説明

スリーブパック

熱に晒されると変形しがちな固形製品を運搬し、かつ/または保管するためのスリーブパックであって、ベース部と、ベース部に連結された本体とを含み、ベース部がハニカムシートから形成されて本体は巻かれたボール紙から形成されることを特徴とするスリーブパックを与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱に晒されると変形しがちな固形製品を運搬し、かつ/または保管するためのスリーブパックに関する。
【背景技術】
【0002】
標準温度、すなわちおよそ20℃から25℃の範囲では固形であるが、熱に晒されると変形し得る製品は、その寸法的安定性が確保されるような方法でしばしば保管され、かつ/または運搬されなければならない。この目的のため、特に比較的大きなコンテナの場合は、それ自身が変形することなく大きな力を吸収することが必要とされる、スリーブパックを用いることが一般的である。
【0003】
実際には、この目的のため、射出成形されたプラスチック、より特定的にはポリエチレンまたはポリプロピレンでできたベース部を有するスリーブパックが確立されてきた。ほとんどまたは全く負荷を受けない、ベース部に接続された側壁すなわちスリーブパックの本体は、コスト上の理由で、特にボール紙である紙材料で形成することができる。
【0004】
紙材料のみから形成されるスリーブパックも公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
公知のスリーブパックの欠点は、スリーブパックで運搬される固形製品の熱変形において生じ得る力を吸収するのに十分な寸法的安定性を欠いていることである。しかしながら、製品の元の形状が変化する場合は、ダウンストリーム処理動作において問題が生じ得る。たとえば、ポリウレタンホットメルト接着剤はしばしば、カートリッジとして知られる、しばしば2キログラムから20キログラムの範囲の重量の円筒状ブロックの形状で梱包され、運搬される。カートリッジは、さらなる使用のために、既存の溶融装置に適合しなければならず、そこで特に一般に平坦であるプラテンの圧力を受ける。溶融装置において問題のない状態でポリウレタンホットメルト接着剤カートリッジを処理するため、かつプラテンの圧力をかけるために、特にカートリッジが平坦なベース部を有することが必要である。
【0006】
したがって、本発明の目的は、熱に晒されると変形しがちな固形製品の運搬および/または保管のためのスリーブパックであって、それに伴う力を吸収し、固形製品の変形を防ぐのに十分な寸法的安定性を有するスリーブパックを与えることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、熱に晒されると変形しがちな固形製品を運搬しかつ/または保管するためのスリーブパックであって、ベース部と、ベース部に連結された本体とを含み、ベース部がハニカムシートから形成されることを特徴とするスリーブパックによって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ハニカムシートは軽量の構造構成要素であって、その両端部でサンドイッチ形状に囲む固形材料のシートの有無にかかわらず、その複数壁構造のために高い割合でキャビティを有し、優れた機械的性質と結合して、固有の重量は少ないまま、特に高い安定性、強度、および緩衝性を有する。
【0009】
ハニカムのジオメトリはこの実用においては重要ではなく、たとえば蜂の巣のように形
状が六角形でもよく、または形状がほぼ多角形でもよい。
【0010】
本発明のスリーブパックのベース部としては、ハニカムシート用に選択される材料はたとえばプラスチック、より特定的にはポリプロピレンであってもよい。
【0011】
しかしながら、ベース部を紙のハニカムシートから生成することが好ましい。スリーブパックの本体も同様の材料、より具体的には紙材料で形成される場合にこれは特に有利である。なぜならばその場合、スリーブパックは単一の材料としてリサイクルできるからである。
【0012】
スリーブパックの本体のための用紙はボール紙、特に巻かれたボール紙が有利である。
スリーブパックのベース部のハニカムシートの厚さはコンテナのサイズおよび重量に従って選択され、好ましくは10mmから25mmである。
【0013】
スリーブパックのベース部および本体はいかなる公知の方法で連結されてもよく、より特定的には、ステープリング、糊付け、もしくはクリップ留め、またはさねはぎ継ぎによって連結されてもよい。
【0014】
紙のハニカムシートは、たとえばフランケンブルグ(Frankenberg)のSWAP社(SWAP GmbH)によって製造され、またはメレキー社(Melecky a.s.)のFixboard(登録商標)製品、もしくはベシン社(Besin International n.v.)のBeeBoard(登録商標)製品であってもよい。
【0015】
スリーブパックのジオメトリは好ましくは円筒状、より特定的には円形円筒状である。例示的な本体の寸法は、内径282mm、外径288mm、および全体の高さが350mmである。ベース部は、たとえば直径282mmおよび高さ15mmの円形のディスクとして形成される。
【0016】
ベース部用に選択されるハニカムシートは、特別な利点として、圧縮力(druckfestigkeit)が40t/m2および座屈抵抗(Knickfestigkeit)が40t/m2である。
【0017】
本発明のスリーブパックは特に、約20℃から25℃の室温で固形であるが熱に晒されると変形しがちポリウレタン複合物を運搬するのに適している。特にこれらの複合物は、PUホットメルトとして知られる単一構成要素のホットメルト接着剤、たとえばKleiberit(登録商標)PUR−SK、Jowatherm-Reaktant(登録商標)PUホットメルト接着剤、Henkel Purmelt(登録商標)、Fuller Ipatherm(登録商標)などのタイプであり得る。
【0018】
これらのホットメルト接着剤の生成動作において、製品は、しばしば約120℃から150℃の温度の液体形状で得られ、当初は複合的アルミニウム袋に導入される。ホットメルト接着剤で満たされた複合的アルミニウム袋は、約12時間から24時間の間スリーブパック内で冷却され、そうする間に円筒状ブロックすなわちカートリッジを形成するよう凝固する。スリーブパックの高い寸法的安定性は、極めて過酷な気候条件下で運搬される場合もカートリッジの形状が変化しないことを確実にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱に晒されると変形しがちな固形製品を運搬しかつ/または保管するためのスリーブパックであって、ベース部と、ベース部に連結された本体とを含み、ベース部がハニカムシートから形成されて本体は巻かれたボール紙から形成されることを特徴とする、スリーブパック。
【請求項2】
ハニカムシートは紙材料から形成されることを特徴とする、請求項1に記載のスリーブパック。
【請求項3】
ハニカムシートの厚さは10mmから25mm、特に好ましくは15mmであることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のスリーブパック。
【請求項4】
ベース部と本体とは、ステープリング、糊付け、もしくはクリップ留め、またはさねはぎ継ぎによって連結されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のスリーブパック。
【請求項5】
円筒状、より特定的には円形の円筒状ジオメトリによって特徴付けられる、請求項1から4のいずれかに記載のスリーブパック。
【請求項6】
ポリウレタン複合物、より特定的にはポリウレタンホットメルト接着剤を運搬し、かつ/または保管するための、請求項1から5のいずれかに記載のスリーブパックの使用。

【公表番号】特表2008−521718(P2008−521718A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543799(P2007−543799)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013009
【国際公開番号】WO2006/058791
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(505411701)クレープヒェミー・エム・ゲー・ベッカー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】KLEBCHEMIE M.G. BECKER GMBH + CO. KG
【Fターム(参考)】