説明

スナック食品へ着香料を施すためのアッセンブリ

【課題】従前の装置に見られる欠点、すなわち、製品を均一にコーティングすることができず無駄が生ずる、構造が複雑であり信頼性に乏しい、あるいは、清掃が困難である、と言ったことの少なくとも一つを改善する。
【解決手段】粒状形態の流動物質を分配するコンベアアッセンブリ(10)は、長手軸線(30)を備えかつ物質を受け取るフロア(25)を有した細長いトレイであって、フロアが物質受領部(26)から物質分配部(27)にかけて下方傾斜してなるトレイ(23)と;トレイを振動させることで、物質を、受領部から分配部までフロアに沿って移動させ、分配部にて物質がフロアから分配されるようにするアクチュエータ(19)と;を備え、分配部は、物質をフロアから落下させるためのフロアの端縁(28)を含んでおり、かつアクチュエータ(19)が、フロア(25)を、垂直成分を持った振幅で、少なくとも20,000Hzの振動数で振動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状形態(粉末を含む)の流動物質を運ぶためのコンベアに係わり、詳細には、これに限定されるものではないが、他のコンベア上にある前記流動物質が分配される製品をコーティングする目的で前記流動物質を分配するコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
スナック食品産業においては、多くのスナック食品が着香料 (flavouring) によってコーティングされる。スナック食品にコーティングを施すための装置、例えば特許文献1に開示されているような装置が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7878142号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従前の装置に見られる欠点は、スナック食品を均一にコーティングすることができず、更には/或いは、相当の無駄が生ずるということである。
【0005】
従前の装置における別の欠点は、構造が複雑であり、故に信頼性に乏しいことである。
【0006】
従前の装置におけるさらなる欠点は、頻繁な清掃が困難であることである。
【0007】
本発明の目的は、上記欠点の少なくとも一つを事実上解消し、あるいは改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、粒状形態の流動物質を分配するコンベアアッセンブリであって、
長手軸線を備え、かつ前記物質を受け取るフロアを有した細長いトレイであって、前記フロアが物質受領部から物質分配部にかけて下方傾斜してなるトレイと、
前記トレイを振動させることで、前記物質を、前記受領部から前記分配部まで前記フロアに沿って移動させ、該分配部にて前記物質が前記フロアから分配されるようにするアクチュエータと、を備え、
前記分配部は、前記物質を前記フロアから落下させるための前記フロアの端縁を含んでおり、かつ前記アクチュエータが、前記フロアを、垂直成分を持った振幅で、少なくとも20,000Hzの振動数で振動させる
コンベアアッセンブリである。
【0009】
好ましくは、前記振動数は70,000Hz未満である。
好ましくは、前記振動数は30,000Hz〜40,000Hzである。
より好ましくは、前記振動数は36,000Hz〜38,000Hzである。
【0010】
好ましくは、前記振幅の水平成分は事実上無視できる程度のものである。
好ましくは、前記水平成分は、略0(ゼロ)である。
【0011】
また、本発明は、粒状形態の流動物質を分配するコンベアアッセンブリであって、
長手軸線を備え、かつ前記物質を受け取るフロアを有した細長いトレイであって、前記フロアが物質受領部から物質分配部にかけて下方傾斜してなるトレイと、
前記トレイを振動させることで、前記物質を、前記受領部から前記分配部まで前記フロアに沿って移動させ、該分配部にて前記物質が前記フロアから分配されるようにするアクチュエータと、を備え、
前記フロアは、前記物質分配部に、前記物質を前記フロアから落下させる端縁を有しており、かつ前記アクチュエータが、前記フロアを、所定の振動数で、前記長手軸線との略直交方向の振幅で振動させる
コンベアアッセンブリである。
【0012】
好ましくは、前記振動数は少なくとも20,000Hzである。
好ましくは、前記振動数は70,000Hz未満である。
好ましくは、前記振動数は30,000Hz〜40,000Hzである。
より好ましくは、前記振動数は36,000Hz〜38,000Hzである。
【0013】
好ましくは、前記振幅は1μm〜130μmである。
好ましくは、前記振幅は2.5μm〜5μmである。
好ましくは、前記振幅は、前記軸線方向と平行となる有効な振動成分を有しない。
好ましくは、前記振幅における、前記長手軸線と平行となる振動成分は実質的に0(ゼロ)である。
【0014】
好ましくは、前記アクチュエータは、接続部材によって前記トレイに取り付けられており、前記トレイが、前記接続部材が直接取り付けられる底面を有している。
【0015】
好ましくは、前記トレイ及び前記接続部材は、前記アクチュエータが発生する振動数に近似した共振振動数を有している。
【0016】
好ましくは、前記端縁は概略直線であり、その延在方向は、前記長手軸線を横切る方向及び同長手軸線と平行となる方向である。
【0017】
好ましくは、前記端縁は、前記長手軸線と平行となる延長方向における寸法と、同長手軸線を横切る方向における寸法とを有しており、後者寸法が前者寸法よりも小さい。
【0018】
好ましくは、前記トレイは水平に対し1°ないし10°傾いている。
好ましくは、前記トレイは水平に対し3°ないし5°傾いている。
【0019】
本発明はまた、上述のアッセンブリと別のコンベアとの組合せであって、前記物質が前記別のコンベアを横切る方向に散りばめられるように、前記端縁は、前記別のコンベアをほぼ横切って延在している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の好ましい実施形態を、添付した以下の図面を参照した例により説明する。
【図1】粒状の流動物質をコンベアに分配するためのアッセンブリの一部を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示した装置の概略上面図である。
【図3】図1に示した装置の前方立面図である。
【図4】図1に示した装置の背面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面はコンベアアッセンブリ10の概略を示している。このアッセンブリ10は、コーティングすべき物品を搬送しているコンベア11に着香料を分配する。着香料は粒状体とすることができるが、パウダーであってもよい。特定の例では、このアッセンブリ10は、コンベア11によって搬送されるスナック食品に着香料を分配する。異なるタイプの多くのコンベアを用いることが可能であるが、通常、コンベア11は、細長トレイ13を備えたスリップコンベアとすることができる。細長トレイ13は、一対の細長壁12及びそれらの間に延びたトレイフロア14を有してなる。該トレイ13が図中矢印15で示す方向に往復動して、製品を図中矢印16で示す長手方向に搬送する。通常、スナック食品は、前記トレイ13と交差して横切るように分配される。
【0022】
前記アッセンブリ10はコンベア17を有している。該コンベア17は、アクチュエータ19によって振動される細長トレイ23を有して構成されている。アクチュエータ19は電気的に作動され、かつ、好ましくは 20,000 Hz〜 70,000 Hzの範囲、最も好ましくは約 36,000 Hz〜 38,000 Hzの範囲の周波数の振動を与える。トレイ23は、該トレイ23に取り付けられたシャフト20により支持されている。シャフト20はカラー21に支持されており、カラー21はブラケット22に取り付けられている。前記アクチュエータ19もこのブラケット22に取り付けられて支持されている。
【0023】
前記アクチュエータ19は、前記トレイフロア14を、該トレイフロア14が垂直成分を持った振幅で、かつ最も好ましくは、水平成分は全く或いは殆ど持たずに垂直成分のみを持った振幅で、振動させる。また別の好ましい形態では、アクチュエータ19は、フロアトレイ14が長手軸線30と垂直となる方向成分を持った振幅を有するように、かつ最も好ましくは、前記長手軸線30と平行となる方向成分を全く或いは殆ど持たずに該長手軸線30と垂直となる方向成分のみを持った振幅を有するように、トレイフロア14を振動させる。上記の振動数で振動させられると、前記トレイ13に分配された着香料は本質的に「流動化」される。好ましくは、アクチュエータ19は超高周波(超音波周波数)「ソノトロード (Sonotrode)」アクチュエータである。通常は、アクチュエータ19は、垂直振幅(又は前記軸線30と垂直方向の振幅)が1.0μm 〜130μm 、好ましく2.5μm 〜5μmのピエゾ電気モータとなろう。
【0024】
好ましくは、フロア25は、水平に対し1°から10°、好ましくは約3°〜5°、鋭角に傾斜している。
【0025】
前記トレイ23は、一対の細長側部24を備え、それらの間に細長いフロア25が存在している。両側部24は、フロアトレイ25から上方に延在している。前記シャフト20が前記トレイ23の底面に取り付けられている。
【0026】
前記トレイ23は、着香料が分配される受領部26と、分配部27とを備えている。分配部27はフロア25の端縁28を含んでおり、該端縁28は、トレイ23の長手軸線30に対して鋭角29(図2)を形成して延在している。この端縁28は、前記軸線30と平行なる延出主方向と、前記角度29により傾斜するための軸線30との交差方向とを有している。該端縁28の長さ方向の寸法は、交差方向における寸法よりも大きい。
【0027】
フロア25が前記受領部26から前記分配部27に向けて下方に鋭角に傾斜しているため、前記トレイ23(フロア25)の振動によって着香料は、前記軸線方向31を受領部26から分配部27に移動する。結局、トレイ23に沿って移動した製品は前記端縁28に至り、その際に端縁28から、前記トレイ13の前記フロア25上の、着香すべき製品の上に落下する。これにより該製品は着香料がコーティングされる。前記端縁28が、実質的に前記フロア25の全幅を横切っているため、フロア25にちりばめられた製品の全てがコーティングされる。
【0028】
好ましくは、前記方向31は前記方向16との直交方向である。
【0029】
着香料は、着香料供給アッセンブリ32より前記トレイ23に供給される。該アッセンブリ32は、所定量の粒状あるいはパウダー状の着香料を所蔵するホッパー33を備える。ホッパー33はオーガアッセンブリ34と連通しており、該オーガアッセンブリ34が着香料をチューブ35に分配する。着香料は該チューブを介して、前記分配点26において前記トレイ23に供給される。前記オーガアッセンブリ34はオーガを含んでいる。オーガは、ホッパー33の下端を貫通しているか、あるいはホッパー33の下端と連通しており、モータ及び変速機アッセンブリ36によって駆動される。
【符号の説明】
【0030】
10 アッセンブリ
11 コンベア
13 細長トレイ
14 トレイフロア
17 コンベア
19 アクチュエータ
20 シャフト
23 細長トレイ
25 細長いフロア
26 受領部
27 分配部
28 端縁
30 長手軸線
32 着香料供給アッセンブリ
33 ホッパー
34 オーガアッセンブリ
36 モータ及び変速機アッセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状形態の流動物質を分配するコンベアアッセンブリであって、
長手軸線を備え、かつ前記物質を受け取るフロアを有した細長いトレイであって、前記フロアが物質受領部から物質分配部にかけて下方傾斜してなるトレイと、
前記トレイを振動させることで、前記物質を、前記受領部から前記分配部まで前記フロアに沿って移動させ、該分配部にて前記物質が前記フロアから分配されるようにするアクチュエータと、
を備え、
前記分配部は、前記物質を前記フロアから落下させるための前記フロアの端縁を含んでおり、かつ前記アクチュエータが、前記フロアを、垂直成分を有した振幅で、少なくとも20,000Hzの振動数で振動させる
コンベアアッセンブリ。
【請求項2】
粒状形態の流動物質を分配するコンベアアッセンブリであって、
長手軸線を備え、かつ前記物質を受け取るフロアを有した細長いトレイであって、前記フロアが物質受領部から物質分配部にかけて下方傾斜してなるトレイと、
前記トレイを振動させることで、前記物質を、前記受領部から前記分配部まで前記フロアに沿って移動させ、該分配部にて前記物質が前記フロアから分配されるようにするアクチュエータと、
を備え、
前記フロアは、前記物質分配部に、前記物質を前記フロアから落下させる端縁を有しており、かつ前記アクチュエータが、前記フロアを、所定の振動数で、前記長手軸線との略直交方向の振幅で振動させる
コンベアアッセンブリ。
【請求項3】
請求項2記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振動数が少なくとも20,000Hzであるコンベアアッセンブリ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振動数が70,000Hz未満であるコンベアアッセンブリ。
【請求項5】
請求項4記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振動数が30,000Hz〜40,000Hzであるコンベアアッセンブリ。
【請求項6】
請求項5記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振動数が36,000Hz〜38,000Hzであるコンベアアッセンブリ。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振幅が1μm〜130μmであるコンベアアッセンブリ。
【請求項8】
請求項7記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振幅が2.5μm〜5μmであるコンベアアッセンブリ。
【請求項9】
請求項1ないし6の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振幅が、前記長手軸線と平行となる有効な振動成分を有しないコンベアアッセンブリ。
【請求項10】
請求項1ないし6の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記振幅における、前記長手軸線と平行となる振動成分は実質的に0(ゼロ)であるコンベアアッセンブリ。
【請求項11】
請求項1ないし10の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記アクチュエータは、接続部材によって前記トレイに取り付けられており、前記トレイが、前記接続部材が直接取り付けられる底面を有しているコンベアアッセンブリ。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記トレイ及び前記接続部材は、前記アクチュエータが発生する振動数に近似した共振振動数を有しているコンベアアッセンブリ。
【請求項13】
請求項1ないし12の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記端縁は、前記長手軸線を横切りかつ同長手軸線に平行に延在するよう概略直線であるコンベアアッセンブリ。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか1項記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記端縁は、前記長手軸線と平行となる延長方向における寸法と、同長手軸線を横切る方向における寸法とを有し、後者寸法が前者寸法よりも小さいコンベアアッセンブリ。
【請求項15】
請求項14記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記トレイは水平に対し1°ないし10°傾いているコンベアアッセンブリ。
【請求項16】
請求項15記載のコンベアアッセンブリにおいて、前記トレイは水平に対し3°ないし5°傾いているコンベアアッセンブリ。
【請求項17】
請求項1ないし16の何れか1項記載のコンベアアッセンブリと、さらなるコンベアとが組み合わされてなるコンベア装置であって、前記物質が前記さらなるコンベアを横切る方向に散りばめられるように、前記端縁は前記さらなるコンベアをほぼ横切って延在しているコンベア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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