スピーカ装置

【課題】一つのスピーカで低、中、高音等全帯域の音を再生させることができるスピーカ装置を提供する。
【解決手段】低音用のウーファ背面側に装着された通路を持つヨークと、ヨーク内に装着されて通路を通じて放出される音を誘導する音誘導部材と、音誘導部材の先端に装着された中高音専用のツイータと、ツイータの縁部に装着されてウーファから放射された低音と中高音を分離する隔壁と、ツイータの中央部に装着された音誘導部材とを含む。

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はスピーカ装置に係り、より詳細には低音スピーカの前方に中高音スピーカを設置し、前記低音及び中高音スピーカの前後方に各々音誘導部材を設置して低音をさらに補強すると同時に雑音及び音の歪みを減少し得るスピーカ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般的に電気信号を音波信号に変換させて自由空間へ放射させるスピーカ装置はマグネットから強い円筒形磁界が発生されると、この磁界内に設置された音声コイルに信号電流が流れることにより力が加えられ、この力は紙等からなる円錐形状の振動板を振動させることにより音波が放射されることである。
【０００３】このような従来のスピーカは図２に示したようにフレーム10の内側に振動板11、ボビン12、及び音声コイル13が設置され、前記フレーム10とボビン12にはダンパ14が設置され、前記フレーム10の下側には上部プレート15、マグネット16、及び磁極片17が設置される。前記音声コイル13は円筒状のボビン12の外周側に巻回されて一体に動き、前記ボビン12の先端部には振動板11の下段が連結され、前記ボビン12は外周側が適正の弾性を持つダンパ14により振動可能に支持される。
【０００４】そして、前記磁極片17はボビン12の内周側で所定の距離を置いて設置され、前記磁極片17と上部プレート15の間にはマグネット16により磁場が形成されるが、前記音声コイル13に電流が流れると、フレミングの左手の法則によりボビン12が軸方向に振動すると同時に、その前方の振動板11が振動して音を放射させる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のスピーカは、一つのスピーカで低音から高音まで全帯域の音を再生することは非常に難しいため、高音用のツイータ、中音用のスコーカ、及び低音用のウーファスピーカユニットよりなり、これはコストを上げるのみならずキャビネットの大きさが大きくなる等の問題点があった。
【０００６】したがって、本発明は前述した従来技術の問題点を解決するために発明されたものとして、本発明の目的は一つのスピーカで低、中、高音等の全帯域の音を再生させ得るスピーカ装置を提供することにある。本発明の他の目的は音の衝突による歪みや雑音の発生を最小限にしさらに鮮明で立体感のある音を得ることができるスピーカ装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するための本発明に係るスピーカ装置は、低音用のウーファ背面側に装着された通路を持つヨークと、前記ヨーク内に装着されて通路を通じて放出される音を誘導する音誘導部材と、前記音誘導部材の先端に装着された中高音専用のツイータと、前記ツイータの縁部に装着されてウーファから放射された低音と中高音を分離する隔壁と、前記ツイータの中央部に装着された音誘導部材とを含む。
【０００８】したがって、本発明ではウーファの前面側にツイータを装着してさらに低音を補強させ、ウーファの背面側に放射される低音がヨーク内に装着された音誘導部材を通じて放出されることにより後方音の乱流による衝突を最小限にし雑音や音の歪みを低減させ、且つ、ウーファの前面側に装着された中高音専用のツイータから放射される中高音は隔壁によりウーファから放射される低音と分離されて放射されると同時に、その前面側に装着された音誘導部材により誘導されることで音の臨場感及び立体感を増大させる。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施例を添付した図面によりさらに詳細に説明する。図１は本発明によるスピーカ装置を示す断面図であり、符号20は低音用のウーファを示している。前記ウーファ20はフレーム21の下段に上部プレート22が装着され、前記フレーム21の上端には振動板23の上端がエッジ23a を介在して接着され、前記振動板23の下段には外周側に音声コイル24の巻回されたボビン25が一体に接続され、前記ボビン25はフレーム21に一端が固定されたダンパ26により流動可能に支持される。
【００１０】そして、前記上部プレート22の下側にはマグネット27を介在してヨーク28が装着され、前記ヨーク28はボビン25の内側に所定間隔を置いて設置され内側には後方音を放射させる通路29が形成される。前記ヨーク28内には後方へ放射される音を誘導する音誘導部材30が所定の間隔を置いて装着される。
【００１１】前記音誘導部材30は通路29内に所定の間隔を置いて位置される柱部3Oa と、前記柱部3Oa の先端に形成された誘導板部30b とからなり、前記誘導板部30b にはヨーク28に装着可能なボス部30c が突成され、前記誘導板部3Ob は円板状に形成されることがより望ましい。一方、前記音誘導部材30の柱部3Oa の上端には高音専用のツイータ31が装着され、前記ツイータ31には前方へ放射される音を拡散させると共に区画する隔壁32が縁部に形成され、その中央部にはツイータ31から前方へ放射される音を誘導する音誘導部材33が装着される。
【００１２】前記音誘導部材33も柱部33a と、前記柱部33a の先端に形成された誘導板部33b 、及び前記隔壁32の内側に装着するためのボス部33c からなる。そして、前記フレーム21の前面側には放射される音に含まれた雑音や歪み音をフィルタリングする布地34が設置され、フレーム21には音声コイル24側に電源を印加する入力端子35が装着される。
【００１３】このように構成された本発明によるスピーカ装置は低音用のウーファ20から入力端子35を通じて音声コイル24に音声電流が流れると、マグネット27で形成された磁場によりフレミングの左手の法則によってボビン25が軸方向に振動されると同時に振動板23が振動することで低音の音波を放射させる。この時、前記振動板23を通じて放射される低音は前方に向かって放射されると同時に後方にも音波の一部が放射されるが、後方へ放射される低音の音波はヨーク28内に形成された通路29を通じて放出された後、その内側の音誘導部材30により誘導されて後方側に円滑な放射がなされるようになる。
【００１４】そして、前記音誘導部材30の先端に装着されたツイータ31から放射される高音の音波は隔壁32内に所定の間隔を置いて設置された音誘導部材33により誘導され前方側へ放射される。この時、前記ツイータ31から前方側へ放射される音波は隔壁32によりウーファ20から前方側へ放射される低音の音波と分離されて放射されることで音波の乱流による雑音や音波の歪みを低減させる。
【００１５】また、前記ウーファ20及びツイータ31から前面側へ放射される音は布地34によりフィルタリングされ雑音や歪みが除去されることにより、鮮やかで向上された立体感を持つ。
【００１６】
【発明の効果】前述したように本発明によれば、ウーファの前面側にツイータを装着してさらに低音を補強させ、ウーファの背面側へ放射される低音がヨーク内に装着された音誘導部材を通じて放出されることにより後方音の乱流による衝突を最小限にし雑音や音の歪みを低減させ、ウーファの前面側に装着された中高音専用のツイータから放射される中高音は隔壁によりウーファから放射される低音と分離されて放射されると同時に、その前面側に装着された音誘導部材により誘導されることによって音の臨場感及び立体感を増大させ得る等の多様な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるスピーカを示す断面図である。
【図２】従来のスピーカを示す断面図である。
【符号の説明】
20 ウーファ
28 ヨーク
29 通路
30、33 音誘導部材
30a 、33a 柱部
30b 、33b 誘導板部
31 ツイータ
32 隔壁
34 布地

【特許請求の範囲】
【請求項１】低音用のウーファ背面側に装着された通路を持つヨークと、前記ヨーク内に装着され通路を通じて放出される音を誘導する音誘導部材と、前記音誘導部材の先端に装着された中高音専用のツイータと、前記ツイータの縁部に装着されウーファから放射された低音と中高音を分離する隔壁と、前記ツイータの中央部に装着された音誘導部材とを含むスピーカ装置。
【請求項２】前記音誘導部材は軸上の柱部と、前記柱部の先端に連設された誘導板部とを含むことを特徴とする請求項１に記載のスピーカ装置。
【請求項３】前記ウーファの先端には布地が装着されたことを特徴とする請求項１に記載のスピーカ装置。

【図１】