説明

スプリンクラーヘッド

【課題】スプリンクラーヘッドの散水範囲を拡大可能であり、さらにデフレクター上に部品が係留することを防止可能なスプリンクラーヘッドを提供する。
【解決手段】内部にノズル6を有する本体1と、本体外部のノズル出口の延長上に設置され、ノズル6から放出された水を四方へ飛散させるデフレクターDと、ノズル6を閉塞する弁体7と、弁体7とデフレクターDの間に設置され、弁体7をノズル6端に押圧保持しており、火災の熱によって低融点合金が溶融して分解作動する感熱分解部5と、本体1およびデフレクターDを収容する筒状部材と、筒状部材の下端に設置されたカバープレート4とを備え、カバープレート4は筒状部材の下端に形成されたフランジ15に設けられた脚部18と低融点合金19により接続しており、フランジ15と筒状部材の側面16との境界部17の形状を斜面またはアール形状とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火用のスプリンクラーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプリンクラーヘッドは、建物内の天井面や壁面に設置され、一端に給水源に続いた配管と接続可能なノズルを有し、他端には感熱分解部が設けられている。平時において感熱分解部はノズルを閉止する弁体を支持している。火災の熱によって感熱分解部が分解作動するとノズルが開放され、ノズルと接続している配管内の水が放出される。放出された水はノズル出口の延長上に配置されたデフレクターに衝突して四方へ散布され火災を消し止める。
【0003】
上記スプリンクラーヘッドの一例として、本体の外部に筒状部材を備え、筒状部材の下端に設置されたカバープレートにより筒状部材内部の本体や感熱分解部を隠したスプリンクラーヘッドが特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1のスプリンクラーヘッドは、感熱分解部と導水孔(ノズル)の出口の間にデフレクターが配置された構造であり、デフレクターは常時フレーム内に収容されている。フレームの外部に係合して設置された筒状のハウジングの下端にはカバープレートが設置されており、カバープレートとハウジングは低融点合金によって接合されている。低融点合金は感熱分解部の内部に組み込まれた低融点合金よりも融点が低いものを使用する。
【0005】
火災が発生すると、カバープレートとハウジングを接合している低融点合金が溶融してカバープレートが落下する。カバープレートが落下したことで、ハウジング内部の感熱分解部が露出して火災の熱によって感熱分解部内の低融点合金に熱が伝わり溶融して感熱分解部が分解作動する。感熱分解部の構成部品が落下するとともに、感熱分解部により支持されていた弁体が導水孔から離れる。弁体はデフレクターとともにフレーム内をピンに沿って下方に移動して所定位置に係止され、ノズルから放出された水を受けて四方へ飛散して火災を消し止める。
【0006】
ところで、スプリンクラーヘッドは天井に所定間隔で設置され、スプリンクラーヘッドを設置する間隔はスプリンクラーヘッドの散水範囲により定められている。近年、散水範囲を拡大することで室内に設置されるスプリンクラーヘッドの設置個数を低減可能なスプリンクラーヘッドの需要が高まっている。
【0007】
スプリンクラーヘッドから飛散される水の飛距離を伸ばして散水範囲を拡大する一つの手段として、デフレクターの外径を大きくすることがあげられるが、特許文献1のスプリンクラーヘッドはデフレクターがフレーム内に収容されているので、デフレクターの外径を大きくすることに制限があった。この問題の一つの解決案として特許文献2には、デフレクターをフレームの外に設置したスプリンクラーが記載されている。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−279083号公報
【特許文献2】特許2003−339901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2のスプリンクラーヘッドは火災時に感熱分解部が分解作動したときに感熱分解部の構成部品がデフレクター上に落下して、ノズルから放出された水流によりデフレクター上を移動して外部に放出される。このときにごく稀にではあるが、感熱分解部の構成部品がデフレクター上に引っかかって係留してしまうことがあった。より具体的に説明すると、スプリンクラーヘッドが作動すると感熱分解部が分解作動して外部に放出されるが、デフレクターと天井の間を感熱分解部の構成部品が通過する際に構成部品が引っかかってしまいデフレクター上に係留されてしまうことがあった(図9)。
【0010】
この現象によって散水形状が乱れて散水密度に偏りが生じ、本来スプリンクラーヘッドが持っている性能が完全に発揮できないという問題があった。
【0011】
そこで本発明では、上記問題に鑑み、スプリンクラーヘッドの散水範囲を拡大可能であり、さらにデフレクター上に部品が係留することを防止可能なスプリンクラーヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明は以下のスプリンクラーヘッドを提供する。
内部にノズルを有する本体と、本体外部のノズル出口の延長上に設置され、ノズルから放出された水を四方へ飛散させるデフレクターと、ノズルを閉塞する弁体と、弁体とデフレクターの間に設置され、弁体をノズル端に押圧保持しており、低融点合金が充填されたシリンダーとシリンダーに熱を伝えるヒートコレクターが設置され火災の熱によって低融点合金が溶融して分解作動する感熱分解部と、本体およびデフレクターを収容する筒状部材と、筒状部材の下端に設置されたカバープレートとを備え、カバープレートは筒状部材の下端に形成されたフランジから延出して設けられた脚部と接続しており、フランジと筒状部材の側面との境界部の形状を斜面またはアール形状としたことを特徴とするスプリンクラーヘッドである。
これによれば、火災時に分解作動してデフレクター上に落下してきた感熱分解部の構成部品が、ノズルから放出された水の勢いによってデフレクター上を移動して外部へ放出される際に、筒状部材のフランジと筒状部材の側面との境界部の形状が斜面またはアール形状となっていることで部品が引っかかることを防止可能である。さらに境界部の形状を斜面またはアール形状とすることで、境界部にノズルから放出される水が衝突して、水流の勢いが弱まってしまうことを抑制できる。これにより境界部に部品が引っかかった場合でもノズルから放出される水の勢いによって部品を外部に流出させることが可能となる。
【0013】
また本発明については、筒状部材のフランジと筒状部材の側面との境界部の斜面部寸法またはアール形状の半径寸法を、フランジの幅に対して20%〜80%としたものであり、より好ましくは30%〜65%としたものである。これによりノズルから放出される水が境界部に衝突して弱まることを抑制する作用に加えて、フランジの強度を向上させ変形を防止する作用を有する。
【0014】
さらに、フランジと筒状部材の側面との境界部に開口または切欠きを形成することにより同様の効果を得ることができる。より具体的に説明すると、火災時に分解作動してデフレクター上に落下してきた感熱分解部の構成品が、ノズルから放出された水の勢いによってデフレクター上を移動して外部へ放出される際に、筒状部材のフランジと筒状部材の側面との境界部に開口または切欠きが形成されていることで部品が引っかかることなく通過可能となる。

【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、散水範囲を拡大するためにデフレクターをスプリンクラーヘッドの外部に設置した場合において、筒状部材のフランジと側面との境界部の形状を斜面またはアール形状としたことで、感熱分解部が分解作動して外部へ放出される際の部品の引っかかりを防止することにより、正規の散水分布形状を得ることが可能なスプリンクラーヘッドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のスプリンクラーヘッドの断面図
【図2】図1のY−Y断面図
【図3】感熱分解部分の断面図
【図4】感熱分解部分の分解斜視図
【図5】シリンダー、低融点合金、プランジャーの分解断面図
【図6】フランジ幅に対する境界部の寸法の説明図
【図7】図2のスプリンクラーヘッドの作動過程の断面図
【図8】図1のスプリンクラーヘッドの放水時の断面図
【図9】従来のスプリンクラーヘッドの放水時の断面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本実施形態のスプリンクラーヘッドAは、スプリンクラーヘッド本体1、筒状部材であるサポートカップ2およびリテーナー3、カバープレート4から構成される。
【0018】
スプリンクラーヘッド本体1は、天井面や壁面に設置され、天井裏の配管(図1において二点鎖線で示す)と接続されている。スプリンクラーヘッド本体1は、上部にノズル6を有しており下部に感熱分解部5が設置されている。感熱分解部5によってノズル6の末端に設置された弁体7をノズル6側に保持している。
【0019】
感熱分解部5はスプリンクラーヘッド本体1の下部に形成された内方フランジ1Cに係止され、火災時には火災の熱によって分解作動して弁体7を解放する。感熱分解部5は、レバー51、支持板52、バランサー53、シリンダー54、プランジャー55、低融点合金56、セットスクリュー57等から構成される。
【0020】
感熱分解部5は図3に示すようなユニット部品として構成され、ユニット部品として保管、運搬が可能である。スプリンクラーヘッドの組立時においても図3で示すユニット部品の状態で本体1に組み込まれる。
【0021】
レバー51は、一対で用いられており一端が内方フランジ1Cに係止され外方に屈曲した形状をしている。レバー51の上部には左右対称に設けられた突起51Aが形成され(図4)、下部には矩形の穴51Bが穿設されている。一対のレバー51の間には支持板52とバランサー53が係止され、支持板52は突起51Aと係止し、バランサー53は下部の穴51Bに係止される。バランサー53の中心部には穴53Aが穿設されており、該穴53Aにシリンダー54が挿入される。
【0022】
シリンダー54は円筒形状をしており、図5に示すように内部には段が形成され、大径部54Aと小径部54Bが形成されている。大径部54Aには円環状の低融点合金56が収容されている。また大径部54A側の端には鍔部54Cが形成されており、該鍔部54Cがバランサー53の穴53Aと係合する。小径部54Bの内径は環状の低融点合金56の内径と略等しい。
【0023】
小径部54Bの先端は、図3に示すように複数枚層状に重ねられたヒートコレクター58を挟んだ状態で折り曲げられ、ヒートコレクター58がシリンダー54の外部底面に設置される。ヒートコレクター58を層状に重ねた状態でシリンダー54の外部底面に設置したことで、シリンダー54とヒートコレクター58をコンパクトに構成し、感熱分解部5が分解作動した際にデフレクターDと後述するフランジ15の間から外部へ放出しやすいようにしている。
【0024】
ヒートコレクター58は熱伝導性が良好な銅や銅合金等の金属の薄板から形成され、火災による熱を吸収してシリンダー54内の低融点合金56に伝える作用を有する。
【0025】
プランジャー55の外周部は段により大径部55Aと小径部55Bが形成されている。大径部55Aの外径はシリンダー54の大径部54Aの内径より僅かに小さく形成される。小径部55Bの外径はシリンダー54の小径部54Bの内径および低融点合金56の内径より僅かに小さく形成される。
【0026】
プランジャー55は、シリンダー54の大径部54A側から挿通され、小径部55Bと、大径部55Aと小径部55Bの境の段部55Cとが低融点合金56に接触する。プランジャー55をシリンダー54に挿通した状態において、プランジャー55の外周面はシリンダー54および低融点合金56の内周面と摺動可能となっている。
【0027】
プランジャー55には貫通穴55Dが穿設されており、貫通穴55Dの中間にはセットスクリュー57の先端が接触する段部55Eが形成されている。
【0028】
セットスクリュー57は筒形をしており外部には牡ネジ57Aが螺刻されている。牡ネジ57Aを支持板52の牝ネジ52Aに螺入すると、セットスクリュー57の先端がプランジャー55の段部55Eを押圧するので低融点合金56はプランジャー55の段部55Eとシリンダー54の底部54Dにより圧縮方向の力が作用した状態にある。
【0029】
また一対のレバー51に係合した支持板52とバランサー53もレバー51との係止が強まる方向へ力が印加され、レバー51と支持板52、バランサー53の係合状態が保持される。これにより感熱分解部5がユニットとして構成される。
【0030】
感熱分解部5は、火災の熱でシリンダー54内の低融点合金56が溶融することで感熱分解部5が分解作動して、感熱分解部5にて保持していた弁体7が解放されることでノズル6から水が放出される。
【0031】
感熱分解部5と弁体7の間にはサドル8が設置されているサドル8の中心には牝ネジ20B螺刻されており、該牝ネジ20Bにコンプレッションスクリュー9が螺入されている。図2に示すようにサドル8の下面は一対のレバー51、51の上に載置されており、サドル8の上方には弁体7が配置される。コンプレッションスクリュー9を牝ネジ20Bにねじ込んで弁体7側に移動させるとコンプレッションスクリュー9の上端が弁体7をノズル6の方向へ押圧する。またサドル8によってレバー51、51の屈曲部側の先端51Bが本体1の内方フランジ1Cに押圧され、感熱分解部5が本体1内に係止される。
【0032】
感熱分解部5の下方にはデフレクターDが設置されている。デフレクターDは2本のピンPによって吊設されている。ピンPは本体1の外周部の突起に穿設された穴1Bに挿通されており、ピンPの上部に形成された鍔部が穴1Bの上端面に係合可能な構成となっている。
【0033】
ノズル6の外方は前述の配管と接続するための牡ネジ10が螺刻されている。牡ネジ10の根元部分11にはサポートカップ2が固定設置されている。
【0034】
サポートカップ2は筒状であり後述のリテーナー3と組み合わせて筒状部材を構成する。サポートカップ2の上端側には端面12を有しており、端面12には穴12Aが穿設されている。穴12Aにはスプリンクラーヘッド1の牡ネジ10が挿通され、端面12の外部に突出している。穴12Aの周囲には気流出口12Bが複数形成されている。気流出口12Bの開口部面積が大きい程、サポートカップ2およびリテーナー3内の気体の排出効果が向上する。
【0035】
サポートカップ2の側面には、リテーナー3と着脱可能に接続できる螺旋溝13が刻設されている。
【0036】
リテーナー3は筒状であり、前述のサポートカップ2の螺旋溝13と螺合可能な係合部14が側面に形成されている。係合部14は螺旋溝13側の斜め下方へ突出して切り起こされた形状をしており、サポートカップ2にリテーナー3を取付ける際にはリテーナー3をサポートカップ2側に挿通させると係合部14の折り曲げ部側が先に螺旋溝13に当たるので係合部14の先端側は弾性により変形して螺旋溝13を乗り越えて通過可能である。反対にサポートカップ2からリテーナー3を取外す際には、リテーナー3を下方に引張っても係合部14の先端が螺旋溝13に係合されて引き抜くことができないのでリテーナー3を回転させて螺旋溝13に沿って係合部14を回転させて取外す。
【0037】
リテーナー3の下端には外方へ拡張して形成したフランジ15が設置されている。フランジ15とリテーナー3の側面16の境界部17はアール形状となっており、感熱分解部5が分解作動してスプリンクラーヘッドAの外部に放出される際に境界部17に引っかかることを防止している。
【0038】
図6(a)に示すように、境界部17のアール部の寸法はフランジ15の幅Wに対して20%〜80%の半径寸法rを有するアール形状とし、より好ましくはフランジ15の幅Wに対して30%〜65%とするのが良い。より具体的にはフランジ部15の幅Wを8mmとした場合、アール部の半径寸法rは2〜6mm程度とし、より好ましくは3〜5mm程度とする。また図6(b)に示すように境界部17を斜面とする場合には、斜面部寸法Sをフランジ15の幅Wに対して20〜80%とし、より好ましくはフランジ15の幅Wに対して30%〜65%とするのが良い。
【0039】
これによりノズル6から放出される水流が境界部17に衝突して水流の勢いが弱まることを抑制できる。また境界部17の形状をアール形状や斜面としたことでフランジ部15の強度を向上することができる。
【0040】
フランジ15から下方へ延出して形成された脚部18の先端はフランジ15と略平行に折り曲げられ接合部18Aが形成されている。接合部18Aは低融点合金19によりカバープレート4と接合される。低融点合金19は感熱分解部5のシリンダー54に充填されている低融点合金56よりも融点が低いものを用いる。
【0041】
カバープレート4は薄板を円盤状に形成したものであり、外周縁はリテーナー3側に屈曲されている。カバープレート4の内側は前述のように低融点合金19によってリテーナー3の接合部18Aと接合される。
【0042】
カバープレート4とフランジ15との間には隙間20が設けられており、該隙間20から天井Tの下面を漂う気流をリテーナー3内に導入することができる。
【0043】
続いて本発明のスプリンクラーヘッドの作動について説明する。
【0044】
図1に示すようにスプリンクラーヘッド本体1は天井裏の配管(二点鎖線にて図示)に接続された後、カバープレート4と接合しているリテーナー3をサポートカップ2に接続させ、リテーナー3のフランジ15の上面が天井Tの下面に接した状態で設置されている。フランジ15の下面とカバープレート4の縁の間には隙間20が設けられており、隙間20から気流がリテーナー3の内部に流入可能な構成となっている。
【0045】
火災が発生すると、火災による熱気流が上昇して天井Tの下面に滞留する。熱気流は隙間20からリテーナー3内に流入してサポートカップ2の気流出口12Bより排出され、リテーナー3の下端側からサポートカップ2の上端側へ向かう気流が生じ、該気流からシリンダー54内の低融点合金56へ熱が伝播される。
【0046】
リテーナー3とカバープレート4を接合している低融点合金19は低融点合金56よりも融点が低いので低融点合金56よりも早い段階で溶融してカバープレート4が落下する。カバープレート4が落下したことでスプリンクラーヘッド1が露出され、天井Tの下面の熱気流からシリンダー54およびヒートコレクター58が熱を吸収しやすい状態になり、シリンダー54内の低融点合金56が溶融してプランジャー55がシリンダー54の底面側に移動する。これによりレバー51と支持板52、バランサー53の間の力のバランスが崩れ、バランサー53とレバー51の穴51Bとの係合が解除されてバランサー53およびシリンダー54が脱落する。さらにバランサー53とレバー51の係合が解除されたことで、レバー51の下端が外方に向かって回転動作して内方フランジ1Cとの係合が解除され、レバー51およびレバー51と係合していた支持板52が脱落して感熱分解部5が分解作動する(図7)。
【0047】
感熱分解部5の作動によりノズル6が開放されて水が放出され、放出された水はデフレクターDに衝突して四方へ飛散する。また前述の感熱分解部5の構成部品がデフレクターDの上に落下して水流により外部へ放出される(図8)。
【0048】
ここでリテーナー3の境界部17がアール形状をしていることでノズル6から放出された水流が境界部17に衝突した際に勢いが弱まることを抑制されるので、仮にシリンダー54に接続されているヒートコレクター58の縁が境界部17に係留しても水流の勢いによって外部へ放出することが可能である。同様に他の感熱分解部5の構成部品も境界部17へ係留することなく外部へ放出される。

【符号の説明】
【0049】
A スプリンクラーヘッド
1 スプリンクラーヘッド本体
2 サポートカップ
3 リテーナー
4 カバープレート
5 感熱分解部
54 シリンダー
56 低融点合金
58 ヒートコレクター
6 ノズル
7 弁体
13 螺旋溝
14 係合部
15 フランジ
16 リテーナー側面
17 境界部
18 脚部
18A 接合部
19 低融点合金
20 隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にノズルを有する本体と、本体外部のノズル出口の延長上に設置され、ノズルから放出された水を四方へ飛散させるデフレクターと、ノズルを閉塞する弁体と、弁体とデフレクターの間に設置され、弁体をノズル端に押圧保持しており、低融点合金が充填されたシリンダーとシリンダーに熱を伝えるヒートコレクターが設置され火災の熱によって低融点合金が溶融して分解作動する感熱分解部と、本体およびデフレクターを収容する筒状部材と、筒状部材の下端に設置されたカバープレートとを備え、カバープレートは筒状部材の下端に形成されたフランジから延出して設けられた脚部と接続しており、フランジと筒状部材の側面との境界部の形状を斜面またはアール形状としたことを特徴とするスプリンクラーヘッド。

【請求項2】
筒状部材のフランジと筒状部材の側面との境界部の斜面部寸法またはアール形状の半径寸法を、フランジの幅に対して20%〜80%とした請求項1記載のスプリンクラーヘッド。

【請求項3】
フランジと筒状部材の側面との境界部に開口または切欠きを形成した請求項1または請求項2記載のスプリンクラーヘッド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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