説明

ステント移植片固定連結具

移植片(30;62)の近位端にまたは該近位端に近接して位置付けられた双曲面形状を有する固定連結具(10;50)を備える小型脈管ステント移植片(30;62)。固定連結具(10;50)は、密封領域の整合性を損なうことなく多方向への動作を可能にするように有窓の移植片(40;60)の窓(42;65)内に展開することができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐脈管ステント移植片、及び固定連結具を有する管腔内人工器官のシステムを展開する方法に関する。特に、有窓のステント移植片およびより小型の分岐ステントとともに使用し、確実で完全な回転運動を提供する固定継手に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野では、動脈瘤の治療にステント移植片を使用することが普及している。ステント移植片は、微小な皮膚切開により脈管構造にアクセスし、送達システムを目標領域に誘導することによって配備される。この脈管内送達は、低侵襲性であり、一般的により侵入的な形態の外科手術に適している。複数のステント移植片が、相互接続されるステント移植片システムを提供するために脈管内送達を利用して移植される。相互接続されたステント移植片は、二股の移植片を含み、有窓の移植片とより小型の側枝ステントで作ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
時には、動脈瘤は大動脈と腎動脈あるいは大動脈弓と分岐動脈などの脈管とその分岐脈管を巻きこむ。そのような例では、有窓の移植片が主脈管に移植され、小さい方の分岐移植片を分岐動脈に展開することができる。主脈管移植片は分岐脈管の開口部と一致する窓を有している。小さい方の分岐移植片は、該窓で主脈管移植片と結合される。脈管内システムのねじれと硬直により、連結具は大きな応力を受ける可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
近位端と、遠位端と、主身体脈管から分岐している身体脈管に配置するように構成された本体部分と、固定連結具とを含む管腔内人工器官が提供される。固定連結具は、人工器官の近位端にまたは該近位端に近接して位置付けされ、有窓の装置の窓内に配置されるように構成することができる。固定連結具は、非螺旋状の遠位側リングと、非螺旋状の近位側リングと、両リング間に位置付けされた双曲面領域とを含むことができる。双曲面領域には第1および第2の外側への拡張部があってもよい。両リングの少なくとも1つの直径は、双曲面領域のどこの径よりも大きいものであってよい。
【0005】
また、2次脈管と連通する1次脈管を有する身体中において、角運動と回転運動とを可能にする固定連結具を備えた管腔内人工器官システムを展開する方法も開示されている。該システムは、1次脈管への移植用の第1の人工器官を含むことができ、該第1の人工器官は管状の壁と、当該第1の人工気管を貫通するルーメンと、管状の壁の窓とを含む。システムは2次脈管への移植用の第2の人工器官もまた含むことができる。第2の人工器官は、非螺旋状の遠位側リングと、非螺旋状の近位側リングと、両リングの間に位置付けされた双曲面領域とを有する固定連結具を含むことができる。双曲面領域は第1および第2の外側への拡張部を有することができる。両リングの少なくとも1つの直径は、双曲面領域のどこの径よりも大きいものであってもよい。
【0006】
本方法は、第1の人工器官を1次脈管に展開するステップと、窓を2次脈管の位置と一致させるステップを含むことができる。非螺旋状の近位側リングを第1の人工器官のルーメンに配置し、窓を包囲している壁の内側部分に対して近位側リングを当接することによって、固定連結具を窓に展開することができる。窓が結合部を形成するための双曲面領域を包囲するように、第1の人工器官のルーメンの外側に非螺旋状の遠位側リングを配置し、展開することができる。
【0007】
また、固定連結具は部分的な双曲面形状すなわちベル形状を有することもできる。
【0008】
分岐脈管ステント移植片は、遠位端と、主身体脈管から分岐している身体脈管に配置するように構成された本体部分とを含むことができる。分岐したステント移植片の内部分岐に少なくとも部分的に配置されるように構成された近位端があってもよい。固定連結具は、ステント移植片の近位端にまたは該近位端に近接して位置付けすることができ、ステント移植片のどこの径よりも大きい直径を有する拡径した近位開口部を有することができる。また、拡径した近位開口部を取り巻くリングがあってもよい。
【0009】
解剖学的主脈管と解剖学的分岐脈管の接合部で解剖学的脈管を修復するためのシステムであり、該システムは解剖学的主脈管に配置するように構成された主ステント移植片を備えている。主ステント移植片は、管状の移植片材料と、少なくとも1つのステントと、管状の移植片材料の側壁にある直径を有する窓とを備えている。また、システムは、近位端と、遠位端と、主身体脈管から分岐している身体脈管に配置するように構成された本体部分と、近位端にまたは該近位端に近接して位置付けされ、窓内に配置するように構成された固定連結具とを有する分岐脈管ステント移植片を含んでいる。固定連結具は、非螺旋状の遠位側リングと、非螺旋状の近位側リングと、両リングの間及び第1および第2の外側への拡張部の間に位置付けされた双曲面領域とを備えている。両リングの少なくとも1つの直径は、双曲面領域のどこの径よりも大きく、双曲面領域の最小径は少なくとも窓の直径である。
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を単に一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】双曲面形状の固定連結具の斜視図である。
【図2】双曲面形状の固定連結具の側面図である。
【図3】小型脈管ステント移植片の近位端の双曲面形状固定連結具に結合された有窓のステント移植片の長手方向断面図である。
【図4】一端が楕円形のリングと結合している双曲面形状固定連結具の透視図である。
【図5A】双曲面形状連結具を有するステント移植片を腎動脈に配備するステップを示す断面概略図である。
【図5B】双曲面形状連結具を有するステント移植片を腎動脈に配備するステップを示す断面概略図である。
【図5C】双曲面形状連結具を有するステント移植片を腎動脈に配備するステップを示す断面概略図である。
【図5D】大動脈に移植された有窓のステント移植片と結合するステップを示す断面概略図である。
【図5E】大動脈に移植された有窓のステント移植片と結合するステップを示す断面概略図である。
【図5F】大動脈に移植された有窓のステント移植片と結合するステップを示す断面概略図である。
【図6】内部分岐のベル形状固定連結具の透視図である。
【図7】内部で分岐された、大動脈弓への移植用ステント移植片である。
【図8A】有窓のステント移植片と結合するベル形状固定部を有する第2の移植片展開ステップの断面図である。
【図8B】有窓のステント移植片と結合するベル形状固定部を有する第2の移植片展開ステップの断面図である。
【図8C】有窓のステント移植片と結合するベル形状固定部を有する第2の移植片展開ステップの断面図である。
【図8D】有窓のステント移植片と結合するベル形状固定部を有する第2の移植片展開ステップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
用語「人工器官」は、身体部分のあらゆる代替品、該身体部分の機能のあらゆる代替品、または生理系に対して機能を強化または付加するあらゆる装置を意味する。
【0013】
用語「移植片または移植片材料」は、人工脈管か人工器官の役目を果たす、概ね管状のまたはチューブ状の部材を意味する。管腔内の人工器官は、移植片単独または構造用部品など他の部品を追加した移植片であってもよい。移植片は単一材料、混合材料、織物、積層物、または2つ以上の材料の合成物から成ってもよい。
【0014】
移植片材料は可撓性と耐摩擦性の両方を備える生体適合性材料である。さらに、材料を熱可塑的に移植片と融合できるように、熱可塑性変形に特に適切である材料から、移植片材料を選択した方がよい。織布移植片材料は織布ポリエステルであってもよい。また、織布移植片材料はダクロン(DACRON(登録商標))(デュポン、デラウェア州ウィルミントン)やTWILLWEAVE MICREL(登録商標)(バスクテック、レンフルーシャイア、スコットランド)などのポリエチレンテレフタレート(PET)であってもよい。ダクロンなどの織布ポリエステルは様々な度合いの孔を有しており、その孔の度合いは織布ポリエステルの製造に使用される、織り込むまたは編み込む工程に基づいて選択的に制御することができる。従って、用途に応じて、患者の組織の織布移植片材料への結合を促進するように孔を調整でき、ひいては、患者の脈管または管腔内の人工器官を堅く固定することができる。さらにまた、血液あるいは他の生理液などの液体に対して不浸透性である織布移植片材料を提供するために、孔の度合いを調整することもできる。
【0015】
大動脈または他の血管に対する本発明の適用を論じるとき、本明細書の全体を通して、用語「遠位」は人工器官に対して、血流のより下流である位置、すなわち、移植されたとき血流のより下流である人工器官部分を指すことを意図している。用語「遠位方向」は血流の方向、すなわち、より下流側を意味する。用語「近位」は、血流のより上流である位置、すなわち、移植されたとき血流のより上流である人工器官部分を指すことを意図している。用語「近位方向」は血流の方向に反する方向、すなわちより上流側を意味する。
【0016】
分岐脈管ステント移植片は、近位端と、遠位端と、主身体脈管から分岐している身体脈管に配置するように構成された本体部分とを含むことができる。例えば、分岐脈管ステント移植片は大動脈から分岐している腎動脈、または大動脈弓から分岐している腕頭動脈に配置することができる。また、ステント移植片は、近位端にまたは近位端に近接して位置付けされ、有窓の装置の窓内に配置するように構成された固定連結具を含んでいる。有窓の装置は、主血管に配置することができる有窓のステント移植片であってもよい。固定連結具は、遠位側リングと、近位側リングと、両リング間に位置付けされた双曲面領域とを含むことができる。両リングは非螺旋状であってもよい。また、固定連結具は、近位側と遠位側のリングに近接した双曲面領域である第1および第2の外側への拡張部を有することもできる。リングの少なくとも1つの直径は双曲面領域のどこの直径よりも大きい。
【0017】
双曲面固定連結具10はその近位側と遠位端に、自己拡張式のニチノールのリング25と28を含むことができる。連結具10は、有窓のステント移植片と連結するための小型脈管移植片と一体化することができる。図1は双曲面領域15の両側に配置されている2つのリングを有する固定連結具10を示す。リング25と28は、手術者が蛍光透視法の下でその位置を視認するのに役立つ放射線不透過性要素を含むことができる。双曲面領域15は頂点13、すなわち中央点を有し、該頂点は、埋め込まれていないときに、有窓のグラフト40の窓の直径より僅かに大きい直径である。図3に示すように、連結具10が埋め込まれるとき、頂点13は窓42内に嵌合するように、かつ確実なシールを形成するように締め付けられる。双曲面の最小径は少なくとも窓42の直径と同じであり、望ましくは、窓42の直径よりも大きい。窓42は、該窓の周りを取り巻く支持リングを備えることができる。支持リングは、窓42内に双曲面領域15を展開する間の支持リングの可視化を可能にする材料で作製することができる。支持リングはまた、より大きい直径に拡張し、次により小型の直径に収縮して双曲面領域15に対して接触してシールするような材料であってもよい。
【0018】
固定連結具10は、その材料上の最も外側の部分である2つの外側への拡張部21、26を有している。第1の外側への拡張部21と第2の外側への拡張部26は、それぞれ遠位側リング28と近位側リング25に直接隣接している。外側への拡張部(21、26)は、頂点13より直径が最大で20%大きい径を有している。頂点13の直径よりも20%より大きい外側への拡張部を有する連結具10であってもよい。展開したとき、遠位側リング28と近位側リング25は双曲面領域15を窓42の周りに拡張させる。図3に示すように、展開することにより、窓42を密封し、小型脈管装置30を有窓のステント移植片40に結合させる。リング25、28の両方の直径は、双曲面領域15のどこの径よりも大きい。小型脈管ステント移植片30の双曲面領域15は、密封領域の整合性を損なうことなしに多方向への動作を可能にし、小型脈管ステント移植片30へのあらゆる応力を低減する。双曲面領域15は自在玉継手のような可動継手として機能を果たすこともできる。
【0019】
図4は楕円形の遠位側リング23を有する連結具10を示している。底部、すなわち近位側リング25は円形である。本明細書に記載された固定連結具10における両リングが楕円形のリングであってもよい。楕円形の遠位側リング23は、双曲面領域15のどこの径よりも大きい準線4を有している。準線4はまた、取り付けられるステント移植片の窓の直径より大きくすることができる。また、有窓の移植片40が楕円形の窓を備えていてもよい。
【0020】
2次脈管と連通する1次脈管を有する身体中において角運動と回転運動を可能とする固定連結具を備えた管腔内人工器官システムを展開する方法がある。該システムは、1次脈管への移植用の第1の人工器官であって、管状の壁と、そこを貫通するルーメンと、管状の壁内の窓とを有する第1の人工器官を含むことができる。システムは2次脈管への移植用の第2の人工器官もまた含むことができる。この第2の人工器官は、本明細書に記載されているように固定連結具を有することができ、リングの少なくとも1つの直径は双曲面領域のどこの径よりも大きい。
【0021】
当該展開方法は、有窓のステント移植片を備える小型脈管ステント移植片の正確な配置を提供する。リングが窓の周囲の壁に当接するとき、触感フィードバックが施術者にもたらされる。完全に展開されたリングは窓を貫通することなく、施術者はこうした抵抗を感じるであろう。これは、連結具と小型脈管ステント移植片を誤って配置することを防ぐのに役立つことになる。また、外科医に、小型脈管ステント移植片が完全に展開する前に、正確に配置されていることを知らせる。
【0022】
本方法は、第1の人工器官60を1次脈管に展開するステップと、窓を2次脈管と一致させるステップを含む。固定連結具10は、近位側リング25を第1の人工器官60のルーメンに配置するステップと、窓65を包囲している壁67の内側に対して近位側リング25を当接するステップによって、窓に展開することができる。遠位側リング28は、第1の人工器官60のルーメンの外側に配置し、窓65が継手を形成するために双曲面領域15を包囲するように展開することができる。
【0023】
図5Aに示すように、第1の人工器官は大動脈などの動脈瘤110を有する1次脈管に移植された有窓の移植片60である。窓65は腎動脈100などの分岐脈管の開口部の位置と一致している。放射線不透過マーカーが動脈の有窓の移植片60の配置に使用される。ガイドワイヤ64が有窓の移植片60を通り、窓65を通って、腎動脈に通される。固定連結具を有するバルーン拡張可能なまたは自己拡張式の小型脈管ステント移植片62は、送達システム66を使用して、図5Bのガイドワイヤ64に外挿して挿入される。送達システム66は窓65を通って腎動脈100に進められる。
【0024】
図5Cでは、送達システム66は、固定連結具10の近位側リング25が窓65を包囲する壁67の内側に近接し、遠位側リング28が窓65の遠位側に行くまで、進められている。双曲面部分15は窓65で包囲されている。図5Dでは、近位側リング25が展開され、さらに遠位側リング28が部分的に展開されている。図5Eに示すように、近位側リング25が窓65を包囲する壁67に当接するように遠位方向に押されると、遠位側第2のリング28が完全に展開される。図5Fは、移植が完了したときの固定連結具10を有する人工器官内のシステムを示す。
【0025】
本方法は、遠位側リング28が窓65のすぐ遠位にあって展開されるまで、小型脈管ステント移植片62を腎動脈100などの分岐脈管に進めるステップを含むことができる。小型脈管ステント移植片62は、展開された遠位側リング28が窓65を包囲している壁の外側に当接するように、近位方向に引っ張ることができる。次に、近位側リング25は、窓65を固定連結具10で囲むように展開される。別の方法では、近位側リング25は、有窓の移植片60を通して小型脈管ステント移植片62を進めながら展開される。近位側リング25が窓65を包囲している壁67に当接すると、施術者は障害物を感じることができる。展開された近位側リング25は、壁67に当接するときに、触感フィードバックをもたらす。
【0026】
分岐脈管ステント移植片は、遠位端と主身体脈管から分岐している身体脈管に配置するように構成された本体部分を含むことができる。分岐したステント移植片の内部分岐内で少なくとも部分的に配置されるように構成された近位端があってもよい。小型脈管ステント移植片62はまた、該近位端に又はその近くに配置された固定連結具50を有することができ、固定連結具50は、小型脈管ステント移植片62のどこの径よりも大きい直径を有する拡径した近位開口部57と、拡径した近位開口部57を包囲しているリング55とを含んでいる。
【0027】
図6はベルボトム形状の固定連結具50を示す。固定連結具50は小型脈管ステント移植片62の近位部分と一体化することができる。リング55は拡径した近位開口部57にあり、該開口部57の周囲に縫い合わされるか移植片材料に埋め込まれる。固定連結具50は自己拡張式またはバルーン拡張可能式であってもよい。リング55は放射線不透過性要素を含むことができ、楕円形状を有することもできる。リング55が楕円体である場合、拡径した近位開口部57もまた楕円体であってもよい。楕円形のリングの準線部と拡径した近位楕円開口部は、ベルボトムの固定連結具50のどこの径よりも大きくすることができる。
【0028】
図7に示すように、ベルボトム形状の固定連結具50は、弓形の分岐装置90の内部分岐に埋め込まれることができる。装置90が大動脈弓に移植されるときには、内部分岐92、94、96は、それぞれ腕頭動脈、左総頚動脈、および左鎖骨下動脈に対応する。図8Aから図8Dは、ベルボトム固定連結具50を有する小型脈管ステント移植片62が、内部分岐94に展開するのに使用されるステップを示す。ガイドワイヤ72は、左総頚動脈に接近するために患者の頚部に作られた微小な切開部を通して挿入される。図8Aに示すように、ガイドワイヤ72は、動脈を通して次に内部分岐94の中へと心臓に向かって近位方向に進められる。図8Bでは、送達シース76はガイドワイヤ72上を追従する。図8Cでは、送達シース76は、固定連結具50を露出することにより小型脈管ステント移植片62の展開を開始するために引き戻される。固定連結具50は自己拡張式またはバルーン拡張可能式であってよい。固定連結具50とリング55の直径は、内部分岐94の直径よりも大きくなっており、従って小型脈管ステント移植片62が内部分岐開口部79から遠位方向に離れて内部分岐94から引き抜かれるのを防止している。図8Dは完全に展開された固定連結具50を示す。
【0029】
以上の記載は限定的ではなくむしろ例示的なものとして見なされること、および、この発明の趣旨と範囲を画定することを意図しているのは、すべての同等物を含む特許請求の範囲であることが理解されることを意図している。
【0030】
本出願が優先権を主張している米国特許出願第61/092,150号の開示、及び同出願に付随する要約書の開示を、参考文献として本明細書に援用する。
【符号の説明】
【0031】
4 準線
10、50 固定連結具
13 頂点
15 双曲面領域
21、26 外側への拡張部
23、28 遠位側リング
25 近位側リング
30、62 小型脈管ステント移植片
40、60 有窓の移植片
42、65 窓
55 リング
57 拡径した近位開口部
60 第1の人工器官
64 ガイドワイヤ
66 送達システム
67 壁
72 ガイドワイヤ
76 送達シース
79 内部分岐開口部
92、94、96 内部分岐
100 腎動脈
110 動脈瘤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と、
遠位端と、
主身体脈管から分岐している身体脈管に配置するように構成された本体部分と、
前記近位端にまたは該近位端に近接して位置付けされた固定連結具(10)であって、有窓の装置(40;60)の窓(42;65)内に配置するように構成された固定連結具(10)と、
を備え、
前記固定連結具は、非螺旋状の遠位側リング(28)と、非螺旋状の近位側リング(25)と、前記両リングの間及び第1の外側への拡張部(21)と第2の外側への拡張部(26)との間に位置付けされた双曲面領域(15)とを備えており、前記両リングの少なくとも1つの直径は前記双曲面領域のどこの直径よりも大きい、
分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項2】
前記遠位側リング(28)と前記近位側リング(25)の双方の直径が前記双曲面領域(15)のどこの直径よりも大きい、請求項1に記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項3】
前記遠位側リング(28)と前記近位側リング(25)の両方又は一方が準線(4)を有する楕円体である、請求項1または2に記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項4】
前記遠位側リング(28)と前記近位側リング(25)の両方又は一方の前記準線(4)が前記双曲面領域(15)のどこの直径よりも大きい、請求項3に記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項5】
前記遠位側リング(28)と前記近位側リング(25)の両方又は一方が放射線不透過性要素を含む、請求項1乃至4の何れかに記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項6】
前記双曲面領域(15)のどこの直径よりも大きい直径を有する遠位側リング(28)及び近位側リング(25)と、
楕円形の遠位側リング(28)と楕円形の近位側リング(25)の両方又は一方と、
前記双曲面領域(15)のどこの直径よりも大きい準線(4)を有する楕円形の遠位側リング(28)と楕円形の近位側リング(25)の両方又は一方と、
のうちのいずれか2つ以上を含む、請求項1乃至5の何れかに記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項7】
主身体脈管から分岐している身体脈管内に配置されるように構成された遠位端及び本体部分と、
分岐したステント移植片(90)の内部分岐(92;94;96)内に少なくとも部分的に配置されるように構成された近位端と、
前記ステント移植片の前記近位端にまたは該近位端に近接して位置付けされた固定連結具(50)であって、前記ステント移植片のどこの直径よりも大きい直径を有する拡径した近位開口部(57)と、前記拡径した近位開口部を包囲している非螺旋状のリング(55)とを有する、固定連結具(50)と、
を備える、分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項8】
前記リング(55)が放射線不透過性要素を含んでいる、請求項7に記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項9】
前記拡径した近位開口部(57)が楕円である、請求項7又は8に記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項10】
前記楕円の前記準線(4)が前記ステント移植片のどこの直径よりも大きい、請求項9に記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項11】
固定連結具(50)が自己拡張式である、請求項7乃至10の何れかに記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項12】
放射線不透過性要素を含むリング(55)と、
拡径した近位楕円開口部(57)と、
自己拡張式固定連結具(50)、
のうちのいずれか2つ以上を含む、請求項7乃至11の何れかに記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項13】
解剖学的主脈管と解剖学的分岐脈管の接合部で解剖学的脈管を修復するためのシステムであって、
前記解剖学的主脈管に配置されるように構成され、管状の移植片材料、少なくとも1つのステント、及びある直径を有し前記管状の移植片材料の側壁にある窓(42;65)を備える主ステント移植片(40;60)と、
分岐脈管ステント移植片(30;62)であって、
近位端、
遠位端、
主身体脈管から分岐している身体脈管に配置されるように構成された本体部分、及び
前記近位端にまたは該近位端に近接して位置付けされ、前記窓内に配置されるように構成された固定連結具(10)、を含む移植片と、を備え、
前記固定連結具は、非螺旋状の遠位側リング(28)と、非螺旋状の近位側リング(25)と、前記両リングの間及び第1の外側への拡張部(21)と第2の外側への拡張部(26)の間に位置付けされた双曲面領域(15)とを備えており、前記両リングのうちの少なくとも1つの直径は前記双曲面領域のどこの直径よりも大きく、
前記双曲面領域の最小径は少なくとも前記窓の前記直径と同じ大きさである、システム。
【請求項14】
固定連結具(10;50)がバルーン拡張によって展開可能である、請求項1乃至13の何れかに記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項15】
固定連結具(10;50)が自己拡張式である、請求項1乃至13の何れかに記載の分岐脈管ステント移植片(30;62)。
【請求項16】
2次脈管と連通する1次脈管を有する身体中において角運動及び回転運動を可能とする固定連結具を備えた管腔内人工器官システムを展開する方法であって、
前記システムは、
前記1次脈管への移植用の第1の人工器官であって、管状の壁、該第1の人工気管を貫通するルーメン、及び前記管状の壁の窓を含む第1の人工器官と、
2次脈管への移植用の第2の人工器官であって、非螺旋状の遠位側リング、非螺旋状の近位側リング、並びに前記両リングの間及び第1の外側への拡張部と第2の外側への拡張部の間に位置付けされた双曲面領域を含む固定連結具を含み、前記両リングのうちの少なくとも1つの直径は前記双曲面領域のどこの直径よりも大きい、第2の人工器官と、
を備えており、
前記方法は、
前記第1の人工器官を前記1次脈管に展開し、前記窓を前記2次脈管の位置と一致させるステップと、
非螺旋状の前記近位側リングを前記第1の人工器官の前記ルーメンに配置し、そして前記窓を包囲している前記壁の内側部分に対して前記近位側リングを当接することによって、前記固定連結具を前記窓に展開するステップと、
前記窓が結合部を形成するための前記双曲面領域を包囲するように、前記第1の人工器官の前記ルーメンの外側に非螺旋状の前記遠位側リングを配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記遠位側リングと前記近位側リングの双方の直径が前記双曲面領域のどこの直径よりも大きい、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記遠位側リングと前記近位側リングの両方又は一方が楕円体である、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の人工器官と前記第2の人工器官の両方又は一方がバルーン拡張によって展開される、請求項16乃至18の何れかに記載の方法。
【請求項20】
前記第1の人工器官と前記第2の人工器官の両方又は一方が自己拡張式である、請求項16乃至19の何れかに記載の方法。
【請求項21】
前記固定連結具がバルーン拡張によって展開される、請求項16乃至20の何れかに記載の方法。
【請求項22】
前記固定連結具が自己拡張式である、請求項16乃至20の何れかに記載の方法。
【請求項23】
前記双曲面領域のどこの直径よりも大きい直径を有する遠位側リングと近位側リングと、
楕円形の遠位側リングと楕円形の近位側リングと、
バルーン拡張によって展開される、第1の人工器官と第2の人工器官の両方又は一方と、
自己展開式である、第1の人工器官と第2の人工器官の両方又は一方と、
自己展開式によって展開される固定連結具と、
バルーン拡張によって展開される固定連結具と、
のうちのいずれか2つ以上を含む、請求項16乃至22の何れかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【公表番号】特表2012−501205(P2012−501205A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524979(P2011−524979)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/004805
【国際公開番号】WO2010/024867
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(504291867)ザ クリーヴランド クリニック ファウンデーション (11)
【氏名又は名称原語表記】THE CLEVELAND CLINIC FOUNDATION
【Fターム(参考)】