説明

スパウト付きパウチ容器

【課題】液体商品の他の容器への詰替作業を簡単かつ確実に行うことができるパウチ容器を提供する。
【解決手段】柔軟性シートによって形成されたパウチ10と、このパウチ10に取り付けられるスパウト20とから構成されている。スパウト20は、このパウチ10にヒートシールされる、中央部に貫通孔が形成された平面舟形状の装着部22、装着部22に連設された、パウチ10の外側に突出する、先端に注出口を有する円筒状の口部23及びパウチ10の内側に突出する導出管24からなる本体部21と、この本体部21における口部23の注出口を開閉するスクリューキャップ26とを備えており、円筒状の口部23と導出管24とが装着部22に形成された貫通孔を介して相互に連通した状態となっている。導出管24は、ガスバリア性を有しており、その先端が閉塞されていると共に、その基端側には、閉塞された先端部を折り取るための周溝24aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ボトル容器に詰め替えるためのシャンプーやリンス等の液体商品を充填する容器に適したスパウト付きパウチ容器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ボトル容器に詰め替えるためのシャンプー等の液体商品を充填するスパウト付きパウチ容器としては、図12に示すようなものがある。このスパウト付きパウチ容器50は、同図(a)、(b)に示すように、柔軟性シートによって袋状に形成されたボトムガセットタイプのパウチ51と、このパウチ51の上縁部に装着された、注口となる口部52aをスクリューキャップ52cによって開閉することができるスパウト52とを備えており、このスパウト52は、図13(a)、(b)に示すように、パウチ51の上縁部にヒートシールされる、口部52aが突設された平面舟形状の装着部52bに、口部52aとパウチ51内とを連通する液体商品の流出路FRが形成されている。
【0003】
こういったスパウト付きパウチ容器50に充填された詰替用の液体商品をボトル容器等に移し替える際は、図12(b)に示すように、スパウト52の口部52aを閉塞しているスクリューキャップ52cを外し、図14に示すように、容器全体を徐々に傾けながら、スパウト52の口部52aをボトル容器60の口部61の上端縁に沿わせるようにして、液体商品をスパウト52の口部52aからボトル容器60の口部61に注ぎ入れることになる。
【0004】
【特許文献1】特開平07−187202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こういった詰替用の液体商品を充填するスパウト付きパウチ容器50は、内容物である液体商品を短時間でボトル容器等に移し替えることができるように、口部52aの口径がある程度大きいスパウト52が装着されているので、上述したように、口部52aが斜め下方を向くように、容器全体を傾けると、スパウト52の口部52aから多量の液体商品が勢いよく流出することになる。
【0006】
このため、こういったスパウト付きパウチ容器50に充填された詰替用の液体商品をボトル容器等にうまく注ぎ入れることができずに、こぼしてしまう場合があり、液体商品の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができないといった問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、液体商品の他の容器への詰替作業を簡単かつ確実に行うことができるパウチ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、前記スパウトは、前記パウチ内に突出する、管路が閉塞された導出管を有し、前記導出管には、管路の閉塞部または管路の閉塞部よりも基端側に、前記閉塞部を含む先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器を提供するものである。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明のスパウト付きパウチ容器において、前記導出管を、ガスバリア性を有する素材によって形成したのである。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、前記スパウトは、前記パウチ内に突出する導出管を有し、前記導出管における内容物の流入口には、前記導出管の外側に開くことができるような状態で、前記流入口を閉塞する弁体が開閉可能に取り付けられており、前記導出管には、前記弁体が取り付けられた先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器を提供するものである。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、請求項4にかかる発明は、開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、前記スパウトは、前記パウチ内に突出した、内容物の流入口を有する導出管を備え、前記導出管には、内容物の流入口を広げるために、前記流入口を含む先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器を提供するものである。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、前記スパウトは、前記パウチ内に突出した導出管を有し、前記導出管の先端部には、前記導出管の外側に開くことができるような状態で、前記導出管の内径より小さい内容物の流入口が形成された弁体が開閉可能に取り付けられており、前記導出管には、前記弁体が取り付けられた先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器を提供するものである。なお、ここにいう「流入口」は、常時開口している必要はなく、例えば、弁体に十字等の切目を形成しておき、内容物が充填されたパウチを押圧してパウチの内圧を高めることによって、切目部分が弾性変形して流入口が形成されるものも含まれる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、請求項1にかかる発明のスパウト付きパウチ容器は、管路が閉塞された導出管によって、スパウトの注出路が閉鎖されているので、スパウトの注出口を開いただけでは、内容物が注出口から流出することがなく、導出管における閉塞部を含む先端側を折り取ることによって、導出管に内容物の流入口が形成され、内容物を注出することができる状態となる。
【0014】
従って、スパウトの注出口を開き、その注出口を、内容物を移し替えようとしているボトル容器等の口部に沿わせて、内容物をボトル容器等に注ぎ入れることができる姿勢にスパウト付きパウチ容器を保持した状態で、パウチの外側から導出管の閉塞部を含む先端側を折り取ると、その時点で、スパウトの注出口からボトル容器等の口部に内容物が注ぎ込まれるので、内容物をボトル容器等に移し替える際、内容物をこぼすことなく、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができる。
【0015】
特に、請求項2にかかる発明のスパウト付きパウチ容器は、管路が閉塞された導出管がガスバリア性を有する素材によって形成されているので、スパウトを通して酸素がパウチ内に進入することがなく、スパウトの近くに滞留している内容物が劣化しにくいという効果が得られる。
【0016】
また、請求項3にかかる発明のスパウト付きパウチ容器は、導出管における内容物の流入口に、導出管の外側に開くことができるような状態で、流入口を閉塞する弁体が開閉可能に取り付けられているので、スパウトの注出口から内容物を注入すると、その注入圧によって弁体が開き、内容物を短時間で充填することが可能になるという効果が得られる。
【0017】
また、このスパウト付きパウチ容器についても、請求項1にかかる発明のスパウト付きパウチ容器と同様に取り扱うことによって、内容物をこぼすことなく、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができるという、請求項1にかかる発明のスパウト付きパウチ容器と同様の効果を得ることができる。
【0018】
また、請求項4にかかる発明のスパウト付きパウチ容器は、スパウトの導出管が内容物の流入口を有しているため、スパウトの注出口を開くと、その注出口から内容物が流出可能な状態となるが、導出管に予め形成されている流入口は、導出管における流入口を含む先端側を折り取ることによって形成される新たな流入口よりも小径に形成されているので、このスパウト付きパウチ容器を傾けても、スパウトの注出口から多量の内容物が勢いよく流出することはなく、導出管における流入口を含む先端側を折り取ることによって、多量の内容物を注出することができる状態となる。
【0019】
従って、内容物をボトル容器等に移し替えるために、スパウトの注出口を開き、その注出口をボトル容器等の口部に沿わせるように、スパウト付きパウチ容器を傾ける際、スパウトの注出口から流出した内容物が、ボトル容器等の口部の外側にこぼれにくく、スパウトの注出口から流出した内容物をボトル容器等に確実に注ぎ入れることができるようになった状態で、パウチの外側から流入口を含む導出管の先端側を折り取ると、その時点で、スパウトの注出口からボトル容器等の口部に多量の内容物が注ぎ込まれるので、内容物の詰替作業を安定した状態で効率よく行うことができる。
【0020】
また、小径の流入口を有する導出管の先端側を折り取らない状態では、上述したように、スパウトの注出口から多量の内容物が勢いよく流出することはないので、内容物をボトル容器等に詰め替えずに、このスパウト付きパウチ容器をそのまま使用することも可能である。
【0021】
また、請求項5にかかる発明のスパウト付きパウチ容器は、導出管における内容物の流入口に、導出管の外側に開くことができるような状態で、導出管の内径より小さい内容物の流入口が形成された弁体が開閉可能に取り付けられているので、スパウトの注出口から内容物を注入すると、その注入圧によって弁体が開き、内容物を短時間で充填することが可能になるという効果が得られる。
【0022】
また、このスパウト付きパウチ容器についても、請求項4にかかる発明のスパウト付きパウチ容器と同様に取り扱うことによって、内容物を他の容器に詰め替える場合は、その詰替作業を安定した状態で効率よく行うことができると共に、内容物をボトル容器等に詰め替えずに、このスパウト付きパウチ容器をそのまま使用することもできるという、請求項4にかかる発明のスパウト付きパウチ容器と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、ポンプ式のボトル容器に詰め替えるためのシャンプー(以下、内容物という。)が充填されるスパウト付きパウチ容器1を示しており、このスパウト付きパウチ容器1は、同図(a)、(b)に示すように、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱接着性を有する合成樹脂フィルムの外面に、ガスバリア性シート等を積層した二軸延伸ポリアミドフィルムや二軸延伸ポリエステルフィルム等をラミネートした厚さ100〜200μm程度の柔軟性シートによって形成された、扁平状態に折り畳み可能なパウチ10と、このパウチ10に取り付けられる熱接着性樹脂によって形成されたスパウト20とから構成されている。
【0024】
前記パウチ10は、同図(b)に示すように、表裏一対の外装シート12、13と、この外装シート12、13の下端部において両者の間に折り込まれるガセットシート15とから構成されており、外装シート12、13の上縁部及び両側縁部が相互にヒートシールされることによって胴部11が形成されると共に、外装シート12、13間に折り込まれたガセットシート15の周縁を外装シート12、13の内面にヒートシールすることによって胴部11の下端開口部を閉塞するボトムガセット部14が形成されている。
【0025】
前記スパウト20は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱接着性樹脂の成形物からなり、図1(b)及び図2(a)〜(c)に示すように、外装シート12、13の上端縁に挟み込まれた状態で外装シート12、13にヒートシールされる、中央部に貫通孔が形成された平面舟形状の装着部22、この装着部22に連設された、パウチ10の外側に突出する、先端に注出口を有する円筒状の口部23及びパウチ10の内側に突出する導出管24からなる本体部21と、この本体部21における口部23の注出口を開閉するスクリューキャップ26とを備えており、円筒状の口部23と導出管24とが、装着部22に形成された貫通孔を介して相互に連通した状態となっている。
【0026】
前記本体部21の導出管24は、酸素の通過を遮断するガスバリア性を有しており、その先端が閉塞されていると共に、その基端側には、閉塞された先端部を折り取るための周溝24aが形成されている。従って、スクリューキャップ26を外して、口部23の注出口を開放しても、図2(d)に示すように、閉塞された先端部を折り取って導出管24に内容物の流入口Eを形成しない限り、パウチ10内に充填された内容物が口部23の注出口から流出することはない。
【0027】
以上のように、このスパウト付きパウチ容器1は、口部23の注出口を内容物を移し替えようとしているボトル容器の口部に沿わせて、内容物をボトル容器に注ぎ入れることができる姿勢に保持した状態で、パウチ10の外側から導出管24の閉塞された先端部を折り取ると、その時点で、スパウト20の口部23からボトル容器の口部23に内容物が注ぎ込まれるので、内容物をボトル容器に移し替える際、内容物をこぼすことなく、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができる。
【0028】
また、このスパウト付きパウチ容器1は、先端が閉塞された導出管24がガスバリア性を有しているので、スパウト20を通して酸素がパウチ10内に進入することがなく、スパウト20の近くに滞留している内容物が劣化しにくいという効果が得られる。なお、導出管24にガスバリア性を付与するには、ガスバリア性樹脂を積層したり、表面にガスバリア性を有する無機物の被膜を形成すればよい。
【0029】
また、このスパウト20は、導出管24を周溝24aで折り取り易くするために、周溝24aよりも先端側にある程度の長さを確保しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図3(a)、(b)に示すように、先端が閉塞された導出管24を短くして、その先端にある程度の長さを有する押圧片24bを連設してもよい。
【0030】
また、スパウト20は、導出管24の先端が閉塞されているが、これに限定されるものではなく、図4(a)、(b)に示すように、先端が開放された導出管24の中間部に、その管路を閉塞する閉塞壁24cを形成するようにしてもよい。ただし、閉塞壁24cは、導出管24における周溝24aよりも先端側に設けなければならないことはいうまでもない。
【0031】
また、図5(a)〜(c)に示すように、閉塞された導出管24の先端面に押圧片24bを連設する場合は、導出管24の外周面ではなく、押圧片24bを取り囲むように、閉塞された先端面に周溝24aを形成し、押圧片24bを押して周溝24aの内側を折り取ることによって、同図(d)に示すように、導出管24の先端面に内容物の流入口Eを形成するようにしてもよい。
【0032】
図6(a)〜(c)は他の実施形態であるスパウト付きパウチ容器に使用されているスパウト20Aを示している。このスパウト20Aも上述したスパウト20と略同様の構成を有しているので、共通の構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、異なる構成要素について説明する。
【0033】
上述した実施形態のスパウト20は、導出管24がその全長にわたって同一内径を有しており、その先端が閉塞されているが、このスパウト20Aの導出管24Aは、先端側が徐々に小径になっており、先端に内容物の流入口eが開放されているので、スクリューキャップ26を外して、口部23の注出口を開放すると、その注出口から内容物が流出可能な状態となるが、導出管24Aの流入口eは、導出管24Aの基端側の内径より小径に形成されているので、口部23の注出口から多量の内容物が勢いよく流出することはなく、同図(d)に示すように、流入口eを有する先端側を周溝24a部分で折り取ることによって、導出管24Aに大きな流入口Eが形成され、多量の内容物を注出することができる状態となる。
【0034】
従って、内容物をボトル容器に移し替えるために、口部23の注出口をボトル容器の口部に沿わせるように、このスパウト付きパウチ容器を傾ける際、スパウト20Aの口部23から流出した内容物が、ボトル容器の口部の外側にこぼれにくく、スパウト20Aの口部23から流出した内容物をボトル容器に確実に注ぎ入れることができるようになった状態で、パウチの外側から流入口eを有する導出管24Aの先端側を折り取ると、その時点で、スパウト20Aの口部23からボトル容器の口部に多量の内容物が注ぎ込まれるので、内容物の詰替作業を安定した状態で効率よく行うことができる。
【0035】
また、小径の流入口eを有する導出管24Aの先端側を折り取らない状態では、上述したように、スパウト20Aの口部23から多量の内容物が勢いよく流出することはなく、適量の内容物が適度に注ぎ出されるので、内容物をボトル容器に詰め替えずに、このスパウト付きパウチ容器をそのまま使用することも可能である。
【0036】
また、このスパウト付きパウチ容器は、パウチ内に突出している導出管24Aを折り取ることによって、スパウト20Aの口部23からの注出量を変化させるようにしているので、パウチの外側に突出している口部を折り取って注出量を変化させる場合のように、スパウトの口部が長くなって、容器全体の外観が損なわれることもない。
【0037】
なお、このスパウト20Aは、先端側が徐々に小径になっており、先端に内容物の流入口eが開放されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図7(a)に示すように、上述したスパウト20の先端が閉塞された導出管24の周面に流入口となる小孔24dを形成したり、同図(b)に示すように、導出管24の先端面に流入口となる小孔24dを形成したり、図8(a)〜(c)に示すように、図3に示すスパウトの押圧片24bが連設されている導出管24の先端面に流入口となる小孔24dを形成してもよい。また、押圧片24bが連設されている導出管24の先端面に流入口となる小孔24dを形成する場合は、図5に示すスパウトと同様に、押圧片24bと小孔24dとを取り囲むように、導出管24の先端面に周溝を形成し、押圧片24bを押して周溝の内側を折り取ることによって、導出管24の先端面に大径の流入口を形成するようにしてもよい。
【0038】
また、上述した各実施形態のように、導出管24の管路が閉塞されたスパウトや導出管24、24Aに小孔24dや小径の流入口eが形成されたスパウトを採用すると、スパウトから内容物を全く充填することができなくなったり、内容物の充填に時間がかかりすぎて、実質的にスパウトから内容物を充填することができなくなるといった問題がある。
【0039】
そこで、図9(a)〜(c)に示すスパウト20Bのように、先端に内容物の流入口を有する、全長にわたって同一内径の導出管24Bを採用し、その導出管24Bの先端に、流入口を分断するリブ24eを設け、そのリブ24eに、流入口を閉塞する弾性変形可能な弁体25を、導出管24Bの外側に開くことができるような状態で貼着したり、図10(a)〜(c)に示すスパウト20Cのように、先端に内容物の流入口を有する、全長にわたって同一内径の導出管24Cを採用し、その導出管24Cの先端に、径方向外側に張り出すリブ24fを形成し、そのリブ24fに、流入口を閉塞する弾性変形可能な弁体25を、導出管24Cの外側に開くことができるような状態で貼着しておくと、図9(a)、(b)及び図10(a)に一点鎖線で示すように、スパウト20B、20Cの口部23、23から内容物を注入すると、その注入圧によって弁体25、25が開き、内容物を短時間で充填することが可能になる。
【0040】
しかも、弁体25、25が取り付けられた導出管24B、24Cの先端側を折り取らない限り、スパウト20B、20Cの口部23、23から内容物が流出することはないので、上述したスパウト付きパウチ容器1と同様に取り扱うことにより、内容物をボトル容器に移し替える際、内容物をこぼすことなく、内容物の詰替作業を安定した状態で確実に行うことができるというスパウト付きパウチ容器1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、内容物の詰替作業を安定した状態で効率よく行うことができるだけでなく、内容物をボトル容器等に詰め替えることなく、そのまま使用することもでき、さらに、スパウトから内容物を充填することができるようにするには、図11(a)、(b)に示すように、スパウト20B、20Cの弁体25、25に流入口となる小孔25a、25aを形成したり、同図(c)に示すように、スパウト20Cの弁体25に十字等の切目25bを形成し、内容物が充填されたパウチを押圧することによってパウチの内圧を高めると、切目25b部分が弾性変形して、弁体25に流入口が形成されるようにしておけばよい。なお、弁体25に形成する切目は、十字に限定されるものではなく、Y字、H字、S字、I字等を採用することも可能である。
【0042】
また、上述した実施形態では、ボトムガセットタイプのパウチにスパウトが装着されたスパウト付きパウチ容器について説明したが、これに限定されるものではなく、ボトムガセットタイプ以外の種々のパウチにスパウトが装着されたスパウト付きパウチ容器について本発明を適用することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】(a)はこの発明にかかるスパウト付きパウチ容器の一実施形態を示す斜視図、(b)は同上のスパウト付きパウチ容器を扁平に折り畳んだ状態を示す正面図である。
【図2】(a)、(b)は同上のスパウト付きパウチ容器に採用されているスパウトを示す側面図、(c)は同上のスパウトを示す底面図、(d)は同上のスパウトにおける導出管の先端部を折り取った状態を示す底面図である。
【図3】(a)はスパウトの変形例を示す側面図、(b)は同上のスパウトを示す一部切欠断面図である。
【図4】(a)、(b)はスパウトの変形例を示す一部切欠断面図である。
【図5】(a)はスパウトの変形例を示す側面図、(b)は同上のスパウトを示す一部切欠断面図、(c)は同上のスパウトを示す底面図、(d)は同上のスパウトにおける導出管の先端部を折り取った状態を示す底面図である。
【図6】(a)、(b)は他の実施形態であるスパウト付きパウチ容器に採用されているスパウトを示す側面図、(c)は同上のスパウトを示す底面図、(d)は同上のスパウトにおける導出管の先端部を折り取った状態を示す底面図である。
【図7】(a)はスパウトの変形例を示す側面図、(b)はスパウトの他の変形例を示す一部切欠断面図である。
【図8】(a)はスパウトの変形例を示す側面図、(b)は同上のスパウトを示す一部切欠断面図、(c)は同上のスパウトを示す底面図である。
【図9】(a)、(b)はスパウトの変形例を示す側面図、(c)は同上のスパウトを示す底面図である。
【図10】(a)、(b)はスパウトの変形例を示す側面図、(c)は同上のスパウトを示す底面図である。
【図11】(a)〜(c)はスパウトの変形例を示す底面図である。
【図12】(a)は一般的なスパウト付きパウチ容器を示す斜視図、(b)は同上のスパウト付きパウチ容器におけるスクリューキャップを外した状態を示す斜視図である。
【図13】(a)は同上のスパウト付きパウチ容器に採用されているスパウトを示す側面図、(b)は同上のスパウトを示す底面図である。
【図14】同上のスパウト付きパウチ容器の使用方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 スパウト付きパウチ容器
10 パウチ
11 胴部
12、13 外装シート
14 ボトムガセット部
15 ガセットシート
20、20A、20B、20C スパウト
21 本体部
22 装着部
23 口部
24、24A、24B、24C 導出管
24a 周溝(折取手段)
24b 押圧片
24c 閉塞壁
24d 小孔(流入口)
24e、24f リブ
25 弁体
25a 小孔(流入口)
25b 切目(流入口)
26 スクリューキャップ
E、e 流入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、
前記スパウトは、前記パウチ内に突出する、管路が閉塞された導出管を有し、
前記導出管には、管路の閉塞部または管路の閉塞部よりも基端側に、前記閉塞部を含む先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器。
【請求項2】
前記導出管は、ガスバリア性を有する素材によって形成されている請求項1に記載のスパウト付きパウチ容器。
【請求項3】
開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、
前記スパウトは、前記パウチ内に突出する導出管を有し、
前記導出管における内容物の流入口には、前記導出管の外側に開くことができるような状態で、前記流入口を閉塞する弁体が開閉可能に取り付けられており、
前記導出管には、前記弁体が取り付けられた先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器。
【請求項4】
開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、
前記スパウトは、前記パウチ内に突出した、内容物の流入口を有する導出管を備え、
前記導出管には、内容物の流入口を広げるために、前記流入口を含む先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器。
【請求項5】
開閉可能な注出口を有するスパウトがパウチに装着されたスパウト付きパウチ容器であって、
前記スパウトは、前記パウチ内に突出した導出管を有し、
前記導出管の先端部には、前記導出管の外側に開くことができるような状態で、前記導出管の内径より小さい内容物の流入口が形成された弁体が開閉可能に取り付けられており、
前記導出管には、前記弁体が取り付けられた先端側を折り取るための折取手段が形成されていることを特徴とするスパウト付きパウチ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−302318(P2007−302318A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134629(P2006−134629)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】