説明

スポンジ・カッターの切断装置

【課題】打抜後の製品を打抜刃から分離するために打抜型に貼り付けるスポンジを、長い筋状スポンジから自動的に切断・製作する装置を提供する。
【解決手段】抜型1における切刃2のCADデータに基づいて、長い筋状スポンジから切断全長を決定するとともに、途中の方向転換する点、または円弧の部分に切込43を金型により入れることにより、抜型1に貼るスポンジを切断する。スポンジを切断する金型は例えば4種類の切込刃を備えており、切刃2のCADデータに基づいて各刃を使い分ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙器・ダンボールの打抜に使用する打抜型に貼り付けるスポンジの切断する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の紙器・ダンボールの打抜には平盤抜型1を上下運動して打ち抜く。その場合、打ち抜かれた素材の板紙・ダンボール製品10が切刃2に食い込み、抜型1から製品10が分離しない。これを防ぐために、図2の切刃2の両側にスポンジ4を張る。
【0003】
この作業は最近では特許文献1のように一定の長さに切られたスポンジの裏面に接着剤を塗布して貼る。一般に幅7ミリ、高さ7ミリ、長さ30ミリのスポンジである。この作業は手作業で時間が掛かる。図2に見られるように細部は特許文献1のスポンジをハサミで短く切り貼らなければならない。また長い部分は何個も貼らなければならない。
【0004】
近時、ウオーター・ジェツトでスポンジ・シートを切断する方法がある。しかし、筋状のスポンジに比較して、無駄に捨てる材料カスが発生する。
またウオーター・ジェツトで切ったものは部品を長く繋ぐ事ができない。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】実公昭59−32559
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は手作業により筋状のスポンジを長い部分には多数張るのでなく、また短い部分にはハサミで切断するのでなく抜型1の製作データの切刃2データによりその必要な長さを自動的に切断する装置を提供するものである。
【0007】
本発明は抜型1の切刃2データから自動的に長さを検出し、その図形から自動的に4種の切り込みから選択し1本の長い筋状スポンジを切断する。
【発明を解決するための手段】
【0008】
長い筋状スポンジ41を抜型1の切刃2のデータにより切断全長を決定し、途中の方向転換する点、または円弧の部分に切込43を金型5で入れ、切断する装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明は抜型1の切刃2データから自動的に長さを検出し、その図形から自動的に4種の切り込みから選択し1本の長い筋状スポンジを完成する。
【0010】
本発明は長い距離については一定のスポンジ(7ミリ幅*7ミリ高*30ミリ長)を張るのでないので、図8のようにA点からB点まで1本の長いスポンジを一気に張ることが可能である。
【0011】
本発明は一定のスポンジ(7ミリ幅*7ミリ高*30ミリ長)の短い部分でも、そこで方向転換する場合でもハサミが不要である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一般的な印刷紙器の展開図。
【図2】図1を製作するスポンジを貼った抜型平面図。
【図3】本発明の装置の側面図。
【図4】本発明の装置の金型平面図。
【図5】本発明で切断する材料の筋状スポンジ斜視図。
【図6】本発明で切断された材料の筋状スポンジ斜視図。
【図7】本発明で切断された材料を折り曲げたスポンジ斜視図。
【図8】本発明で切断され折り曲げたスポンジを抜型に貼り付けた平面図。
【図9】本発明で切断され折り曲げたスポンジを抜型に貼り付けた平面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0013】
より詳しく述べるならば、図3は本発明の装置の側面図である。材料の筋状スポンジ41が装置右側から挿入される。コンピータにより制御された送りローラー58により連続的に左方向に送られる。エンコーダー59は送り量を計測する。材料は金型5に送られる。金型5は上部のシリンダ57により上下運動をする。
【0014】
金型5はモータースライダー50により前後に移動する。図4はこの前後に移動する金型の平面図である。この金型には「I字切込刃52」と「上V字切込刃55」と「下V字切込刃54」の3種の切刃が設けられている。「I字切込刃52」は金型5の前後の移動位置により2つの役目(2種の切り方)がある。
【0015】
図5は筋状のスポンジ41の材料である。幅は7ミリ、高さは7ミリで長さはできるだけ長い方が良い。自動的に切断するためにはあらかじめ10メータぐらいが良い。
【0016】
図6は図4の金型5を前後に移動させ切断した実施例である。すべての切断(42−45)は切り残し、例えば1ミリを残して切断する。「下I字切込42」は「I字切込刃52」を移動させて、「I字切込刃52」の上端を材料スポンジ41の上端1ミリを残して、シリンダー57を下降させる。「上I字切込43」は「I字切込刃52」を移動させて、「I字切込刃52」の下端を材料スポンジ41の下端1ミリを残して、シリンダー57を下降させる。「下V字切込44」は「下V字切込刃54」を移動させて、「下V字切込刃54」の上端を材料スポンジ41の上端1ミリを残して、シリンダー57を下降させる。「上V字切込45」は「上V字切込刃55」を移動させて、「上V字切込刃55」の下端を材料スポンジ41の下端1ミリを残して、シリンダー57を下降させる。
【0017】
図7は4種のそれぞれの切断を90度に折り曲げた実施例を示している。
【0018】
図8は以上の実施例を図2の抜型に貼り付けた実施例である。例えば図8の抜型1の「A点」から「B点」への切刃2の外周に貼り付けるためのスポンジを製作する方法は抜型1のCADデータから全長を計算する。最初の「方向転換c点CW(Clockwise)方向」は「上I字切込43」となる。2個目の「方向転換d点CCW(Counter Clockwise)」は「上V字切込45」となる。「方向転換d点CCW(Counter Clockwise)」は「下I字切込42」でも可能である。しかし、その場合は「c点−d点」間の距離は短くなる。送り量の基準は刃側からスポンジの幅分の外側に来る。「A点−c点間」「c点−d点間」の距離はCADデータから計算される。この距離は送りローラー58により金型5の方向に送られる。「c点」を切断する時は「A点−c点間」を送った後、金型5の「I字切込刃52」の切断位置にモータースライダー50で金型5を移動させる。これらの金型5の移動量はコンピータに登録しておく。
【0019】
「e点」の円弧を切断は「上I字切込43」の連続になる。また図9の円の外側は「上I字切込43」の連続になる。図9の円の内側は「下V字切込44」の連続になる。
【0020】
図8のA点からB点までの連続のスポンジを切断し、それを貼り付ける場合はあらかじめ接着剤を切刃2の外側の合板に塗布しておき、切刃2に沿わせて貼れば一気に貼ることができる。
【符号の説明】
【0021】
抜型1
製品10
切刃2
抜型20
スポンジ4
筋状スポンジ41
下I字切込42
上I字切込43
下V字切込44
上V字切込45
金型5
モータースライダー50
I字切込刃52
下V字切込刃54
上V字切込刃55
シリンダ57
送りローラー58
エンコーダー59

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長い筋状スポンジ41から抜型1の切刃2のデータにより切断全長を決定し、途中の方向転換する点、または円弧の部分に切込43を金型5で入れ、切断する装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate