説明

スピン偏極走査電子顕微鏡

【課題】酸化物磁性体試料の表面浄化の際に、スピン状態が変化しない表面浄化法を備えたスピン偏極走査電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】スピン偏極走査電子顕微鏡1を、仕切弁4を介して接続されたスピン分析部2と試料表面浄化部3とを具備して構成し、特に、酸化物磁性体Aの表面の炭化水素Bを活性酸素32aの化学的な作用によって除去するために、試料表面浄化部3は、アルゴンガス及び酸素ガスの混合ガスを生成する浄化ガス源31と、混合ガス源31から供給された混合ガスに電圧を加えてアルゴン酸素プラズマを発生させ、アルゴン酸素プラズマ内部から活性酸素32aが生成する活性酸素生成源32と、活性酸素32aを流すガス流路33と、ガス流路33内の酸化物磁性体Aを載置する試料ステージ51と、ガス流路33から外部へ活性酸素32aを排出する真空ポンプ34とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、酸化物磁性体を試料の対象としたスピン偏極走査電子顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スピン偏極走査電子顕微鏡(例えば、下記特許文献1参照)においては、検出信号の発生領域が試料の最表面1nmであり(例えば、下記非特許文献1参照)、通常の電子顕微鏡に比較して非常に浅い。このため、炭化水素などのわずかな表面吸着物によって試料の信号が検出されなくなるという問題が生じる。したがって、試料表面の吸着物を分析直前に除去し、再吸着が起きない状態で分析を行うことによって、信号強度を確保する必要がある。
【0003】
例えば、下記特許文献1にて開示されるスピン偏極走査電子顕微鏡では、上記問題に対し、金属磁性体を対象とした表面清浄化技術として、イオンを加速して試料表面に衝突させ、吸着物を試料の表面原子ごとスパッタエッチングして、物理的に除去することが提案されている。
【0004】
しかし、酸化物磁性体のような非金属元素を含む化合物磁性体をスパッタエッチングする場合には、選択スパッタによって表面の元素組成や結晶構造が変化するため、結果的に試料表面のスピン状態も変質してしまう問題が生じている。
【特許文献1】特開昭60−177539号公報
【非特許文献1】Applied Physics Letters, Vol.83, No.14, pp. 2925-2927, 2003
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の通り、酸化物磁性体などの非金属元素を含む化合物磁性体の表面清浄化の際に、従来のスパッタエッチング法を利用した場合には、表面原子もエッチングされて化合物磁性体の表面のスピン状態が変化してしまうという課題がある。
【0006】
本願発明は、上記実情に鑑み提案され、酸化物磁性体などの化合物磁性体の表面清浄化の際に、スピン状態が変化しない表面清浄化法を開発し、酸化物磁性体などの化合物磁性体を分析可能なスピン偏極走査電子顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、スピン偏極走査電子顕微鏡内において、表面スピン状態を変化させずに、試料としての、例えば、酸化物磁性体の表面清浄化を行うため、酸化物磁性体を酸化ガスのガス流路の設置部に配置し、表面に酸化ガスを拡散させることによって、化学的な反応を用いて酸化物磁性体の表面の吸着物を選択的に除去することを特徴とする。
【0008】
具体的には、本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡は、仕切弁を介して接続されたスピン分析部と試料表面浄化部とを具備し、前記試料表面浄化部は、酸化ガス生成源と、該酸化ガス生成源で生成された酸化ガスを流すガス流路と、該ガス流路に流れる前記酸化ガスを外部へ排出する真空ポンプとを具備して、前記ガス流路の内部の設置部に設置された試料の表面に前記酸化ガスを拡散させて、前記試料の表面の吸着物を分解し、前記スピン分析部にて前記試料を分析する、ことを特徴とする。
【0009】
特に、上記設置部に設置された試料を、高真空を維持しつつ、仕切弁を通してスピン分析部へ搬送する試料搬送手段を具備することが好ましい。
【0010】
また、試料が酸化物磁性体であることがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡は、仕切弁を介して接続されたスピン分析部と試料表面浄化部とを具備し、試料表面浄化部は、酸化ガス生成源と、酸化ガス生成源で生成された酸化ガスを流すガス流路と、ガス流路に流れる酸化ガスを外部へ排出する真空ポンプとを具備して、ガス流路の内部の設置部に設置された試料の表面に酸化ガスを拡散させて、試料の表面における吸着物を分解し、スピン分析部にて吸着物が分解された試料を分析するので、スピン偏極走査電子顕微鏡内の試料表面浄化部に形成されたガス流路を拡散する酸化ガスを利用し、試料に吸着した炭化水素などの吸着物を酸化によって化学的に分解することができるため、試料の表面のスピン状態に影響を及ぼさずに試料の表面清浄化を行うことができるスピン偏極走査電子顕微鏡を提供することができる。
【0012】
特に、設置部に設置された試料を、高真空を維持しつつ、仕切弁を通してスピン分析部へ搬送する試料搬送手段を具備したので、スピン偏極走査電子顕微鏡内の高真空を維持しつつ、試料の表面清浄化後に、試料表面浄化部からスピン分析部へ仕切弁を介して試料を直接搬送することができるため、表面清浄化後の試料への炭化水素などの吸着物の再吸着を防ぐことができる。また、試料表面浄化部からスピン分析部への搬送が仕切弁を介して行われるため、スピン偏極走査電子顕微鏡内を高真空に維持することが可能となる。
【0013】
また、本願発明では、分析の対象となる試料を酸化物磁性体としたので、表面清浄化の際に、酸化物磁性体の表面のスピン状態を変化させずに、酸化分解という化学的な反応を用いて酸化物磁性体の表面の吸着物を選択的に除去することができるため、スピン偏極走査電子顕微鏡において酸化物磁性体の鮮明なスピン情報を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡の実施形態について、図面に基づいて詳述する。
図1は、本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡の概略を示す説明図である。
【0015】
本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡は、スピン偏極走査電子顕微鏡内において試料表面のスピン状態を変化させずに試料の表面清浄化を行うため、試料をガス流路内の設置部に配置し、その表面に酸化ガスを拡散させることによって、酸化分解という化学的な反応を用いて試料表面の炭化水素などの吸着物を選択的に除去するものである。
以下、一実施形態を例示して説明する。
【実施例1】
【0016】
本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡1は、図1に示すとおり、仕切弁4を介して接続されたスピン分析部2と試料表面浄化部3とを具備している。
試料表面浄化部3は、浄化ガスとしての、例えば、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを生成する浄化ガス源31と、この浄化ガス源31にて生成された混合ガスが供給されるとともに、供給された混合ガスに電圧を加えてアルゴン酸素プラズマを発生させ、このアルゴン酸素プラズマ内部から酸化ガス、例えば、活性酸素32aを生成する酸化ガス発生源としての活性酸素生成源32と、この活性酸素生成源32にて生成された活性酸素32aを流すガス流路33と、このガス流路33に流れる活性酸素32aを外部に排出するとともに、ガス流路33内を高真空状態に維持する真空ポンプ34と、を具備している。
スピン分析部2には、スピン分析部2内を試料表面浄化部3のガス流路よりも高真空状態に維持するための真空ポンプ21が備え付けられている。
【0017】
また、スピン偏極走査電子顕微鏡1は、表面の吸着物、例えば、炭化水素Bを選択的に除去した後の分析の対象となる試料としての、例えば、酸化物磁性体Aを、高真空を維持しつつ、試料表面浄化部3のガス流路33から仕切弁4を通して、スピン分析部2へ直接搬出するための試料搬送手段として試料搬送装置5を具備している。
試料搬送装置5は、例えば、真空内部の磁石に固定された搬送棒50を、真空外部の磁石からの磁気結合力を利用して駆動することにより、表面の炭化水素Bが分解された酸化物磁性体Aを、試料表面浄化部3のガス流路33からスピン分析部2へ仕切弁4を通して直接搬出する。また、試料搬送装置5の搬送棒50の先端部に、酸化物磁性体Aをガス流路33内部にて載置するための載置部としての試料ステージ51を具備している。
【0018】
試料搬送装置5の試料ステージ51は、酸化物磁性体Aが載置された状態で、試料表面浄化部3のガス流路33に搬入され、酸化物磁性体Aが清浄化されて、炭化水素Bが除去されるまで、試料表面浄化部3のガス流路33に留まる。続いて、酸化物磁性体Aが清浄化され、炭化水素Bが除去された後、試料搬送装置5が上述のとおりに作動することにより、試料ステージ51は、酸化物磁性体Aが載置されたまま、試料表面浄化部3のガス流路33からスピン分析部2へと仕切弁4を通って直接搬出される。
【0019】
なお、試料表面浄化部3のガス流路33は、少なくとも酸化物磁性体Aが清浄化され、炭化水素Bが除去され、スピン分析部2へ搬出されるまで、真空ポンプ34によって1×10-5 Pa以下の圧力まで排気され、高真空状態に維持されている。また、スピン分析部2の真空ポンプ21は、酸化物磁性体Aの搬出入に関わらず一貫して、スピン分析部2を試料表面浄化部3のガス流路33よりも超高真空状態に維持している。
【0020】
以下、スピン偏極走査電子顕微鏡1における、酸化物磁性体Aを分析するに至るまでの表面清浄化方法について説明する。
【0021】
まず、酸化物磁性体Aの分析準備のため、試料表面浄化部3のガス流路33内に搬入された試料搬送装置5の試料ステージ51に、酸化物磁性体Aを載置する。さらに、試料表面浄化部3の真空ポンプ34及びスピン分析部2の真空ポンプ21を作動させ、スピン偏極走査電子顕微鏡1内を高真空状態にする。具体的には、試料表面浄化部3のガス流路33を1×10-5 Pa以下の圧力まで排気するとともに、スピン分析部2を試料表面浄化部3のガス流路33よりも超高真空状態になるまで排気する。
【0022】
次に、浄化ガス源31にて混合ガス、例えば、75%アルゴン25%酸素の混合ガスを生成し、この混合ガスを活性酸素生成源32に導入し、100Paの圧力に調整する。導入された混合ガスは、電圧印加によりアルゴン酸素プラズマとなり、このアルゴン酸素プラズマ内部において活性酸素32aが生成する。
【0023】
続いて、アルゴン酸素プラズマ内部から生成した活性酸素32aを、ガス流路33へ向けて拡散させ、試料搬送装置5の試料ステージ51に載置された酸化物磁性体Aの表面の吸着物としての炭化水素Bと反応させる。
【0024】
このとき、ガス流路33内部において、酸化物磁性体Aが載置された試料搬送装置5の試料ステージ51は、アルゴン酸素プラズマに曝されず、かつ、酸素の活性が失われない距離に配置されている。アルゴン酸素プラズマに曝されず、かつ、酸素の活性が失われない距離とは、本実施例では、典型的には、ガス流路入り口から130mmの位置であり、酸化物磁性体Aがその距離にて配置され、酸化物磁性体Aの表面が拡散している活性酸素32aと反応することが望ましい。
【0025】
また、活性酸素32aと酸化物磁性体Aの表面の炭化水素Bとの反応中においては、真空ポンプ34が常時作動しているため、酸化物磁性体Aの表面の炭化水素Bが酸化分解されて発生する反応生成物Cが、酸化物磁性体Aの表面から速やかに外部に排出される。さらに、活性酸素生成源32から新たな活性酸素32aが供給されて、酸化物磁性体Aの表面に拡散されるため、新たな活性酸素32aは、酸化物磁性体Aの表面に残存する炭化水素Bと反応する。
【0026】
このような表面清浄化を20分程度行うとともに、ガス流路33内部のガスを最終的に排気して高真空状態に維持されていることを確認した後、試料搬送装置5により、表面清浄化済みの酸化物磁性体Aが載置された試料ステージ51を超高真空状態のスピン分析部2へ仕切弁4を通して直接搬送する。この際、スピン偏極走査電子顕微鏡1内は、高真空状態に維持されているので、炭化水素Bが酸化物磁性体Aに再吸着することはない。
【0027】
以上のような清浄化処理を施した酸化物磁性体Aの表面のスピン偏極走査電子顕微鏡像を図2に示す。図2には、鮮明なスピン情報が現れていることが分かる。
【0028】
比較例として、清浄化処理を施さない酸化物磁性体Aの表面のスピン偏極走査電子顕微鏡像を図3に示す。図3から明らかなように、清浄化処理を施さないと、酸化物磁性体Aの表面のスピン偏極走査電子顕微鏡像から有効なスピン情報を得ることは困難である。
【0029】
このように、試料表面浄化部3において、活性酸素32aにより酸化物磁性体Aの表面の炭化水素Bを化学的に除去することにより、鮮明なスピン情報を得ることが可能になる。
【0030】
したがって、本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡1は、試料表面浄化部3に、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを生成する浄化ガス源31と、この浄化ガス源31から供給された混合ガスに電圧を加えてアルゴン酸素プラズマを発生させ、このアルゴン酸素プラズマ内部から活性酸素32aが生成する活性酸素生成源32と、この活性酸素源32にて生成された活性酸素32aを流すガス流路33と、このガス流路33に流れる活性酸素32aを外部に排出する真空ポンプ34とを具備しているので、スピン偏極走査電子顕微鏡1内の試料表面浄化部3のガス流路33を拡散する活性酸素32aを利用し、試料ステージ51に載置された酸化物磁性体Aに吸着した炭化水素Bを酸化分解によって化学的に除去することができるため、酸化物磁性体Aの表面のスピン状態に影響を及ぼさずに、酸化物磁性体Aの表面清浄化を行うことができる。
【0031】
また、清浄化した酸化物磁性体Aを、高真空状態を維持しつつ、試料表面浄化部3のガス流路33からスピン分析部2へ仕切弁4を通して直接搬出入させるための試料搬送装置5を具備しているので、表面清浄化後の酸化物磁性体Aへの炭化水素Bの再吸着を防ぎながら、表面清浄化後の酸化物磁性体Aをスピン分析部2に直接搬送することができ、鮮明なスピン情報が現れるスピン偏極走査電子顕微鏡1像を得ることが可能となる。
【0032】
特に、分析の対象となる試料を酸化物磁性体Aとしたので、表面清浄化の際に、酸化物磁性体Aの表面のスピン状態を変化させずに、酸化分解という化学的な反応を用いて酸化物磁性体Aの表面の炭化水素Bを選択的に除去することができるため、スピン偏極走査電子顕微鏡1において酸化物磁性体Aの鮮明なスピン情報を得ることができる。
【0033】
このように、本願発明では、表面清浄化の際に、酸化物磁性体Aの表面のスピン状態を変化させないで表面の吸着物の炭化水素Bを除去することができ、従来困難であった酸化物磁性体Aのスピン状態の分析を可能にしたスピン偏極走査電子顕微鏡1を提供することができる。
【0034】
ここで、上述した実施形態では、酸化ガスに活性酸素を用いた例を説明したが、本願発明における酸化ガスは、1重項酸素、スーパーオキシドアニオンラジカル等の所謂狭義の活性酸素に限定されるものではなく、所謂広義の活性酸素を含む。さらに、本願発明における酸化ガスは、試料の表面に吸着している吸着物を酸化分解することができ、かつ、ガス流路をはじめとする周辺の構成を傷めないような酸化力を有する酸化ガスであれば、ハロゲンガスなど適宜のものを使用することが可能である。
【0035】
また、上述した実施形態では、スピン偏極走査電子顕微鏡の構成を詳述するために、アルゴンと酸素との混合ガスを生成する浄化ガス源を含めた構成を例示したが、酸化ガス生成源において直接、酸化ガスを生成させ、続いて、生成した酸化ガスをガス経路に向けて拡散させるようにすることも可能である。
【0036】
このほか、上述した実施形態で例示して説明したスピン偏極走査電子顕微鏡は、酸化物磁性体を含む様々な化合物磁性体を試料の対象とすることができる。また、金属磁性体であっても容易に酸化されない性質を有するものであれば、本願発明のスピン偏極走査電子顕微鏡で分析可能である。
【0037】
以上、本願発明に係る実施形態を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本願発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、本願発明は、スピン偏極走査電子顕微鏡内において、表面スピン状態を変化させずに試料の表面清浄化を行うために、試料表面に酸化ガスを拡散させることによって、酸化分解という化学的な反応を用いて試料表面の吸着物を選択的に除去するので、酸化ガスにより酸化分解される有機物、無機物等の吸着物である限り、任意の吸着物を除去することができ、鮮明なスピン情報を得ることができるスピン偏極走査電子顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡の概略を示す説明図である。
【図2】本願発明に係るスピン偏極走査電子顕微鏡における清浄化処理を施した酸化物磁性体の表面のスピン偏極走査電子顕微鏡像である。
【図3】清浄化処理を施さない酸化物磁性体の表面のスピン偏極走査電子顕微鏡像(比較例)である。
【符号の説明】
【0040】
1 スピン偏極走査電子顕微鏡
2 スピン分析部
21 真空ポンプ
3 試料表面浄化部
31 浄化ガス源
32 活性酸素生成源(酸化ガス生成源)
32a 活性酸素(酸化ガス)
33 ガス流路
34 真空ポンプ
4 仕切弁
5 試料搬送装置(試料搬送手段)
50 搬送棒
51 試料ステージ(載置部)
A 酸化物磁性体(試料)
B 炭化水素(吸着物)
C 反応生成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切弁を介して接続されたスピン分析部と試料表面浄化部とを具備し、
前記試料表面浄化部は、酸化ガス生成源と、該酸化ガス生成源で生成された酸化ガスを流すガス流路と、該ガス流路に流れる前記酸化ガスを外部へ排出する真空ポンプとを具備して、前記ガス流路の内部の設置部に設置された試料の表面に前記酸化ガスを拡散させて、前記試料の表面の吸着物を分解し、
前記スピン分析部にて前記試料を分析する、
ことを特徴とするスピン偏極走査電子顕微鏡。
【請求項2】
前記設置部に設置された試料を、高真空を維持しつつ、前記仕切弁を通して前記スピン分析部へ搬送する試料搬送手段を具備する、
ことを特徴とする請求項1に記載のスピン偏極走査電子顕微鏡。
【請求項3】
前記試料が、酸化物磁性体である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスピン偏極走査電子顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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