説明

スピニング加工用押圧ローラ装置

【課題】押圧ローラの冷却と回転部の潤滑を同時に行える内部冷却装置付きスピニング押圧ローラを提供する。
【解決手段】スピニング加工用押圧ローラ装置は、回転軸部30と、回転軸部の先端に設けられた押圧ローラ部40と、回転軸部を収容して回転可能に支持する支持部50とを備えている。押圧ローラ部には、冷却液が通る冷却通路45が形成されている。冷却通路の入側は、回転部材の第1連絡通路31,ベアリング70のための潤滑通路75を介して支持部材の流入口51に連なっている。冷却通路の出側は、回転軸部の第2連絡通路32を介して支持部材の流出口52に連なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ホイール等のワークをスピニング加工する際に用いられる押圧ローラ装置に関し、特にその冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にスピニング加工では、マンドレルの外周にワークを被せ、マンドレルを回転させながら、このワークの外周から押圧ローラを押し当て、この押圧ローラまたはマンドレルを相対的に軸方向移動させながら、押圧ローラをマンドレルの外周のプロフィールに沿ってマンドレルの径方向に移動させる。これによりワークをマンドレルの外周形状に成形する。一例として、車両ホイールのスピニング加工を開示した特許文献1を挙げる。
【0003】
ところで、上記スピニング加工では押圧ローラがワークを押し付けながらしごくため、ワーク材料が押圧ローラに凝着し、加工後のワーク表面に加工傷が残ることがある。この押圧ローラ部への材料凝着を防止するため、特許文献1には開示されていないが一般的には、潤滑を兼ねた冷却液(特殊な水溶性潤滑剤を含む水)を押圧ローラに向けて噴射し、押圧ローラを冷却している。
【特許文献1】特公昭47−15209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記冷却液を噴射することにより押圧ローラを冷却する方法では、十分な冷却を行なおうとすると多量の冷却液を必要とし、冷却液の回収等の管理が煩雑であった。特に熱間スピニング加工では、冷却液を多量に押圧ローラ部に噴射すると、ワークにも冷却液が飛び散ってワークを冷やしてしまい、成形性を悪化させる不都合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、(ア)回転軸部と、(イ)上記回転軸部の先端に設けられた押圧ローラ部と、(ウ)上記回転軸部を収容して回転可能に支持する支持部と、を備えたスピニング加工用押圧ローラ装置において、
上記押圧ローラ部には、冷却液が通る冷却通路が形成され、上記支持部には、上記冷却液が入る流入口と上記冷却液が出る流出口が形成され、上記回転軸部には、上記冷却通路の入側と上記流入口を連ねる第1連絡通路が形成されるとともに、上記冷却通路の出側と上記流出口とを連ねる第2連絡通路が形成されていることを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、押圧ローラ部の内部を流れる冷却液により押圧ローラ部を冷却するので、押圧ローラ部の外側から冷却液を多量に噴射する場合に比べて冷却液の管理がし易い。特に熱間スピニング加工では、ワークを冷却液で冷やすことがなく、良好な成形性を確保できる。
【0007】
好ましくは、上記冷却通路が上記押圧ローラ部の外周と同心をなす環状通路部分を含んでいる。これによれば、環状通路部分を冷却液が通ることにより、押圧ローラ部の外周部を均一に効率良く冷却することができる。
【0008】
好ましくは、上記冷却通路がさらに第1補助通路部分と第2補助通路部分とを含み、これら第1,第2の補助通路部分の一端が上記環状通路部分に略180°対向する2箇所でそれぞれ接続され、第1,第2補助通路部分の他端が上記第1,第2連絡通路にそれぞれ連なる。これによれば、冷却液が環状通路部分を2手に分かれて半周分にわたって流れるので、より一層均一に効率良く冷却することができる。
【0009】
好ましくは、上記押圧ローラ部が、環状の外側部材とこの外側部材の径方向内側に嵌められた内側部材とを有し、これら外側部材の内周面と内側部材の外周面との間に上記環状通路部分が形成され、上記内側部材には、上記第1,第2の補助通路部分が一直線上に形成されている。これによれば、環状通路部分を有する冷却通路を容易に形成することができる。
【0010】
好ましくは、上記回転軸部と支持部との間の筒状の間隙が、ベアリングを収容するとともに潤滑通路として提供され、この潤滑通路が、上記回転軸部の第1連絡通路と上記支持部の流入口との間に介在され、上記冷却液が、上記ベアリングのための潤滑油を兼ねる。これによれば、冷却液が潤滑油を兼ね、押圧ローラ部の冷却とベアリングの潤滑を行なうので、押圧ローラ装置の冷却,潤滑のための通路構造を簡略化することができ、押圧ローラ装置外での循環経路構造も簡略化することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明装置によれば、押圧ローラ部の内部を流れる冷却液により押圧ローラ部を冷却するので、押圧ローラ部の外側から冷却液を多量に噴射する場合に比べて冷却液の管理がし易い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、アルミ合金製(軽合金製)の車両ホイールをスピニング加工する装置を示す。
概略的に説明すると、このスピニング加工装置は、マンドレル10と、カウンタープレート20(クランプ部材)と、押圧ローラ装置Aと、カウンタープレート20をマンドレル10に対して昇降させる押圧機構(図示しない)と、マンドレル10とカウンタープレート20を一緒に回転させる回転駆動機構(図示しない)と、押圧ローラ装置Aをマンドレル10の軸方向に移動させる軸方向移動機構(図示しない)と、押圧ローラ装置Aをマンドレル10の径方向に移動させる径方向移動機構(図示しない)とを備えている。
【0013】
上記マンドレル10は、中心軸(回転軸)が垂直に延びており、成形筒11と、この成形筒11の上端に固定された端盤12と、端盤12の中央部に挿入固定されて端盤12の一部となる受筒13と、受筒13に挿入固定された芯出し用ピン14とを有している。 上記芯出し用ピン14のヘッド部14aは、受筒13のフランジ13aの上面(マンドレル10の端面)から上方に突出している。
【0014】
上記カウンタープレート20は、円盤形状の本体21と、小径の円盤形状をなす支持部材22と、リング形状の当接部材23とを有している。本体21の中央には穴21aが形成され、この中央穴21aの上端拡径部に上記支持部材22が嵌められ、下端拡径部に上記当接部材23が嵌められている。これら支持部材22と当接部材23は、当接部材23と本体21を貫通するボルト24を支持部材22にねじ込むことにより、本体21に固定されている。
【0015】
上記カウンタープレート20の中央には、離脱機構25が設けられている。この離脱機構25は、本体21の中央穴21aに上下スライド可能に収容された小径円盤形状の押圧部材26と、この押圧部材26と支持部材22との間に設けられた圧縮コイルバネ27とを有している。この圧縮コイルバネ27により、押圧部材26は下方にすなわち支持部材22から離れる方向に付勢されている。
【0016】
次に、本発明の特徴部となる押圧ローラ装置Aについて図2を参照しながら詳述する。押圧ローラ装置Aは、中心軸がマンドレル10の中心軸と平行をなす回転軸部30と、この回転軸部30の下端(先端)に設けられた押圧ローラ部40と、この回転軸部30を収容して回転可能に支持する筒状の支持部50と、回転軸部30に挿入された予回転用シャフト60とを備えている。
【0017】
上記回転軸部30は、軸方向に沿って径が変化する単一の軸部材により構成されている。上記押圧ローラ部40は、環状をなす外側部材40aと、この外側部材40aの内周に嵌って固定された環状の内側部材40bとを有している。この内側部材40bは、上記回転軸部30の下端小径部に嵌って固定されている。上記支持部50は、軸方向に沿って上から順に重ねられるようにして固定された4つの環状ないしは筒状の部材50a〜50dを有している。
【0018】
上記回転軸部30は、その外周と上記支持部50の内周との間に上下に離れて配置された複数のベアリング70により、支持部50に回転可能に支持されている。
【0019】
上記回転軸部30には、上端面から中心軸に沿って所定長さにわたって収容穴35が形成され、この収容穴35に上記予回転シャフト60が間隙をおいて収容されている。この予回転シャフト60は、その上端部がベアリング80により支持部50に回転可能に支持されており、その中間部が上下一対のベアリング81により回転軸部30に回転可能に支持されている。さらに一対のベアリング81間にはワンウェイクラッチ82が設けられており、このワンウェイクラッチ82を介して予回転シャフト60から回転軸部30に予回転が伝達されるようになっている。
【0020】
上記押圧ローラ装置Aは、図示しない移動台に水平方向,すなわちマンドレル10の径方向にスライド可能に支持されており、前述した径方向移動機構により同方向に移動できるようになっている。また、上記移動台は前述した軸方向移動機構により移動されるようにもなっている。
【0021】
上記押圧ローラ装置Aは、上記ベアリング70,80,81を潤滑するとともに上記押圧ローラ部40を冷却するために、潤滑兼冷却油(潤滑油を兼ねた冷却液)を流通させる通路構造を有している。以下、詳述する。
【0022】
上記支持部50の最上位の部材50aには径方向に貫通する流入口51が形成され、支持部50の最下位の部材50dには流出口52が形成されている。
【0023】
上記押圧ローラ部40の内側部材40bの外周面には環状溝43(環状通路部分)が形成されており、内側部材42の内部には径方向に延びるとともに一直線上に配置された第1,第2の補助通路部分41,42が形成されている。これら補助通路部分41,42の外端は、互いに180°をなして対向して上記環状溝43に連なっており、その内端は内側部材42の内周に開口している。これら環状溝43と補助通路部分41,42により、押圧ローラ部40を冷却するための冷却通路45が構成されている。
【0024】
上記回転軸部30の外周と支持部50の内周との間に形成された筒状の隙間は、上記ベアリング70を収容するとともにこのベアリング70を潤滑するための潤滑通路75として提供される。
【0025】
上記潤滑通路75の上端と上記流入口51は、予回転シャフト60の上端部と支持部50の部材51aとの間に形成された環状空間90,予回転シャフト60に形成されたT字形の通路61,予回転シャフト60の下部外周と回転軸部30の収容穴35の内周との間に形成された通路65,および予回転シャフト60の中間部外周と収容穴35の上部内周との間に形成されたベアリング81のための潤滑通路85を介して、互いに連なっている。
【0026】
上記予回転用シャフト60の上端部と支持部50との間には、上記環状通路90の両側(上下)において、シール部材91,92が配置されている。シール部材91は環状通路90と外部を遮断するものであり、シール部材92は環状通路90と潤滑通路75,85とを仕切るものである。
【0027】
上記回転軸部30の下部(押圧ローラ部40の近傍部)には第1連絡通路31と第2連絡通路32が形成されている。上記冷却通路45の入側は、この第1連絡通路31および上述した潤滑回路75,85等を介して上記流入口51に連なっており、上記冷却通路45の出側は、この第2連絡通路32を介して上記流出口52に連なっている。
【0028】
より詳しく説明する。上記第1連絡通路31は、回転軸部30を径方向に貫通する上側の水平通路部分と、この水平通路部分の中間部から軸方向に下方に延びる垂直通路部分と、この垂直通路部分から径方向に延びて回転軸部30の下端小径部の外周面に開口する下側水平通路部分とを有している。上記上側水平通路部分の2つの開口端(第1連絡通路31の入口端)は、上記潤滑通路75の下端(一端)に連なっている。この下側水平通路部分の開口端は上記押圧ローラ部40の第1補助通路部分41の内端に連なっている。
【0029】
上記第2連絡通路32は、径方向に延びる上側水平通路部分と、この上側水平通路部分の内端に連なり下方に延びる垂直通路部分と、この垂直通路部分に連なり径方向に延びる下側水平通路部分とを有している。この下側水平通路部分の開口端は、上記押圧ローラ部40の第2補助通路部分42の内端に連なる。上側水平通路部分の開口端(第2連絡通路32の出口端)は、回転軸部30と支持部50との間に形成された環状通路93に連なっている。
【0030】
上記環状通路93は、上記潤滑通路75に隣接し、上記流出口52と軸方向位置が一致している。回転軸部30と支持部50との間には、この環状通路93の両側(上下)において、シール部材94,95が配置されている。シール部材94は環状通路93とその上方に配置された潤滑通路75とを遮断するためのものであり、シール部材95は環状通路93と外部とを遮断するためのものである。
【0031】
上記構成をなすスピニング装置の作用を、図1を参照しながら概略的に説明する。まず、加工対象となるプリフォーム100(ワーク)について説明する。このプリフォーム100は、ディスク部101とリム原形部102とを一体に有している。リム原形部102は、第1部分102aと、第2部分102bを有している。さらにプリフォーム100は、鋳型の湯道に対応して成形された湯道成形部103と、鋳型の溶湯案内部に対応して成形された凹部104とを有している。湯道成形部103はディスク部101の中央においてリム原形部102の第2部分102bの反対側に突出している。上記凹部104は湯道成形部103の裏側に位置している。
【0032】
スピニング加工に際して、予熱されたプリフォーム100が搬送ロボットによりマンドレル10にセットされる。すなわち、リム原形部102がマンドレル10の成形筒11の外周面にはまり、ディスク部101の中央部がマンドレル10の受筒13のフランジ13aに載せられる。上記プリフォーム100のセット状態において、プリフォーム100の凹部104に芯出し用ピン14のヘッド部14aが嵌ることにより、プリフォーム100の芯出しがなされる。
【0033】
上記プリフォーム100をマンドレル10にセットした後、押圧機構を作動させてカウンタープレート20を下降させ、このカウンタープレート20とマンドレル10とでプリフォーム100を挟持する。この際、カウンタープレート20の当接部材23がプリフォーム100のディスク部101の中央部を押す。このプリフォーム100が受ける押圧荷重は、マンドレル10の受筒13のフランジ13aで受ける。
【0034】
上記挟持状態で、湯道成形部103がカウンタープレート20の中央穴21aに入り込んでいる。この湯道成形部103に押圧部材26が当たり、押圧部材26は本体21に対して相対的に上昇し、支持部材22に近づくか当たる。押圧部材26は圧縮コイルバネ27の力で湯道成形部103を押している。
【0035】
上記プリフォーム100の挟持状態で、回転駆動機構によりマンドレル10を回転させ、これによりマンドレル10とカウンタープレート20を一緒に回転させる。これと同時に、軸方向移動機構により押圧ローラ装置Aを下方へ移動させるとともに、径方向移動機構により、押圧ローラ装置Aをマンドレル10の外周のプロフィールに対応してマンドレル10の径方向に移動させる。
【0036】
上記作用により、上記押圧ローラ部40をプリフォーム100のリム原形部102の第2部分102bに押し付けながら、減肉を伴ってしごく。これにより、図2の想像線で示すように車両ホイールの最終形状に近い形状のリム部109が得られる。
【0037】
上記スピニング加工は、リム原形部102の材料の大きな流動(広義には材料の塑性変形)を伴い、巣の圧着,組織の微細化(動的再結晶),組織の異方性(圧延組織),加工硬化を実現できる。
【0038】
上記スピニング加工が終了したら、押圧機構を作動させて上記カウンタープレート20を上方へ移動させ、マンドレル10から遠ざける。この際、離脱機構25の圧縮コイルスプリング27の力で押圧部材26が湯道成形部103を押すので、車両ホイールがカウンタープレート20から離脱され、マンドレル10に残される。それから搬送ロボットによりマンドレル10に残された車両ホイールを搬出する。
【0039】
上記スピニング加工の後で、熱処理し、さらにディスク部101の中央にハブ穴を形成し、その周囲にボルト穴を形成し、さらにリム部109に切削加工を施し、塗装を施すことにより、車両ホイールが完成する。ハブ穴を形成する際に、上記湯道成形部103は取り除かれる。
【0040】
次に、本発明の特徴部である押圧ローラ装置Aのスピニング加工時の作用について詳細に説明する。図示しない予回転モータにより予回転シャフト60を回転させる。この予回転シャフト60の回転がワンウェイクラッチ82を介して回転軸部30および押圧ローラ部40が回転される。押圧ローラ部40は予回転しながら回転状態のプリフォーム100を押圧する。押圧ローラ部40はプリフォーム100に接した後は、プリフォーム100の回転に伴って予回転時より高速で回転する。
【0041】
上記押圧ローラ装置Aの流入口51からは潤滑兼冷却油が流入し、潤滑通路90,通路61,65を経て、潤滑通路85,75を通り、この潤滑通路85,75に配置されたベアリング80,81,70,の潤滑を行なう。
【0042】
この後、潤滑兼冷却油は、潤滑通路75の下端から回転軸部30の第1連絡通路31を通り、押圧ローラ部40の冷却通路45を通り、さらに第2連絡通路32,環状通路93を経て流出口52から流出される。流出口52から出た潤滑兼冷却油は循環経路を経て図示しないポンプにより流出口51に戻る過程で放熱される。
【0043】
上記冷却通路45での潤滑兼冷却油の流れについて図3を参照しながら詳述する。第1連絡通路31から第1補助通路41の内端に流入した潤滑兼冷却油は、第1補助通路41に沿って径方向外方向に向かい環状溝43に達し、ここで2手に分かれて環状溝43内をそれぞれ半周分にわたって流れ、第2補助通路42の外端に達し、この第2補助通路42に沿って径方向内方向に流れ、第2連絡通路32に向かう。
【0044】
上記潤滑兼冷却油は特に冷却通路45の環状溝43を流れる過程で押圧ローラ部40,特に外側部材40aを冷却する。その結果、押圧ローラ40にプリフォーム100の材料の凝着を防止でき、加工傷が生じるのを防止できる。
【0045】
上記潤滑兼冷却油は、押圧ローラ部40の外周と同心をなし外周に近接して形成された環状溝43を流れ、しかも2手に分かれて半周ずつ流れるので、押圧ローラ部40,特に外側部材40aを均等に効率良く冷却することができる。
【0046】
上記スピニング加工の際に、ノズル(図2において符号200で示す)から、水溶性潤滑剤を含んだ水からなる潤滑加工液を圧縮エアとともに押圧ローラ部40に向けて噴霧するが、この噴霧量はわずかであり、プリフォーム100を冷やすことがなく、良好な成形性を確保できる。
【0047】
本発明は、さらに他の形態を採用可能である。例えば、スピニング加工の際にマンドレルの中心軸(回転軸)を水平にしてもよい。
本発明は、冷間でのスピニング加工にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】プリフォームをスピニング加工する装置を示す縦断面図である。
【図2】同装置に用いられる押圧ローラ装置の拡大縦断面図である。
【図3】図2におけるB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
【0049】
A 押圧ローラ装置
10 マンドレル
20 カウンタープレート(クランプ部材)
30 回転軸部
31 第1連絡通路
32 第2連絡通路
40 押圧ローラ部
40a 外側部材
40b 内側部材
41 第1補助通路部分
42 第2補助通路部分
43 環状溝(環状通路部分)
45 冷却通路
50 支持部
51 流入口
52 流出口
70 ベアリング
75 潤滑通路
100 プリフォーム(ワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(ア)回転軸部と、
(イ)上記回転軸部の先端に設けられた押圧ローラ部と、
(ウ)上記回転軸部を収容して回転可能に支持する支持部と、
を備えたスピニング加工用押圧ローラ装置において、
上記押圧ローラ部には、冷却液が通る冷却通路が形成され、上記支持部には、上記冷却液が入る流入口と上記冷却液が出る流出口が形成され、上記回転軸部には、上記冷却通路の入側と上記流入口を連ねる第1連絡通路が形成されるとともに、上記冷却通路の出側と上記流出口とを連ねる第2連絡通路が形成されていることを特徴とするスピニング加工用押圧ローラ装置。
【請求項2】
上記冷却通路が上記押圧ローラ部の外周と同心をなす環状通路部分を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のスピニング加工用押圧ローラ装置。
【請求項3】
上記冷却通路がさらに第1補助通路部分と第2補助通路部分とを含み、これら第1,第2の補助通路部分の一端が上記環状通路部分に略180°対向する2箇所でそれぞれ接続され、第1,第2補助通路部分の他端が上記第1,第2連絡通路にそれぞれ連なることを特徴とする請求項2に記載のスピニング加工用押圧ローラ装置。
【請求項4】
上記押圧ローラ部が、環状の外側部材とこの外側部材の径方向内側に嵌められた内側部材とを有し、これら外側部材の内周面と内側部材の外周面との間に上記環状通路部分が形成され、上記内側部材には、上記第1,第2の補助通路部分が一直線上に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のスピニング加工用押圧ローラ装置。
【請求項5】
上記回転軸部と支持部との間の筒状の間隙が、ベアリングを収容するとともに潤滑通路として提供され、この潤滑通路が、上記回転軸部の第1連絡通路と上記支持部の流入口との間に介在され、上記冷却液が、上記ベアリングのための潤滑油を兼ねることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスピニング加工用押圧ローラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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