ホルダ
119 表示収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像レンズを備えるカメラ部と,前記カメラ部で撮像された映像を表示し,タッチパネルを操作することにより所定の入力を入力可能としたタッチパネル付き表示部と,外部機器との接続端子と,前記接続端子が実装された基板と,前記タッチパネルを操作するスタイラスと,を有する撮像装置において,前記接続端子は,プラグ挿入口の背面までプラグ挿入穴が貫通しており,前記スタイラスは,前記接続端子の背面を貫通して前記接続端子に収納される収納部を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像装置は,前記接続端子の背面よりプラグ挿入方向に延在するホルダを有しており,前記ホルダには前記プラグ挿入穴と同一軸に穴が開いており,前記端子基板と,前記ホルダによって前記穴の周囲を囲む壁を構成することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記接続端子に,前記プラグと前記スタイラスの何れが挿入,または,両者が脱却されたかを判別する挿入判別手段を有し,前記挿入判別手段の判別結果に応じて,前記表示部の表示情報を切り替える表示情報切り替え手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置は,スピーカを有し,かつ,前記接続端子は音声信号出力可能な端子であって,前記接続端子は,前記プラグと前記スタイラスの何れが挿入,または,両者が脱却されたかを判別する挿入判別手段を有し,前記挿入判別手段の判別結果に応じて,前記スピーカの駆動有無を切り替えるスピーカ切り替え手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記接続端子は,プラグの挿入を検出するプラグ挿入検出手段を有し,かつ,前記スタイラスの挿入を検出するスタイラス挿入検出手段を設け,前記挿入判別手段は,前記プラグ挿入検出手段と,前記スタイラス挿入検出手段の検出結果と,に応じて前記プラグと前記スタイラスの何れが挿入されたかを判別することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−123263(P2012−123263A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274829(P2010−274829)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】