説明

スライドドアの揺れ止め構造

【課題】スライドドアの下横框に段差があっても、スライドドアの段差の形状にかかわらず、不快音の発生を防止若しくは軽減することができるスライドドアの揺れ防止構造を提供すること。
【解決手段】揺れ防止機構10の支柱シャフト13には、主回転輪11を内蔵する副回転輪12が軸支され、副回転輪12は主回転輪11がスライドドア1の下部に臨む位置を少なくとも開放する開放部33を形成し、開放部33の周方向両端部には、スライドドア1の下部に臨み段部1aと接触可能な緩衝面34,35を形成し、主回転輪11の回転半径よりも、緩衝面34,35の曲率半径を大きく形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドドアがドア枠の下面に設けられた回転輪により揺れ止めが行われ、スライドドアの下部の下框と縦框の接続部に形成されている段差と回転輪の接触時における衝撃を小さくすることができるスライドドアの揺れ止め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の入口や建物内部の間仕切りなどに多くの自動ドアが配設されている。自動ドアの種類について多種あるが、懸架レールに吊り下げられたスライドドアが、懸架レールに沿ってスライドするものがある。このようなスライド式ドアは、屋内に配設されているものは差ほどではないが、建物の入口などに取付けられているものは、風などの外力によってスライドドアが揺れるようなことがある。この揺れによってスライドドアの故障の原因になるようなことも考えられ、揺れを防止する必要がある。このような揺れを防止する機構では、床に溝などの段差をスライドドアの移動方向全体に亘って形成しているものがあり、この溝にスライドドアの下端部に形成した嵌合部を差し込んで、スライドドアの揺れ止めを防止している。しかしながら、このような溝は通路の妨げとなるため、溝をなくすようにしたスライドドアの揺れ止め構造が特許文献1の従来例に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載されているドアの揺れ止め構造によると、懸架レールから吊り下げられ、該懸架レールの一端から他端の間を移動するスライドドアが設けられている。そして、図7に示すように、スライドドア1には、中方立て8の側部に位置する床面4に、回転軸を上下方向に向けて、外周面をスライドドア1の側面に対面するような回転輪11を設け、該回転輪11とスライドドア1の中方立て8との間にスライドドア1を挟むようにして、スライドドア1の下部の揺れを防止している。こうして、スライドドア1がスライドする床面4に、スライドドア1を案内する溝などの段差を省略するようにしている。
【0004】
【特許文献1】実開平5−83263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スライドドア1を構成する外枠は、上横框(図1の符合2a参照)と下横框2bの両端部に配設される縦框2c,2dとで構成されている。下横框と縦框の接続は、図8のAに示すように、下横框2bに縦框2dに形成された嵌入部2eに下横框2bを差し込んで接続されているため、その嵌入部2eにおける縦框2dの板厚分だけスライドドア1の端部に段差1aが生じる(他方の縦框2cと下横框2bの接続も同じである)。この下横框2bと縦框2c,2dとによって形成された段差1aは、スライドドア1が開閉するときに、段差1aが回転輪11に乗り上げるようにして接触する。すなわち、図8のBに示すように、スライドドア1が開放位置に到達する直前に段差1aが回転輪11に乗り上げ、このときに衝撃音のような不快音が生じ、その後、図8のCに示すように、縦框2dが回転輪11に乗り上げて、スライドドア1は開放位置に到達する。
【0006】
特許文献1では、この不快音を防止するため、段差を埋めるための別部材として、段差に嵌め込み部材を取付けることによって、段差を無くすようにしている。
しかしながら、スライドドアの形状は種々の形状があり、段差の厚さや、スライドドアのスライド方向における段差の長さなどが異なり、スライドドアの種類毎に嵌め込み部材を用意しなければならず、多数の嵌め込み部材を必要とし汎用性にかける。また、その嵌め込み部材をスライドドアに取付けるための手間や、スライドドアの構造が複雑化するなどの問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、スライドドアの下横框に段差があっても、スライドドアの段差の形状にかかわらず、不快音の発生を防止若しくは軽減することができる汎用性のあるスライドドアの揺れ止め構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスライドドアの揺れ止め装置は上記目的を達成するために、懸架レールから吊り下げられ、該懸架レールに沿って移動するスライドドアの移動方向に対して直角方向への移動を規制し、前記スライドドアの下部に臨んで、床面側に設けられた軸部材に回転可能に軸支される回転輪を備えたスライドドアの揺れ止め装置において、前記軸部材には、前記回転輪を内蔵する副回転輪が軸支され、該副回転輪は前記回転輪が前記スライドドアの下部に臨む位置を少なくとも開放する開放部を形成し、該開放部の周方向両端部には、前記スライドドアの下部に臨み該スライドドアに形成された段部と接触可能な緩衝面を形成し、前記回転輪の回転半径よりも、前記緩衝面の曲率半径を大きく形成した。
上記スライドドアの揺れ止め構造は、前記緩衝面が前記段部と接触するように、前記副回転輪の回転角度を規制する係止部を設けることができる。
上記スライドドアの揺れ止め装置の前記副回転輪には、前記軸部材に軸支される底部を形成し、該底部面に主回転輪が接触するように配設し、前記主回転輪には該回転輪を前記副回転輪の底部面側へ押圧する押圧部材を設けることができる。
また、本発明のスライドドアの揺れ止め構造は上記目的を達成するために、懸架レールから吊り下げられ、該懸架レールに沿って移動するスライドドアを設け、該スライドドアの移動方向に対して直角方向への移動を規制する回転輪が、前記スライドドアの下部に臨んで、床面側に設けられた軸部材に回転可能に軸支され、該スライドドアの下部には、該スライドドア縦框と横框との接続部に、前記回転輪側に段差を有する段部が形成され、該段部がスライドドアの移動に伴って前記回転輪の外周面と接触するスライドドアの揺れ止め構造において、前記軸部材には、前記回転輪を内蔵する副回転輪が軸支され、該副回転輪は前記回転輪が前記スライドドアの下部に臨む位置を少なくとも開放する開放部を形成し、該開放部の周方向両端部には、前記スライドドアの下部に臨み前記段部と接触可能な緩衝面を形成し、前記回転輪の回転半径よりも、前記緩衝面の曲率半径を大きく形成した。
上記スライドドアの揺れ止め構造は、前記緩衝面が前記段部と接触するように、前記副回転輪の回転角度を規制する係止部を設けることができる。
また、スライドドアの揺れ止め構造の前記副回転輪には、前記軸部材に軸支される底部を形成し、該底部面に主回転輪が接触するように配設し、前記主回転輪には該回転輪を前記副回転輪の底部面側へ押圧する押圧部材を設けることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のスライドドアの揺れ止め装置は、懸架レールから吊り下げられ、該懸架レールに沿って移動するスライドドアの移動方向に対して直角方向への移動を規制し、前記スライドドアの下部に臨んで、床面側に設けられた軸部材に回転可能に軸支される回転輪を備えたスライドドアの揺れ止め装置において、前記軸部材には、前記回転輪を内蔵する副回転輪が軸支され、該副回転輪は前記回転輪が前記スライドドアの下部に臨む位置を少なくとも開放する開放部を形成し、該開放部の周方向両端部には、前記スライドドアの下部に臨み該スライドドアに形成された段部と接触可能な緩衝面を形成し、前記回転輪の回転半径よりも、前記緩衝面の曲率半径を大きく形成したので、スライドドアに主回転輪と副回転輪とが接触し、スライドドアに対する見かけ状の接触面積を大きくして、スライドドアを安定して支持することができる。
本発明のスライドドアの揺れ止め構造は、懸架レールから吊り下げられ、該懸架レールに沿って移動するスライドドアを設け、該スライドドアの移動方向に対して直角方向への移動を規制する回転輪が、前記スライドドアの下部に臨んで、床面側に設けられた軸部材に回転可能に軸支され、該スライドドアの下部には、該スライドドア縦框と横框との接続部に、前記回転輪側に段差を有する段部が形成され、該段部がスライドドアの移動に伴って前記回転輪の外周面と接触するスライドドアの揺れ止め構造において、前記軸部材には、前記回転輪を内蔵する副回転輪が軸支され、該副回転輪は前記回転輪が前記スライドドアの下部に臨む位置を少なくとも開放する開放部を形成し、該開放部の周方向両端部には、前記スライドドアの下部に臨み前記段部と接触可能な緩衝面を形成し、前記回転輪の回転半径よりも、前記緩衝面の曲率半径を大きく形成したので、段部が小さな半径の主回転輪に直接、接触することなく、大きな曲率を有する副回転輪の緩衝面と直接接触するので、衝撃音のような不快音を軽減若しくは防止することができる。
上記スライドドアの揺れ止め構造は、前記緩衝面が前記段部と接触するように、前記副回転輪の回転角度を規制する係止部を設けたので、副回転輪がスライドドア側に大きくはみ出すことによって、スライドドアを押圧することを防止する。
上記スライドドアの揺れ止め構造の前記副回転輪には、前記副回転輪には、前記軸部材に軸支される底部を形成し、該底部面に主回転輪が接触するように配設し、前記主回転輪には該回転輪を前記副回転輪の底部面側へ押圧する押圧部材を設けるようにしたので、副回転輪が主回転輪とともに確実に回転し、副回転輪の緩衝面と段部が接触する位置を調整することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態におけるスライドドアの揺れ止め構造について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかるスライドドアの揺れ止め構造を採用しているスライドドアの取付部を示し、スライドドア1は建物の出入り口に配設されている。このスライドドア1がスライドする領域の周囲は、懸架レール3、床面4、左右方立て5,6から構成され、懸架レール3には、スライドドア1をスライド移動させるための機構部材収容部7が設けられている。機構部材収容部7には、スライドドア1を作動させるための駆動モータ、ベルトなどが配設されているが、これらの機構については、周知の機構が使用できるので、詳細な説明は省略する。
スライドドア1を構成する外枠は、上下横框2a,2bとこれらの両端部に配設される縦框2c,2dとで構成されている。
【0010】
スライドドア1は、上部に取付けられている吊り下げ部材9,9が、懸架レール3によって吊り下げられ、懸架レール3の一端から他端までスライド移動することができる。図1に示す状態では、スライドドア1は、閉鎖位置にあり、スライドドア1が矢印X方向にスライド移動すると、出入り口は開放される。
スライドドア1の側部の床面4には、中方立てに位置させてスライドドア1の揺れ防止機構10が配設されている。揺れ防止機構10は、吊り下げ状態でフリー状態にあるスライドドア1の揺れを防止して、風などでスライドドア1に外力が加わったときに、スライドドア1の揺れを防止する働きをする。
【0011】
図2は揺れ防止機構10の平面図、図3はその断面図である。
揺れ防止機構は10、主として主回転輪11と副回転輪12及びこれらの回転輪11,12を軸支する支柱シャフト13とから構成されている。支柱シャフト13は、スライド板31にその中心軸を垂直方向に向けて軸支され、スライド板31は床面4若しくは中方立て(図7参照)に固定される基台30にスライドできるように取付けられている。
支柱シャフト13には、主回転輪11が軸支され、樹脂製の主回転輪11は内部がほぼ中空に形成されている。主回転輪11の内周部における上下方向の中間部及び下部には、主回転輪11の半径方向内側に突出する小径部19,20が形成され、これらの小径部19及び20の間にはボールベアリング14が配設されている。このボールベアリング14により、主回転輪11は支柱シャフト13を回転軸として円滑に回転することができる。
【0012】
主回転輪11の上部には、大径孔21が形成され、大径孔21には、スプリング押さえプレート16を嵌合している。スプリング押さえプレート16の上面には支柱シャフト13の外周部に固定されている軸用止め輪17が装着され、この軸用止め輪17はスプリング押さえプレート16の上方への抜け止めの役割を果たし、同時に主回転輪11の抜け止めの役割を果たしている。このスプリング押さえプレート16と上述した小径部19との間には、スプリング15が圧縮状態で配設されている。スプリング押さえプレート16は主回転輪11の内周面には固定されず、フリー状態で装着されているので、スプリング15は主回転輪11を下方側に付勢させる役割を果たしている。
【0013】
副回転輪12は、樹脂製の変形形状の回転体であり、下端部の底部24が支柱シャフト13に回転可能に軸支され、底部24よりも上側は、主回転輪11の外周部を内部に包容するように配設されている。副回転輪12は、主回転輪11がスライドドア1に面する部分を開放する開放部33を形成し、主回転輪11がスライドドア1の図1に示す、下框2b、縦框2c、2dと接触ができるように形成されている。開放部33の両側部には、緩衝面34,35が形成されている。この緩衝面34,35は、主回転輪11の半径よりも十分に曲率半径の大きな曲線で形成することが必須である。
【0014】
スライド板31の上面には、上方に突出する固定突部25が形成され、副回転輪12のスライドドア1がある位置と反対側の外周面には、副回転輪12の周方向へ間隔を空けて一対の規制突起22,23を、径方向の外側に突出させて形成している。この規制突起22,23は突部25を跨ぐようにして配設されている。したがって、副回転輪12が時計回りに回転すると規制突起22が突部25によって規制され、副回転輪12の時計回り方向の回転が規制される。副回転輪12が反時計回りに回転すると規制突起23が突部25によって規制され、副回転輪12の反時計回りの回転が規制される。
【0015】
副回転輪12の回転が規制される範囲は、図4のAに示すように、副回転輪12が回転して規制部22が突部25に規制された状態で、主回転輪11がスライドドア1に接する接線sと緩衝面34,35の外側端部34a,35aまでの間隔Lがスライドドア1の段差1aの突出長さより大きくする必要がある。図4のBに示すように、緩衝面34,35が接線sよりも飛び出さないようにする必要がある。
副回転輪12の底部24の下面とスライド板31との間には、上側にポリスライダ37が支柱シャフト13に嵌合し、ポリスライダ37の下側に座金38が支柱シャフト13に嵌合している。
【0016】
スライドドア1の下横框2bと縦框2c,2dの接続は、図5のA〜C及び図6のA〜Cに示すように、下横框2bに縦框2c,2dに形成された嵌入部2e(図5A参照)に下横框2bを差し込んで接続されているため、その嵌入部の板厚分だけ下横框2bの端部に段差1aが生じる。
なお、スライド板31は、スライド板31を図示しない摺動手段によって、主回転輪11及び副回転輪12をスライドドア1側に近接させたり離間させたりして、スライドドア1の厚みに合わせて位置調整を図ることができる。
【0017】
このような構成により、スライドドア1が閉鎖位置ある状態からスライドドア1を開くと、図1に示すスライドドア1が懸架レール3に吊り下げられたまま、図面の左側にスライド移動する。この際、スライドドア1の下框2bと主回転輪11とが接している状態(なお、主回転輪11は必ずしもスライドドア1の側面に接しているとは限らない)では、図6のCに示すスライドドア1の閉鎖状態から、図5のAに示すようにスライドドア1の左側への移動に連られて、主回転輪11が反時計回りに回転する。すると、主回転輪11は、図3に示すスプリング15の作用によって、下側に付勢力を加えるようにしているので、主回転輪11の下面と副回転輪12の底部24の上面との摩擦によって、副回転輪12が反時計回りに回転する。副回転輪12には、規制部23を取付けているので、主回転輪11が回転状態にあっても規制部23と突部25とが接触して、副回転輪12の回転が一定角度に規制される。
【0018】
図5のBに示すように、スライドドア1が開放位置になる直前で、スライドドア1の段差1aと副回転輪12の緩衝面34とが接触する。この際、緩衝面34の曲率半径は主回転輪11の半径と比較して十分に大きな曲率半径であるので、主回転輪11と段差1aとが直接接触した状態と比較して、緩衝面34が接触したときの衝撃が小さく、副回転輪12は円滑に段差1aを乗り上げることができる。その後、段差1aが主回転輪11の外周面と接触しても、段差1aが緩衝面34に乗り上げた後であり、緩衝面34が、スライドドア1と主回転輪11の当接面に対して、ほぼ直線上に連続しているので、段差1aが主回転輪11と接触するときの衝撃は殆どない。
なお、スライドドア1と主回転輪11とが接触することなく、副回転輪12が回転しなくても、図4のAに示すように、間隔Lの幅を段差1a高さより大きく形成し、そのような場合でも緩衝面34に段差1aが接触するので支障はない。スライドドア1は、この後、図5のCに示すように、スライドドア1は開放位置に配置される。
【0019】
通行人が通路を通り抜けたときは、スライドドア1は自動的に、図6のAに示すように、閉鎖位置となる右側へ移動する。この際、スライドドア1の下框2bと主回転輪11とが接している状態では、図5のCに示すスライドドア1の開放位置から、図6のAに示すようにスライドドア1の右側への移動に連られて、主回転輪11が時計回りに回転する。すると、主回転輪11は、図3に示すスプリング15の下側への付勢力によって、主回転輪11の時計回りの回転に伴って、副回転輪12が時計回りに回転する。副回転輪12には、規制部22を取付けてあるので、突部25と接触して、副回転輪12の回転が一定角度に規制される。
【0020】
図6のBに示すように、スライドドア1が閉鎖位置になる直前で、スライドドア1の段差1aと副回転輪12の緩衝面35とが接触する。この際、緩衝面35の曲率半径は主回転輪11の半径と比較して十分に大きな曲率半径であるので、主回転輪11と段差1aとが直接接触した状態と比較して、緩衝面35が接触したときの衝撃が小さく、段差1aは円滑に副回転輪12に乗り上げることができる。そして、図6のCに示すように、スライドドア1は閉鎖位置となる。
このように、本実施形態では、段差1aを直接主回転輪11に当てることなく、副回転輪12の緩衝面34,35の曲率半径を主回転輪11の半径よりも十分に大きくし、段差1aを緩衝面34,35に一旦接触させてから主回転輪11に接触させることで、円滑に段差1aが緩衝面34,35及び主回転輪11を乗り越えることができる。
よって、スライドドア1の段差1aと主回転輪11及び副回転輪12とが接触しても、衝撃音のような不快音を軽減若しくは防止することができる。
【0021】
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。
例えば、上記実施形態では、主回転輪11と副回転輪12との間に摩擦を与えるために、スプリング15をスプリング押さえプレート16と小径部19との間に配設し、主回転輪11を下方の副回転輪12の底部24へ付勢させたが、スプリング15に代えてバネワッシャや板バネのようなもので、主回転輪11を下側に付勢させてもよい。
また、副回転輪12の回転角度を規制するため、摺動板31に突部25を形成し、副回転輪12に規制部22,23を形成したが、例えば、スライド板31に副回転輪12の底部24に達するピンを立設させ、底部24にはピン孔を形成し、そのピンをピン孔に遊嵌させて、副回転輪12の回転角を規制してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のスライドドアの揺れ止め構造を採用しているスライドドアとその周辺の全体図である。
【図2】本発明のスライドドアの揺れ止め構造の揺れ防止機構の平面図である。
【図3】図2の揺れ防止機構におけるX−X線方向の断面図である。
【図4】図4のAは、揺れ防止機構の副回転輪の規制部が突部に当接して副回転輪の回転が規制されている状態の平面図、Bは、突部を省略して緩衝面が主回転輪よりもスライドドア側に突出した不適当な例の平面図である。
【図5】本発明の揺れ防止機構とスライドドアの段差との関係を示す図であって、Aはスライドドアの閉鎖位置からスライドドアが開放位置方向に移動している状態の平面図、Bはスライドドアが開放位置の直前まで移動してきた状態の平面図、Cはスライドドアが開放位置まで移動した状態の平面図である。
【図6】本発明の揺れ防止機構とスライドドアの段差との関係を示す図であって、Aはスライドドアの開放位置からスライドドアが閉鎖位置方向に移動している状態の平面図、Bはスライドドアが閉鎖位置の直前まで移動してきた状態の平面図、Cはスライドドアが閉鎖位置まで移動した状態の平面図である。
【図7】従来のスライドドアの揺れ止め構造を採用したスライドドア部の平面図である(なお、図中の回転輪以外は、本実施例と同じ構造である)。
【図8】従来の揺れ防止機構とスライドドアの段差との関係を示す図であって、Aはスライドドアの閉鎖位置からスライドドアが開放位置方向に移動している状態の平面図、Bはスライドドアが開放位置の直前まで移動してきた状態の平面図、Cはスライドドアが開放位置まで移動した状態の平面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 スライドドア
1a 段差
3 懸架レール
10 揺れ防止機構
11 主回転輪
12 副回転輪
13 支柱シャフト
15 スプリング
22,23 規制部
25 突部
34,35 緩衝面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸架レールから吊り下げられ、該懸架レールに沿って移動するスライドドアの移動方向に対して直角方向への移動を規制し、前記スライドドアの下部に臨んで、床面側に設けられた軸部材に回転可能に軸支される回転輪を備えたスライドドアの揺れ止め装置において、
前記軸部材には、前記回転輪を内蔵する副回転輪が軸支され、該副回転輪は前記回転輪が前記スライドドアの下部に臨む位置を少なくとも開放する開放部を形成し、該開放部の周方向両端部には、前記スライドドアの下部に臨み該スライドドアに形成された段部と接触可能な緩衝面を形成し、前記回転輪の回転半径よりも、前記緩衝面の曲率半径を大きく形成したことを特徴とするスライドドアの揺れ止め装置。
【請求項2】
前記緩衝面が前記段部と接触するように、前記副回転輪の回転角度を規制する係止部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスライドドアの揺れ止め装置。
【請求項3】
前記副回転輪には、前記軸部材に軸支される底部を形成し、該底部面に主回転輪が接触するように配設し、前記主回転輪には該回転輪を前記副回転輪の底部面側へ押圧する押圧部材を設けるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドドアの揺れ止め装置。
【請求項4】
懸架レールから吊り下げられ、該懸架レールに沿って移動するスライドドアを設け、該スライドドアの移動方向に対して直角方向への移動を規制する回転輪が、前記スライドドアの下部に臨んで、床面側に設けられた軸部材に回転可能に軸支され、
該スライドドアの下部には、該スライドドア縦框と横框との接続部に、前記回転輪側に段差を有する段部が形成され、該段部がスライドドアの移動に伴って前記回転輪の外周面と接触するスライドドアの揺れ止め構造において、
前記軸部材には、前記回転輪を内蔵する副回転輪が軸支され、該副回転輪は前記回転輪が前記スライドドアの下部に臨む位置を少なくとも開放する開放部を形成し、該開放部の周方向端部には、前記スライドドアの下部に臨み前記段部と接触可能な緩衝面を形成し、前記回転輪の回転半径よりも、前記緩衝面の曲率半径を大きく形成したことを特徴とするスライドドアの揺れ止め構造。
【請求項5】
前記緩衝面が前記段部と接触するように、前記副回転輪の回転角度を規制する係止部を設けたことを特徴とする請求項4に記載のスライドドアの揺れ止め構造。
【請求項6】
前記副回転輪には、前記軸部材に軸支される底部を形成し、該底部面に主回転輪が接触するように配設し、前記主回転輪には該回転輪を前記副回転輪の底部面側へ押圧する押圧部材を設けるようにしたことを特徴とする請求項4又は5に記載のスライドドアの揺れ止め構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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