説明

スライド式開閉体の指挟み防止構造

【課題】簡素な構造で、しかも確実に開閉体の移動速度に応じて指挟み防止の作動を制御することができる指挟み防止構造を提供する。
【解決手段】開閉体2に固定されたストッパー部材4を構成する慣性体6と付勢手段7の協働により、開閉体2の移動速度に応じて係止体8がストッパー部材4からの突出の有無が切り替わるようになされており、開閉体2の移動速度によって、開閉体2の移動の規制の有無が切り替わるようになされている。慣性体6がロータリーダンパー6であって、ロータリーダンパー6が開閉体2の開閉に伴い固定枠3との摩擦により回転し、開閉体2の開閉速度に応じたロータリーダンパー6の回転に対する抵抗力を発生するようになされているとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシなどスライド式開閉体の指挟み防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サッシなどスライド式の開閉体を閉じる際に固定枠との間で指を挟まないための指挟み防止構造として、ストッパーに当接させることで開閉体の移動を規制するものや、ダンパーを用いたもの、開閉体と固定枠のそれぞれに磁石を取り付け、開閉体の移動速度に反応する磁石の反発力によりストッパーを制御して開閉体の閉まる速度に応じて開閉体の動きを規制するものなど、さまざまな構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−203663号公報
【特許文献2】特開2010−196392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ストッパーに当接させることで開閉体の移動を規制する構造では、簡易な構成で確実に開閉体の動きを強制的に規制することができるため、開閉体による指挟みを確実に防止することができるが、指挟みを防止する配慮の必要のないゆっくりとしたスピードの開閉体の移動時にも指挟み防止構造が働いてしまい、開閉体の日常的な使用に支障をきたしてしまう。
【0005】
一方、ダンパーの減衰力を利用した指挟み防止構造では、万が一指を挟んでしまった場合の衝撃を緩和できるだけでなく、ダンパーの減衰力が開閉体自体の動きに上質感を起こさせる効果も発揮するが、近年、遮音性能や断熱性能の向上のため開閉体の重量が重くなっており、それに伴い、ダンパーに高い減衰力がもとめられ、ダンパーの大型化やそもそも減衰力が不足してしまうという懸念が生じてしまう。
【0006】
また、磁石を利用したストッパーの制御による指挟み防止構造では、磁石そのものの磁性体としてのバラツキが大きく、開閉体の速度によるストッパーの作動の制御が難しいといった問題があった。
【0007】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、簡素な構造で、しかも確実に開閉体の移動速度に応じて指挟み防止の作動を制御することができる指挟み防止構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、開閉体に固定されるストッパー部材と、
該開閉体がスライドする固定枠に固定されるストッパー受け材とからなるスライド式開閉体の指挟み防止構造であって、
該ストッパー部材は、
開閉体の開閉方向に移動可能な慣性体と、
該慣性体を開閉体の開閉方向に付勢する付勢手段と、
該慣性体の移動に連動してストッパー部材から突出する係止体とからなり、
該開閉体が所定速度よりも速く閉まると、慣性体が付勢手段に抗して移動し、慣性体の移動に連動して係止体がストッパー部材から突出し、係止体がストッパー受け材に当接して開閉体の移動が規制され、
該開閉体が所定速度よりも遅く閉まると、慣性体が付勢手段により移動を規制され、係止体がストッパー部材から突出せず、係止体がストッパー受け材に当接せず開閉体の移動が規制されないことを特徴とするスライド式開閉体の指挟み防止構造により解決される。
【0009】
この指挟み防止構造では、開閉体に固定されたストッパー部材を構成する慣性体と付勢手段の協働により、開閉体の移動速度に応じて係止体の、ストッパー部材からの突出の有無が切り替わるようになされており、開閉体の移動速度によって、開閉体の移動の規制の有無が切り替わるようになされている。つまり、開閉体の移動速度が遅いときは、係止体がストッパー部材から突出せず、係止体が固定枠に固定されたストッパー受け材に当接せず開閉体の移動が規制されないようになされているので、開閉体が指挟みの危険のない遅い速度で動かされたときには、開閉体の動きが規制されず、開閉体の自由な開閉を行うことができる。一方、開閉体の移動速度が速いときは、係止体がストッパー部材から突出し、係止体が固定枠に固定されたストッパー受け材に当接し開閉体の移動が規制するようになされているので、開閉体が指挟みの危険のある速度以上で動かされたときには、開閉体の動きが規制され開閉体と固定枠との間で指を挟むことを防止することができる。
【0010】
そして指挟み防止の作動の有無を慣性体と付勢手段との協働により実現しているので、簡素な構造でありながら、確実に指挟み防止構造の稼動を実現することができる。
【0011】
この指挟み防止構造において、前記慣性体が開閉体の開閉方向を接線方向として回転するロータリーダンパーであり、
該ロータリーダンパーの外周面部が固定枠と当接しており、ロータリーダンパーは開閉体の開閉に伴い固定枠との摩擦により回転し、開閉体の開閉速度に応じた抵抗力を発生するとよい。
【0012】
慣性体がロータリーダンパーであって、該ロータリーダンパーが開閉体の開閉に伴い固定枠との摩擦により回転し、開閉体の開閉速度に応じたロータリーダンパーの回転に対する抵抗力を発生するようになされているので、開閉体の移動速度に応じて、ロータリーダンパーに固定枠との摩擦により回転することに抵抗する抵抗力が発生し、設定した以上の回転速度でロータリーダンパーが回転するとその回転に対する抵抗力が増し、ロータリーダンパーの回転が規制される。そのため、ロータリーダンパーと固定枠間にすべりが発生し、ローダリーダンパーが付勢手段の付勢に抗して移動し、ロータリーダンパーと付勢手段の協働により、開閉体の移動速度に応じて係止体がストッパー部材からの突出の有無が切り替わるようになされている。
【0013】
つまり、開閉体の移動速度が遅いときは、固定枠との摩擦により回転するロータリーダンパーの回転速度も遅く、ロータリーダンパーには固定枠との摩擦にすべりを生じさせるだけの抵抗力が発生しない。一方、開閉体の移動速度が速いときは、固定枠との摩擦により回転するロータリーダンパーの回転速度も速く、ロータリーダンパーには固定枠との摩擦にすべりを生じさせるだけの抵抗力が発生する。その結果、ロータリーダンパーは付勢手段の付勢に抗して、ロータリーダンパーは移動し、ロータリーダンパーの移動により係止体がストッパー部材から突出し、固定枠に固定されたストッパー受け材に当接し開閉体の移動が規制するようになされている。
【0014】
この指挟み防止構造において、前記ストッパー部材に、前記ロータリーダンパーの固定枠への当接位置を調整する調整機構が備えられているとよい。
【0015】
ストッパー部材にロータリーダンパーの調整機構が備えられているので、ロータリーダンパーが固定枠との摩擦により適切に回転する位置にロータリーダンパーを確実に取り付けることができる。
【0016】
また、この指挟み防止構造において、前記ストッパー部材は、
慣性体と付勢手段と係止体を備えた本体部と、
該本体部を開閉体に取り付ける本体カバー部とからなり、
前記調整機構がカバー材に対する本体部の取付位置の調整により実現されているとよい。
【0017】
ストッパー部材が、本体部と本体カバー部とからなり、調整機構がカバー材に対する本体部の取付位置の調整により実現されているので、簡素な構造で、ロータリーダンパーが固定枠との摩擦により適切に回転する位置にロータリーダンパーを確実に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上のとおりであるから、簡便な構造で、しかも確実に開閉体の移動速度に応じて指挟み防止の作動を制御することができる指挟み防止構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態であるスライド式開閉体の指挟み防止構造を適用した開閉体を示す図であって、図(イ)は要部拡大正面図、図(ロ)は全体正面図である。
【図2】図(イ)はストッパー部材を示す正面図、図(ロ)はストッパー部材を本体部と本体カバー部に分離した状態を示す正面図である。
【図3】図(イ)は本体部を示す正面図、図(ロ)は支持体を示す正面図、図(ハ)はガイド部を示す正面図である。
【図4】図(イ)は、ストッパー部材を示す斜視図、図(ロ)は本体部を示す斜視図、図(ハ)は本体カバー部を示す斜視図、図(ニ)は支持体を示す斜視図、図(ホ)はガイド部を示す斜視図である。
【図5】ストッパー部材の本体カバー部に対する本体部の位置を調整する方法を示す正面図である。
【図6】指挟み防止構造の作動状況を説明する図であって、図(イ)は障子の移動速度が遅い場合を示す正面図、図(ロ)は障子の移動速度が速い場合を示す正面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態であるスライド式開閉体の指挟み防止構造の本体部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1に示す本発明の第1の実施形態であるスライド式開閉体の指挟み防止構造1において、2はスライド式開閉体の指挟み防止構造1が適用される開閉体としての障子、3は障子が設けられる固定枠であり、固定枠3内を障子2が水平方向に移動可能に設置されている。
【0022】
スライド式開閉体の指挟み防止構造1は、障子2に取り付けられるストッパー部材4と、固定枠3に取り付けられるストッパー受け材5とからなる。
【0023】
図2に示すように、ストッパー部材4は、慣性体としてのロータリーダンパー6と付勢手段7と係止体8を備えた本体部9と、本体部9を障子2に取り付けるための本体カバー部10とからなる。11,11は本体部9の取付位置を調整し、後述するように、慣性体としてのロータリーダンパー6が固定枠3に当接するようにするための調整機構としての螺子である。螺子11,11を締めたり緩めたりすることで、本体カバー部10に対する本体部9の高さ方向の位置を調整することができ、障子2に対して本体部9を適切な位置に取り付けることができる。
【0024】
図3,4に示すように、ストッパー部材4の本体部9は、ガイド部12とガイド部12内に摺動可能に取り付けられた、ロータリーダンパー6と付勢手段7と係止体8とを備えた支持体13により構成される。支持体13はガイド部12内を摺動可能に取り付けられているが、支持体13に備えられた付勢手段7により外部から力が加わらない限りガイド部12内の所定の箇所に位置するようになされている。
【0025】
支持体13は、中央板部13aと中央板部13aの両端側よりそれぞれ直角に屈曲した側板部13b,13bからなる断面視コの字型の支持片133の内側に、ロータリーダンパー6をロータリーダンパー6の軸心6aを側板部13b,13bで支持するように取り付けられて構成されている。なお、ロータリーダンパーとは、回転軸を中心に回転し、回転速度に依存して回転方向の抵抗力を変化するようになされたものである。
【0026】
さらに、支持片133の内側には、L字型の係止体8がその一方の片部にその片部の延びる方向に沿って設けられた長孔8aに、側板部13b,13b間に渡された支持軸8bを介して取り付けられている。
【0027】
また、支持片133の中央板部13aの外側には、付勢手段7としてのバネ7が取り付けられている。
【0028】
ガイド部12は上面側が開放された函体であり、ガイド部12の側面部には、支持片133の側板部13b,13bがガイド部12内を摺動するときの案内となる溝部12a,12aが設けられおり、また、係止片8を回転可能に支持するピンを取り付ける孔12b,12bが設けられ、係止体8は孔12b,12bに渡される支持軸12dで取り付けられる。なお、ガイド部12の内側にある12cは、支持体13のバネ7が当接する当接部である。
【0029】
支持体13は、ガイド部12の内側に摺動可能に取り付けられている。支持体13の係止体8は、ガイド部12および支持体13のそれぞれの支持軸12d,8bにより回転可能に支持されており、係止体8の回転の中心軸となる支持軸12dと係止体8の状態を規制する支持軸8bとの協働により、支持体8のガイド部12内の位置に応じて、係止体8の一方の端部が、本体部9より突出したり、本体部9内に納まったりするようになっている。
【0030】
図5に示すように、ストッパー部材4を障子2に上端側に取り付けた後、ストッパー部材4の下端に設けた螺子11,11を締めたり緩めたりすることで、本体カバー部10に対する本体部9の高さ方向位置を調整することができ、ロータリーダンパー6が固定枠3に当接し、障子2の開閉時に固定枠3との適切な摩擦によりロータリーダンパー3が回転するように調整することができる。
【0031】
このスライド式開閉体の指挟み防止構造1は、障子の開閉時に次のように作動する。なお、図6では、理解の容易のため、障子2やストッパー部材4の本体カバー部10を省略して記載している。
【0032】
図6(イ)に示すように、障子2を閉める速度(図6では、左方向を障子2の閉じる方向とする。)が設定した基準値よりも低い場合、固定枠との摩擦により回転するロータリーダンパーの回転速度も遅く、ロータリーダンパーには固定枠との摩擦にすべりを生じさせるだけの抵抗力が発生せず、付勢手段7の付勢力に抗して支持体13が移動することはなく、又は移動しても微小な移動であるため、係止体8は係止体8の状態を規制する支持軸8bにより支持軸12dを中心軸として回転することがなく、係止体8の一方の端部がストッパー受け材5に当接する位置まで突出することがない。そのため、障子2は、ストッパー受け材5に動きを規制されることなく閉めることができる。なお、係止体8が作動する設定した速度は任意に定められ、設定した速度に応じて作動するロータリーダンパー3や付勢手段7が選択される。
【0033】
一方、 図6(ロ)に示すように、障子2を閉める速度が設定した基準値以上の場合、固定枠との摩擦により回転するロータリーダンパーの回転速度も速く、ロータリーダンパーには固定枠との摩擦にすべりを生じさせるだけの抵抗力が発生し、付勢手段7の付勢力に抗して支持体13が移動し、係止体8は係止体8の状態を規制する支持軸8bにより支持軸12dを中心軸として回転し、係止体8の一方の端部がストッパー受け材5に当接する位置まで突出する。そのため、障子2は、ストッパー受け材5に動きを規制され、係止体8がストッパー受け材5に当接する位置で停止し、障子2を完全に閉めることを防止することができる。
【0034】
係止体8の解除は、障子2の開ける方向に移動させることにより、係止体8とストッパー受け材5との当接が解除され、付勢手段7の付勢力により、支持片133が係止体8を突出させない位置に移動することより行われる。
【0035】
なお、本実施例では、ロータリーダンパー6と係止体8が障子2の移動方向の対して同一直線状に配置されているが、障子2に対するストッパー部材4の取付位置、固定枠3に対するストッパー受け材5の取付位置およびそれぞれの部材の形状が調整されており、障子2の締める速度が遅く、係止体が突出しない場合に、ストッパー部材5にロータリーダンパー6が当接して、障子2の移動を妨げることはない。
【0036】
図7に示す本発明の第2の実施形態であるスライド式開閉体の指挟み防止構造20における支持体12において、21は所定の質量をもった慣性体である。なお、図7には、理解の容易のため、本体部のみを示し、第1の実施形態と共通する構成要素については、同じ符号を付している。
【0037】
この指挟み防止構造20ではロータリーダンパーの代わりに一定の質量をもった慣性体を使用し、障子2が移動する速度に対する慣性体21の慣性力と付勢手段7との力の関係で、ガイド部12に対して支持体13を移動させ、係止体8の突出の有無を制御するようになされている。
【0038】
障子2を移動する速度が一定値以上になると慣性体21には付勢手段7の付勢力を上回る慣性力が生じ、付勢手段の付勢力に抗して支持体13が移動し、係止体8は係止体8の状態を規制する支持軸8bにより支持軸12dを中心軸として回転し、係止体8の一方の端部がストッパー受け材5に当接する位置まで突出する。そのため、障子2は、ストッパー受け材5に動きを規制され、係止体8がストッパー受け材5に当接する位置で停止し、障子2を完全に閉めることを防止することができる。
【0039】
この指挟み防止構造20では慣性体21に生じる慣性力を利用して支持体13の移動を制御しているため、慣性体21を固定枠3に当接させる必要がなく、障子2へのストッパー部材4の取り付けを容易にすることができる。さらに、慣性体21が固定枠3と接触しないため、障子2の開閉時に慣性体21と固定枠3との間の接触によるこすれ音が発生することがない。
【0040】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、係止体が断面視L字型をしており、その一方の片部にその片部の延びる方向に沿って設けられた長孔に支持軸を介して支持体に取り付けられ、ガイド部および支持体のそれぞれの支持軸により回転可能に支持されており、係止体の回転の中心軸となる支持軸と係止体の状態を規制する支持軸との協働により、支持体のガイド部内の位置に応じて、係止体の一方の端部が、本体部より突出したり、本体部内に納まったりするようになされている場合について示したが、係止体が突出する機構について制限はなく、他の方法であってもよいのはいうまでもない。
【0041】
また、ロータリーダンパーは回転速度に応じて抵抗力が発生するものであれば形式に制限はなく、オイルダンパーであってもよいし、電子制御など他の方法によってもよい。
【0042】
さらに、指挟み防止構造により制御させる開閉体の移動が規制される開閉速度は使用される部位、状況に応じて任意に設定されればよいのはいうまでもない。
【0043】
さらに、上記の実施形態では、障子が閉まるときに固定枠と障子との間で指が挟まることを防止するために、障子が閉まるときに障子の動きが規制される場合について示したが、障子が開くときに障子の動きが規制される場合に適用されてもよいのはいうまでもない。
【0044】
また、本実施例では、障子の締める速度が遅く、係止体が突出しない場合でも、ストッパー部材にロータリーダンパーが当接して、障子の移動を妨げることがないように、ロータリーダンパーと係止体が障子の移動方向の対して同一直線状に配置されていても、障子に対するストッパー部材の取付位置、固定枠に対するストッパー受け材の取付位置およびそれぞれの部材の形状により調整している場合について示したが、ロータリーダンパーと係止体を障子の移動方向に対して幅方向に位置をずらして配置することで、係止体が突出しない場合に、ストッパー部材にロータリーダンパーが当接して、障子の移動を妨げないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,20・・・スライド式開閉体の指挟み防止構造
2・・・障子(開閉体)
3・・・固定枠
4・・・ストッパー部材
5・・・ストッパー受け材
6・・・ロータリーダンパー(慣性体)
7・・・付勢手段
8・・・係止体
8a・・・長孔
8b・・・支持軸
9・・・本体部
10・・・本体カバー部
11・・・螺子(調整機構)
12・・・ガイド部
12a・・・溝部
12d・・・支持軸
13・・・支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体に固定されるストッパー部材と、
該開閉体がスライドする固定枠に固定されるストッパー受け材とからなるスライド式開閉体の指挟み防止構造であって、
該ストッパー部材は、
開閉体の開閉方向に移動可能な慣性体と、
該慣性体を開閉体の開閉方向に付勢する付勢手段と、
該慣性体の移動に連動してストッパー部材から突出する係止体とからなり、
該開閉体が所定速度よりも速く閉まると、慣性体が付勢手段に抗して移動し、慣性体の移動に連動して係止体がストッパー部材から突出し、係止体がストッパー受け材に当接して開閉体の移動が規制され、
該開閉体が所定速度よりも遅く閉まると、慣性体が付勢手段により移動を規制され、係止体がストッパー部材から突出せず、係止体がストッパー受け材に当接せず開閉体の移動が規制されないことを特徴とするスライド式開閉体の指挟み防止構造。
【請求項2】
前記慣性体が開閉体の開閉方向を接線方向として回転するロータリーダンパーであり、
該ロータリーダンパーの外周面部が固定枠と当接しており、ロータリーダンパーは開閉体の開閉に伴い固定枠との摩擦により回転し、開閉体の開閉速度に応じた抵抗力を発生する請求項1に記載のスライド式開閉体の指挟み防止構造。
【請求項3】
前記ストッパー部材に、前記ロータリーダンパーの固定枠への当接位置を調整する調整機構が備えられた請求項2に記載のスライド式開閉体の指挟み防止構造。
【請求項4】
前記ストッパー部材は、
慣性体と付勢手段と係止体を備えた本体部と、
該本体部を開閉体に取り付ける本体カバー部とからなり、
前記調整機構がカバー材に対する本体部の取付位置の調整により実現されている請求項3に記載のスライド式開閉体の指挟み防止構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−127094(P2012−127094A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278644(P2010−278644)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】