説明

スランプ値算出装置、スランプ値算出方法、スランプ値算出方法をコンピュータに実行させることが可能なプログラム、及び、このプログラムを記録した記録媒体

【課題】 混練工程においてコンクリートのスランプ値を早い段階で精度よく算出するスランプ値算出装置等を提供する。
【解決手段】 コンクリートの混練工程における混練時間と前記混練時間における混練ミキサーにかかる負荷値から混練中の前記コンクリートのスランプ値を算出するスランプ値算出装置100であって、前記混練時間と前記負荷値として得られる測定データ間の相互関係を示す第1の関数を決定し、前記第1の関数から導出される測定終了時の算出用混練時間における算出負荷値を算出する第1演算部114と、予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合におけるスランプ値と前記負荷値のデータに基づいて決定した相互関係を示す第2の関数に前記算出負荷値を代入して最終スランプ値を算出する第2演算部116とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スランプ値算出装置、スランプ値算出方法、スランプ値算出方法をコンピュータに実行させることが可能なプログラム、及び、このプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、コンクリートの混練工程における混練時間とミキサーに掛かる電力量から混練中のコンクリートのスランプ値を算出するスランプ値算出装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは、主として含水率が高いか低いかにより、軟度や流動性が異なってくる。この軟度や流動性の程度を示す試験の一つとしてスランプ値により試験する方法がある。スランプ値とは、上面の内径が10cm、下面の内径が20cm、高さが30cmのコーンに詰めたコンクリートに対して、コーンを引き抜いた際の高さと引き抜く前の高さの差である。スランプ値が大きいとコンクリートは、軟らかいコンクリートということになる。
【0003】
従来、コンクリートの混練工程においてコンクリートのスランプ値を測定する方法として、実際に目で見てスランプ値を測定する方法や、混練するミキサー羽根の消費電力や回転軸に取り付けたトルクメーターの回転トルクを測定してスランプ値に変換する方法が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献2に示す技術では、生コンクリートの配合率(以下、配合番号とする)及び混練量が同じ場合で、且つ、混練工程のある時点以降という条件で以下に示す方法でスランプ値を推定するものである。
【0005】
生コンクリートの混練に使用されるミキサー駆動モーターの負荷値の無負荷状態からの偏差量(SML)と、該偏差量(SML)の単位時間当たりの変化量(ΔSML)とを測定し、この測定したΔSMLが最大値となった以降に、予め測定されたスランプ値(SLX)が既知のミキサー駆動モーターの負荷値の無負荷状態からの偏差量(SMLX)の時系列データと、該偏差量(SMLX)の単位時間当たりの変化量(ΔSMLX)の時系列データから、上記測定されたΔSMLと一致するΔSMLXに対応するSMLXの値(MLX)を求め、このスランプ値(SLX)が既知のMLXと測定されたSMLとを比較することにより、混練中にある生コンクリートのスランプ値(SL)を推定する技術である。
【0006】
【特許文献1】特開平1−113661号公報
【特許文献2】特許第3110590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、実際に目で見てスランプ値を測定する方法では、熟練者であれば高い精度のスランプ値の推定が可能であるが、そうでない者は正確に推定することは困難である。
【0008】
また、特許文献1に示す技術では、混練する際に原料の量(混練量)や、その日の湿度による原料の含水率の違いにより消費電力量やトルク値が変動して、正確なスランプ値を推定できないという問題がある。
【0009】
さらに、特許文献2に示す技術では、ΔSMLが最大となった時点(偏曲点)以降にしか精度良く推定を行うことができないため、測定の終了間際にならないと正確なスランプ値を得ることができない。また、配合番号及び混練量が同じ場合には予め測定されたデータからスランプ値を推定できるが、混練量が違った場合には適用ができない。
【0010】
ゆえに、本発明は、混練工程においてコンクリートのスランプ値を早い段階で精度よく算出するスランプ算出装置、スランプ算出方法、スランプ算出方法をコンピュータが実行することが可能なプログラム、及び、そのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、コンクリートの混練工程における混練時間と前記混練時間における混練ミキサーにかかる負荷値から混練中の前記コンクリートのスランプ値を算出するスランプ値算出装置であって、前記混練時間と前記負荷値として得られる測定データ間の相互関係を示す第1の関数を決定し、前記第1の関数から導出される測定終了時の算出用混練時間における算出負荷値を算出する第1演算手段と、予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合におけるスランプ値と前記負荷値のデータに基づいて決定した相互関係を示す第2の関数に前記算出負荷値を代入して最終スランプ値を算出する第2演算手段とを備えるスランプ値算出装置である。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のスランプ値算出装置であって、前記測定データとして得られる前記負荷値の少なくとも1つの値と予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合における負荷値とを用いて補間処理することで予測データを算出する予測手段を備える。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のスランプ値算出装置であって、前記第1演算手段は前記負荷値を表すYと前記混練時間を表すXの関係を示す関数を下記式に示す3次関数で近似して決定することを特徴とする。

【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれかに記載のスランプ値算出装置であって、前記第2演算手段は前記スランプ値を表すSと前記負荷値を表すYの関係を示す関数を下記式に示す2次関数で近似して決定することを特徴とする。

【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれかに記載のスランプ値算出装置であって、前記第1演算手段及び第2演算手段は、最小二乗法により前記第1の関数及び第2の関数を近似して決定することを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれかに記載のスランプ値算出装置であって、前記第1の関数の式に関連付けて前記測定データを記憶するデータ管理手段を備える。
【0017】
請求項7に係る発明は、コンクリートの混練工程における混練時間と前記混練時間における混練ミキサーにかかる負荷値から混練中の前記コンクリートのスランプ値を算出するスランプ値算出方法であって、第1演算手段が前記混練時間と前記負荷値として得られる測定データ間の相互関係を示す第1の関数を決定し、前記第1の関数から導出される測定終了時の算出用混練時間における算出負荷値を算出する第1演算ステップと、第2演算手段が、予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合におけるスランプ値と前記負荷値のデータに基づいて決定した相互関係を示す第2の関数に前記算出負荷値を代入して最終スランプ値を算出する第2演算ステップとを含むスランプ値算出方法である。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項7記載のスランプ値算出方法であって、予測手段が前記測定データとして得られる前記負荷値の少なくとも1つの値と予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合における負荷値とを用いて補間処理することで予測データを算出するステップを含む。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項7または8記載のスランプ値算出方法であって、前記第1演算ステップは前記負荷値を表すYと前記混練時間を表すXの関係を示す関数を下記式に示す3次関数で近似して決定することを特徴とする。

【0020】
請求項10に係る発明は、請求項7から9のいずれかに記載のスランプ値算出装置であって、前記第2演算ステップは前記スランプ値を表すSと前記負荷値を表すYの関係を示す関数を下記式に示す2次関数で近似して決定することを特徴とする。

【0021】
請求項11に係る発明は、請求項7から10のいずれかに記載のスランプ値算出装置であって、前記第1演算ステップ及び第2演算ステップは、最小二乗法により前記第1の関数及び第2の関数を近似して決定することを特徴とする。
【0022】
請求項12に係る発明は、請求項7から11のいずれかに記載のスランプ値算出方法であって、前記第1の関数の式に関連付けて前記測定データを記憶するデータ管理ステップを含む。
【0023】
請求項13に係る発明は、請求項7から12のいずれかに記載のスランプ値算出方法をコンピュータに実行させることが可能なプログラムである。
【0024】
請求項14に係る発明は、請求項13記載のプログラムをコンピュータが実行することが可能にて記録した記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、実際に目で見ずにスランプ値を算出できるため、熟練者じゃなくてもスランプ値の測定を簡単に行うことができる。
【0026】
また、本発明によれば、過去の測定データに基づいて最小二乗法により補間してスランプ値を算出するため、様々な原因による測定の誤差を減らすことができる。
【0027】
さらに、本発明によれば、測定の早い段階で最終のスランプ値を算出できるため、余裕を持って補正等の対応をすることができる。
【0028】
さらに、混練量が違った場合にも、過去のデータから決定された関数で最小二乗法により補間処理を行うことでスランプ値を算出することができる。
【0029】
さらに、個々の測定データは測定ごとに値を全部保持するのではなく、式の係数として保存して管理されるため、データ量が少なくて済み、大量のデータを保存することが可能となり、その蓄積されたデータに基づいて精度の高いスランプ値の算出が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態を以下に説明する。
【0031】
図1は、本発明のスランプ値算出装置の構成の一例を示したブロック図である。
【0032】
スランプ値算出装置100は、処理部110とデータ部120とを備える。処理部110は、入力処理部112と算出部115と予測部117と出力処理部118とを備える。算出部115は、第1演算部114と第2演算部116とを備える。データ管理部120は、蓄積データ部122を備える。
【0033】
実際のスランプ値の測定処理について概要を説明する。測定部130が測定した混練中のミキサーの消費電力量に基づく電流値や混練時間と測定の際の配合番号や混練量等の測定情報150がスランプ値算出装置100に入力される。入力されたデータを基に演算処理が行われ、スランプ値が算出されて、表示部160にその値及び波形が表示される。次に、スランプ値の予測処理について概要を説明する。まず、測定データがスランプ値算出装置100に入力される。その測定データと蓄積データ部122に記憶された過去の測定データから補間処理により予測データを決定する。その予測データに基づいて、算出部115と同じ方法で予測スランプ値が算出され、表示部160にその値及び波形が表示される。
【0034】
次に、本発明のスランプ値算出装置100の実際のスランプ値の測定処理について詳細に説明する。
【0035】
図2は、本発明のスランプ値算出装置の処理の一例を示したフロー図である。
【0036】
まず、ステップST201で、測定処理が行われる。この測定処理では、図1の測定部130がコンクリートをミキサーで混練する。電力検出部140は、混練中のミキサーからの消費電力を検出する。変換部160は、電力検出部140が検出した電力を電流値に変換する。変換された電流値は、スランプ値算出装置100の入力処理部112に入力される。この時、混練時間も入力される。さらに、測定の際の配合番号や混練量等の測定情報150も入力処理部112に入力される。
【0037】
ステップST202では、入力された情報を基に算出部115の第1演算部114が第1関数を決定する。
【0038】
ここで、第1関数の決定処理について詳細に説明する。発明者は、混練時間と電流値との相互関係を示す関数が、下記の式(1)に示す3次関数で近似できることを見出した。
【0039】
【数1】

【0040】
上記式(1)において、Xは混練時間でYは電流値である。測定データから上記(1)式を最小二乗法により近似して係数A、B、C、Dを算出する。図3は、測定データに対して式(1)に基づいて近似した関数の波形を模式的に示した図である。横軸は混練時間Xを示し縦軸は電流値Yを示す。波形300は、測定データを基に式(1)を近似して求められた波形である。また、破線で示す波形300a、300b、300cは配合番号が同じで混練量が異なる過去のデータが示す波形である。
【0041】
なお、実際は、同じ配合番号で同じ混練量であっても、湿度や含水率等の外的な要因により異なる波形を示すことが多い。例えば波形300aが示すデータと同じ配合番号で同じ混練量で測定した場合には、必ずしも波形300aに一致しない。しかし、ここでは説明の便宜上、同じ配合番号で同じ混練量の波形は同じものとして表示する。
【0042】
図2に戻って、ステップST203では、電流値の算出処理が行われる。図3に示すグラフから所定の混練時間Xにおける電流値Yを算出する。所定の混練時間Xとは混練が終了する時間であり最終スランプ値が決定するタイミングである。ここで算出された電流値Yは、後に決定される第2関数で補間処理を行う際に使用される。
【0043】
次に、ステップST204で、図1の第2演算部116により蓄積データ部122から過去の蓄積データが抽出される。抽出されるデータは、今回の測定条件と同じ配合番号の最終スランプ値と最終スランプ値における電流値のデータである。ステップST205では、ステップST204で抽出した最終スランプ値と電流値のデータに基づいて第2関数が決定される。
【0044】
ここで、第2関数の決定処理について詳細に説明する。発明者は、最終スランプ値と最終スランプ値における電流値との相互関係を示す関数が、下記の式(2)に示す2次関数で近似できることを見出した。
【0045】
【数2】

【0046】
上記式(2)において、Yは電流値でSはスランプ値である。抽出した過去のデータから上記(2)式を最小二乗法により近似して係数A、B、Cを算出する。図4は、過去の最終スランプ値と電流値のデータに対して式(2)に基づいて近似した関数の曲線を模式的に示した図である。横軸は電流値Yを示し縦軸はスランプ値Sを示す。曲線400は、過去に測定した複数の最終スランプ値と電流値データ(図3におけるS、S、S)を基に式(2)を近似して求められた曲線である。破線が示す曲線400aは、過去に測定したデータから得られた曲線であり、曲線400とは配合番号が異なるものである。
【0047】
図2に戻って、ステップST206で、ステップST205で決定した関数に対してステップST203で算出した電流値Yを代入して補間することで、最終スランプ値Sを算出する。そして、ステップST207で、最終スランプ値と測定グラフが図1の出力処理部118により表示部160に表示されて処理を終了する。
【0048】
次に、本発明のスランプ値算出装置100のスランプ値の予測処理について詳細に説明する。
【0049】
まず、図1の予測部117は、入力処理部112に入力された測定データである負荷値の少なくとも1つの値と、蓄積データ部122に記憶されている今回の測定条件と配合番号が同じである過去の測定データとを用いて補間処理する。その補間処理により、まだ測定を行っていない所定の混練時間における電流値の予測データを算出する。次に、得られた予測データに基づいて、式(1)に示す3次関数を最小二乗法により求める。以降の処理は、上記に示した実際のスランプ値の測定処理と同様である。
【0050】
この予測処理により、例えば図3に示す混練時間Xの時点での電流値Yの測定データが得られれば、その後の測定データを予測することができ、上記に示した式(1)、式(2)の関数を用いることで、最終スランプ値を予測することが可能となる。
【0051】
なお、上記補間処理は、過去の測定データから算出される所定の混練時間における負荷値の変化量や、過去のデータから得られる所定の混練時間における負荷値の差分や比率等を用いて、最小二乗法により行われる。
【0052】
次に、本発明のデータの管理について説明する。本発明において、図1のデータ管理部120は、過去の測定データを関数の式の係数として保持する。例えば、図3の波形300aのデータは、測定データとして係数A、B、C、Dを保持しており、実際の測定データである混練時間や電流値を保持しているわけではない。従って、データ量を削減することができ、過去のデータを十分に蓄積することで、精度が高い最終スランプ値を算出することができる。
【0053】
なお、本発明のスランプ値算出装置は、スランプ値を混練工程中に補正できるような補正手段を備えるようにしてもよい。その場合、例えば水補正手段を備え、水分補正値を補正できるようにしてもよい。
【0054】
また、本発明の実施の形態においては、ミキサーの電流値を測定データとしたが、混練時間及びスランプ値と相互関係を示す性質のものであれば何でもよい。
【0055】
さらに、図3において、波形300a、300b、300cのそれぞれを配合番号が同じで混練量が異なる波形として示したが、それぞれを配合番号が同じで混練量も同じデータの波形として捉えてもよい。その場合、図4の曲線は配合番号、混練量毎に複数表示することができる。
【0056】
さらに、上記式(1)、式(2)で示す関数の近似の方法、及び、予測スランプ値を算出する際の補間処理の方法は、最小二乗法に限定されず、例えば、状況に応じてラグランジュ補間、ニュートン補間、スプライン補間またはそれらの組合せであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のスランプ値算出装置の構成の一例を示したブロック図である。
【図2】本発明のスランプ値算出装置の処理の一例を示したフロー図である。
【図3】測定データに対して式(1)に基づいて近似した関数の波形を模式的に示した図である。
【図4】過去の最終スランプ値と電流値のデータに対して式(2)に基づいて近似した関数の波形を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0058】
100 スランプ値算出装置
114 第1演算部
116 第2演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートの混練工程における混練時間と前記混練時間における混練ミキサーにかかる負荷値から混練中の前記コンクリートのスランプ値を算出するスランプ値算出装置であって、
前記混練時間と前記負荷値として得られる測定データ間の相互関係を示す第1の関数を決定し、前記第1の関数から導出される測定終了時の算出用混練時間における算出負荷値を算出する第1演算手段と、
予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合におけるスランプ値と前記負荷値のデータに基づいて決定した相互関係を示す第2の関数に前記算出負荷値を代入して最終スランプ値を算出する第2演算手段とを備えるスランプ値算出装置。
【請求項2】
前記測定データとして得られる前記負荷値の少なくとも1つの値と予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合における負荷値とを用いて補間処理することで予測データを算出する予測手段を備える、請求項1記載のスランプ値算出装置。
【請求項3】
前記第1演算手段は前記負荷値を表すYと前記混練時間を表すXの関係を示す関数を下記式に示す3次関数で近似して決定することを特徴とする、請求項1または2記載のスランプ値算出装置。

【請求項4】
前記第2演算手段は前記スランプ値を表すSと前記負荷値を表すYの関係を示す関数を下記式に示す2次関数で近似して決定することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のスランプ値算出装置。

【請求項5】
前記第1演算手段及び第2演算手段は、最小二乗法により前記第1の関数及び第2の関数を近似して決定することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のスランプ値算出装置。
【請求項6】
前記第1の関数の式に関連付けて前記測定データを記憶するデータ管理手段を備える、請求項1から5のいずれかに記載のスランプ値算出装置。
【請求項7】
コンクリートの混練工程における混練時間と前記混練時間における混練ミキサーにかかる負荷値から混練中の前記コンクリートのスランプ値を算出するスランプ値算出方法であって、
第1演算手段が前記混練時間と前記負荷値として得られる測定データ間の相互関係を示す第1の関数を決定し、前記第1の関数から導出される測定終了時の算出用混練時間における算出負荷値を算出する第1演算ステップと、
第2演算手段が、予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合におけるスランプ値と前記負荷値のデータに基づいて決定した相互関係を示す第2の関数に前記算出負荷値を代入して最終スランプ値を算出する第2演算ステップとを含むスランプ値算出方法。
【請求項8】
予測手段が前記測定データとして得られる前記負荷値の少なくとも1つの値と予め得られたコンクリートの配合率が同じ場合における負荷値とを用いて補間処理することで予測データを算出するステップを含む、請求項7記載のスランプ値算出方法。
【請求項9】
前記第1演算ステップは前記負荷値を表すYと前記混練時間を表すXの関係を示す関数を下記式に示す3次関数で近似して決定することを特徴とする、請求項7または8記載のスランプ値算出方法。

【請求項10】
前記第2演算ステップは前記スランプ値を表すSと前記負荷値を表すYの関係を示す関数を下記式に示す2次関数で近似して決定することを特徴とする、請求項7から9のいずれかに記載のスランプ値算出装置。

【請求項11】
前記第1演算ステップ及び第2演算ステップは、最小二乗法により前記第1の関数及び第2の関数を近似して決定することを特徴とする、請求項7から10のいずれかに記載のスランプ値算出装置。
【請求項12】
前記第1の関数の式に関連付けて前記測定データを記憶するデータ管理ステップを含む、請求項7から11のいずれかに記載のスランプ値算出方法。
【請求項13】
請求項7から12のいずれかに記載のスランプ値算出方法をコンピュータに実行させることが可能なプログラム。
【請求項14】
請求項13記載のプログラムをコンピュータが実行することが可能にて記録した記録媒体。















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−8629(P2008−8629A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176112(P2006−176112)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(505368793)有限会社森エンジニアリング (6)