説明

スリップフォーム工法を用いたコンクリート構造物の構築方法及びスリップフォーム装置の移動型枠

【課題】埋込物の構成が限定されることなく、また、埋込物や施工装置のコストや作業負担を増大させることなく、埋込物の表面がコンクリートで被覆されたり、埋込物の表面が壁面に対して凹んだりすることを抑制する。
【解決手段】スリップフォーム工法を用いてコンクリート構造物を構築すると共に、該コンクリート構造物に埋込金物3を、これらの表面が面一となるように埋め込むコンクリート構造物の構築方法であって、移動型枠10にその移動方向に沿って延びる差込部15を形成し、埋込金物3を取り外し可能に取付けた差込型枠20を差込部15に差し込み、移動型枠10及び差込型枠20により区画される打設空間にコンクリートを打設した後、移動型枠10を差込型枠20に沿って移動させ、コンクリート構造物に埋め込まれた埋込金物3から差込型枠20を取り外すことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリップフォーム工法を用いたコンクリート構造物の構築方法及びスリップフォーム装置の移動型枠に関する。
【背景技術】
【0002】
スリップフォーム工法を用いて、壁状コンクリート構造物を構築すると共に、この壁状コンクリート構造物に埋込物を、これらの表面が面一となるように埋め込む方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の方法は、壁状コンクリート構造物の表面に、その下端から上端まで垂直に延びる埋込物を埋め込む方法であって、当該方法では、埋込物と重なる位置には、型枠を設置せずに型枠の移動を案内する機構を設置し、埋込物とその両側の型枠との間に隙間が無い状態にして、コンクリートを打設したり、型枠を移動させたりする。
【0003】
ここで、型枠を埋込物と重なる位置にも設置する場合には、型枠を移動可能にするために型枠と埋込物との間に微小な隙間を確保する必要がある。そのため、コンクリートを打設する際、型枠と埋込物との隙間から埋込物の表面にコンクリートが回り込むことによって、埋込物の表面がコンクリートで被覆されたり、埋込物の両側のコンクリートが膨出することによって、埋込物の表面が壁面に対して凹んだりする。この場合、はつり作業が必要になる。これに対して、特許文献1に記載の方法によれば、埋込物とその両側の型枠との間に隙間が無い状態でコンクリートを打設したり、型枠を移動させたりすることができるため、埋込物がコンクリートで被覆されたり、埋込物の表面が壁面に対して凹んだりすることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4427081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、壁状コンクリート構造物の表面に、その下端から上端まで垂直に延びる埋込物を埋め込むような工事にしか適用できず、壁状コンクリート構造物の表面に、複数の埋込物を上下に並べて埋め込むような工事には適用できない。また、埋込物に案内のためのボルトを設け、そのボルトを、壁コンクリート構造物を構築した後に分離切断することを要するため、埋込物のコストや作業負担が増大する。さらに、複雑な案内機構が必要となり、施工装置のコストが増大する。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、埋込物の構成が限定されることなく、また、埋込物や施工装置のコストや作業負担を増大させることなく、埋込物の表面がコンクリートで被覆されたり、埋込物の表面が壁面に対して凹んだりすることを抑制することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るコンクリート構造物の構築方法は、スリップフォーム工法を用いてコンクリート構造物を構築すると共に、該コンクリート構造物の表面に埋込物を埋め込むコンクリート構造物の構築方法であって、移動型枠にその移動方向に沿って延びる差込部を形成し、前記埋込物を取り外し可能に取付けた差込型枠を前記差込部に差し込み、前記移動型枠及び前記差込型枠により区画される打設空間にコンクリートを打設した後、前記移動型枠を前記差込型枠に沿って移動させ、前記コンクリート構造物に埋め込まれた前記埋込物から前記差込型枠を取り外すことを特徴とする。
【0008】
前記コンクリート構造物の構築方法において、複数の前記差込型枠を前記移動型枠の移動方向に沿って配して接続してもよい。
【0009】
前記コンクリート構造物の構築方法において、前記差込型枠の前記移動型枠の移動方向への移動を案内するガイド部を、前記差込部に設け、前記ガイド部により、前記差込型枠の前記埋込物の取付面と前記移動型枠の前記打設空間側の面とが面一となるように、前記差込型枠を位置決めしてもよい。
【0010】
また、本発明に係るスリップフォーム装置の移動型枠は、スリップフォーム工法を用いてコンクリート構造物を構築すると共に、該コンクリート構造物の表面に埋込物を埋め込むコンクリート構造物の構築方法を実行するためのスリップフォーム装置の移動型枠であって、自身の移動方向に沿って延び、前記埋込物を取り外し可能に取付けるための差込型枠が差し込まれる差込部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
前記スリップフォーム装置の移動型枠は、前記差込型枠の前記自身の移動方向への移動を案内するガイド部を備えてもよく、前記ガイド部は、前記差込型枠の前記埋込物の取付面と前記移動型枠の前記打設空間側の面とが面一となるように、前記差込型枠を位置決めしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、埋込物の構成が限定されることなく、また、埋込物や施工装置のコストや作業負担を増大させることなく、埋込物の表面がコンクリートで被覆されたり、埋込物の表面が壁面に対して凹んだりすることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一実施形態に係る構築方法により構築される液化天然ガスタンクのコンクリート壁の一部を拡大して示す正面立面図である。
【図2】一実施形態に係る構築方法により構築される液化天然ガスタンクのコンクリート壁の一部を拡大して示す立断面図である。
【図3】コンクリート壁を構築している状態を示す正面立面図である。
【図4】コンクリート壁を構築している状態を示す立断面図である。
【図5】コンクリート壁を構築している状態を示す平面図である。
【図6】コンクリート壁を構築する方法を説明するための正面立面図(A)及び立断面図(B)である。
【図7】コンクリート壁を構築する方法を説明するための正面立面図(A)及び立断面図(B)である。
【図8】他の実施形態に係る構築方法によりコンクリート壁を構築している状態を示す正面立面図である。
【図9】他の実施形態に係る構築方法によりコンクリート壁を構築している状態を示す立断面図である。
【図10】他の実施形態に係る移動型枠を示す平面図である。
【図11】他の実施形態に係る移動型枠を示す正面立面図である。
【図12】他の実施形態に係る移動型枠を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係るスリップフォーム工法を用いて構築される液化天然ガスタンク(以下、LNGタンクという)の環状のコンクリート壁1の一部を拡大して示す正面立面図であり、図2は、該コンクリート壁1の一部を拡大して示す立断面図である。これらの図に示すように、LNGタンクの環状のコンクリート壁1には、複数の埋込金物3が上下に並べて埋設される。なお、図示は省略しているが、コンクリート壁1は、内部に鉄筋が配筋された鉄筋コンクリートの壁状構造物である。
【0015】
埋込金物3は、コンクリート壁1の内周壁面に対して面一で設けられた縦長矩形状の板部4と、板部4から壁内に突出する上下一対の軸部5とを備えている。この埋込金物3は、LNGタンクの内槽ライナ(図示省略)を取付けるための金物であり、板部4の表面に内槽ライナが溶接される。
【0016】
図3は、コンクリート壁1を構築している状態を示す正面立面図であり、図4は、同様の状態を示す立断面図であり、図5は、同様の状態を示す平面図である。これらの図に示すように、スリップフォーム装置の移動型枠10は、コンクリート壁1の内周壁面を型取りする型枠11と、コンクリート壁1の外周壁面を型取りする型枠12とを備えている。この型枠11、12は、腹起し13を介してスリップフォーム装置のヨーク(図示省略)により支持されており、このヨークが上昇されることにより上方に滑動する。
【0017】
型枠11の埋込金物3と対向する箇所には、板部4の横幅よりも幅広のスリットである差込部15が形成されており、この差込部15には、左右一対のガイド材16が設けられている。このガイド材16は、差込部15の下端から上端まで垂直に延びており、断面形状が溝型形状のガイド部16Aと、このガイド部16Aを差込部15の縁に固定するための固定部16Bとを備えている。
【0018】
ガイド部16Aは、型枠11の厚み方向に対向する互いに平行なガイド片16C、16Dを備えている。ガイド片16Cは、その厚みの分だけ差込部15から打設空間側に食み出すように配されており、ガイド片16Dは、差込部15内に収まるように配されている。また、固定部16Bは、ガイド部16Aから打設空間の反対側へ広がる板片であり、型枠11の差込部15の縁に固定されている。
【0019】
また、型枠11は、差込部15に差し込まれる複数の差込型枠20を備えている。この差込型枠20は、ベニヤ板等の木製の縦長矩形状の板材であり、左右のガイド部16Aに差し込まれる。差込型枠20の幅及び厚みは、差込型枠20を左右のガイド部16Aに対して相対的に上下に移動させることができ、且つ、差込型枠20と左右のガイド部16Aとの嵌め合いが適度な強さになるように設定されている。また、差込型枠20の長さは、差込部15に複数(例えば、図示するように3枚)の差込型枠20を差し込むことができるように設定されている。
【0020】
ここで、ガイド部16Aのガイド片16Cが、その厚みの分だけ差込部15から打設空間側に食み出すように配されているところ、ガイド片16Cの差込型枠20との当接面は、型枠11の打設空間側の面に対して面一となるように配されている。これにより、差込型枠20の打設空間側の面と、型枠11の打設空間側の面とは、面一となっている。
【0021】
また、差込型枠20の打設空間側の面には、埋込金物3の板部4がボルトや釘や接着剤等の結合手段により取り外し可能に取り付けられている。また、上下の差込型枠20は、不図示の連結金物とボルトとにより取り外し可能に接続されている。ここで、差込型枠20の長手方向(縦方向)の長さは、埋込金物3の板部4の長手方向の長さと同一であるが、板部4の下部が差込型枠20の下部から下方へ突出するように、板部4は差込型枠20に取り付けられている。
【0022】
図6(A),(B)〜図7(A),(B)は、コンクリート壁1を構築する方法を説明するための正面立面図(A)及び立断面図(B)である。図6(A)、(B)に示すように、移動型枠10を、コンクリートを打設しつつ上昇させながら、埋込金物3を取り付けた差込型枠20を、左右のガイド材16に差し込む。そして、不図示の連結金物とボルトとにより上下の差込型枠20を、取り外し可能に接続する。
【0023】
次に、図7(A)、(B)に示すように、移動型枠10内にコンクリートを打設しながら、打設したコンクリートが自立可能な強度を発現するまで硬化した後に、移動型枠10を上方へ滑動させる。そして、図6(A)、(B)に示すように、埋込金物3を取り付けた差込型枠20を、左右のガイド材16に差し込み、連結金物とボルトとにより上下の差込型枠20を、取り外し可能に接続する。その後、移動型枠10の下方において残存している差込型枠20を、打設済みのコンクリートに埋設されている埋込金物3から取り外す。
【0024】
以上のような工程を、コンクリート壁1の下端から上端まで繰返すことにより、コンクリート壁1を構築する。
【0025】
ここで、埋込金物3の板部4を、型枠11と共に打設空間を形取る差込型枠20に取り付け、その差込型枠20を埋込金物3が取り付けられた状態で停止させて、移動型枠10を上昇させるように構成したことにより、埋込金物3の板部4と型枠との間に隙間を空けることなく、移動型枠10を上昇させることができる。これにより、埋込金物3の表面にコンクリートが回り込むことを防止でき、埋込金物3の表面がコンクリートで被覆されることを防止できる。従って、埋込金物3の表面からコンクリートを削り取るはつり作業を不要にできる。
【0026】
また、移動型枠を直接、埋込物をガイドにして上昇させる場合には、埋込物がコンクリート壁の下端から上端まで連続して延びる物でなければならないが、本実施形態では、移動型枠10を、埋込金物3を取り付けた差込型枠20をガイドにして上昇させるため、複数に分離された埋込金物3にも対応できる。
【0027】
また、埋込金物3の板部4と面で接している差込型枠20の打設空間側の面が、埋込金物3の板部4の周囲まで広がっていることにより、埋込金物3の板部4の周囲のコンクリートが、表面側に膨らむことを防止でき、埋込金物3の板部4が、コンクリート壁の表面に対して凹むことを防止できる。従って、内槽ライナが取り付けられる埋込金物3の位置精度を確保できる。
【0028】
また、差込型枠20は、ベニヤ板等の安価な板材を用いればよいため、コスト増となることはない。また、差込型枠20の埋込金物3からの取り外しは、ボルトや釘を抜いたり、接着を解いたりする等の容易な作業で済むため、作業負担が増加することもない。
【0029】
また、本実施形態では、複数の差込型枠20を移動型枠10の移動方向に沿って配して接続するという方法、即ち、移動型枠10の上昇に合わせて差込型枠20を継ぎ足していくという方法を取っている。ここで、移動型枠10の上方では鉄筋の配筋作業が実施されるので、差込型枠20が移動型枠10の上方に大きく突出している場合には、鉄筋の配筋作業に支障が生じる。これに対して、本実施形態では、差込型枠20を移動型枠10から上方へ大きく突出させることなく、コンクリートの打設を実施できるため、そのような問題が生じることはない。
【0030】
さらに、本実施形態では、ガイド材16により、差込型枠20の移動型枠10の移動方向への移動を案内すると共に、差込型枠20の打設空間側の面と移動型枠10の埋込金物3の取付面とが面一となるように、差込型枠20を位置決めしている。これにより、埋込金物3の板部4の表面とコンクリート壁の表面とを面一にすることができる。
【0031】
図8は、他の実施形態に係る構築方法によりコンクリート壁101を構築している状態を示す正面立面図であり、図9は、同様の状態を示す立断面図である。これらの図に示すように、コンクリート壁101では、複数の埋込金物103が上下に離して埋設される。
【0032】
埋込金物103は、コンクリート壁101の内周壁面に対して面一で設けられた正方形状の板部104と、板部104の中央部から壁内に突出する軸部5とを備えている。この埋込金物103は、LNGタンクの内槽ライナ(図示省略)を取付けるための金物であり、板部104の表面に内槽ライナが溶接される。
【0033】
また、本実施形態に係るスリップフォーム装置の移動型枠では、差込型枠20に上下一対の埋込金物103が取り外し可能に取り付けられる。ここで、下側の埋込金物103は、その板部104の下部が差込型枠20の下部から下方に突出するように取り付けられる。また、上側の埋込金物103は、差込型枠20の上部よりも下側に取り付けられる。
【0034】
図10は、他の実施形態に係る移動型枠200を示す平面図である。この図に示すように、移動型枠200では、左右一対のガイド材16が、ガイド片16Cの打設空間側の面が型枠11の打設空間側の面と面一となるように配されており、このようなガイド材16のガイド部16Aに複数の差込型枠220が差し込まれる。
【0035】
ここで、差込型枠220の埋込金物3の板部4が取り付けられる部分は、打設空間側に突出した凸部220Aとなっている。この凸部220Aの厚さは、ガイド片16Cの厚さと同一である。これにより、凸部220Aの表面と型枠11の打設空間側の面とが面一になっており、埋込金物3の板部4の表面とコンクリート壁の内周壁面とが面一となるようにコンクリートを打設することができる。また、ガイド片16Cが型枠11から打設空間側に食み出さないため、コンクリート壁の内周壁面が凹むことがない。
【0036】
図11は、他の実施形態に係る移動型枠300を示す正面立面図であり、図12は、該移動型枠300を示す平面図である。これらの図に示すように、移動型枠300では、型枠11の差込部15に左右一対のガイド材316が配され、差込部15に複数の差込型枠320が差し込まれる。
【0037】
ガイド材316は、差込部15の下端から上端まで垂直に延びた断面L字状の部材であり、一方の板片が型枠11の端面に固定される固定部316Bであり、他方の板片が型枠11の端面から直角に突出したガイド部316Aである。ガイド部316Aは、差込部15内に収まるように配されている。
【0038】
差込型枠320は、埋込金物3の板部4が取り付けられる板部320Aと、上下二組のガイド部320Bとを備えている。各組のガイド部320Bは、左右で対をなすように、板部320Aの打設空間とは反対側の面に設けられている。また、ガイド部320Bは、断面形状がL字状に構成されており、ガイド部320Bと板部320Aとの間にガイド材316のガイド部316Aが差し込まれる。これにより、差込型枠320をガイド材316に沿って上下方向に移動させることができる。
【0039】
ここで、ガイド材316のガイド部316Aは、板部320Aの厚み分だけ型枠11の打設空間側の面からその反対側に下がっており、これにより、差込型枠320の板部320Aの打設空間側の面が、型枠11の打設空間側の面と面一となる。また、ガイド材316が型枠11から打設空間側に食み出さないため、コンクリート壁の内周壁面が凹むことがない。
【0040】
なお、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。例えば、上述の各実施形態では、全ての差込型枠20に埋込金物3を取り付けたが必須ではなく、例えば、埋込金物3の間隔が上述の各実施形態と比して広い場合には、埋込金物3を取り付けた差込型枠20と、埋込金物3を取付けていない差込型枠20とを交互に並べる等してもよい。
【0041】
また、差込部15に差し込む差込型枠20を複数に分割することは必須ではなく、一枚の差込型枠20を差込部15に差し込むようにしてもよい。また、本発明に係る方法を用いて構築するコンクリート構造物は、LNGタンクの壁には限られず、塔状建築物等の他のコンクリート構造物にも本発明を適用できる。さらには、埋込物は、内槽ライナの取付金具には限られず、配管の取付金具や階段の取付金具等も挙げられ、金属部品に限られず、樹脂部品も挙げられる。
【符号の説明】
【0042】
1 コンクリート壁(コンクリート構造物)、3 埋込金物(埋込物)、4 板部、5 軸部、10 移動型枠、11、12 型枠、13 腹起し、15 差込部、16 ガイド材(ガイド部)、16A ガイド部、16B 固定部、16C、16D ガイド片、20 差込型枠、101 コンクリート壁(コンクリート構造物)、103 埋込金物、104 板部、200 移動型枠、220 差込型枠、220A 凸部、300 移動型枠、316 ガイド材(ガイド部)、316A ガイド部、316B 固定部、320 差込型枠、320A 板部、320B ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリップフォーム工法を用いてコンクリート構造物を構築すると共に、該コンクリート構造物の表面に埋込物を埋め込むコンクリート構造物の構築方法であって、
移動型枠にその移動方向に沿って延びる差込部を形成し、前記埋込物を取り外し可能に取付けた差込型枠を前記差込部に差し込み、前記移動型枠及び前記差込型枠により区画される打設空間にコンクリートを打設した後、前記移動型枠を、前記差込型枠を残置させた状態で移動させ、前記コンクリート構造物に埋め込まれた前記埋込物から前記差込型枠を取り外すことを特徴とするコンクリート構造物の構築方法。
【請求項2】
複数の前記差込型枠を前記移動型枠の移動方向に沿って配して接続することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造物の構築方法。
【請求項3】
前記差込型枠の前記移動型枠の移動方向への移動を案内するガイド部を、前記差込部に設け、
前記ガイド部により、前記差込型枠の前記打設空間側の面と前記移動型枠の前記埋込物の取付面とが面一となるように、前記差込型枠を位置決めすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンクリート構造物の構築方法。
【請求項4】
スリップフォーム工法を用いてコンクリート構造物を構築すると共に、該コンクリート構造物の表面に埋込物を埋め込むコンクリート構造物の構築方法を実行するためのスリップフォーム装置の移動型枠であって、
自身の移動方向に沿って延び、前記埋込物を取り外し可能に取付けるための差込型枠が差し込まれる差込部が形成されていることを特徴とするスリップフォーム装置の移動型枠。
【請求項5】
前記差込型枠の前記自身の移動方向への移動を案内するガイド部を備え、
前記ガイド部は、前記差込型枠の前記埋込物の取付面と前記移動型枠の前記打設空間側の面とが面一となるように、前記差込型枠を位置決めすることを特徴とする請求項4に記載のスリップフォーム装置の移動型枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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