スタッカークレーン
【課題】コスト面及びメンテナンス性において有利でありながら昇降台の荷重を適切に支持でき、昇降台の構成の簡素化を図ることができるスタッカークレーンを提供すること。
【解決手段】一対の支柱10の夫々が、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成され、一対の支柱10の夫々における昇降台12に対向する側面に、昇降台12を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部U2が形成され、かつ、一対の支柱10の夫々における昇降台12の突出側に相当する側面のうちの、車体前後方向において昇降案内用凹入部U2が存在する位置とは離れた箇所に、昇降台12を昇降作動させるための他部材23・25が装着される他部材装着用凹入部U1が形成され、昇降台12に装備した昇降用のガイドローラ27が、昇降案内用凹入部U2の内部に係入して、その内面に当接して案内される状態で設けられているスタッカークレーン。
【解決手段】一対の支柱10の夫々が、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成され、一対の支柱10の夫々における昇降台12に対向する側面に、昇降台12を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部U2が形成され、かつ、一対の支柱10の夫々における昇降台12の突出側に相当する側面のうちの、車体前後方向において昇降案内用凹入部U2が存在する位置とは離れた箇所に、昇降台12を昇降作動させるための他部材23・25が装着される他部材装着用凹入部U1が形成され、昇降台12に装備した昇降用のガイドローラ27が、昇降案内用凹入部U2の内部に係入して、その内面に当接して案内される状態で設けられているスタッカークレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体から立設される支柱と、前記支柱にて昇降自在に案内される昇降台とが備えられ、前記昇降台が、前記支柱から車体横幅方向の一側方に向けて突出する状態で設けられたスタッカークレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるスタッカークレーンは、通常一般に、物品を収納する収納部が縦横に設けられた物品収納棚の前面側の移動経路に沿って走行するように設置されて、物品収納棚の収納部に物品を収納する入庫作業や収納部に収納した物品を取出す出庫作業を行うことになる。
特に、物品収納棚が、移動通路を挟んで棚前面側を互いに対向させる姿勢で一対設けられる場合には、二台のスタッカークレーンを、移動通路においてすれ違い移動できるように設けることができる。
すなわち、移動通路の床面に設置される走行レールとして間隔を隔てて一対敷設し、これら一対の走行レールの夫々に対してスタッカークレーンを走行自在に設ける。この場合、各スタッカークレーンの昇降台が、支柱から車体横幅方向で相手側に向かって突出する状態で設けられることになるが、昇降台の、支柱から相手側に突出する部分の長さを、車体横幅方向で相手側支柱の位置まで達しない長さとすることで、二台のスタッカークレーンは、昇降台が相手側の支柱に干渉することなく、すれ違い移動自在となる。
そして、このようなスタッカークレーンの従来例として、下部枠体から単一の支柱が立設されたものがある(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
上記従来例のものでは、支柱における昇降台の突出側に相当する側面に、上下方向に沿う凹入部が形成され、その凹入部の長手方向に沿ってガイドレールを取り付けたものがある。このガイドレールは、昇降台の昇降範囲の全体に亘って設けられている。そして、昇降台に装備した昇降用のガイドブロックをガイドレールに対してスライド自在に係合させることで、直動案内機構を構成し、直動案内機構により昇降台を昇降下限高さから昇降上限高さまで昇降自在に支持している。
このような従来のスタッカークレーンでは、支柱の上下複数箇所でガイドレールをボルト連結することで、支柱の強度を補強している。なお、特許文献1のものでは、凹入部が車体前後方向に並べて2本形成されて、夫々の凹入部にガイドレールが取り付けられている。すなわち、車体前後方向に並ぶ2本のガイドレールにより、昇降台の荷重を確実に支持するとともに、支柱の強度を十分に補強している。
また、特許文献1のものでは、支柱の断面形状を、車体前後方向で昇降台が存在する側とは反対側に延出する形状として、支柱の車体前後方向での強度を確保している。そして車体前後方向で昇降台が存在する側とは反対側に延出する部分の昇降台の突出側に相当する側面に、昇降台に装備された物品移載装置を作動させるための電力を供給する給電レールが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−269730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例のスタッカークレーンにおいては、支柱にガイドレールを取り付けることで、支柱の強度を補強しているが、ガイドレールは、昇降台を適切に昇降案内するための高い直線精度が要求されるため、一般に高価である。従来では、そのような高価なガイドレールを昇降台の昇降範囲の全体に亘って支柱に設けなければならず、スタッカークレーンの製造コストが高くなるという問題があった。しかも、支柱に対してガイドレールを取り付ける際には、ガイドレールを支柱の上下複数箇所でボルト連結して設けなければならないため、ガイドレールの取り付け作業に手間がかかってしまう点でも製造コストが高くなる。
また、ガイドレール及びガイドブロックには、昇降台の大荷重がかかるため、定期的なメンテナンスが必要であるが、ガイドレールやガイドブロックの交換作業等は、一般的なガイドローラ式のスタッカークレーンに比べて作業が困難なため、メンテナンス性が悪いという不利があった。
さらに、上記従来例のように、支柱の断面形状を、車体前後方向で昇降台が存在する側とは反対側に延出する形状とし、その延出する部分の昇降台の突出側に相当する側面に、給電レールを取り付けると、車体前後方向で昇降台と給電レールとの間にガイドレールが存在する分だけ、昇降台から車体前後方向で遠い箇所に給電レールが存在することになる。そのため、給電レールから電力を受け取る受電部を昇降台に支持するための支持構造が複雑化してしまう。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、コスト面及びメンテナンス性において有利でありながら昇降台の荷重を適切に支持でき、しかも、昇降台の構成の簡素化を図ることができるスタッカークレーンを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明に係るスタッカークレーンの第1特徴構成は、走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体から立設される支柱と、前記支柱にて昇降自在に案内される昇降台とが備えられ、前記昇降台が、前記支柱から車体横幅方向の一側方に向けて突出する状態で設けられたスタッカークレーンにおいて、
前記支柱として、車体前後方向に間隔を隔てて並ぶ一対の支柱が備えられ、前記昇降台が、前記一対の支柱の夫々に昇降自在に案内される状態で、前記一対の支柱の間に配設され、前記一対の支柱の夫々が、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成され、前記一対の支柱の夫々における前記昇降台に対向する側面に、前記昇降台を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部が形成され、かつ、前記一対の支柱の夫々における前記昇降台の突出側に相当する側面のうちの、車体前後方向において前記昇降案内用凹入部が存在する位置とは離れた箇所に、前記昇降台を昇降作動させるための他部材が装着される他部材装着用凹入部が形成され、前記昇降台に装備した昇降用のガイドローラが、前記昇降案内用凹入部の内部に係入して、その内面に当接して案内される状態で設けられている点にある。
【0008】
本特徴構成によれば、昇降台は一対の支柱の間に配置され、一対の支柱の夫々における昇降台に対向する側面に形成された昇降案内用凹入部に、昇降台に装備された昇降用のガイドローラが係入して、昇降案内用凹入部の内面に昇降用のガイドローラが当接して案内されることになるので、ガイドレール及びこれにスライド移動自在に係合するガイドブロックにて構成されるコスト面やメンテナンス性で不利な直動案内機構を設けなくても、コスト面やメンテナンス性で有利なガイドローラを用いた構成により、昇降台を昇降自在に設けることができる。
【0009】
また、一対の支柱の夫々に形成される昇降案内用凹入部及び他部材装着用凹入部は、車体前後方向において離れているため、一対の支柱の夫々において、車体前後方向で昇降案内用凹入部と他部材装着用凹入部との間の箇所には、昇降台の突出側に相当する側面及びこれと反対側の側面とに亘って、筒状の支柱の内部に補強用の壁部を形成することが可能であるため、支柱の強度を補強して必要な強度を確保することができる。さらに、一対の支柱の夫々において、昇降案内用凹入部より昇降台の突出側とは反対側の部分は、凹入部の一端面を形成する部分も含めると、車体前後方向で長方形の長辺に相当する長さとなっているため、車体前後方向の大きな荷重を受け止めることができる。これにより、一対の支柱の夫々は、車体前後方向の強度を確保できる。
【0010】
さらに、昇降台の突出側に相当する側面には、他部材装着用凹入部と昇降台との間には、ガイドレール等を設ける必要がないため、他部材装着用凹入部を車体前後方向で昇降台の端部に近付けて配置することができる。そのため、他部材装着用凹入部に設けられる給電レールや検出部材等に対して作用する他部材を昇降台の端部にて支持する場合、その支持部材の構成を簡素にして昇降台の構成の簡素化を図ることができる。
【0011】
このように、本特徴構成によれば、コスト面及びメンテナンス性において有利でありながら昇降台の荷重を適切に支持でき、しかも、昇降台の構成の簡素化を図ることができるスタッカークレーンを得るに至った。
【0012】
ちなみに、一対の支柱の夫々は、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成されているので、内部に補強用の壁部を形成することで、支柱の強度を確保しつつ車体横幅方向における長さを短くすることができる。そのため、例えば、2台のスタッカークレーンを、昇降台の突出側が互いに対向する姿勢で配置して、すれ違い移動自在に設ける場合には、2台のスタッカークレーンを車体横幅方向で極力近付けて配置することができ、スタッカークレーンの移動通路の幅をコンパクトにすることができる。
【0013】
本発明に係るスタッカークレーンの第2特徴構成は、前記一対の支柱の夫々における前記昇降案内用凹入部には、前記昇降用のガイドローラとして、前記昇降台の昇降を車体横幅方向で案内する横幅方向案内ローラと、前記昇降台の昇降を車体前後方向で案内する前後方向案内ローラとの双方が異なる高さで係入している点にある。
【0014】
本特徴構成によれば、横幅方向案内ローラと前後方向案内ローラとの双方が昇降案内用凹入部に係入して、それらが昇降案内用凹入部の内面に当接して案内されることで、昇降台は、車体横幅方向及び車体前後方向の双方で昇降案内されることになり、昇降台の支柱に沿った昇降が適切に行われる。しかも、横幅方向案内ローラと前後方向案内ローラとは異なる高さで、昇降案内用凹入部に係入しているため、昇降案内用凹入部の空間を有効に使用して、極力大径のガイドローラを設けて、昇降台を安定良く案内することができる。
なお、昇降用のガイドローラは昇降台の車体前後方向の両端部に、車体横幅方向での姿勢を規制するべく、少なくとも、昇降案内用凹入部の昇降台の突出側の内面に当接するガイドローラと、突出側とは反対側の内面に当接するガイドローラとを装備することが好ましい。
【0015】
本発明に係るスタッカークレーンの第3特徴構成は、前記一対の支柱のうちの一方の支柱における前記他部材装着用凹入部には、前記他部材として、前記昇降台に装備された物品移載装置を作動させるための電力を供給する給電レールが、支柱の上下方向に沿って装着され、前記給電レールから電力を受け取る受電部が、車体前後方向で前記昇降台の両端部のうち、前記一方の支柱に近い側の端部に支持されている点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、給電レールは車体前後方向で一方側の支柱において、昇降台の両端部のうち一方側の支柱に近い側の一方側の端部に近接しているため、給電レールから電力を受け取る受電部を、昇降台の突出側でかつ車体前後方向で一方側の端部に設ける場合に、受電部を支持するための支持部材を、車体前後方向で短いもので構成することができるため、受電部の支持構造の簡素化を図ることができる。
【0017】
本発明に係るスタッカークレーンの第4特徴構成は、前記一対の支柱の夫々が、押出し成形加工により一体成形されたアルミニウム材にて構成され、前記一対の支柱は、横断面形状が前記昇降台に関して対称となっている点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、押出し成形加工により一体成形されたアルミニウム材にて構成しているので、押し出された表面となる昇降案内用凹入部の内面は非常に滑らかな仕上がりとなる。そのため、ガイドプレートなどを設けなくても、昇降用のガイドローラを低い転がり抵抗となる状態で転動させることができるので、昇降台を円滑に昇降させることができる。また、昇降用のガイドローラの外周面の磨耗を抑制できる。
しかも、一対の支柱は、横断面形状が昇降台に関して対称となっているため、一対の支柱としての一方の支柱と他方の支柱とを、同じ仕様のもので構成して上下反転した姿勢で下部枠体から立設させることができる。一方の支柱と他方の支柱とを同仕様に構成することで、一方の支柱を押出し成形加工するための金型と他方の支柱を押出し成形加工するための金型とを共通化することができるため、支柱の製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】自動倉庫の概略平面
【図2】同倉庫の移動通路部分を示す正面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】スタッカークレーンの下方側部分の側面図
【図5】下部枠体における前側の支柱の取付け部を示す斜視図
【図6】車輪支持枠の取付け構成を示す斜視図
【図7】昇降台の支持構造を示す横断平面図
【図8】同構造を示す正面図
【図9】同構造を示す側面図
【図10】同構造を示す側面図
【図11】上部枠体の装着部を示す側面図
【図12】同部を示す平面図
【図13】上部枠体の前方側の支柱への取付け部を示す平面図
【図14】同部を示す一部切欠き正面図
【図15】同部を示す分解斜視図
【図16】同部を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向する状態で間隔を隔てて設置した左右一対の収納棚1と、左右一対の収納棚1の間に形成された移動通路2を収納棚1の横幅方向に沿って移動自在な左右一対のスタッカークレーンKと、移動通路2の両端部において、収納棚1に入庫する物品Bや収納棚1から出庫した物品Bを支持する入出庫部3とが設けられて、左右一対のスタッカークレーンKによって、入出庫部3に搬出された物品Bを収納棚1に収納する入庫作業や、収納棚1に収納されている物品Bを入出庫部3に取出す出庫作業を行う自動倉庫が構成されている。
【0021】
左右一対の収納棚1の夫々は、図1及び図2に示すように、棚前後方向に間隔を隔てて立設する前後一対の支柱4a、4bからなる支柱組を棚横幅方向に沿って並設し、かつ、それら複数の支柱組における棚横幅方向で隣り合う支柱組同士を、上下方向複数箇所で棚板5にて連結して、棚横幅方向で隣り合う支柱組の間に、物品収納部6を形成するように構成されている。
そして、物品収納部6に、物品Bが棚板5から移動通路2側に突出する状態で載置収納されるように構成されている。
【0022】
入出庫部3は、図1に示すように、棚左右方向に間隔を隔てて並ぶ一対の物品載置用ビーム3aを備えて、物品Bを左右一対の物品載置用ビーム3aから移動通路2側に突出する状態で、一対の物品載置用ビーム3aにて載置支持するように構成されている。
【0023】
図1〜図3に示すように、移動通路2の床面部には、横断面形状がエの字状の左右一対の走行レール7が、左右一対のスタッカークレーンKの夫々に対応させて移動通路2の横幅方向の両端部に位置させる状態で、移動通路2の長手方向に沿わせて設置され、また、移動通路2の天井側部には、横断面形状が矩形状の左右一対の上部案内レール8が、左右一対のスタッカークレーンKの夫々に対応させて移動通路2の横幅方向の両端部に位置させる状態で、移動通路2の長手方向に沿わせて設置されている。
【0024】
そして、左右一対のスタッカークレーンKの夫々が、走行レール7及び上部案内レール8にて案内される状態で、移動通路2に沿って走行して、入庫作業や出庫作業を行うために、収納棚1の物品収納部6及び入出庫部3に移動するように構成されている。
【0025】
左右のスタッカークレーンKは、同仕様となる状態に構成されており、そして、左側のスタッカークレーンKLと右側のスタッカークレーンKRとで、前後向きを反転した状態に設置されている。
また、左側のスタッカークレーンKLと右側のスタッカークレーンKRとは、図2に示すように、すれ違い形態で走行できるものであるが、その詳細については後述する。
ちなみに、本実施形態においては、左側のスタッカークレーンKLや右側のスタッカークレーンKRが一台ずつ装備される場合を例示するが、左側のスタッカークレーンKLや右側のスタッカークレーンKRを、複数台ずつ装備する形態で実施してもよい。
尚、以下の説明において、左側のスタッカークレーンKLと右側のスタッカークレーンKRとを区別する必要がないときには、単に、スタッカークレーンKと呼称する。
【0026】
図2〜図4に示すように、スタッカークレーンKは、走行レール7に沿って走行自在な走行輪Wを前後両端部に備えた下部枠体9と、その下部枠体9の前後両端部から立設される前後一対の支柱10と、前後一対の支柱10の上端部同士を接続する上部フレーム11と、前後一対の支柱10にて昇降自在に案内される昇降台12とを備えるものであり、昇降台12には、ベルト搬送式の物品移載装置Vが装備されている。
ちなみに、スタッカークレーンKの支柱10が、移動通路2の横幅方向の一端部に位置するため、昇降台12が、移動通路2の横幅方向の他端部側に向けて、支柱10から突出する状態で設けられている。
【0027】
下部枠体9の前後に装備される走行輪Wは、本実施形態では、走行用電動モータM1にて駆動される駆動車輪Wfと自由回転自在な遊転車輪Wrであり、これら駆動車輪Wf及び遊転車輪Wrは、走行レール7の上面に接触して走行するように構成されている。
ちなみに、以下の説明においては、駆動車輪Wfが装備される側を、スタッカークレーンKの車体前方側とし、遊転車輪Wrが装備される側を、スタッカークレーンKの車体後方側として説明する。
したがって、前後一対の支柱10は、車体前方側に位置する前方側の支柱10Fと、車体後方側に位置する後方側の支柱10Rとから構成されることになるが、以下の説明において、前方側の支柱10Fと後方側の支柱10Rとを区別する必要がないときには、単に、支柱10と記載する。
【0028】
下部枠体9について説明すると、図4〜図6に示すように、車体前後方向に沿って長尺状の主枠9Mが備えられ、その主枠9Mの前後両端部に、車体横幅方向並びに上下方向に沿う姿勢の板状の取付け板9F、9Rが、主枠9Mの上方及び横側方に突出する状態で溶接されている。
尚、主枠9Mの前端部に取付けられる前方側の取付け板9F、及び、主枠9Mの後端部に取付けられた後方側の取付け板9Rは、前後方向視にて、逆U字状を呈する部分と、その部分の左右方向の一端側より上方に突出する部分とを備える形状に構成されている。
【0029】
そして、図6に明示するように、駆動車輪Wfを支持する前方側の車輪支持枠13Fの後端部が、前方側の取付け板9Fにボルト連結され、遊転車輪Wrを支持する後方側の車輪支持枠13Rの前端部が、後方側の取付け板9Rにボルト連結されている。
【0030】
図4に示すように、前方側の車輪支持枠13Fには、駆動車輪Wfの走行レール7からの浮き上がりを規制すべく、走行レール7における上側フランジ部7a(図2参照)に対して下面側から当接する浮き上がり規制用の規制輪体14、及び、駆動車輪Wfの走行レール7に対する横側方への移動を規制すべく、走行レール7の横側面に接当する横移動規制用の規制輪体15が装備されている。
【0031】
図4に示すように、前方側の車輪支持枠13Fと同様に、後方側の車輪支持枠13Rには、遊転車輪Wrの走行レール7からの浮き上がりを規制すべく、走行レール7における上側フランジ部7a(図2参照)に対して下面側から当接する浮き上がり規制用の規制輪体16、及び、遊転車輪Wrの走行レール7に対する横側方への移動を規制すべく、走行レール7の横側面に接当する横移動規制用の規制輪体17が装備されている。
【0032】
図2に示すように、駆動車輪Wfを駆動する走行用電動モータM1が、駆動車輪Wfの横側方に位置する状態で、前方側の車輪支持枠12Fに取り付けられている。
前方側の車輪支持枠12Fは、鋳造により製作されるものであって、その上部には、昇降台12の昇降用駆動装置としての昇降用電動モータM2を取付ける補助支持枠18が、ボルト接続されている(図4参照)。
【0033】
また、前方側の車輪支持枠12Fの前部には、図1及び図4に示すように、スタッカークレーンKの運転を制御するコントローラ等を装備した制御ボックスHが、車輪支持枠12F及び補助支持枠18に連結支持される状態で装備されており、制御ボックスHに装備したコントローラの指令にて、走行用電動モータM1や昇降用電動モータM2を作動させることにより、スタッカークレーンKの走行作動や昇降台12の昇降作動が行われるように構成されている。
【0034】
尚、図2及び図4に示すように、下部枠体9の主枠9Mの横側部には、走行レール7に沿って設置してある給電レール19Aに接触する集電子19Bが装備されており、この集電子19Bからの電力が、コントローラの作動用電力や、走行用電動モータM1及び昇降用電動モータM2の駆動用電力として用いられることになる。
【0035】
次に、支柱10、つまり、前後の支柱10F、10Rを下部枠体9から立設する構造について説明する。
図4〜図6に示すように、主枠9Mにおける前方側の取付け板9Fや後方側の取付け板9Rが存在することになる前後両端部の右方側の横側面に、車体前後方向並びに上下方向に沿う姿勢の板状の補助枠20F、20Rが、主枠9Mの上方に突出する状態で溶接されている。尚、補助枠20F、20Rには、支柱連結用のタッププレート20Tが装着されている。
【0036】
また、前方側の補助枠20Fに、前方側の支柱10Fの下端を受け止め支持する載置部21Fが設けられている。
そして、前方側の支柱10Fが、その下端側の外面を前方側の補助枠20F及び前方側の取付け板9Fに当て付けた状態で、前方側の補助枠20F及び前方側の取付け板9Fにボルト連結され、かつ、その下端部が載置部21Fに載置されて受け止め支持された状態で、前方側の補助枠20F及び前方側の取付け板9Fに保持されるようになっている(図4参照)。
【0037】
また、後方側の補助枠20Rに、後方側の支柱10Rの下端を受け止め支持する載置部21Rが設けられている。
そして、後方側の支柱10Rが、その下端側の外面を後方側の補助枠20R及び後方側の取付け板9Rに当て付けた状態で、後方側の補助枠20R及び後方側の取付け板9Rにボルト連結され、かつ、その下端部が載置部21Rに載置されて受け止め支持された状態で、後方側の補助枠20R及び後方側の取付け板9Rに保持されるようになっている(図4参照)。
【0038】
前方側の支柱10Fを受け止め支持する載置部21F及び後方側の支柱10Rを受け止め支持する載置部21Rは、図5及び図6に示すように、断面形状が4角形の軸状部材にて形成されて、前方側の支柱10Fや後方側の支柱10Rの下端面における周縁部を載置するように構成されている。
ちなみに、軸状部材にて形成された載置部21F、21Rは、前方側の補助枠20Fや後方側の補助枠20Rに溶接された断面形状L字状の受け体21Uに、下方側の移動を阻止されるように受け止め支持された状態でボルト接続されている。
【0039】
図4及び図5に示すように、前方側の補助枠20Fが、車体横幅方向視にて、車体前後方向に沿う前後板部分及びその前後板部分における前方側の取付け板9Fの存在側となる前端部から上方に延びる上方板部分を備えるL字状に形成されている。
つまり、前方側の補助枠20Fは、前後板部分を備えることによって主枠9Mに対する接続部分を大きくして、主枠9Mに対して十分な強度を備える状態で接続されるように構成されている。
【0040】
同様に、後方側の補助枠20Rが、図4及び図6に示すように、車体横幅方向視にて、車体前後方向に沿う前後板部分及びその前後板部分における後方側の取付け板9Rの存在側となる後端部から上方に延びる上方板部分を備えるL字状に形成されて、前後板部分を備えることによって主枠9Mに対する接続部分を大きくして、主枠9Mに対して十分な強度を備える状態で接続されるように構成されている。
【0041】
図7及び図15に示すように、支柱10、つまり、前後の支柱10F、10Rは、同仕様に構成されるものであって、前方の支柱10Fと後方の支柱10Rとで、上下反転した姿勢で下部枠体9から立設されている。したがって、前後の支柱10F、10Rは、横断面形状が昇降台12に関して対称となっている。
【0042】
支柱10は、アルミニウム材を押出し成形加工して一体成形されたものであり、断面形状が、移動通路2の横幅方向に沿う幅を移動通路2の長手方向に沿う幅よりも小さくした長方形の筒状となるように形成され、そして、内部に補強用の壁部が存在する状態に形成されている。前方の支柱10Fと後方の支柱10Rとを同仕様に構成することで、押出し成形加工する金型の共通化を図ることができるため、支柱の製造コストを抑えることができる。
【0043】
また、支柱10における車体横幅方向の両側に位置する側面のうちの、昇降台2が突出する側に相当する面には、他部材装着用凹入部U1が形成され、また、車体前後方向の両側に位置する側面のうちの、車体内方側に相当する面には、昇降台12を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部U2が形成されている。
【0044】
そして、図7に示すように、前方側の支柱10Fの他部材装着用凹入部U1には、昇降台12に装備した受電部としての集電子22が接触する他部材としての給電レール23が配設されている。給電レール23は車体前後方向で前方側の支柱10Fにおいて、昇降台12の両端部のうち前方側の支柱10Fに近い側の前方側の端部に近接しているため、昇降台12の前方側の端部に設けられている集電子22支持用の支持部材は、車体前後方向で短いもので済むようになっている。
【0045】
後方側の支柱10Rの他部材装着用凹入部U1には、昇降台12に装備したフォトインタラプタ形の位置検出センサー24が検出作用する他部材としての位置指示体25が配設されている。ちなみに、位置指示体25は、例えば、昇降台12の昇降位置が、昇降台12の昇降範囲の上限や下限であることを示す位置に配設されることになる。
尚、昇降案内用凹入部U2の使用形態は後述する。
【0046】
図1及び図2に示すように、上述の如く、スタッカークレーンKの支柱10が、移動通路2の横幅方向の一端部に位置して、昇降台12が、移動通路2の横幅方向の他端部側に向けて、支柱10から突出する状態で設けられている。
すなわち、スタッカークレーンKは、昇降台12を、支柱10から車体横幅方向の左側方向に向けて突出する状態で装備している。
つまり、スタッカークレーンKは、その右側に位置する収納棚1に近接する状態で配設されることになり、そして、昇降台12が、スタッカークレーンKの支柱10から左側方に突出する状態で設けられている。
【0047】
そして、図2に示すように、移動通路2の長手方向視にて、昇降台12の先端が、他方側のスタッカークレーンKの支柱10には干渉しない長さとなる状態で形成されて、左右のスタッカークレーンKL、KRがすれ違う際には、左右のスタッカークレーンKL、KRに装備する昇降台12が、相手側のスタッカークレーンの支柱10に干渉しないように構成されている。
ちなみに、左右のスタッカークレーンKL、KRがすれ違う際には、図2に示す如く、左右のスタッカークレーンKL、KRに装備する昇降台12の高さを異ならせることにより、左右のスタッカークレーンKL、KRに装備する昇降台12が互いに干渉することを回避させることになる。
【0048】
昇降台12は、前方側の支柱10Fや後方側の支柱10Rにおける昇降案内用凹入部U2を用いて昇降自在に案内されるものであり、以下その構成について説明する。
すなわち、昇降台12には、前方側の支柱10Fの昇降案内用凹入部U2に対応して、図8及び図9に示すように、上下一対の前後位置規制用のローラ26Fを備え、かつ、後方側の支柱10Rの昇降案内用凹入部U2に対応して、図8及び図10に示すように、一つの前後位置規制用のローラ26Rを備えており、これら前後位置規制用のローラ26F、26Rが昇降案内用凹入部U2の底部に接当する作用により、昇降台12の支柱10に対する車体前後方向の位置が規制されるように構成されている。
【0049】
また、昇降台12には、図8〜図10に示すように、前方側の支柱10Fや後方側の支柱10Rの昇降案内用凹入部U2に対応して、上下方向に並ぶ4つの左右位置規制用のローラ27〜30が装備されている。
4つの左右位置規制用のローラ27〜30のうちの、最も上方に位置する第1ローラ27及び上から3つ目の第3ローラ29は、車体前後方向視にて、昇降案内用凹入部U2における昇降台12の突出側に相当する面に接当し、かつ、4つの左右位置規制用のローラ27〜30のうちの、最も下方に位置する第4ローラ30及び上から2つ目の第2ローラ28は、車体前後方向視にて、昇降案内用凹入部U2における昇降台12の突出側とは反対側に相当する面に接当するようになっており、これら第1〜第4ローラ27〜30が昇降案内用凹入部U2に接当する作用により、昇降台12の車体横幅方向での位置が規制されるように構成されている。
【0050】
前方側の支柱10Fの昇降案内用凹入部U2に対応して設けられた上下一対の前後位置規制用のローラ26Fのうち、上方側のものは、上下方向で第1ローラ27と第2ローラ28との間に位置し、上下一対の前後位置規制用のローラ26Fのうち、下方側のものは、上下方向で第3ローラ29と第4ローラ30との間に位置している。また、後方側の支柱10Rの昇降案内用凹入部U2に対応して設けられた一つの前後位置規制用のローラ26Rは、上下方向で第2ローラ28と第3ローラ29との間に位置している。
【0051】
つまり、前後一対の支柱10F、10Rの夫々における昇降案内用凹入部U2には、昇降用のガイドローラとして、昇降台12の昇降を車体横幅方向で案内する横幅方向案内ローラとしての左右位置規制用の第1ローラ27〜第4ローラ30と、昇降台12の昇降を車体前後方向で案内する前後方向案内ローラとしての前後位置規制用のローラ26F・26Rの双方が異なる高さで係入している。
【0052】
ちなみに、第1ローラ27及び第4ローラ30は、第2ローラ28及び第3ローラ29よりも大径に形成されて、固定状態に装備され、第1ローラ27及び第4ローラ30よりも小径となる第2ローラ28及び第3ローラ29は、第1〜第4ローラ27〜30が所定の接当状態になるように、車体横幅方向での位置を微調整できるように構成されている。
【0053】
図11〜図14に示すように、前後一対の支柱10F、10Rの上端部同士を接続する上部フレーム11が、それら前後一対の支柱10F、10Rの横側面、つまり、左側面に当て付ける状態で配置されている。
説明を加えると、上部フレーム11は、各筒状の主体11Mの前後両端部に、支柱10に対する連結用板状体11F、11Rを溶接した状態に形成されて、これら連結用板状体11F、11Rが、前後の支柱10F、10Rにボルト連結されている。
尚、主体11Mと連結用板状体11F、11Rとの間には、リブ状の補強体11Hが溶接されている(図15及び図16参照)。
【0054】
そして、図12に示すように、前後の連結用板状態11F、11Rに、前後の支柱10F、10Rの上端面を係止する係止体11Kが、ボルト接続されて、後述の如く昇降台12を吊下げ支持するために、上部フレーム11に下方側に向かう力が作用しても、上部フレーム11の前後の支柱10F、10Rに対する下方移動を抑制するように構成されている(図15参照)。
ちなみに、前後の連結用板状態11F、11Rには、係止体11Kの上部を受け止め支持する受け板11Uが溶接されている(図14及び図15参照)。
【0055】
また、図12に示すように、上部フレーム11における支柱10が存在する側とは反対側の側面には、前後一対のガイドローラ支持枠31F、31Rがボルト連結され、それら前後一対のガイドローラ支持枠31F、31Rには、上部案内レール8の左右両側面に接当する左右一対のガイドローラ32F、32Rが支持されている(図15参照)。
【0056】
次に、昇降台12を昇降駆動する構成について説明する。
図3及び図4に示すように、昇降台12を吊下げ支持する索状体として昇降チェーン33が設けられている。具体的には、昇降台12の前後両端部の夫々に接続される一対の昇降チェーン33F、33Rが、昇降チェーン33として設けられ、駆動車輪Wfの車輪支持枠13Fに取付けた補助支持枠18に装備された昇降用電動モータM2には、索状体駆動手段としての左右一対の駆動スプロケット34が装備されている(図2参照)。
【0057】
そして、図12に示すように、昇降台12を吊下げ支持する一対の昇降チェーン33F、33Rが、平面視にて、前後一対の支柱10F、10Rの車体横幅方向に沿う幅内において車体横幅方向に並ぶ状態で、かつ、昇降台12における駆動スプロケット34の存在側とは反対側箇所に接続される昇降チェーン33Rを上部フレーム11に近づける状態で設けられている。
【0058】
図12及び図13に示すように、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fにおける車体前後方向外方側に相当する箇所に、索状体を案内する案内体Qとして、上部フレーム11側に位置する第1案内体35と上部フレーム11から離間する側に位置する第2案内体36とが、車体横幅方向に並べた状態で設けられている。
また、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fにおける車体前後方向内方側に相当する箇所に、索状体を案内する案内体として、第3案内体37が、車体横幅方向において第2案内体36と同じ位置に位置する状態で設けられている。
つまり、第1〜第3案内体35〜37は、前方側の支柱10Fの上端部に取り付けられるものであり、そして、スプロケットを用いて構成されている。
【0059】
図3、図11及び図12に示すように、一対の昇降チェーン33F、33Rのうちの、上部フレーム11側に位置する昇降チェーン33Rが、昇降台12に対する接続箇所より上方に向けて延出されたのち、上部フレーム11に回転自在に支持された補助案内体38にて第1案内体35側に向けて案内され、その後、第1案内体35にて下方に向けて案内されて、駆動スプロケット34に向けて伸びるように配設されている。尚、補助案内体38は、スプロケットを用いて構成されている。
【0060】
図3、図11及び図12に示すように、一対の昇降チェーン33F、33Rのうちの、上部フレーム11から離間する側に位置する昇降チェーン33Fが、昇降台12に対する接続箇所より上方に向けて延出されたのち、第3案内体37にて第2案内体36側に向けて案内され、その後、第2案内体36にて下方に向けて案内されて、駆動スプロケット34に向けて伸びるように配設されるようになっている。
【0061】
図2及び図4に示すように、左右一対の駆動スプロケット34は、一対の昇降チェーン33F、33Rにおける第1〜第3案内体35〜37に巻回されて下方の向けて伸びる部分をその長手方向に移動操作することになる。
また、一対の昇降チェーン33F、33Rは、左右一対の駆動スプロケット34に巻回されたのち、補助支持枠18に支持された第1中継スプロケット39A、前後方向に並べて下部枠体9に支持した第2及び第3中継スプロケット39B、39Cに巻回される状態で配設されて、昇降台12の底部に連結されている。尚、第1〜第3中継スプロケット39A〜39Cは、一対の昇降チェーン33F、33Rに対応させて、駆動スプロケット34と同様に、左右に並べて装備されることになる。
【0062】
したがって、昇降用電動モータM2にて左右の駆動スプロケット34を正逆に回転駆動することにより、昇降台12を昇降駆動できるように構成されている。
【0063】
次に、第1〜第3案内体35〜37、及び、補助案内体38の支持構造について説明する。
すなわち、図15及び図16に示すように、案内体Qを回転自在に支持し且つ支柱10の側壁部にボルト連結される支持枠Rとして、第1及び第2案内体35、36を支持する第1支持枠R1と、第3案内体37を支持する第2支持枠R2とが設けられている。
【0064】
第1支持枠R1は、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fにおける側壁部に、つまり、車体前後方向外方側の側壁部にボルト連結され、そして、前方側の支柱10Fの上端面を係止する係止部Sが設けられている。
すなわち、第1支持枠R1は、平面視形状がコの字状の主体枠40と、係止部Sを形成するための短冊状の副枠41とから構成されている。
主体枠40は、左右一対の側枠部分40aと、それら側枠部分40aの下端側部分同士を接続する接続枠部分40bとを備え、左右の側枠部分40aにおける接続枠部分40bの上方箇所が凹入状に切欠き形成されて、その切欠き部分の下面に、副枠41が溶接にて接続されている。
【0065】
主体枠40に、案内体支持軸42が、左右一対の側枠部分40aの間に架設される状態で支持され、その案内体支持軸42に、第1及び第2案内体35、36が軸受を介して回転自在に支持されている(図13参照)。
【0066】
第2支持枠R2は、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fの側壁部としての車体横幅方向において上部フレーム11の存在側とは反対側に位置する側壁部にボルト連結され、そして、前方側の支柱10Fの上端面を係止する係止部Sが設けられている。
すなわち、第2支持枠R2は、板状の主体枠43と、係止部Sを形成するための各軸状の副枠44とから構成され、主体枠43に、副枠44がボルト連結されている。尚、主体枠43には、副枠44が係合する凹入溝が形成されて、副枠44が、凹入溝に係合した状態で、主体枠43にボルト連結されている(図16参照)。
【0067】
主体枠43に、案内体支持軸45が片持ち状に支持され、その案内体支持軸45に、第3案内体37が軸受を介して回転自在に支持されている(図13参照)。
【0068】
図12に示すように、上部フレーム11における後端側箇所に、主体11Mと連結用板状体11Rとに支持される状態で、案内体支持軸46が片持ち状に支持され、その案内体支持軸46に、補助案内体38が軸受を介して回転自在に支持されている。
【0069】
物品移載装置Vは、上述の如く、本実施形態においてはベルト搬送式であるが、出退式の物品載置台を用いた載置搬送式等、種々の形態のものを用いることができる。
そして、物品移載装置Vをベルト搬送式に構成する場合には、この物品移載装置Vを、車体横幅方向の両側に出退調整自在に装備する。
そして、スタッカークレーンKを走行させるときなどにおいては、物品移載装置Vを車体横幅方向の中間位置に位置させることになるが、車体横幅方向の左側に位置する収納棚1に対して物品Bを移載する場合には、物品移載装置Vを中間位置から左方向の突出位置に突出させ、車体横幅方向の右側に位置する収納棚1に対して物品Bを移載する場合には、物品移載装置Vを中間位置から右方向の突出位置に突出させることになる。
【0070】
ちなみに、本実施形態の説明においては、詳述はしないが、スタッカークレーンKの移動通路2の長手方向での位置を検出する走行位置検出手段、昇降台12の昇降位置を検出する昇降位置検出手段、地上側の管理手段から制御ボックスHに装備したコントローラに対して制御情報を指示する通信手段等が装備されて、制御ボックスHに装備したコントローラが、管理手段から指示された入庫作業や出庫作業を実行すべく、走行位置検出手段や、昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、スタッカークレーンKの走行作動、昇降台12の昇降作動、物品移載装置Vの物品移載作動を制御することになる。
【0071】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
【0072】
(1)上記実施形態では、走行輪として、駆動車輪と遊転車輪とを装備する場合を例示したが、前後に駆動車輪を装備する形態で実施してもよい。
また、走行輪として前後に遊転輪を装備する形態で実施してもよい。この場合、スタッカークレーンの走行方向に沿って回動駆動される無端回動体を装備して、この無端回動体とスタッカークレーンとを接続することにより、スタッカークレーンを走行させる形態を用いることができる。
【0073】
(2)上記実施形態では、支柱の下端を受け止め支持する載置部を、補助枠に設ける場合を例示したが、載置部を取付け板に設ける形態や、載置部を補助枠と取付け板の両者に設ける形態で実施してもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、一対の支柱を同じ仕様のもので構成して上下反転した姿勢で下部枠体から立設させたものを例示したが、一対の支柱を異なる仕様で構成してもよい。また、一対の素材としては、アルミニウム材以外の、例えば、鋼鉄材でもよい。
ものでもよい。
【0075】
(4)上記実施形態では、昇降用のガイドローラとして、車体前後方向で一方側については、横幅方向案内ローラの4つ、前後方向案内ローラの2つが上下に異なる位置に設けられ、車体前後方向で他方側については、横幅方向案内ローラの4つ、前後方向案内ローラの1つが上下に異なる位置に設けられたものを例示したが、昇降用ガイドローラの個数及びその配置については、他の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
2 走行レール
9 下部枠体
10 支柱
10F 支柱
10R 支柱
12 昇降台
22 受電部
23 他部材(給電レール)
25 他部材
27〜30 昇降用のガイドローラ(横幅方向案内ローラ)
26F・26R 昇降用のガイドローラ(前後方向案内ローラ)
U1 他部材装着用凹入部
U2 昇降案内用凹入部
V 物品移載装置
W 走行輪
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体から立設される支柱と、前記支柱にて昇降自在に案内される昇降台とが備えられ、前記昇降台が、前記支柱から車体横幅方向の一側方に向けて突出する状態で設けられたスタッカークレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるスタッカークレーンは、通常一般に、物品を収納する収納部が縦横に設けられた物品収納棚の前面側の移動経路に沿って走行するように設置されて、物品収納棚の収納部に物品を収納する入庫作業や収納部に収納した物品を取出す出庫作業を行うことになる。
特に、物品収納棚が、移動通路を挟んで棚前面側を互いに対向させる姿勢で一対設けられる場合には、二台のスタッカークレーンを、移動通路においてすれ違い移動できるように設けることができる。
すなわち、移動通路の床面に設置される走行レールとして間隔を隔てて一対敷設し、これら一対の走行レールの夫々に対してスタッカークレーンを走行自在に設ける。この場合、各スタッカークレーンの昇降台が、支柱から車体横幅方向で相手側に向かって突出する状態で設けられることになるが、昇降台の、支柱から相手側に突出する部分の長さを、車体横幅方向で相手側支柱の位置まで達しない長さとすることで、二台のスタッカークレーンは、昇降台が相手側の支柱に干渉することなく、すれ違い移動自在となる。
そして、このようなスタッカークレーンの従来例として、下部枠体から単一の支柱が立設されたものがある(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
上記従来例のものでは、支柱における昇降台の突出側に相当する側面に、上下方向に沿う凹入部が形成され、その凹入部の長手方向に沿ってガイドレールを取り付けたものがある。このガイドレールは、昇降台の昇降範囲の全体に亘って設けられている。そして、昇降台に装備した昇降用のガイドブロックをガイドレールに対してスライド自在に係合させることで、直動案内機構を構成し、直動案内機構により昇降台を昇降下限高さから昇降上限高さまで昇降自在に支持している。
このような従来のスタッカークレーンでは、支柱の上下複数箇所でガイドレールをボルト連結することで、支柱の強度を補強している。なお、特許文献1のものでは、凹入部が車体前後方向に並べて2本形成されて、夫々の凹入部にガイドレールが取り付けられている。すなわち、車体前後方向に並ぶ2本のガイドレールにより、昇降台の荷重を確実に支持するとともに、支柱の強度を十分に補強している。
また、特許文献1のものでは、支柱の断面形状を、車体前後方向で昇降台が存在する側とは反対側に延出する形状として、支柱の車体前後方向での強度を確保している。そして車体前後方向で昇降台が存在する側とは反対側に延出する部分の昇降台の突出側に相当する側面に、昇降台に装備された物品移載装置を作動させるための電力を供給する給電レールが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−269730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例のスタッカークレーンにおいては、支柱にガイドレールを取り付けることで、支柱の強度を補強しているが、ガイドレールは、昇降台を適切に昇降案内するための高い直線精度が要求されるため、一般に高価である。従来では、そのような高価なガイドレールを昇降台の昇降範囲の全体に亘って支柱に設けなければならず、スタッカークレーンの製造コストが高くなるという問題があった。しかも、支柱に対してガイドレールを取り付ける際には、ガイドレールを支柱の上下複数箇所でボルト連結して設けなければならないため、ガイドレールの取り付け作業に手間がかかってしまう点でも製造コストが高くなる。
また、ガイドレール及びガイドブロックには、昇降台の大荷重がかかるため、定期的なメンテナンスが必要であるが、ガイドレールやガイドブロックの交換作業等は、一般的なガイドローラ式のスタッカークレーンに比べて作業が困難なため、メンテナンス性が悪いという不利があった。
さらに、上記従来例のように、支柱の断面形状を、車体前後方向で昇降台が存在する側とは反対側に延出する形状とし、その延出する部分の昇降台の突出側に相当する側面に、給電レールを取り付けると、車体前後方向で昇降台と給電レールとの間にガイドレールが存在する分だけ、昇降台から車体前後方向で遠い箇所に給電レールが存在することになる。そのため、給電レールから電力を受け取る受電部を昇降台に支持するための支持構造が複雑化してしまう。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、コスト面及びメンテナンス性において有利でありながら昇降台の荷重を適切に支持でき、しかも、昇降台の構成の簡素化を図ることができるスタッカークレーンを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明に係るスタッカークレーンの第1特徴構成は、走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体から立設される支柱と、前記支柱にて昇降自在に案内される昇降台とが備えられ、前記昇降台が、前記支柱から車体横幅方向の一側方に向けて突出する状態で設けられたスタッカークレーンにおいて、
前記支柱として、車体前後方向に間隔を隔てて並ぶ一対の支柱が備えられ、前記昇降台が、前記一対の支柱の夫々に昇降自在に案内される状態で、前記一対の支柱の間に配設され、前記一対の支柱の夫々が、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成され、前記一対の支柱の夫々における前記昇降台に対向する側面に、前記昇降台を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部が形成され、かつ、前記一対の支柱の夫々における前記昇降台の突出側に相当する側面のうちの、車体前後方向において前記昇降案内用凹入部が存在する位置とは離れた箇所に、前記昇降台を昇降作動させるための他部材が装着される他部材装着用凹入部が形成され、前記昇降台に装備した昇降用のガイドローラが、前記昇降案内用凹入部の内部に係入して、その内面に当接して案内される状態で設けられている点にある。
【0008】
本特徴構成によれば、昇降台は一対の支柱の間に配置され、一対の支柱の夫々における昇降台に対向する側面に形成された昇降案内用凹入部に、昇降台に装備された昇降用のガイドローラが係入して、昇降案内用凹入部の内面に昇降用のガイドローラが当接して案内されることになるので、ガイドレール及びこれにスライド移動自在に係合するガイドブロックにて構成されるコスト面やメンテナンス性で不利な直動案内機構を設けなくても、コスト面やメンテナンス性で有利なガイドローラを用いた構成により、昇降台を昇降自在に設けることができる。
【0009】
また、一対の支柱の夫々に形成される昇降案内用凹入部及び他部材装着用凹入部は、車体前後方向において離れているため、一対の支柱の夫々において、車体前後方向で昇降案内用凹入部と他部材装着用凹入部との間の箇所には、昇降台の突出側に相当する側面及びこれと反対側の側面とに亘って、筒状の支柱の内部に補強用の壁部を形成することが可能であるため、支柱の強度を補強して必要な強度を確保することができる。さらに、一対の支柱の夫々において、昇降案内用凹入部より昇降台の突出側とは反対側の部分は、凹入部の一端面を形成する部分も含めると、車体前後方向で長方形の長辺に相当する長さとなっているため、車体前後方向の大きな荷重を受け止めることができる。これにより、一対の支柱の夫々は、車体前後方向の強度を確保できる。
【0010】
さらに、昇降台の突出側に相当する側面には、他部材装着用凹入部と昇降台との間には、ガイドレール等を設ける必要がないため、他部材装着用凹入部を車体前後方向で昇降台の端部に近付けて配置することができる。そのため、他部材装着用凹入部に設けられる給電レールや検出部材等に対して作用する他部材を昇降台の端部にて支持する場合、その支持部材の構成を簡素にして昇降台の構成の簡素化を図ることができる。
【0011】
このように、本特徴構成によれば、コスト面及びメンテナンス性において有利でありながら昇降台の荷重を適切に支持でき、しかも、昇降台の構成の簡素化を図ることができるスタッカークレーンを得るに至った。
【0012】
ちなみに、一対の支柱の夫々は、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成されているので、内部に補強用の壁部を形成することで、支柱の強度を確保しつつ車体横幅方向における長さを短くすることができる。そのため、例えば、2台のスタッカークレーンを、昇降台の突出側が互いに対向する姿勢で配置して、すれ違い移動自在に設ける場合には、2台のスタッカークレーンを車体横幅方向で極力近付けて配置することができ、スタッカークレーンの移動通路の幅をコンパクトにすることができる。
【0013】
本発明に係るスタッカークレーンの第2特徴構成は、前記一対の支柱の夫々における前記昇降案内用凹入部には、前記昇降用のガイドローラとして、前記昇降台の昇降を車体横幅方向で案内する横幅方向案内ローラと、前記昇降台の昇降を車体前後方向で案内する前後方向案内ローラとの双方が異なる高さで係入している点にある。
【0014】
本特徴構成によれば、横幅方向案内ローラと前後方向案内ローラとの双方が昇降案内用凹入部に係入して、それらが昇降案内用凹入部の内面に当接して案内されることで、昇降台は、車体横幅方向及び車体前後方向の双方で昇降案内されることになり、昇降台の支柱に沿った昇降が適切に行われる。しかも、横幅方向案内ローラと前後方向案内ローラとは異なる高さで、昇降案内用凹入部に係入しているため、昇降案内用凹入部の空間を有効に使用して、極力大径のガイドローラを設けて、昇降台を安定良く案内することができる。
なお、昇降用のガイドローラは昇降台の車体前後方向の両端部に、車体横幅方向での姿勢を規制するべく、少なくとも、昇降案内用凹入部の昇降台の突出側の内面に当接するガイドローラと、突出側とは反対側の内面に当接するガイドローラとを装備することが好ましい。
【0015】
本発明に係るスタッカークレーンの第3特徴構成は、前記一対の支柱のうちの一方の支柱における前記他部材装着用凹入部には、前記他部材として、前記昇降台に装備された物品移載装置を作動させるための電力を供給する給電レールが、支柱の上下方向に沿って装着され、前記給電レールから電力を受け取る受電部が、車体前後方向で前記昇降台の両端部のうち、前記一方の支柱に近い側の端部に支持されている点にある。
【0016】
本特徴構成によれば、給電レールは車体前後方向で一方側の支柱において、昇降台の両端部のうち一方側の支柱に近い側の一方側の端部に近接しているため、給電レールから電力を受け取る受電部を、昇降台の突出側でかつ車体前後方向で一方側の端部に設ける場合に、受電部を支持するための支持部材を、車体前後方向で短いもので構成することができるため、受電部の支持構造の簡素化を図ることができる。
【0017】
本発明に係るスタッカークレーンの第4特徴構成は、前記一対の支柱の夫々が、押出し成形加工により一体成形されたアルミニウム材にて構成され、前記一対の支柱は、横断面形状が前記昇降台に関して対称となっている点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、押出し成形加工により一体成形されたアルミニウム材にて構成しているので、押し出された表面となる昇降案内用凹入部の内面は非常に滑らかな仕上がりとなる。そのため、ガイドプレートなどを設けなくても、昇降用のガイドローラを低い転がり抵抗となる状態で転動させることができるので、昇降台を円滑に昇降させることができる。また、昇降用のガイドローラの外周面の磨耗を抑制できる。
しかも、一対の支柱は、横断面形状が昇降台に関して対称となっているため、一対の支柱としての一方の支柱と他方の支柱とを、同じ仕様のもので構成して上下反転した姿勢で下部枠体から立設させることができる。一方の支柱と他方の支柱とを同仕様に構成することで、一方の支柱を押出し成形加工するための金型と他方の支柱を押出し成形加工するための金型とを共通化することができるため、支柱の製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】自動倉庫の概略平面
【図2】同倉庫の移動通路部分を示す正面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】スタッカークレーンの下方側部分の側面図
【図5】下部枠体における前側の支柱の取付け部を示す斜視図
【図6】車輪支持枠の取付け構成を示す斜視図
【図7】昇降台の支持構造を示す横断平面図
【図8】同構造を示す正面図
【図9】同構造を示す側面図
【図10】同構造を示す側面図
【図11】上部枠体の装着部を示す側面図
【図12】同部を示す平面図
【図13】上部枠体の前方側の支柱への取付け部を示す平面図
【図14】同部を示す一部切欠き正面図
【図15】同部を示す分解斜視図
【図16】同部を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、物品出し入れ方向が互いに対向する状態で間隔を隔てて設置した左右一対の収納棚1と、左右一対の収納棚1の間に形成された移動通路2を収納棚1の横幅方向に沿って移動自在な左右一対のスタッカークレーンKと、移動通路2の両端部において、収納棚1に入庫する物品Bや収納棚1から出庫した物品Bを支持する入出庫部3とが設けられて、左右一対のスタッカークレーンKによって、入出庫部3に搬出された物品Bを収納棚1に収納する入庫作業や、収納棚1に収納されている物品Bを入出庫部3に取出す出庫作業を行う自動倉庫が構成されている。
【0021】
左右一対の収納棚1の夫々は、図1及び図2に示すように、棚前後方向に間隔を隔てて立設する前後一対の支柱4a、4bからなる支柱組を棚横幅方向に沿って並設し、かつ、それら複数の支柱組における棚横幅方向で隣り合う支柱組同士を、上下方向複数箇所で棚板5にて連結して、棚横幅方向で隣り合う支柱組の間に、物品収納部6を形成するように構成されている。
そして、物品収納部6に、物品Bが棚板5から移動通路2側に突出する状態で載置収納されるように構成されている。
【0022】
入出庫部3は、図1に示すように、棚左右方向に間隔を隔てて並ぶ一対の物品載置用ビーム3aを備えて、物品Bを左右一対の物品載置用ビーム3aから移動通路2側に突出する状態で、一対の物品載置用ビーム3aにて載置支持するように構成されている。
【0023】
図1〜図3に示すように、移動通路2の床面部には、横断面形状がエの字状の左右一対の走行レール7が、左右一対のスタッカークレーンKの夫々に対応させて移動通路2の横幅方向の両端部に位置させる状態で、移動通路2の長手方向に沿わせて設置され、また、移動通路2の天井側部には、横断面形状が矩形状の左右一対の上部案内レール8が、左右一対のスタッカークレーンKの夫々に対応させて移動通路2の横幅方向の両端部に位置させる状態で、移動通路2の長手方向に沿わせて設置されている。
【0024】
そして、左右一対のスタッカークレーンKの夫々が、走行レール7及び上部案内レール8にて案内される状態で、移動通路2に沿って走行して、入庫作業や出庫作業を行うために、収納棚1の物品収納部6及び入出庫部3に移動するように構成されている。
【0025】
左右のスタッカークレーンKは、同仕様となる状態に構成されており、そして、左側のスタッカークレーンKLと右側のスタッカークレーンKRとで、前後向きを反転した状態に設置されている。
また、左側のスタッカークレーンKLと右側のスタッカークレーンKRとは、図2に示すように、すれ違い形態で走行できるものであるが、その詳細については後述する。
ちなみに、本実施形態においては、左側のスタッカークレーンKLや右側のスタッカークレーンKRが一台ずつ装備される場合を例示するが、左側のスタッカークレーンKLや右側のスタッカークレーンKRを、複数台ずつ装備する形態で実施してもよい。
尚、以下の説明において、左側のスタッカークレーンKLと右側のスタッカークレーンKRとを区別する必要がないときには、単に、スタッカークレーンKと呼称する。
【0026】
図2〜図4に示すように、スタッカークレーンKは、走行レール7に沿って走行自在な走行輪Wを前後両端部に備えた下部枠体9と、その下部枠体9の前後両端部から立設される前後一対の支柱10と、前後一対の支柱10の上端部同士を接続する上部フレーム11と、前後一対の支柱10にて昇降自在に案内される昇降台12とを備えるものであり、昇降台12には、ベルト搬送式の物品移載装置Vが装備されている。
ちなみに、スタッカークレーンKの支柱10が、移動通路2の横幅方向の一端部に位置するため、昇降台12が、移動通路2の横幅方向の他端部側に向けて、支柱10から突出する状態で設けられている。
【0027】
下部枠体9の前後に装備される走行輪Wは、本実施形態では、走行用電動モータM1にて駆動される駆動車輪Wfと自由回転自在な遊転車輪Wrであり、これら駆動車輪Wf及び遊転車輪Wrは、走行レール7の上面に接触して走行するように構成されている。
ちなみに、以下の説明においては、駆動車輪Wfが装備される側を、スタッカークレーンKの車体前方側とし、遊転車輪Wrが装備される側を、スタッカークレーンKの車体後方側として説明する。
したがって、前後一対の支柱10は、車体前方側に位置する前方側の支柱10Fと、車体後方側に位置する後方側の支柱10Rとから構成されることになるが、以下の説明において、前方側の支柱10Fと後方側の支柱10Rとを区別する必要がないときには、単に、支柱10と記載する。
【0028】
下部枠体9について説明すると、図4〜図6に示すように、車体前後方向に沿って長尺状の主枠9Mが備えられ、その主枠9Mの前後両端部に、車体横幅方向並びに上下方向に沿う姿勢の板状の取付け板9F、9Rが、主枠9Mの上方及び横側方に突出する状態で溶接されている。
尚、主枠9Mの前端部に取付けられる前方側の取付け板9F、及び、主枠9Mの後端部に取付けられた後方側の取付け板9Rは、前後方向視にて、逆U字状を呈する部分と、その部分の左右方向の一端側より上方に突出する部分とを備える形状に構成されている。
【0029】
そして、図6に明示するように、駆動車輪Wfを支持する前方側の車輪支持枠13Fの後端部が、前方側の取付け板9Fにボルト連結され、遊転車輪Wrを支持する後方側の車輪支持枠13Rの前端部が、後方側の取付け板9Rにボルト連結されている。
【0030】
図4に示すように、前方側の車輪支持枠13Fには、駆動車輪Wfの走行レール7からの浮き上がりを規制すべく、走行レール7における上側フランジ部7a(図2参照)に対して下面側から当接する浮き上がり規制用の規制輪体14、及び、駆動車輪Wfの走行レール7に対する横側方への移動を規制すべく、走行レール7の横側面に接当する横移動規制用の規制輪体15が装備されている。
【0031】
図4に示すように、前方側の車輪支持枠13Fと同様に、後方側の車輪支持枠13Rには、遊転車輪Wrの走行レール7からの浮き上がりを規制すべく、走行レール7における上側フランジ部7a(図2参照)に対して下面側から当接する浮き上がり規制用の規制輪体16、及び、遊転車輪Wrの走行レール7に対する横側方への移動を規制すべく、走行レール7の横側面に接当する横移動規制用の規制輪体17が装備されている。
【0032】
図2に示すように、駆動車輪Wfを駆動する走行用電動モータM1が、駆動車輪Wfの横側方に位置する状態で、前方側の車輪支持枠12Fに取り付けられている。
前方側の車輪支持枠12Fは、鋳造により製作されるものであって、その上部には、昇降台12の昇降用駆動装置としての昇降用電動モータM2を取付ける補助支持枠18が、ボルト接続されている(図4参照)。
【0033】
また、前方側の車輪支持枠12Fの前部には、図1及び図4に示すように、スタッカークレーンKの運転を制御するコントローラ等を装備した制御ボックスHが、車輪支持枠12F及び補助支持枠18に連結支持される状態で装備されており、制御ボックスHに装備したコントローラの指令にて、走行用電動モータM1や昇降用電動モータM2を作動させることにより、スタッカークレーンKの走行作動や昇降台12の昇降作動が行われるように構成されている。
【0034】
尚、図2及び図4に示すように、下部枠体9の主枠9Mの横側部には、走行レール7に沿って設置してある給電レール19Aに接触する集電子19Bが装備されており、この集電子19Bからの電力が、コントローラの作動用電力や、走行用電動モータM1及び昇降用電動モータM2の駆動用電力として用いられることになる。
【0035】
次に、支柱10、つまり、前後の支柱10F、10Rを下部枠体9から立設する構造について説明する。
図4〜図6に示すように、主枠9Mにおける前方側の取付け板9Fや後方側の取付け板9Rが存在することになる前後両端部の右方側の横側面に、車体前後方向並びに上下方向に沿う姿勢の板状の補助枠20F、20Rが、主枠9Mの上方に突出する状態で溶接されている。尚、補助枠20F、20Rには、支柱連結用のタッププレート20Tが装着されている。
【0036】
また、前方側の補助枠20Fに、前方側の支柱10Fの下端を受け止め支持する載置部21Fが設けられている。
そして、前方側の支柱10Fが、その下端側の外面を前方側の補助枠20F及び前方側の取付け板9Fに当て付けた状態で、前方側の補助枠20F及び前方側の取付け板9Fにボルト連結され、かつ、その下端部が載置部21Fに載置されて受け止め支持された状態で、前方側の補助枠20F及び前方側の取付け板9Fに保持されるようになっている(図4参照)。
【0037】
また、後方側の補助枠20Rに、後方側の支柱10Rの下端を受け止め支持する載置部21Rが設けられている。
そして、後方側の支柱10Rが、その下端側の外面を後方側の補助枠20R及び後方側の取付け板9Rに当て付けた状態で、後方側の補助枠20R及び後方側の取付け板9Rにボルト連結され、かつ、その下端部が載置部21Rに載置されて受け止め支持された状態で、後方側の補助枠20R及び後方側の取付け板9Rに保持されるようになっている(図4参照)。
【0038】
前方側の支柱10Fを受け止め支持する載置部21F及び後方側の支柱10Rを受け止め支持する載置部21Rは、図5及び図6に示すように、断面形状が4角形の軸状部材にて形成されて、前方側の支柱10Fや後方側の支柱10Rの下端面における周縁部を載置するように構成されている。
ちなみに、軸状部材にて形成された載置部21F、21Rは、前方側の補助枠20Fや後方側の補助枠20Rに溶接された断面形状L字状の受け体21Uに、下方側の移動を阻止されるように受け止め支持された状態でボルト接続されている。
【0039】
図4及び図5に示すように、前方側の補助枠20Fが、車体横幅方向視にて、車体前後方向に沿う前後板部分及びその前後板部分における前方側の取付け板9Fの存在側となる前端部から上方に延びる上方板部分を備えるL字状に形成されている。
つまり、前方側の補助枠20Fは、前後板部分を備えることによって主枠9Mに対する接続部分を大きくして、主枠9Mに対して十分な強度を備える状態で接続されるように構成されている。
【0040】
同様に、後方側の補助枠20Rが、図4及び図6に示すように、車体横幅方向視にて、車体前後方向に沿う前後板部分及びその前後板部分における後方側の取付け板9Rの存在側となる後端部から上方に延びる上方板部分を備えるL字状に形成されて、前後板部分を備えることによって主枠9Mに対する接続部分を大きくして、主枠9Mに対して十分な強度を備える状態で接続されるように構成されている。
【0041】
図7及び図15に示すように、支柱10、つまり、前後の支柱10F、10Rは、同仕様に構成されるものであって、前方の支柱10Fと後方の支柱10Rとで、上下反転した姿勢で下部枠体9から立設されている。したがって、前後の支柱10F、10Rは、横断面形状が昇降台12に関して対称となっている。
【0042】
支柱10は、アルミニウム材を押出し成形加工して一体成形されたものであり、断面形状が、移動通路2の横幅方向に沿う幅を移動通路2の長手方向に沿う幅よりも小さくした長方形の筒状となるように形成され、そして、内部に補強用の壁部が存在する状態に形成されている。前方の支柱10Fと後方の支柱10Rとを同仕様に構成することで、押出し成形加工する金型の共通化を図ることができるため、支柱の製造コストを抑えることができる。
【0043】
また、支柱10における車体横幅方向の両側に位置する側面のうちの、昇降台2が突出する側に相当する面には、他部材装着用凹入部U1が形成され、また、車体前後方向の両側に位置する側面のうちの、車体内方側に相当する面には、昇降台12を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部U2が形成されている。
【0044】
そして、図7に示すように、前方側の支柱10Fの他部材装着用凹入部U1には、昇降台12に装備した受電部としての集電子22が接触する他部材としての給電レール23が配設されている。給電レール23は車体前後方向で前方側の支柱10Fにおいて、昇降台12の両端部のうち前方側の支柱10Fに近い側の前方側の端部に近接しているため、昇降台12の前方側の端部に設けられている集電子22支持用の支持部材は、車体前後方向で短いもので済むようになっている。
【0045】
後方側の支柱10Rの他部材装着用凹入部U1には、昇降台12に装備したフォトインタラプタ形の位置検出センサー24が検出作用する他部材としての位置指示体25が配設されている。ちなみに、位置指示体25は、例えば、昇降台12の昇降位置が、昇降台12の昇降範囲の上限や下限であることを示す位置に配設されることになる。
尚、昇降案内用凹入部U2の使用形態は後述する。
【0046】
図1及び図2に示すように、上述の如く、スタッカークレーンKの支柱10が、移動通路2の横幅方向の一端部に位置して、昇降台12が、移動通路2の横幅方向の他端部側に向けて、支柱10から突出する状態で設けられている。
すなわち、スタッカークレーンKは、昇降台12を、支柱10から車体横幅方向の左側方向に向けて突出する状態で装備している。
つまり、スタッカークレーンKは、その右側に位置する収納棚1に近接する状態で配設されることになり、そして、昇降台12が、スタッカークレーンKの支柱10から左側方に突出する状態で設けられている。
【0047】
そして、図2に示すように、移動通路2の長手方向視にて、昇降台12の先端が、他方側のスタッカークレーンKの支柱10には干渉しない長さとなる状態で形成されて、左右のスタッカークレーンKL、KRがすれ違う際には、左右のスタッカークレーンKL、KRに装備する昇降台12が、相手側のスタッカークレーンの支柱10に干渉しないように構成されている。
ちなみに、左右のスタッカークレーンKL、KRがすれ違う際には、図2に示す如く、左右のスタッカークレーンKL、KRに装備する昇降台12の高さを異ならせることにより、左右のスタッカークレーンKL、KRに装備する昇降台12が互いに干渉することを回避させることになる。
【0048】
昇降台12は、前方側の支柱10Fや後方側の支柱10Rにおける昇降案内用凹入部U2を用いて昇降自在に案内されるものであり、以下その構成について説明する。
すなわち、昇降台12には、前方側の支柱10Fの昇降案内用凹入部U2に対応して、図8及び図9に示すように、上下一対の前後位置規制用のローラ26Fを備え、かつ、後方側の支柱10Rの昇降案内用凹入部U2に対応して、図8及び図10に示すように、一つの前後位置規制用のローラ26Rを備えており、これら前後位置規制用のローラ26F、26Rが昇降案内用凹入部U2の底部に接当する作用により、昇降台12の支柱10に対する車体前後方向の位置が規制されるように構成されている。
【0049】
また、昇降台12には、図8〜図10に示すように、前方側の支柱10Fや後方側の支柱10Rの昇降案内用凹入部U2に対応して、上下方向に並ぶ4つの左右位置規制用のローラ27〜30が装備されている。
4つの左右位置規制用のローラ27〜30のうちの、最も上方に位置する第1ローラ27及び上から3つ目の第3ローラ29は、車体前後方向視にて、昇降案内用凹入部U2における昇降台12の突出側に相当する面に接当し、かつ、4つの左右位置規制用のローラ27〜30のうちの、最も下方に位置する第4ローラ30及び上から2つ目の第2ローラ28は、車体前後方向視にて、昇降案内用凹入部U2における昇降台12の突出側とは反対側に相当する面に接当するようになっており、これら第1〜第4ローラ27〜30が昇降案内用凹入部U2に接当する作用により、昇降台12の車体横幅方向での位置が規制されるように構成されている。
【0050】
前方側の支柱10Fの昇降案内用凹入部U2に対応して設けられた上下一対の前後位置規制用のローラ26Fのうち、上方側のものは、上下方向で第1ローラ27と第2ローラ28との間に位置し、上下一対の前後位置規制用のローラ26Fのうち、下方側のものは、上下方向で第3ローラ29と第4ローラ30との間に位置している。また、後方側の支柱10Rの昇降案内用凹入部U2に対応して設けられた一つの前後位置規制用のローラ26Rは、上下方向で第2ローラ28と第3ローラ29との間に位置している。
【0051】
つまり、前後一対の支柱10F、10Rの夫々における昇降案内用凹入部U2には、昇降用のガイドローラとして、昇降台12の昇降を車体横幅方向で案内する横幅方向案内ローラとしての左右位置規制用の第1ローラ27〜第4ローラ30と、昇降台12の昇降を車体前後方向で案内する前後方向案内ローラとしての前後位置規制用のローラ26F・26Rの双方が異なる高さで係入している。
【0052】
ちなみに、第1ローラ27及び第4ローラ30は、第2ローラ28及び第3ローラ29よりも大径に形成されて、固定状態に装備され、第1ローラ27及び第4ローラ30よりも小径となる第2ローラ28及び第3ローラ29は、第1〜第4ローラ27〜30が所定の接当状態になるように、車体横幅方向での位置を微調整できるように構成されている。
【0053】
図11〜図14に示すように、前後一対の支柱10F、10Rの上端部同士を接続する上部フレーム11が、それら前後一対の支柱10F、10Rの横側面、つまり、左側面に当て付ける状態で配置されている。
説明を加えると、上部フレーム11は、各筒状の主体11Mの前後両端部に、支柱10に対する連結用板状体11F、11Rを溶接した状態に形成されて、これら連結用板状体11F、11Rが、前後の支柱10F、10Rにボルト連結されている。
尚、主体11Mと連結用板状体11F、11Rとの間には、リブ状の補強体11Hが溶接されている(図15及び図16参照)。
【0054】
そして、図12に示すように、前後の連結用板状態11F、11Rに、前後の支柱10F、10Rの上端面を係止する係止体11Kが、ボルト接続されて、後述の如く昇降台12を吊下げ支持するために、上部フレーム11に下方側に向かう力が作用しても、上部フレーム11の前後の支柱10F、10Rに対する下方移動を抑制するように構成されている(図15参照)。
ちなみに、前後の連結用板状態11F、11Rには、係止体11Kの上部を受け止め支持する受け板11Uが溶接されている(図14及び図15参照)。
【0055】
また、図12に示すように、上部フレーム11における支柱10が存在する側とは反対側の側面には、前後一対のガイドローラ支持枠31F、31Rがボルト連結され、それら前後一対のガイドローラ支持枠31F、31Rには、上部案内レール8の左右両側面に接当する左右一対のガイドローラ32F、32Rが支持されている(図15参照)。
【0056】
次に、昇降台12を昇降駆動する構成について説明する。
図3及び図4に示すように、昇降台12を吊下げ支持する索状体として昇降チェーン33が設けられている。具体的には、昇降台12の前後両端部の夫々に接続される一対の昇降チェーン33F、33Rが、昇降チェーン33として設けられ、駆動車輪Wfの車輪支持枠13Fに取付けた補助支持枠18に装備された昇降用電動モータM2には、索状体駆動手段としての左右一対の駆動スプロケット34が装備されている(図2参照)。
【0057】
そして、図12に示すように、昇降台12を吊下げ支持する一対の昇降チェーン33F、33Rが、平面視にて、前後一対の支柱10F、10Rの車体横幅方向に沿う幅内において車体横幅方向に並ぶ状態で、かつ、昇降台12における駆動スプロケット34の存在側とは反対側箇所に接続される昇降チェーン33Rを上部フレーム11に近づける状態で設けられている。
【0058】
図12及び図13に示すように、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fにおける車体前後方向外方側に相当する箇所に、索状体を案内する案内体Qとして、上部フレーム11側に位置する第1案内体35と上部フレーム11から離間する側に位置する第2案内体36とが、車体横幅方向に並べた状態で設けられている。
また、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fにおける車体前後方向内方側に相当する箇所に、索状体を案内する案内体として、第3案内体37が、車体横幅方向において第2案内体36と同じ位置に位置する状態で設けられている。
つまり、第1〜第3案内体35〜37は、前方側の支柱10Fの上端部に取り付けられるものであり、そして、スプロケットを用いて構成されている。
【0059】
図3、図11及び図12に示すように、一対の昇降チェーン33F、33Rのうちの、上部フレーム11側に位置する昇降チェーン33Rが、昇降台12に対する接続箇所より上方に向けて延出されたのち、上部フレーム11に回転自在に支持された補助案内体38にて第1案内体35側に向けて案内され、その後、第1案内体35にて下方に向けて案内されて、駆動スプロケット34に向けて伸びるように配設されている。尚、補助案内体38は、スプロケットを用いて構成されている。
【0060】
図3、図11及び図12に示すように、一対の昇降チェーン33F、33Rのうちの、上部フレーム11から離間する側に位置する昇降チェーン33Fが、昇降台12に対する接続箇所より上方に向けて延出されたのち、第3案内体37にて第2案内体36側に向けて案内され、その後、第2案内体36にて下方に向けて案内されて、駆動スプロケット34に向けて伸びるように配設されるようになっている。
【0061】
図2及び図4に示すように、左右一対の駆動スプロケット34は、一対の昇降チェーン33F、33Rにおける第1〜第3案内体35〜37に巻回されて下方の向けて伸びる部分をその長手方向に移動操作することになる。
また、一対の昇降チェーン33F、33Rは、左右一対の駆動スプロケット34に巻回されたのち、補助支持枠18に支持された第1中継スプロケット39A、前後方向に並べて下部枠体9に支持した第2及び第3中継スプロケット39B、39Cに巻回される状態で配設されて、昇降台12の底部に連結されている。尚、第1〜第3中継スプロケット39A〜39Cは、一対の昇降チェーン33F、33Rに対応させて、駆動スプロケット34と同様に、左右に並べて装備されることになる。
【0062】
したがって、昇降用電動モータM2にて左右の駆動スプロケット34を正逆に回転駆動することにより、昇降台12を昇降駆動できるように構成されている。
【0063】
次に、第1〜第3案内体35〜37、及び、補助案内体38の支持構造について説明する。
すなわち、図15及び図16に示すように、案内体Qを回転自在に支持し且つ支柱10の側壁部にボルト連結される支持枠Rとして、第1及び第2案内体35、36を支持する第1支持枠R1と、第3案内体37を支持する第2支持枠R2とが設けられている。
【0064】
第1支持枠R1は、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fにおける側壁部に、つまり、車体前後方向外方側の側壁部にボルト連結され、そして、前方側の支柱10Fの上端面を係止する係止部Sが設けられている。
すなわち、第1支持枠R1は、平面視形状がコの字状の主体枠40と、係止部Sを形成するための短冊状の副枠41とから構成されている。
主体枠40は、左右一対の側枠部分40aと、それら側枠部分40aの下端側部分同士を接続する接続枠部分40bとを備え、左右の側枠部分40aにおける接続枠部分40bの上方箇所が凹入状に切欠き形成されて、その切欠き部分の下面に、副枠41が溶接にて接続されている。
【0065】
主体枠40に、案内体支持軸42が、左右一対の側枠部分40aの間に架設される状態で支持され、その案内体支持軸42に、第1及び第2案内体35、36が軸受を介して回転自在に支持されている(図13参照)。
【0066】
第2支持枠R2は、前後一対の支柱10F、10Rのうちの、駆動スプロケット34の存在側に位置する前方側の支柱10Fの側壁部としての車体横幅方向において上部フレーム11の存在側とは反対側に位置する側壁部にボルト連結され、そして、前方側の支柱10Fの上端面を係止する係止部Sが設けられている。
すなわち、第2支持枠R2は、板状の主体枠43と、係止部Sを形成するための各軸状の副枠44とから構成され、主体枠43に、副枠44がボルト連結されている。尚、主体枠43には、副枠44が係合する凹入溝が形成されて、副枠44が、凹入溝に係合した状態で、主体枠43にボルト連結されている(図16参照)。
【0067】
主体枠43に、案内体支持軸45が片持ち状に支持され、その案内体支持軸45に、第3案内体37が軸受を介して回転自在に支持されている(図13参照)。
【0068】
図12に示すように、上部フレーム11における後端側箇所に、主体11Mと連結用板状体11Rとに支持される状態で、案内体支持軸46が片持ち状に支持され、その案内体支持軸46に、補助案内体38が軸受を介して回転自在に支持されている。
【0069】
物品移載装置Vは、上述の如く、本実施形態においてはベルト搬送式であるが、出退式の物品載置台を用いた載置搬送式等、種々の形態のものを用いることができる。
そして、物品移載装置Vをベルト搬送式に構成する場合には、この物品移載装置Vを、車体横幅方向の両側に出退調整自在に装備する。
そして、スタッカークレーンKを走行させるときなどにおいては、物品移載装置Vを車体横幅方向の中間位置に位置させることになるが、車体横幅方向の左側に位置する収納棚1に対して物品Bを移載する場合には、物品移載装置Vを中間位置から左方向の突出位置に突出させ、車体横幅方向の右側に位置する収納棚1に対して物品Bを移載する場合には、物品移載装置Vを中間位置から右方向の突出位置に突出させることになる。
【0070】
ちなみに、本実施形態の説明においては、詳述はしないが、スタッカークレーンKの移動通路2の長手方向での位置を検出する走行位置検出手段、昇降台12の昇降位置を検出する昇降位置検出手段、地上側の管理手段から制御ボックスHに装備したコントローラに対して制御情報を指示する通信手段等が装備されて、制御ボックスHに装備したコントローラが、管理手段から指示された入庫作業や出庫作業を実行すべく、走行位置検出手段や、昇降位置検出手段の検出情報に基づいて、スタッカークレーンKの走行作動、昇降台12の昇降作動、物品移載装置Vの物品移載作動を制御することになる。
【0071】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
【0072】
(1)上記実施形態では、走行輪として、駆動車輪と遊転車輪とを装備する場合を例示したが、前後に駆動車輪を装備する形態で実施してもよい。
また、走行輪として前後に遊転輪を装備する形態で実施してもよい。この場合、スタッカークレーンの走行方向に沿って回動駆動される無端回動体を装備して、この無端回動体とスタッカークレーンとを接続することにより、スタッカークレーンを走行させる形態を用いることができる。
【0073】
(2)上記実施形態では、支柱の下端を受け止め支持する載置部を、補助枠に設ける場合を例示したが、載置部を取付け板に設ける形態や、載置部を補助枠と取付け板の両者に設ける形態で実施してもよい。
【0074】
(3)上記実施形態では、一対の支柱を同じ仕様のもので構成して上下反転した姿勢で下部枠体から立設させたものを例示したが、一対の支柱を異なる仕様で構成してもよい。また、一対の素材としては、アルミニウム材以外の、例えば、鋼鉄材でもよい。
ものでもよい。
【0075】
(4)上記実施形態では、昇降用のガイドローラとして、車体前後方向で一方側については、横幅方向案内ローラの4つ、前後方向案内ローラの2つが上下に異なる位置に設けられ、車体前後方向で他方側については、横幅方向案内ローラの4つ、前後方向案内ローラの1つが上下に異なる位置に設けられたものを例示したが、昇降用ガイドローラの個数及びその配置については、他の構成であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
2 走行レール
9 下部枠体
10 支柱
10F 支柱
10R 支柱
12 昇降台
22 受電部
23 他部材(給電レール)
25 他部材
27〜30 昇降用のガイドローラ(横幅方向案内ローラ)
26F・26R 昇降用のガイドローラ(前後方向案内ローラ)
U1 他部材装着用凹入部
U2 昇降案内用凹入部
V 物品移載装置
W 走行輪
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体から立設される支柱と、前記支柱にて昇降自在に案内される昇降台とが備えられ、
前記昇降台が、前記支柱から車体横幅方向の一側方に向けて突出する状態で設けられたスタッカークレーンであって、
前記支柱として、車体前後方向に間隔を隔てて並ぶ一対の支柱が備えられ、
前記昇降台が、前記一対の支柱の夫々に昇降自在に案内される状態で、前記一対の支柱の間に配設され、
前記一対の支柱の夫々が、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成され、
前記一対の支柱の夫々における前記昇降台に対向する側面に、前記昇降台を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部が形成され、かつ、前記一対の支柱の夫々における前記昇降台の突出側に相当する側面のうちの、車体前後方向において前記昇降案内用凹入部が存在する位置とは離れた箇所に、前記昇降台を昇降作動させるための他部材が装着される他部材装着用凹入部が形成され、
前記昇降台に装備した昇降用のガイドローラが、前記昇降案内用凹入部の内部に係入して、その内面に当接して案内される状態で設けられているスタッカークレーン。
【請求項2】
前記一対の支柱の夫々における前記昇降案内用凹入部には、前記昇降用のガイドローラとして、前記昇降台の昇降を車体横幅方向で案内する横幅方向案内ローラと、前記昇降台の昇降を車体前後方向で案内する前後方向案内ローラとの双方が異なる高さで係入している請求項1記載のスタッカークレーン。
【請求項3】
前記一対の支柱のうちの一方の支柱における前記他部材装着用凹入部には、前記他部材として、前記昇降台に装備された物品移載装置を作動させるための電力を供給する給電レールが、支柱の上下方向に沿って装着され、
前記給電レールから電力を受け取る受電部が、車体前後方向で前記昇降台の両端部のうち、前記一方の支柱に近い側の端部に支持されている請求項1又は2記載のスタッカークレーン。
【請求項4】
前記一対の支柱の夫々が、押出し成形加工により一体成形されたアルミニウム材にて構成され、
前記一対の支柱は、横断面形状が前記昇降台に関して対称となっている請求項1〜3のいずれか1項記載のスタッカークレーン。
【請求項1】
走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体から立設される支柱と、前記支柱にて昇降自在に案内される昇降台とが備えられ、
前記昇降台が、前記支柱から車体横幅方向の一側方に向けて突出する状態で設けられたスタッカークレーンであって、
前記支柱として、車体前後方向に間隔を隔てて並ぶ一対の支柱が備えられ、
前記昇降台が、前記一対の支柱の夫々に昇降自在に案内される状態で、前記一対の支柱の間に配設され、
前記一対の支柱の夫々が、車体横幅方向における長さを車体前後方向における長さよりも小さくした長方形の筒状に形成され、
前記一対の支柱の夫々における前記昇降台に対向する側面に、前記昇降台を昇降自在に案内する昇降案内用凹入部が形成され、かつ、前記一対の支柱の夫々における前記昇降台の突出側に相当する側面のうちの、車体前後方向において前記昇降案内用凹入部が存在する位置とは離れた箇所に、前記昇降台を昇降作動させるための他部材が装着される他部材装着用凹入部が形成され、
前記昇降台に装備した昇降用のガイドローラが、前記昇降案内用凹入部の内部に係入して、その内面に当接して案内される状態で設けられているスタッカークレーン。
【請求項2】
前記一対の支柱の夫々における前記昇降案内用凹入部には、前記昇降用のガイドローラとして、前記昇降台の昇降を車体横幅方向で案内する横幅方向案内ローラと、前記昇降台の昇降を車体前後方向で案内する前後方向案内ローラとの双方が異なる高さで係入している請求項1記載のスタッカークレーン。
【請求項3】
前記一対の支柱のうちの一方の支柱における前記他部材装着用凹入部には、前記他部材として、前記昇降台に装備された物品移載装置を作動させるための電力を供給する給電レールが、支柱の上下方向に沿って装着され、
前記給電レールから電力を受け取る受電部が、車体前後方向で前記昇降台の両端部のうち、前記一方の支柱に近い側の端部に支持されている請求項1又は2記載のスタッカークレーン。
【請求項4】
前記一対の支柱の夫々が、押出し成形加工により一体成形されたアルミニウム材にて構成され、
前記一対の支柱は、横断面形状が前記昇降台に関して対称となっている請求項1〜3のいずれか1項記載のスタッカークレーン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−193005(P2012−193005A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57064(P2011−57064)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]