説明

スピーカアレイ装置

【課題】 スピーカアレイの構成が大規模になったり複雑になったりすることなく、低音の指向性制御が簡便なスピーカアレイ装置を提供する。
【解決手段】 スピーカアレイ装置1では、ローカットフィルタ4により所定の周波数以下の低音を遮断し、この遮断した低音に含まれる波長の音声を基音に設定する。そして、倍音強調部5で、音声入力端子2から入力された音声信号に含まれる、基音の複数の倍音を強調させるので、スピーカアレイ13から出力される音声は、ミッシングファンダメンタル現象により基音が付加されたように聞こえる。したがって、低音域の音声が基音となるように倍音を設定することで、従来は低音の指向性を制御するのは困難であったが、スピーカアレイ13から出力される音声ビームに低音が付加されたように聞こえることになるので、中高音域の音声の指向性を制御することで、低音域の音声の指向性も制御したことになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声ビームを出力するスピーカアレイ装置における低音の指向性制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のスピーカユニットを直線状や平面状に配置し、各スピーカユニットから放音する音声のゲインや出力遅延時間を制御することで、音声ビームを形成してその指向性を制御できるスピーカ装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された構成のようなスピーカアレイでは、音声ビームとして放音する音声の波長λに対して、スピーカアレイの全長Lが大きいほど音声ビームの指向性を鋭く、つまり、メインローブの角度(幅)θを小さくすることが可能となる。
【0004】
しかし、低い周波数の音声について鋭い指向性の音声ビームを形成しようとすると、非常に規模の大きいスピーカアレイを形成する必要があり、低い周波数の音声は現実的には指向性の制御が難しいという問題があった。
【0005】
従来、このような問題を解決するために、低音用と高音用に独立したスピーカユニットを用いて、少ないチャンネル数で低域の指向性を大きく改善できるスピーカシステムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開平9−233591号公報
【特許文献2】特開平7−203581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来のスピーカアレイ装置で低音の指向性を制御するためには、装置の規模を大きくしなければならなかった。また、特許文献2に記載のスピーカ装置のように構成することにより低音の指向性を制御することは可能になるが、スピーカユニットを低音用と高音用に独立させると構成が複雑となり、また、スピーカアレイを構成するスピーカの数も増加してしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、スピーカアレイの構成が大規模になったり複雑になったりすることなく、低音の指向性制御が簡便であるスピーカアレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0009】
(1)複数のスピーカを配列したスピーカアレイと、
入力音声信号から基本周波数の音声を検出する基音検出手段と、
入力音声信号から、前記基本周波数の音声を含む所定周波数以下の音声を遮断して出力する低域遮断手段と、
前記低域遮断手段が出力した音声信号から、前記基音検出手段が検出した基本周波数の音声の倍音を強調して出力する倍音強調手段と、
前記倍音強調手段が出力した音声信号を前記スピーカアレイのスピーカに対して分配するとともに、各スピーカの放音タイミングを調整して前記スピーカアレイから音声ビームを出力させる信号処理手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
音声は、周波数が高くなるほど指向性が鋭くなり、逆に周波数が低いほど指向性を有しなくなるという性質があり、低域遮断手段を有していない場合には音声ビームが低域を含んでおり、この低域の音声の指向性を制御するのは困難である。しかし、この構成においては、入力音声信号から基本周波数を含む低域の所定周波数以下をカットして、入力音声信号に含まれる基本周波数の複数の倍音を倍音強調手段で強調させるので、ミッシングファンダメンタル現象によりスピーカアレイから出力される音声ビームに基本周波数の音声が付加されたように聞こえるようになる。したがって、中高域の音声を含む音声ビームの指向性を制御することで、音声ビームの到達領域において、実際には低音は含まれていないが聴取者に低音を知覚させることができ、低域の音声についても仮想的に指向性を制御することができる。
【0011】
なお、ミッシングファンダメンタル現象とは、ある基本周波数の音(基音)の整数倍の音(倍音)を複数含む音声が聞こえている場合には、基音を含んでいなくても、人間が基音を知覚する現象のことである。
【0012】
(2)前記倍音強調手段は、櫛形フィルタを備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成においては、櫛形フィルタを基本周波数の倍音を複数強調するように櫛形フィルタを構成することで、ミッシングファンダメンタル現象によりスピーカアレイから出力される音声ビームに基音が付加されて聞こえるようにすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のスピーカアレイ装置は、スピーカアレイから放音させる中高域の音声において、音声に含まれていない基音の倍音に語る複数の波長を強調させることで、ミッシングファンダメンタル現象を利用しているので、この音声ビームの到達領域において、実際には低音は再生されていないが、聴取者に低音を知覚させることができ、音声の中高域を含む音声ビームの指向性を制御することで、音声の低域の指向性を制御したのと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係るスピーカアレイ装置の概略構成を示すブロック図である。図2は、スピーカアレイの構成図であり、(A)はマトリックス状にスピーカユニットを配列した場合、(B)はハニカム状にスピーカユニットを配列した場合を示している。
【0016】
スピーカアレイ装置1は、音声入力端子2、A/Dコンバータ3、ローカットフィルタ4、倍音強調部5、帯域分割部6、オーバサンプリング部7、ディレイコントロール部8、ダウンサンプリング部9、ウィンドウフィルタ部10、帯域合成部11、D/Aコンバータ12、及びスピーカアレイ13を備えている。
【0017】
音声入力端子2は、音声信号を出力する外部機器を接続するためのものである。
【0018】
A/Dコンバータ3は、音声入力端子2から入力されたアナログ音声信号をディジタル音声信号に変換する。A/Dコンバータ3のサンプリング周波数は、一例として48kHzに設定されているものとする。
【0019】
ローカットフィルタ4は、音声入力端子2から入力された音声信号に含まれる一定周波数以下の音声を遮断するフィルタである。例えば、ローカットフィルタ4の遮断周波数は予め設定することが可能であり、例えば200Hz未満の音声を遮断するように設定したりすることができ、もちろん遮断周波数を変更することも可能である。
【0020】
倍音強調部5は、基音検出部5aと櫛形フィルタ5bを備えている。また、櫛形フィルタ5bは、帰還する音声信号を減衰させるアッテネータ15a、基音検出部5aが検出した基本周波数の音声(以下、基音と称する。)の1周期分の時間だけ音声信号を遅延させるディレイ15b、及び入力音声信号と帰還信号とを加算する加算部15cを備えている。基音検出部5aは、高速フーリエ変換を行って、音声信号の基本周波数を検出して、その基本周波数に対応するディレイ時間を櫛形フィルタ5bのディレイ15bに設定する。櫛形フィルタ5bは、基音検出部5aから出力された基音に基づいて、その基音の倍音成分を増幅して強調させる。
【0021】
帯域分割部6は、倍音強調部5で倍音が強調された音声信号を、周波数帯域毎に分割する。図1に示した例では、低域、低中域、中高域、高域の4つの帯域に分割している。ここで、帯域分割部6は、低域の音声信号を出力する帯域分割部6a、低中域の音声信号を出力する帯域分割部6b、中高域の音声信号を出力する帯域分割部6c、高域の音声信号を出力する帯域分割部6dから成る。
【0022】
オーバサンプリング部7は、サンプリング周波数48kHzでサンプリングされた音声信号のサンプリング周波数を一例として192kHzに上げて、再度サンプリング(オーバサンプリング)する。ここで、オーバサンプリング部7は、帯域分割部6aに接続されたオーバサンプリング部7a、帯域分割部6bに接続されたオーバサンプリング部7b、帯域分割部6cに接続されたオーバサンプリング部7c、帯域分割部6dに接続されたオーバサンプリング部7dから成る。
【0023】
ディレイコントロール部8は、スピーカアレイ13から放音する音声を音声ビームとして形成するために、スピーカアレイ13を構成する各スピーカユニット14から出力する音声信号の放音タイミングを個別に調整する。ここで、ディレイコントロール部8は、オーバサンプリング部7aに接続されたディレイコントロール部8a、オーバサンプリング部7bに接続されたディレイコントロール部8b、オーバサンプリング部7cに接続されたディレイコントロール部8c、及びオーバサンプリング部7dに接続されたディレイコントロール部8dから成る。
【0024】
ダウンサンプリング部9は、192kHzでオーバサンプリングされた音声信号のサンプリング周波数を48kHzに下げる(ダウンサンプリングする)。ここで、ダウンサンプリング部9は、ディレイコントロール部8aに接続されたダウンサンプリング部9a、ディレイコントロール部8bに接続されたダウンサンプリング部9b、ディレイコントロール部8cに接続されたダウンサンプリング部9c、及びディレイコントロール部8dに接続されたダウンサンプリング部9dから成る。
【0025】
ウィンドウフィルタ部10は、ゲイン調整機能を内蔵しており、スピーカアレイ13の各スピーカユニット14から放音させる音声のゲインを調整する。また、ウィンドウフィルタ部10は、帯域毎に窓関数が設定されており、スピーカアレイ13から放音する音声ビームにおいてサイドローブの発生を抑制するとともに、スピーカアレイ13から出力する音声ビームの指向性を帯域毎に揃える。ここで、ウィンドウフィルタ部10は、ダウンサンプリング部9aに接続されたウィンドウフィルタ部10a、ダウンサンプリング部9bに接続されたウィンドウフィルタ部10b、ダウンサンプリング部9cに接続されたウィンドウフィルタ部10c、及びダウンサンプリング部9dに接続されたウィンドウフィルタ部10dから成る。
【0026】
帯域合成部11は、周波数帯域毎に分割された音声信号を合成する。ここで、帯域合成部11は、スピーカアレイ13を構成するn個のスピーカユニット14のそれぞれに音声信号を出力する帯域合成部11−1〜11−nにより構成されている。
【0027】
D/Aコンバータ12は、帯域合成部11で合成されたサンプリング周波数が48kHzのディジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。ここで、D/Aコンバータ12は、帯域合成部11−1〜11−nにそれぞれ接続されたD/Aコンバータ12−1〜12−nにより構成されている。
【0028】
スピーカアレイ13は、n個のスピーカユニット14(14−1〜14−n)から成り、D/Aコンバータ12(12−1〜12−n)が出力した音声信号を増幅する図示しないパワーアンプの出力信号を放音して、音声ビームを形成する。ここで、スピーカユニット14には、一例として直径1インチ程度のものを使用し、4cm間隔で、図2に示すようにマトリックス状またはハニカム状に配列して使用する。スピーカアレイ13のサイズは、例えば全長・全高とも2mである。また、スピーカアレイ装置1から放音させる音声ビームとしては、人の声や楽器の音色など様々な種類の音声を放音させることが可能である。
【0029】
操作部21は、音声ビームの出力方向や音声ビームの焦点までの距離の設定など、ユーザUが行った各種の設定入力を受け付けて、その入力に応じた信号を制御部23へ出力する。
【0030】
表示部22は、制御部23から出力された制御信号に基づいてユーザUに伝達すべき内容を表示する。
【0031】
制御部23は、操作部21で受け付けた音声ビームの出力方向や焦点距離などの設定入力に基づいて、音声ビームを形成するために各スピーカユニット14から放音する音声信号の遅延時間や音声信号のゲインの設定を演算により求める。そして、その演算結果に基づいて、スピーカアレイ13の各スピーカユニット14から放音させる音声の遅延時間の設定値をディレイコントロール部8に設定するとともに、各スピーカユニット14から放音させる音声のゲインの設定値をウィンドウフィルタ部10に設定する。
【0032】
ここで、周知のように音声は、周波数が高くなるほど指向性が鋭くなり、逆に周波数が低いほど指向性を有しなくなり、音声ビームの帯域によってサイドローブの発生位置や発生量が異なる。そこで、本発明では、上記のようにスピーカアレイ装置1において、音声入力端子2から入力した音声信号を、一例として低域、低中域、中高域、高域の4つの帯域に分割するとともに、ウィンドウフィルタ部10における窓関数の設定値を帯域毎に変えている。これにより、音声の全帯域をほぼ同じ指向性にすることができる。
【0033】
なお、音声ビームの帯域分割は、4つに限るものではなく、さらに細分化するようにしてもよく、サイドローブの発生をさらに抑制することができる。
【0034】
また、本発明のスピーカアレイ装置1は、音声ビームの指向性を細かく制御することができる。例えば、スピーカアレイ13の前面から30m先において音声ビームが焦点を結ぶように制御できる。また、この距離において焦点の位置を1〜2mの範囲で移動させることが可能である。このような精度で音声ビームの指向性及び焦点距離を制御するためには、周波数分解能を高くする必要がある。そのため、本発明では、A/Dコンバータ3のサンプリング周波数が48kHzである場合、オーバサンプリング部7においてサンプリング周波数192kHzでオーバサンプリングするように構成している。
【0035】
次に、低音の指向性制御について説明する。図3は、ミッシングファンダメンタル現象を説明するためのグラフであり、図3(A)は基音及び倍音強調部で強調する倍音を示したグラフであり、図3(B)は、基音f1、第2倍音f2、及び第3倍音f3の関係を示すグラフである。
【0036】
本発明のスピーカアレイ装置1では、ミッシングファンダメンタル現象を用いて低音の指向性を仮想的に制御する。ミッシングファンダメンタル現象は、ヴァーチャル・ピッチとも称し、ある基本周波数の音(基音)の整数倍の音(倍音)を複数含む音声が聞こえている場合には、基音を含んでいなくても、人間が基音を知覚する現象のことである。例えば、100Hzの音声を基音とした場合に、200Hz,300Hz,400Hz...というように複数の倍音を音声が含んでいると、基音を含んでいなくても人間には基音である100Hzの音声が聞こえているように感じる。これは、図3(B)に示すように、基音f1、第2倍音f2、第3倍音f3とした場合、第2倍音f2と第3倍音f3とにより基音が合成されるためであると考えられる。
【0037】
スピーカアレイ装置1では、倍音強調部5において、一定周波数以下の低音を基音として、音声データに含まれる、その基音の倍音を櫛形フィルタによって強調させる。これにより、中高域の音声を含む音声ビームは指向性を鋭くすることが可能であるが、この音声ビームの到達領域において、実際には低音は再生されていないが、聴取者に低音を知覚させることができる。つまり、低音域の音声についても仮想的に指向性を鋭くすることができる。
【0038】
ここで、スピーカアレイ装置1において、上記のようにミッシングファンダメンタル現象を利用して仮想的に低音の指向性を制御する場合、音声入力端子2から入力される音声信号に、指向性を制御する低音が含まれていて、スピーカアレイ13から実際に低音が放音される場合、スピーカアレイ13から放音させる低音は、指向性がほとんどないため周囲に拡散してしまうため、低音の指向性を制御できない。そこで、スピーカアレイ装置1では、スピーカアレイ13から実際に基音を放音しないように、ローカットフィルタ4により一定周波数以下の低音を遮断するように構成している。
【0039】
スピーカアレイ装置1では、前記のようにスピーカアレイ13の全長を2mとした場合、放音可能な低音の下限周波数は一例として約200Hzである。この場合、ローカットフィルタ4により200Hz未満の音声を遮断し、200Hz未満の帯域に含まれる低音からピークとなる音声を検出する。そして、この周波数の音声を基音として、200Hz以上の帯域に含まれる倍音を強調するように設定することができる。例えば、120Hzの音声を基音に設定した場合には、櫛形フィルタ5bは240Hz,360Hz,480Hz,600Hz...の音声を強調するように設定される。
【0040】
また、倍音強調部5を複数設けることで、複数の基音の倍音を強調するように設定することも可能である。例えば、f1a=120Hz,f1b=130Hz,f1c=140Hzの音声を基音に設定した場合、f1aの倍音として240Hz,360Hz,480Hz,...の音声を、f1bの倍音として260Hz,390Hz,520Hz,...の音声を、f1cの倍音として280Hz,420Hz,560Hz,...の音声を、それぞれ強調させることができる。
【0041】
次に、本発明のスピーカアレイ装置1では、操作部21を操作することで、音声ビームの焦点の位置を移動させることができる。この場合、制御部23は、操作部21が音声ビームの焦点を移動する操作を受け付けたことを検出すると、その操作により入力された移動距離や移動方向などの情報に基づいて、各スピーカユニット14から放音する音声のゲインや放音タイミングを演算する。そして、制御部23は、その結果に基づいてディレイコントロール部8a〜8dに制御信号を出力して、音声ビームの焦点位置を移動する。
【0042】
以上のように、本発明のスピーカアレイ装置は、スピーカアレイから放音させる中高域の音声において、音声に含まれていない基音の倍音に語る複数の波長を強調させることで、ミッシングファンダメンタル現象を利用しているので、この音声ビームの到達領域において、実際には低音は再生されていないが、聴取者に低音を知覚させることができ、音声の中高域を含む音声ビームの指向性を制御することで、音声の低域の指向性を制御したのと同様の効果を得ることができる。また、スピーカアレイの構成が大規模になったり複雑になったりすることなく、低音の指向性を簡便に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係るスピーカアレイ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】スピーカアレイの構成図である。
【図3】ミッシングファンダメンタル現象を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
【0044】
1−スピーカアレイ装置 2−音声入力端子 3−A/Dコンバータ
4−ローカットフィルタ 5−倍音強調部
6,6a,6b,6c,6d−帯域分割部
7,7a,7b,7c,7d−オーバサンプリング部
8,8a,8b,8c,8d−ディレイコントロール部
9,9a,9b,9c,9d−ダウンサンプリング部
10,10a,10b,10c,10d−ウィンドウフィルタ部
11,11−1〜11−n−帯域合成部
12,12−1〜12−n−D/Aコンバータ 13−スピーカアレイ
14−1〜14−n−スピーカユニット
21−操作部 22−表示部 23−制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスピーカを配列したスピーカアレイと、
入力音声信号から基本周波数の音声を検出する基音検出手段と、
入力音声信号から、前記基本周波数の音声を含む所定周波数以下の音声を遮断して出力する低域遮断手段と、
前記低域遮断手段が出力した音声信号から、前記基音検出手段が検出した基本周波数の音声の倍音を強調して出力する倍音強調手段と、
前記倍音強調手段が出力した音声信号を前記スピーカアレイのスピーカに対して分配するとともに、各スピーカの放音タイミングを調整して前記スピーカアレイから音声ビームを出力させる信号処理手段と、
を備えたスピーカアレイ装置。
【請求項2】
前記倍音強調手段は、櫛形フィルタを備えた請求項1に記載のスピーカアレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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