説明

スプリング製造装置

【課題】異なる駆動方式のツールユニットに対して駆動源を共通の形式とし、ツールユニットごとの交換やモータの取付位置を変更しなくとも、異なる駆動方式に容易に変更できるスプリング製造装置の実現。
【解決手段】成形テーブル(20)上のスプリング成形空間に送り出されるワイヤ(W)をツールにより曲げ加工してスプリングを製造するスプリング製造装置において、ツール支持手段(30,40,50)は、互いに異なる駆動方式でツールを駆動する第1及び第2のツール支持手段を含み、駆動力伝達手段(70)は、前記第1及び第2のツール支持手段が選択的に連結可能な共通化された駆動軸(71)を有しており、前記第1のツール支持手段(30)は、前記駆動軸の駆動力を前記ツールに伝達する第1の駆動機構(32)を有し、前記第2のツール支持手段(40)は、前記駆動軸の駆動力を前記ツールに伝達する第2の駆動機構(41)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スプリングとなるワイヤを連続して送り出しながら、その送り出されたワイヤをスプリング成形空間において、ツールにより強制的に曲げ加工して(折曲、湾曲あるいは捲回させて)スプリングを製造するスプリング製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のツール支持手段として、ボールスクリュー方式でツールをスライド可能に支持するツールユニットの斜視図である。図10は、従来のツール支持手段として、クランク方式でツールをスライド可能に支持するツールユニットの平面図である。
【0003】
図11に示すように、従来のスライドツールユニット110は、ツールが固定されるスライダ111を、サーボモータ112を駆動源とするボールスクリュー機構113によりスライド駆動させている。
【0004】
このボールスクリュー方式のツールユニット110は、ツールの送り量(スライド量)をリニアに正確に制御できるという利点がある反面、ツールが何かに衝突した際に受ける衝撃等に弱いという欠点がある。
【0005】
また、ツールユニットにモータが装着されているので、重量物となり取り扱いが容易ではないという欠点もある。
【0006】
これに対して、図10に示すクランク方式のツールユニットは、不図示のサーボモータを駆動源とする円盤部材103と、この円盤部材103に偏心して連結されるリンク部材102a,102b,102cにより、スライダ101をスライド可能に支持している。このようにツールをクランク方式で駆動する場合には、ボールスクリュー方式に比べて、大きな力が必要な加工(ワイヤの切断や折り曲げ等)に適している点と、モータがツールユニットには装着されないので取り扱いが容易であるという利点がある。
【特許文献1】特許第5524504号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した異なる駆動方式のツールユニットは、スプリング形状等に応じて適宜成形テーブル上に取り付けられるのであるが、夫々のツールユニットに対するモータの取付位置が異なるために、あるツールの駆動方式を変更したい場合には、ツールユニットごと交換しモータの取付位置も変更しなければならない。
【0008】
このようなツールユニットの交換は、ツールユニットを単に付け替えるだけでは足りず、成形テーブルへの取付位置、或いは他のツールユニットやモータに対する取付位置の微調整等が必要となるため、非常に手間のかかる作業となる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、異なる駆動方式のツールユニットに対して駆動源を共通の形式とし、ツールユニットごとの交換やモータの取付位置を変更しなくとも、異なる駆動方式に容易に変更できるスプリング製造装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明のスプリング製造装置は、成形テーブル(20)上のスプリング成形空間に送り出されるワイヤ(W)をツールにより曲げ加工してスプリングを製造するスプリング製造装置において、前記成形テーブル上において前記スプリング成形空間から放射状に複数配置可能とされ、前記スプリング成形空間に向けてスライド可能にツールを支持するツール支持手段(30,40,50)と、前記成形テーブル上において、前記ツール支持手段に連結されて前記ツールをスライド駆動するための駆動力を前記ツール支持手段に伝達する駆動力伝達手段(70)と、を備え、前記ツール支持手段は、互いに異なる駆動方式でツールを駆動する第1及び第2のツール支持手段を含み、前記駆動力伝達手段は、前記第1及び第2のツール支持手段が選択的に連結可能な共通化された駆動軸(71)を有しており、前記第1のツール支持手段(30)は、前記駆動軸の駆動力を前記ツールに伝達する第1の駆動機構(32)を有し、前記第2のツール支持手段(40)は、前記駆動軸の駆動力を前記ツールに伝達する第2の駆動機構(41)を有する。
【0011】
また、好ましくは、前記第1のツール支持手段は、前記ツールをスライド可能に支持するスライダ(32)を有し、前記第1の駆動機構は、前記駆動軸に固定されるピニオンギア(32a)と、前記スライダに連結されると共に、前記ピニオンギアに噛み合うことにより当該ピニオンギアを介して前記駆動軸の回転力を直線方向の動作に変換するラック(32b)と、を備える。
【0012】
また、好ましくは、前記第2のツール支持手段は、前記ツールをスライド可能に支持するスライダ(31)を有し、前記第2の駆動機構は、前記駆動軸に固定される円盤部材(41a)と、一端部が前記スライダに連結されると共に、他端部が前記円盤部材に偏心して連結されることにより当該円盤部材を介して前記駆動軸の回転力を直線方向の動作に変換するリンク部材(41b)を備える。
【0013】
また、好ましくは、前記円盤部材と前記リンク部材とは偏心リング(42)を介して連結され、前記リンク部材は、前記偏心リングにより前記円盤部材に対する偏心量を調整可能である。
【0014】
また、好ましくは、前記駆動力伝達手段は、前記駆動軸が前記成形テーブルにおけるスプリング成形空間側の一側面に突出するように前記成形テーブルに軸支され、前記駆動軸を回転駆動するモータ(76)がスプリング成形空間とは反対側の他側面に配設される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、異なる駆動方式のツールユニットに対して駆動源を共通化し、ツールユニットごとの交換やモータの取付位置を変更しなくとも、異なる駆動方式に容易に変更できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で下記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0017】
[スプリング製造装置の全体構成]
図1は、本発明に係る実施形態のスプリング製造装置における成形テーブル部分を示す斜視図(a)及び平面図(b)である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のスプリング製造装置10は、不図示のベースに対して鉛直上方に立設される成形テーブル20と、この成形テーブル20の背面に配置される不図示のワイヤフィード装置と、この成形テーブル20の前面にワイヤ軸線を中心として放射状に配置される複数のツールユニット30,40,50(ツール支持手段)と、を備える。
【0019】
成形テーブル20は、複数の三角形状のツールユニット取付部21が放射状に外方に延設された略星型の外形を有し、成形テーブル20の中心部にはワイヤガイド60が配設される。そして、成形テーブル20の一側面に対して、ワイヤガイド60のワイヤ送出孔61(ワイヤ軸線)を中心に放射状に複数のツールユニット30,40,50が取り付けられ、各ツールの先端部の可動空間とワイヤガイド60とでスプリング成形空間が画定される。尚、各ツールの先端部の移動軌跡の交点が上記成形テーブル20の中心部、即ちワイヤガイド60のワイヤ送出孔61(ワイヤ軸線)と略一致するようにレイアウトされる。
【0020】
ワイヤガイド60は、不図示のサーボモータによりワイヤ送出孔61を中心として正逆両方向に回転制御可能に構成されている。
【0021】
ツールユニット30,40,50は、上記ワイヤガイド60のワイヤ送出孔61付近のスプリング成形空間に向かう方向或いはスプリング成形空間から退避する方向にスライド動作でツールを移動可能なスライドツールユニット30,40と、上記スライド動作に加えてツール軸まわりにツールを回転可能な回転ツールユニット50とからなり、各ツールユニット30,40,50の選択的に使用してワイヤを強制的に折曲、湾曲、捲回或いは切断することにより所望のスプリング形状に成形する。
【0022】
更に、各ツールユニット30,40,50は、ラック&ピニオン機構によりツールをスライド可能に支持する第1の駆動方式としてのリニア式ツールユニット30,50と、クランク機構によりツールをスライド可能に支持する第2の駆動方式としてのクランク式ツールユニット40と、を有する。
【0023】
各ツールユニット30,40,50は夫々成形テーブル20に対して着脱可能に設けられ、全てのツールユニットを合計して最大8個まで成形テーブル20に取り付け可能である。
【0024】
また、スライドツールユニット30,40には、ワイヤガイド60のワイヤ送出孔61からスプリング成形空間に送出されるワイヤを強制的に(他のツールと協働して)折曲、湾曲、捲回あるいは切断するツール(図5及び図8参照)がスライド可能に保持される。また、回転ツールユニット50には、ワイヤガイド60のワイヤ送出孔61からスプリング成形空間に送出されるワイヤを強制的に軸に捲回するツール(図4参照)がスライド及び回転可能に保持される。
【0025】
スライドツールユニット30,40並びに回転ツールユニット50に保持されたツールのスライド動作は、当該各ツールユニットの取付位置に対応する成形テーブル20の背面(スプリング成形空間とは反対側の他側面)に配設されたサーボモータ76を駆動源とする駆動力伝達機構70によって実現される。
【0026】
また、回転ツールユニット50に保持されたツールの回転動作は、当該ツールユニットに搭載されたサーボモータ51によってツールを回転駆動することで実現される。
【0027】
尚、ツールのスライド動作は、以下に詳しく説明するリニア式やクランク式のほかに、回転運動を直線的な往復運動に変換するカムを用いた駆動方式等でも実現できる。
【0028】
[ツールユニット及び駆動力伝達機構]
<リニア式スライドツールユニット>
先ず、リニア式スライドツールユニットについて説明する。
【0029】
図2は、リニア式スライドツールユニットの平面図(a)及び側面図(b)である。図3は、リニア式スライドツールユニットの斜視図(a)、ラック&ピニオン機構(b)、駆動力伝達機構の断面図(c)である。
【0030】
図2及び図3に示すように、リニア式スライドツールユニット30は、ツールを保持したままスライドするスライダ31と、スライダ31の後端部に連結されるラック&ピニオン機構32と、ツールを保持するスライダ31をスライド自在に支持及びガイドするスライドレール33と、スライドレール33を保持するスライドベース34と、を備える。
【0031】
駆動力伝達機構70は、その回転軸71がスライドベース34の後端部に形成された連通孔35を介してラック&ピニオン機構32のピニオンギア32aに連結されている。
【0032】
ラック&ピニオン機構32は、回転軸71の一端部に形成された継手部75に同軸にビス等により取り付けられるピニオンギア32aと、このピニオンギア32aに噛み合うことにより当該ピニオンギア32aを介して回転軸71の回転をスライドレール33に沿う直線方向の動作に変換するラック32bと、ラック32bを保持すると共に一端部がスライダ31に連結されるカバープレート32cと、を備える。そして、サーボモータ76により回転軸71を正逆両方向に回転駆動することによってピニオンギア32aが回転し、ラック32b及びカバープレート32cを介してスライダ31がスライドレール33に沿って往復動作を行う。尚、カバープレート32cには長穴32dが形成されており、この長穴32dにピニオンギア32aと同軸に突出するピン32eが挿入されている。この長穴32dの長さはスライダ31がスライド可能な許容範囲を規定している。即ち、スライダ31のピン32eが長穴32dの端部に当接することにより、スライダ31が許容範囲を超えて可動してしまうのを禁止するストッパーとして機能する。
【0033】
駆動力伝達機構70は、ボールベアリング等の軸受73を介して回転軸71を回転自在に支持する中空円筒状のハウジング72を備える。ハウジング72は、継手部75とは反対側の外周面を拡径して形成された環状のフランジ74を介して成形テーブル20に取り付けられ、回転軸71の継手部75が成形テーブル20におけるスプリング成形空間側の一側面から突出している。また、成形テーブル20におけるスプリング成形空間とは反対側の他側面にはハウジング72に対応してサーボモータ76が取り付けられ、回転軸71のハウジング72側の端部が減速機を介してサーボモータ76の出力軸に結合される。
【0034】
上記構成において、サーボモータ76の回転方向及び回転数(パルス数)を制御することによって、ピニオンギア32a及びラック32bを介してスライダ31の送り量を管理しながら往復動させることができる。
【0035】
上記ラック&ピニオン機構32ではツールがリニアで精密な動作となるので、例えば、図4に示すように回転ツール1を矢印S1方向に移動させてワイヤガイド60から送出されるワイヤWに係合させ、回転ツール1を矢印R1方向に回転させてワイヤWを巻き軸1aに巻き付けながらツール1を矢印S2方向に戻していく加工や、図5に示すようにコイリングツール2とワイヤガイド60とにワイヤWを当てて湾曲させながらツール2を矢印S3方向に移動させてコイル径を変化させる加工(例えば、コイル径が徐々に大きくなる円錐形のコイルの加工)に最適である。
【0036】
尚、上記ラック&ピニオン機構32は、回転ツールユニット50にも搭載されてツールをスライド動作させる。
【0037】
<クランク式スライドツールユニット>
次に、クランク式スライドツールユニットについて説明する。尚、以下では、上述した図2及び図3と同等の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
図6は、クランク式スライドツールユニットの平面図(a)及び側面図(b)である。図7は、クランク式スライドツールユニットの斜視図(a)、ラック&ピニオン機構(b)、駆動力伝達機構の断面図(c)である。
【0039】
図6及び図7に示すように、クランク式スライドツールユニット40は、リニア式スライドツールユニットと共通化された構成である、ツールを保持しスライドするスライダ31と、スライダ31をスライド自在に支持及びガイドするスライドレール33と、スライドレール33を保持するスライドベース34とを備える。また、クランク式スライドツールユニット40は、リニア式スライドツールユニットと相違する構成として、スライダ31の後端部に連結されるクランク機構41を備える。
【0040】
駆動力伝達機構70は、その回転軸71がスライドベース34の後端部に形成された連通孔35を介してクランク機構41の円盤部材41aに連結されている。
【0041】
クランク機構41は、回転軸71の一端部に形成された継手部75に同軸にビス等により取り付けられる円盤部材41aと、一端部41cがスライダ31に回動自在に連結されると共に、他端部41dが円盤部材41aに対して偏心して回動自在に連結されることにより円盤部材41aを介して回転軸71の回転をスライドレール33に沿う直線方向の動作に変換するリンク部材41bと、を備える。そして、サーボモータ76により回転軸71を正逆両方向に回転駆動することによって円盤部材41aが回転し、円盤部材41aに対して偏心するリンク部材41bが揺動しながら往復運動することによりスライダ31がスライドレール33に沿って往復動作を行う。
【0042】
尚、駆動力伝達機構70は、上記リニア式スライドツールユニットの説明で述べた構成と同様である。
【0043】
上記構成において、サーボモータ76の回転方向及び回転数をパルス信号等で制御することによって、円盤部材41a及びリンク部材41bを介してスライダ31の送り量を管理しながら往復動させることができる。
【0044】
上記クランク機構41は、ツールに大きな力が発生する動作となるので、例えば、図8に示すように、2本のツール3,4で挟み込んでワイヤWをクランク状に折り曲げる加工や、ワイヤの切断に最適である。
【0045】
<リンク部材の微調整機構>
図9は本実施形態のクランク式スライドツールユニットの平面図であり、円盤部材に対するリンク部材の偏心量を微調整する機構を示す図である。
【0046】
図9に示すように、円盤部材41aとリンク部材41bの他端部41dとは、当該他端部41dに形成された開口孔44において、円環状の偏心リング42を介して回動自在に取付ネジ43により連結されている。偏心リング42は、その回動中心Rがリンク部材41bの他端部41dの開口孔44の中心位置に対して偏心して形成されている。そして、リンク部材41bを円盤部材41aに連結する際若しくはリンク部材41bの円盤部材41aに対する偏心量を調整する際に、調整ネジ45を緩めて、偏心リング42を取付ネジ43まわりに回転させることにより、円盤部材41aに対する偏心量(スライダ31のスライド量)を肉厚の最も大きいt1(図9(a))から最も小さいt2(図9(c))の間で微調整可能である。
【0047】
図10は従来のクランク式スライドツールユニットの平面図であり、円盤部材に対するリンク部材の微調整機構を示しており、従来のクランク式スライドツールユニット100は、スライダ101側のリンク部材102aと円盤部材103側のリンク部材102bとがシャフト102cで連結された構成を有する。そして、2つのリンク部材102a,102bの離間距離を、シャフト102cの両端に設けられた一対のねじ104a,104bにより微調整していた。これに対して、本実施形態では偏心リング42を回転させるだけで微調整が行えるので、調整作業が簡略化できる。
【0048】
[効果の説明]
以下に、本実施形態の駆動力伝達機構による効果について説明する。
【0049】
本実施形態によれば、駆動力伝達機構70が、異なる駆動方式のツールユニット30,40,50を選択的に連結可能な共通化された回転軸71を有しているので、例えば、成形テーブル20上に取り付けられたツールユニットの駆動方式を変更する際に、スライダ31とスライドベース34並びに駆動力伝達機構70を成形テーブル20に取り付けたまま異なる駆動方式に交換でき、交換作業が容易になる。換言すると、1つのツールユニットに対して複数の駆動方式が選択可能となり、駆動方式の変更作業もツールユニットごとの交換やモータの取付位置を変更せずに行うことができる。
【0050】
更に、クランク機構41における円盤部材41aに対するリンク部材41bの偏心量の微調整を偏心リング42を用いて簡単に行うことができる。即ち、従来のツールユニットごと交換する場合のように成形テーブルへの取付位置、或いは他のツールユニットやモータに対する取付位置の微調整等が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る実施形態のスプリング製造装置における成形テーブル部分を示す斜視図(a)及び平面図(b)である。
【図2】リニア式スライドツールユニットの平面図(a)及び側面図(b)である。
【図3】リニア式スライドツールユニットの斜視図(a)、ラック&ピニオン機構(b)、駆動力伝達機構の断面図(c)である。
【図4】リニア式ツールユニットに適したツールの加工例を示す図である。
【図5】リニア式ツールユニットに適したツールの加工例を示す図である。
【図6】クランク式スライドツールユニットの平面図(a)及び側面図(b)である。
【図7】クランク式スライドツールユニットの斜視図(a)、ラック&ピニオン機構(b)、駆動力伝達機構の断面図(c)である。
【図8】クランク式ツールユニットに適したツールの加工例を示す図である。
【図9】本実施形態のクランク式スライドツールユニットの平面図であり、円盤部材に対するリンク部材の偏心量を微調整する機構を示す図である。
【図10】従来のクランク式スライドツールユニットの平面図であり、円盤部材に対するリンク部材の微調整機構を示す図である。
【図11】従来のボールスクリュー方式でツールをスライド可能に支持するツールユニットの斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1 回転ツール
2 コイリングツール
3,4 折曲ツール
10 スプリング製造装置
20 リングギア
21 ツールユニット取付部
30 リニア式スライドツールユニット
31 スライダ
32 ラック&ピニオン機構
32a ピニオン
32b ラック
32c カバープレート
32d 長穴
32e ピン
33 スライドレール
34 スライドベース
35 連通孔
40 クランク式スライドツールユニット
41 クランク機構
41a 円盤部材
41b リンク部材
42 偏心軸
43 取付ネジ
44 開口孔
45 調整ネジ
50 回転ツールユニット
51 サーボモータ
60 ワイヤガイド
61 ワイヤ送出孔
70 駆動力伝達機構
71 回転軸
72 ハウジング
73 軸受
74 フランジ
75 継手部
76 サーボモータ
W ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形テーブル上のスプリング成形空間に送り出されるワイヤをツールにより曲げ加工してスプリングを製造するスプリング製造装置において、
前記成形テーブル上において前記スプリング成形空間から放射状に複数配置可能とされ、前記スプリング成形空間に向けてスライド可能にツールを支持するツール支持手段と、
前記成形テーブル上において、前記ツール支持手段に連結されて前記ツールをスライド駆動するための駆動力を前記ツール支持手段に伝達する駆動力伝達手段と、を備え、
前記ツール支持手段は、互いに異なる駆動方式でツールを駆動する第1及び第2のツール支持手段を含み、
前記駆動力伝達手段は、前記第1及び第2のツール支持手段が選択的に連結可能な共通化された駆動軸を有しており、
前記第1のツール支持手段は、前記駆動軸の駆動力を前記ツールに伝達する第1の駆動機構を有し、
前記第2のツール支持手段は、前記駆動軸の駆動力を前記ツールに伝達する第2の駆動機構を有することを特徴とするスプリング製造装置。
【請求項2】
前記第1のツール支持手段は、前記ツールをスライド可能に支持するスライダを有し、
前記第1の駆動機構は、前記駆動軸に固定されるピニオンギアと、前記スライダに連結されると共に、前記ピニオンギアに噛み合うことにより当該ピニオンギアを介して前記駆動軸の回転力を直線方向の動作に変換するラックと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のスプリング製造装置。
【請求項3】
前記第2のツール支持手段は、前記ツールをスライド可能に支持するスライダを有し、
前記第2の駆動機構は、前記駆動軸に固定される円盤部材と、一端部が前記スライダに連結されると共に、他端部が前記円盤部材に偏心して連結されることにより当該円盤部材を介して前記駆動軸の回転力を直線方向の動作に変換するリンク部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のスプリング製造装置。
【請求項4】
前記円盤部材と前記リンク部材とは偏心リングを介して連結され、
前記リンク部材は、前記偏心リングにより前記円盤部材に対する偏心量を調整可能であることを特徴とする請求項3に記載のスプリング製造装置。
【請求項5】
前記駆動力伝達手段は、前記駆動軸が前記成形テーブルにおけるスプリング成形空間側の一側面に突出するように前記成形テーブルに軸支され、前記駆動軸を回転駆動するモータがスプリング成形空間とは反対側の他側面に配設されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスプリング製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図6】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−275942(P2007−275942A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106588(P2006−106588)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(392020026)株式会社板屋製作所 (4)
【Fターム(参考)】