説明

スタイルカーテン

【課題】下方向と横方向及び斜め方向の何れにも自由に形状の変化が可能となり、形態やスタイルを簡単に変化させることができると共に、左右への開閉にも対応することができるスタイルカーテンを提供する。
【解決手段】カーテン本体2の裏面側で幅方向の複数箇所の位置に、多数のリング3が上下縦方向に並ぶリング列4を所定間隔の配置で設け、各リング列4の縦方向に並ぶ各リング3に一本の紐体5を順次挿通し、この紐体5の上下両端に止め具6と7を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たくし上げによってスタイルを自由に変えることができるようにしたスタイルカーテンに関する。
【背景技術】
【0002】
スタイルカーテンは、スタンダードなカーテンに比べ、よりファッション性の高いカーテンの呼称であり、例えば、二枚のカーテンが吊りもと中央部で突き合わされたセンタークロス、カーテンの裾に長めのフリルを取付けたハイギャザー、二枚のカーテンが吊りもとで深く交差しているクロスオーバー、一枚のカーテンの裾を円弧状にしたスカラップ等の各種形態やデザインがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のスタイルカーテンは、その形態やスタイルが固定化されたものであり、その大半が、季節や気分、模様替え等に合わせてスタイルを変化させることができなかったり、左右に開くことのできないので窓等の全面解放に対応するのが困難であるという点で改善の余地がある。
【0004】
そこで、この発明の課題は、上下方向と横方向及び斜め方向の何れにも自由に形状の変化が可能となり、形態やスタイルを簡単に変化させることができると共に、左右への開閉にも対応することができるスタイルカーテンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような課題を解決するため、この発明は、カーテン本体の一面側で幅方向の複数箇所の位置に、多数のリングが上下縦方向に並ぶリング列を設け、各リング列において、縦方向に並ぶ各リングに紐体を順次挿通し、この紐体の上下両端に止め具を設けた構成を採用したものである。
【0006】
ここで、カーテン本体は、任意のカーテン生地を用い、吊り下げ状態で矩形状となるよう縫製され、スライドフック等の既知の部材を用いてカーテンレールに左右への開閉動が可能となるよう吊り下げられ、リング列は、例えば、リング付きのテープをカーテン本体の裏面側に貼り付け固定することによって設けられ、縦方向に並ぶ各リングに順次挿通した紐体は、カーテン本体を垂らした自然状態でカーテン本体に干渉しない上下長さを有し、最上部リングから上方に引き出された上端と、最下部リングから下方に引き出された下端とに、リングへ係止するためのフック等の止め具が取付けられ、この止め具はリングに対して抜け止め機能を有している。
【発明の効果】
【0007】
この発明によると、カーテン本体の一面側で幅方向の複数箇所の位置にリング列を設け、各リング列において、縦方向に並ぶ各リングに挿通した紐体の上下両端に止め具を設けたので、紐体の上端又は下端を引き下げ又は引き上げることによって、カーテン本体の裾を部分的にたくし上げることができ、紐体の上端又は下端の止め具を任意のリングに係止することにより、たくし上げ形状を保持するので、これによってカーテン本体の裾が円弧状となり、止め具を係止するリングの位置を選ぶことにより、たくし上げの形状とたくし上げ量を変化させることができる。
【0008】
また、カーテン本体の裾をたくし上げるとき、紐体の上端又は下端の止め具を他のリング列のリングに係止することにより、カーテン本体を横方向や斜め方向にもたくし上げることができ、上下方向と横方向及び斜め方向の組み合わせによるたくし上げ形状の変化が可能となり、季節や気分、模様替え等に合わせてカーテン本体の形態やスタイルを簡単に変化させることができる。
【0009】
更に、カーテン本体は、吊り下げ状態で矩形状となるよう縫製すればよいので、スライドフック等の既知の部材を用いてカーテンレールに左右への開閉動が可能となるよう吊り下げることができ、左右に開くことで窓等の全面解放に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0011】
図示のように、スタイルカーテン1は、カーテン本体2の裏面側で、両端部とその間の複数箇所の位置に、多数のリング3が上下縦方向に並ぶリング列4を並列配置で設け、各リング列4において、縦方向に並ぶ各リング3に一本の紐体5を順次挿通し、この紐体5の上下両端に、リング3に対して係脱自在となるフックや掛け止め具、挟持具等を用いた止め具6と7を設けた構造になっている。
【0012】
上記カーテン本体2は、任意のカーテン生地を用い、吊り下げ状態で矩形状となるよう取付け部分に対応する大きさに縫製され、上端縁部に取付けたスライドフック等の既知の部材を用い、建物側に取付けたカーテンレールに左右への開閉動が可能となるよう吊り下げられるようになっており、図示の場合、カーテン本体2は、下部に折り返し部8を設けたが、下部にギャザーを取付けたデザインを採用してもよい。
【0013】
上記カーテン本体2の裏面にリング列4を設ける方法としては、保持スナップと凸スナップを用い、カーテン本体2とリング3の何れか一方に保持スナップと他方に凸スナップを取付け、この保持スナップと凸スナップを係止させることでカーテン本体2にリング3を取付ける方法、カーテン本体2に樹脂や金属製のリング3を個々に縫着して上下に並べる方法、前記の各方法を用いてリング3を着脱可能とする方法、更に、例えば図5のように、長いテープ9に多数のリング3を一定間隔で取付けたリング付きテープを用い、このテープ9をカーテン本体2の裏面側で上下方向に沿って貼り付け固定する方法等を挙げることができる。
【0014】
上記リング列4において、縦方向に並ぶ各リング3に順次挿通した紐体5は、カーテン本体2を垂らした自然状態でカーテン本体2に干渉しない上下長さを有し、最上部リング3から上方に引き出された上端と、最下部リング3から下方に引き出された下端とに、リング3へ係止するための樹脂や金属製の止め具6と7が取付けられ、この止め具6と7はリング3に対して抜け止め機能を有している。
【0015】
この発明のスタイルカーテン1は、上記のような構成であり、図1は、カーテン本体2を単に吊り下げて展張した自然状態を示し、矩形状となって垂れ下がり、各リング列4は紐体5が上下に伸びた状態になっており、建物側に取付けたカーテンレールに左右への開閉動が可能となるよう吊り下げられる。
【0016】
図2は、カーテン本体2の裾を各リング列4の部分でたくし上げ、カーテン本体2の全体をスカラップやバルーン形状にした例を示し、紐体5の上端を引き下げることによって、カーテン本体2の裾を部分的にたくし上げ、紐体5の上端の止め具6を任意のリング3に係止することにより、たくし上げ形状を保持しており、これによってカーテン本体2の裾が各リング列4間で円弧状となり、止め具6を係止するリングの位置を選ぶことにより、たくし上げの形状とたくし上げ量を変化させることができる。
【0017】
図3は、紐体5の下端を引き上げることによって、カーテン本体2の裾を部分的にたくし上げ、紐体5の下端の止め具7を任意のリング3に係止することにより、カーテン本体2の全体をバルーン形状にした状態を示している。
【0018】
図4は、カーテン本体2の裾を各リング列4の部分でたくし上げ、カーテン本体2の全体を斬新なたくし上げ形状にした例を示し、紐体5の下端を引き上げることによって、カーテン本体2の裾を部分的にたくし上げ、紐体5の下端の止め具7を他のリング列4における任意のリング3に係止することにより、たくし上げ形状を保持しており、これによってカーテン本体2の裾に対して上下方向と横方向及び斜め対角方向の複合した形状のたくし上げが行え、カーテン本体2の裾は複雑な形状の波型を呈し、斬新なスタイルのカーテンとなる。
【0019】
図4の例では、紐体5の止め具7を係止するリング3の位置を選ぶことにより、たくし上げの形状を自由に変化させることができる。
【0020】
なお、この発明のスタイルカーテン1において、図示省略したが、カーテン本体2の裏面側で上下の位置に一対の面ファスナーを取付け、カーテン本体2の巻上げ状態を面ファスナーで保持することができるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】カーテン本体を単に吊り下げて展張した自然状態を示す裏面図
【図2】カーテン本体の裾を各リング列の部分でたくし上げたバルーン形状にした例を示す裏面図
【図3】カーテン本体の裾を部分的にたくし上げ、紐体の下端の止め具を任意のリングに係止することによりカーテン本体の全体をバルーン形状にした状態を示す裏面図
【図4】カーテン本体の裾を各リング列の部分でたくし上げ、カーテン本体の全体を斬新なたくし上げ形状にした例を示す裏面図
【図5】カーテン本体にリング付きテープを取付けた状態の裏面から見た斜視図
【符号の説明】
【0022】
1 スタイルカーテン
2 カーテン本体
3 リング
4 リング列
5 紐体
6 止め具
7 止め具
8 折り返し部
9 テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテン本体の一面側で幅方向の複数箇所の位置に、多数のリングが上下縦方向に並ぶリング列を設け、各リング列において、縦方向に並ぶ各リングに紐体を順次挿通し、この紐体の上下両端に止め具を設けたスタイルカーテン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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