説明

ステッキエイド

【課題】ステッキに腋当て機能等を付与する、軽便なステッキ修飾具を提案する。
【解決手段】腋当て枠体と装着具とからなり、ステッキ軸に装着される。汎用ステッキに松葉杖の機能を付加して、折畳み又は移動させることができて、ステッキの軽便性を損なわない歩行補助具である。身体への負担を軽減させる肘載せ乃至握り手機能を付加できる。また、ステッキから外して座位の支え乃至立上りを補助する。更に、当該枠体付ステッキを買い物カートや車椅子に連結使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッキに腋当て機能等を付加する歩行補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
ステッキは軽便な歩行補助具である。一方、松葉杖のように腋に当てて体重を預ける歩行補助具は、嵩高く軽便性に欠ける。従来、松葉杖に転用できる伸縮杖(特許文献1)、腋当てと握り部を設けた杖ロッドをケーシング内で昇降させる歩行杖(特許文献2)、松葉杖等に立上り補助ハンドル付2段杖(特許文献3)等が提案されているが、いずれも汎用ステッキの利用を前提としておらず、かつステッキの軽便性を損なう形状を有している。また、キャスタ付フレーム体と松葉杖枠とからなる歩行器(特許文献4)等は、殆んど室内での使用に限られる。従って、汎用ステッキに装着して、松葉杖として腋に当てて体重を預けることができ、かつステッキの軽便性を損なわない、歩行補助具があると便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−61570号公報
【特許文献2】特開2002−272797号公報
【特許文献3】特開平9−313224号公報
【特許文献4】特開2001−17491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ステッキに腋当て機能等を付加する、ステッキ修飾具を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のステッキエイドは、腋当て枠体と装着具とからなり、ステッキ軸に装着される。汎用ステッキに松葉杖の機能を付加して、取扱いやすく折畳み又は移動させることができて、ステッキの軽便性を損なわない歩行補助具である。当該枠体には身体への負担を軽減させる肘載せ乃至握り手機能を付加できる。また、ステッキから外して座位の支え乃至立上り補助に役立つ。更に、当該枠体装着ステッキを買い物カートや車椅子に連結すると、歩行と運搬の両方の負担が軽減される。
【0006】
本発明のステッキエイドにおいて、腋当て枠体は、不完全枠体でも、一部のみ完全枠体でも、形状は自由だが、例えば、取扱性に優れ、枠材の軽量化が容易で、ステッキ握りを妨げない、完全枠体を選択する。更に、身体の前後に張り出し過ぎず、折畳んでステッキの機能を損なわない、縦長枠体を選択する。例えば図1のように、長径50cm短径20cmで外径1.3cm金属パイプ製の角取り直方枠体を、装着具によりステッキ軸に装着する。回動防止用に、例えば枠体の下枠装着部は太径にして条溝等を設けることができる。
【0007】
さらに当該枠体に肘載せ乃至握り手を付すると、腋を中心に偏る身体への負担を分散できる。肘載せは、例えば後枠に湾曲フックとして取り付ける。握り手も、例えば小型の縦長枠体として前枠に取り付けることで、前枠が大きく張り出さず、腋当てよりも高い位置に移動できて手のうっ血を防ぐ効果もある。いずれも例えば蝶番開閉式の手締めネジ構造を採用できる。肘載せ乃至握り手を当該枠内に回動収納できる。
【0008】
本発明のステッキエイドにおいて、装着具には強靭軽量な様々な形状と材質が採用できる。例えばロープ製等の輪をステッキ握りから吊下げる方法で装着を揺動化できるが、例えば、当該枠体の下枠を十字交差型装着具によりステッキ軸に装着する固定化を提案する。十字交差型装着具は、蝶番開閉式にガスケット材を介してステッキ軸に装着する手締めネジ構造を採用でき、緩めて当該枠体を回動又は外して移動させ、また、当該装着具をステッキ軸の適当な位置に移動させて締め付けることができる。例えば当該枠体の条溝に装着具側の挟板間に入れる突条を嵌合することで回動の防止を確保できる。更に、例えば弾力性アーム付きの装着具により、当該枠体装着ステッキを買い物カートや車椅子に連結すると、歩行と運搬の両方の負担が軽減される。
【0009】
本発明のステッキエイドの形状とサイズ及び材質は、腋当て枠体と装着具ともに、上記の特徴を満たして目的に応じて選択できる。腋当て枠体への緩衝帯や付加物品の係止具等も同様であり、用不用時の着脱の容易化を含めて工夫できる。例えばポリプロピレンやナイロン樹脂或いは繊維強化プラスチック類の単独又は複合材、木質や繊維質、ステンレス鋼やアルミニウム等の金属の線材、網材、板材、棒材、管材、バネ弾性材や発泡材等から選択できる。例えば一体成型乃至組立て式に製作でき、軽量化とともに回動防止用の条溝等や美観等の諸工夫ができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のステッキエイドは、上述のとおり構成されているので、汎用ステッキにステッキ握りを妨げずに松葉杖の機能が加わり、取扱いやすく折畳み又は移動させることができて、ステッキの軽便性を損なわない歩行補助具である。ステッキとの着脱も容易であり、当該枠体に身体への負担を軽減させる肘載せ乃至握り手機能を付加できて、当該枠内に回動収納できる。また、ステッキから外して座位の支え乃至立上り補助に役立つ。更に、当該枠体装着ステッキを買い物カートや車椅子に連結すると、歩行と運搬の両方の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のステッキエイドの実施方法例を示した正面図(A)と側面図(B)折畳み側面図(C)及び装着部断面拡大図(D)である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0012】
ステッキに腋当て機能等を付与する、軽便なステッキ修飾具を、軽量で製作容易な構成により工夫した。
【実施例1】
【0013】
図1においてステッキエイド(1)は、長径50cm短径20cmの外径1.3cmステンレス鋼パイプ製の角取り直方枠の上枠に緩衝帯を巻いて腋当て(2)とし、下枠(3)の回動防止条溝(3a)を十字交差型装着具(4)の挟板間に入れる回動防止突条(4a)に合わせて、ステッキ軸(5)にガスケット材を介して手締めネジで装着する。装着高さを調整し、ステッキ握り(6)の前後と位置調整して手締めネジで締め付ける。使い方は、松葉杖として腋当て(2)を脇の下に当てて身体を立ち支え、ステッキ握り(6)と併用する。ステッキとして用いる際には、装着具(4)を緩め、折畳んだ当該枠体の回動防止条溝(3b)に回動防止突条(4a)を合わせて締める。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明のステッキエイドは、汎用ステッキに松葉杖の機能を付加する歩行補助具である。身体への負担を軽減させる肘載せ乃至握り手機能を付加できる。バッグ等の吊下げ、傘の取り付け、カメラ等の脚立にも有用である。また、座位の支え乃至立上り補助に役立つ。別支持体に連結すると簡易椅子になる。更に、当該枠体付ステッキを買い物カートや車椅子に連結するなど、生活動作全般の補助に利用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 ステッキエイド
2 腋当て
3 下枠
3a 回動防止条溝
3b 回動防止条溝
4 十字交差型装着具
4a 回動防止突条
5 ステッキ軸
6 ステッキ握り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腋当て枠体と装着具とからなり、ステッキ軸に装着することを特徴とする、ステッキ修飾具。

【図1】
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【公開番号】特開2011−30614(P2011−30614A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−177165(P2009−177165)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(302006913)有限会社ハイライフ技研 (6)
【Fターム(参考)】