説明

セミトレーラの車体前部構造

【課題】セミトレーラに2つの小型コンテナを前後に配置して積載した後であっても、前方の小型コンテナの扉を開いて内部を確認することが可能な車体前部構造の提供。
【解決手段】コンテナガイド47は、フロントボルスタ40の所定位置に設けられ、40ftコンテナ又は前方20ftコンテナをセミトレーラに積載する際に、コンテナを所定の積載位置に案内する。20ftコンテナは、後面に扉を有し、且つ前後方向が反転した状態でセミトレーラの所定の積載位置に積載可能である。フロントボルスタ40の前方小型コンテナ用前側緊締装置は、反転した状態で積載された前方小型コンテナの前下端隅部と解除可能に係合する。コンテナガイド47は、フロントボルスタ40の所定位置に着脱自在に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後方向の長さが相違するコンテナを積載可能な兼用タイプのセミトレーラの車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、長さ寸法20フィートの小型コンテナと長さ寸法40フィートの大型コンテナとのいずれでも積載できる兼用タイプのセミトレーラが記載されている。このセミトレーラには、2つの小型コンテナが前後方向に積載可能であり、セミトレーラの前端部には、大型コンテナの前下隅と係合可能な係合ピンと、前方の小型コンテナの前下隅と係合可能な係合ピンとが設けられ、中間部には、前方の小型コンテナの後下隅と係合可能な係合ピンと、後方の小型コンテナの前下隅と係合可能な係合ピンとが前後に設けられ、後端部には、大型コンテナの後下隅と後方の小型コンテナの後下隅とに係合可能な兼用の係合ピンが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−6759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のように、40フィートの大型コンテナに合わせた前後方向の長さを有するセミトレーラに20フィートの小型コンテナを前後に配置して積載すると、前後の小型コンテナの間(前方の小型コンテナの後面と後方の小型コンテナの前面との間)に、前方の小型コンテナの後面の扉を開くためのスペースを確保することができず、セミトレーラに積載した後に前方の小型コンテナの扉を開いて内部を確認することができない。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑み、セミトレーラに2つの小型コンテナを前後に配置して積載した後であっても、前方の小型コンテナの扉を開いて内部を確認することが可能な車体前部構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、前後の長さが第1所定長に設定された大型コンテナと、第1所定長の略1/2の第2所定長に設定された小型コンテナとを選択的に積載可能であり、且つ小型コンテナについては2つのコンテナを前後に並んで配置して積載可能な兼用タイプのセミトレーラの車体前部構造であって、1本のフロントボルスタと、コンテナガイドと、左右の大型コンテナ用前側緊締装置と、左右の前方小型コンテナ用前側緊締装置と、を備える。
【0007】
フロントボルスタは、前後方向に相対向して延びる左右1対のメインビームの前端部で車幅方向に延設されて左右のメインビームに支持される。コンテナガイドは、フロントボルスタの所定位置に設けられ、大型コンテナ又は2つの小型コンテナのうち前方に配置される前方小型コンテナをセミトレーラに積載する際に、大型コンテナ及び前方小型コンテナを所定の積載位置に案内する。大型コンテナ用前側緊締装置は、フロントボルスタの両端部にそれぞれ設けられ、所定の積載位置に積載された大型コンテナの前下端隅部と解除可能に係合する。前方小型コンテナ用前側緊締装置は、フロントボルスタの両端部にそれぞれ設けられ、所定の積載位置に積載された前方小型コンテナの前下端隅部と解除可能に係合する。
【0008】
前方小型コンテナは、後面に扉を有し、且つ前後方向が反転した状態でセミトレーラの所定の積載位置に積載可能である。前方小型コンテナ用前側緊締装置は、反転した状態で積載された前方小型コンテナの前下端隅部と解除可能に係合する。
【0009】
コンテナガイドは、フロントボルスタの所定位置に着脱自在に固定され、又は反転した状態で積載された前方小型コンテナの扉と対向しない格納位置と所定位置との間を移動自在にフロントボルスタに連結される。
【0010】
上記構成では、大型コンテナや前方小型コンテナを積載する場合、その積載前に、コンテナガイドをフロントボルスタの所定位置に固定する。これにより、コンテナの前下縁部がコンテナガイドに案内され、コンテナを所定の積載位置に容易に積載することができる。
【0011】
また、前方小型コンテナを積載する場合、扉が前方を向くように前後方向を反転させて積載する。そして、積載された前方小型コンテナの内部の確認等のため扉を開放する場合には、コンテナガイドをフロントボルスタから取り外し、或いは格納位置に移動させる。これにより、扉がコンテナガイドに干渉せず、扉の開閉を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、セミトレーラに2つの小型コンテナを前後に配置して積載した後であっても、前方の小型コンテナの扉を開いて内部を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態のセミトレーラの車体前部構造を示す平面図である。
【図2】図1の側面図であり、(a)は大型コンテナを積載した状態を、(b)は2つの小型コンテナを積載した状態をそれぞれ示す。
【図3】大型コンテナと小型コンテナとを前下方から視た斜視図である。
【図4】フロントボルスタの斜視図である。
【図5】コンテナガイドがフロントボルスタに装着された状態を一部断面で示す側面図である。
【図6】コンテナガイドが取り外された状態のフロントボルスタを一部断面で示す側面図である。
【図7】図5の正面図である。
【図8】大型コンテナ用前側緊締装置及び格納状態の前方小型コンテナ用前側緊締装置を示す平面図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】大型コンテナ用前側緊締装置及び使用状態の前方小型コンテナ用前側緊締装置を示す平面図である。
【図11】図10の側面図である。
【図12】図10の正面図である。
【図13】図11の断面図である。
【図14】ガイド穴を示す側面図である。
【図15】前方小型コンテナ用後側緊締装置を示す側面図である。
【図16】図15の平面図である。
【図17】図15の正面図である。
【図18】後方小型コンテナ用前側緊締装置を示す正面図である。
【図19】図18の平面図である。
【図20】図18の側面図である。
【図21】本発明の第2実施形態のコンテナガイドが使用位置に設定された状態を一部断面で示す側面図である。
【図22】ガイド板を省略した図21の平面図である。
【図23】図21の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、FRは車両の前方を、UPは上方を、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。また、以下の説明において、特に説明のない限り左右方向は車両前方を向いた状態での左右方向を意味する。
【0015】
図2に示すように、本実施形態のセミトレーラ1は、前後の長さが40フィート(第1所定長)に設定された40ftコンテナ(大型コンテナ)20と、20フィート(第1所定長の略1/2の第2所定長)に設定された20ftコンテナ(小型コンテナ)110とを選択的に積載可能で、且つ20ftコンテナ110については2つのコンテナを前後に並んで配置して積載可能な兼用タイプのトレーラであり、トラクタ(図示省略)に連結されて牽引される。なお、2つの20ftコンテナ110を前後に配置して積載する場合、前方のコンテナを前方20ftコンテナ110Fと称し、後方のコンテナを後方20ftコンテナ110Rと称する。
【0016】
図3に示すように、40ftコンテナ20と20ftコンテナ110とは、ともに箱型タイプであり、各コンテナ20,110の後面は、左右に観音開き状に開移動してコンテナ内部を開放する扉20a,110aによって閉止されている。各コンテナ20,110の前下端隅部と後下端隅部とには、前側の隅金具21,111と後側の隅金具22,112とがそれぞれ固定されている。
【0017】
40ftコンテナ20の前側の隅金具21には、前方へ開口する係合穴23が設けられ、後側の隅金具22には、下方へ開口する係合穴24が設けられている。20ftコンテナ110の前側及び後側の隅金具111,112には、下方へ開口する係合穴113,114がそれぞれ設けられている。20ftコンテナ110は、その底面の4箇所の係合穴113,114が前後及び左右で対称に配置されており、扉110aが後方を向く通常姿勢と扉110aが前方を向く反転姿勢とを区別することなくセミトレーラ1に積載することが可能である。なお、40ftコンテナ20の底部の前側部分には、後述するメインビーム4の段差11を吸収するための凹状のトンネルリセス部が設けられているが、図3ではその形状を省略している。一方、20ftコンテナ110の底部には、トンネルリセス部は設けられていない。
【0018】
図1及び図2に示すように、セミトレーラ1の車体は、シャシフレーム3によって構成される。シャシフレーム3は、車両前後方向に沿って略平行に延びる左右1対のメインビーム4と、車両前後方向に所定間隔をおいて配置されて車幅方向に延びる複数の直線状のクロスフレーム5とを有する。メインビーム4は、上下で離間して対向する板状の上フランジ4aと下フランジ4bとが上下に延びるウェブ4cによって連結されたI状断面を有する(図4参照)。各クロスフレーム5は、メインフレーム4に対して略直交し、クロスフレーム5の両端は、メインビーム4に結合される。シャシフレーム3には、懸架装置7を介して車輪(タイヤ)6が装着される。
【0019】
左右のメインビーム4の前端部には、矩形平板状のエプロンプレート9が固定されている。エプロンプレート9の左右の両側部は、左右のメインビーム4の下フランジ4bに結合され、エプロンプレート9の前端部は、後述するフロントボルスタ40の下部に結合され、左右のメインビーム4の前端部の間はエプロンプレート9によって覆われている。
【0020】
エプロンプレート9の下面の車幅方向の略中央には、キングピン10が突設されている。キングピン10は、セミトレーラ1を牽引するトラクタのカプラに解除可能に連結される。なお、キングピン10を、トラクタのカプラに対応した高さに合わせて配置するため、メインビーム4の前端部は、通称グースネックと称する段差11によって嵩上げされている。
【0021】
図4に示すように、左右のメインビーム4の前端部には、車幅方向に延びるフロントボルスタ40が固定され、フロントボルスタ40の左右両端は、各メインビーム4よりも車幅方向外側へ突出して延びている。フロントボルスタ40の上面部40bは、反転姿勢で積載された前方20ftコンテナ110Fの扉110aの下縁よりも低い高さ位置(開閉する扉110aと干渉しない高さ)に設定されている。
【0022】
フロントボルスタ40の所定位置には、左右1対のコンテナガイド47が設けられている。図5〜図7に示すように、コンテナガイド47は、フロントボルスタ40の上面部40bに載置される底板51と、底板51から起立する縦板52と、縦板52の上縁及び前縁に接合されるガイド板53と、底板51の下面から下方へ突出する挿入突起54とを一体的に有する。ガイド板53は、コンテナガイド47が所定位置に固定された状態で後下方へ傾斜するガイド面53aを有し、ガイド面53aは、コンテナ20,110Fをセミトレーラ1に積載する際にコンテナ20,110Fの前端下部を所定の前後位置(所定の積載位置)に案内する。挿入突起54は矩形筒状であり、その後面部には円形状のピン挿通穴55が形成されている。
【0023】
フロントボルスタ40には、上方に開口する突起挿入孔60が形成されている。突起挿入孔60は挿入突起54の外形よりも僅かに大きい矩形状であり、この突起挿入孔60に挿入突起54が上方から挿入される。フロントボルスタ40の前面部40aには、コンテナガイド47をフロントボルスタ40の所定位置に着脱可能に固定するためのコンテナガイド固定機構61が設けられている。コンテナガイド固定機構61は、円筒状のピン収容部62と、ピン収容部62の後端に固着された矩形板状のフランジ63と、ピン収容部62の前端側に固定された円形板状の固定板64と、ピン収容部62に収容される円柱状のピン65と、ピン65の前端面に固定される矩形板状の操作レバー66と、ピン65の中間部の外周面に固着される可動板67と、ピン収容部62の上面に固着されて前方へ延びるピン規制板68と、ピン65をロック方向(後方)へ付勢するコイルバネ69と有する。
【0024】
フランジ63はボルト(図示省略)によってフロントボルスタ40の前面部40aに締結され、これによりコンテナガイド固定機構61がフロントボルスタ40の所定位置に固定される。コンテナガイド固定機構61が所定位置に固定された状態で、ピン収容部62の内径部は前後方向に延びる。フランジ63には、ピン収容部62の内径部と連続する貫通孔63aが形成され、可動板67の外周面は、ピン収容部62及び貫通孔63aの内周面上を前後方向に摺動する。固定板64には、ピン65の外径よりも僅かに大きい内径を有する貫通孔64aが形成され、ピン65の外周面は、貫通孔64aの内周面を前後方向に摺動する。すなわち、ピン65は、ピン収容部62及び貫通孔63aの内周面と貫通孔64aの内周面とによって、前後方向にスライド移動自在に支持される。フロントボルスタ40の前面部40aには、ピン65の前端部が進入する貫通孔48が形成され、コンテナガイド47の挿入突起54がフロントボルスタ40の突起挿入孔60に挿入された状態で、挿入突起54のピン挿通穴55とフロントボルスタ40の貫通孔48とが連通する。
【0025】
コイルバネ69は、可動板63と固定板64との間に自然長よりも短縮された状態で配置され、可動板63を介してピン65を後方へ付勢する。ピン65の後方への可動範囲は、可動板63とフロントボルスタ40の前面部40aとの当接によって規定される。可動板63とフロントボルスタ40の前面部40aとが当接した状態(コンテナガイド固定機構61のロック状態)において、ピン65は後方のロック位置に保持される(図5参照)。ロック位置のピン65の後端部は、貫通孔48を介してコンテナガイド47の挿入突起54のピン挿通穴55に進入して係合し、コンテナガイド47をフロントボルスタ40の所定位置に固定する。
【0026】
操作レバー66は、貫通孔65aの前方外側でピン65の後端面にボルトによって締結固定される。操作レバー66の一端側(図5中の下端側)は、他端側(図5中の上端側)よりもピン65から長く延び、この他端側が作業者に把持されて操作レバー66が操作される。非操作時の操作レバー66は、一端側が下方に延びる回転位置(非操作位置)に設定される。ピン規制板68は、ロック状態で且つ非操作位置の操作レバー66の他端側の上方で後方に延び、その後端部68aは、下方へ曲折して操作レバー66の他端側に前方から対向する。すなわち、ロック状態で且つ非操作位置の操作レバー66の他端側は、ピン規制板68の後端部68aと対向し、非操作位置の操作レバー66の前方への移動を規制する。
【0027】
コンテナガイド固定機構61のロック状態を解除する場合、図7中2点鎖線で示すように非操作位置の操作レバー66を略90°回転させて前方へ引っ張る。操作レバー66を非操作位置から略90°回転させることによって、操作レバー66の他端側がピン規制板68の後端部68aの後方から外れ、操作レバー66の前方への移動が許容される。操作レバー66を、コイルバネ69の付勢力に抗してピン規制板68の後端部68aよりも前方まで移動させた後、操作レバー66を非操作位置に戻して引っ張りを解除すると、コイルバネ69の付勢力によって操作レバー66が後方へ付勢され、操作レバー66がピン規制板68の後端部68aに前方から当接して、ピン65が前方のロック解除位置に保持される(図6参照)。ロック解除位置のピン65の後端部は、コンテナガイド47の挿入突起54のピン挿通穴55から抜けてその前方へ移動し、ピン65とピン挿通穴55との係合が解除され、フロントボルスタ40からのコンテナガイド47の離脱が許容される。
【0028】
このように、コンテナガイド47は、フロントボルスタ40の所定位置に着脱自在に固定される。
【0029】
図4及び図8〜図13に示すように、フロントボルスタ40の左右両側の端部40aには、大型コンテナ用前側緊締装置(以下、大型前側用緊締装置と称する)70と、前方小型コンテナ用前側緊締装置(以下、前方小型用前側緊締装置と称する)120とが装着されている。大型前側用緊締装置70は、スレッドピン71と、レバー73と、レバーロックプレート74とを備え、フロントボルスタ40の端部40aの中空内部に配置されている。
【0030】
スレッドピン71は、フロントボルスタ40に固着されて前後方向に貫通する円筒状のピン支持管78の内径部に挿入され、ピン支持管78によって係合位置と係合解除位置との間を前後方向に沿ってスライド移動自在に支持される棒状体であり、シャシフレーム3に載置されたコンテナ20の隅金具21の直ぐ前方に配置される。前方小型用前側緊締装置120が後述する格納位置に設定され、40ftコンテナ20がシャシフレーム3に載置された状態で、係合解除位置から係合位置へ移動したスレッドピン71は、フロントボルスタ40の後面40bから後方へ突出し、前側の隅金具21の係合穴23へ前方から進入して係合し、コンテナ20の移動を規制する。また、係合位置から係合解除位置へ移動したスレッドピン71は、フロントボルスタ40の後面から後方へ突出せず、係合穴23から離脱して、コンテナ20の移動を許容する。
【0031】
レバー73は、その一端(車幅方向の外端)がスレッドピン71の後端に固定されて車幅方向内側へ延びる。レバー73が後方へ押されると、スレッドピン71が後方の係合位置へ移動し、レバー73が前方へ引かれると、スレッドピン71が前方の係合解除位置へ移動する。フロントボルスタ40には、前後方向に沿って起立するガイドプレート76が固定され、ガイドプレート76には、レバー73の他端(車幅方向の内端)が挿入される溝状のガイド穴77(図14に示す)が形成されている。ガイド穴77は、前後方向に延びる中間直線部77aと、中間直線部77aの前後の両端からそれぞれ下方へ延びる前端部77b及び後端部77cとを有する。レバー73は、その他端がガイド穴77の中間直線部77aに位置する状態で前後方向への移動が許容され、ガイド穴77の前端部77b及び後端部77cに位置する状態で前後方向への移動が規制される。
【0032】
レバーロックプレート74は、フロントボルスタ40に回転自在に支持され、スレッドピン71が係合位置に設定された状態(レバー73の他端が後端部77cに位置する状態)と係合解除位置に設定された状態(レバー73の他端が前端部77bに位置する状態)との双方において、レバー73の他端側と係合することによって、スレッドピン71を係合位置又は係合解除位置に保持する。
【0033】
このように、左右のスレッドピン71は、レバー73の操作に応じて、40ftコンテナ20の前下端隅部と解除可能に係合する。
【0034】
前方小型用前側緊締装置120は、回転格納型ツイストロック装置であり、ボディ121と、ツイストロック122と、レバー123と、レバーロックプレート124とを備える。ボディ121は、前後方向に沿って延びる左右1対のアーム125と、アーム125に固定される上板(シャーロックプレート)126及び前板129とを有する。アーム125は、車幅方向に沿った回転軸127を中心として回転自在にフロントボルスタ40に支持され、前方小型用前側緊締装置120は、回転軸127を中心として、フロントボルスタ40の後面40bから突出するスレッドピン71の可動領域を上方から覆う使用位置と、使用位置から前上方へ回転した格納位置との間で回転可能であり、前方小型用前側緊締装置120の回転範囲は、ボディ121とフロントボルスタ40との当接によって、使用位置と格納位置との間に規制される。使用位置では、上板126は、その上面126aが略水平に配置されてフロントボルスタ40の後面40bから突出するスレッドピン71の可動領域の上方を覆う(図11参照)。格納位置では、メインビーム40に載置されるコンテナ20との干渉が発生しないように、前方小型用前側緊締装置120の全体がフロントボルスタ40の上方に待避する。なお、格納位置は、フロントボルスタ40の斜め上前方や前方であってもよい。
【0035】
20ftコンテナ110は、トンネルリセス部を有していないため、シャシフレーム3に載置された前方20ftコンテナ110Fの下面は、シャシフレーム3に載置された40ftコンテナ20の下面よりも上方に位置し、使用位置の前方小型用前側緊締装置120は、シャシフレーム3に載置された前方20ftコンテナ110Fの隅金具113の直ぐ下方に配置されてスレッドピン71の可動領域を覆う。
【0036】
ツイストロック122は、頭部(ツイストロックヘッド)122aと、シャーブロック122bと、回転軸(ピンツイストロック)128とを有する。シャーブロック122bは、前後方向が長い矩形筒状を有し、上板126の上面126aに固定される。上板126には、シャーブロック122bの内径部と連通する貫通孔が形成され、回転軸128は、シャーブロック122bの内径部及び上板126の貫通孔を挿通した状態で、シャーブロック122bの内径部によって回転自在に支持される。前方小型用前側緊締装置120を使用位置に設定した使用状態において、シャーブロック122bは、上板126の上面から略鉛直上方に起立する。頭部122aは、シャーブロック122bから上方へ突出する回転軸128の上端に固定され、前後方向が長い係合解除位置(図10に実線で示す)と、係合解除位置から略90°回転した係合位置(図10に2点鎖線で示す)との間で、回転軸128と一体的に回転する。
【0037】
レバー123の一端は、回転軸128の下端側に連結され、係合解除位置では前方へ延び、係合位置では車幅方向内側へ延びる。レバー123の他端側が車幅方向内側へ回転操作されると、ツイストロック122の頭部122aが係合位置へ回転し、車幅方向外側へ回転操作されると、頭部122aが係合解除位置へ回転する。
【0038】
レバーロックプレート124は、ボディ121に対して回転自在に支持され、ツイストロック122の頭部122aが係合位置に設定された状態において、レバー123の他端側と係合することによって、頭部122aを係合位置に保持する。
【0039】
前方小型用前側緊締装置120を使用位置に設定し、ツイストロック122の頭部122aを係合解除位置に設定し、前方20ftコンテナ110Fを通常姿勢でシャシフレーム3の前側の所定位置に載置すると、ツイストロック122の頭部122aは、隅金具111の係合穴113に下方から進入し、レバー123を操作して略90°回転することによって、係合位置に達して係合穴113と係合する。また、前方20ftコンテナ110Fを反転姿勢でシャシフレーム3の前側の所定位置に載置すると、ツイストロック122の頭部122aは、隅金具112の係合穴114に下方から進入し、レバー123を操作して略90°回転することによって、係合位置に達して係合穴114と係合する。すなわち、使用位置の前方小型用前側緊締装置120は、通常姿勢及び反転姿勢の双方において、所定の積載位置に積載された前方20ftコンテナ110Fの前下端隅部と解除可能に係合する。
【0040】
前方小型用前側緊締装置120が使用位置に設定された状態において、前板129は、上板126の前端から下方へ延び、前板129には、係合解除位置から係合位置へ移動するスレッドピン71が進入するスレッドピン挿入孔129aが形成されている。スレッドピン挿入孔129aに進入したスレッドピン71は、スレッドピン挿入孔129aと当接することによって前方小型用前側緊締装置120の使用位置からの回転を阻止する。
【0041】
図1に示すように、段差(グースネック)11よりも後方の左右のメインビーム4の中間部には、それぞれが車幅方向に延びる第1センタボルスタ130と第2センタボルスタ150とが前後に近接して固着されている。
【0042】
図15〜図17に示すように、矩形筒形状の第1センタボルスタ130の左右両端には、前方小型コンテナ用後側緊締装置(以下、前方小型用後側緊締装置と称する)131が装着されている。前方小型用後側緊締装置131は、回転嵩上げ型ツイストロック装置であり、ボディ132と、ツイストロック133と、レバー134と、レバーロックプレート135,136とを備える。ボディ132は、左右1対のアーム137と、略平行に離間する上板138及び下板139とを有する。アーム137は、車幅方向に沿った回転軸140を中心として回転自在に第1センタボルスタ130の前面に支持され、前方小型用後側緊締装置131は、回転軸140を中心として、下板139が第1センタボルスタ130の上面に載置される使用位置と、使用位置から前下方へ略180°回転した格納位置との間で回転可能であり、前方小型用後側緊締装置131の回転範囲は、ボディ132と第1センタボルスタ130との当接によって、使用位置と格納位置との間に規制される。使用位置では、上板138及び下板139が略水平に配置され、前方小型用後側緊締装置131が第1センタボルスタ130によって下方から支持される(図15に実線で示す)。格納位置では、メインビーム40に載置される40ftコンテナ20の下面と干渉しないように、前方小型用後側緊締装置131の全体がメインビーム40の上面よりも下方に待避する(図15に2点鎖線で示す)。
【0043】
20ftコンテナ110は、トンネルリセス部を有しておらず、且つ前方20ftコンテナ110Fのうち段差11よりも前側に位置する部分は、嵩上げされたメインビーム4の前部に載置されるので、段差11よりも後側では、前方20ftコンテナ110Fがメインビーム4の上面から上方に離間する。このため、使用位置に設定された前方小型用後側緊締装置131の上板138の上面の高さは、前方20ftコンテナ110Fに当接して下方から支持するように、段差11よりも後側のメインビーム4の上面よりも所定距離高く設定される。また、第1センタボルスタ130の上面の高さは、40ftコンテナ20の下面がメインビーム4から浮かないように、メインビーム4の上面よりも僅かに低く設定される。このように、使用位置の前方小型用後側緊締装置131は、シャシフレーム3に載置された前方20ftコンテナ110Fの隅金具112の直ぐ下方に配置されて、前方20ftコンテナ110Fの後下端隅部を下方から支持する。
【0044】
ツイストロック133は、前後方向が長い矩形筒状であり、ボディ132に固定されて上板138を挿通する。前方小型用後側緊締装置131を使用位置に設定した使用状態において、ツイストロック133は、略鉛直上方に起立する。ツイストロック133の内径部には、回転軸141が回転自在に支持された状態で挿通し、回転軸141の上端には、ツイストロック133の頭部133aが固定される。頭部133aは、前後方向が長い係合解除位置(図16に実線で示す)と、係合解除位置から略90°回転した係合位置(図16に2点鎖線で示す)との間で、回転軸141と一体的に回転する。
【0045】
レバー134の一端は、回転軸141の下端側に連結され、係合解除位置では後方へ延び、係合位置では車幅方向内側へ延びる。レバー134の他端側が車幅方向内側へ回転操作されると、ツイストロック133の頭部133aが係合位置へ回転し、車幅方向外側へ回転操作されると、頭部133aが係合解除位置へ回転する。
【0046】
レバーロックプレート135,136は、ボディ132に対してそれぞれ回転自在に支持される。レバーロックプレート135は、ツイストロック133の頭部133aが係合位置に設定された状態において、レバー134の他端側と係合することによって、頭部133aを係合位置に保持する。レバーロックプレート136は、ツイストロック133の頭部133aが係合解除位置に設定された状態において、レバー134の他端側と係合することによって、頭部133aを係合解除位置に保持する。
【0047】
前方小型用後側緊締装置131を使用位置に設定し、ツイストロック133の頭部133aを係合解除位置に設定し、前方20ftコンテナ110Fを通常姿勢でシャシフレーム3の前側の所定位置に載置すると、ツイストロック133の頭部133aは、隅金具112の係合穴114に進入し、レバー134を操作して略90°回転することによって、係合位置に達して係合穴114と係合する。また、前方20ftコンテナ110Fを反転姿勢でシャシフレーム3の前側の所定位置に載置すると、ツイストロック133の頭部133aは、隅金具111の係合穴113に進入し、レバー134を操作して略90°回転することによって、係合位置に達して係合穴113と係合する。すなわち、使用位置の前方小型用後側緊締装置131は、通常姿勢及び反転姿勢の双方において、所定の積載位置に積載された前方20ftコンテナ110Fの後下端隅部と解除可能に係合する。
【0048】
図18〜図20に示すように、第2センタボルスタ150の左右両端には、後方小型コンテナ用前側緊締装置(以下、後方小型用前側緊締装置と称する)151が装着されている。後方小型用前側緊締装置151は、リトラクタブル型ツイストロック装置であり、ツイストロック153と、レバー154と、レバーロックプレート155,156とを備える。後方小型用前側緊締装置151は、シャシフレーム3に載置された後方20ftコンテナ110Rの隅金具111の直ぐ下方で、第2センタボルスタ150の端部の中空内部に配置されている。
【0049】
ツイストロック153は、前後方向に沿った回転軸157を中心として回転自在に第2センタボルスタ150に支持され、回転軸157を中心として、上方に起立する使用位置(図18に2点鎖線で示す)と、使用位置から車幅方向内側へ略90°回転した格納位置(図18に実線で示す)との間で回転可能である。第2センタボルスタ150の上板150aには、使用位置と格納位置との間のツイストロック153の回転移動を許容する開口(図示省略)が形成され、使用位置のツイストロック153は、上板150aから突出して上方へ延びる。格納位置のツイストロック153は、メインビーム40に載置される40ftコンテナ20の下面と干渉しないように、上板150aの上面よりも下方に待避する。第2センタボルスタ150には、上板150aの開口を部分的に開閉するカバー152が回転自在に支持されている。カバー152は、コイルスプリング159によって閉方向に付勢され、開口を部分的に閉止して使用位置及び格納位置の双方においてツイストロック153の回転移動を阻止する。
【0050】
ツイストロック153は、前後方向が長い矩形筒状であり、使用位置に設定した使用状態において、略鉛直上方に起立する。ツイストロック153の内径部には、回転軸158が回転自在に支持された状態で挿通し、回転軸158の上端には、ツイストロック153の頭部153aが固定される。頭部153aは、前後方向が長い係合解除位置(図19に実線で示す)と、係合解除位置から略90°回転した係合位置(図19に2点鎖線で示す)との間で、回転軸158と一体的に回転する。
【0051】
レバー154の一端は、回転軸158の下端側に連結され、ツイストロック153が起立した状態において、係合解除位置では車幅方向内側へ延び、係合位置では前方へ延びる。レバー154の他端側が車幅方向外側へ回転操作されると、ツイストロック153の頭部153aが係合位置へ回転し、車幅方向内側へ回転操作されると、頭部153aが係合解除位置へ回転する。
【0052】
レバーロックプレート155,156は、第2センタボルスタ150に対してそれぞれ回転自在に支持される。レバーロックプレート155は、ツイストロック153の頭部153aが係合位置に設定された状態において、レバー154の他端側と係合することによって、頭部153aを係合位置に保持する。レバーロックプレート156は、ツイストロック153の頭部153aが係合解除位置に設定された状態において、レバー154の他端側と係合することによって、頭部153aを係合解除位置に保持する。
【0053】
後方小型用前側緊締装置151(ツイストロック153)を使用位置及び係合解除位置に設定し、後方20ftコンテナ110Rをシャシフレーム3の後側の所定位置に載置すると、ツイストロック153の頭部153aは、隅金具111の係合穴113に進入し、レバー154を操作して略90°回転することによって、係合位置に達して係合穴113と係合する。すなわち、使用位置の後方小型用前側緊締装置151は、後方20ftコンテナ110Rの前下端隅部と解除可能に係合する。
【0054】
図1及び図2に示すように、左右のメインビーム4の後端部には、車幅方向に延びるリヤボルスタ80が固着されている。リヤボルスタ80の左右両端は、各メインビーム4から車幅方向外側へ突出して延び、この左右両端の中空内部には、ツイストロック82を有する後側兼用緊締装置81が装着されている。後側兼用緊締装置81は、シャシフレーム3に載置された40ftコンテナ20及び後方20ftコンテナ110Rの隅金具22,112の直ぐ下方に配置される。ツイストロック82の頭部82aは、リヤボルスタ80の上面から上方に突出し、コンテナ20,110Rをシャシフレーム3に載置した際、隅金具22,112の係合穴24,114に進入し、略90°回転することによって、係合穴24,114と係合する。すなわち、後側兼用緊締装置81は、40ftコンテナ20の後下端隅部と解除可能に係合し、後方20ftコンテナ110Rの後下端隅部と解除可能に係合する。なお、特に図示して説明していないが、後側兼用緊締装置81も、上述の他の緊締装置120,131,151と同様に、レバーやレバーロックプレートなどを有する。
【0055】
左右のメインビーム4の後端部には、リヤボルスタ80の下方で車幅方向に延びる突入防止装置83が設けられている。突入防止装置83は、後方から追突した乗用車などの潜り込みを防止するフレーム状の部材であり、リヤボルスタ80の下面から下方へ延びる左右1対の支持フレーム85に固着されている。
【0056】
なお、上述した各緊締装置70,81,120,131,151は、要求される機能を奏するものであれば上記の構造に限定されない。
【0057】
本実施形態によれば、40ftコンテナ20を積載する場合、その積載前に、コンテナガイド47をフロントボルスタ40の所定位置に固定し、前方小型用前側緊締装置120と前方小型用後側緊締装置131と後方小型用前側緊締装置151とをそれぞれ格納位置に設定し、大型用前側緊締装置70のスレッドピン71と後側兼用緊締装置81のツイストロック82とを係合解除位置に設定する。40ftコンテナ20を上方からセミトレーラ1に積載すると、40ftコンテナ20の前下縁部がコンテナガイド47に案内され、40ftコンテナ20を所定の積載位置に容易に積載することができる。40ftコンテナ20を所定の積載位置に積載した後、スレッドピン71を係合位置へ移動させて40ftコンテナ20の前下端隅部に係合させ、後側兼用緊締装置81のツイストロック82を40ftコンテナ20の後下端隅部に係合させる。
【0058】
また、2つの20ftコンテナ110を積載する場合、その積載前に、40ftコンテナ20の場合と同様にコンテナガイド47をフロントボルスタ40の所定位置に固定し、前方小型用前側緊締装置120と前方小型用後側緊締装置131と後方小型用前側緊締装置151とをそれぞれ使用位置に設定し、これらの緊締装置120,131,151及び後側兼用緊締装置81のツイストロック122,133,153,82を係合解除位置に設定する。この状態で2つの20ftコンテナ110を前後に配置してセミトレーラ1に上方から積載する。このとき、前方20ftコンテナ110Fは反転姿勢で積載し、後方20ftコンテナ110Rは通常姿勢で積載する。前方20ftコンテナ110Fをセミトレーラ1に積載すると、前方20ftコンテナ110Fの前下縁部(扉110aの下方の縁部)がコンテナガイド47に案内され、前方20ftコンテナ110Fを所定の積載位置に容易に積載することができる。2つの20ftコンテナ110をそれぞれ所定の積載位置に積載すると、前方20ftコンテナ110Fの左右の前下端隅部及び後下端隅部と、後方20ftコンテナ110Rの左右の前下端隅部及び後下端隅部とには、各緊締装置120,131,151,81のツイストロック122,133,153,82が下方から進入し、これら進入したツイストロック122,133,153,82を対応する下端隅部にそれぞれ係合させる。
【0059】
また、積載された前方20ftコンテナ110Fの内部の確認等のため扉110aを開放する場合には、コンテナガイド47をフロントボルスタ40から取り外す。これにより、扉110aがコンテナガイド47に干渉せず、扉110aの開閉を行うことができる。なお、40fコンテナ20の扉20a及び通常姿勢で積載された後方20ftコンテナ110Fの扉110aは、セミトレーラ1の後端にて開放可能である。
【0060】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、コンテナガイド47を所定位置と格納位置との間で移動自在にフロントボルスタ40に連結したものであり、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図21〜図23に示すように、コンテナガイド47の底板51の後端部51aは、フロントボルスタ40の上面部40bに載置された状態でフロントボルスタ40の後面部40aよりも前方へ突出し、この後端部51aには、フロントボルスタ40の後面部40aの後方で後面部40aに沿って下方へ延びる連結アーム90が固定されている。連結アーム90の先端(図21中の下端)は、フロントボルスタ40の前下端部に固定されたヒンジ部91によって回転自在に支持され、コンテナガイド47は、フロントボルスタ40に載置される所定位置と、この所定位置から前下方へ回転した格納位置(図21に2点鎖線で示す)との間で、ヒンジ部91を中心として傾動する。格納位置のコンテナガイド47は、フロントボルスタ40の上面部40bよりも上方へ突出せず、反転姿勢で積載された前方20ftコンテナ110Fの扉110a(図3参照)と対向しない。
【0062】
フロントボルスタ40の上面部40aには、車幅方向(左右方向)が長い長円状のロック穴92が形成され、コンテナガイド47の底板51には、コンテナガイド47をフロントボルスタ40の所定位置に固定するためのコンテナガイド固定機構93が設けられている。コンテナガイド固定機構93は、回転軸94と、ロック板95と、操作板96と、コイルスプリング97とを有する。回転軸94は、フロントボルスタ40の上面部40aに形成された軸支持孔98を挿通し、軸支持孔98によって回転自在に支持される。ロック板95は、ロック穴92よりも僅かに小さい長円形状であり、コンテナガイド47の外部で回転軸94の一端部に固定されている。操作板96は、L状断面であり、コンテナガイド47の内部で回転軸94の他端部に固定されている。回転軸94とロック板95と操作板96とは、ロック板95の長手方向が前後方向を向くロック位置(図22に実線で示す)と、このロック位置から略90°回転してロック板95の長手方向が車幅方向を向くロック解除位置(図22に2点鎖線で示す)との間で一体的に回転する。ロック解除位置では、ロック穴92の長手方向とロック板95の長手方向とが一致し、ロック穴92がロック板95の挿通を許容し、所定位置からのコンテナガイド47の傾動が許容される。一方、ロック位置では、ロック穴92の長手方向とロック板95の長手方向とが相違し、ロック穴92がロック板95の挿通を阻止し、所定位置のコンテナガイド47はフロントボルスタ40上に保持される。なお、特に図示していないが、コンテナガイド47には、回転軸94とロック板95と操作板96の回転範囲をロック位置とロック解除位置との間に規制するストッパが設けられている。
【0063】
コイルスプリング97は、その両端がコンテナガイド47の縦板52と操作板96とにそれぞれ連結され、操作板96がロック位置とロック解除位置との中間に位置するときに自然長から最も伸長する。操作板96は、コイルスプリング97によってロック位置又はロック解除位置に付勢され、これらの位置に保持される。
【0064】
所定位置に固定されたコンテナガイド47を格納位置に移動する場合、操作板96をコイルスプリング97の付勢力に抗してロック位置からロック解除位置へ回転することにより、コンテナガイド47の移動が許容される。また、格納位置のコンテナガイド47を所定位置に固定する場合、操作板96をロック解除位置に設定し、コンテナガイド47を格納位置から使用位置へ移動し、操作板96をロック解除位置からロック位置へ回転する。
【0065】
このように、コンテナガイド47は、フロントボルスタ40上の所定位置と反転姿勢で積載された前方20ftコンテナ110Fの扉110aと対向しない格納位置との間を移動自在で、且つ所定位置で固定可能にフロントボルスタ40に連結される。
【0066】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、2つの20ftコンテナ110を積載する場合、前方20ftコンテナ110Fは反転姿勢で積載し、後方20ftコンテナ110Rは通常姿勢で積載する。前方20ftコンテナ110Fをセミトレーラ1に積載すると、前方20ftコンテナ110Fの前下縁部(扉110aの下方の縁部)がコンテナガイド47に案内され、前方20ftコンテナ110Fを所定の積載位置に容易に積載することができる。
【0067】
また、積載された前方20ftコンテナ110Fの内部の確認等のため扉110aを開放する場合には、操作板96をロック解除位置に回転し、コンテナガイド47を所定位置から格納位置へ移動する。これにより、扉110aがコンテナガイド47に干渉せず、扉110aの開閉を行うことができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0069】
例えば、コンテナガイド47をフロントボルスタ40の所定位置に着脱自在に固定する構造や、コンテナガイド47を所定位置と格納位置との間を移動自在で且つ所定位置に固定可能にフロントボルスタ40に連結する構造は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0070】
また、40ftコンテナ20と2つの20ftコンテナ110とを選択的に積載可能な兼用タイプのセミトレーラ1を説明したが、40ftコンテナ20と前後2つの20ftコンテナ110とに加えて、セミトレーラ1の前後方向のほぼ中央に20ftコンテナ110を1つ積載することも可能なセミトレーラや、他の45ftコンテナように他のタイプのコンテナも積載可能なセミトレーラであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
1:セミトレーラ
3:シャシフレーム
4:メインビーム
4a:上フランジ
4b:下フランジ
4c:ウェブ
5:クロスフレーム
6:タイヤ
7:懸架装置
8:フロントエンドクロスフレーム
9:エプロンプレート
10:キングピン
11:段差(グースネック)
20:40ftコンテナ(大型コンテナ)
21,22,111,112:隅金具
24,24,113,114:係合穴
40:フロントボルスタ
40a:後面部
40b:上面部
47:コンテナガイド
51:底板
52:縦板
53:ガイド板
53a:ガイド面
54:挿入突起
55:ピン挿通穴
60:突起挿入孔
61:コンテナガイド固定機構
62:ピン収容部
63:フランジ
64:固定板
65:ピン
66:操作レバー
67:可動板
68:ピン規制板
69:コイルバネ
70:大型前側用緊締装置(大型コンテナ用前側緊締装置)
71:スレッドピン
73:レバー
74:レバーロックプレート
80:リヤボルスタ
81:後側兼用緊締装置
82:ツイストロック
82a:頭部
83:突入防止装置
85:支持フレーム
90:連結アーム
91:ヒンジ部
92:ロック穴
93:コンテナガイド固定機構
94:回転軸
95:ロック板
96:操作板
97:コイルスプリング
110:20ftコンテナ(小型コンテナ)
110F:前方20ftコンテナ(前方小型コンテナ)
110R:後方20ftコンテナ(後方小型コンテナ)
120:前方小型用前側緊締装置(前方小型コンテナ用前側緊締装置)
122:ツイストロック
122a:頭部(ツイストロックヘッド)
122b:シャーブロック
126:上板
126a:上面
128:回転軸(ピンツイストロック)
129:前板
129a:スレッドピン挿入孔
130:第1センタボルスタ
131:前方小型コンテナ用後側緊締装置(前方小型用後側緊締装置)
133:ツイストロック
150:第2センタボルスタ
151:後方小型コンテナ用前側緊締装置(後方小型用前側緊締装置)
153:ツイストロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後の長さが第1所定長に設定された大型コンテナと、前記第1所定長の略1/2の第2所定長に設定された小型コンテナとを選択的に積載可能であり、且つ前記小型コンテナについては2つのコンテナを前後に並んで配置して積載可能な兼用タイプのセミトレーラの車体前部構造であって、
前後方向に相対向して延びる左右1対のメインビームの前端部で車幅方向に延設されて該左右のメインビームに支持される1本のフロントボルスタと、
前記フロントボルスタの所定位置に設けられ、前記大型コンテナ又は前記2つの小型コンテナのうち前方に配置される前方小型コンテナを前記セミトレーラに積載する際に、前記大型コンテナ及び前記前方小型コンテナを所定の積載位置に案内するコンテナガイドと、
前記フロントボルスタの両端部にそれぞれ設けられ、前記所定の積載位置に積載された大型コンテナの前下端隅部と解除可能に係合する左右の大型コンテナ用前側緊締装置と、
前記フロントボルスタの両端部にそれぞれ設けられ、前記所定の積載位置に積載された前方小型コンテナの前下端隅部と解除可能に係合する左右の前方小型コンテナ用前側緊締装置と、を備え、
前記前方小型コンテナは、後面に扉を有し、且つ前後方向が反転した状態で前記セミトレーラの前記所定の積載位置に積載可能であり、
前記前方小型コンテナ用前側緊締装置は、前記反転した状態で積載された前方小型コンテナの前下端隅部と解除可能に係合し、
前記コンテナガイドは、前記フロントボルスタの所定位置に着脱自在に固定され、又は前記反転した状態で積載された前方小型コンテナの扉と対向しない格納位置と前記所定位置との間を移動自在に前記フロントボルスタに連結される
ことを特徴とするセミトレーラの車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−32078(P2013−32078A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168549(P2011−168549)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000229900)日本フルハーフ株式会社 (93)