ステップカムダイ
本発明は、カムダイである。カムダイは、少なくとも1つのカムリング(20a、20c)を有する。カムリングは、多数の可動のカム歯を有する。カム歯は、カムアクチュエータ(10)によってカムダイの軸の垂直方向に移動可能である。カムアクチュエータはカムリングの外径より小さい内径を有する。カムアクチュエータがカムリングの外周に沿って、カムダイ軸に対して平行に動くとき、カム歯は連続的に係合させられ、工作パーツ(P)の方に向かって内側に押圧される。工作パーツは、カムアクチュエータと同軸であってカムリングの内径内にあるパンチ(60)の動作によって、カムアクチュエータと同時に、動かされる。各カム歯は、工作パーツが通過するときに、同時に工作パーツに係合される。弾性部材は、最終部品が出せるようにするため、カムアクチュエータが引かれた後に、各カム歯を初期位置へ戻す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカムダイであって、さらに特にカムアクチュエータによって動かされるカムリングを少なくとも1つ有するステップカムダイに関する。
【背景技術】
【0002】
スプロケットは、シャフト間の動力を伝達する手段として使用されることが広く知られている。動力伝達スプロケットは、いくつかの方法によって製造される。シートメタルタイプは、スピニングまたはカムダイによって製造される。この方法によれば、歯またはコグは、予成形のためのダイの垂直動作において成形される。スプロケットはまた、パンチやダイシステムによって成形される。パンチは、ダイを介して工作パーツ(work piece)を軸方向に押圧するために使用される。
【0003】
代表的な技術は、フィッシャー(Fisher)その他の米国特許第3,796,085号であって、ここには、スプロケット歯を成形するのと同時に、ダイがディスクをカップ成型部材の中に引き入れることによって、スプロケットを製造するための方法が開示される。
【0004】
他の代表的な技術は、ジェハート(Gerhart)の米国特許第5,269,167号であって、ここには動力プレスに使用されるための調整可能なエアリアルカムユニットが開示されている。スライドブロックは、延びまたは引かれた位置の間を動くラムの移動面に対する角に滑動可能に取り付けられる。
【0005】
従来技術は、(平行方向の)出し入れ動作または垂直方向の動作を単にあてにすることにより、パーツの端部において、金属片が生成されるという欠点を有する。さらに、それは、相対的に複雑であり、最終部材にやむを得ずコストが上乗せされるマルチ−ステーションの製造で見られるような無数の可動部材を要求する。さらに、プラスチックの流量の限定のために、単一のストロークで複雑な形を打ち抜く従来の方法は、成形される表面を複雑なものに定める。単一のストロークにおいてある限度を越えて形成されると、金属は裂けたり、しわが入ったりする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
要求されるのは、カムリングの横方向もしくは鉛直方向の動作によってスプロケットを形成するカムダイである。要求されるのは、同心状の多数のカムリングを備えるカムダイである。要求されるのは、単一の押圧操作において、マルチ−ステージ形成に使用する歯付きスプロケットを押圧成形するカムダイである。本発明は、これら要求に合致する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる目的は、カムリングの横方向もしくは鉛直方向の動作によってスプロケットを形成するカムダイである。
【0008】
本発明の他の目的は、多数の同心状のカムリングを備えるカムダイを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、単一の押圧操作において、マルチ−ステージ形成に使用する歯付きスプロケットを押圧成形するカムダイを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、以下の発明の明細書と添付図面によって指摘され、または明らかにされるであろう。
【0011】
本発明は、カムダイである。カムダイは、少なくとも1つのカムリングを備える。カムリングは、多数の可動カム歯を備える。カム歯は、カムアクチュエータによって、カムダイの軸の垂直方向に可動である。カムアクチュエータは、カムリングの外径より小さい内径を有する。カムアクチュエータが、カムリングの外周に沿って、カムダイ軸の平行方向に移動することによって、カム歯は連続的に係合され、そして工作パーツの方に向かって内側に押圧される。工作パーツは、カムリングの径の内側で、カムアクチュエータと同軸であるパンチの動作によってカムアクチュエータと同時に動かされる。それぞれのカム歯は、工作パーツが通過しているときに同時に、工作パーツに係合する。カムアクチュエータが引かれた後、最終パーツが出せるようにするため、弾性部材はそれぞれのカムを開始位置へ引き戻す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、発明品の横断面図である。ステップカムダイまたはツールは、通常カムアクチュエータ10、カムホルダ70、パンチツール60を備える。
【0013】
カムアクチュエータ10は、軸を有する実質的に円筒形状を有する。カムアクチュエータ10の内部ボアの中において、同心的に延びるものは、パンチツール60である。カムアクチュエータ10とパンチツール60は、ベース80に接続される。
【0014】
カム20は、カムホルダ70に移動可能に噛み合わされる。カム20は、円筒状またはリング状に配置される。本実施形態は、4つのカムのリングを有するが、カムリングの数はいくらでも良い。カムリング20a、20b、20cは、それぞれ押圧位置に在る状態が表されており、カムアクチュエータ10に係合させられる。カムリング20dは、カムアクチュエータ10にまだ係合させられておらず、したがって、非押圧位置、すなわち自由位置に在る。
【0015】
カム表面25は、カムアクチュエータの表面11に滑動的に係合し、それによりその表面11はパーツPの方に向かって径方向内側にカムを押圧する。カムホルダ70はベース90を備える。ベース90には、ボア91がある。
【0016】
カム止め30は、カムホルダ70の径範囲(radius)の周りに延びる。カム止め30は、溝26に噛み合わせられる。弾性部材40は、カム20とカム止め30のそれぞれの間に配置される。弾性部材40は、天然、合成ゴム、およびそれらの等価物を含む、圧縮弾性を有するいかなるエラストマー物質であっても良い。弾性部材40は、ばね率を有するばねであっても良い。
【0017】
操作中において、油圧シリンダーまたは他の従来知られている他の押圧機によって、カムアクチュエータ10と、パンチツール60は、M方向に移動する。パンチツール60がカムホルダ70から完全に引かれたところで、パーツPは、周期の最初パンチツール60の端部61に係合する。パーツPは、カップ形状のブランク(blank)でも良い。カムアクチュエータ10とパンチツール60は、それぞれのカムリングを通り過ぎるパーツPを押圧するためにM方向に動く。カムアクチュエータ10上のリム13は、各カム20が完全にパーツPの側部に係合するために、各カム20を通り過ぎるほどに、十分なだけパーツPに対して前方に位置する。それぞれのカムリングは、表面11によって係合させられるとき、カムはパーツPに向かって内側に押され、パーツPは表面22によって定められるパーツの形に形成される。それぞれのカム20が内側に押されると、弾性部材40は、カム止めリング歯31に抗して圧縮される。パーツ(図示せず)がパンチツール60によってカムリング20dを過ぎて押されると、パーツはボア91を通って容器(図示せず)内に落ちる。カムアクチュエータ10が引き込まれると、それにより弾性部材40は、それぞれのカム20を外側に押すように膨張する。
【0018】
それぞれのリングの内径は、実質的にバージンパーツの外径と実質的に同一であり、つまり、非押圧位置におけるカムリング20a、20b、20cおよび20dのそれぞれは、パーツPのODと同じIDを有する。
【0019】
最終的な成果は、ステップカムダイであるが、それぞれのカムリングのカムは、パーツがダイを通ると同時に、内側に動く。これは、水平方向と垂直方向の有利な組合せという結果をもたらす。
【0020】
発明品は、従来においては、パンチとダイ工程に分割されたステージを要求するいくつかの成形ステップを同時に遂行可能にしたことが理解できる。従来の分割工程は、成形工程の各ステップのために、パーツに対して1度より多い処理が必要とされる。さらに後の除去を必要とする発明品を使うと、最終パーツを製造するにあたり、金属片は作られない。
【0021】
図2は、カムアクチュエータの横断面図である。カムアクチュエータ10は、実質的に円筒形状を有する。カムアクチュエータの表面11は、カムアクチュエータ10の内側の面に広がる。表面11は、中心線A−Aに対して角度θで定められる。カムアクチュエータ10は、内側の表面にボア12も有する。角度θは、実質的に15°から60°の範囲である。
【0022】
図3は、カムフレームの平面図である。カムフレーム21は、通常ボア25を有するリングである。カムフレーム21は、ベース24上において、歯23に対して交互に設けられた多数の溝によって定められる多数の歯23を有する。カム20は、それぞれの溝穴22に滑動的に噛み合わされる。それぞれの歯23は、実質的に矩形であるカム20がそれぞれの溝穴22に合うように、先細形状である。それゆえ、溝穴22の数と、カム20の数は、製造中のそれぞれのパーツにおいて形成される歯の数を定める。
【0023】
図4は、図3における4−4線上におけるカムフレームの側断面図である。溝穴22は、カムフレーム21の周りに、対称的に配置される。歯23は、リング形状のベース21上に、カムフレーム21の円周の周りに配置される。
【0024】
図5は、カムフレームの斜視図である。ボア25の周りの歯23と溝穴22の交互パターンが明らかに示される。
【0025】
図6は、カムの平面図である。カム20は、カムフレーム21の円周の周りに実質的に、環状パターンに配置されたように示される。成形表面22は、パーツ(図示せず)に向かって内側に突出する。成形表面22は、成形されるパーツの要求されるいかなる形状でも良い。
【0026】
図7は、図6における7−7線上のカムの側面図である。係合表面25は、角度φで定められる傾斜された表面を有する。角度φは、アクチュエータの表面11の角度θと実質的に同一である。最初の接触において、表面11は、表面25に係合する。表面11が表面25に係合する間、カム20は実質的に径方向であって、ツールの軸の垂直方向に動く。カム20がカムアクチュエータ10によって完全に係合されたときに、表面23は、アクチュエータの表面13に係合する。それぞれのカム20は、溝穴24を備え、これによりカム止め歯31と弾性部材40は噛み合わされる。
【0027】
図8は、カムの斜視図である。図8において示される配置は、カムがカムフレーム21内において、噛み合わされたときの配置を示す。
【0028】
図9aは、カムの後方正面図である。カムが完全に係合されるとき、表面23はカムアクチュエータの表面13に係合する。表面25は、カムアクチュエータ10(図示せず)の最初の接触においては、表面11に係合する。
【0029】
図9bは、カムの上部平面図である。カムが成形されるパーツに向かって押圧されている間、表面25は、表面11に係合する。成形表面22は、成形されるパーツに係合する。
【0030】
図9cは、カムの側方正面図である。溝穴24は、カム止めリング歯31と弾性部材40に噛み合う。
【0031】
図10は、カムの斜視図である。表面22は、パーツの形に対して必要とされるいなかる形を持っても良い。
【0032】
図11aは、カム止めリングの側面図である。カム止めリング30は、ボア34を定めるとともに、歯31と歯31の間に配設される溝穴32とを備えるリング形状を有する。歯31と溝穴23は、リング33上に、カムホルダ21の円周の周りに配設される。図1または図13に示すようにそれぞれの歯31は、カム20上の溝穴24の中に突き出される。
【0033】
図11bは、カム止めリングの上部平面図である。それぞれの歯31と溝穴32は、実質的にそれぞれのカム20の位置に合うように、カム止めリングベース33上にボア34のまわりに配置される。
【0034】
図11cは、カム止めリングの側方平面図である。
【0035】
図12は、カム止めリングの斜視図である。それぞれのカム止めリング30は図13に示すように、溝穴26内においてカムフレーム21に、または溝穴71内においてカムホルダ70に、噛み合う。
【0036】
図13は、発明品の分解図である。使用または保守の要求に応じて、発明品の部品は、容易に組み立てまたは分解できることが図13から理解できる。それぞれの部品は、正確な機械加工された表面とドエルピンを必要に応じて使用して、他の部品上に組立られる。パンチツール60の端部61は、歯付きスプロケットのパーツPを形成するために、カム20上の表面22と重なるような形状を有する表面を有する。
【0037】
ここでは、発明の一態様が述べられたが、一部の構成及び連関における変形が、本発明の精神あるいは範囲から逸脱することなく、当業者によって作られるであろうことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】発明品の横断面図である。
【図2】カムアクチュエータの横断面図である。
【図3】カムフレームの平面図である。
【図4】図3における4−4線上におけるカムフレームの側断面図である。
【図5】カムフレームの斜視図である。
【図6】カムの平面図である。
【図7】図6における7−7線上のカムの側面図である。
【図8】カムの斜視図である。
【図9a】カムの後方正面図である。
【図9b】カムの上部平面図である。
【図9c】カムの側方正面図である。
【図10】カムの斜視図である。
【図11a】カム止めリングの側面図である。
【図11b】カム止めリングの上部平面図である。
【図11c】カム止めリングの側方平面図である。
【図12】カム止めリングの斜視図である。
【図13】発明品の分解図である。
【技術分野】
【0001】
本発明はカムダイであって、さらに特にカムアクチュエータによって動かされるカムリングを少なくとも1つ有するステップカムダイに関する。
【背景技術】
【0002】
スプロケットは、シャフト間の動力を伝達する手段として使用されることが広く知られている。動力伝達スプロケットは、いくつかの方法によって製造される。シートメタルタイプは、スピニングまたはカムダイによって製造される。この方法によれば、歯またはコグは、予成形のためのダイの垂直動作において成形される。スプロケットはまた、パンチやダイシステムによって成形される。パンチは、ダイを介して工作パーツ(work piece)を軸方向に押圧するために使用される。
【0003】
代表的な技術は、フィッシャー(Fisher)その他の米国特許第3,796,085号であって、ここには、スプロケット歯を成形するのと同時に、ダイがディスクをカップ成型部材の中に引き入れることによって、スプロケットを製造するための方法が開示される。
【0004】
他の代表的な技術は、ジェハート(Gerhart)の米国特許第5,269,167号であって、ここには動力プレスに使用されるための調整可能なエアリアルカムユニットが開示されている。スライドブロックは、延びまたは引かれた位置の間を動くラムの移動面に対する角に滑動可能に取り付けられる。
【0005】
従来技術は、(平行方向の)出し入れ動作または垂直方向の動作を単にあてにすることにより、パーツの端部において、金属片が生成されるという欠点を有する。さらに、それは、相対的に複雑であり、最終部材にやむを得ずコストが上乗せされるマルチ−ステーションの製造で見られるような無数の可動部材を要求する。さらに、プラスチックの流量の限定のために、単一のストロークで複雑な形を打ち抜く従来の方法は、成形される表面を複雑なものに定める。単一のストロークにおいてある限度を越えて形成されると、金属は裂けたり、しわが入ったりする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
要求されるのは、カムリングの横方向もしくは鉛直方向の動作によってスプロケットを形成するカムダイである。要求されるのは、同心状の多数のカムリングを備えるカムダイである。要求されるのは、単一の押圧操作において、マルチ−ステージ形成に使用する歯付きスプロケットを押圧成形するカムダイである。本発明は、これら要求に合致する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主たる目的は、カムリングの横方向もしくは鉛直方向の動作によってスプロケットを形成するカムダイである。
【0008】
本発明の他の目的は、多数の同心状のカムリングを備えるカムダイを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、単一の押圧操作において、マルチ−ステージ形成に使用する歯付きスプロケットを押圧成形するカムダイを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、以下の発明の明細書と添付図面によって指摘され、または明らかにされるであろう。
【0011】
本発明は、カムダイである。カムダイは、少なくとも1つのカムリングを備える。カムリングは、多数の可動カム歯を備える。カム歯は、カムアクチュエータによって、カムダイの軸の垂直方向に可動である。カムアクチュエータは、カムリングの外径より小さい内径を有する。カムアクチュエータが、カムリングの外周に沿って、カムダイ軸の平行方向に移動することによって、カム歯は連続的に係合され、そして工作パーツの方に向かって内側に押圧される。工作パーツは、カムリングの径の内側で、カムアクチュエータと同軸であるパンチの動作によってカムアクチュエータと同時に動かされる。それぞれのカム歯は、工作パーツが通過しているときに同時に、工作パーツに係合する。カムアクチュエータが引かれた後、最終パーツが出せるようにするため、弾性部材はそれぞれのカムを開始位置へ引き戻す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、発明品の横断面図である。ステップカムダイまたはツールは、通常カムアクチュエータ10、カムホルダ70、パンチツール60を備える。
【0013】
カムアクチュエータ10は、軸を有する実質的に円筒形状を有する。カムアクチュエータ10の内部ボアの中において、同心的に延びるものは、パンチツール60である。カムアクチュエータ10とパンチツール60は、ベース80に接続される。
【0014】
カム20は、カムホルダ70に移動可能に噛み合わされる。カム20は、円筒状またはリング状に配置される。本実施形態は、4つのカムのリングを有するが、カムリングの数はいくらでも良い。カムリング20a、20b、20cは、それぞれ押圧位置に在る状態が表されており、カムアクチュエータ10に係合させられる。カムリング20dは、カムアクチュエータ10にまだ係合させられておらず、したがって、非押圧位置、すなわち自由位置に在る。
【0015】
カム表面25は、カムアクチュエータの表面11に滑動的に係合し、それによりその表面11はパーツPの方に向かって径方向内側にカムを押圧する。カムホルダ70はベース90を備える。ベース90には、ボア91がある。
【0016】
カム止め30は、カムホルダ70の径範囲(radius)の周りに延びる。カム止め30は、溝26に噛み合わせられる。弾性部材40は、カム20とカム止め30のそれぞれの間に配置される。弾性部材40は、天然、合成ゴム、およびそれらの等価物を含む、圧縮弾性を有するいかなるエラストマー物質であっても良い。弾性部材40は、ばね率を有するばねであっても良い。
【0017】
操作中において、油圧シリンダーまたは他の従来知られている他の押圧機によって、カムアクチュエータ10と、パンチツール60は、M方向に移動する。パンチツール60がカムホルダ70から完全に引かれたところで、パーツPは、周期の最初パンチツール60の端部61に係合する。パーツPは、カップ形状のブランク(blank)でも良い。カムアクチュエータ10とパンチツール60は、それぞれのカムリングを通り過ぎるパーツPを押圧するためにM方向に動く。カムアクチュエータ10上のリム13は、各カム20が完全にパーツPの側部に係合するために、各カム20を通り過ぎるほどに、十分なだけパーツPに対して前方に位置する。それぞれのカムリングは、表面11によって係合させられるとき、カムはパーツPに向かって内側に押され、パーツPは表面22によって定められるパーツの形に形成される。それぞれのカム20が内側に押されると、弾性部材40は、カム止めリング歯31に抗して圧縮される。パーツ(図示せず)がパンチツール60によってカムリング20dを過ぎて押されると、パーツはボア91を通って容器(図示せず)内に落ちる。カムアクチュエータ10が引き込まれると、それにより弾性部材40は、それぞれのカム20を外側に押すように膨張する。
【0018】
それぞれのリングの内径は、実質的にバージンパーツの外径と実質的に同一であり、つまり、非押圧位置におけるカムリング20a、20b、20cおよび20dのそれぞれは、パーツPのODと同じIDを有する。
【0019】
最終的な成果は、ステップカムダイであるが、それぞれのカムリングのカムは、パーツがダイを通ると同時に、内側に動く。これは、水平方向と垂直方向の有利な組合せという結果をもたらす。
【0020】
発明品は、従来においては、パンチとダイ工程に分割されたステージを要求するいくつかの成形ステップを同時に遂行可能にしたことが理解できる。従来の分割工程は、成形工程の各ステップのために、パーツに対して1度より多い処理が必要とされる。さらに後の除去を必要とする発明品を使うと、最終パーツを製造するにあたり、金属片は作られない。
【0021】
図2は、カムアクチュエータの横断面図である。カムアクチュエータ10は、実質的に円筒形状を有する。カムアクチュエータの表面11は、カムアクチュエータ10の内側の面に広がる。表面11は、中心線A−Aに対して角度θで定められる。カムアクチュエータ10は、内側の表面にボア12も有する。角度θは、実質的に15°から60°の範囲である。
【0022】
図3は、カムフレームの平面図である。カムフレーム21は、通常ボア25を有するリングである。カムフレーム21は、ベース24上において、歯23に対して交互に設けられた多数の溝によって定められる多数の歯23を有する。カム20は、それぞれの溝穴22に滑動的に噛み合わされる。それぞれの歯23は、実質的に矩形であるカム20がそれぞれの溝穴22に合うように、先細形状である。それゆえ、溝穴22の数と、カム20の数は、製造中のそれぞれのパーツにおいて形成される歯の数を定める。
【0023】
図4は、図3における4−4線上におけるカムフレームの側断面図である。溝穴22は、カムフレーム21の周りに、対称的に配置される。歯23は、リング形状のベース21上に、カムフレーム21の円周の周りに配置される。
【0024】
図5は、カムフレームの斜視図である。ボア25の周りの歯23と溝穴22の交互パターンが明らかに示される。
【0025】
図6は、カムの平面図である。カム20は、カムフレーム21の円周の周りに実質的に、環状パターンに配置されたように示される。成形表面22は、パーツ(図示せず)に向かって内側に突出する。成形表面22は、成形されるパーツの要求されるいかなる形状でも良い。
【0026】
図7は、図6における7−7線上のカムの側面図である。係合表面25は、角度φで定められる傾斜された表面を有する。角度φは、アクチュエータの表面11の角度θと実質的に同一である。最初の接触において、表面11は、表面25に係合する。表面11が表面25に係合する間、カム20は実質的に径方向であって、ツールの軸の垂直方向に動く。カム20がカムアクチュエータ10によって完全に係合されたときに、表面23は、アクチュエータの表面13に係合する。それぞれのカム20は、溝穴24を備え、これによりカム止め歯31と弾性部材40は噛み合わされる。
【0027】
図8は、カムの斜視図である。図8において示される配置は、カムがカムフレーム21内において、噛み合わされたときの配置を示す。
【0028】
図9aは、カムの後方正面図である。カムが完全に係合されるとき、表面23はカムアクチュエータの表面13に係合する。表面25は、カムアクチュエータ10(図示せず)の最初の接触においては、表面11に係合する。
【0029】
図9bは、カムの上部平面図である。カムが成形されるパーツに向かって押圧されている間、表面25は、表面11に係合する。成形表面22は、成形されるパーツに係合する。
【0030】
図9cは、カムの側方正面図である。溝穴24は、カム止めリング歯31と弾性部材40に噛み合う。
【0031】
図10は、カムの斜視図である。表面22は、パーツの形に対して必要とされるいなかる形を持っても良い。
【0032】
図11aは、カム止めリングの側面図である。カム止めリング30は、ボア34を定めるとともに、歯31と歯31の間に配設される溝穴32とを備えるリング形状を有する。歯31と溝穴23は、リング33上に、カムホルダ21の円周の周りに配設される。図1または図13に示すようにそれぞれの歯31は、カム20上の溝穴24の中に突き出される。
【0033】
図11bは、カム止めリングの上部平面図である。それぞれの歯31と溝穴32は、実質的にそれぞれのカム20の位置に合うように、カム止めリングベース33上にボア34のまわりに配置される。
【0034】
図11cは、カム止めリングの側方平面図である。
【0035】
図12は、カム止めリングの斜視図である。それぞれのカム止めリング30は図13に示すように、溝穴26内においてカムフレーム21に、または溝穴71内においてカムホルダ70に、噛み合う。
【0036】
図13は、発明品の分解図である。使用または保守の要求に応じて、発明品の部品は、容易に組み立てまたは分解できることが図13から理解できる。それぞれの部品は、正確な機械加工された表面とドエルピンを必要に応じて使用して、他の部品上に組立られる。パンチツール60の端部61は、歯付きスプロケットのパーツPを形成するために、カム20上の表面22と重なるような形状を有する表面を有する。
【0037】
ここでは、発明の一態様が述べられたが、一部の構成及び連関における変形が、本発明の精神あるいは範囲から逸脱することなく、当業者によって作られるであろうことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】発明品の横断面図である。
【図2】カムアクチュエータの横断面図である。
【図3】カムフレームの平面図である。
【図4】図3における4−4線上におけるカムフレームの側断面図である。
【図5】カムフレームの斜視図である。
【図6】カムの平面図である。
【図7】図6における7−7線上のカムの側面図である。
【図8】カムの斜視図である。
【図9a】カムの後方正面図である。
【図9b】カムの上部平面図である。
【図9c】カムの側方正面図である。
【図10】カムの斜視図である。
【図11a】カム止めリングの側面図である。
【図11b】カム止めリングの上部平面図である。
【図11c】カム止めリングの側方平面図である。
【図12】カム止めリングの斜視図である。
【図13】発明品の分解図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムに滑動的に係合するための表面を有する可動部と、
非可動部に滑動的に係合し、前記可動部に係合されることにより所定の方向に押圧されるカムと、
前記カムに関して前記可動部に対して反対側に配置されるとともに、前記カムによって成形されたパーツを支持するための、前記可動部と同時に可動可能であるパーツ部と
を備えるツール。
【請求項2】
前記可動部は、ボアを有する実質的に円筒形状を有し、
前記表面は、前記可動部の内側の表面に配置される請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記パーツ部は、前記ボアの中に配置されることを特徴とする請求項2に記載のツール。
【請求項4】
非可動部の周りに実質的に円周形状に配置されるカムリングを形成する多数のカムを備え、
前記カムは、前記可動部と前記パーツ部の間で前記非可動部上に配置されることを特徴とする請求項3に記載のツール。
【請求項5】
カムを所定の方向に押圧するための弾性部材をさらに備える請求項4に記載のツール。
【請求項6】
前記非可動部上に隣接して配置される複数のカムリングをさらに備える請求項5に記載のツール。
【請求項7】
複数の止め部をさらに備え、それぞれの止め部は、カムの移動を制限する請求項5に記載のツール。
【請求項8】
前記非可動部は、さらに前記パーツ部を受けるためのボアを備え、
前記複数のカムリングは、前記ボアの周りに配置される請求項6に記載のツール。
【請求項1】
カムに滑動的に係合するための表面を有する可動部と、
非可動部に滑動的に係合し、前記可動部に係合されることにより所定の方向に押圧されるカムと、
前記カムに関して前記可動部に対して反対側に配置されるとともに、前記カムによって成形されたパーツを支持するための、前記可動部と同時に可動可能であるパーツ部と
を備えるツール。
【請求項2】
前記可動部は、ボアを有する実質的に円筒形状を有し、
前記表面は、前記可動部の内側の表面に配置される請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記パーツ部は、前記ボアの中に配置されることを特徴とする請求項2に記載のツール。
【請求項4】
非可動部の周りに実質的に円周形状に配置されるカムリングを形成する多数のカムを備え、
前記カムは、前記可動部と前記パーツ部の間で前記非可動部上に配置されることを特徴とする請求項3に記載のツール。
【請求項5】
カムを所定の方向に押圧するための弾性部材をさらに備える請求項4に記載のツール。
【請求項6】
前記非可動部上に隣接して配置される複数のカムリングをさらに備える請求項5に記載のツール。
【請求項7】
複数の止め部をさらに備え、それぞれの止め部は、カムの移動を制限する請求項5に記載のツール。
【請求項8】
前記非可動部は、さらに前記パーツ部を受けるためのボアを備え、
前記複数のカムリングは、前記ボアの周りに配置される請求項6に記載のツール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2006−507126(P2006−507126A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−580015(P2003−580015)
【出願日】平成15年3月5日(2003.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/007085
【国際公開番号】WO2003/082497
【国際公開日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年3月5日(2003.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/007085
【国際公開番号】WO2003/082497
【国際公開日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)
【Fターム(参考)】
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