セキュリティマーキング認証装置
本発明は、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証のための認証装置を開示するものであり、本装置は、書類上のマーキングの、左円偏光および右円偏光による並行または交互の照明のための、光源と、偏光フィルタとを備える。マーキングの視覚認証および自動認証のための対応する方法も開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類またはアイテムの認証の分野に属する。本発明は、書類またはアイテム上における、円偏光セキュリティマーキングの存在の視覚認証のための装置に関する。本装置は、円偏光フィルタを備える特殊な光源に基づくものである。
【背景技術】
【0002】
有価書類の証明またはアイデンティティ管理の分野では、書類の認証がしばしば必要になる。認証とは、何かまたは誰かをある部類に属するものと確証または確認することであり、その際、所属を示す所定の特徴(セキュリティ要素、マーキング)が利用される。
【0003】
本発明は、円偏光セキュリティマーキングを持つ書類またはアイテムを認証するために用いられる認証装置を開示するものであり、円偏光セキュリティマーキングは、円偏光粒子を含むインクまたはコーティング組成物を用いることによって、または円偏光特性を有するラミネートまたはフィルム(箔)を貼り付けることによって、印刷またはコーティングされ得る。
【0004】
本記載を通して、「認証装置」という用語は、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムを認証するために用いられる装置を示す。
【0005】
本発明によれば、円偏光特性は、コレステリック液晶ポリマー(cholesteric liquid crystal polymer、CLCP)によって実施されることが好ましい。そのようなポリマーは、片方の円偏光成分を選択的に反射する。これは、所定の波長域内において、所定の円偏光状態(左回りまたは右回りで、ポリマーによる)を有する光が主に反射される、ということを意味する。
【0006】
コレステリック液晶材料は内部のらせん超分子構造を特徴とし、それによって屈折率が周期的に変調し、その周期性は可視光の波長に相当する。その結果、そのような材料は、光学的な回折格子として働き、特定の波長の光を反射して、肉眼には色が付いたように見える。構造のらせんの向き(右または左)により、一方の円偏光状態にある光が主に反射される(J. L. Fergason, "Cholesteric Structure - I Optical Properties," Molecular Crystals, Vol. 1, pp. 293-307, 1966を参照のこと)。コレステリック液晶材料は、米国特許第3,766,061号明細書において、着色手段として提案されている。
【0007】
時間に対して安定で温度にも依存しない色特性を達成するには、化学的な架橋によって、すなわち液晶材料を所望の状態で重合させることによってコレステリックらせん構造を「凍結」させ、それによりコレステリック液晶ポリマー(CLCP)を得ると有利である。光重合したコレステリック液晶材料が、英国特許出願公開第2166755(A)号明細書に開示されている。また、コレステリック液晶ポリマー製の顔料が、欧州特許第0601483(A1)号明細書に開示されており、そのような顔料は、コーティング組成物において、またセキュリティマーキングとして用いられ得る。国際公開第94/22976(A1)号および国際公開第95/08786(A1)号は、特にそのようなコーティングおよびセキュリティマーキングを志向したものである。この文脈に関連するさらなる文書は、独国特許第4418490(A1)号明細書、欧州特許第0685749(A1)号明細書、国際公開第97/30136(A1)号、米国特許第6,597,426号明細書、欧州特許第0887398(A1)号明細書、米国特許第6,570,648号明細書、国際公開第00/47694(A1)号、独国特許出願公開第19922158(A1)号明細書、米国特許第6,641,874号明細書、国際公開第2005/105473(A1)号、および国際公開第2006/063926(A1)号である。
【0008】
コレステリック液晶材料を含むセキュリティマーキングの機械検出のための認証装置が、独国特許第10211310(A1)号明細書に開示されている。この文書によれば、例えば「カラー」発光ダイオードなどの、スペクトル的に制限された1つまたはいくつかの光源を用いてマーキングが照明され、マーキングによって反射された光に円偏光が存在するか否かが検出ユニットによって調べられる。しかしながら、この装置は、コレステリック液晶マーキングの視覚認証には使用できない。
【0009】
従来技術によれば、書類またはアイテム上の円偏光セキュリティマーキングの視覚認証は、左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタを利用して「周囲光」の下で行われ、その際、それぞれ左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタを通して見たマーキングの各外観が比較される。この方法では、照明光が良好なスペクトル品質をもつ場合にだけ、満足のいく結果が得られる。多くの環境において、周囲光のレベルはさらに低く(例えば夜の屋外イベントや夜間のアイデンティティ管理などで、50ルクス未満)、認証作業の役に立たない。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの容易な視覚認証のための認証装置を開示するものである。
【0011】
本発明の重要な態様において、認証装置は、左円偏光および右円偏光を発することのできる特殊な光源を備える。この光源は、逆の円偏光の掌性を有する2本の光線(すなわち、左円偏光光線および右円偏光光線)であって空間または時間のいずれかにおいて分離したものを発生させることを特徴とする。
【0012】
このように、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証のための認証装置は、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの円偏光フィルタとを備え、装置は、書類上のマーキングの照明のために左円偏光および右円偏光を発することを特徴とし、円偏光フィルタは、好ましくは、左円固定偏光フィルタおよび右円固定偏光フィルタと、機械式可変円偏光フィルタと、電気光学式可変円偏光フィルタとからなる群から選択される。
【0013】
第1の実施の形態では、逆の円偏光をもち、ほぼ同じ強度を有する、好ましくは隣接する2本の連続光線が、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムの領域を同時に照明する。この実施の形態の好ましい変形では、両種類の偏光下におけるマーキングの外観の比較が容易になるように、書類の領域は隣接している。
【0014】
本記載の関係において、書類の照明領域とは、光線によって実際に照明される領域を指し、書類上にあらかじめ存在する特別な領域は指さない。
【0015】
第2の実施の形態では、ほぼ一定の強度を有する、交互に変わる逆の円偏光をもつ単一の光線が、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムの領域に向けられる。
【0016】
いずれの場合も、入射光の偏光の掌性に応じて円偏光マーキングの外観が変化する。従って、認証装置の光線をマーキングに当て、光線の偏光の掌性をそれぞれに変え、各種類の偏光の下でマーキングの外観/外観の変化を視覚的に観察し、必要であれば、それを同じ条件下で、保証された真正なマーキングの外観/外観の変化と比較することによって、書類またはアイテムを認証することができる。
【0017】
マーキングによって反射された偏光のさらに定量的な評価は、適切な光電検出器(例えばフォトダイオード)を、随意にさらなる光学素子(レンズ、フィルタ等)の補助と共に利用して、そして、測定された検出器信号の、処理装置による相応な自動処理を利用して、行ってもよい。
【0018】
(詳細な説明)
本発明による認証装置は、円偏光を発する特殊な光源を備える。装置は、少なくとも1つの円偏光フィルタを備え、具体的には、携帯用途に対応するように、改造型のライトペン、改造型の懐中電灯、または特別に設計された真正性確認装置であってよい。
【0019】
本発明の重要な態様は、光源としての発光ダイオード(LED)の利用にある。いくつかの供給業者(フィリップス、日亜等)から、携帯用途向けの高効率光源として白色および「カラー」のLEDが現在、提案されている。白色LEDは、可視スペクトル領域全体(すなわち400nm〜700nm)にわたる光を発する。「カラー」LEDは、紫外、可視、または赤外のスペクトル領域における、大きさ50nmほどの特定の狭い波長範囲の光を発する。
【0020】
LEDの効率は、電力1ワット当たり150ルーメン、すなわち、白熱灯の効率の10倍を超える高さになり得るものである。このため、電球に比べて自立性が10倍に延び、これは自立性が要求される携帯用途において本質的な利点である。懐中電灯における白色LEDの典型的な動作条件は、3.2V〜3.6Vで20mA(25cdから30cdの光出力の場合)から、1A(100ルーメンを超える光出力の場合)にいたるまで、さまざまである。
【0021】
従って、本発明におけるLEDの選択により、従来技術に対して重要な利点を得ることができる。なぜならば、i)光源、ひいてはマーキングの照明条件が、正確に定められ、装置によって行われるすべての認証で同じ状態のままであり、ii)標準的な市販の単4電池のセットを用いた場合、連続使用における認証装置の自立性が、白熱灯の場合の1日未満と比較して、1週間におよび得るからである。
【0022】
図1を参照すると、認証装置の第1の実施の形態では、単一の白色光源L1の前方に配置された、2つの半円形フィルタ板で構成される分割型の右/左円偏光フィルタ(FL、FR)を用いて逆の円偏光をもつ2本の隣接する光線を得て、マーキング(M)の隣接する領域(M1、M2)を同時に照明する。随意に、正のレンズまたはフレネルレンズ(LE)が認証装置の一部であってもよい。レンズは、マーキングの平面にフィルタの像を形成するように、偏光フィルタとマーキングとの間の、フィルタおよびマーキングからそれぞれd1、d2の距離に配置される。このようにして、マーキング上の、逆に偏光した照明をもつ整然と分離された2つの隣接する領域が得られる。フィルタは完全に認証装置の内部に配置され、認証装置は、L1と、FL/FRと、LEとを同じ容器内に備える。
【0023】
図2aを参照すると、認証装置の第2の実施の形態では、それぞれ左偏光フィルタ(FL)および右偏光フィルタ(FR)を有する2つの白色光源(L1、L2)のスイッチを交互に入れたり切ったりして、交互の左円偏光および右円偏光でマーキング(M)を照明する。
【0024】
当業者に周知のように、交互の円偏光は他の方法でも実現可能であり、その1つは、掌性フィルタまたはフィルタの掌性のいずれかを機械的に切り替えることである。この後者は、例えば、回転する偏光フィルタ部品、すなわち静止した直線偏光フィルタの前方の回転するλ/4板によって、または静止したλ/4板の背後の回転する直線偏光フィルタによって、達成できる。機械的な偏光の切り替えによって、単一の光源が使用可能になり、左円偏光照明および右円偏光照明の両方について同等かつ明確な特性が得られる。これは、回転するフィルタ部品の場合に特に当てはまる。
【0025】
図2bを参照すると、第2の実施の形態の変更形態では、一対の左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタの代わりに、独国特許第10211310号明細書に記載されたような単一の電気光学式円偏光子(electro-optic circular polarizer、EOCP)を単一の白色光源(L1)と共に使用して、マーキング(M)の交互の左円偏光照明および右円偏光照明を発生させる。電気光学式円偏光子(EOCP)は、EOCPの偏光状態(左円または右円)を制御する電気的な駆動ユニット(DR)に接続される。
【0026】
図2cを参照すると、上に概説した両方の変形に適用可能な、第2の実施の形態のさらに別の変更形態では、光電池(フォトセル)、特にカラーセンサ(CS)を用いて、マーキング(M)によって反射された光の強度を測定する。カラーセンサの信号はマイクロプロセッサ(μP)によって処理され、マイクロプロセッサ(μP)は、光源(L1、L2)のスイッチを入切したり、電気光学式円偏光子(EOCP)をそれぞれに駆動したりもし、また、反射光の強度および色を、選択された照明条件と、内部に格納された所定の参照値とに応じて評価して、認証結果をディスプレイ(D)に出力する。この結果により、円偏光材料の単純な有無のいずれかを示すことができ、あるいは、偏光材料の色について追加情報を提供することもできる。
【0027】
図3aを参照すると、さらなる実施の形態では、左円偏光フィルタ(FL)を有する第1の白色光源(L1)が認証装置の光軸に配置され、右円偏光フィルタ(FR)を有する複数の(すなわち、少なくとも2つの)第2の白色光源(L2a、L2b、・・・)が第1の光源(L1)の周囲に配置される。偏光フィルタは同心の板(FL、FR)として実施されてよく、偏光フィルタの順序は逆にされてもよい。随意のレンズが光線経路に存在してよいが、好ましくは、光源(L1、L2a、L2b、・・・)のそれぞれが、自身の光出力を光線の形状にするための自身のレンズを有する。
【0028】
動作時は、第1の光源および複数の第2の光源のスイッチが二者択一的に入れられたり切られたりして、好ましくは同じ光強度の左円偏光および右円偏光の交互の光線でマーキングが照明される。上に概説したように、また、図3bを参照すると、本実施の形態にはさらに、マーキングによって反射された光の強度および色の、自動化された測定および評価のための、光電池(フォトセル)、特にカラーセンサ(CS)と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とを組み合わせることができる。
【0029】
上で概説した実施の形態で用いられる光源は、さらに、例えば紫外、可視、または赤外のスペクトル領域における、大きさ50nmほどの特定の狭い波長範囲の光を発する「カラー」LED、または所定の波長をもつレーザーダイオード(LD)のような、スペクトル的に選択可能な光源として選ばれ得る。
【0030】
図3aを参照すると、第4の実施の形態では、第1の偏光フィルタ(FL)を有する第1の白色光源(L1)と、第2の偏光フィルタ(FR)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第2の光源(L2a、L2b、・・・)とが、互いに連携して用いられる。また、この実施の形態の変形において、第1の光源をスペクトル的に選択可能な光源とすることもできる。
【0031】
図4aを参照すると、さらに別の実施の形態では、第1の偏光フィルタ(FR)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第1の光源(L1a、L1b、・・・)と、第2の偏光フィルタ(FL)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第2の光源(L2a、L2b、・・・)とが、互いに連携して用いられる。
【0032】
動作時は、光源のスイッチが二者択一的に入れられたり切られたりして、異なる色の左円偏光および右円偏光をもつ光でマーキング(M)を照明した結果が視覚的に判定され得る。光をマーキング(M)に合焦させるために、随意にレンズ(LE)が存在してよい。また、通常の読み取り条件下でマーキングを照明するために、非偏光のさらなる白色光源(L3)が設けられてもよい。
【0033】
図4bによると、本実施の形態の代替変形例では、単純な光電池(フォトセル)(P)を用い、異なる色および偏光について、マーキングによって反射された光の強度を測定する。フォトセルの信号はマイクロプロセッサ(μP)によって処理され、マイクロプロセッサ(μP)は、光源(L1a、L1b、・・・、L2a、L2b、・・・、L3)のスイッチを入れたり切ったりし、反射光の強度を、選択された照明条件と、内部に格納された所定の参照値とに応じて評価して、認証結果をディスプレイ(D)に出力する。
【0034】
本発明全体を通して、円偏光フィルタは、所定のスペクトル領域を選択するためにカラーフィルタと組み合わせることもできる。
【0035】
マーキング(M)上での、作動距離における照明強度は、好ましくは50ルクス以上、より好ましくは500ルクス以上である。作動距離が、マーキングを最適条件下で検査するために認証装置が書類またはアイテムから置かれるべき距離、として定義されることは注目に値する。同時の照明または隣接する光線を用いた実施の形態では、作動距離は、偏光フィルタの像がマーキングの平面において得られる際の距離である。作動距離は、実施の形態により、1cmから20cmの間、より好ましくは2cmから10cmの間で選ばれる。
【0036】
認証装置は、偏光光源に加えて、随意のフィルタをもつフォトセル(P)と、プロセッサ(μP)と、制御スイッチと、ディスプレイ装置(D)とを備える自動合否確認機として設計されて、自動認証の結果を出力してもよいことは、注目に値する。LEDのスイッチを入れたり切ったりし、フォトセル(P)からの信号を読み取り、読み取った信号値を処理して格納し、認証結果を導出し、認証結果を表示する、という動作を自動的に行う機能を、マイクロプロセッサ(μP)に組み込まれたファームウェアが提供する。
【0037】
認証装置の好ましい実施の形態は、小型軽量で使いやすく頑健な装置である。
【0038】
好ましい実施の形態において、認証装置は、好ましくは10cm程度の長さを有する細長い円筒または棒の形状を有する。円筒または棒は、好ましくは1平方センチメートルから5平方センチメートル程度の断面を有し、その内部には、光源と、フィルタと、随意のさらなる光学素子とが、電源として働く電池と共に配置され、また必要であれば、制御電子回路および論理回路が配置される。ユーザインターフェースとして働く必要なスイッチおよび表示器は、円筒または棒の後端および/または外側表面に人間工学的に配置され、光出力は円筒または棒の前端を通過する。
【0039】
さらなる好ましい実施の形態において、認証装置は、プラスチック材料と、ステンレス鋼と、アルミニウムと、アルミニウム合金とからなる群の材料から作られ、好ましくは、装置全体は100gを超えない重さである。
【0040】
さらに別の好ましい実施の形態において、認証装置は、好ましくは50mm×40mm×30mm程度の、箱の形を有し、認証対象書類のマーキング上に置かれる。箱は2つの窓を備え、人間のユーザがそれぞれ左円偏光照明および右円偏光照明の下でマーキングを見られるようになっている。箱の内部には、光源と、フィルタと、随意のさらなる光学素子とが、電源として働く電池と共に配置され、また必要であれば、制御電子回路および論理回路が配置される。ユーザインターフェースとして働く必要なスイッチおよび表示器は、箱の外側表面に人間工学的に配置され、書類を照明する光出力は、上記のぞき窓に対応する、マーキングに面した窓を通過する。
【0041】
次に、図面および例示的な実施の形態を用いて、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、単一の白色光源(L1)と、2つの半円形の左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタ(FL、FR)と、随意のレンズ(LE)とを備え、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、マーキング(M)上に同時かつ逆の円偏光の連続照明をもつ2つの隣接する領域(M1、M2)を発生させるようになっている。
【図2a】図2は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 a)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、第1および第2の白色光源(L1、L2)を、第1および第2の左偏光フィルタおよび右偏光フィルタ(FL、FR)と共に用いるものである。
【図2b】図2は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、b)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、単一の白色光源(L1)を電気光学式円偏光子(EOCP)および駆動ユニット(DR)と共に用いるものである。
【図2c】図2は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 c)は、マーキング(M)の自動認証のために、実施の形態a)またはb)の一方を、付加的なカラーセンサ(CS)、マイクロプロセッサ(μP)、およびディスプレイ(D)と共に用いるものである。
【図3a】図3は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光白色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 a)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、第1の円偏光フィルタ(FL)を有する単一の第1の白色光源(L1)と、第1の光源(L1)の周囲に配置された、第2の円偏光フィルタ(FR)を有する複数の第2の白色光源(L2a、L2b、・・・)とを用いるものである。
【図3b】図3は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光白色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 b)は、マーキング(M)の自動認証のために、付加的なカラーセンサ(CS)と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とを用いるものである。
【図4a】図4は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光着色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 a)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、第1の偏光フィルタ(FR)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第1の光源(L1a、L1b、・・・)と、第2の偏光フィルタ(FL)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第2の光源(L2a、L2b、・・・)と、随意に非偏光白色の第3の光源(L3)と、随意にレンズ(LE)とを用いるものである。
【図4b】図4は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光着色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 b)は、マーキング(M)の自動認証のために、付加的なフォトセル(P)と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とを用いるものである。
【図5】図5は、本発明による認証装置の第1の実施の形態の分解組立図を示し、装置は、改造型の懐中電灯であり、円筒形のアルミニウム筐体の中に、レンズ(103)と、半円形の左偏光フィルタおよび右偏光フィルタ(102L、102R)と、白色光源(101)と、入切スイッチ(S)と、電池(100)とを備え、検査中の書類上に、逆の円偏光をもつ2本の隣接する連続光線を発生させるものである。
【図6】図6は、本発明による認証装置の第2の実施の形態の分解組立図を示し、装置は、改造型の懐中電灯であり、円筒形のアルミニウム筐体の中に、第1の偏光フィルタ(202a)を有する第1の白色光源(201a)を備え、第1の白色光源(201a)は、第2の偏光フィルタ(202b)を有する4つの第2の白色光源(201b)に囲まれており、装置は、検査中の書類上に、交互の逆の円偏光照明を発生させるものである。
【図7a】図7は、本発明による認証装置の第3の実施の形態を示す図であり、認証装置は、確認箱として設計され、左円偏光および右円偏光の下でマーキング(M)を見るための、別々だが同様の2つのユニットを備えるものであり、 a)は、確認箱のユニットの模式的断面を示す図であり、ユニットは、白色光源(101)と、円偏光フィルタ(102)と、フレネルレンズ(103)とを備えるものである。
【図7b】図7は、本発明による認証装置の第3の実施の形態を示す図であり、認証装置は、確認箱として設計され、左円偏光および右円偏光の下でマーキング(M)を見るための、別々だが同様の2つのユニットを備えるものであり、 b)は、確認箱の分解組立図を示し、スイッチ(S)および電池(100)の位置を説明する図である。
【図7c】図7は、本発明による認証装置の第3の実施の形態を示す図であり、認証装置は、確認箱として設計され、左円偏光および右円偏光の下でマーキング(M)を見るための、別々だが同様の2つのユニットを備えるものであり、 c)は、確認箱の形状を示す図であり、実現可能なデザインを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図5を参照すると、被支援視覚認証に用いられる第1の実施の形態では、光が、LED(101)(白色LED、B5B-430-JB、Roithner社、ウィーン)によって提供され、レンズ(103)(304.OM.3プラスチックレンズ、直径16.5mm、焦点距離+30mm)によってマーキングに合焦させられる。LEDとレンズとの間には、逆の掌性(それぞれ左および右)をもつ2つの半円形円偏光フィルタ(102L、102R)が配置される。フィルタとレンズとの間の距離は、レンズの反対側5cmの距離にフィルタの像が形成されるように選ばれており、そこに、マーキングを保持するアイテムまたは書類が検査のために置かれる。これにより、逆の偏光をもつ同時照明領域間の分離線が目に見えるようになり、これらの領域がこうして適切に定められる。また、ただの単純な光線の代わりに、ロゴまたは文章を投影するようにフィルタにマスクを付加的に配置することができる。装置全体は、長さ80mm、直径14mmのアルミニウム円筒で実施された。この装置は、便利かつコンパクトであることに加えて、フィルタが装置内部に隠され、その他の点では通常のライトペンに見える、という利点を提供するので、外部の観察者は、アイテムまたは書類のどんな種類の特性が調べられているかについて、必ずしも気付かない。
【0044】
LED光源の使用により、重要な自立性が装置にもたらされる。電池は、市販されているような単純な単4電池である。
【0045】
図6を参照すると、同じく被支援視覚認証に用いられる第2の実施の形態では、光が5つのLED(201)(Roithner社、ウィーン)によって提供され、第1のもの(白色LED、B5B-430-JB)が光軸上に配置され、他の4つ(青色LEDB5B-437-IX 470nm、緑色LEDB5B-433-20 572 nm、赤色LEDB5B-435-TL 625 nm、赤外LEDLED850-04VP 850 nm)が、第1のLEDの周囲にきつい環状に配置される。第1のLEDには右回りの円偏光フィルタ(202)が設けられ、他の4つのLEDには左回りの(すなわち、第1のものとは逆の)円偏光フィルタ(203)がそれぞれ設けられる。これら内側および外側のダイオードのスイッチが一定の時間間隔で二者択一的に入れられたり切られたりして、検査中のアイテムが左偏光および右偏光で交互に照明されるようになっている。装置のダイオードの個数および配列は、これら2組が関心領域を似たような強度で照明する限りにおいて、重要ではない。装置全体は、長さ100mm、直径18mmのアルミニウム円筒で実施された。
【0046】
図7aを参照すると、同じく書類またはアイテムの被支援視覚認証に用いられる、確認箱の形を有する第3の実施の形態では、検査中の書類またはアイテムの2つの異なる領域が、逆の偏光をもつ円偏光フィルタを通して(一方の領域は右偏光フィルタを通して、他方は左偏光フィルタを通して)別々のLEDにより照明される。各領域は、照明を偏光させるのに用いられる同じ偏光フィルタを通して視覚的に検査され、また、書類またはアイテムの細部の視認性を増すために、拡大レンズ(フレネルレンズ)が設けられる。この実施の形態は、書類またはアイテム上のマーキングがわずかな偏光効果しか示さない場合に、あるいは、マーキングまたはその細部が非常に小さな寸法である場合に、特に有用である。確認箱は、寸法がおよそ50mm×35mm×25mmのプラスチックケースで実施された。図7bは、確認箱全体の分解組立図を示し、図7cは、外側から見た箱の図を示す。
【0047】
本発明の認証装置は、通貨、有価証券、引換券、本人確認書類、アクセス書類、イベントのチケット、交通機関の切符、開封テープ、製品ラベル、または包装材料の認証に使用することができる。
【0048】
円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証の方法は、
a)左円偏光および右円偏光を発する本発明による装置を用いて書類上のマーキングを照明するステップと、
b)マーキングによって反射された光を視覚的に判定し、これにより書類またはアイテムを認証するステップと
を特徴とする。
【0049】
本方法の変形では、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムの、好ましくは隣接する領域が、逆の円偏光をもつ2本の光線によって同時に照明される。
【0050】
本方法の別の変形では、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムは、交互に変わる円偏光をもつ単一の光線によって照明される。
【0051】
本方法のさらに別の変形では、光源は、白色発光ダイオード(白色LED)および「カラー」発光ダイオード(カラーLED)からなる群から選択される。
【0052】
左円偏光および右円偏光を発する本発明による装置を用いた、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの自動認証の方法において、装置は、フォトセルとカラーセンサとからなる群から選ばれた光電池と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とをさらに備え、方法は、
a)マイクロプロセッサ(μP)によって光源のスイッチを入れたり切ったりする自動ステップと、
b)フォトセル(P)またはカラーセンサ(CS)からマイクロプロセッサ(μP)へと信号を読み取る自動ステップと、
c)読み取った信号値をマイクロプロセッサ(μP)において処理し格納する自動ステップと、
d)マイクロプロセッサ(μP)に格納されたあらかじめ設定された判断基準に基づいて認証結果を導出する自動ステップと、
e)認証結果をディスプレイ(D)に出力する自動ステップと
を特徴とする。
【0053】
本記載に示された例および図は、説明のためだけのものであり、決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類またはアイテムの認証の分野に属する。本発明は、書類またはアイテム上における、円偏光セキュリティマーキングの存在の視覚認証のための装置に関する。本装置は、円偏光フィルタを備える特殊な光源に基づくものである。
【背景技術】
【0002】
有価書類の証明またはアイデンティティ管理の分野では、書類の認証がしばしば必要になる。認証とは、何かまたは誰かをある部類に属するものと確証または確認することであり、その際、所属を示す所定の特徴(セキュリティ要素、マーキング)が利用される。
【0003】
本発明は、円偏光セキュリティマーキングを持つ書類またはアイテムを認証するために用いられる認証装置を開示するものであり、円偏光セキュリティマーキングは、円偏光粒子を含むインクまたはコーティング組成物を用いることによって、または円偏光特性を有するラミネートまたはフィルム(箔)を貼り付けることによって、印刷またはコーティングされ得る。
【0004】
本記載を通して、「認証装置」という用語は、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムを認証するために用いられる装置を示す。
【0005】
本発明によれば、円偏光特性は、コレステリック液晶ポリマー(cholesteric liquid crystal polymer、CLCP)によって実施されることが好ましい。そのようなポリマーは、片方の円偏光成分を選択的に反射する。これは、所定の波長域内において、所定の円偏光状態(左回りまたは右回りで、ポリマーによる)を有する光が主に反射される、ということを意味する。
【0006】
コレステリック液晶材料は内部のらせん超分子構造を特徴とし、それによって屈折率が周期的に変調し、その周期性は可視光の波長に相当する。その結果、そのような材料は、光学的な回折格子として働き、特定の波長の光を反射して、肉眼には色が付いたように見える。構造のらせんの向き(右または左)により、一方の円偏光状態にある光が主に反射される(J. L. Fergason, "Cholesteric Structure - I Optical Properties," Molecular Crystals, Vol. 1, pp. 293-307, 1966を参照のこと)。コレステリック液晶材料は、米国特許第3,766,061号明細書において、着色手段として提案されている。
【0007】
時間に対して安定で温度にも依存しない色特性を達成するには、化学的な架橋によって、すなわち液晶材料を所望の状態で重合させることによってコレステリックらせん構造を「凍結」させ、それによりコレステリック液晶ポリマー(CLCP)を得ると有利である。光重合したコレステリック液晶材料が、英国特許出願公開第2166755(A)号明細書に開示されている。また、コレステリック液晶ポリマー製の顔料が、欧州特許第0601483(A1)号明細書に開示されており、そのような顔料は、コーティング組成物において、またセキュリティマーキングとして用いられ得る。国際公開第94/22976(A1)号および国際公開第95/08786(A1)号は、特にそのようなコーティングおよびセキュリティマーキングを志向したものである。この文脈に関連するさらなる文書は、独国特許第4418490(A1)号明細書、欧州特許第0685749(A1)号明細書、国際公開第97/30136(A1)号、米国特許第6,597,426号明細書、欧州特許第0887398(A1)号明細書、米国特許第6,570,648号明細書、国際公開第00/47694(A1)号、独国特許出願公開第19922158(A1)号明細書、米国特許第6,641,874号明細書、国際公開第2005/105473(A1)号、および国際公開第2006/063926(A1)号である。
【0008】
コレステリック液晶材料を含むセキュリティマーキングの機械検出のための認証装置が、独国特許第10211310(A1)号明細書に開示されている。この文書によれば、例えば「カラー」発光ダイオードなどの、スペクトル的に制限された1つまたはいくつかの光源を用いてマーキングが照明され、マーキングによって反射された光に円偏光が存在するか否かが検出ユニットによって調べられる。しかしながら、この装置は、コレステリック液晶マーキングの視覚認証には使用できない。
【0009】
従来技術によれば、書類またはアイテム上の円偏光セキュリティマーキングの視覚認証は、左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタを利用して「周囲光」の下で行われ、その際、それぞれ左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタを通して見たマーキングの各外観が比較される。この方法では、照明光が良好なスペクトル品質をもつ場合にだけ、満足のいく結果が得られる。多くの環境において、周囲光のレベルはさらに低く(例えば夜の屋外イベントや夜間のアイデンティティ管理などで、50ルクス未満)、認証作業の役に立たない。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの容易な視覚認証のための認証装置を開示するものである。
【0011】
本発明の重要な態様において、認証装置は、左円偏光および右円偏光を発することのできる特殊な光源を備える。この光源は、逆の円偏光の掌性を有する2本の光線(すなわち、左円偏光光線および右円偏光光線)であって空間または時間のいずれかにおいて分離したものを発生させることを特徴とする。
【0012】
このように、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証のための認証装置は、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの円偏光フィルタとを備え、装置は、書類上のマーキングの照明のために左円偏光および右円偏光を発することを特徴とし、円偏光フィルタは、好ましくは、左円固定偏光フィルタおよび右円固定偏光フィルタと、機械式可変円偏光フィルタと、電気光学式可変円偏光フィルタとからなる群から選択される。
【0013】
第1の実施の形態では、逆の円偏光をもち、ほぼ同じ強度を有する、好ましくは隣接する2本の連続光線が、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムの領域を同時に照明する。この実施の形態の好ましい変形では、両種類の偏光下におけるマーキングの外観の比較が容易になるように、書類の領域は隣接している。
【0014】
本記載の関係において、書類の照明領域とは、光線によって実際に照明される領域を指し、書類上にあらかじめ存在する特別な領域は指さない。
【0015】
第2の実施の形態では、ほぼ一定の強度を有する、交互に変わる逆の円偏光をもつ単一の光線が、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムの領域に向けられる。
【0016】
いずれの場合も、入射光の偏光の掌性に応じて円偏光マーキングの外観が変化する。従って、認証装置の光線をマーキングに当て、光線の偏光の掌性をそれぞれに変え、各種類の偏光の下でマーキングの外観/外観の変化を視覚的に観察し、必要であれば、それを同じ条件下で、保証された真正なマーキングの外観/外観の変化と比較することによって、書類またはアイテムを認証することができる。
【0017】
マーキングによって反射された偏光のさらに定量的な評価は、適切な光電検出器(例えばフォトダイオード)を、随意にさらなる光学素子(レンズ、フィルタ等)の補助と共に利用して、そして、測定された検出器信号の、処理装置による相応な自動処理を利用して、行ってもよい。
【0018】
(詳細な説明)
本発明による認証装置は、円偏光を発する特殊な光源を備える。装置は、少なくとも1つの円偏光フィルタを備え、具体的には、携帯用途に対応するように、改造型のライトペン、改造型の懐中電灯、または特別に設計された真正性確認装置であってよい。
【0019】
本発明の重要な態様は、光源としての発光ダイオード(LED)の利用にある。いくつかの供給業者(フィリップス、日亜等)から、携帯用途向けの高効率光源として白色および「カラー」のLEDが現在、提案されている。白色LEDは、可視スペクトル領域全体(すなわち400nm〜700nm)にわたる光を発する。「カラー」LEDは、紫外、可視、または赤外のスペクトル領域における、大きさ50nmほどの特定の狭い波長範囲の光を発する。
【0020】
LEDの効率は、電力1ワット当たり150ルーメン、すなわち、白熱灯の効率の10倍を超える高さになり得るものである。このため、電球に比べて自立性が10倍に延び、これは自立性が要求される携帯用途において本質的な利点である。懐中電灯における白色LEDの典型的な動作条件は、3.2V〜3.6Vで20mA(25cdから30cdの光出力の場合)から、1A(100ルーメンを超える光出力の場合)にいたるまで、さまざまである。
【0021】
従って、本発明におけるLEDの選択により、従来技術に対して重要な利点を得ることができる。なぜならば、i)光源、ひいてはマーキングの照明条件が、正確に定められ、装置によって行われるすべての認証で同じ状態のままであり、ii)標準的な市販の単4電池のセットを用いた場合、連続使用における認証装置の自立性が、白熱灯の場合の1日未満と比較して、1週間におよび得るからである。
【0022】
図1を参照すると、認証装置の第1の実施の形態では、単一の白色光源L1の前方に配置された、2つの半円形フィルタ板で構成される分割型の右/左円偏光フィルタ(FL、FR)を用いて逆の円偏光をもつ2本の隣接する光線を得て、マーキング(M)の隣接する領域(M1、M2)を同時に照明する。随意に、正のレンズまたはフレネルレンズ(LE)が認証装置の一部であってもよい。レンズは、マーキングの平面にフィルタの像を形成するように、偏光フィルタとマーキングとの間の、フィルタおよびマーキングからそれぞれd1、d2の距離に配置される。このようにして、マーキング上の、逆に偏光した照明をもつ整然と分離された2つの隣接する領域が得られる。フィルタは完全に認証装置の内部に配置され、認証装置は、L1と、FL/FRと、LEとを同じ容器内に備える。
【0023】
図2aを参照すると、認証装置の第2の実施の形態では、それぞれ左偏光フィルタ(FL)および右偏光フィルタ(FR)を有する2つの白色光源(L1、L2)のスイッチを交互に入れたり切ったりして、交互の左円偏光および右円偏光でマーキング(M)を照明する。
【0024】
当業者に周知のように、交互の円偏光は他の方法でも実現可能であり、その1つは、掌性フィルタまたはフィルタの掌性のいずれかを機械的に切り替えることである。この後者は、例えば、回転する偏光フィルタ部品、すなわち静止した直線偏光フィルタの前方の回転するλ/4板によって、または静止したλ/4板の背後の回転する直線偏光フィルタによって、達成できる。機械的な偏光の切り替えによって、単一の光源が使用可能になり、左円偏光照明および右円偏光照明の両方について同等かつ明確な特性が得られる。これは、回転するフィルタ部品の場合に特に当てはまる。
【0025】
図2bを参照すると、第2の実施の形態の変更形態では、一対の左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタの代わりに、独国特許第10211310号明細書に記載されたような単一の電気光学式円偏光子(electro-optic circular polarizer、EOCP)を単一の白色光源(L1)と共に使用して、マーキング(M)の交互の左円偏光照明および右円偏光照明を発生させる。電気光学式円偏光子(EOCP)は、EOCPの偏光状態(左円または右円)を制御する電気的な駆動ユニット(DR)に接続される。
【0026】
図2cを参照すると、上に概説した両方の変形に適用可能な、第2の実施の形態のさらに別の変更形態では、光電池(フォトセル)、特にカラーセンサ(CS)を用いて、マーキング(M)によって反射された光の強度を測定する。カラーセンサの信号はマイクロプロセッサ(μP)によって処理され、マイクロプロセッサ(μP)は、光源(L1、L2)のスイッチを入切したり、電気光学式円偏光子(EOCP)をそれぞれに駆動したりもし、また、反射光の強度および色を、選択された照明条件と、内部に格納された所定の参照値とに応じて評価して、認証結果をディスプレイ(D)に出力する。この結果により、円偏光材料の単純な有無のいずれかを示すことができ、あるいは、偏光材料の色について追加情報を提供することもできる。
【0027】
図3aを参照すると、さらなる実施の形態では、左円偏光フィルタ(FL)を有する第1の白色光源(L1)が認証装置の光軸に配置され、右円偏光フィルタ(FR)を有する複数の(すなわち、少なくとも2つの)第2の白色光源(L2a、L2b、・・・)が第1の光源(L1)の周囲に配置される。偏光フィルタは同心の板(FL、FR)として実施されてよく、偏光フィルタの順序は逆にされてもよい。随意のレンズが光線経路に存在してよいが、好ましくは、光源(L1、L2a、L2b、・・・)のそれぞれが、自身の光出力を光線の形状にするための自身のレンズを有する。
【0028】
動作時は、第1の光源および複数の第2の光源のスイッチが二者択一的に入れられたり切られたりして、好ましくは同じ光強度の左円偏光および右円偏光の交互の光線でマーキングが照明される。上に概説したように、また、図3bを参照すると、本実施の形態にはさらに、マーキングによって反射された光の強度および色の、自動化された測定および評価のための、光電池(フォトセル)、特にカラーセンサ(CS)と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とを組み合わせることができる。
【0029】
上で概説した実施の形態で用いられる光源は、さらに、例えば紫外、可視、または赤外のスペクトル領域における、大きさ50nmほどの特定の狭い波長範囲の光を発する「カラー」LED、または所定の波長をもつレーザーダイオード(LD)のような、スペクトル的に選択可能な光源として選ばれ得る。
【0030】
図3aを参照すると、第4の実施の形態では、第1の偏光フィルタ(FL)を有する第1の白色光源(L1)と、第2の偏光フィルタ(FR)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第2の光源(L2a、L2b、・・・)とが、互いに連携して用いられる。また、この実施の形態の変形において、第1の光源をスペクトル的に選択可能な光源とすることもできる。
【0031】
図4aを参照すると、さらに別の実施の形態では、第1の偏光フィルタ(FR)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第1の光源(L1a、L1b、・・・)と、第2の偏光フィルタ(FL)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第2の光源(L2a、L2b、・・・)とが、互いに連携して用いられる。
【0032】
動作時は、光源のスイッチが二者択一的に入れられたり切られたりして、異なる色の左円偏光および右円偏光をもつ光でマーキング(M)を照明した結果が視覚的に判定され得る。光をマーキング(M)に合焦させるために、随意にレンズ(LE)が存在してよい。また、通常の読み取り条件下でマーキングを照明するために、非偏光のさらなる白色光源(L3)が設けられてもよい。
【0033】
図4bによると、本実施の形態の代替変形例では、単純な光電池(フォトセル)(P)を用い、異なる色および偏光について、マーキングによって反射された光の強度を測定する。フォトセルの信号はマイクロプロセッサ(μP)によって処理され、マイクロプロセッサ(μP)は、光源(L1a、L1b、・・・、L2a、L2b、・・・、L3)のスイッチを入れたり切ったりし、反射光の強度を、選択された照明条件と、内部に格納された所定の参照値とに応じて評価して、認証結果をディスプレイ(D)に出力する。
【0034】
本発明全体を通して、円偏光フィルタは、所定のスペクトル領域を選択するためにカラーフィルタと組み合わせることもできる。
【0035】
マーキング(M)上での、作動距離における照明強度は、好ましくは50ルクス以上、より好ましくは500ルクス以上である。作動距離が、マーキングを最適条件下で検査するために認証装置が書類またはアイテムから置かれるべき距離、として定義されることは注目に値する。同時の照明または隣接する光線を用いた実施の形態では、作動距離は、偏光フィルタの像がマーキングの平面において得られる際の距離である。作動距離は、実施の形態により、1cmから20cmの間、より好ましくは2cmから10cmの間で選ばれる。
【0036】
認証装置は、偏光光源に加えて、随意のフィルタをもつフォトセル(P)と、プロセッサ(μP)と、制御スイッチと、ディスプレイ装置(D)とを備える自動合否確認機として設計されて、自動認証の結果を出力してもよいことは、注目に値する。LEDのスイッチを入れたり切ったりし、フォトセル(P)からの信号を読み取り、読み取った信号値を処理して格納し、認証結果を導出し、認証結果を表示する、という動作を自動的に行う機能を、マイクロプロセッサ(μP)に組み込まれたファームウェアが提供する。
【0037】
認証装置の好ましい実施の形態は、小型軽量で使いやすく頑健な装置である。
【0038】
好ましい実施の形態において、認証装置は、好ましくは10cm程度の長さを有する細長い円筒または棒の形状を有する。円筒または棒は、好ましくは1平方センチメートルから5平方センチメートル程度の断面を有し、その内部には、光源と、フィルタと、随意のさらなる光学素子とが、電源として働く電池と共に配置され、また必要であれば、制御電子回路および論理回路が配置される。ユーザインターフェースとして働く必要なスイッチおよび表示器は、円筒または棒の後端および/または外側表面に人間工学的に配置され、光出力は円筒または棒の前端を通過する。
【0039】
さらなる好ましい実施の形態において、認証装置は、プラスチック材料と、ステンレス鋼と、アルミニウムと、アルミニウム合金とからなる群の材料から作られ、好ましくは、装置全体は100gを超えない重さである。
【0040】
さらに別の好ましい実施の形態において、認証装置は、好ましくは50mm×40mm×30mm程度の、箱の形を有し、認証対象書類のマーキング上に置かれる。箱は2つの窓を備え、人間のユーザがそれぞれ左円偏光照明および右円偏光照明の下でマーキングを見られるようになっている。箱の内部には、光源と、フィルタと、随意のさらなる光学素子とが、電源として働く電池と共に配置され、また必要であれば、制御電子回路および論理回路が配置される。ユーザインターフェースとして働く必要なスイッチおよび表示器は、箱の外側表面に人間工学的に配置され、書類を照明する光出力は、上記のぞき窓に対応する、マーキングに面した窓を通過する。
【0041】
次に、図面および例示的な実施の形態を用いて、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、単一の白色光源(L1)と、2つの半円形の左円偏光フィルタおよび右円偏光フィルタ(FL、FR)と、随意のレンズ(LE)とを備え、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、マーキング(M)上に同時かつ逆の円偏光の連続照明をもつ2つの隣接する領域(M1、M2)を発生させるようになっている。
【図2a】図2は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 a)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、第1および第2の白色光源(L1、L2)を、第1および第2の左偏光フィルタおよび右偏光フィルタ(FL、FR)と共に用いるものである。
【図2b】図2は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、b)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、単一の白色光源(L1)を電気光学式円偏光子(EOCP)および駆動ユニット(DR)と共に用いるものである。
【図2c】図2は、本発明による認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 c)は、マーキング(M)の自動認証のために、実施の形態a)またはb)の一方を、付加的なカラーセンサ(CS)、マイクロプロセッサ(μP)、およびディスプレイ(D)と共に用いるものである。
【図3a】図3は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光白色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 a)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、第1の円偏光フィルタ(FL)を有する単一の第1の白色光源(L1)と、第1の光源(L1)の周囲に配置された、第2の円偏光フィルタ(FR)を有する複数の第2の白色光源(L2a、L2b、・・・)とを用いるものである。
【図3b】図3は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光白色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 b)は、マーキング(M)の自動認証のために、付加的なカラーセンサ(CS)と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とを用いるものである。
【図4a】図4は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光着色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 a)は、マーキング(M)の被支援視覚認証のために、第1の偏光フィルタ(FR)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第1の光源(L1a、L1b、・・・)と、第2の偏光フィルタ(FL)を有するスペクトル的に選択可能な(カラーの)複数の別々の第2の光源(L2a、L2b、・・・)と、随意に非偏光白色の第3の光源(L3)と、随意にレンズ(LE)とを用いるものである。
【図4b】図4は、本発明による代替の認証装置を模式的に描く図であり、認証装置は、逆の円偏光着色光によるマーキング(M)の交互の照明のためのものであり、 b)は、マーキング(M)の自動認証のために、付加的なフォトセル(P)と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とを用いるものである。
【図5】図5は、本発明による認証装置の第1の実施の形態の分解組立図を示し、装置は、改造型の懐中電灯であり、円筒形のアルミニウム筐体の中に、レンズ(103)と、半円形の左偏光フィルタおよび右偏光フィルタ(102L、102R)と、白色光源(101)と、入切スイッチ(S)と、電池(100)とを備え、検査中の書類上に、逆の円偏光をもつ2本の隣接する連続光線を発生させるものである。
【図6】図6は、本発明による認証装置の第2の実施の形態の分解組立図を示し、装置は、改造型の懐中電灯であり、円筒形のアルミニウム筐体の中に、第1の偏光フィルタ(202a)を有する第1の白色光源(201a)を備え、第1の白色光源(201a)は、第2の偏光フィルタ(202b)を有する4つの第2の白色光源(201b)に囲まれており、装置は、検査中の書類上に、交互の逆の円偏光照明を発生させるものである。
【図7a】図7は、本発明による認証装置の第3の実施の形態を示す図であり、認証装置は、確認箱として設計され、左円偏光および右円偏光の下でマーキング(M)を見るための、別々だが同様の2つのユニットを備えるものであり、 a)は、確認箱のユニットの模式的断面を示す図であり、ユニットは、白色光源(101)と、円偏光フィルタ(102)と、フレネルレンズ(103)とを備えるものである。
【図7b】図7は、本発明による認証装置の第3の実施の形態を示す図であり、認証装置は、確認箱として設計され、左円偏光および右円偏光の下でマーキング(M)を見るための、別々だが同様の2つのユニットを備えるものであり、 b)は、確認箱の分解組立図を示し、スイッチ(S)および電池(100)の位置を説明する図である。
【図7c】図7は、本発明による認証装置の第3の実施の形態を示す図であり、認証装置は、確認箱として設計され、左円偏光および右円偏光の下でマーキング(M)を見るための、別々だが同様の2つのユニットを備えるものであり、 c)は、確認箱の形状を示す図であり、実現可能なデザインを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図5を参照すると、被支援視覚認証に用いられる第1の実施の形態では、光が、LED(101)(白色LED、B5B-430-JB、Roithner社、ウィーン)によって提供され、レンズ(103)(304.OM.3プラスチックレンズ、直径16.5mm、焦点距離+30mm)によってマーキングに合焦させられる。LEDとレンズとの間には、逆の掌性(それぞれ左および右)をもつ2つの半円形円偏光フィルタ(102L、102R)が配置される。フィルタとレンズとの間の距離は、レンズの反対側5cmの距離にフィルタの像が形成されるように選ばれており、そこに、マーキングを保持するアイテムまたは書類が検査のために置かれる。これにより、逆の偏光をもつ同時照明領域間の分離線が目に見えるようになり、これらの領域がこうして適切に定められる。また、ただの単純な光線の代わりに、ロゴまたは文章を投影するようにフィルタにマスクを付加的に配置することができる。装置全体は、長さ80mm、直径14mmのアルミニウム円筒で実施された。この装置は、便利かつコンパクトであることに加えて、フィルタが装置内部に隠され、その他の点では通常のライトペンに見える、という利点を提供するので、外部の観察者は、アイテムまたは書類のどんな種類の特性が調べられているかについて、必ずしも気付かない。
【0044】
LED光源の使用により、重要な自立性が装置にもたらされる。電池は、市販されているような単純な単4電池である。
【0045】
図6を参照すると、同じく被支援視覚認証に用いられる第2の実施の形態では、光が5つのLED(201)(Roithner社、ウィーン)によって提供され、第1のもの(白色LED、B5B-430-JB)が光軸上に配置され、他の4つ(青色LEDB5B-437-IX 470nm、緑色LEDB5B-433-20 572 nm、赤色LEDB5B-435-TL 625 nm、赤外LEDLED850-04VP 850 nm)が、第1のLEDの周囲にきつい環状に配置される。第1のLEDには右回りの円偏光フィルタ(202)が設けられ、他の4つのLEDには左回りの(すなわち、第1のものとは逆の)円偏光フィルタ(203)がそれぞれ設けられる。これら内側および外側のダイオードのスイッチが一定の時間間隔で二者択一的に入れられたり切られたりして、検査中のアイテムが左偏光および右偏光で交互に照明されるようになっている。装置のダイオードの個数および配列は、これら2組が関心領域を似たような強度で照明する限りにおいて、重要ではない。装置全体は、長さ100mm、直径18mmのアルミニウム円筒で実施された。
【0046】
図7aを参照すると、同じく書類またはアイテムの被支援視覚認証に用いられる、確認箱の形を有する第3の実施の形態では、検査中の書類またはアイテムの2つの異なる領域が、逆の偏光をもつ円偏光フィルタを通して(一方の領域は右偏光フィルタを通して、他方は左偏光フィルタを通して)別々のLEDにより照明される。各領域は、照明を偏光させるのに用いられる同じ偏光フィルタを通して視覚的に検査され、また、書類またはアイテムの細部の視認性を増すために、拡大レンズ(フレネルレンズ)が設けられる。この実施の形態は、書類またはアイテム上のマーキングがわずかな偏光効果しか示さない場合に、あるいは、マーキングまたはその細部が非常に小さな寸法である場合に、特に有用である。確認箱は、寸法がおよそ50mm×35mm×25mmのプラスチックケースで実施された。図7bは、確認箱全体の分解組立図を示し、図7cは、外側から見た箱の図を示す。
【0047】
本発明の認証装置は、通貨、有価証券、引換券、本人確認書類、アクセス書類、イベントのチケット、交通機関の切符、開封テープ、製品ラベル、または包装材料の認証に使用することができる。
【0048】
円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証の方法は、
a)左円偏光および右円偏光を発する本発明による装置を用いて書類上のマーキングを照明するステップと、
b)マーキングによって反射された光を視覚的に判定し、これにより書類またはアイテムを認証するステップと
を特徴とする。
【0049】
本方法の変形では、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムの、好ましくは隣接する領域が、逆の円偏光をもつ2本の光線によって同時に照明される。
【0050】
本方法の別の変形では、円偏光マーキングを備える書類またはアイテムは、交互に変わる円偏光をもつ単一の光線によって照明される。
【0051】
本方法のさらに別の変形では、光源は、白色発光ダイオード(白色LED)および「カラー」発光ダイオード(カラーLED)からなる群から選択される。
【0052】
左円偏光および右円偏光を発する本発明による装置を用いた、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの自動認証の方法において、装置は、フォトセルとカラーセンサとからなる群から選ばれた光電池と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とをさらに備え、方法は、
a)マイクロプロセッサ(μP)によって光源のスイッチを入れたり切ったりする自動ステップと、
b)フォトセル(P)またはカラーセンサ(CS)からマイクロプロセッサ(μP)へと信号を読み取る自動ステップと、
c)読み取った信号値をマイクロプロセッサ(μP)において処理し格納する自動ステップと、
d)マイクロプロセッサ(μP)に格納されたあらかじめ設定された判断基準に基づいて認証結果を導出する自動ステップと、
e)認証結果をディスプレイ(D)に出力する自動ステップと
を特徴とする。
【0053】
本記載に示された例および図は、説明のためだけのものであり、決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証のための認証装置であって、
少なくとも1つの光源と、
少なくとも1つの円偏光フィルタと
を備え、
前記装置は、前記書類上の前記マーキングの照明のために左円偏光および右円偏光を発することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記円偏光フィルタは、左円固定偏光フィルタおよび右円固定偏光フィルタと、機械式可変円偏光フィルタと、電気光学式可変円偏光フィルタとからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
円偏光マーキングを備える書類またはアイテムを同時に、好ましくは隣接する領域において照明するために、逆の円偏光をもつ2本の光線が生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の認証装置。
【請求項4】
円偏光マーキングを備える書類またはアイテムを照明するために、交互に変わる逆の円偏光をもつ単一の光線が生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の認証装置。
【請求項5】
前記光源は、白色発光ダイオード(白色LED)および「カラー」発光ダイオード(カラーLED)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項6】
正のレンズまたはフレネルレンズを用いて前記光源の光を前記書類またはアイテムに集中することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記マーキング(M)上での、作動距離における照明強度が50ルクス以上、より好ましくは500ルクス以上であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項8】
前記認証装置は、プラスチック材料と、ステンレス鋼と、アルミニウムと、アルミニウム合金とからなる群の材料から作られることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項9】
前記認証装置は、円筒または棒の形状を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項10】
前記装置は、前記マーキングによって反射された光の強度および色の、自動化された測定および評価のための、フォトセルとカラーセンサとからなる群から選ばれた光電池と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項11】
通貨、有価証券、引換券、本人確認書類、アクセス書類、イベントのチケット、交通機関の切符、開封テープ、製品ラベル、または包装材料の認証のための、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の認証装置の使用法。
【請求項12】
円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証の方法であって、
a)左円偏光および右円偏光を発する請求項1ないし10の1項に記載の装置を用いて前記書類上の前記マーキングを照明するステップと、
b)前記マーキングによって反射された光を視覚的に判定し、これにより前記書類またはアイテムを認証するステップと
を特徴とする方法。
【請求項13】
前記円偏光マーキングを備える前記書類またはアイテムの、好ましくは隣接する領域が、逆の円偏光をもつ2本の光線によって同時に照明されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記円偏光マーキングを備える前記書類またはアイテムは、交互に変わる逆の円偏光をもつ単一の光線によって照明されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記光源は、白色発光ダイオード(白色LED)および「カラー」発光ダイオード(カラーLED)からなる群から選択されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
左円偏光および右円偏光を発する請求項1ないし10の1項に記載の装置を用いた、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの自動認証の方法であって、前記装置は、フォトセルとカラーセンサとからなる群から選ばれた光電池と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とをさらに備え、前記方法は、
a)前記マイクロプロセッサ(μP)によって前記光源のスイッチを入れたり切ったりする自動ステップと、
b)前記フォトセル(P)またはカラーセンサ(CS)から前記マイクロプロセッサ(μP)へと信号を読み取る自動ステップと、
c)前記読み取った信号値を前記マイクロプロセッサ(μP)において処理し格納する自動ステップと、
d)前記マイクロプロセッサ(μP)に格納されたあらかじめ設定された判断基準に基づいて認証結果を導出する自動ステップと、
e)前記認証結果を前記ディスプレイ(D)に出力する自動ステップと
を特徴とする方法。
【請求項1】
円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証のための認証装置であって、
少なくとも1つの光源と、
少なくとも1つの円偏光フィルタと
を備え、
前記装置は、前記書類上の前記マーキングの照明のために左円偏光および右円偏光を発することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記円偏光フィルタは、左円固定偏光フィルタおよび右円固定偏光フィルタと、機械式可変円偏光フィルタと、電気光学式可変円偏光フィルタとからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
円偏光マーキングを備える書類またはアイテムを同時に、好ましくは隣接する領域において照明するために、逆の円偏光をもつ2本の光線が生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の認証装置。
【請求項4】
円偏光マーキングを備える書類またはアイテムを照明するために、交互に変わる逆の円偏光をもつ単一の光線が生成されることを特徴とする請求項1または2に記載の認証装置。
【請求項5】
前記光源は、白色発光ダイオード(白色LED)および「カラー」発光ダイオード(カラーLED)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項6】
正のレンズまたはフレネルレンズを用いて前記光源の光を前記書類またはアイテムに集中することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項7】
前記マーキング(M)上での、作動距離における照明強度が50ルクス以上、より好ましくは500ルクス以上であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項8】
前記認証装置は、プラスチック材料と、ステンレス鋼と、アルミニウムと、アルミニウム合金とからなる群の材料から作られることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項9】
前記認証装置は、円筒または棒の形状を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項10】
前記装置は、前記マーキングによって反射された光の強度および色の、自動化された測定および評価のための、フォトセルとカラーセンサとからなる群から選ばれた光電池と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の認証装置。
【請求項11】
通貨、有価証券、引換券、本人確認書類、アクセス書類、イベントのチケット、交通機関の切符、開封テープ、製品ラベル、または包装材料の認証のための、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の認証装置の使用法。
【請求項12】
円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの視覚認証の方法であって、
a)左円偏光および右円偏光を発する請求項1ないし10の1項に記載の装置を用いて前記書類上の前記マーキングを照明するステップと、
b)前記マーキングによって反射された光を視覚的に判定し、これにより前記書類またはアイテムを認証するステップと
を特徴とする方法。
【請求項13】
前記円偏光マーキングを備える前記書類またはアイテムの、好ましくは隣接する領域が、逆の円偏光をもつ2本の光線によって同時に照明されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記円偏光マーキングを備える前記書類またはアイテムは、交互に変わる逆の円偏光をもつ単一の光線によって照明されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記光源は、白色発光ダイオード(白色LED)および「カラー」発光ダイオード(カラーLED)からなる群から選択されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
左円偏光および右円偏光を発する請求項1ないし10の1項に記載の装置を用いた、円偏光セキュリティマーキングを備える書類またはアイテムの自動認証の方法であって、前記装置は、フォトセルとカラーセンサとからなる群から選ばれた光電池と、マイクロプロセッサ(μP)と、ディスプレイ(D)とをさらに備え、前記方法は、
a)前記マイクロプロセッサ(μP)によって前記光源のスイッチを入れたり切ったりする自動ステップと、
b)前記フォトセル(P)またはカラーセンサ(CS)から前記マイクロプロセッサ(μP)へと信号を読み取る自動ステップと、
c)前記読み取った信号値を前記マイクロプロセッサ(μP)において処理し格納する自動ステップと、
d)前記マイクロプロセッサ(μP)に格納されたあらかじめ設定された判断基準に基づいて認証結果を導出する自動ステップと、
e)前記認証結果を前記ディスプレイ(D)に出力する自動ステップと
を特徴とする方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【公表番号】特表2011−501843(P2011−501843A)
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528492(P2010−528492)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003002
【国際公開番号】WO2009/047579
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500269417)シクパ・ホールディング・ソシエテ・アノニム (23)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003002
【国際公開番号】WO2009/047579
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500269417)シクパ・ホールディング・ソシエテ・アノニム (23)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]