説明

スロッタ用回転刃、スロッタ及び段ボール箱用シート体の製造方法

【課題】従来の段ボール箱のような切溝を形成することができるとともに、さらに組み立てた際に角に隙間が生じにくく密閉性の優れた段ボール箱の切溝を形成することもできるスロッタ用回転刃を提供する。
【解決手段】スロッタ用回転刃1は、略円弧状に沿って形成された切溝形成部位20を有する回転刃本体10、及び回転刃本体に取付けられた可動刃50を備え、可動刃が、その切断部位55を、切溝形成部位の延長曲線に沿って且つ切溝形成部位に連続する切断位置と、この切断位置よりも内側の非切断位置とを選択して固定できるよう設けられ、可動刃の切断部位の切断幅が、上記切溝形成部位の切断幅よりも狭く設けられている。可動刃の切断部位を切断位置に位置させることで角に隙間が生じ難い段ボール箱の切溝を形成でき、非切断位置に位置させることで従来の段ボール箱の切溝を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロッタ用回転刃、スロッタ及び段ボール箱用シート体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロッタは、段ボールシートに切溝を形成して、段ボール箱のフラップを形成するために用いられる。このスロッタは、段ボールシートが搬送される搬送路の上下に配された一対のスロッタ軸と、このスロッタ軸にそれぞれ固定される上下の回転体と、この上下の回転体にそれぞれ取付けられるスロッタ用回転刃とを備え、搬送される段ボールシートにスロッタ用回転刃で一定幅を有する切溝を形成している(特開平2007−196342号公報参照)。この種のスロッタは、いわゆる四角筒状部の左右前後の上下からそれぞれフラップが延設されたA式段ボール箱を形成する際に好適に用いられている。また、このスロッタ用回転刃は、略円弧状に設けられ、その端部に他の部位よりも外側に突出した突出部を有するものも公知であり、この突出部によって切溝の底部(四角筒状部の端縁部)を綺麗に打ち抜くように設けられている。
【0003】
このようなスロッタで形成された切溝は一定幅を有するので、隣接するフラップ同士は切溝の幅だけ離間している。このため、段ボールを組みたてる際に、筒型の四角筒状部の内側にフラップを折り曲げる際に、隣接するフラップが邪魔にならず容易に折り曲げることができる。
【0004】
しかし、このように隣接するフラップ同士が離間していることによって、組み立てられた段ボール箱(フラップが折り曲げられた段ボール箱)の角(三つの稜の交点)に隙間が生じてしまう。つまり、組み立てられた状態でも、切溝の底部(フラップの付け根における四角筒状部の端縁部)においてフラップ同士は離間しており、このためこのフラップが離間した部分が隙間となってしまう。このような隙間は、段ボール箱内部の気密性が欠けるばかりか、この隙間から異物が混入するおそれも存在するという不都合がある。
【0005】
なお、この角の隙間を密閉するために、封緘に際して突き合わされたフラップの開放端縁に粘着テープを貼着した後に、この貼着した粘着テープと交差する方向に段ボール箱の稜に粘着テープを貼着し(いわゆるH貼りして)、この稜方向に貼着した粘着テープによって上記角の隙間を密閉することもなされている。しかし、かかる封緘方法は、粘着テープを余分に使うばかりか、封緘作業が手間であり、さらにはH貼りした段ボール箱を開封する作業は煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2007−196342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、従来の段ボール箱のような切溝を形成することができるとともに、さらに組み立てた際に角に隙間が生じにくく密閉性の優れた段ボール箱の切溝を形成することもできるスロッタ用回転刃、スロッタ及び段ボール箱用シート体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、
段ボールシートに切溝を形成するスロッタ用回転刃であって、
略円弧状に沿って形成された切溝形成部位を有する回転刃本体、及び
上記回転刃本体に取付けられた可動刃を備え、
上記可動刃が、その切断部位を、上記切溝形成部位の延長曲線に沿って且つ切溝形成部位に連続する切断位置と、この切断位置よりも内側の非切断位置とを選択して固定できるよう設けられ、
上記可動刃の切断部位の切断幅が、上記切溝形成部位の切断幅よりも狭く設けられていることを特徴とするスロッタ用回転刃である。
【0009】
当該スロッタ用回転刃にあっては、スロッタの回転体に装着することによって、段ボール箱用シート体の切溝を形成することができる。特に、可動刃の切断部位を切断位置に位置させると、切溝形成部位による切溝に連続して可動刃による切溝が形成される。この可動刃の切断部位の切断幅は切溝形成部位の切断幅よりも狭く設けられているので、切溝形成部位による切溝よりも可動刃による切溝の方が幅の狭いものとなる。このように製造された段ボール箱用シート体を組み立てると、フラップの付け根部分においてフラップ同士の距離が近く、このため段ボール箱の角に隙間が生じ難い。これにより、段ボール箱の内部の気密性が高められ、また異物混入のおそれが少ない。
【0010】
一方、当該スロッタ用回転刃にあっては、可動刃の切断部位を非切断位置に位置させておくことにより、可動刃による切溝は形成されずに切溝形成部位による切溝のみが形成されるので、従来の切溝を有する段ボール箱用シート体を製造することも可能である。このように、可動刃の切断部位を選択的に位置させることで、一つの当該スロッタ用回転刃によって、目的に応じた段ボール箱用シート体を製造することができる。
【0011】
また、当該スロッタ用回転刃は、上記切溝形成部位が、略円弧状に沿って形成された円弧状部位、及びこの円弧状部位の上記切断位置側の端部から外側に向けて突設された突設部位を備える構成を採用することが好ましい。これにより、この突設部位によって、切溝形成部位により形成される切溝の端部(底部)を綺麗に打ち抜くことができる。このため、可動刃の切断部位を非切断部位に位置させて従来の切溝を有する段ボール箱用シート体を製造するにあっても、良好な段ボール箱用シート体を製造することができる。
【0012】
さらに、当該スロッタ用回転刃は、可動刃が回転刃本体に回動可能に軸支されている構成を採用することが好ましい。これにより、可動刃を回転刃本体に対して回動させることで、可動刃の切断部位を切断位置と非切断位置とに選択的に位置させることができる。なお、当該スロッタ用回転刃にあっては、可動刃を回転刃本体にスライド可能に取付けて、可動刃の切断部位を切断位置と非切断位置とに選択的に位置させることができるよう設けることも可能であるが、上記のように可動刃が回転刃本体に回動可能に軸支されていることが好ましい。これにより、スライドさせる構造等に比して簡易な構造となり故障が生じ難いという利点を有する。
【0013】
当該スロッタ用回転刃の回転刃本体は、外端縁が切溝形成部位である板状体であることが好ましい。そして、上記のように可動刃を回転刃本体に回動可能に取り付けた場合、回転刃本体の外面に直接可動刃が重ね合わされた状態で両者が連結(軸支)された構成を採用することも可能であるが、この場合、回転刃本体に対して厚み方向に可動刃がはみ出した状態となってしまい、このはみ出した可動刃の部分がスロッタのその他の構造の邪魔となるおそれがあり、さらにはスロッタの回転体に的確に装着できなくなるおそれもある。このため、回転刃本体の円弧方向の端部の一面側に凹部が形成され、この凹部に、可動刃の一部が収容され、可動刃が、この凹部において回転刃本体に軸支されており、上記凹部の深さが、上記可動刃のうち凹部に収容される部位の厚みと略同一に設けられている構成を採用することが好ましい。これにより、可動刃の軸支される部分が凹部に収容され且つその厚みが凹部の深さと略同一であるため、回転刃本体の厚み方向に可動刃がはみ出さず、スロッタのその他の構造の邪魔とならず、また凹部における当該スロッタ用回転刃全体の厚みと凹部以外の部分の厚みとが略同一となるので、従来のスロッタにも的確且つ確実に取付けることができる。
【0014】
また、上記課題を解決するためになされた発明は、上記構成からなる当該スロッタ用回転刃を有するスロッタである。
【0015】
当該スロッタによれば、可動刃の切断部位の選択によって、フラップの付け根部分においてフラップ同士の距離が近い段ボールを製造することができ、また従来の切溝を有する段ボール箱用シート体を製造することも可能である。
【0016】
さらに、上記課題を解決するためになされた発明は、上記構成からなる当該スロッタを用いて段ボールシートに切溝を形成する切溝形成工程を有する段ボール箱用シート体の製造方法である。
【0017】
当該製造方法によれば、目的に応じて切溝の構成が異なる段ボール箱用シート体を製造することができる。特に、フラップの付け根部分においてフラップ同士の距離が近い段ボールを製造することができ、これにより組み立てられた際に段ボール箱の角に隙間が生じ難いという利点を有する。
【0018】
なお、上記説明において、「切溝形成部位の切断幅」とは、切溝形成部位の円弧方向に対して垂直な方向の幅であり、また、「可動刃の切断部位の切断幅」とは、上記円弧方向の延長曲線に対して垂直な方向の幅である。また、「内側」とは、切溝形成部位の円弧を含む円の中心側を意味し、「外側」とはこの「内側」の反対側(円の外側方向)を意味する。さらに、「凹部の深さ」及び「可動刃の厚み」とは、切溝形成部位の円弧方向に対して垂直な方向の深さ及び厚みをそれぞれ意味する。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、当該スロッタ用回転刃にあっては、従来の段ボール箱用シート体のような切溝を形成することができるとともに、さらに組み立てた際に角に隙間が生じにくく密閉性の優れた段ボール箱用シート体の切溝を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第一実施形態のスロッタ用回転刃の説明図であって、可動刃の切断部位が切断位置に位置する状態の概略的正面図である。
【図2】図1のスロッタ用回転刃の説明図であって、可動刃の切断部位が非切断位置に位置する状態の概略的正面図である。
【図3】図1のスロッタ用回転刃であって、可動刃の切断部位が切断位置に位置する状態の概略的要部拡大平面図である(一点鎖線は切断部位が非切断位置に位置する状態を示す)。
【図4】本発明の第二実施形態のスロッタ用回転刃の説明図であって、可動刃の切断部位が切断位置に位置する状態の概略的正面図である。
【図5】図4のスロッタ用回転刃であって、可動刃の切断部位が非切断位置に位置する状態の概略的正面図である。
【図6】図1のスロッタ用回転刃及び図4のスロッタ用回転刃を取付けた状態のスロッタの一部断面を含む概略的要拡大正面図である。
【図7】図6のスロッタによって製造された段ボール箱用シート体を説明するための説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態のスロッタ用回転刃の説明図であって、可動刃の切断部位が非切断位置に位置する状態の概略的要部拡大正面図である(一点鎖線は切断部位が切断位置に位置する状態を示す)。
【図9】図8のスロッタ用回転刃の説明図であって、蓋部材を取り外した状態の概略的正面図である(一点鎖線は切断部位が切断位置に位置する状態を示す)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
【0022】
<固定側回転刃1>
まず、本発明の第一実施形態のスロッタ用回転刃として、図1〜図3に示すような固定側回転刃1を例にとり説明する。
【0023】
この固定側回転刃1は、後述するスロッタ100の回転体120に固定され、搬送される段ボールシート(以下、単に「シート」という場合がある。)に切溝を形成するためのものである。なお、シートとしては、表ライナーと裏ライナーとの間に波型の中芯が介在された多層構造の段ボール紙が好適に用いられるが、段ボール箱に用いられるその他のシート状部材であっても用いることも可能である。
【0024】
この固定側回転刃1は、外縁及び内縁が略円弧状に設けられた板状の回転刃本体10と、この回転刃本体10に回動可能に取付けられた可動刃50とを備えている。
【0025】
この回転刃本体10は、スロッタ100の回転体120に装着されるための複数の装着孔部11が形成されており、この複数の装着孔部11は円弧方向に沿って配されている。また、この装着孔部11は、円弧方向に長い長孔に形成されている。
【0026】
回転刃本体10は、シートに切溝210を形成するための切溝形成部位20を有しており、この切溝形成部位20は略円弧状に設けられている。この切溝形成部位20は、略円弧状に沿って形成された円弧状部位21と、この円弧状部位21の可動刃50側の端部から外側に向けて突設され円弧状部位21の先端よりも突出した突設部位23とを有している。
【0027】
この切溝形成部位20の円弧状部位21は、回転刃本体10の外縁から構成されている。この円弧状部位21は、固定側回転刃1がスロッタ100の回転体120に装着された際に回転体120よりも外側に突出するよう形成されている。
【0028】
この円弧状部位21は、正面視鋸刃状に形成されている。ここで、鋸刃のピッチは4mmとすることができ、2mm以上6mm以下であることが好ましく、3mm以上5mm以下であることがより好ましい。
【0029】
さらに、この円弧状部位21において回転刃本体10は、円弧方向に対して垂直な方向の断面形状が略U字状に形成されている。具体的には、回転刃本体10は、図3に示すように、円弧方向に対して垂直な方向の中央部に位置する底部26と、この底部26の前後端面側からそれぞれ突設された表面側端面部25及び裏面側端面部27とを有し、この表面側端面部25及び裏面側端面部27の外縁が円弧状部位21として機能している。この表面側端面部25及び裏面側端面部27は、片刃形状に設けられている。具体的には、表面側端面部25及び裏面側端面部27は、底部26から整列して突設された多数の四角錐を有しており、表面側端面部25の表面側及び裏面側端面部27の裏面側は垂直な平面に設けられ回転刃本体10の表面及び裏面に面一に形成されている。これにより、スロッタ100に取付けられた際に対向する他の回転刃が、円弧状部位21(表面側端面部25及び裏面側端面部27)を挟み込むよう噛みあわされることによって、表面側端面部25及び裏面側端面部27によって段ボールシートが切断されることになる。なお、この円弧状部位21(表面側端面部25及び裏面側端面部27)のすくい角は22°とすることができ、このすくい角は15°以上30°以下であることが好ましく、20°以上25°以下であることがより好ましい。なお、上記円弧状部位21の形状は上記実施形態のものに特に限定されず、種々の形態のものを採用可能であり、例えば両刃形状のものを採用すること等も適宜設計変更可能である。
【0030】
ここで、この切溝形成部位20の切断幅(円弧状部位21の幅(表面側端面部25の表面から裏面側端面部27の裏面までの距離)及び突設部位23の幅)は、0.5cm以上3cm以下であることが好ましく、0.8cm以上2cm以下であることがより好ましく、1cm以上1.5cm以下であることが特に好ましい。上記下限値よりも小さいと、筒型の四角筒状部201から延設されたフラップ203を内側に折り曲げる際に際に隣接する他のフラップ203が邪魔になるおそれがあり、上記上限値よりも大きいと組み立てられた段ボール箱の蓋又は底が十分な強度を有さないおそれがあるためである。
【0031】
上記突設部位23は、突出端23aが上記円弧状部位21よりも外側に位置するよう設けられている。また、突設部位23は、突出端23aから円弧方向に対して垂直な垂直壁23bを有している。なお、突設部位23の突出端23aは、円弧方向から見て鋸刃状に形成されている(図3参照)。
【0032】
また、回転刃本体10の円弧方向の一方の端部(図1における右側)の一面側に凹部30が形成されている。
【0033】
この凹部30には、上記可動刃50の一部が収容されており、この凹部30において可動刃50は回転刃本体10に回動可能に軸部70を介して取付けられている。ここで、凹部30は、可動刃50の可動領域を一定範囲に制限するような内壁を有している。具体的には、凹部30の外側に位置する内壁は、可動刃50の外側方向への回動を規制するよう設けられ(図1の可動刃50参照)、また凹部30の内側に位置する内壁は、可動刃50の内側方向への回動を規制するように設けられ(図2の可動刃50参照)、可動刃50は、この内壁に規制された角度範囲で回動できるよう設けられている。
【0034】
なお、上記可動刃50が連結される軸部70は、上記複数の装着孔部11が配設される方向(円弧方向)に沿って形成されている。
【0035】
また、凹部30は、深さ(図1及び図2の紙面方向の深さ)が、回転刃本体10の厚み(凹部30が形成されていない箇所の厚み)の半分以上に設けられており、具体的には回転刃本体10の厚みの約2/3程度に設けられている(図3参照)。
【0036】
また、可動刃50は、平面視略L字状に屈曲された形状から構成されている。具体的には、可動刃50は、軸部70に連結され回転刃本体10の突設部位23側に延設される回動部位51と、この回動部位51から外側方向に立ち上がる立ち上がり部位53と、この立ち上がり部位53から外側方向に向けて突設された切断部位55とを有している。
【0037】
上記回動部位51は、上記凹部30に収容されるよう配置され、厚みが凹部30の深さと略同一に設けられている。なお、立ち上がり部位53も、回動部位51と同一厚みで設けられている。これにより、凹部30が形成される面側(表面側)において、回動部位51、立ち上がり部位53、及び回転刃本体10のうち凹部30が形成されていない箇所が略面一となるよう設けられている。また、立ち上がり部位53は、可動刃50の切断部位55が切断位置に位置する際(図1)に、突設部位23の垂直壁23bと隙間なく当接するよう形成されている。
【0038】
また、上記切断部位55は、立ち上がり部位53の外縁から外側に向けて突設されている。この切断部位55は、回動部位51が外側に位置する状態(図1の可動刃50)において切溝形成部位20の円弧状部位21の延長曲線上に沿って位置するよう設けられている。また、この切断部位55は、回動部位51が内側に位置する状態(図2の可動刃50)において円弧状部位21の延長曲線よりも内側に位置するよう設けられている。
【0039】
換言すれば、可動刃50は、切断部位55を、上記切溝形成部位20の延長曲線に沿って且つ切溝形成部位20に連続する切断位置(図1の可動刃50)と、この切断位置よりも内側の非切断位置(図2の可動刃50)との何れかに位置するよう選択できるよう設けられており、この位置選択のために可動刃50は回転刃本体10に回動可能に取付けられている。
【0040】
また、回転刃本体10の凹部30は、切断位置と非切断位置との範囲内において可動刃50の回動を許容するよう設けられているとともに、切断位置と非切断位置との範囲を超えて可動刃50が回動しないよう(凹部30の内壁が回動部位51に当接するよう)設けられている。
【0041】
なお、回転刃本体10の凹部30の深さと可動刃50の回動部位51の厚みが略同一に設けられているので、当該固定側回転刃1をスロッタ100の回転体120に装着するために上記装着孔部11にボルト等が締結されると、この凹部30と回転体120とによって上記回動部位51が挟持されて可動刃50が固定され、これにより切断部位55が切断位置又は非切断位置に固定される。
【0042】
また、切断部位55は、立ち上がり部位53の円弧方向全域にわたり且つ側面視(円弧方向から見て)一方側(図1の可動刃50において裏面側)から突設されている(図3参照)。また、切断部位55の切断幅は、上記回転刃本体10の切溝形成部位20の切断幅よりも幅狭に設けられており、本実施形態においては、この切断部位55は、幅をほとんど有さない切断線210bをシートに形成するよう設けられている。具体的には、切断部位55は、図3に示すように、平面視回転刃本体10の表面側端面部25及び裏面側端面部27の中間位置(底部26の延長曲線上)に位置するよう配設されており、切断部位55は、この中間位置が最も高くなるよう設けられている。これにより、切断部位55の形成する切断線210bが、切溝形成部位20による切溝210の幅方向中間部に位置して、この切溝210に連続するよう形成されることになる(図7(b)参照)。また、この切断部位55によって形成される切込線210bは、シートの表面から裏面まで完全に切断されていることが好ましいが、段ボールシートの表ライナーのみを切断するような切込線であっても良い。また、切断部位55は、上記切込線210bを形成するものに限らず、切溝形成部位20による切溝210aよりも幅狭の切溝を形成するよう設けられているものであっても良い。
【0043】
なお、上記のように切断部位55が一定幅の切溝を形成する場合には、切断部位55は、形成する切溝の幅が、1cm以下であることが好ましく、0.5cm以下であることがより好ましく、0.3cm以下であることが特に好ましい。上記範囲よりも大きい場合には、製造された段ボール箱の角に隙間が生じてしまう可能性が高くなるためである。なお、上記数値範囲の何れかを採用した場合であっても、切断部位55は、形成する上記切溝210bの幅が、切溝形成部位20による切溝210aの幅よりも小さくなるよう設けられていることが必要である。
【0044】
また、上記切断部位55は、円弧方向の長さ(切断する長さ)が0.5cm以上10cm以下であることが好ましく、1cm以上8cm以下であることがより好ましく、3cm以上5cm以下であることが特に好ましい。上記下限値よりも小さい場合には、製造された段ボール箱の角に隙間が生じてしまうおそれがあるためである。また、上記上限値よりも大きい場合には、筒型に形成された四角筒状部201から延設されたフラップ203を内側に折り曲げる際に隣接するフラップ203が邪魔になる(またはフラップ203との間で摩擦力が生ずる)おそれがあるためである。
【0045】
この切断部位55は、正面視鋸刃状に形成されている。ここで、切断部位55の鋸刃のピッチは円弧状部位21のピッチよりも小さくすることができ、例えば3mmとすることができ、1mm以上5mm以下であることが好ましく、2mm以上4mm以下であることがより好ましい。また、この切断部位55は両刃形状に設けられている。なお、この切断部位55の形状等は目的に応じて適宜設計変更可能である。
【0046】
<間隔変更側回転刃3>
次に、本発明の第二実施形態のスロッタ用回転刃として、図4及び図5に示すような間隔変更側回転刃3を例にとり説明する。なお、以下、間隔変更側回転刃3の説明にあたって、固定側回転刃1と略同一の構成を有する部分については、同一符号を用いて説明を省略することがある。
【0047】
図4及び図5に示す間隔変更側回転刃3も、上記固定側回転刃1と同様に、スロッタ100の回転体120に固定されシートに切溝210を形成するためのものである。ここで、間隔変更側回転刃3は、回転体120に対して円弧方向の位置を変更可能(移動可能)に装着され、回転体120に固定される固定側回転刃1との間隔を調節できるよう設けられているが、切溝210形成作業時においては回転体120に固定されるものである。
【0048】
また、間隔変更側回転刃3も、固定側回転刃1と同様に、回転刃本体10と、この回転刃本体10に回動可能に取付けられた可動刃50とを備える。
【0049】
また、間隔変更側回転刃3にもスロッタ100の回転体120に装着されるための複数の装着孔部11が形成されている。但し、この間隔変更側回転刃3の装着孔部11は、固定側回転刃1の装着孔部11に比べて、内側に配設されている。そして、間隔変更側回転刃3の軸部70は、この複数の装着孔部11に沿って形成されており、固定側回転刃1の軸部70に比べて内側に配設されている。
【0050】
また、間隔変更側回転刃3の可動刃50も、固定側回転刃1と同様に、凹部30において回動可能に回転刃本体10に取付けられている。ここで、間隔変更側回転刃3の凹部30は、外側に位置する内壁が、可動刃50の外側方向への回動を規制するよう設けられているが、固定側回転刃1と異なり凹部30の内側に位置する内壁は存在していない。
【0051】
また、間隔変更側回転刃3の可動刃50も、固定側回転刃1と同様に、回動部位51、立ち上がり部位53及び切断部位55を有するが、間隔変更側回転刃3の可動刃50の回動部位51の内側端部には切欠き形状51aが設けられ、可動刃50が他の部材と不用意に当接しないように設けられている。
【0052】
<スロッタ100>
次に、上記実施形態のスロッタ用回転刃1,3を備える本発明の実施形態のスロッタ100について、図6を参酌しつつ説明する。
【0053】
図6のスロッタ100は、回転するスロッタ軸110と、このスロッタ軸110に固定される回転体120と、この回転体120に装着されるスロッタ用回転刃1,3とを備えている。ここで、一の回転体120には、スロッタ用回転刃として、一対の上記固定側回転刃1と上記間隔変更側回転刃3とが装着される。また、スロッタ軸110には、スロッタ用回転刃1,3が装着される回転体120が段ボール箱用シート体200の切溝210の本数に応じて固定され、本実施形態においてはスロッタ用回転刃1,3が装着された三つの回転体120がスロッタ軸110に固定され、三本の切溝210を形成するよう構成されている。なお、回転体120へのスロッタ用回転刃1,3の装着は、従来公知の種々の方法を採用でき、例えば、一対の回転体120によってスロッタ用回転刃1,3を挟持するようにして装着する方法や、一つの回転体120の面にボルトによって締結して装着する方法等を適宜採用することができる。
【0054】
なお、回転体120には、固定側回転刃1と間隔変更側回転刃3とが、周方向(円弧方向)一定間隔離間して装着される。この固定側回転刃1と間隔変更側回転刃3との間隔は、切溝210を形成する段ボール箱の大きさ等に応じて適宜変更される。なお、この固定側回転刃1と間隔変更側回転刃3との間隔は、段ボール箱の高さ(四角筒状部201の高さ)に応じて変更される。この間隔の変更は、切溝210を形成する作業を行う前に、間隔変更側回転刃3の装着位置を変更することによってなされている。
【0055】
当該スロッタ100にあっては、従来のような切溝210を有する段ボール箱用シート体を形成する場合には、固定側回転刃1の可動刃50及び間隔変更側回転刃3の可動刃50の切断部位55を非切断位置に位置させた状態で、固定側回転刃1及び間隔変更側回転刃3を回転体120に装着する。
【0056】
一方、後述する段ボール箱のように角に隙間が生じない段ボール箱用シート体200を形成する場合には、固定側回転刃1の可動刃50の切断部位55を切断位置に位置させて、この固定側回転刃1の可動刃50に円弧方向において対向する位置の間隔変更側回転刃3の可動刃50の切断部位55を切断位置に位置させて、固定側回転刃1を回転体120に装着するとともに、固定側回転刃1の切断部位55と間隔変更側回転刃3の切断部位55との間隔(円弧方向に沿った間隔)が段ボール箱用シート体200の四角筒状部201の高さとなるよう間隔変更側回転刃3を移動させて回転体120に装着する。
【0057】
<段ボール箱用シート体200の製造方法>
上記スロッタ100を用いた本発明の実施形態の段ボール箱用シート体200の製造方法について以下説明する。
【0058】
本実施形態の段ボール箱用シート体200の製造方法は、
1.シートを所定サイズに裁断する工程、
2.シートに所望の印刷を行う工程、
3.シートに折り曲げ容易線205(けい線)を形成する工程、及び
4.シートに上記スロッタ100を用いて切溝210を形成する工程
を備えている。
【0059】
折り曲げ容易線205を入れる工程と切溝210を形成する工程とは同一機械により略同時に行うことができ、四角筒状部201を折り曲げるための折り曲げ容易線205は、上記切溝210と同一直線上に形成される。なお、フラップ203の付け根部分にも折り曲げ容易線205が形成される。また、切溝210を形成する工程においては四角筒状部201を筒状に組み立てるための糊代部207も形成される。さらに、上記各工程を経たシートについて糊代部207を接合して四角筒状部201を形成する工程をさらに行うことも可能である。なお、印刷工程は、必要に応じて行われるものであり、また裁断される前に予め印刷工程を行うことも可能である。また、必要に応じてシートに穴や切欠きを設ける工程を行うことも可能である。
【0060】
<段ボール箱用シート体>
上記製造方法によって段ボール箱用シート体が製造されるが、固定側回転刃1の可動刃50及び間隔変更側回転刃3の可動刃50の切断部位55を非切断位置に位置させた状態のスロッタ100を用いた場合には、従来のA式段ボール箱に用いられるシート体が製造される。
【0061】
一方、固定側回転刃1の可動刃50及び間隔変更側回転刃3の可動刃50の切断部位55を切断位置に位置させた状態のスロッタ100を用いた場合には、図7に示すような段ボール箱用シート体200が製造されることになる。
【0062】
この図7に示す段ボール箱用シート体200は、二つのフラップ203の間の切溝210が、一定幅を有する部分210a(切溝形成部位20による切溝)と、この部分から連続するとともに四角筒状部201まで位置する切込線210b(可動刃50による切溝)とを有している。
【0063】
<利点>
上記構成からなる段ボール箱用シート体200は、筒型に四角筒状部201を形成して、フラップ203を内側に折り曲げて、箱形(段ボール箱)に組み立てられる。このフラップ203を折り曲げるに際して、フラップ203間には切溝210が形成されており、この切溝210は一定幅を有する部分210aが存在するので、隣接するフラップ203との摩擦が小さく、容易にフラップ203を折り曲げることができる。また、フラップ203の付け根部分において、切溝210は切込線210bから構成されているので、隣接するフラップ203と略隙間が存在しないので、組み立てられた段ボール箱の角に隙間が生じ難い。これにより、従来のようなH貼りを行わなくとも、内部に異物の混入のおそれが少ないとともに、段ボール箱の内部の気密性が高められることになり、このため冷蔵物の保管等にも利用することも考えることができる。また、H貼りを行わなくとも済むため、封緘作業が簡易且つ迅速に行うことができるとともに、さらに開封作業も簡易且つ迅速に行うことができる。
【0064】
また、当該スロッタ用回転刃1,3及びスロッタ100にあっては、上記利点を有する段ボール箱用シート体200を製造することができるとともに、上述のように従来のA式段ボール箱に用いられるシート体も製造することが可能である。すなわち、可動刃50の切断部位55を選択的に位置させることで、一つの当該スロッタ用回転刃1,3によって、目的に応じた段ボール箱用シート体を製造することができる。
【0065】
また、当該スロッタ用回転刃1,3は、可動刃50の切断部位55の切断位置に隣接して突設部位23を備えているので、従来の切溝210を有する段ボール箱用シート体を製造するにあっても切溝210の端部(底部)を綺麗に打ち抜くことができる。しかも、切断部位55を切断位置に位置させた際、突設部位23に隣接して切断部位55が位置するため、突設部位23によって切断される部位に発生する応力が緩和されることになり、好適な段ボール箱用シート体200を形成することができる。すなわち、突設部位23から円弧状部位21にかけて段ボールシートが切断されていく際に、段ボールシートにいきなり突設部位23による切断がなされると、この突設部位23の切断によって段ボールシートに応力が発生してしまう可能性がある。これに対して、上記のように突設部位23に隣接して切断部位55が位置することで、段ボールシートにはまず切断幅の狭い切断部位55による切断がなされるので、上記のような段ボールシートへの応力の発生が軽減され、好適な段ボール箱用シート体200を形成することができる。
【0066】
また、切断部位55を切断位置に位置させている状態において、切断部位55が立設される立ち上がり部位53が、上記突設部位23の垂直壁23bと隙間なく当接するよう形成されているので、可動刃50と突設部位23との間に段ボールシートの切り屑等が介在しにくい。つまり、例えば可動刃50と突設部位23との間に隙間が生じていると、この隙間部分に切り屑等が堆積してしまうことによって、可動刃50が不用意に回動する可能性が生ずる。これに対して、上記のように立ち上がり部位53と垂直壁23bと隙間なく当接状態にあることにより、この部位に切り屑等が堆積しにくく、可動刃50の不用意な回動を的確に防止することができる。
【0067】
さらに、切断部位55の位置変更のための構造が、可動刃50を回転刃本体10に回動可能に軸支したという簡易な構成であるため、故障が生じ難く、また切断部位55の位置変更も容易且つ確実に行うことができる。
【0068】
また、可動刃50の一部が回転刃本体10の凹部30に、はみ出さない状態で収容されているので、従来の回転体120にも容易に装着することができる。さらに、凹部30の深さと、この凹部30に収容される可動刃50の部分の厚みとが略同一に設けられ、回転体120への装着により凹部30と回転体120とにより可動刃50が挟持される構成であるので、可動刃50の位置固定のための他の構造を特に必要としないという利点を有する。
【0069】
さらに、当該スロッタ用回転刃1,3は、凹部30の内壁が可動刃50の回動部位51と当接するよう設けられ、つまり凹部30が可動刃50の可動領域を規制するよう設けられているので、可動刃50の不用意な可動による他の部材との干渉を防止できる。特に、固定側回転刃1にあっては、凹部30によって可動刃50の外側方向の回動のみならず内側方向の回動をも規制されているので、他の部材との干渉をより防止できる。
【0070】
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は上記構成によって上述のような利点を有するものであったが、本発明は必ずしも上記構成に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【0071】
つまり、上記実施形態においては、可動刃50の切断部位55の位置変更のために可動刃50を回転刃本体10に回動可能に取付けたものについて説明したが、例えば回転刃本体に可動刃をスライド可能に設けて、切断部位の位置を切断位置と非切断位置とを変更すべく可動刃がスライドするよう設けることも可能である。
【0072】
また、可動刃50を回転刃本体10に回動可能に取付けた場合にあっても、上記実施形態のように回転刃本体10に凹部30を設けることは必ずしも必要ではない。但し、凹部30を設けてこの凹部30に可動刃50の一部を収容することが好ましく、これにより従来のスロッタ100の回転体120にも容易且つ確実に装着できるという利点を有する。
【0073】
さらに、このように凹部30を設ける場合にあっても、上記実施形態のように凹部30の深さと可動刃50の厚みとを同一に設けることは必ずしも必要ではなく、例えば図8及び図9に示すような構造を採用することも可能である。
【0074】
この図8及び図9に示すスロッタ用回転刃5は、回転刃本体10の凹部30は段構造となっており、この凹部30は、回転刃本体10の一面から凹んだ一段目30aと、この一段目30aからさらに凹んだ二段目30bとを有し、この二段目30bに可動刃50の一部が収容されている。なお、一段目30aの深さ(回転刃本体10の表面から一段目30aの底部までの深さ)及び二段目30bの深さ(一段目30aの底部から二段目30bの底部までの深さ)は、凹部30が形成されていない回転刃本体10の箇所の約3分の1とされている。そして、この二段目30bにおいて可動刃50は回転刃本体10に軸支されている。また、可動刃50は全体が略同一厚みの板状体から構成されており、可動刃50の厚みは、二段目30bの深さと略同一に設けられている。また、当該スロッタ用回転刃5は、上記凹部30の一段目30aに着脱可能に取付けられる板状の蓋部材80をさらに備え、この蓋部材80は一段目30aに取付けられた際に二段目30bの方向まで突出するような大きさを有している。これにより蓋部材80を取付けることで、可動刃50は蓋部材80と一段目30aの底部との間に介在された状態で回転刃本体10に取付けられることになる。なお、蓋部材80の厚みは一段目30aの深さと略同一に設けられている。そして、このスロッタ用回転刃5が回転体120に固定されると、蓋部材80と凹部30の底部とにより可動刃50が挟持され、これにより可動刃50の位置が固定されることになる。また、図8及び図9に示す凹部30(二段目30bの内壁)は、可動刃50の外側方向への回動を規制するよう設けられ、また可動刃50の内側方向への回動を規制するように設けられており、可動刃50はこの内壁に規制された角度範囲で回動できるよう設けられている。
【0075】
また、上記実施形態においては、スロッタ用回転体1,3,5の一方の端部のみに可動刃50を取付けたものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば両端に可動刃を取付けることも可能である。このように両端に可動刃を取付ける場合には円弧状部位の両端に突設部位を配設することが好ましい。これにより、使用していた一端側の突設部位又は可動刃が破損したとしても、このスロッタ用回転刃の装着方向を逆側にすることにより、他端側の突設部位及び可動刃を用いることで切溝を形成することができることになる。
【0076】
さらに、上記実施形態においては、本発明の実施形態であるスロッタ用回転刃のみを取付けたスロッタを説明したが、本発明に係るスロッタはこれに限定されるものではなく、本発明の実施形態であるスロッタ用回転刃とともに従来公知のスロッタ用回転刃を取付けることも適宜設計変更可能な事項である。例えば、本発明の実施形態であるスロッタ回転刃に連続して従来公知のスロッタ用回転刃を取付けることによって、段ボール箱用シート体に形成される切溝の長さを長くすること可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように、本発明のスロッタ用回転体、スロッタ及び段ボール箱用シート体の製造方法は、角に隙間が生じない段ボール箱を製造することができるので、例えば気密性が求められる容器を製造するにあたって好適に利用される。
【符号の説明】
【0078】
1 固定側回転刃(スロッタ用回転刃)
3 間隔変更側回転刃(スロッタ用回転刃)
5 スロッタ用回転刃
10 回転刃本体
11 装着孔部
20 切溝形成部位
21 円弧状部位
23 突設部位
23a 突出端
23b 垂直壁
30 凹部
30a 一段目
30b 二段目
50 可動刃
51 回動部位
51a 切欠き形状
53 立ち上がり部位
55 切断部位
70 軸部
80 蓋部材
100 スロッタ
110 スロッタ軸
120 回転体
200 段ボール箱用シート体
201 四角筒状部
203 フラップ
205 折り曲げ容易線
207 糊代部
210 切溝
210a 幅の広い部分
210b 切込線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールシートに切溝を形成するスロッタ用回転刃であって、
略円弧状に沿って形成された切溝形成部位を有する回転刃本体、及び
上記回転刃本体に取付けられた可動刃を備え、
上記可動刃が、その切断部位を、上記切溝形成部位の延長曲線に沿って且つ切溝形成部位に連続する切断位置と、この切断位置よりも内側の非切断位置とを選択して固定できるよう設けられ、
上記可動刃の切断部位の切断幅が、上記切溝形成部位の切断幅よりも狭く設けられていることを特徴とするスロッタ用回転刃。
【請求項2】
上記切溝形成部位が、
略円弧状に沿って形成された円弧状部位、及び
この円弧状部位の上記切断位置側の端部から外側に向けて突設された突設部位
を備える請求項1に記載のスロッタ用回転刃。
【請求項3】
上記可動刃が、回転刃本体に回動可能に軸支されている請求項1又は請求項2に記載のスロッタ用回転刃。
【請求項4】
上記回転刃本体が、外端縁が切溝形成部位である板状体であり、
回転刃本体の円弧方向の端部の一面側に凹部が形成され、
この凹部に、上記可動刃の一部が収容され、
上記可動刃が、この凹部において回転刃本体に軸支されており、
上記凹部の深さが、上記可動刃のうち上記凹部に収容される部位の厚みと略同一に設けられている請求項3に記載のスロッタ用回転刃。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスロッタ用回転刃を有するスロッタ。
【請求項6】
請求項5に記載のスロッタを用いて段ボールシートに切溝を形成する切溝形成工程を有する段ボール箱用シート体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−228767(P2012−228767A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100104(P2011−100104)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【特許番号】特許第4795494号(P4795494)
【特許公報発行日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(507242765)大王製紙パッケージ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】