説明

スタイレット

【課題】簡易な構造で容易かつ安全に気管や食道にカテーテルを挿管可能であり、さらには使い捨てを余儀なくされるように挿入の際に内部を照らす発光手段の再利用を防止する構造を備えたスタイレットを提供する。
【解決手段】口腔から気管あるいは食道などに挿管されるカテーテル10を挿入するためのスタイレット1aであって、可撓性及び形状保持性を有する線状体からなる本体部2と、この本体部2の一端部に設けられる発光部3と、この発光部3を発光させるための発光手段6,11,12,13とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療あるいは獣医療における全身麻酔、救急蘇生時、人工呼吸前に気道を確保するために挿管される気管内チューブやカテーテルの挿入を安全かつ容易にするためのスタイレット及び手術後の栄養チューブの挿入や尿チューブの挿入時に使用されるスタイレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療や獣医療の現場において、気管内や食道内に治療用のカテーテルを挿管する場合には、柔軟なカテーテルの形状を維持して気管や食道への挿管を容易にすべく、カテーテルの内空にスタイレットを挿入し、喉頭鏡等で口を押し開いて喉の奥を見ながら挿管していた。
また、近時ではスタイレットに小型のカメラを内蔵して喉頭鏡を用いなくとも口腔内をモニターすることができると同時に、さらに奥の気管や食道の内部まで診察することができるものまで使用されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には「気管内挿管チューブ」という名称で、軸方向に湾曲したチューブ本体とその先端の湾曲半径内側にS字状に屈曲して突設されている発光体と、チューブ本体の軸方向に沿って設けられて発光体へ電源を供給する接続ケーブルから構成された気管内挿管チューブが開示されている。また、この気管内挿管チューブはカフとして利用可能な栓体を備えたものも開示されている。
この気管内挿管チューブによれば、懐中電灯や喉頭鏡を必要とすることなく気管内挿管チューブを挿入する際に、甲状舌骨膜や輪状甲状膜を通じて頸部の表面へ漏れる光を確認しながら確実にチューブ本体を挿入することができる。また、栓体は気管の内部に引っ掛かることなく挿入後には気管の断面形状に適合して隙間を塞ぐものとして機能させることができる。
【0004】
また、特許文献2には「光ファイバースコープを備える可撓性気管内チューブ」という名称で、中実で可撓性スタイレットに照明用ファイバー及び画像誘導装置を備えるものが開示されている。さらに、射出換気、吸引、または洗浄用の中空通路を備えたものも開示されている。
この可撓性スタイレットは、照明用ファイバーによって気管内に光を照射しながら画像誘導装置で気管内を撮像することが可能であるため、安全・容易に気道内を観察することが可能である。また、中空通路を備えたものであれば気道の確保も容易であり、吸引や薬液などを注入することも可能である。
【0005】
さらに、特許文献3には「気管内チューブ挿管用観察光学付きスタイレット」という名称で、像伝送用ファイバー、照明光伝送用ファイバー及び照明光を発生する光源や電源を備えて接眼部から気管内を光学観察しながら体腔内に挿入可能なスタイレットが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−339871号公報
【特許文献2】特表2002−508982号公報
【特許文献3】特開平11−113843号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に開示されるような従来の「気管内挿管チューブ」においては、特許文献1の図1に示されるように、チューブ自体に発光体を備え、外部から図示しないケーブルを通じて発光部に電力を供給して発光部が発光させる仕組みになっていると考えられる。このため、チューブ自体を使い回す可能性があり、衛生上好ましくないという課題があった。
また、電力を供給するためのケーブルは挿管時に邪魔になる可能性があった。
さらに、一旦生体内へ挿入したチューブは、生体内へ挿入したままの状態で長期間使用する場合があり、このような場合、光源部分が唾液や胃液等の成分にさらされて劣化し、最悪の場合破損して生体を傷つける恐れがあった。
【0008】
また、特許文献2に開示された「光ファイバースコープを備える可撓性気管内チューブ」では、照明用のファイバーに加えて画像誘導装置をスタイレットに設けている。画像誘導装置自体は小型化できるが、小型化すれば視野も狭くなり画像誘導の意味も薄れるので、スタイレットに関しては使い勝手の点から限界がある。また、気管チューブの内径の大きさは最小1mmくらいから、小さいものでも3mm、太いものになると20mmくらいまでなるので、この内径を鑑みると、画像誘導装置を備えたスタイレットは、太すぎて実用には向かないという課題があった。
画像誘導装置のみ備えたとしても、照明が存在しなければ喉奥は暗くて見えないため画像誘導装置には照明用のファイバーが常に必要となってしまう。
さらに、画像誘導装置は画像に関する信号をファイバーによって伝送したり、あるいは送信機を用いて電波で伝送したりすると、医師や獣医師の手元側にファイバーや送信機が備えられることになり、気管挿入時には作業の邪魔となってしまう課題があった。このような作業時のストレスは挿入作業の安全確実性を脅かし、医師や獣医師に肉体的・精神的な負担をかけることになってしまう課題があった。
また、このような画像誘導装置を備えることによれば、スタイレットが高額となるため使い捨てが不経済となるため、再使用されるが、滅菌には構造が複雑であると同時に、装置にダメージを与えないような滅菌処理は容易ではない。従って、簡単な洗浄による使い回しの可能性があり、感染症のリスクは取り除けていないのが現状である。
【0009】
特許文献3に開示される「気管内チューブ挿管用観察光付きスタイレット」では、特許文献2同様に、像伝送用ファイバーと照明光伝送用ファイバーとをスタイレットに設けているため、前述同様、太すぎて実用に向かないという課題があった。また、照明用電源や像観察部がスタイレット手元にあるため、医者や獣医師にとっては、手元に負担はかかるし、手元の像観察部に接眼するための姿勢に無理があることから、非常に使いづらいという課題があった。さらに前述同様に、その構造上から滅菌処理に向いていなし、高価であることも容易に想像されることから、コンタミネーション感染防止から使いまわしを避けたいものの、使い捨てを余儀なくされるような構造上の工夫も見られないこともあって、結局、繰り返しの利用を許容してしまうという課題があった。
【0010】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、その目的は、気管や食道にカテーテルを挿管する際、気管や食道内部を照らす発光手段を備える簡易な構造のスタイレットを提供することにあり、さらにはスタイレットや挿管用チューブの使い回しを防止するため、使い捨てを余儀なくされるように挿入の際に内部を照らす発光手段の再利用を防止する構造を備えたスタイレットを提供することにある。
なお、特許文献1乃至3におけるチューブという名称は、本願発明及びその実施の形態の説明時においては他の構成部材にチューブが存在するため、特にカテーテルとして区別するが、機能的には特許文献1乃至3におけるチューブと本願のカテーテルは同等のものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1に記載のスタイレットは、口腔から気管あるいは食道などに挿管されるカテーテルを挿入するためのスタイレットであって、可撓性及び形状保持性を有する線状体からなる本体部と、この本体部の一端部に設けられる発光部と、この発光部を発光させるための発光手段とを有することを特徴とするものである。
上記構成のスタイレットにおいては、本体部の一端部に設けられた発光部が発光手段と相まって発光し、気管あるいは食道の内部を照らす作用を有する。
また、スタイレットを構成する線状体は挿管される部位の形状に沿って湾曲し、その形状を保持するという作用を有する。
なお、可撓性とは撓む性質を備えることを意味し、形状保持性とは一旦撓ませたものがその状態を維持することが可能な程度に剛性を備えていることを意味するものである。
【0012】
本発明の請求項2に記載のスタイレットは、請求項1に記載の発明において、前記本体部に周設されるカフを有するものである。
上記構成のスタイレットにおいては、本体部にカフが周設されているため、気管や食道などに挿管されるカテーテルの内壁に当接しながらスタイレットの本体部とカテーテルの内壁との間の摩擦力を発生させるという作用を有する。
【0013】
本発明の請求項3に記載のスタイレットは、請求項2に記載の発明において、このカフを膨張・収縮させる手段を有するものである。
上記構成のスタイレットにおいては、本体部に周設されるカフは膨張・収縮させる手段によって膨張し、必要に応じて膨張・収縮させる手段により収縮するという作用を有する。そして、カフは気管や食道などに挿管されるカテーテルの内壁に当接しながらスタイレットの本体部とカテーテルの内壁との間の摩擦力を発生させたり、あるいは収縮しカテーテルの内壁から離間してこの摩擦力を解除するという作用を有する。
【0014】
また、請求項4に記載の発明であるスタイレットは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタイレットであって、前記発光手段は、光源である半導体発光素子と、この半導体発光素子に電力を供給するための電源及び電力供給回路とを備え、前記電力供給回路は、一旦電源に接続するとこの接続を解除できない不可逆スイッチを具備して使い捨てであることを特徴とするものである。
上記構成のスタイレットは請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタイレットの作用に加え、不可逆スイッチが、電源から電力供給回路に供給される電力の遮断を防止する作用を有する。
【0015】
さらに、請求項5に記載の発明であるスタイレットは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタイレットであって、前記発光手段は、少なくとも2種類の薬剤を混合してなる化学発光体と、この化学発光体を分離する隔壁を前記発光部の内部に備え、前記スタイレット又は前記発光部は使い捨てであることを特徴とするものである。
上記構成のスタイレットにおいても、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のスタイレットの作用に加え、発光手段として薬剤の混合による化学発光現象を利用して発光手段の再利用を防止する作用を有する。
【0016】
請求項6に記載の発明であるスタイレットは、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のスタイレットであって、前記スタイレット本体は、挿入目的箇所に応じたカーブを予め形成することを特徴とするものである。
上記構成のスタイレットは、請求項1乃至請求項5に記載のスタイレットの作用に加え、気管や食道などスタイレットを挿入する目的箇所に応じて予めカーブを形成することでその目的箇所に沿って挿管を容易にするという作用を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明であるスタイレットは、発光部と発光手段が相まって、光が届き難い気管や食道の内部においてスタイレットの端部近傍を照らし喉頭鏡での確認を容易にしてカテーテルの挿管を容易かつ安全に行うことが可能であり、さらにカテーテル挿管後は速やかにカテーテルからスタイレットを引き抜くことができる。
【0018】
また、請求項2に記載されるスタイレットは、本体部に周設されるカフが挿管されるカテーテルの内壁に当接することでスタイレットとカテーテルの内壁との間の摩擦力を生じさせてカテーテルと気管や食道との摩擦力に抗してカテーテルの挿管を容易にしたり、万一たるんだカテーテル内をスタイレットが進み過ぎて、カテーテル端からはみ出て気管や食道などを傷つけないようにすることができる。
撮像装置を含んでいないことから、カテーテルを挿管する気管や食道の奥深い内部を観察しながら挿入・処置を行ったりあるいは診察することはできないが、撮像装置を含まないためスタイレットの外径を細くすることが可能で、価格も低く抑制することが可能である。
なお、本請求項2に記載されるスタイレットはカフのみを備えてそのカフを膨張・収縮させる手段を備えていないが、別個独立の膨張・収縮させる手段をこのカフに接続することで対応するものである。本請求項2に記載されるスタイレットは、別個独立の膨張・収縮手段を用いることでカフを使用することができ、その結果、請求項3と同様の作用を発揮するものである。また、カフとは一般的に膨張、収縮する機能を具備した構造をいう。
【0019】
また、請求項3に記載されるスタイレットは、本体部に周設されるカフが膨張・収縮させる手段によって膨張して挿管されるカテーテルの内壁に当接することで、請求項2に記載の発明と同様にスタイレットとカテーテルの内壁との間の摩擦力を生じさせてカテーテルと気管や食道との摩擦力に抗してカテーテルの挿管を容易にしたり、万一たるんだカテーテル内をスタイレットが進み過ぎて、カテーテル端からはみ出て気管や食道などを傷つけないようにすることができる。また、膨張・収縮させる手段によってカフを収縮させるとカテーテルの内壁から離間して、一旦発生した摩擦力を消滅させることも可能であり、膨張・収縮させる手段によって摩擦力を調整することができる。
なお、本請求項3における膨張・収縮させる手段の具体例としては、手のひらに収まるようなバルーンや圧縮気体を供給可能なコンプレッサのような機械装置のようなものも含まれる。また、この膨張・収縮させる手段は、カフに接続するためのチューブなどの管状体を含む概念である。
【0020】
また、本発明の請求項4に記載の発明であるスタイレットは、不可逆スイッチが、電源から電力供給回路に供給される電力の遮断を防止するので一旦入ったスイッチは解除されることがなく、処置や診察・治療中においては発光手段による発光が途絶えることがない。また、不可逆スイッチは一旦使用されると再使用ができないため、スタイレットを再利用するためにはスイッチの交換が少なくとも必要であり、スタイレットの使い捨てを促進してコンタミネーション感染などを防止することが可能である。
【0021】
本発明の請求項5に記載の発明であるスタイレットも、請求項4記載のスタイレットと同様に、薬剤の混合による化学発光現象を利用して発光手段の再利用を防止することができるので、スタイレットの使い捨てを促進してコンタミネーション感染を防止することができる。
【0022】
さらに、本発明の請求項6に記載の発明であるスタイレットは、気管や食道などスタイレットを挿入する目的箇所に応じたカーブを予め形成しておくことで、カテーテルの挿管を容易にし、カテーテルの挿管に要する時間を短縮することができる。また、所望の形状に予め形成されたスタイレットは、可撓性及び形状保持性を備えることで、挿入する目的箇所の形状により近づくように形状を微調整することができるため、挿管の際にカテーテルが気管や食道などを傷つける心配がなく一層安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の第1乃至第3の実施の形態に係わるスタイレットについて図1乃至図6を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わるスタイレットの概念図である。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係わるスタイレット1aは、可撓性と形状保持性を備えるよう形成された線状体からなるスタイレット本体2と、その端部に設けられる発光部3とを備えている。また、もう一方の端部には、カテーテル10が気管や食道にひっかかって捲れ、相対的にスタイレット1aがカテーテル先端を飛び出し、もって、スタイレット1a先端が気管部や食道部の生体を傷つけることのないように、ストッパー9が設けられている。
また、スタイレット本体2の発光部3が設けられた端部とは逆の端部には発光部3に電力を供給するための電力供給部5とスイッチ6が設けられている。この発光部3の外径はカテーテル10の内に容易に挿入できるものであれば、特に規定はしないが、一般的には1mmから6mmの直径が好適である。発光部3の長さはカテーテル10が声門を通過した場合には、喉頭鏡等で観察できなくともよく、そのためには長くある必要はない。従って後述するLEDであれば先端のみが光れば十分であり、化学発光体を用いる場合も、発光部は3cmあれば十分である。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係わるスタイレットの概念図である。図1に示される第1の実施の形態をベースに、発光部3寄りにはカフ4が周設されており、このカフ4は、カフ4を膨張・収縮させる手段としてのバルーン7及びチューブ8から空気を封入されて膨張し、カテーテル10の内壁に当接し、さらに密着して摩擦力を発生させる構造となっている。
このようにすることでスタイレット本体2をカテーテル10と一体化させ、柔軟なカテーテル10を補強して挿管をより容易にすることができる。また、カフ4がカテーテル10の内壁に密着することで摩擦力を生じ、挿管に際してカテーテル10の外壁と気管や食道内壁との間に摩擦力を生じてもそれに抗するように作用してカテーテル10の挿管をより容易に実施することができる。さらに、カフ4がカテーテル10内でのスタイレット本体2の進みを抑制することから、前述のストッパー9と並行して、スタイレット本体2が、カテーテル10の端部から突出して気管や食道の内壁を傷つけることをも防止することができる。
【0024】
なお、カフ4に送出された空気はチューブ8を通じて再びバルーン7へと排送することができる。このため、カテーテル10の内壁とカフ4の密着程度を調整することができるとともに、カテーテル10の挿管完了後、バルーン7の押圧力を弱めてカフ4内の空気をバルーン7へと排送し、カフ4を収縮させてカテーテル10の内壁とのカフ4との密着を解除して、カテーテル10からスタイレット1bを速やかに抜き取ることができる。
カフ4を膨張・収縮させる手段として本実施の形態においては、バルーン7及びチューブ8を用いて、気体を送排出することでカフ4を膨張・収縮させたが、気体に限定するものではなく、液体を封入しておいて送排出してもよい。また、バルーン7とチューブ8を用いなくとも、カフ4内に気体や液体を送排出可能な手段であれば、例えば圧縮気体を供給可能なコンプレッサな装置なども含めてどのような構造を備えたものでもよい。但し、スタイレットの小型化を妨げない程度に小型化されたものであることが望ましいことは言うまでもない。
【0025】
本実施の形態においても、スタイレット本体2の発光部3が設けられた端部とは逆の端部には発光部3に電力を供給するための電力供給部5とスイッチ6が設けられており、同様に作用する。
また、前述のカフ4とは別に、スタイレット本体2がカテーテル10の端部から突出しないようにカテーテル10とスタイレット本体2の長さ寸法に合せてストッパー9が設けられている。この場合、ストッパー9と前述のカフ4が相まってより確実にスタイレット本体2のカテーテル10端部からの突出を防止することが可能となる。なお、必ずしもストッパー9を設ける必要はなく、カフ4が膨張した際にカテーテル10の内壁との間に十分な摩擦力が発生する場合にはストッパー9を設けなくともよい。また、ストッパー9は図2に示すような円盤状でも良いし、ストッパー9の縁部をカテーテル10側に折り曲げてカテーテル10の端部を被覆するよう構成してもよい。
さらに、スタイレット本体2は予め挿管されるカテーテルの目的や用途に従って、予め長手方向にカーブを描くように反るように形成されている。
但し、このカーブはある程度湾曲の調整が可能な程度の可撓性及び形状保持性を備えていることが望ましい。
このように、ヒトの口腔形状やヒト以外の家畜やペットの口腔形状に合わせてスタイレット1bを予め成形しておくことで、処置を行なう医師や獣医師がその都度スタイレット1bを所望の形状に成形する必要がなく、挿管を迅速にかつ容易におこなうことができる。
また、スタイレット本体2が可撓性及び形状保持性を備えることで、たとえば、ヒトの大人用のスタイレット1bを子供用に調整して用いることができるので、スタイレット1bの汎用性が高まる。
【0026】
次に、図3を参照しながら、本実施の形態に係るスタイレット1bの内部構造について説明を加える。
図3は、本実施の形態に係るスタイレットの断面図である。図3において、同一要素について同一符号を付しその構成の説明は省略する。図2では全体が示されていなかったチューブ8は、バルーン7からカフ4までを接続するようにスタイレット本体2の内部に設けられており、バルーン7に貯留される空気をカフ4に供給したり、逆にカフ4内の空気をバルーン7へと送給することができる。本図3では図示していないものの、このチューブ8に、カフ4への空気の送排出を制御する送排出制御機構、たとえば、逆止弁やピンコック,クリップ等の挟持具を設けて、一旦バルーン7を圧縮してカフ4へ送出された空気がカテーテル10の挿管が完了するまでの間バルーン7に逆流しないようにしてもよい。また、たとえば、送排出制御機構として逆止弁を備えた場合、チューブ8を指で潰すようにすると逆止弁がチューブ8の流路に対して隙間を生じさせることでバルーン7に空気が逆流できるような構造にしておいたり、逆止弁を切り替えることで送排出を選択可能にするようにしておくとよい。もちろん、バルーン7を手で強弱を持って圧縮し、カフ4の膨張具合を調整しながらスタイレット1bを取り扱うようにしてもよい。
【0027】
スタイレット1bの発光部3に電力を供給する仕組みについて図3及び図4を参照しながら詳細に説明する。
図3中点線の円形内に示すように、本実施の形態に係るスタイレット1bは、スイッチ6の内部で電源11に接続された電力供給回路の電源ケーブル13が接点で接続することで発光部3に電力が供給される仕組みになっている。本実施の形態においては、電源ケーブル13とこれに備えられたスイッチ6、さらに電源ケーブル13に接続されて発光部3の内部に収容されて光源として機能する白色LED12及び電源11を併せて発光手段としている。
【0028】
また、本実施の形態においては白色LED12を採用しているが、本来、チューブ先端の位置を医者が認識できればよく、とくに、患者の口から覗くことはできない喉の位置におけるチューブ先端位置の把握ができれば何色のLEDを用いてもよい。ただ、チューブを奥に挿入する際に患者の口内等の生体内組織が見えると付随知見が得られることを考慮すれば白色LEDが望ましく、同じ白色LEDであるならば、紫外線励起の白色LEDよりは、紫外波長を含まない励起光にある白色LEDの方が、紫外線の人体への悪影響という観点から捉えると、望ましいといえる。
なお、白色LEDには、上記のように励起光の波長帯の違いもあるが、白色の色合いが太陽光に近いという演色性の違いもあり、生体内組織を医者が肉眼にて見るには、血管(動脈、静脈)の識別のしやすさから演色性の高い(Ra=90以上)の白色LEDが望ましい。さらには、高演色性白色LEDには半導体素子が3つ(赤、緑、青色)の合成光による白色よりは、半導体素子が1つによる白色の方が、電源・配線が単純なので、スタイレットの小型化には、後者のタイプの高演色性白色LEDが望ましい。
このように、発光部3の光源に、1チップタイプの近紫外励起光による演色性の高い白色LED12を用いた場合、より径の細いスタイレットの提供が可能となり、医者や獣医師はカテーテルを挿入する際には、カテーテルの先端がどこにあるかを視認できるので、医者や獣医師のカテーテル挿管作業を安全に、かつ、確実に実施でき、さらには、作業負担も軽減されるといったメリットが得られる。さらに加えてよいことには、演色性がよいと口内生体情報も挿管時に視認の過程にて付随して情報を得ることが出来、医者や獣医師の意思決定を支援することにも役立つといえる。
なお、本願明細書中に記載される半導体発光素子とは、半導体材料により構成され通電することで発光する素子を意味し、たとえば、LEDやレーザーダイオードである。こちらの発光素子波長としては、可視光のほかに赤外波長や紫外波長をも含んでいるものがある。ちなみに、患部等に投与蓄積される蛍光剤と反応して可視光を発光させる等の目的の場合には、蛍光剤をよりよく発光させる波長が赤外波長や紫外波長であるならば、当該波長を含んだ発光素子を選定してもよい。
【0029】
また、図3においては本実施の形態に係るスタイレット1bの電力供給機構が理解されやすいように、スイッチ6を模式的に押しボタンタイプのスイッチで表現しているが、このスイッチ6は以下の図4に示すような不可逆スイッチであることが望ましい。
本発明に係るスタイレットは、第1あるいは第2の実施の形態に係るスタイレット1bのように発光部3に設けられる光源を電力で発光させる電力発光タイプと、発光部3に設けられる少なくとも2種類の薬剤を混合させることで化学発光する化学発光タイプに大別することができる。そして、電力発光タイプのスタイレットは、不可逆スイッチを設けることでスタイレット自体を使い捨てにすることができる。この場合、スタイレットの使い回しを禁止できて感染を防止することができる。
他方、本発明に係る電力発光タイプのスタイレットは、たとえば、電力供給部5を着脱可能に構成し、電力供給部5以外の部分を気密及び医療滅菌可能な程度の耐熱性を有するように構成してもよい。この場合、電源11を適宜交換することで電力供給部5以外の部分を繰り返し使用できるため経済的である。
なお、本発明に係る化学発光タイプのスタイレットの詳細については後述する。
【0030】
図3に示すように、スタイレット本体2は、外皮2aと内部構成物2bから構成されており、電源ケーブル13やバルーン7のチューブ8は内部構成物2b中に埋め込まれるように構成されている。スタイレットの可撓性は、この内部構成物2bの材質により主として付与され、その材質は、人体に安全であって、樹脂にあってはポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、テフロン(登録商標)、シリコンなどが使用できる。
また、外皮2aは、内部構造物2bと相まって、スタイレット全体として可撓性と形状保持性を最適にする役割を付与するものであり、材質は人体に安全であれば限定しないが、金属製では、ステンレスが挙げられる。
ここでの説明は、内部構造物2bに外皮2aの皮膜が覆われているものとしているが、本発明では、内部構造物2bのままであって外皮2aの被覆がなくとも、目的を果たすに都合のよい可撓性と形状保持性を備えていれば支障ない。
【0031】
図4(a)乃至(c)は本実施の形態に係るスタイレットの不可逆スイッチの構成を模式的に示す断面構造図である。
図4(a)におけるスタイレット1cの不可逆スイッチの構成は、スタイレット本体2の端部に設けられた電力供給部5において形成されるもので、内部に設けられた電池14にそれぞれ電力供給回路を形成する電源ケーブル13a,13aが接触するように構成されている。電源ケーブル13aは電池14の電極に接触しているものの電源ケーブル13aは電池14の電極に接触していない。
スタイレット本体2の内壁と変形容易な材料で構成された隔壁15とは、密着して不動の状態にあり、この状態は滅菌を可能とする構造である。このように密着して不動の状態にある隔壁15は、蓋部17から突設される押出部16を押込むことによっても不動のままであるが、押出部16の押込みによる変位量分ほど隔壁15が変形し、その結果として電池14を電源ケーブル13aに接触させるものである。
なお、押出部16の押込みによって隔壁15が破れ、押出部16と電池が接触し、押出部16の変位量が電池に伝達され、結果として、電池14とケーブル13aが接触するようにしてもよい。
以上のようにして、電源ケーブル13aが電池14の電極へ接触することになり、電力供給回路が閉回路として成立して電源ケーブル13a,13aの他端に接続された白色LED12が点灯する。
一旦押込まれた押出部16は元の位置に戻ったとしても電池14は移動することなく、結局電源は入ったまま電力が残っている限り白色LED12は点灯されることになる。
【0032】
次に、図4(b)におけるスタイレット1dの不可逆スイッチの構成もスタイレット本体2の端部に設けられた電力供給部5において形成されるものであり、内部に設けられた電池14に電源ケーブル13b,13bが接触することで電力供給回路を形成するように構成されている。これらの電源ケーブル13b,13bのうち、電源ケーブル13bは予め電池14に接触しているものの電源ケーブル13bは当初接触していない状態にある。
電池14の一方の電極に導電体18が接続されており、その端部には接触子26bが設けられ、電源ケーブル13bの端部にも接触子26bが設けられており、スタイレット本体2を強く押しつぶす又は折り曲げると接触子26b,26bが変形して接触し、電源ケーブル13bが接触子26b,26b及び導電体18を介して電池14に接続され電力供給回路が閉回路として成立する。
これによって、電源ケーブル13b,13bの他端に接続された白色LED12が点灯する。
他方の電源ケーブル13bは予め電池14の他方の電極へ接触させておくが、本実施の形態における電源ケーブル13bはシールドされていない場合には、図4(b)に示すとおり電源ケーブル13bとのショートを避けるためにスタイレット本体2の内部に配線することが望ましい。
【0033】
図4(c)のスタイレット1eでは、(b)と同じく電池14の一方の電極に導電体18が設けられており、この端部に形成された接触子26cと、電源ケーブル13cの端部に形成された接触子26cをスタイレット1dと同様にして変形接触させて閉回路を形成して電源ケーブル13c,13cの他端に接続された白色LED12が点灯することになる。図4(c)では、接触子26cと接触子26cが離れているように見えるが、図中の点線は接触子26c,26cがさらに延設されていることを意味しており、螺旋状の接触子26cはこれより大径の接触子26cの内側に非接触に挿入された状態であり、スタイレット本体2を押しつぶすことで、これらは変形して接触するものである。
なお、本実施の形態においては螺旋状の接触子を示しているが、例えば円筒状の接触子を2重に形成しておいて変形によって接触するようにしておいてもよい。また、この円筒状とは板状の接触子を円筒状に形成したものでもよいし、網状の接触子を円筒状に形成したものでもよい。
本実施の形態においても他方の電源ケーブル13cは予め電池14の他方の電極へ接触させておくが、電源ケーブル13cはシールドされていない場合には、図4(c)に示すとおり電源ケーブル13cとのショートを避けるためにスタイレット本体2の内部に配線することが望ましい。
図4(b)、(c)に示した不可逆スイッチにおいても一旦接触子26b〜26cが押しつぶされて接触して閉回路が形成されるとそれを解除することはできず、電力が残存する限り白色LED12が点灯されることになる。接触子26b〜26cには、銅やアルミニウム等の変形容易な材料を採用することが望ましい。
本図4(a)乃至(c)に示されるような不可逆スイッチを備えることで、一旦使用されたスタイレットの再利用の防止を促進することができ、医療機関内におけるコンタミネーション感染を低減、防止することができる。
【0034】
以上説明したように構成される本実施の形態に係るスタイレットの使用方法について図5を参照しながら説明する。
医師や獣医師あるいは歯科医師は、例えば左手24に喉頭鏡22を持って、舌を押さえながら、右手25でカテーテル10とこのカテーテル10に挿入したスタイレット本体2を気管あるいは食道内へと導く。
その際には、図では描かれていないが、バルーン7を右手25で少し握りながらカフ4の膨張の度合いを調整してスタイレット本体2とカテーテル10との間の摩擦力を調整する。あるいは、カフ4が所望の大きさに膨らんだところで上述のような空気の送排出制御機構を用いてカフ4への空気の出入を一時的に遮断してもよい。このように、カフ4によって密着力が高まったカテーテル10はカテーテル10自体が持つ柔軟性をスタイレット本体2によってカバーされることでより円滑に気管あるいは食道に挿管されるのである。
【0035】
また、図5においてスイッチ6は右手25で押されやすくするためにスタイレット1bを掴む際に親指が位置する近傍に備えられている。スイッチ6の設置場所は図示される位置に限定されるものではなく、電力供給部5の端部でもよい。すなわち、医師や獣医師あるいは歯科医師にとって処置の妨げにならない場所であればその位置は問題としない。
また、バルーン7は図では上方を向いているように見えるがこれを下方側へ設けて右手25の中に包み込むようにしながらスタイレット1bを持つことができるようにしておくとよい。
スイッチ6を入れてスタイレット本体2の端部に設けられた白色発光ダイオードである発光部3が点灯すると、喉頭鏡22によって口腔の奥まで観察しながらカテーテル10を挿管することができる。そして、カテーテル10の挿管完了後、バルーン7の押圧力を緩めて、あるいは、カフ4への空気の送排出制御機構を解除してカフ4内の空気をバルーン7へと送給することでカフ4を収縮させることによれば、カテーテル10からスタイレット1bを容易に抜き取ることができる。
なお、図5に示されるスイッチ6は図3と同様に押しボタンタイプのものを示しているが、衛生上の観点から不可逆スイッチを採用する方が望ましいことは言うまでもない。
【0036】
最後に、本発明の第3の実施の形態に係るスタイレットについて図6を参照しながら説明する。図6は第3の実施の形態に係るスタイレットの断面図である。図6において、図3と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
本スタイレット1fは発光部3内部に収容される発光手段として少なくとも2種類の薬剤を混合することで発光する化学発光体を用いている。少なくとも2種類の薬剤19,20と、これらの薬剤を分離して収容する隔壁21を備えている。隔壁21は、薬剤20を包んで収容する容器として構成されているが、容器状ではなく単に発光部3を分離する1枚の壁としてもよいし、発光部3の内部に薬剤19,20のそれぞれを包んで収容する容器として構成させてもよい。
薬剤19としてはシュウ酸誘導体等の反応物質と、この反応物質の反応により励起される蛍光物質を含有する。薬剤20には触媒や過酸化水素などを含有する。薬剤19.20の組成は逆でもよい。使用時には発光部を、たとえば、既存の工具や専用の治具、あるいは手や指で折り曲げて内部のガラスアンプルなどの隔壁21を割り、薬剤19,20を混合して化学ルミネセンス反応を生ぜしめて化学発光体として機能させるものである。このような化学ルミネセンス反応は一旦発光するとすぐに最高照度に達し、発光が例えば、5分間から30分間程度継続したり、あるいは最低1分間継続するなどのようにしておく。なお、使用目的に応じて薬剤19,20の量を予め調整したものを準備しておくとよい。
本実施の形態に係るスタイレット1fは、使用直前に発光部3を外部からたとえば、既存の工具や専用の治具、あるいは手や指等で圧力を加えて隔壁21を破り、中から化学発光体20を漏洩させて化学発光体19と混合させることで発光の反応を起こさせて光を得るものである。
従って、特に発光部3の外装は柔軟性を備えるものであることが望ましい。柔軟性の程度は、できれば人間の指の力で内部の隔壁21を破ることができる程度であることが望ましい。
【0037】
尚、図6に示されるとおりスタイレット本体2と発光部3とを別体に構成し、スタイレット本体2の先端に発光部3を装着可能に構成してもよい。このように発光部3のみを交換可能とすることでスタイレット本体2の再利用が可能になり経済的である。そもそも、スタイレット1fを用いてカテーテル10を挿管する場合、本実施の形態に係るスタイレット1fのスタイレット本体2はカテーテル10により被覆されるため、生体との接触により汚染される可能性は比較的低い反面、発光部3は、スタイレット本体2の端部に設けられているため、挿管時に口腔や気管の内壁に接触する可能性が高く、汚染される可能性も極めて高い。従って、スタイレット本体2の先端に設けられる発光部3のみを着脱可能に構成し、発光部3を使い捨てに構成することは合理的である。
なお、コンタミネーション感染などの防止を特に強化する場合には、発光部3をスタイレット本体2に一体に設けてスタイレット1fごと使い捨て可能とすればよい。
本実施の形態においては、発光を化学的な反応から得るため電源供給回路や電源などは不要であり、よりシンプルな構成とすることができ、経済的なスタイレットを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項6に記載された発明は、医療あるいは獣医療に用いるスタイレットとして利用されることはもちろんのこと、迅速、確実な挿管を可能として感染症を防止することができる栄養チューブや尿チューブに対しても利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るスタイレットの概念図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るスタイレットの概念図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るスタイレットの断面図である。
【図4】(a)乃至(c)のいずれも本発明の第2の実施の形態に係るスタイレットの不可逆スイッチを模式的に示す断面構造図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るスタイレットの使用状態図である
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るスタイレットの断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1a〜1f…スタイレット 2…スタイレット本体 2a…外皮 2b…内部構成物 3…発光部 4…カフ 5…電力供給部 6…スイッチ 7…バルーン 8…チューブ 9…ストッパー 10…カテーテル 11…電源 12…白色LED 13,13a〜13c…電源ケーブル 14…電池 15…隔壁 16…押出部 17…蓋部 18…導電体 19,20…薬剤 21…隔壁 22…喉頭鏡 23…口 24…左手 25…右手 26b〜26c…接触子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔から気管あるいは食道などに挿管されるカテーテルを挿入するためのスタイレットであって、可撓性及び形状保持性を有する線状体からなる本体部と、この本体部の一端部に設けられる発光部と、この発光部を発光させるための発光手段とを有することを特徴とするスタイレット。
【請求項2】
前記本体部に周設されるカフを有することを特徴とする請求項1に記載のスタイレット。
【請求項3】
前記カフを膨張・収縮させる手段を有することを特徴とする請求項2に記載のスタイレット。
【請求項4】
前記発光手段は、光源である半導体発光素子と、この半導体発光素子に電力を供給するための電源及び電力供給回路とを備え、前記電力供給回路は、一旦電源に接続するとこの接続を解除できない不可逆スイッチを具備して使い捨てであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタイレット。
【請求項5】
前記発光手段は、少なくとも2種類の薬剤を混合してなる化学発光体と、この化学発光体を分離する隔壁を前記発光部の内部に備え、前記スタイレット又は前記発光部は使い捨てであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスタイレット。
【請求項6】
前記スタイレット本体は、挿入目的箇所に応じたカーブを予め形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のスタイレット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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