説明

セグメント用シール部材及びそれを用いたセグメント接合部のシール構造並びにセグメント接合方法

【課題】 止水性能を高く確保しながらも火災による止水機能の喪失を抑止することのできるセグメント用シール部材及びそれを用いたセグメント接合部のシール構造並びにセグメント接合方法を提供する。
【解決手段】 土木構造物構築用のセグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間に介装されるセグメント用シール部材2を、非通水性の水膨潤性材料からなる止水層3と非通水性の熱膨張性材料からなる耐火層4とをセグメント接合方向に積層して構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルや下水管渠などの土木構造物構築用のセグメントどうしの接合端面間に介装されるセグメント用シール部材及びそれを用いたセグメント接合部のシール構造並びにセグメント接合方法に関し、特に、火災による止水機能(シール機能)の喪失を抑止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のセグメント用シール部材としては、非通水性の水膨潤性材料からなる止水層と熱膨張性材料からなる耐火層とを、耐火層がセグメント内側に位置する状態でセグメント内外方向(つまり、セグメント接合方向に対する直交方向)に積層することで、セグメント内側での火災に対し耐火層をもって止水層への火炎や火炎により生じる高温空気の接触を抑止し、これにより、火災による止水層の欠損を抑止して、火災後においても止水機能を保持できるようにした技術が知られている。(例えば、下記特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】特開2006−52536
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の如き従来のセグメント用シール部材では、火災による止水機能の喪失は抑止できるものの、地下水等の液体の液体侵入方向(つまり、通水方向)となるセグメント内外方向で止水層と耐火層とに分けているために、その耐火層の分だけ止水層のセグメント内外方向長さを短くしなければならず、そのことで、セグメント内外方向からの侵入液体に対する有効止水距離が短くなって、止水機能維持期間や許容止水圧力などの止水性能を十分には得られない問題があった。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、止水性能を高く確保しながらも火災による止水機能の喪失を抑止することのできるセグメント用シール部材及びそれを用いたセグメント接合部のシール構造並びにセグメント接合方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成はセグメント用シール部材に係り、その特徴は、
土木構造物構築用のセグメントどうしの接合端面間に介装されるセグメント用シール部材であって、
非通水性の水膨潤性材料からなる止水層と非通水性の熱膨張性材料からなる耐火層とをセグメント接合方向に積層して構成してある点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、非通水性の水膨潤性材料からなる止水層と非通水性の熱膨張性材料からなる耐火層とをセグメント接合方向(換言すれば、セグメント内外方向に対する直交方向)に積層してあるから、セグメントどうしの接合端面間での通水方向となるセグメント内外方向の全長に亘って止水層を配置するとともに、セグメント内外方向からの侵入液体や侵入火炎又は侵入高温空気に対向するセグメント内外方向のシール部材端面を止水層端面と耐火層端面からなる積層端面で構成することになる。
【0008】
すなわち、通水方向となるセグメント内外方向での止水層による有効止水距離を最大限に確保することができながらも、セグメントどうしの接合端面間にセグメント内外方向から液体が侵入してセグメント内外方向におけるシール部材端面に侵入液体が接触したときには、そのシール部材端面の止水層端面から侵入液体を吸収して止水層を水膨潤させることができ、これにより、非通水性の止水層と非通水性の耐火層とでセグメントどうしの接合端面間のシール性を向上させて、止水機能を確実に発揮させることができるとともに、セグメントどうしの接合端面間に火炎や高温空気が侵入してセグメント内外方向におけるシール部材端面に侵入火炎や侵入高温空気が接触したときには、耐火層による火炎侵入部分への熱膨張により火炎や高温空気の侵入部分を確実に閉塞して火災による止水層の欠損を効果的に抑止することができる。
【0009】
したがって、前述の従来技術に比べ止水性能を高く確保することができながらも、火災による止水機能の喪失を効果的に抑止することができる。
【0010】
なお、第1特徴構成の実施において、止水層を構成する水膨潤材料は、耐火層を構成する熱膨張材料の熱膨張開始温度よりも欠損温度が高温のものを採用するのが好ましい。
【0011】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記止水層を前記セグメントの接合端面に対しセグメント接合方向で接触する接触層としてある点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、セグメント接合端面間への侵入液体の少なくとも一部は侵入液体自体の粘性によりセグメントの接合端面に沿って侵入するのに対し、上記止水層をセグメントの接合端面に対しセグメント接合方向で接触する接触層としてあるから、侵入液体と止水層とを確実に接触させて止水層を確実に水膨潤させることができ、これにより、セグメントどうしの接合端面間における液体侵入時のシール性を一層向上させることができて、セグメントどうしの接合端面間での止水機能を一層確実に発揮させることができる。
【0013】
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記セグメントどうしの接合時において、前記止水層がセグメントどうしの接合端面間の中間部に位置するように止水層を配層してある点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、セグメント接合端面間への侵入液体が重力によりセグメント接合端面間の中間部に落下侵入し易くなるのに対し、セグメントどうしの接合時においてその中間部に位置するように上記止水層を配層してあるから、侵入液体と止水層とを効率良く接触させて止水層を効果的に水膨潤させることができ、これにより、セグメントどうしの接合端面間における液体侵入時のシール性を一層効果的に向上させることができて、セグメントどうしの接合端面間での止水機能を効果的に発揮させることができる。
【0015】
本発明の第4特徴構成は、セグメント接合部のシール構造に係り、その特徴は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセグメント用シール部材を前記セグメントどうしの接合端面間に形成のシール孔に挿填してある点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、止水性能が高く、それでいて、火災によっても止水機能が喪失し難いセグメント接合部を構築することができる。
【0017】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記シール孔の内面とこれに挿填された前記セグメント用シール部材におけるセグメント内外方向の端面との間にシール部材熱膨張用空間を形成してある点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、セグメント内側やセグメント外側での火災に対し、シール孔の内面とこれに挿填されたセグメント用シール部材におけるセグメント内外方向の端面との間のシール部材熱膨張用空間に上記耐火層を熱膨張させることができるから、その熱膨張部分によりセグメント用シール部材におけるセグメント内外方向の端面を被覆して止水層端面への火炎や高温空気を効果的に遮断することができて、火災による止水機能の喪失を一層効果的に抑止することができる。
【0019】
本発明の第6特徴構成は、セグメント接合方法に係り、その特徴は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセグメント用シール部材を隣合う前記セグメントの接合端面の夫々に配設したのち、それらセグメント用シール部材を相対向させる状態でセグメントどうしを接合することを特徴とする点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、セグメント接合工程に先立ち、セグメントに対しセグメント用シール部材を取り付けておくことができるから、例えは、セグメント接合工程において、セグメントどうしを接合する直前に、又は、セグメントどうしを接合するのと同時にそれらの接合端面間にセグメント用シール部材を介装する場合に比して、セグメント接合工程の簡略化、及び、セグメント接合工事の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1〜図3は、本発明に係るセグメント用シール部材2を示し、このセグメント用シール部材2は、例えば、図4に示すように、土木構造物の一例であるトンネルTを構築するコンクリート製のセグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間に介装して使用される。
【0022】
前記セグメント1は、図2〜図4に示すように、セグメント内側面1B及びセグメント外側面1Cを除く四面を隣接セグメント1′に対するセグメント接合端面1Aとしてあり、それらセグメント接合端面1Aの各々には、断面視台形状の内側シール溝1aとそれよりやや大形の断面視台形状の外側シール溝1bとをトンネル径方向に位置ズレさせた状態でセグメント接合端面1A長手方向に亘って形成してある。
【0023】
そして、セグメント1、1′どうしを接合したとき、それらの接合端面1A、1A′間に内側シール溝1a、1aとを合せた断面視縦長六角形状の内側シール孔1Dと、外側シール溝1b、1bどうしを合せた断面視縦長六角形状の外側シール孔1Eとを形成する構成にしてある。
【0024】
前記セグメント用シール部材2は、図1〜図3に示すように、前記シール溝1a、1bの各々に対応する形状で内側シール溝用シール部材2Aと外側シール溝用シール部材2Bの2種類構成してあり、本例では、内側シール溝用シール部材2Aと外側シール溝用シール部材2Bの夫々を、対応する前記シール溝(1a、1b)の深さ(Da、Db)よりも若干大なる幅W、W′、シール溝(1a、1b)の底面幅と同じ高さH、H′、及び、シール溝(1a、1b)の溝長さと同じ長さLで構成される縦長方形断面の帯状形状に形成してある。
【0025】
また、セグメント用シール部材2は、セグメント接合方向(トンネル軸芯方向に接合する場合ではトンネル軸芯方向、トンネル周方向に接合する場合ではトンネル周方向)に止水層3と耐火層4とを積層する構造を基本構成としてあり、本例では、外側シール溝用シール部材2Bを、配設対象のセグメント接合端面1Aの側から‘セグメント側止水層3a(止水層3)−耐火層4−シール部材側止水層3b(止水層3)’の順に並ぶ3層構造にするとともに、内側シール溝用シール部材2Aを、配設対象のセグメント接合端面1Aの側から‘セグメント側止水層3a(止水層3)−耐火層4’の順に並ぶ2層構造にしてある。
【0026】
前記各シール部材2A、2Bの止水層3は、液体を吸収することにより膨潤する水膨潤性ゴム(水膨潤性材料の一例)により成層してあり、この水膨潤性ゴムとしては、例えば、主材料としてのEPDM等の合成ゴムにポリアクリル酸ナトリウムなどの水膨潤材料を混合したものを採用している。
【0027】
また、前記各シール部材2A、2Bの耐火層4は、火災時の温度上昇により膨張する熱膨張性ゴム(熱膨張性材料の一例)により成層してあり、この熱膨張性ゴムとしては、例えば、主材料としてのEPDM等の合成ゴムに膨張黒鉛等の熱膨張材料を混合したものを採用している。
【0028】
そして、止水層3を構成する水膨潤性ゴムと耐火層4を構成する熱膨張性ゴムとを共押出成形したり、或いは、水膨張性ゴムと熱膨張性ゴムとを接着したりするなどの方法で各シール部材2A、2Bを構成してある。
【0029】
前記各シール部材2A、2Bのセグメント側止水層3aは、セグメント接合端面1Aに対しセグメント接合方向で接触する接触層を構成してある。また、内側シール溝用シール部材2Aのシール部材側止水層3bは、配設対象のセグメント1に接合するセグメント1′側の内側シール溝用シール部材2Aに対する接触層を構成してあり、隣合うセグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間に内側シール溝用シール部材2Aを配設してセグメント1、1′どうしを接合したとき、それら接合端面1A、1A′間の中間部に止水層3が配置される構成にしてある。
【0030】
次に、本発明に係るセグメント用シール部材2を用いたセグメント接合方法について説明する。
【0031】
まず、一対のセグメント1、1′夫々の接合端面1A、1A′における内側シール溝1a、外側シール溝1bの底面部に対し、セグメント用シール部材2、2の夫々(詳しくは、内側シール溝用シール部材2A、2Aの夫々、及び、外側シール溝用シール部材2B、2Bの夫々)を両面テープや接着剤等の貼付手段(図示しない)にて貼着する。
【0032】
次に、セグメント用シール部材2、2どうしを夫々相対向させる状態でセグメント1、1′の接合端面1A、1A′どうしをセグメント接合方向に沿って近付け、各セグメント用シール部材2、2どうしを接触させる。
【0033】
その後、各セグメント用シール部材2、2を圧縮しながら、ボルトやナット等の接合手段(図示しない)、或いは、嵌合等の接合方法によりセグメント1、1′どうしを接合すると、図3に示すように、各シール孔1D、1Eにおけるセグメント内外方向の中間位置(図3における上下中間位置)にセグメント用シール部材2、2の各々が位置し、それら各シール孔1D、1Eのセグメント内外方向の両側(つまり、各シール孔1D、1Eの内面とセグメント用シール部材2、2におけるセグメント内外方向のシール部材端面2c、2cとの間)に、断面視三角形状のシール部材膨張用空間Sが夫々形成される。
【0034】
上述の如く構成したセグメント接合部の液体侵入時及び火炎(又は高温空気)侵入時の状態について説明する。
〔イ〕液体侵入時(図3を参照)
セグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間にセグメント内外方向から地下水などの液体が侵入してセグメント内外方向のシール部材端面2c、2cに侵入液体が接触すると、シール部材端面2c、2cの止水層端面から侵入液体を吸収して止水層3が水膨潤し、これにより、非通水性の止水層3と耐火層4とでセグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間のシール性を向上させる。
【0035】
さらに詳述すれば、例えば、セグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間にセグメント外面1C、1C′側から地下水などの液体が侵入したとき、その侵入液体は外側シール孔1Dの入口部分(図3中において、外側シール孔1Dの上端部分)で粘性により接合端面1A、1A′(詳しくは、シール孔1Dの内面)に沿う液体と重力落下する液体とに分流し、接合端面1A、1A′に沿う液体はセグメント内外方向のシール部材端面2c、2cのセグメント側止水層3a、3aに接触吸収され、また、重力落下する液体はシール部材端面2c、2cのシール部材側止水層3b、3bに接触吸収され、これにより、各止水層3a、3a、及び、3b、3bが水膨潤して、セグメント内面1B、1B′側への液体侵入を外側シール孔1D部分で効果的に抑止することができる。
【0036】
〔ロ〕火炎侵入時(火災時)(図3を参照)
セグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間にセグメント内外方向から火炎や火炎による高温空気が侵入すると、シール部材膨張空間Sを通じてセグメント用シール部材2、2におけるセグメント内外方向のシール部材端面2c、2cに侵入火炎や侵入高温空気が接触する。そして、その火炎接触又は高温空気接触により耐火層4、4が熱膨張温度に達すると、耐火層4、4が熱膨張してシール部材膨張空間Sを閉塞し、セグメント用シール部材2、2の止水層3、3の欠損を抑止する。
【0037】
以上、要するに、本発明のセグメント用シール部材2は、非通水性の水膨潤性材料からなる止水層3と非通水性の熱膨張性材料からなる耐火層4とをセグメント接合方向に積層することで、通水方向での止水層3による有効止水距離を最大限に確保して止水性能を高く確保しながらも、火炎による止水層3の欠損などの不具合を耐火層4により効果的に抑止できるようにしてある。
【0038】
〔その他の実施形態〕
〔1〕前述の実施形態では、土木構造物構築用のセグメント1として、トンネル構築用のセグメントを例に挙げて説明したが、これに限らず、下水管渠構築用のセグメントや擁壁構築用のセグメントなどであってもよい。
【0039】
〔2〕前述の実施形態では、前記止水層3を成層する水膨潤性ゴムの主材料、及び、前記耐火層4を成層する熱膨張性ゴムの主材料として、EPDM等の合成ゴムを採用する場合を例に示したが、例えば、ポリエチレンなどのオレフィン係樹脂やアスファルトなど、種々の材料を採用してもよい。
【0040】
〔3〕前述の実施形態では、止水層3と耐火層4とをセグメント接合方向に積層する構成として、‘止水層3−耐火層4−止水層3’からなる3層構造、及び、‘止水層3−耐火層4’からなる2層構造に構成した場合を例に示したが、例えば、‘耐火層4−止水層3−耐火層4’からなる3層構成にするなど、その積層順序や積層配分は適宜変更すればよく、また、積層数も2層や3層に限らず4層以上であってもよい。
【0041】
〔4〕前述の実施形態では、各セグメント用シール部材2をセグメント1の接合端面1Aに形成の各シール溝1a、1bに対応させた形状で構成し、隣合うセグメント1、1′の夫々に取り付ける場合を例に示したが、各セグメント用シール部材2を隣合うセグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間に形成される各シール孔1D、1Eに対応させた形状で構成し、隣会うセグメント1、1′の一方のみに取り付けるようにしてもよい。
【0042】
〔5〕前述の実施形態では、セグメント1、1′どうしの接合端面1A、1A′間に2つのシール孔(内側シール孔1D及び外側シール孔1E)を形成する構造を例に示したが、1つのシール孔を形成する構造や3つ以上のシール孔を形成する構造にしてもよい。
【0043】
〔6〕前述の実施形態では、セグメント接合端面1A、1A′間に形成した複数のシール孔の全部にセグメント用シール部材2を配設する構造を例に示したが、一部のシール孔だけに配設する構造にしてもよい。
【0044】
〔7〕前述の実施形態では、止水層3を構成する水膨潤性ゴムと耐火層4を構成する熱膨張性ゴムとを共押出成形したり、或いは、水膨張性ゴムと熱膨張性ゴムとを接着したりするなどの方法で各シール部材2A、2Bを構成する場合を例に示したが、例えば、水膨張性ゴムと熱膨張性ゴムとを積層した状態で袋や紐等の拘束手段により拘束する方法で構成してもよく、種々の方法を採用できる。
【0045】
〔8〕前述の実施形態では、セグメント接合端面1A、1A′間のシール孔(内側シール孔1D及び外側シール孔1E)部分にセグメント用シール部材2を介装する場合を例に示したが、これに限らず、セグメント接合端面1A、1A′間であれば何処に介装してもよい。
【0046】
〔9〕前述の実施形態では、セグメント接合端面1A、1A′の両方にシール溝を形成して、それらセグメント接合端面1A、1A′の接合時に両方のシール溝を合せてシール孔を形成する場合を例に示したが、セグメント接合端面1A、1A′の一方のみにシール溝を形成して、それらセグメント接合端面1A、1A′の接合時に一方のシール溝と他方の接合端面とでシール孔を形成する構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係るセグメント用シール部材の斜視図
【図2】セグメント用シール部材をセグメント接合端面に配設した状態を示す縦断面図
【図3】セグメントどうしの接合時の状態を示す縦断面図
【図4】トンネル構築用のセグメントを示す斜視図
【符号の説明】
【0048】
1、1′ セグメント
1A、1A′ セグメント接合端面
2 セグメント用シール部材
3 止水層
4 耐火層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木構造物構築用のセグメントどうしの接合端面間に介装されるセグメント用シール部材であって、
非通水性の水膨潤性材料からなる止水層と非通水性の熱膨張性材料からなる耐火層とをセグメント接合方向に積層して構成してあるセグメント用シール部材。
【請求項2】
前記止水層を前記セグメントの接合端面に対しセグメント接合方向で接触する接触層としてある請求項1記載のセグメント用シール部材。
【請求項3】
前記セグメントどうしの接合時において、前記止水層がセグメントどうしの接合端面間の中間部に位置するように止水層を配層してある請求項1又は2記載のセグメント用シール部材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセグメント用シール部材を前記セグメントどうしの接合端面間に形成のシール孔に挿填してあるセグメント接合部のシール構造。
【請求項5】
前記シール孔の内面とこれに挿填された前記セグメント用シール部材におけるセグメント内外方向の端面との間にシール部材熱膨張用空間を形成してある請求項4記載のセグメント接合部のシール構造。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のセグメント用シール部材を隣合う前記セグメントの接合端面の夫々に配設したのち、それらセグメント用シール部材を相対向させる状態でセグメントどうしを接合することを特徴とするセグメント接合方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−327196(P2007−327196A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157320(P2006−157320)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000119830)因幡電機産業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】