説明

スルホニルキノリンの製造方法

式(I)の化合物の非常に収束的な製造方法が開示され、これらの化合物は、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の治療に効能のある活性剤の製造における中間体として有用である。


(I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の治療のための薬剤の製造における中間体として有用である置換4−スルホニルキノリンの改善された製造方法の記述を含む。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載の方法により製造できる4−スルホニル置換キノリンは、特定の抗HCV剤の製造における中間体として有用であることが見出されている。このような抗HCV剤の例は、例えば、米国特許出願公開第2005/0020503号、および米国特許出願公開第2005/0080005号に記載されており、いずれも参照により本明細書に組み込まれる。このような抗HCV剤のさらなる例は、米国特許出願公開第2005/0267151号(同じく、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。この‘151公開はまた、抗HCV剤の製造に有用である置換スルホニルキノリン中間体の合成方法も記載する。置換スルホニルキノリンは、アミドカップリングと、それに続く、強塩基の存在下における環化、トシル化、および酸性条件下のスルホニル化によって製造される。しかし、これらの置換スルホニルキノリンの製造のための、より実用的で経済的に有益であり得る別の方法を開発することが求められ続けている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が対象とする問題の中には、安価な試薬を用いることが許され、少数の作業ステップを必要とする、これらの化合物の製造のための方法の提供がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明での置換スルホニルキノリンは、置換芳香族アミノ−ケトンから、酸によるアミドの生成、それに続く、アルカリまたはアルカリ土類金属塩基の存在下における環化、およびスルホネート中間体を介してのスルホンへのさらなる変換を経て製造される。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、低コスト、より少数のステップ、ならびに容易に入手できる出発物質および試薬を利用するという利点を有する。さらに、本発明の手順は、全サイクル時間をより短縮するために、いくつかの中間体を分離する必要を回避し、試薬及び操作の数を最低限にする。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の方法の一実施形態は、次のスキームによって簡潔に要約できる。
【0007】
【化1】

式中、各Alkは、独立に、C1−C6アルキルであり;Xは、ハロゲン原子であり;Rは、C1−C10アルキル、アリール(特にC6)、またはヘテロアリールであり;R1は、アルキル、特にC1−C10アルキル、より特別にはC1−C6アルキル、より特別にはC1−C3アルキル、または1つまたは複数のヘテロ原子、例えば、−O−、−NH−、−C(=O)−、−N−(C1−C10アルキル)−、−S−が介在していてもよいそのようなアルキルであるか、あるいはR1は、(C3-7)シクロアルキルおよび(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−であり、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより一置換、二置換または三置換されていてもよく;M1は、アルカリまたはアルカリ土類金属、例えば、Na+、K+、Cs+、Mg2+またはCa2+であり;R2は、C1−C10アルキル、アリール(特にC6)、またはヘテロアリールであり;Hetは、下で定義される複素環式基である。アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびHet基の各々は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミド(すなわち、−NH−CO−Rまたは−CO−NH−R)によって置換されていてもよい。
【0008】
本発明により製造できる式Iの中間体化合物の例は、米国特許出願公開第2005/0267151号に記載されており、全て参照により本明細書に組み込まれる。このような化合物のさらなる例は、次の通りである。
【0009】
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
本明細書において特に定義されていない用語は、本開示および内容を考慮して、当業者によってそれらに与えられると思われる意味を与えられるべきである。しかし、本明細書において用いられる場合、特に断らなければ、次の用語は、指示される意味を有し、次の取り決めが守られる。
【0012】
上および下で定義される基(group、radical、またはmoiety)において、炭素原子の数は、しばしば、基の前で指定される、例えば、(C1-10)アルキルは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基(groupまたはradical)を意味し、(C3-7)シクロアルキルは、3から7個の炭素原子を環内に有するシクロアルキル基を意味する。通常、2つ以上のサブ基(subgroup)を含む基では、最後に挙げられる基が、その基にとっての結合の位置である。例えば、「シクロアルキルアルキル」は、シクロアルキル−アルキル−の式の1価の基を意味し、フェニルアルキルは、フェニル−アルキル−の式の1価の基を意味する。下で特に断らなければ、用語の通常の定義が支配し、通常の安定な原子価が、式および基の全てにおいて仮定され、実現されている。
【0013】
単独で、または別の置換基との組合せのいずれかで、本明細書において用いられる場合、用語「アルキル」は、指定された数の炭素原子を含む、非環式の、直鎖または分岐鎖アルキル置換基を意味する。
単独で、または別の置換基との組合せのいずれかで、本明細書において用いられる場合、用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して置換基として連結される上で定義されたアルキル基:アルキル−O−を意味する。
単独で、または別の置換基との組合せのいずれかで、本明細書において用いられる場合、用語「アリール」、例えば「C6またはC10アリール」は、挙げられた数の炭素原子を含む芳香族環系、例えば6個の炭素原子を含む芳香族単環系、または10個の炭素原子を含む芳香族2環系のいずれかを意味する。例えば、アリールには、フェニルまたはナフチル環系が含まれる。
単独で、または別の置換基との組合せのいずれかで、本明細書において用いられる場合、用語「Het」は、炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選択される1から4個の環ヘテロ原子とを含む、5員、6員、または7員の飽和または不飽和(芳香族を含めて)複素環から水素を除くことによって導かれる1価の置換基を意味する。Het基を与える適切な複素環の例には、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジアゼピン、イソオキサゾール、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリミジン、または
【0014】
【化4】

が含まれる。
用語「Het」はまた、1つまたは複数の他の環式部分(すなわち、複素環または炭素環のいずれかで、それらの各々は、飽和または不飽和であり得る)に融合した、上で定義された複素環によるものも含む。このような例の1つは、チアゾロ[4,5−b]−ピリジンを含む。本明細書で用いられる場合、用語「ヘテロアリール」は、用語「Het」内に一般には含まれるが、2重結合が芳香族系を形成している不飽和複素環に明確に限定される。適切な複素芳香族系の例には、キノリン、インドール、ピリジン、
【0015】
【化5】

が含まれる。
特定の立体化学または異性体が化合物の名称または構造に具体的に指定されていなければ、通常、化学構造または化合物の互変体および異性体、ならびに混合物の全てが、個々の幾何異性体または光学異性体にせよ、または異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物にせよ、想定されている。
【0016】
次の化学品は、これらの縮約形によって表されることがある。
縮約形 化学品名
ACN アセトニトリル
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
KDMO カリウム3,7−ジメチル−3−オクタノキシド(octanoxide)
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
THF テトラヒドロフラン
MeTHF メチルテトラヒドロフラン
DME ジメチルエーテル
【0017】
下の合成スキームにおいて、特に断らなければ、化学式における全ての置換基は、特に断らなければ、本明細書に記載されたものと同じ意味を有するものとする。下に記載される合成スキームにおいて用いられる反応物は、本明細書に記載されているようにして得ることができるか、あるいは本明細書に記載されていなければ、それら自体は、市販されているか、または当技術分野において知られている方法によって市販の原料から製造できるかのいずれかである。例えば、ある出発物質は、米国特許出願公開第2005/0267151号に記載されている方法によって得ることができる。
【0018】
最適な反応条件および反応時間は、用いられる特定の反応物に応じて変わり得る。特に断らなければ、溶媒、温度、圧力、および他の反応条件は、当業者によって容易に選択され得る。具体的な手順は、合成例の節に記載されている。通常、反応の進行は、望まれる場合、薄層クロマトグラフィーまたは高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によってモノターでき、中間体および生成物は、シリカゲルでのクロマトグラフィーおよび/または再結晶によって精製でき、次の技法:NMR、質量分析および融点:の1つまたは複数によって特性評価され得る。
【0019】
一実施形態において、本発明は、下のスキームIに記載の式Iの化合物を製造するための次の全般的な複数ステップ合成法を対象とする。他の実施形態において、本発明は、スキームIの個々のステップの各々、およびスキームIの2つ以上の逐次ステップのある組合せを対象とする。本発明はまた、スキームIに記載の中間体化合物も対象とし得る。
スキームI
【0020】
【化6】

式中、各Alkは、独立に、C1−C6アルキルであり;XおよびX1は、独立に、ハロゲン原子であり;Rは、C1−C10アルキル、C6アリール、またはヘテロアリールであり;R1は、アルキル、特にC1−C10アルキル、より特別にはC1−C6アルキル、より特別にはC1−C3アルキル、または1つまたは複数のヘテロ原子、例えば、−O−、−NH−、−C(=O)−、−N−(C1−C10アルキル)−、−S−が介在していてもよいこのようなアルキルであるか、あるいはR1は、(C3-7)シクロアルキルおよび(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−であり、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより一置換、二置換または三置換されていてもよく;M1およびM2は、独立に、アルカリまたはアルカリ土類金属、例えば、Na+、K+、Cs+、Mg2+またはCa2+であり;R2は、C1−C10アルキル、C6アリール、またはヘテロアリールであり;Hetは、上で定義された複素環式基である。
【0021】
第1ステップにおいて、化合物IIは、化合物IVを得るために、化合物IIIによりアシル化される。IVへのIIの変換のために、アシル化は、最初にカルボン酸IIIを酸クロリドのような活性化された形に変換するか、または標準的なペプチドカップリングのプロトコルを用いるかのいずれかによって、達成される。好ましい方法は、化合物IIIの酸クロリドを、オキサリルクロリドまたは塩化チオニルを用いて、生成させることである。次いで、この活性種が、ある有機溶媒中または水中で、塩基を添加して、または添加しないで、アニリン化合物IIとカップリングされる。好ましい溶媒は、MeCN、NMPおよびTHFであり、好ましい塩基(用いられる場合)はトリエチルアミンである。反応温度は、好ましくは、−30℃から150℃、より好ましくは、−20℃から50℃である。化合物IVは、単離しても、または別法として、単離しないで、直接次のステップで用いてもよい。
【0022】
次のステップにおいて、化合物IVは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩として化合物Vを得るために、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基の存在下で環化される。化合物Vは、中和および濾過によって、その中性の形(ヒドロキシキノリン)として単離され、精製され得る。しかし、好ましくは、それは、ワンポット法で、単離されないで、直接スルホニル化条件下に置かれて、スルホネートVIを与える。次には、スルホネートVIは、スルホネート塩との反応によって最終化合物Iに変換される。好ましくは、IVからIへの変換もまた、単離されないで、直接実施され、その結果、化合物IVから化合物Iへの3ステップの進行が、全てワンポット法で実施される。
【0023】
スキームIにおけるIVからVへの変換では、エノラートを生成できる任意のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、例えば、KOH、NaOH、Ca(OH)2などが使用でき、KOHが好ましい。エノラートと反応しない任意の溶媒、例えば、水、t−BuOH、THF、ジオキサン、DMSO、NMP、DME、これらの混合物などが使用でき、水、またはTHF−水の混合物が好ましい。環化は、好ましくは、25℃から150℃の温度で実施され、50℃から100℃が特に好ましい。
スキームIにおけるVからVIへの変換では、多くのスルホニル化試薬、例えば、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド(PhSO2Cl)、トルエンスルホニルクロリド(TsCl)などが使用され得るが、PhSO2Clおよびp−TsClが好ましい。スルホニル化反応は、前のステップにおいて用いられたものと同じ(例えば、ワンポット法に含められる場合)、または異なる溶媒中で実施され得る。スルホニル化試薬と反応しない任意の溶媒、例えば、水、DME、ジグリム、THF、ハロカーボン、これらの混合物などが使用され得るが、THF−水、またはMe−THF−水の混合物が好ましい。反応温度は、好ましくは、−20℃から150℃であり、0〜25℃が特に好ましい。
スキームIにおけるVIからIへの変換では、任意のスルホネート塩、RSO22(ここで、Rは、前に定義された通りであり、M2は、アルカリまたはアルカリ土類金属である)が使用でき、PhSO2Na、MeSO2Na、およびp−MeC64SO2Naが好ましい。反応は、酸、例えば、HCl、MeSO3H、H2SO4、p−TsOH、H3PO4、HOAc、HO2H、CF3CO2Hなどによって触媒され得るが、HClが好ましい。スルホンの生成ステップは、前のステップで用いられたものと同じ溶媒(例えば、ワンポット法に含められる場合)、または異なる溶媒中で実施され得る。スルホネートVIと反応しない任意の溶媒、例えば、水、DME、ジグリム、THF、ハロカーボンなどが使用され得るが、THF−水、またはMe−THF−水の混合物が好ましい。反応温度は、好ましくは、−20℃から150℃であり、25〜100℃が特に好ましい。
【0024】
別の実施形態において、本発明は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩として化合物Vを得るために、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物塩基の存在下で化合物IVを環化させ、ワンポット法において、スルホネートVIを製造するために、化合物Vを単離または中和しないで、直接化合物Vにスルホン化を行う前記ステップを含む合成方法を対象とする。さらに、本発明は、スキームIについて上で記載された1つまたは複の他のステップと結び付けられたこのステップを含む合成方法を対象とする。例えば、本発明の一実施形態は、同じワンポット法において、スルホネートVIを単離しないで、直接最終化合物Iへ変換することをさらに含む、このステップの合成方法を対象とする。
【0025】
式II、III、IV、V、VIおよびIの化合物における、好ましいAlk、R、R1、R2、X、X1、Het、M1およびM2基には、以下が含まれる。
(A)好ましいAlkの定義:
(i)C1-6アルキル、
(ii)メチル。
(B)好ましいRの定義:
(i)C1-6アルキル、C6アリール、またはヘテロアリール、
(ii)フェニルまたはメチル。
(C)好ましいXおよびX1の定義、独立に:
(i)Cl、Br、またはI、
(ii)Br。
(D)好ましいHetの定義:
(i)
【0026】
【化7】

(ii)キノリン、インドール、またはピリジン、
(iii)テトラヒドロフラン、チオフェン、ジアゼピン、イソオキサゾール、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリミジン、または
【0027】
【化8】

および
(iv)チアゾロ[4,5−b]−ピリジン。
(E)好ましいM1およびM2の定義:
(i)M1はKである、
(ii)M2はNaである。
(F)好ましいR1の定義:
(i)R1は、R20、−NR22COR20、−NR22COOR20−NR2221、および−NR22CONR2123であり、式中、R20は、(C1-8)アルキル、(C3-7)シクロアルキルおよび(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−から選択され、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより、一置換、二置換または三置換されていてもよく;R21はHであるか、または上で定義されたR20の意味の1つを有し;R22およびR23は、独立に、Hおよびメチルから選択される。より好ましくは、R1は、−NH−C(O)−Alk、または−NH−Alkである。
(G)好ましいR2の定義:
(i)C1-6アルキル、アリール、またはヘテロアリール、
(ii)フェニル、またはメチル。
【0028】
さらなる実施形態では、
(i)上記基のいずれかが、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミド(すなわち、−NH−CO−R、または−CO−NH−R)により置換されている。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、式Vの中間体化合物を対象とする。
【0030】
【化9】

式中、Alk、X、M1、Het、およびR1は、上で定義された通りである。式Vの化合物の好ましい実施形態において、Xはハロ、特に臭素であり、Alkはメチルであり、またHet−R1は、−NH−C(O)−C1−C6アルキル、または−NH−C1−C6アルキル基によって置換されたチアゾールである。
【0031】
出願人等は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基を用いる、キノリン化合物Vを得るための環化は、強塩基(例えば、t−BuOK、KDMO、またはリチウムジイソプロピルアミド)の使用を避けることができるので、有利であることを見出した。このため、酸により塩基をクエンチングする後のステップが、より容易になる。さらに、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩化合物Vが得られることにより、単離なしに、スルホニル化反応が容易になる。この塩は、中和されたヒドロキシキノリンより良好に反応し、反応を実施するために、さらなる塩基を添加する必要がない。このため、必要な原料はより少なく、ステップはより少なく、環境にとってより良い結果が実現される。さらなる実施形態において、本発明の方法により、化合物Vへの環化ステップ、およびそのステップとワンポットで実施される他のステップにおいて、水を含む溶媒が許容されるというさらなる利点が得られる。
【0032】
本発明の具体的実施形態が、以下の非限定的合成例および具体的実施形態の記述によってさらに説明される。
【実施例】
【0033】
合成例
例1:
合成
【0034】
【化10】

【0035】
1.チアゾール化合物IIIおよびNMPを反応器に投入する。
2.15分後に、温度を25℃未満に保ちながら、塩化チオニルを投入する。
3.バッチを25℃で0.5時間撹拌する。酸クロリドの生成が完了したことを確認するために、PrNH2を用いHPLCで調べる(2滴の試料を1mlのMeCN+0.1mlのPrNH2に加える、プロピルアミドのRt=5.05分、残っている酸のRt=4.16分、目標<1%)。
4.アニリン化合物IIのMeTHF溶液を25℃で投入し、HPLCが<2%のアニリン化合物を示すまで、30℃で12時間撹拌する。
5.内部の温度を22℃未満に保ちながら、ゆっくりと15%のNaOH溶液を投入する。クエンチングは発熱的である。ジャケットの温度を0℃に設定する。水性相のpHは、約7に等しくなる。
6.MeTHFを投入し、次いで水を加え、5分間撹拌し、次に、40℃で相分離させる。
7.5wt%のNaHCO3および塩水で洗い、22℃で、相を分離する。
8.MeTHFを留去し、溶媒をTHFに交換して、最終容積を約310mlに調節する。
9.t−BuOHを投入し、内容物を内部温度65℃に加熱する。
10.50wt%のKOH溶液を65℃で投入し、化合物IVが<1%であることをHPLCが示すまで、12〜14時間撹拌する。
11.ベンゼンスルホニルクロリド(TsCl)を10℃で、最低でも1時間かけて投入し、次いで、22℃で0.5時間撹拌する。
12.ベンゼンスルフィン酸Na塩の水懸濁液を22℃で投入し、その後、2MのHClを投入し、トシレートが<1%であることをHPLCが示すまで、54〜56℃で12〜14時間撹拌する。
13.22℃まで冷却し、5wt%のNaHCO3および塩水を投入し、相を分離する。
14.THFを留去し、溶媒をDMFに交換して、次いで、水を50℃で30分かけて投入し、バッチを22℃に、ゆっくりと2時間かけて冷却する。
15.1MのNaOHを投入し、22℃で30分間撹拌する。
16.スラリーを濾過し、1.5:1のDMF/水で洗い、50℃で12〜15時間、真空下に乾燥して、32.4gの化合物Iの一様な紫色の固体(DMFの1溶媒和化合物として)を得る(70%の単離後収率)。
【0036】
例2:合成
【0037】
【化11】

【0038】
【表1】

【0039】
1.化合物IIIを加える。MeCNを加える。DMFを加える。バッチを10℃に冷却する。
2.温度を10〜15℃に保ちながらオキサリルクロリドを15分後に加え、制御してガスをバブリングする。添加時間は、より大きな規模では、それがバブリングの制御を必要とする場合、より長くなり得る。バッチを27℃で5時間撹拌する。透明な溶液が得られる。酸クロリドの生成が完了したことを確認するために、PrNH2を用いHPLCで調べる(2滴の試料を1mlのMeCN+0.1mlのPrNH2に加える、プロピルアミドのRt=4.3分、残っている酸のRt=2.6分、目標<1%)。
3.固体化合物IIを0〜5℃で加え、10℃で1時間撹拌する。
4.Et3Nを10〜13℃で、40〜60分で加え、13℃で6時間、23℃で一夜(11時間)撹拌する。化合物II(Rt=7.9分)が<1%の領域であることを確かめるためにHPLCで調べる。良好な混合作用のために、この時間の中頃に数回、高速で撹拌することが推奨される。
5.10℃に冷却する。
6.内部温度を2℃未満に保ちながら、20Lの水を加える。発熱は非常に少ない。
7.内部温度を20〜25℃に保ちながら、約4.0LのEt3Nを加える。穏やかな発熱に注意、約5℃の温度上昇を予想せよ。スラリーを22℃で1時間撹拌する。pHが7〜8であることを確かめる。
8.スラリーを濾過し、18Lのアセトニトリル−水(1:2)で洗う。
9.化合物IVの収率:75%。4.56kg。
【0040】
例3:合成
【0041】
【化12】

【0042】
【表2】

【0043】
1.化合物IV、および固体KOH(505g、0.9当量)を50L反応器に投入する。
2.THF(28L)およびt−BuOH(16L)を反応器に投入する。
3.バッチの温度を65℃に上げ、2.0時間撹拌する。
4.HPLCによって調べる。
5.残りのKOH(140g、0.25当量)を加え、化合物IVが<1.0%であることをHPLCが示すまで、65〜67℃で約10時間撹拌する。
6.5〜10℃に冷却し、トシルクロリド溶液(4LのMeCN中、1.906kgのTsCl)を1時間かけて投入し、その間、内部温度を約10℃に保つ。
7.溶媒を約20Lまで、45℃で真空下に留去し、次いで、MeCN(28L)を加え、30℃に冷却する。
8.撹拌を高速に保ちながら、30℃でメタンスルフィン酸Na塩(1.530kg、1.5当量)を、次いで、メタンスルホン酸(288g、0.3当量)を加える。僅かな発熱が観察された(約1℃)。
9.内容物を50℃に加熱し、化合物VIが<0.5%であることをHPLCが示すまで、6時間撹拌する。反応は、さらなる分解なしに、一夜、続けることができる。
10.完了すると、25℃に冷却する。NaHCO3水溶液(0.75当量、24Lの水に790g)を15分間で加えて、pHを7に調節する。
11.22℃で1時間撹拌する。
12.濾過し、ACN:水の1:1混合物(12L)で、次いで、水(10L)で洗う。
13.KFが<0.2%になるまで、N2を流出させながら減圧下に60℃で固体を乾燥する。緑色の固体として収量3.5kg(約78%)の化合物I。
【0044】
前の例は、前の例で用いられたものを一般的または具体的に記載された本発明の反応物および/または操作条件に代えることによって、同じように成功裏に繰り返すことができる。
前述の説明から、当業者は、本発明の本質的特徴を容易に確認することができ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明を様々な使用法および条件に合わせるために、本発明の様々な変更および改変をなすことができる。
【0045】
具体的実施形態
A.溶媒の存在下で式IVの化合物をアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基と反応させて、式Vのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩化合物を得ることを含む方法。
【0046】
【化13】

【0047】
式中、Alkは、C1−C6アルキル基であり;Xは、ハロゲン原子であり;M1は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;R1は、アルキル、特にC1−C10アルキル、より特別にはC1−C6アルキル、より特別にはC1−C3アルキル、または1つまたは複数のヘテロ原子、例えば、−O−、−NH−、−C(=O)−、−N−(C1−C10アルキル)−、または−S−が介在していてもよいこのようなアルキルであるか、あるいはR1は、(C3-7)シクロアルキルおよび(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−であり、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより一置換、二置換または三置換されていてもよく;Hetは、炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選択される1から4個の環ヘテロ原子とを含む、5員、6員、または7員の飽和または不飽和(芳香族を含めて)複素環から水素を除くことによって導かれる1価の置換基であり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、アミドまたはアリールによって置換されていてもよい。
B.溶媒の存在下で式IVの化合物をアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基と反応させて、式Vのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩化合物を得ること、および
式Vの化合物を単離しないで、得られた生成物をスルホニル化反応物とさらに反応させて、式VIの化合物を得ること、
を含む方法。
【0048】
【化14】

式中、Alk、X、M1、R1およびHetは、上記方法Aで定義された通りであり、R2は、C1−C10アルキル、アリール(好ましくはC6)、またはヘテロアリールであり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミド(すなわち、−NH−CO−R、または−CO−NH−R、式中、Rは、C1−C10アルキルである)によって置換されていてもよい。
C.化合物VIをスルホネート塩RSO22と反応させて、式Iの化合物を得ることをさらに含む、上記方法B。
【0049】
【化15】

【0050】
式中、Alk、X、M1、R1、R2、およびHetは、上で定義された通りであり;Rは、C1−C10アルキル、アリール(好ましくはC6)、またはヘテロアリールであり;M2は、アルカリまたはアルカリ土類金属であり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミド(すなわち、−NH−CO−R、または−CO−NH−R、式中、Rは、C1−C10アルキルである)によって置換されていてもよい。
D.スルホネート塩と反応する前に、化合物VIが単離されない、上記方法C。
E.溶媒の存在下で、また場合により塩基を添加して、化合物IIを化合物IIIによりアシル化することによって化合物IVを得ることをさらに含み、化合物IVを得るために、アシル化が、最初に化合物IIIを酸クロリド活性化形に変換するか、またはペプチドカップリング法を用いるかのいずれかによって達成される、上記方法A、B、C、またはDのいずれか。
【0051】
【化16】

【0052】
式中、Alk、X、R1、およびHetは、上で定義された通りであり、各Alkは独立に選択される。
F.アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物である、上記方法A、B、C、D、またはEのいずれか。
G.アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基が水酸化カリウムである、上記方法A、B、C、D、またはEのいずれか。
H.化合物IIが、オキサリルクロリドまたは塩化チオニルとの反応によって酸クロリドに変換される、上記方法E、F、またはGのいずれか。
I.化合物IIIによる化合物IIのアシル化のための溶媒が、MeCN、NMP、またはTHFを含み、任意選択の塩基がトリエチルアミンであり、反応が、−30℃から150℃の温度で実施される、上記方法E、F、G、またはHのいずれか。
J.化合物IVの環化のための溶媒が、水、t−BuOH、THF類、ジオキサン、DMSO、NMP、またはDMEを含み、環化反応が、25℃から150℃の温度で実施される、上記方法A、B、C、D、E、F、G、H、またはIのいずれか。
K.化合物IVの環化のための溶媒が水を含む、上記方法A、B、C、D、E、F、G、H、またはIのいずれか。
L.化合物Vを化合物VIに変換するためのスルホニル化試薬が、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、またはトルエンスルホニルクロリドであり、変換のための反応温度が、−20℃から150℃である、上記方法B、C、D、E、F、G、H、I、J、またはKのいずれか。
M.化合物VIを化合物Iに変換するためのスルホネート塩RSO22が、PhSO2Na、MeSO2Na、またはp−MeC64SO2Naである、上記方法C、D、E、F、G、H、I、J、K、またはLのいずれか。
N.化合物Iへの化合物VIの変換が、HCl、MeSO3H、H2SO4、p−TsOH、H3PO4、HOAc、HO2H、およびCF3CO2Hから選択される酸によって触媒される、上記方法C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、またはMのいずれか。
O.化合物Iへの化合物VIの変換が、HClによって触媒される、上記方法C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、またはMのいずれか。
P.化合物Iへの化合物VIの変換が、−20℃から150℃の反応温度である、上記方法C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、またはOのいずれか。
Q.化合物において、
Alkが、メチルであり;
Rが、フェニルまたはメチルであり;
Xが、Cl、Br、またはIであり;
Hetが、
【0053】
【化17】

(iii)キノリン、インドール、またはピリジン、
(iii)テトラヒドロフラン、チオフェン、ジアゼピン、イソオキサゾール、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリミジン、または
【0054】
【化18】

、あるいは
(iv)チアゾロ[4,5−b]−ピリジン、
であり;
1がKであり、M2がNaであり;
1が、R20、−NR22COR20、−NR22COOR20−NR2221、および−NR22CONR2123であり、式中、R20は、(C1-8)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、および(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−から選択され、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより、一置換、二置換または三置換されていてもよく;R21はHであるか、または上で定義されたR20の意味の1つを有し;R22およびR23は、独立に、Hおよびメチルから選択され、最も好ましくは、R1は、−NH−C(O)−Alk、または−NH−Alkであり;また
2が、フェニルまたはメチルである;
上記方法A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、O、またはPのいずれか。
R.式Vの中間体化合物。
【0055】
【化19】

式中、Alkは、C1−C6アルキル基であり;Xは、ハロゲン原子であり;M1は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;R1は、アルキル、特にC1−C10アルキル、より特別にはC1−C6アルキル、より特別にはC1−C3アルキル、または1つまたは複数のヘテロ原子、例えば、−O−、−NH−、−C(=O)−、−N−(C1−C10アルキル)−、または−S−が介在していてもよいこのようなアルキルであるか、あるいはR1は、(C3-7)シクロアルキルおよび(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−であり、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより一置換、二置換または三置換されていてもよく;Hetは、炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選択される1から4個の環ヘテロ原子とを含む、5員、6員、または7員の飽和または不飽和(芳香族を含めて)複素環から水素を除くことによって導かれる1価の置換基であり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミド(すなわち、−NH−CO−Rまたは−CO−NH−R)によって置換されていてもよい。
S.Xが臭素であり、Alkがメチルであり、Het−R1が、−NH−C(O)−C1−C6アルキルまたは−NH−C1−C6アルキル基によって置換されたチアゾールである、実施形態Rの中間体化合物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒の存在下で式IVの化合物をアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基と反応させて、式Vのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩化合物を得ること
【化1】

[式中、各Alkは、独立に、C1−C6アルキル基であり;Xは、ハロゲン原子であり;M1は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;R1は、−O−、−NH−、−C(=O)−、−N−(C1−C10アルキル)−、または−S−の1つまたは複数が介在していてもよいC1−C10アルキルであるか、あるいはR1は、(C3-7)シクロアルキルまたは(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−であり、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより一置換、二置換または三置換されていてもよく;Hetは、炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選択される1から4個の環ヘテロ原子とを含む、5員、6員、または7員の飽和または不飽和(芳香族を含めて)複素環から水素を除くことによって導かれる1価の置換基であり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アミノ、アミドまたはアリールによって置換されていてもよい]
を含む方法。
【請求項2】
溶媒の存在下で式IVの化合物をアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基と反応させて、式Vのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩化合物を得ること、および
式Vの化合物を単離しないで、得られた生成物をスルホニル化反応物とさらに反応させて、式VIの化合物を得ること
【化2】

[式中、Alk、X、M1、R1およびHetは、請求項1で定義された通りであり、R2は、C1−C10アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミドによって置換されていてもよい]
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化合物VIをスルホネート塩RSO22と反応させて、式Iの化合物を得ること
【化3】

[式中、Alk、X、R1、およびHetは、上で定義された通りであり;Rは、C1−C10アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;M2は、アルカリまたはアルカリ土類金属であり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミドによって置換されていてもよい]
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
スルホネート塩と反応する前に、化合物VIが単離されない、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
塩基が添加されていてもよい、溶媒の存在下で化合物IIを化合物IIIによりアシル化することによって化合物IVを得ること
【化4】

[式中、Alk、X、R1、およびHetは、請求項1、2、3、または4において定義された通りであり、各Alkは独立に選択される]
をさらに含み、化合物IVを得るために、アシル化が、最初に化合物IIIを酸クロリド活性化形に変換するか、またはペプチドカップリング法を用いるかのいずれかによって達成される、請求項1、2、3、または4に記載の方法。
【請求項6】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
化合物IVの環化のための溶媒が、水、t−BuOH、THF、ジオキサン、DMSO、NMP、またはDMEを含み、環化反応が、25℃から150℃の温度で実施される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
化合物IVの環化のための溶媒が水を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
化合物Vを化合物VIに変換するためのスルホニル化試薬が、メタンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、またはトルエンスルホニルクロリドであり、変換のための反応温度が、−20℃から150℃である、請求項2、3または4のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
化合物VIを化合物Iに変換するためのスルホネート塩RSO22が、PhSO2Na、MeSO2Na、またはp−MeC64SO2Naである、請求項3または4に記載の方法。
【請求項11】
化合物Iへの化合物VIの変換が、HCl、MeSO3H、H2SO4、p−TsOH、H3PO4、HOAc、HO2H、およびCF3CO2Hから選択される酸によって触媒される、請求項3、4または10に記載の方法。
【請求項12】
化合物Iへの化合物VIの変換が、HClによって触媒される、請求項3、4、10または11に記載の方法。
【請求項13】
化合物Iへの化合物VIの変換が、−20℃から150℃の反応温度である、請求項3、4、10、11または12に記載の方法。
【請求項14】
式Vの中間体化合物
【化5】

[式中、Alkは、C1−C6アルキル基であり;Xは、ハロゲン原子であり;M1は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり;R1は、−O−、−NH−、−C(=O)−、−N−(C1−C10アルキル)−、または−S−の1つまたは複数が介在していてもよいC1−C10アルキルである、あるいはR1は、(C3-7)シクロアルキルまたは(C3-7)シクロアルキル(C1-4)アルキル−であり、前記シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルは、(C1-3)アルキルにより一置換、二置換または三置換されていてもよく;Hetは、炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選択される1から4個の環ヘテロ原子とを含む、5員、6員、または7員の飽和または不飽和(芳香族を含めて)複素環から水素を除くことによって導かれる1価の置換基であり;上記アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびHet基の各々は、独立に、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルアルキル、アルケニル、アミノ、置換アミノ、またはアミドによって置換されていてもよい]。
【請求項15】
Xが臭素であり、Alkがメチルであり、Het−R1が、−NH−C(O)−C1−C6アルキルまたは−NH−C1−C6アルキル基によって置換されたチアゾールである、請求項14に記載の式Vの中間体化合物。

【公表番号】特表2012−520891(P2012−520891A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500946(P2012−500946)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/027747
【国際公開番号】WO2010/107965
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】