説明

セメント流動材料の流動率を測定するための小型振動流量計

【課題】セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きなセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計(200)が、本発明の或る実施形態に従って提供されている。
【解決手段】小型振動流量計(200)は、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)とドライバ(309)を含んでいる。小型振動流量計(200)は、更に、1つ又は複数の流れ導管(301)を含んでいる。少なくとも2つのピックオフセンサー(308)は、1つ又は複数の流れ導管(301)に取り付けられており、ドライバ(309)は、1つ又は複数の流れ導管(301)を振動させるように構成されている。1つ又は複数の流れ導管(301)は、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、駆動周波数対セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型振動流量計に、より具体的には、セメント流動材料の流動率を測定するための小型振動流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
コリオリ質量流量計の様な振動導管センサーは、通常、流れる材料が入っている振動導管の運動を検出することによって作動する。質量流量、密度などの様な導管内の材料に関わる特性は、導管に関係付けられている運動変換器から受信した測定信号を処理することによって求められる。振動する材料が充填されているシステムの信号モードは、一般に、物質が中に入っている導管と、その中に入っている物質との質量、剛性及び減衰特性の組み合わせの影響を受ける。
【0003】
代表的なコリオリ質量流量計は、パイプライン又は他の搬送システムに埋め込まれて接続されており、流体、スラリーなどシステム内の材料を運ぶ1つ又は複数の導管を含んでいる。各導管は、例えば、単純な曲げ、ねじり、半径方向及び連成のモードを含む一組の固有振動モードを有していると考えられる。或る代表的なコリオリ質量流量測定装置では、導管は、材料が導管を通って流れるときに、1つ又は複数の振動モードで加振され、導管の動きは、導管に沿って間隔を空けて配置されている複数の点で測定される。加振は、通常アクチュエータで、例えば、音声コイル型ドライバの様な導管を周期的に摂動する電子機械的装置で、行われる。質量流量は、変換器の場所における動きの間の時間遅延又は位相差によって求められる。2つのその様な変換器(又はピックオフセンサー)は、通常、単数又は複数の流れの導管の振動応答を測定するために利用され、通常、アクチュエータの上流と下流の位置に配置される。2つのピックオフセンサーは、ケーブルによって電子機器に接続されている。機器は、2つのピックオフセンサーから信号を受信し、質量流量の測定値を導き出すため、その信号を処理する。
【0004】
流動材料を測定するのに流量計を使用する際に難しいのは、流動材料が、多相流動状態況に在る様な一様でない場合である。多相流動状態では、流動材料は、気体相、液体相、及び固体相の内の2つ又はそれ以上を含んでいる。例えば、一般的な流量測定シナリオは、流動材料が、液体内に巻き込まれた気体を含んでいる場合である。空気は、一般的な巻き込まれる気体である。気体は圧縮可能なので、流動材料の特性が変化することがあり、従って、巻き込まれた気体(以後、同伴気体)は、流量計の読み取りを誤らせることもある。同伴気体は、質量流量及び密度の測定値の精度を悪化させ、従って、体積の測定に間接的に影響を与えることもある。
【0005】
図1は、先行技術によるU字型振動流量計を示している。この先行技術のU字型振動流量計は、非常に低いアスペクト比を有しており、但し、アスペクト比は、計器の全長(L)を計器の全高(H)で割ったもの、即ち、アスペクト比=L/Hである。この図から、先行技術のアスペクト比は、通常、1よりずっと小さく、特に先行技術のU字型流量計ではそうであることが分かる。導管の直径が大きい用途では、この先行技術の流量計の小さいアスペクト比は、設置するのに大量の垂直方向の物理的空間を必要とすることになる。
【0006】
多くの設定条件において、流量計のために使用できる物理的空間は限られている。例えば、計器の全長(L)と計器の全高(H)は、使用可能な取付空間の制約を受ける。その結果、長さ(L)と高さ(H)が両方共短く、アスペクト比(L/H)が高い(即ち、小型である)ことを特徴とする小型の流量計が必要とされている。更に、より小さくて、より小型であり、必要な測定能力と、高レベルの測定精度及び信頼度を提供することのできる流量計に対する要求が増大している。
【0007】
先行技術では、小型の振動流量計を製作する試みは、その様な用途のための既存の流量計を縮小し、及び/又は、弓形又は真っ直ぐな流れ導管を使用する段階を含んでいる。しかしながら、これは、予期せぬ複雑な問題と、不満足な流量計精度に遭遇した。既存の流量計設計を縮小した結果の1つは、流れ導管の剛性が大幅に増すことである。剛性が増した結果、流量計の駆動周波数が上昇する。この比較的高い駆動周波数は、多相流動材料に対する性能及び/又は精度を低下させることになり、問題である。気体が流動材料に巻き込まれている場合(例えば、気泡)、流動材料の共振周波数は、影響を受け、純粋な流体の流動材料の共振周波数より低くなる。その結果、先行技術の流量計が採用する駆動周波数は、流動材料の共振周波数又はその付近になる。研究によって、流量計の精度は、多相流れの流動材料の共振周波数が流量計の駆動周波数に近づくと、低下することが分かっている。結果として、同伴気体は、流量計が、流動材料の流動率を正確に測定し、非流動率を測定することを不可能にする。
【0008】
測定したい流動材料の1つは、例えば、液体セメントである。液体セメントの質量、体積、及び密度の1つ又はそれ以上は、液体セメントが混ぜ合わされ、作られているときに測定される。特に、液体セメントの密度が必要である。密度は、液体セメントの品質の非常に重要な尺度であり、液体セメントの混合物を作るために、セメント、水、及び何らかの骨材の所望の比率を測定し制御するのに用いられる。
【0009】
空気は、通常、セメント、水、及び骨材が混ぜ合わされるときに、液体セメント内に巻き込まれる。空気を巻き込んでいない液体セメントの流体共振周波数は、平方インチ当たり15ポンド(psi)の圧力で約170Hzである。この周波数が、所定の内径、所定の壁の厚さの様な所定の流導管特性を有する流量計に与えられる。それに対して、液体セメントが体積の15パーセントの空気の空隙率を含んでいるセメント流動材料の共振周波数は、通常、同じ流量計に関し15psiで約165Hzである。これらの周波数から分かる様に、液体セメント内に同伴空気が存在すると、駆動周波数が下がり、液体セメントの密度が上がったように表示される。その結果、同伴空気は、先行技術のコリオリ流量計では、密度測定値を誤った又は不正確なものにする。先行技術の流量計の駆動周波数は、液体セメントのセメント流動材料の共振周波数であるか、又はそれに近いので、エラーが発生する。計器の基本的な周波数がセメント流動材料の共振周波数であるか、又はそれに近いときは、流量計の測定値は、悪影響を受ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記及びその他の問題は、セメント流動材料の流動率を測定するための小型振動流量計を提供することによって、解決され、技術上の進歩が達成される。
【0011】
本発明の或る実施形態によれば、セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)を上回るセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計が提供されている。この小型振動流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサーと、ドライバを備えている。小型振動流量計は、更に、1つ又は複数の流れ導管を備えている。少なくとも2つのピックオフセンサーは、1つ又は複数の流れ導管に取り付けられており、ドライバは、1つ又は複数の流れ導管を振動させるように構成されている。1つ又は複数の流れ導管は、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、駆動周波数対セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満である。
【0012】
本発明の或る実施形態によれば、セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)を上回るセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計が提供されている。この小型振動流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサーと、ドライバを備えている。小型振動流量計は、更に、1つ又は複数の流れ導管を備えている。少なくとも2つのピックオフセンサーは、1つ又は複数の流れ導管に取り付けられており、ドライバは、1つ又は複数の流れ導管を振動させるように構成されている。1つ又は複数の流れ導管は、実質的に自己排水式であり、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、駆動周波数対セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満である。
【0013】
本発明の或る実施形態によれば、セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)を上回るセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計が提供されている。この小型振動流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサーと、ドライバを備えている。小型振動流量計は、更に、1つ又は複数の流れ導管を備えている。少なくとも2つのピックオフセンサーは、1つ又は複数の流れ導管に取り付けられており、ドライバは、1つ又は複数の流れ導管を振動させるように構成されている。1つ又は複数の流れ導管の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部と、中央曲げ部で形成されている弓形部を含んでいる。2つの端部曲げ部それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えている。1つ又は複数の流れ導管は、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、駆動周波数対セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満である。
【0014】
小型振動流量計の或る態様では、駆動周波数は、セメント流動材料で約170Hz未満である。
【0015】
小型振動流量計の別の態様では、駆動周波数は、セメント流動材料に関する、小型振動流量計の所定の最小受容可能な密度精度に基づいている。
【0016】
小型振動流量計の更に別の態様では、1つ又は複数の流れ導管は、約2.5より大きなアスペクト比(L/H)を含んでいる。
【0017】
小型振動流量計の更に別の態様では、1つ又は複数の流れ導管は、約10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる。
【0018】
小型振動流量計の更に別の態様では、1つ又は複数の流れ導管は、1つ又は複数の実質的に自己排水式流れ導管である。
【0019】
小型振動流量計の更に別の態様では、1つ又は複数の流れ導管の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部と、中央曲げ部で形成されている弓形部を含んでおり、2つの端部それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】先行技術のU字型振動流量計を示している。
【図2】本発明の或る実施形態による小型振動流量計を示している。
【図3】本発明の或る実施形態による小型振動流量計の構成要素を示している。
【図4】空隙率の範囲に対する、実際の周波数対測定された周波数の周波数差(即ち、周波数エラー)のグラフである。
【図5】空隙率の範囲に対する密度エラーのグラフである。
【図6】図6Aと図6Bは、小型振動流量計の自己排水式態様を示している。
【図7】本発明の或る実施形態による、多相流動材料の流動率を測定するための小型振動流量計を作るための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
各図面を通して、同じ参照番号は同じ要素を示している。
【0022】
図2−7と以下の説明は、当業者に、本発明の最良の様式をどの様に作成し使用するかを教示する具体的な例を示している。本発明の原理を教示するために、幾つかの従来の態様を単純化又は省略している。当業者には、本発明の範囲に包含されるこれらの例からの変更を理解頂けよう。当業者には理解頂けるように、以下に述べる特徴を様々な方法で組み合わせると、本発明の多様な変更例を形成することができる。従って、本発明は、以下に述べる具体的な例ではなく、特許請求の範囲及びそれらの等価物によってのみ限定される。
【0023】
図2は、本発明の或る実施形態による小型振動流量計200を示している。小型振動流量計200は、マニホルド104、フランジ105、ケーシング102、及び導管部106を含んでいる。小型振動流量計200は、ケーシング102の内側に、導管部106の一部として1つ又は複数の流れ導管301(図3参照)を含んでいる。或る実施形態では、小型振動流量計200は、2つの流れ導管301を含んでいる。1つ又は複数の流れ導管301は、弓形の流れ導管であってもよい。
【0024】
或る実施形態の小型振動流量計200は、コリオリ流量計を備えている。別の実施形態では、小型振動流量計200は、振動濃度計を備えている。
【0025】
小型振動流量計200は、所望の最小測定精度を達成するように設計することができる。小型振動流量計200は、最小密度測定精度を達成するように設計することもできる。小型振動流量計200は、多相流動材料に対して最小密度測定精度を達成するように設計することもできる。小型振動流量計200は、流動材料の流動率及び非流動率の両方を測定することができる。
【0026】
多くの要因が、振動流量計の作動(従って、精度)に影響を及ぼす。作動に影響を及ぼす最も重要な因子の内の3つは、1つ又は複数の流れ導管を振動させるのに用いられる駆動周波数、流動材料圧力、及び流れ導管の形状である。小型振動流量計の適切な設計は、多相流動材料で使用する場合でも、一般的に、これらの3つの要因の適切な設計によって実現される。
【0027】
本発明による小型振動流量計は、例えばセメント流動材料の様な水を含む何らかの流体に加える約250ヘルツ(Hz)未満の駆動周波数を含んでいる。或る実施形態では、駆動周波数は、約200ヘルツ未満である。駆動周波数は、1つ又は複数の流れ導管301の有効長LE、1つ又は複数の流れ導管301の慣性モーメント(I)、及び1つ又は複数の流れ導管301の形状に基づいている。更に、駆動周波数は、必要に応じて、1つ又は複数の流れ導管301に随意的に取り付けられる1つ又は複数の釣合質量の影響を受ける。有効長LEは、流れ導管の形状に依る。流れ導管の壁の厚さは、流動材料の圧力次第である。慣性モーメント(I)は、中でも、流れ導管の内径と流れ導管の壁の厚さ次第である。更に、駆動周波数は、所定の最小受容可能な密度精度に基づいている(図4及び付随の議論を参照)。
【0028】
本発明による小型振動流量計は、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きな流動材料圧力を含んでいる。或る実施形態では、流動材料の圧力は、約10psiから約475psiの間にある。或る実施形態では、流動材料の圧力は、約15psiより大きい。流動材料の圧力は、所望の用途に従って選択することもできるし、末端のユーザーが指定することもできる。
【0029】
本発明による小型振動流量計は、所定の小型形状を含んでいる。所定の小型形状は、所定のアスペクト比(L/H)、所定の高さ対内径比(H/B)、又は弓形の流れ導管形状の内の1つ又はそれ以上を含んでいる。所定のアスペクト比(L/H)は、約2.5より大きい。所定の高さ対内径比(H/B)は、約10未満である。弓形の流れ導管形状は、120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを含んでいる。弓形の流れ導管形状は、実質的に自己排水式である。
【0030】
小型振動流量計200は、更に、1つ又は複数の流れ導管301内の所定の圧力降下(ΔP)を含んでいる。所定の圧力降下(ΔP)は、所定の全流路長LT(図3参照)、所定の計器摩擦係数(f)、所定の導管内径(ID)、所定の流体密度(ρf)、及び所定の流速(V)に基づいている。或る実施形態では、所定の圧力降下(ΔP)は、次の式
【数1】

によって計算することができる。
【0031】
小型振動流量計200は、更に、1つ又は複数の流れ導管301内の所定の圧力定格値を含んでいる。所定の圧力定格値は、具体的な用途に従って選択することもできるし、末端のユーザーが選択することもできる
【0032】
或る実施形態の小型振動流量計200は、高いアスペクト比を有するように作られている。或る実施形態では、計器の全長(L)は、実質的に、流量計のマニホルド104同士の間の距離であり(図2参照)、計器の全高(H)は、実質的に、入口/出口のマニホルドの中心線と最も遠い中心線(即ち、弓形部の頂の中心)の間の距離である。アスペクト比は、従って、流量計の全体的な形状及び寸法を、ほぼ正確に定量化している。高アスペクト比(L/H)は、流量計が、その長さに比べて高さが低いことを暗示している。従って、本発明による小型振動流量計200は、比較的小さいので、殆どの計器装置内に収納し易い。高アスペクト比であれば、小型振動流量計200を小さな空間内に取り付けることができる。高アスペクト比であれば、小型振動流量計200をより多くの用途に用いることができる。或る実施形態では、小型振動流量計200は、液体セメントを混合及び/又は汲み出すための機械を含め、セメントケーシングの運転にも用いられる。他の使用法や他の流動材料も考えられるし、それらも説明と請求項の範囲に含まれる。
【0033】
高さ対内径比(H/B)は、高さ(上記)対入口/出口マニホルドの内径の比である。高さ対内径比(H/B)は、小型振動流量計の垂直方向高さと、入口/出口の内径従って流れ導管の寸法との間の関係を反映している。従って、内径は、所与の流動材料圧力に対する、流速(V)と計器の摩擦係数(f)に影響を与える。或る流れ導管流量計では、内径(B)は、概ね流れ導管と同じ直径である。しかしながら、この内径は、流れ導管の内径と同じである必要は無い。
【0034】
小型振動流量計200は、例えばセメント流動材料を含む流動材料に対する低い駆動周波数を特徴としている。この低い駆動周波数は、高アスペクト比と、従って小型の全体的設計を達成しながら達成されている。先行技術では、設計技術者は、低い駆動周波数の流量計の設計又は小型の流量計の設計の何れかを選択できたが、両方は選択できなかった。
【0035】
駆動周波数は、流動材料の流動率を測定するために、1つ又は複数の流れ導管301を振動させる周波数である。駆動周波数は、通常、流動材料の共振周波数か、それより低くなるように選択される。従って、駆動周波数は、流動材料の性質に依って変わる。更に、駆動周波数は、流量計の剛性による影響を受ける。剛性が上がると、通常は駆動周波数も上がる。低い駆動周波数を特徴とする小型の流量計を提供する際の基本的な難しさは、アスペクト比/全体寸法を下げると、剛性が上がることである。例えば、1つの設計上の特徴は計器の全長(L)である。流量計に他の変化を施さなくとも、計器の全長(L)が短くなると剛性が上がる。剛性に影響を及ぼす他の設計上の特徴は、流れ導管301の振動部の有効長LEである(図3参照)。有効長LEは、真っ直ぐ又は弓形の導管流量計では、全流路長LTより短い。有効長LEは、全流路長LTを短くするか、又は、流れ導管の両端を拘束するブレースバー、ブラケットなどを追加することによって短くすることができる。更に、有効長LEは、流量計の構成を変えることによって短くすることもできる。例えば、U字型流れ導管は、真っ直ぐな導管流量計より相当長い有効長LEを有している(図1と図3参照)。その結果、真っ直ぐな流れ導管又は緩やかな弓形の流れ導管に変えることによって、流量計の剛性と駆動周波数は、大いに上がる。
【0036】
本発明の実施形態による流量計は、単に、先行技術の流量計を縮小したものではない。本発明の実施形態による流量計は、駆動周波数が、流動材料の共振周波数より低く、又は遙かに低くなるように設計されている。計器の駆動周波数は、流動材料の共振周波数から識別できるほど離れているのが理想的である。その結果、本発明の実施形態による流量計は、断面が低く、自己排水式の小型の振動流量計を提供し、同時に、同伴気体の量が様々に変化しても、所望の測定精度を実現する。
【0037】
図3は、本発明の実施形態による小型振動流量計200の構成要素を示している。小型振動流量計200は、図2に示し、論じている構成要素に加えて、1つ又は複数の流れ導管301、ブレースバー306、ピックオフセンサー308、及びドライバ309を含んでいる。ピックオフセンサー、温度及び/又は圧力センサー、計器電子機器、必要な場合は釣合質量316などの様な別の構成要素を含んでいてもよい。
【0038】
流れ導管301は、弓形の流れ導管を備えており、少なくとも2つの端部曲げ部314と、中央曲げ部312で形成されている弓形部を含んでいる。2つの端部曲げ部314それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えている。図示の実施形態では、端部曲げ角度Θは、約145度の曲げを備えている。弓形部は、端部の曲げ角度Θが小さくなるほど、流れ導管が更にU字型になり、有効長LEが長くなるので、有効長LEを長くすることができる。
【0039】
小型振動流量計200は、ブレースバー306を含んでいてもよい。ブレースバー306は、流れ導管301の両端を固定するために採用される。2つの流れ導管301を含む或る実施形態では、ブレースバー306は、追加的して流れ導管301を互いに固定することができる。ブレースバー306は、流量計200の有効長LEを設定する。有効長LEは、小型振動流量計200の剛性に影響を与えるので、有効長LEは、所望の駆動周波数を達成するために修正される。或る実施形態では、ブレースバー306は、所望の計器モードの分離/性能を維持しながら、小型振動流量計200の駆動周波数を下げるために、できるだけ離して取り付けられる。代わりに、或る実施形態では、ブレースバー306は、有効長LEを最大にするために、外されている。
【0040】
小型振動流量計200の作動に影響を与える別の特性は、1つ又は複数の流れ導管301の内側内径(B)である(図3参照)。内径は、マニホルド104の様な、小型振動流量計200の入口及び出口の内側直径である。或る実施形態の内径の断面積は、流れ導管の断面積に実質的に等しい。高さ対内径比は、従って、断面積当たりの流量計の弓形の量を示している。本発明の或る実施形態では、高さ対内径比(H/B)は、約10より小さい。
【0041】
小型振動流量計200の作動に影響を与える別の特性は、1つ又は複数の流れ導管301に取り付けられた釣合重量316の追加的存在である。追加された釣合重量316は、流れ導管301の全体質量に影響を及ぼすが、剛性には実質的に影響を及ぼさない。従って、釣合重量316は、駆動周波数に影響を与える。流れ導管301の質量が増すと、駆動周波数が下がる。
【0042】
小型振動流量計200の作動に影響を与える更に別の特性は、流れ導管301の壁の厚さである。壁の厚さは、通常は、流動材料の圧力に対応できるように選定される。しかしながら、配管壁が厚くなるほど、流れ導管301の剛性が上がる。従って、本発明による小型振動流量計200では、壁の厚さは、低い駆動周波数を達成するため、比較的薄くなるように選定される。流動材料の圧力が高くなければ、こうすることができる。
【0043】
図4は、空隙率の範囲に対する、実際の周波数対測定された周波数の周波数差(即ち、周波数エラー)のグラフである。グラフは、15psiの圧力でのセメント流動材料測定値を示している。下の線は、470Hzの駆動周波数で作動している先行技術の流量計に関しプロットした周波数値である。中間の線は、340Hzの駆動周波数で作動している先行技術の流量計に関しプロットした周波数値である。これに対して、上の線は、本発明による小型振動流量計の駆動周波数のプロットした周波数値であり、本発明による小型振動流量計は、約170Hzの駆動周波数で作動している。各周波数応答は、流れ導管の形状は同じであるが、有効長LEと導管の壁の厚さだけが異なる流量計からのものである。何れの空隙率の値についても、170Hzの流量計駆動周波数は、実際の応答から、0.5Hz以上は逸れていないことが、グラフから分かる。従って、250Hz未満の周波数で作動している小型振動流量計は、周波数測定において高レベルの精度を提供する。適切に低い作動周波数を選択することによって、少なくとも部分的には、所望のレベルの周波数精度を達成できることが、このグラフから分かる。
【0044】
図5は、空隙率の範囲に対する密度エラーのグラフである。密度は、概ね周波数の2乗分の1に等しい(ρ=1/f2)ので、密度エラーのグラフは、周波数差のグラフと相補形である。一番上の線は、470Hzの駆動周波数で作動している先行技術の流量計に関しプロットした密度値である。中間の線は、340Hzの駆動周波数で作動している先行技術の流量計に関しプロットした密度値である。これに対して、下の線は、本発明による小型振動流量計の密度値をプロットしたものであり、本発明による小型振動流量計は、170Hzの駆動周波数で作動している。何れの空隙率の値についても、170Hzの流量計によって測定された密度値は、実際の密度から、2.1パーセント以上は逸れていないことが、グラフから分かる。従って、250Hz未満の周波数で作動している小型振動流量計は、密度測定において高レベルの精度を提供する。
【0045】
図6A−6Bは、小型振動流量計200の自己排水式態様を示している。図6Aでは、流れ導管301は、垂直に向けられている。流れ導管301は、120度より大きい端部曲げ角度Θを含む弓形の構成を特徴とし、流れ導管301内のどの様な流動材料も、重力によって流れ出る(矢印参照)。同様に、図6Bでは、流れ導管301が水平方向に取り付けられていても、流動材料は、流れ導管301から流れ出る(2つの矢印参照)。この小型振動流量計200の自己排水式態様は、U字型の流量計を大幅に改良したものであり、自己排水式で無ければ、(例えば、セメント流動材料の様な)流動材料は、流れ導管301の内側に直ぐに溜まってしまう。
【0046】
図7は、本発明の或る実施形態による、多相流動材料の流動率を測定するための小型振動流量計を作るための方法の流れ図700である。ステップ701では、先に論じた様に、圧力降下が小型振動流量計に提供される。圧力降下は、所望の用途に合わせて選定することもできるし、末端のユーザーが指定することもできる。
【0047】
或る実施形態では、幾つかの計器係数を使って圧力降下を求めることができる。例えば、圧力降下(ΔP)は、式(1)に従って計算される。流体密度値と受容可能な計器圧力降下(ΔP)が分かれば、1つ又は複数の流れ導管の内径(ID)と流路の全長LTは、式から求めることができる。
【0048】
ステップ702では、先に論じた様に、所定の小型の形状が提供される。
【0049】
ステップ703では、小型振動流量計内の所定の圧力定格値が提供される。所定の圧力定格値は、小型振動流量計の、受容可能な上限圧力を指定する。更に、所定の圧力定格値は、流れ導管の壁の厚さに影響を与える。
【0050】
ステップ704では、先に論じた様に、所定の端部曲げ角度Θが、小型振動流量計内に提供される。端部曲げ角度Θは、流れ導管の形状及び所望の流れ導管の有効長LEに依って変わる。本発明による小型振動流量計の端部曲げ角度Θは、約120度から約170度の範囲にある。端部曲げ角度Θが、流れ導管の弓形を形作る。
【0051】
ステップ705では、駆動周波数が小型振動流量計に提供される。駆動周波数は、約250Hz未満である。或る実施形態では、駆動周波数は、約200Hz未満である。駆動周波数は、先に論じた様に、別の流量計パラメーターの関数として求められる。
【0052】
図3に戻るが、小型振動流量計200は、セメント流動材料用途に合わせて最適化されたセメント振動流量計であってもよい。液体セメントの質量、体積、及び密度の内の1つ又はそれ以上は、液体セメントが混ぜ合わせられ、作られているときに測定される。具体的には、液体セメントの密度が必要である。密度は、液体セメントの品質の非常に重要な尺度であり、液体セメント混合物を作るために、セメント、水、及び何らかの骨材の必要な比率を測定し、制御するのに用いられる。
【0053】
空気は、通常、セメント、水、及び骨材が混ぜ合わされるときに、液体セメントの中に巻き込まれる。同伴空気を有していない液体セメントの流体共振周波数は、平方インチ当たり15ポンド(psi)の圧力で約170Hzである。この周波数は、所定の内径、所定の壁の厚さの様な所定の流れ導管特性を有する流量計に与えられる。それに対して、空気の空隙率が体積で15パーセントである液体セメントの共振周波数は、通常、同じ流量計に対し15psiの圧力で約165Hzである。しかしながら、流体共振周波数は、空隙率(即ち、同伴空気の割合)によって変わり、従って、流体共振周波数が、175Hzより大きくなることも、小さくなることもある。或る実施形態では、セメント振動流量計の最大駆動周波数は、約200Hz未満である。これらの周波数と図4及び図5から分かる様に、液体セメント内に同伴空気が在ると、駆動周波数が下がり、同伴空気が実際には混合物の密度を下げていても、液体セメントの密度が上がったように表示する。その結果、同伴空気は、先行技術のコリオリ流量計では、質量流れと密度の読みを誤らせ、不正確にする。エラーは、先行技術の流量計の駆動周波数が、液体セメントの流体共振周波数と一致するか、それに近いために発生する。計器の駆動周波数が、セメント流動材料の共振周波数と一致するか、又はそれに近いときは、流量計の測定値は、悪影響を受ける。
【0054】
セメント振動流量計200は、セメント流動材料に関する駆動周波数が、セメント流動材料の流体共振周波数より小さくなるように構成されている。或る実施形態では、駆動周波数の、セメント流動材料の流体共振周波数に対する割合は、流動材料の圧力が10psiより大きく、駆動周波数が約200Hz未満の場合、約0.8未満である。割合を約0.8未満に維持することによって、駆動周波数は、流体共振周波数に近付き又はそれを超えることは無いので、セメント振動流量計200の精度は、所望の精度を達成する。加えて、構成は、実質的に自己排水式の形状を選択することを伴っていてもよい。
【0055】
或る実施形態では、セメント振動流量計200は、約200Hz未満の駆動周波数と、約10psiより大きい流動材料圧力を含んでいる。或る実施形態では、セメント振動流量計200は、約2.5より大きなアスペクト比(L/H)と、10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる。或る実施形態では、1つ又は複数の流れ導管は、実質的に自己排水式である。或る実施形態では、1つ又は複数の流れ導管の内の1つの流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部と中央曲げ部とで形成されている弓形部を含んでおり、2つの端部曲げ部それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを有している。駆動周波数の制限は、475psiの最大圧力定格値、(例えば、約0.036インチの様な)比較的薄い導管壁、比較的長い有効長LE(ブレースバー306を含まないことによる)、及び、1つ又は複数の随意的釣合質量の追加によって達成される。
【0056】
本発明による小型振動流量計は、必要に応じて幾つかの利点を提供するために、何れの実施形態に従ってでも採用することができる。本発明は、小型でアスペクト比が高いことを特徴とする小型振動流量計を提供する。本発明は、低い最大駆動周波数を好都合に提供する小型振動流量計を提供する。本発明は、セメント流動材料に対して、低い駆動周波数対流体共振周波数を好都合に提供する小型振動流量計を提供する。本発明は、全体の寸法と輪郭が同じ先行技術の流量計の駆動周波数よりも遙かに低い最大駆動周波数を好都合に提供する、小型振動流量計を提供する。本発明は、同伴空気を含んでいるセメント流動材料の流動率を正確に測定する小型振動流量計を提供する。
【0057】
本発明の第1の態様は、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きいセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計(200)であって、流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)と、ドライバ(309)と、1つ又は複数の流れ導管(301)とを備えており、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)は、1つ又は複数の流れ導管(301)に取り付けられており、ドライバ(309)は、1つ又は複数の流れ導管(301)を振動させるように構成されている、小型振動流量計(200)において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、駆動周波数対セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満であることを特徴とする。
【0058】
本発明の第2の態様は、第1の態様の小型振動流量計において、駆動周波数は約170Hz未満である。
【0059】
本発明の第3の態様は、第1の態様の小型振動流量計において、駆動周波数は、セメント流動材料に関する小型振動流量計(200)の所定の最小の受容可能な密度精度に基づいている。
【0060】
本発明の第4の態様は、第1の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、約2.5より大きいアスペクト比(L/H)を含んでいる。
【0061】
本発明の第5の態様は、第1の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、約10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる。
【0062】
本発明の第6の態様は、第1の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、1つ又は複数の実質的に自己排水式流れ導管を備えている。
【0063】
本発明の第7の態様は、第1の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部(314)と、中央曲げ部(312)とで形成されている弓形部を含んでおり、2つの端部曲げ部(314)それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えている。
【0064】
本発明の第8の態様は、セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きいセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計(200)であって、流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)と、ドライバ(309)と、1つ又は複数の流れ導管(301)とを備えており、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)は、1つ又は複数の流れ導管(301)に取り付けられており、ドライバ(309)は、1つ又は複数の流れ導管(301)を振動させるように構成されている、小型振動流量計(200)において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、実質的に自己排水式であり、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、駆動周波数対セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満であることを特徴とする。
【0065】
本発明の第9の態様は、第8の態様の小型振動流量計において、駆動周波数は約170Hz未満である。
【0066】
本発明の第10の態様は、第8の態様の小型振動流量計において、駆動周波数は、セメント流動材料に関する小型振動流量計(200)の所定の最小の受容可能な密度精度に基づいている。
【0067】
本発明の第11の態様は、第8の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、約2.5より大きいアスペクト比(L/H)を含んでいる。
【0068】
本発明の第12の態様は、第8の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、約10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる。
【0069】
本発明の第13の態様は、第8の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部(314)と、中央曲げ部(312)とで形成されている弓形部を含んでおり、2つの端部曲げ部(314)それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えている。
【0070】
本発明の第14の態様は、セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きいセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計(200)であって、流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)と、ドライバ(309)と、1つ又は複数の流れ導管(301)とを備えており、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)は、1つ又は複数の流れ導管(301)に取り付けられており、ドライバ(309)は、1つ又は複数の流れ導管(301)を振動させるように構成されている、小型振動流量計(200)において、1つ又は複数の流れ導管(301)の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部(314)と、中央曲げ部(312)とで形成されている弓形部を含んでおり、2つの端部曲げ部(314)それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えており、1つ又は複数の流れ導管(301)は、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、駆動周波数対セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満であることを特徴とする。
【0071】
本発明の第15の態様は、第14の態様の小型振動流量計において、駆動周波数は約170Hz未満である。
【0072】
本発明の第16の態様は、第14の態様の小型振動流量計において、駆動周波数は、セメント流動材料に関する小型振動流量計(200)の所定の最小の受容可能な密度精度に基づいている。
【0073】
本発明の第17の態様は、第14の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、約2.5より大きいアスペクト比(L/H)を含んでいる。
【0074】
本発明の第18の態様は、第14の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、約10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる。
【0075】
本発明の第19の態様は、第14の態様の小型振動流量計において、1つ又は複数の流れ導管(301)は、1つ又は複数の実質的に自己排水式流れ導管を備えている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きいセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計(200)であって、前記流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)と、ドライバ(309)と、1つ又は複数の流れ導管(301)とを備えており、前記少なくとも2つのピックオフセンサー(308)は、前記1つ又は複数の流れ導管(301)に取り付けられており、前記ドライバ(309)は、前記1つ又は複数の流れ導管(301)を振動させるように構成されている、小型振動流量計(200)において、
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、前記駆動周波数対前記セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満であることを特徴とする、小型振動流量計(200)。
【請求項2】
前記駆動周波数は約170Hz未満である、請求項1に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項3】
前記駆動周波数は、前記セメント流動材料に関する前記小型振動流量計(200)の所定の最小の受容可能な密度精度に基づいている、請求項1に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項4】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、約2.5より大きいアスペクト比(L/H)を含んでいる、請求項1に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項5】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、約10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる、請求項1に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項6】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、1つ又は複数の実質的に自己排水式流れ導管を備えている、請求項1に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項7】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部(314)と、中央曲げ部(312)とで形成されている弓形部を含んでおり、前記2つの端部曲げ部(314)それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えている、請求項1に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項8】
セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きいセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計(200)であって、前記流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)と、ドライバ(309)と、1つ又は複数の流れ導管(301)とを備えており、前記少なくとも2つのピックオフセンサー(308)は、前記1つ又は複数の流れ導管(301)に取り付けられており、前記ドライバ(309)は、前記1つ又は複数の流れ導管(301)を振動させるように構成されている、小型振動流量計(200)において、
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、実質的に自己排水式であり、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、前記駆動周波数対前記セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満であることを特徴とする、小型振動流量計(200)。
【請求項9】
前記駆動周波数は約170Hz未満である、請求項8に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項10】
前記駆動周波数は、前記セメント流動材料に関する前記小型振動流量計(200)の所定の最小の受容可能な密度精度に基づいている、請求項8に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項11】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、約2.5より大きいアスペクト比(L/H)を含んでいる、請求項8に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項12】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、約10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる、請求項8に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項13】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部(314)と、中央曲げ部(312)とで形成されている弓形部を含んでおり、前記2つの端部曲げ部(314)それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えている、請求項8に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項14】
セメント流動材料の流動率を、平方インチ当たり約10ポンド(psi)より大きいセメント流動材料圧力で測定するための小型振動流量計(200)であって、前記流量計は、少なくとも2つのピックオフセンサー(308)と、ドライバ(309)と、1つ又は複数の流れ導管(301)とを備えており、前記少なくとも2つのピックオフセンサー(308)は、前記1つ又は複数の流れ導管(301)に取り付けられており、前記ドライバ(309)は、前記1つ又は複数の流れ導管(301)を振動させるように構成されている、小型振動流量計(200)において、
前記1つ又は複数の流れ導管(301)の内の或る流れ導管は、少なくとも2つの端部曲げ部(314)と、中央曲げ部(312)とで形成されている弓形部を含んでおり、前記2つの端部曲げ部(314)それぞれは、約120度から約170度の間の端部曲げ角度Θを備えており、前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、駆動周波数が約200ヘルツ(Hz)未満であり、前記駆動周波数対前記セメント流動材料の流体共振周波数の周波数比が約0.8未満であることを特徴とする、小型振動流量計(200)。
【請求項15】
前記駆動周波数は約170Hz未満である、請求項14に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項16】
前記駆動周波数は、前記セメント流動材料に関する前記小型振動流量計(200)の所定の最小の受容可能な密度精度に基づいている、請求項14に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項17】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、約2.5より大きいアスペクト比(L/H)を含んでいる、請求項14に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項18】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、約10未満の高さ対内径比(H/B)を含んでいる、請求項14に記載の小型振動流量計(200)。
【請求項19】
前記1つ又は複数の流れ導管(301)は、1つ又は複数の実質的に自己排水式流れ導管を備えている、請求項14に記載の小型振動流量計(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−185185(P2012−185185A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−148422(P2012−148422)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【分割の表示】特願2008−505275(P2008−505275)の分割
【原出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(592225504)マイクロ・モーション・インコーポレーテッド (95)
【氏名又は名称原語表記】Micro Motion Incorporated
【Fターム(参考)】