説明

セメント含有組成物、地盤改良用スラリー及び地盤改良方法

【課題】セメント硬化体や軟弱地盤の改良用途有用な、製造時における二酸化炭素の排出量が削減され、得られた硬化体が充分な強度を示すセメント含有組成物、それを用いた、地盤改良に有用な地盤改良用スラリー及び該スラリーを用いた地盤改良方法を提供する。
【解決手段】粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物100質量部と、セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末5質量部〜30質量部と、を含有するセメント含有組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再生微粉末を含有するセメント含有組成物、該セメント含有組成物を用いた地盤改良用スラリー及び該スラリーを用いた土壌改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポルトランドセメントの製造によって発生する二酸化炭素は、セメント1トン当り焼成エネルギーで約350kg/トン、原料の石灰石から約450kg/トン、合計約750kg/トンであり膨大な量となっている。近年、二酸化炭素排出量の削減が求められているが、現在の鉄筋コンクリート構造物はポルトランドセメントの水和によって生ずる高いアルカリ性がもたらす鋼材の防食作用を不可欠の要件としているために、二酸化炭素の削減が困難な状態ではあるが、高アルカリ性を必ずしも必要としない使用態様であれば、高炉スラグを主体とした二酸化炭素排出量の低いセメントを利用することができる。即ち、鉄筋を含まないセメント硬化体やコンクリート硬化体の製造、或いは、山留工事、地下止水工事、軟弱地盤の改良工事などの地盤改良用途などに有用である。
【0003】
高炉スラグ微粉末を用いたセメントとしては、既に日本工業規格JIS R5211に高炉セメントが規格化されている。これによれば、高炉セメントA種では高炉スラグ微粉末の含有量が5〜30質量%、B種では30〜60質量%、C種では60〜70質量%と定められており、実際に流通し、使用されているのは、高炉スラグ微粉末の含有量が50質量%前後のB種セメントが大半を占める。
セメント製造時の二酸化炭素を削減する目的からは、前記高炉セメントA種は不十分である。B種も十分ではないが、これとは別に高炉セメントB種は普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べて中性化が速く乾燥収縮が大きいといった課題があり、その利用拡大は必ずしも進んでいない。高炉セメントC種では二酸化炭素削減効果はより大きくなるものの、上記のB種における中性化、乾燥収縮の問題がさらに強く発現し、ほとんど利用されていないのが現状である。
【0004】
地盤改良においては、前記ポルトランドセメントを用いた場合には、構造体で利点とされる水和によるアルカリ性の発現が土壌に影響を与える懸念があり、二酸化炭素の削減とともに、ポルトランドセメントの含有量を低減させて、且つ、必要な性能を得ることが求められている。
例えば、地盤改良に高炉スラグを含有する水硬性組成物を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、強度になお改良の余地があり、二酸化炭素の削減も充分とは言えない。
そこで、本発明者らは、検討の結果、高炉スラグ高含有セメントとして、セメント硬化体由来の粉末を含有させることで、地盤改良体へ適用した場合、高炉セメントB種と同等以上の圧縮強度を達成しうる地盤改良用スラリー組成物を提案し、一定の強度と二酸化炭素の削減を達成した(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−241152号公報
【特許文献2】特開2010−285465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、製造時における二酸化炭素の排出量が削減されたセメント含有組成物であって、得られた硬化体が充分な強度を示すセメント含有組成物を提供することにある。
本発明のさらなる課題は、該セメント含有組成物を用いた、地盤改良に有用な地盤改良用スラリー及び該スラリーを用いた地盤改良方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、高炉スラグ微粉末を高い割合で含有し、ポルトランドセメントの含有割合が少ない特定の高炉セメント組成物に対し、セメント硬化体由来の特定の粒径と粒度とを有する微粉末を用いることにより上記課題を解決しうることを見出した。
【0008】
本発明の第1の実施形態は、(A)(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物100質量部と、(B)セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末5質量部〜30質量部と、を含有するセメント含有組成物である。
本発明の第2の実施形態は、前記セメント硬化体が、コンクリート硬化体である前記第1の実施形態に記載のセメント含有組成物である。
本発明の第3の実施形態は、前記(B)再生微粉末中のセメント硬化体由来成分が40〜90質量%である前記第1の実施形態又は第2の実施形態に記載のセメント含有組成物である。
【0009】
本発明の第4の実施形態は、前記第1の実施形態から第3の実施形態のいずれかに記載のセメント含有組成物と水とを含み、水/固形分比(質量基準)が40〜250の範囲にある地盤改良用スラリーである。
本発明の第5の実施形態は、(A)(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物100質量部と、(B)セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末5質量部〜30質量部と、を含有するセメント含有組成物に、水/固形分比(質量基準)が40〜250となる量の水を加えて地盤改良用スラリーを調製する工程と、得られた地盤改良用スラリーを、土壌に1m当たり150kg〜1200kg加える工程と、を有する地盤改良方法である。
【0010】
本発明のセメント含有組成物は、高炉スラグ微粉末が高い含有率を占め、ポルトランドセメントの含有率が低いので、セメント製造時におけるCO排出量を抜本的に削減することができ、また、セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に残留する特定の組成の再生微粉末、好ましくはコンクリート再生微粉末を用いている。本発明の作用は明確ではないが、該コンクリート再生微粉末として、従来公知の粉末よりもより小さい特定の粒径の微粉末をポルトランドセメントやセッコウとともに用いてセメント含有組成物としたために、等量の水を加えた場合でも見かけ上の水/固形分比が低下するため、従来よりも高強度の構造体を形成することができるものと考えている。
このため、本発明のセメント含有組成物に水を加えてスラリーとすることにより、地盤改良用途に好適に用いられ、高強度の地盤改良体が得られる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、製造時における二酸化炭素の排出量が削減されたセメント含有組成物であって、得られた硬化体が充分な強度を示すセメント含有組成物を提供することができる。本発明のセメント含有組成物は、鉄筋を含まないセメント硬化体やコンクリート硬化体の製造、或いは、山留工事、地下止水工事、軟弱地盤の改良工事などの地盤改良用途などに有用である。
また、本発明によれば、前記本発明のセメント含有組成物を用いることで、地盤改良に有用な地盤改良用スラリー及び該スラリーを用いた地盤改良方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
<セメント含有組成物>
本発明のセメント含有組成物は、(A)(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物〔以下、適宜、(A)混合物と称する〕100質量部と、(B)セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末〔以下、適宜、(B)特定再生微粉末と称する〕5質量部〜30質量部と、を含有する。
即ち、本発明のセメント含有組成物に用いられる(A)混合物は、(a−1)高炉スラグ微粉末と(a−2)セッコウと(a−3)ポルトランドセメントとを上記の含有量で含有する混合物である。
このような(A)混合物100質量部に対して、(B)解体セメント又は解体コンクリートから再生粗骨材と再生細骨材を回収した後に残留する特定の粒度と粒径とを有する再生微粉末を5質量部〜30質量部含有するものである。
本発明において、公知のセメント含有組成物と最も異なる点は、解体コンクリートから再生粗骨材と再生細骨材を回収した後に残留した、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末を用いることである。
【0013】
〔(B)特定再生微粉末〕
まず、本発明のセメント含有組成物における重要な成分である(B)特定再生微粉末について説明する。
本発明に用いられる(B)特定再生微粉末は、セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末である。
平均粒径〔以下、単に「粒径」とも称する〕が2.0μm未満の場合、水を加えたときに凝集しやすく均一分散が困難となるなどハンドリング性が低下する懸念があり、平均粒径が10.0μmを超える粉末の場合、骨材などセメント硬化体由来成分以外の不純物を多く含むことになり、また、見かけ上の水/固形分比低下の効果が充分に得られず、いずれも好ましくない。粒径は、好ましくは、3.0μm以上8.0μm以下であり、より好ましくは、3.0μm以上6.0μm以下である。
また、累積90%粒径が20.0μm以下であるとは、本発明に係る特定再生微粉末における粒径20.0μmを越える粉末の含有量が10%以下であることを示すものである。平均的な粒径が2.0μm以上10.0μm以下であっても、20.0μmを超える比較的大きな粒径の粒子を多く含有する場合には、見かけ上の水/固形分比向上効果が充分に得られず、本発明の優れた効果を発現しない懸念がある。
【0014】
なお、本明細書において、累積90%粒径及び平均粒径は、体積を基準として、以下の条件で測定したものであり、本発明においては、この条件にて測定した値を用いている。
粉末0.05gを、セメント用ポリカルボン酸系分散剤の0.03%水溶液に混ぜて、30秒間超音波分散させた後、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3300EXII:日機装(株)製)にて測定を行った。
【0015】
なお、得られた再生微粉末の物性に注目すれば、解体コンクリートから粗骨材と細骨材とを回収した後に発生する解体コンクリート粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下である再生微粉末の組成としては、下記(1)の条件を満たすものであることが好ましい。以下、この条件について説明する。
【0016】
(1)セメント硬化体由来成分を40質量%〜90質量%含有する。
本発明における「セメント硬化体由来成分」とは、セメント水和物、及び、未水和セメントを指し、これらの総量が粉末総量に対し、40質量%〜90質量%含有することが好ましく、60質量%〜90質量%含有することがより好ましい。セメント硬化体由来成分が40質量%未満の粉末では、コンクリート組成物に用いた場合、硬化体の性能向上に寄与しない成分が多く、十分な硬化物性が得られない懸念があり、90質量%を超える粉末を得るためには、より細かい粉末のみを回収するために粉砕や分級を行う必要があり、そのため回収エネルギーを多く要する点で好ましくない。
なお、粉末中に含まれるセメント硬化体由来成分の含有量は、以下に示す方法により測定することができる。
粉末(粉末質量A)を60℃の2N塩酸にて可溶分を完全に溶解後、ろ過して純水で洗浄する。ろ紙に残留した不溶分を80℃の5%炭酸ナトリウム水溶液にて溶解し、残留した不溶分を110℃で乾燥した後、不溶分質量Bを測定する。セメント硬化体由来成分は、この方法における可溶分であるため、セメント硬化体由来成分=[(粉末質量A−不溶分質量B)/粉末質量A]×100(%)、で求めることができる。
【0017】
また、本発明に係る再生微粉末は、さらに、下記(2)の条件を満たすものであってもよい。
(2)水酸化カルシウムを4質量%〜15質量%含有する。
本発明の再生微粉末の別の好ましい物性としては、水酸化カルシウムを4質量%〜15質量%含むことが挙げられ、粉末が適用されるセメント含有組成物の品質を制御するという観点からは6質量%〜15質量%のものが好ましい。
再生微粉末中の水酸化カルシウム含有率は、熱重量分析法により測定することができる。
再生微粉末の水酸化カルシウムの含有率が上記範囲において、得られるセメント含有組成物さらには、これに水を加えた土壌改良用スラリーの硬化物性が十分に得られる。なお、本発明に係る再生微粉末の原料となるコンクリート廃材の組成を考慮すれば、水酸化カルシウムの含有率が15質量%を超える粉末を得ることが困難である。
【0018】
本発明に用いられる特定再生微粉末は、例えば、解体コンクリートから粗骨材や細骨材を取り除いて得た解体コンクリート粉末を、分級して得ることができる。このとき解体コンクリートから分離された粗骨材や細骨材も再生品として使用することができる。
本発明に使用される特定再生微粉末を製造するには、まず、解体コンクリートから粗骨材と細骨材とを回収する骨材除去工程を行う。ここで、粗骨材の分離は、解体コンクリートを粉砕し、粗骨材を回収する公知の方法で行うことができるが、本発明における好ましい特定再生微粉末の回収方法には、加熱を行わない機械擦りもみ方式により行われることが、製造時の二酸化炭素の削減という観点から好適である。
【0019】
セメント硬化体から、充填材料である骨材を除去する工程において、粗骨材回収工程では、竪型偏心ロータ式再生粗骨材製造装置を用い、粗骨材と5mm以下の細粒(解体コンクリート細粒)とを分離し、粗骨材回収後に残存する解体コンクリート細粒からの細骨材回収には遊星ミル型解体コンクリート細粒処理装置を用いる方法がある。
以下、解体コンクリートから粗骨材を回収した後に残存する解体コンクリート細粒から、再生微粉末を回収する方法について、遊星ミル型解体コンクリート細粒処理装置による方法を例に挙げて説明する。
【0020】
遊星ミル型解体コンクリート細粒処理装置を用いて、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットに気体を送り、該ミルポット内部で、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒同士をすり合わせ、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる。
このとき、前記遊星ミルの外部に設けられた粉末除去手段の送風装置から前記ミルポットへ気体を送り、分離された前記セメント硬化体を含む粉末を前記ミルポットから除去させ、除去された前記粉末を粉末回収装置で回収し、これを次工程である分級工程に付す。このとき得られる回収粉末は、本発明にて規定する粒度分布に適合し、セメント硬化体由来成分を多く含む本発明の再生微粉末と、骨材成分を多く含む粗粉が混合した解体コンクリート粉末であり、この解体コンクリート粉末を後述する分級装置により分級することで本発明に使用される再生微粉末(特定再生微粉末)が得られる。
また、セメント硬化体が除去された細骨材は、ミルポットの下方に設けた細骨材回収部で回収され、再生細骨材として利用される。
【0021】
得られた解体コンクリート粉末を、分級装置を用いて分級し、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末を得る。
この分級を行う際には、分級を密閉された空間内で行い、空間内の空気中の二酸化炭素を除去する方法、或いは、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを封入した装置内で行う方法をとることで、処理中のセメント由来成分の炭酸化を抑制することができる。
【0022】
なお、得られる粉末の炭酸化を抑制する目的で、分級工程のみならず、偏心ロータ方式や遊星ミル等の機械擦りもみ装置を用いた骨材除去工程においても、機械すりもみプロセスを密閉された空間内で行い、空間内の空気中の二酸化炭素を除去する方法、或いは、窒素ガスなどの不活性ガスを封入する方法をとることが好ましい態様である。
【0023】
分級装置としては、密封された循環路に気体を循環させることができる遠心式風力分級装置を用いることが好ましい。この分級装置を用いて、密閉された空間にて処理を行うと、分級開始初期に、密閉された空気中の二酸化炭素が粉末中に含まれるセメント由来成分と反応して、除去される。そして、二酸化炭素が除去された後は、二酸化炭素の少ない空気が循環することとなる。
【0024】
このようにして得られた特定再生微粉末の含有量は、後述する(A)セメントを含む混合物100質量部に対して、5質量部〜30質量部であることを要し、10質量部〜20質量部であることが好ましい。
本発明のセメント含有組成物においては、(B)特定再生微粉末の粒径と含有量とを制御することが重要であり、上記含有量において、本発明の効果を充分に発現する。
【0025】
〔(A)(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物〕
次に、本発明に係る(A)混合物に含まれる各成分について順次説明する。
(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末
本発明に用いられる高炉スラグ微粉末は、粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下であれば、汎用の高炉スラグ微粉末から当該粉末度のものを選択して使用することができるが、粉末度は4000cm/g以上7000cm/g以下のものが好ましい。
高炉スラグ微粉末の粉末度はJIS R 5201(1997年)記載のセメントの粉末度の測定方法に準じて測定することができる。粉末度は、高炉水砕スラグを粉砕する時の粉砕方法、粉砕条件や粉砕後の分級により制御することができる。
高炉スラグ微粉末の粉末度が3000cm/g未満では、セメント含有組成物のスラリーを硬化させるときの硬化反応が進行し難く、13000cm/gを超える場合には、硬化反応が急速に進行して発熱量が増加するとともに、乾燥収縮が大きくなり、得られる成形体のクラックの発生や寸法安定性の低下、或いは硬化された地盤におけるクラックの発生や発熱による環境への影響などの問題が生じやすくなる。
【0026】
(A)混合物中の(a−1)高炉スラグ微粉末の配合量は、セメント含有組成物製造時のCO削減という点では多い方が好ましいが、90質量%を超えると、相対的にセッコウやポルトランドセメントの含有量が低下し、十分な強度を得るのが難しく、特に強度の発現速度が遅くなる傾向にあり好ましくない。
混合物に対する高炉スラグ微粉末の含有量は60〜90質量%の範囲であり、好ましくは60〜80質量%である。
【0027】
(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ
本発明に用いられる無水セッコウは、粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウであれば、任意に選択できる。粉末度は、3000cm/g以上6000cm/g以下のものが好ましい。なお、粉末度は(a−1)高炉スラ微粉末における測定法と同様の方法で測定しうる。
本発明に使用される無水セッコウとしては、必ずしも純粋な材料ではなくても、無水セッコウ成分を90質量%以上の純度で含有するものであれば使用してもよく、例えば、天然無水セッコウや副産無水セッコウ等が使用できる。
(A)混合物中の(a−2)無水セッコウの含有量は、3質量%〜20質量%であることを要し、好ましくは5質量%〜10質量%の範囲である。
無水セッコウの含有量が3質量%未満であると強度の発現性が遅く、また、20質量%を超えると未反応の石膏が残り強度に十分寄与しないことや、膨張が生じ地盤改良体にクラック等が生じるため、いずれも好ましくない。
【0028】
(a−3)ポルトランドセメント
本発明に用いられる(a−3)ポルトランドセメントは、JISに規定された各種のポルトランドセメント、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等を使用することができるが、一般には普通ポルトランドセメントを使用すればよい。
なお、本発明においては、ポルトランドセメントとして、市販のポルトランドセメントのみならず、解体コンクリートを原料の一部に使用して製造した再生ポルトランドセメントを用いることも可能である。本願出願人が先に検討したところによれば、解体コンクリートを破砕し、分級して製造された微粉末の多くはセメント原料を多く含む材料であり、この材料からJISに規定するのと同等の品質の、水硬性を有する再生ポルトランドセメントを製造することができる。このような再生ポルトランドセメントを用いることにより、解体コンクリートの有効利用、及び、本発明のセメント含有組成物を製造する際に発生する二酸化炭素量の低減、というさらなる利点を有することになる。
【0029】
(A)混合物中の(a−3)ポルトランドセメントの含有量は5〜37質量%であることを要し、好ましくは、10〜30質量%の範囲である。
(A)混合物中のポルトランドセメントの含有量が5質量%未満では、セメント含有組成物から得られる成形体や改良土壌の強度が十分ではなく、また、37質量%を超えてもそれ以上の強度向上は認められない。また、ポルトランドセメントの含有量が増加すると二酸化炭素削減量がそれに伴って小さくなってしまうため、このような観点からも、37質量%以下であることが好ましい。
なお、本発明のセメント含有組成物には、前記(a−3)ポルトランドセメントに加えて、本発明の効果を損なわない範囲において、ポルトランドセメント以外のセメント類を併用することができる。
併用可能なセメントとしては、解体コンクリートより再生されるセメント類、或いは、再生微粉末を400〜800℃に加熱処理して得られる再生セメント、特開2005−320202公報、特開平10−114556号公報などに記載された製造方法により得られる再生セメントなどを挙げることができる。
【0030】
前記(a−1)高炉スラグ微粉末と(a−2)無水セッコウと(a−3)ポルトランドセメントとの(A)混合物100質量部に対し、前記(B)特定粒径の再生微粉末を5〜30質量部含有する本発明のセメント含有組成物は、ポルトランドセメントの含有量が極めて少ないため、製造時の二酸化炭素の排出量が削減され、また、ポルトランドセメントの含有量が少ないにも拘わらず高強度の構造体を作製しうる。
本発明のセメント含有組成物は、アルカリ性を必ずしも必要としないコンクリート構造体、即ち、防錆処理した鉄やステンレス綱などの補強材を用いた構造物や防錆処理した鉄やステンレス綱などの枠材を用いたプレキャストコンクリート成形体などの製造、或いは、地盤改良用スラリーの調製に好適に用いられる。
【0031】
〔地盤改良用スラリー〕
本発明のセメント含有組成物は、地盤改良用スラリーの調製に有用である。即ち、前記セメント含有組成物に適切な量の水を加えることで本発明のスラリーが調製される。添加する水の量は、結果として、水/固形分比(質量基準)が40〜250となる量であることが好ましく、50〜150であることがより好ましい。前記本発明のセメント含有組成物に水を加えることで地盤改良用スラリーが調製される。
得られた地盤改良用スラリーを、土壌に1m当たり150kg〜1200kg加え、これを硬化させることで、地盤が改良され、高強度の地盤となる。
従来のスラリーの一般的な添加量は土壌1m当たり300kg〜1200kgであったので、本発明のスラリーでは、より少ない量で地盤の補強を行うことができる。
【0032】
本発明のスラリーは、水/固形分の質量比が40〜250の範囲となるように調製するが、好ましくは45〜230の範囲である。質量比が250より大きいと、充分な地盤の強度向上効果が得られず、却って強度が低下する懸念があり、質量比が40未満であると、スラリーの流動性が低下し、成形体を製造する場合の型枠への投入や土壌への混合作業における作業性が低下するため、いずれも好ましくない。
本発明のスラリーには、公知のセメント組成物用の添加剤、例えば、混和剤、流動性改良材、分散材、消泡剤等の従来公知のセメント含有組成物に使用される添加剤を目的に応じて、本発明の効果を損なわない限りにおいて使用してもよい。
【0033】
流動化剤としては、特に限定されるものではないが、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した質量平均分子量(GPC法、プルラン換算、以下同じ)が2000〜70000の水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものが好ましく、なかでも炭素数3〜8のα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものがより好ましく、イソブチレンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩からなるものが特に好ましい。
【0034】
流動化剤としては、質量平均分子量1500〜50000のポリアクリル酸のアルカリ金属塩からなるものも好ましく、これは前記の水溶性ビニル共重合体のアルカリ金属塩と組み合わせて使用することもできる。以上説明した流動化剤の使用量としては、高炉セメント組成物100質量部当たり、0.1〜5質量部の割合とするが、0.3〜4質量部の割合とするのが好ましい。
【0035】
消泡剤としては、特に限定されるものではないが、ポリアルキレングリコールモノアルケニル(又はアルキル)エーテル、変性ポリジメチルシロキサン、リン酸トリアルキル等の消泡剤が挙げられる。なかでも、経済性及び効果の発現程度の点から、ポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルから成る消泡剤が好ましい。消泡剤は、本発明のスラリー組成物を調製する際の泡立ちによるトラブルを無くし、同時に該スラリーを地盤に注入して掘削撹拌する際の空気の巻き込みを抑えて得られる地盤硬化体の強度発現性を高めるために用いる。消泡剤の使用量としては、セメント含有組成物100質量部当たり、0.001〜0.1質量部の割合とするのが好ましく、0.002〜0.01質量部の割合とするのがより好ましい。
【0036】
本発明のスラリーは公知の方法で調製できる。例えば、前記本発明のセメント含有組成物と水と、さらに所望により加えられる各種添加剤の各所定量をミキサーに投入して練り混ぜる方法で調製することができる。この際、本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて、ベントナイト、繊維等の添加材、凝結遅延剤や硬化促進剤等の添加剤を添加することもできる。
【0037】
本発明のスラリーは、地盤改良用に有用である。以上説明した本発明の地盤改良用スラリーを、求められるスラリーの流動性や地盤硬化体の強度に応じて、土と混合することで地盤改良方法が実施される。この際、本発明のスラリーは、後述するように土1m当たり150kg〜1200kgの割合となるように用いるが、従来、有効な添加量の下限値が300kg〜400kgであったことを考慮すれば、より少ない添加量であっても効果が得られることがわかる。
【0038】
〔地盤改良方法〕
本発明の地盤改良方法は、前記本発明のセメント含有組成物を含有するスラリーを用いることを特徴とする。本発明の地盤改良方法は以下の工程を含む。
1.地盤改良用スラリーを調製する工程
本工程は、(A)(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物100質量部と、(B)セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末5質量部〜30質量部と、を含有するセメント含有組成物に、水/固形分比(質量基準)が40〜250となる量の水を加えて地盤改良用スラリーを調製する工程である。
2.地盤改良用スラリーを土壌に付与する工程
本工程は、前記工程において調製された地盤改良用スラリーを、土壌に1m当たり150kg〜1200kg加える工程である。
スラリーの土壌への付与は公知の方法を適宜使用することができる。
例えば、地盤改良用スラリーを、圧送ポンプ、より具体的には、ピストンポンプ及び、スクイーズポンプなどを用いて、地盤中に輸送して付与する方法が挙げられる。
なお、スラリーの調整時に添加する水の量及び土壌に対するスラリーの添加量は、改良を目的とする土壌の含水率を考慮して適宜選択することが好ましい。
セメントスラリーを添加した地盤の強度は、スラリー中に含まれるセメントの量と、注入するスラリーの水量および地盤中に含まれる水量の合計の比率により決まる。したがって、含水率が高い粘性土地盤においては、注入するスラリーの水量を少なくすることが望ましい。しかし、スラリーの水量を少なくした場合、スラリーの流動性が低下するため、スラリーの添加量を多くする、もしくは、スラリーにさらに流動化剤を添加する、等の方法をとることが好ましい。
【0039】
本発明の地盤改良方法によると、地盤改良工事において、結合材として(B)特定再生微粉末を含有するセメント含有組成物を用いることにより、従来の一般的な地盤改良用組成物より少ない量で、地盤硬化体に必要な強度を発現させることができる。さらに、このため、二酸化炭素の排出量抑制効果がより向上されるという効果をも奏する。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例等を挙げてより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、特に断らない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
(特定再生微粉末1(微粉1)の調製)
解体コンクリートから粗骨材を回収した後に残存ずる解体コンクリート細粒を、既述の遊星ミル型解体コンクリート細粒処理装置を用いて、遊星ミルのミル本体に取付けられ、前記ミル本体の軸回りに公転しながら自転するミルポットに気体を送り、該ミルポット内部で、細骨材の表面にセメント硬化体が付着した解体コンクリート細粒同士をすり合わせ、前記細骨材と前記セメント硬化体を分離させる。
このとき、前記遊星ミルの外部に設けられた粉末除去手段の送風装置から前記ミルポットへ気体を送り、分離された前記セメント硬化体を含む粉末を前記ミルポットから除去させ、除去された前記粉末を粉末回収装置で回収する。その後、回収された解体コンクリート粉末を、遠心式風力分級装置を用いて分級し、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20.0μm以下である再生微粉末を得た。
得られた特定再生微粉末1 0.05gを、セメント用ポリカルボン酸系分散剤の0.03質量%水溶液中で30秒間超音波分散させた後、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3300EXII:日機装(株)製)にて測定を行ったところ、平均粒径は3.4μmであり、累積90%粒径は6.2μmであった。
【0041】
(セメント含有組成物及びスラリーの調製)
下記表2に記載した成分を混合してセメント含有組成物を調製した。その後、表2に記載の量で水を添加して地盤改良用スラリーを得た。なお、表2中の記号の詳細を以下に示す。
<セメント(ECM1)>
・高炉スラグ微粉末〔粉末度:4220:(a−1)成分〕 60%
・無水セッコウ〔粉末度:4290:(a−2)成分〕 10%
・ポルトランドセメント〔OPC、粉末度:3200:(a−3)成分〕 30%
<セメント(ECM2)>
・高炉スラグ微粉末〔粉末度:4220:(a−1)成分〕 62.5%
・無水セッコウ〔粉末度:4290:(a−2)成分〕 6%
・ポルトランドセメント〔OPC、粉末度:3200:(a−3)成分〕 31.5%
<特定再生微粉末1(微粉1)>
平均粒径 3.4μm、累積90%粒径6.2μm、水酸化カルシウム量7%
<比較用再生微粉末2(微粉2)>
平均粒径26.2μm、累積90%粒径127.0μm、水酸化カルシウム量15%
得られた特定再生微粉末1の詳細を下記表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
(地盤改良用スラリーの評価)
得られたセメント含有組成物を用いてスラリーを調製し、地盤改良効果を検討するため、土壌(試料土)とスラリーとの混合物硬化体について圧縮強度を測定した。
表1中、「砂」と記載した試料土は、硅砂と蛙目粘土を質量比9:1で混合した砂質土であり、「粘土」と記載した試料土は、原位置より採取した粘性土である。「砂」の詳細は、下記表3に示すとおりである。
【0045】
【表3】

【0046】
地盤改良用スラリーの添加量は試料土1mあたり400kgとし、注入するスラリーの水/固形分比は100とした。地盤改良体の作製は、JIS R 5201に準じた。モルタルミキサーを用い、あらかじめセメント含有組成物と水とを2分間混合撹拌した後、自然含水比の状態に調整した試料土を投入し、5分間混合撹拌した。その後、直径5cm、高さ10cmのモールドへ気泡を除去しながら充填し、7日間、及び、28日間湿潤養生してスラリーと試料土とを含有する硬化体を得た。この硬化体の圧縮強度を上記表2に併記した。
【0047】
表2に記載のように、本発明のセメント含有組成物を含む実施例1〜6のスラリーを用いた場合は、特定粒径微粉末1を含有しない比較例I−1〜I−6のスラリーを用いた場合に比べ、硬化体の圧縮強度が改良され、地盤改良用スラリーとして有用であることが確認された。また、同等の強度とする場合には、セメント含有組成物の含有量を寄り低減させることができるため、二酸化炭素の低減に有効であることがわかる。
また、特定粒径微粉末1に換えて、平均粒径がより大きく本発明の範囲外である比較用再生微粉末2を含有したスラリーを用いた比較例II−1〜II−6においては、硬化体の圧縮強度は、対照例である比較例I−1〜I−6と大きな差異は見られず、却って圧縮強度が低下しているものがあることが確認された。このことから、解体コンクリート由来の再生微粉末における粒子径が本発明の効果の発現に重要な作用を及ぼしていることが推定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物100質量部と、(B)セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20μm以下である再生微粉末5質量部〜30質量部と、を含有するセメント含有組成物。
【請求項2】
前記セメント硬化体が、コンクリート硬化体である請求項1に記載のセメント含有組成物。
【請求項3】
前記(B)再生微粉末中のセメント硬化体由来成分が40〜90質量%である請求項1又は請求項2に記載のセメント含有組成物。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のセメント含有組成物と水とを含み、水/固形分比(質量基準)が40〜250の範囲にある地盤改良用スラリー。
【請求項5】
(A)(a−1)粉末度が3000cm/g以上13000cm/g以下の高炉スラグ微粉末60質量%〜90質量%、(a−2)粉末度が2,500cm/g以上8,000cm/g以下の無水セッコウ3質量%〜20質量%、及び、(a−3)ポルトランドセメント5質量%〜37質量%含有する混合物100質量部と、(B)セメント硬化体から充填材料を分離回収した後に発生する粉末の分級品であって、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下であり、且つ、累積90%粒径が20μm以下である再生微粉末5質量部〜30質量部と、を含有するセメント含有組成物に、水/固形分比(質量基準)が40〜250となる量の水を加えて地盤改良用スラリーを調製する工程と、
得られた地盤改良用スラリーを、土壌に1m当たり150kg〜1200kg加える工程と、を有する地盤改良方法。

【公開番号】特開2013−1597(P2013−1597A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133390(P2011−133390)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「エネルギー使用合理化技術戦略的開発/エネルギー有効利用基盤技術先導選球開発/エネルギー・CO2ミニマム(ECM)セメント・コンクリートシステムの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】