説明

セメント系グラウト組成物及び該組成物を用いたプレグラウトPC鋼材の製造方法

【課題】環境温度が高い場合であっても、凝結時間が長く、ブリーディングが有効に抑制され、しかも、PC鋼材の緊張時における該PC鋼材とシースとの摩擦係数を、シース内表面とPC鋼材との間隙が狭い場合であっても低減することができるセメント系グラウト組成物、並びに該組成物を用いたプレグラウトPC鋼材の製造方法を提供すること。
【解決手段】セメント系グラウト組成物は、高ビーライト系ポルトランドセメント100質量部に対して、凝結遅延剤の含有割合が固形分換算で1.05〜2.0質量部、分離低減剤の含有割合が固形分換算で0.55〜0.95質量部を含み、水/高ビーライト系ポルトランドセメント比が40〜45%、組成物のJIS R 5201に準拠したフロー値が190〜240mmである。この組成物は、プレグラウトPC鋼材の製造に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木、建築分野で使用されるプレストレストコンクリート構造物を製造する際に用いられるセメント系グラウト組成物及び該組成物を用いたプレグラウトPC鋼材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プレストレストコンクリート構造物の製造方法としては、コンクリートの打ち込み・養生後に、コンクリートに予め形成されたダクトにPC鋼材を挿入、緊張、定着し、ダクトにセメント系グラウトを注入し、PC鋼材とダクトの間を充填するポストテンション工法が知られている(特許文献1)。
また、建設現場で型枠内に透明シースを配置して、シースにPC鋼材を挿入し、硬化遅延性を有するセメント系グラウトを注入し、コンクリートを打ち込み、該コンクリートが緊張に耐える強度が発現した後に、PC鋼材を緊張、定着するプレグラウチング工法も知られている(特許文献2及び3)。
更に、工場の生産ラインで連続的にPC鋼材の外周に硬化遅延性を有するグラウトを塗布し、さらに、グラウトの外周にプラスチック製のシースを被覆したプレグラウトPC鋼材を製造し、これを現場で組み立てて、PC鋼材を緊張するプレグラウト工法も知られている。
これらの工法において、PC鋼材による緊張は、コンクリートへの均等な応力伝達を達成するために、PC鋼材の端部や中央部等のいずれにおいても均等な力で緊張されることが望ましい。
しかし、上記プレグラウチング工法やプレグラウト工法では、PC鋼材を緊張する際に、シースとPC鋼材の間にセメント系グラウトが存在する場合、PC鋼材とシースとの摩擦係数が、PC鋼材を緊張、定着した後に、ダクトにセメント系グラウトを注入するような上述のポストテンション工法に比べて大きくなる可能性が高い。
上記プレグラウチング工法における、現場でのセメント系グラウトの注入は、その作業性を良好にするために、PC鋼材とシース内面との間隙がある程度広げられている。一方、プレグラウト工法では、工場での生産性や、工場から現場までの運搬性等を良好にするために、該間隙がプレグラウチング工法の場合に比して狭くなっている。
上記PC鋼材とシース内面との間隙がある程度広げられている場合には、例えば、特許文献2及び3に記載されるような、高ビーライト系ポルトランドセメントと、無機質混和材と、分離低減剤と、水と、必要により分散剤等を含むセメント系グラウトを用いた場合であっても、上記PC鋼材とシースとの摩擦係数への影響はほとんどない。
一方、同様なセメント系グラウトをプレグラウト工法における、上記間隙の狭い場合に適用すると、上記摩擦係数に影響を及ぼすおそれが高くなり、PC鋼材による緊張において、コンクリートへの均等な応力伝達が困難になるおそれがある。特に、シースが湾曲している場合はその傾向が更に高くなる。そこで、プレグラウト工法においては、摩擦係数への影響が無い樹脂系グラウトの使用が提案されている。しかし、該樹脂系グラウトは、環境面や作業時の安全性への問題が懸念されている。
【0003】
ところで、工場で生産されるプレグラウトPC鋼材を用いる場合には、現場で行うプレグラウチング工法に比べ、工場製造から、運搬、設置、コンクリートの打ち込み及び養生、プレグラウトPC鋼材の緊張まで時間を要する。そこで、プレグラウトPC鋼材に使用されるセメント系グラウトの凝結の始発時間を2ヶ月間以上に延長する必要がある。特に、夏期等の気温が高い環境下においては、上記特許文献2及び3に記載されたグラウトであっても、その硬化遅延性が必ずしも十分と言えない場合がある。
【特許文献1】特開平7−187853号公報
【特許文献2】特開2004−300003号公報
【特許文献3】特開2004−307331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、夏期等の環境温度が高い場合であっても、凝結時間が長く、ブリーディングが有効に抑制され、グラウトに一般に要求される種々の特性を兼ね備え、しかも、PC鋼材の緊張時における該PC鋼材とシースとの摩擦係数を、シース内表面とPC鋼材との間隙が狭い場合であっても低減することができるセメント系グラウト組成物を提供することにある。
本発明の別の課題は、PC鋼材の緊張時における該PC鋼材とシースとの摩擦係数が低減され、コンクリートへの均等な応力伝達を可能にし、且つ夏期等の環境温度が高い場合であっても、凝結時間が長く、緊張可能時間が長いプレグラウトPC鋼材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、従来の認識では達成し得ないと思われていた、特定のセメント、凝結遅延剤、分離低減剤及び水のみを用い、無機質混和材を用いない場合であっても、これらの含有量を特定割合とし、粘度を調整することによって、温度が高い環境においても、グラウトに要求される一般性能を維持しつつ、凝結時間を従来に比べて延長させることができ、さらに、PC鋼材とシースとの緊張時の摩擦係数を低減させるという上記課題が解決しうることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
本発明によれば、ビーライトを30質量%以上含有する高ビーライト系ポルトランドセメントと、凝結遅延剤と、分離低減剤と、水とを含み、前記高ビーライト系ポルトランドセメント100質量部に対して、凝結遅延剤の含有割合が固形分換算で1.05〜2.0質量部であり、分離低減剤の含有割合が固形分換算で0.55〜0.95質量部であり、水/前記高ビーライト系ポルトランドセメント比が40〜45%であり、組成物のJIS R 5201に準拠したフロー値が190〜240mmであることを特徴とするセメント系グラウト組成物(以下、本発明のグラウト組成物又は本発明の組成物と略すことがある)が提供される。
また本発明によれば、PC鋼材の外周に、本発明のグラウト組成物を塗布する工程と、塗布したセメント系グラウト組成物の外周に、プラスチック製シースを被覆する工程とを含むプレグラウトPC鋼材の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明のグラウト組成物は、特定のセメント、凝結遅延剤、分離低減剤及び水を含み、これらの含有量を特定割合とし、且つ組成物の粘度を制御しているので、従来提案されている無機質混和材を配合しなくても、グラウトとしての適正な粘度を維持し、ブリーディングを有効に抑制し、しかも、夏期等の温度が高い環境であっても、始発時間が製造から2ヶ月以上という十分な凝結遅延効果が得られる。また、無機質混和材を実質的に含有しないことにより、PC構造物製造時におけるPC鋼材の緊張の際の該PC鋼材とシースとの摩擦係数を小さくすることができる。例えば、緊張時におけるPC鋼材とプラスチック製シースとの摩擦において、角度変化1ラジアンの摩擦係数を0.30以下に、長さ1mあたりの摩擦係数を0.004以下にすることができる。
従って、本発明のグラウト組成物は、プレグラウトPC鋼材の製造に有用である。
本発明のプレグラウトPC鋼材の製造方法は、本発明のグラウト組成物を利用するので、緊張可能日数による制約が少なく、また、PC鋼材とシースとの緊張時の摩擦係数が小さいので、コンクリート構造物に均等なプレストレスを付与することができ、且つ施工後の緊張可能時間が長いプレグラウトPC鋼材を、簡便に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の組成物は、特定の高ビーライト系ポルトランドセメント、凝結遅延剤、分離低減剤及び水を特定割合で含む。
【0009】
高ビーライト系ポルトランドセメントとしては、低熱ポルトランドセメント、もしくは低熱ポルトランドセメントと普通ポルトランドセメントとの混合物が挙げられる。
高ビーライト系ポルトランドセメントにおいて、ビーライトの含有割合は、30質量%以上、好ましくは40質量%以上である。ビーライトの含有割合を高くすることにより、グラウトの凝結時間が遅延する傾向にある。しかし、遅延しすぎを抑制するために、ビーライトの含有割合の上限は、通常70質量%程度が好ましい。また、高ビーライト系ポルトランドセメントの比表面積は、水和反応及び自己収縮量を抑制するために、4000cm2/g以下が好ましい。
【0010】
凝結遅延剤としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸塩、ポリオール有機誘導体又はこれら2種以上の混合物が挙げられ、特に、オキシカルボン酸塩を含むことが好ましい。
本発明の組成物において、凝結遅延剤の含有割合は、ビーライト系ポルトランドセメント100質量部に対して、固形分換算で1.05〜2.0質量部、好ましくは1.1〜1.5質量部である。この割合が1.05質量部未満では、十分な凝結遅延効果が得られないおそれがある。また、2.0質量部を超えると、セメントの水和を著しく阻害し、グラウトが硬化しないおそれがある。
【0011】
分離低減剤は、コンクリートの硬化熱により加熱された環境下、例えば95℃の高温下においても分離低減効果を維持しうるものの使用が好ましい。例えば、セルロースエーテル系、アクリルポリマー系、グリコール系、バイオポリサッカライド系、繊維素誘導体ポリマー系若しくは澱粉系の粉末系分離低減剤又はこれら2種以上の混合物が挙げられ、特に、セルロースエーテル系の分離低減剤を含むことが好ましい。分離低減剤の形態は、運搬、貯蔵およびグラウトの製造の点から粉末であることが好ましい。
本発明の組成物において、分離低減剤の含有割合は、高ビーライト系ポルトランドセメント100質量部に対して、固形分換算で0.55〜0.95質量部、好ましくは0.55〜0.80質量部である。この割合が0.55質量部未満では、グラウト組成物の粘性が低すぎて、80℃の高温下においてブリーディングが発生するおそれがあり、さらに、プレグラウトPC鋼材の製造時において、PC鋼材外周への塗布が困難になるおそれがある。また、0.95質量部を超えると、グラウト組成物の粘性が高すぎて、練り混ぜが困難となり、更には、プレグラウトPC鋼材の製造時において、PC鋼材外周への塗布が困難になるおそれがある。
【0012】
本発明の組成物において、水/高ビーライト系ポルトランドセメント比は、40〜45%、好ましくは41〜44%である。この比が40%未満では、PC鋼材緊張時におけるPC鋼材とシースとの摩擦係数が大きくなり、コンクリートに与えるPC鋼材の有効応力を低減させるおそれがある。また、45%を超えると、グラウト組成物が硬化した際の圧縮強度が低下し、PC鋼材とコンクリートとの一体化を確保できないおそれがある。
【0013】
本発明のグラウト組成物は、上記成分以外に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、他の成分を含有させることもできる。
他の成分としては、例えば、収縮低減剤が挙げられる。
収縮低減剤としては、例えば、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物系、ポリエーテル系、アルコール系、低分子量アルキレンオキシド共重合体系若しくはグリコールエーテル・アミノアルコール誘導体系のもの又はこれら2種以上の混合物が挙げられる。
本発明の組成物には、更に、膨張剤、防錆剤及び消泡剤等の各種成分を必要に応じ含有させることもできる。
上記他の成分の配合割合は、その目的に応じて適宜選択することができる。
【0014】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、工場又は施工現場で、プレミックス又は水を含んだ組成物となるよう、各成分を配合し、混合することにより調製することができる。
【0015】
本発明のグラウト組成物及びその硬化物は、通常、以下の物性を有する:
(1)図1に示す夏期と通常期の温度履歴を受けた後にグラウトの凝結試験(JIS R 5201-97に準拠)における始発時間が、夏期で2ヶ月間以上、通常期で3ヶ月間以上、
(2)グラウトのブリーディング率(JSCE-F532-1999に準拠、試験温度が84℃):0%、
(3)グラウトの流動性(JIS R 5201に準拠):フロー値190〜240mm、
(4)グラウトの凝結終結時膨張率(JSCE-F532-1999に準拠):−0.5〜+0.5%、
(5)圧縮強度(JSCE-G531-1999に準拠):凝結終結後56日で30N/mm2以上、
(6)緊張時PC鋼より線とシースとの摩擦係数(通常期温度履歴を受けた後、プレグラウトPC鋼材製造後60日):角度変化1ラジアンの摩擦係数μは0.30以下、長さ1mあたりの摩擦係数λは0.004以下。
特に、本発明の組成物が、(3)のグラウトの流動性を充足しない場合には、プレグラウトPC鋼材製造時において、PC鋼材に本発明の組成物を塗布することが困難になり、所望の効果が得られないおそれがある。
【0016】
本発明のプレグラウトPC鋼材の製造方法は、PC鋼材の外周に、本発明のグラウト組成物を塗布する工程と、塗布したセメント系グラウト組成物の外周に、プラスチック製シースを被覆する工程とを含む。
PC鋼材は、通常のPC鋼より線を用いることができる。プラスチック製シースも、公知のものを用いることができる。
プレグラウトPC鋼材を工場で製造する場合は、その生産性や現場への運搬性を良好なものとするために、プラスチック製シースの内径と、PC鋼材の直径との差が、16mm以下、好ましくは15〜10mmとすることが好ましい。このような狭い間隙であっても、本発明の組成物は、PC鋼材とシーストの摩擦係数を低減することができ、コンクリートに均等なプレストレスを付与することができる。
【実施例】
【0017】
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
表1に示す各配合のセメント系グラウトをグラウトミキサ(MG100、1000回転/分)で混練し、グラウトを製造した。尚、表1中の各成分は以下のとおりである。
I.セメント
低熱ポルトランドセメント(略号:LC):ビーライト含有率=55%、密度=3.24、比表面積=3310cm2/g(住友大阪セメント(株)製)
普通ポルトランドセメント(略号:NC):ビーライト含有率=24%、密度=3.15、比表面積=3280cm2/g(太平洋セメント(株)製)
II.粉末状セメント分散剤
粉末状ポリカルボン酸系セメント分散剤(PC):市販品(商品名:コアフローNF-100、太平洋マテリアル(株)製)
III.無機質混和材
シリカフューム(略号:SF):密度=2.2、比表面積=200,000cm2/g、市販品(商品名:マイクロシリカ940、エルケム社製)
石灰石微粉末(略号:LSP):密度=2.67、比表面積=3840cm2/g、市販品(商品名:工業用タンカル、吉澤石灰工業(株)製)
IV.粉末状セメント凝結遅延剤
オキシカルボン酸塩系セメント凝結遅延剤(略号:PR):市販品
V.粉末状分離低減剤
セルロース系分離低減剤(略号:V):(商品名:、マーポローズ、松本油脂製薬(株)製)
VI.有機系収縮低減剤
粉末状有機系収縮低減剤(略号:TG):低級アルコールのアルキレンオキシド付加物系(太平洋セメント(株)製)
VII.練り混ぜ水
上水道水
【0018】
得られた各グラウトについて、図1に示す、通常期と夏期を模擬した養生パターンでグラウトを養生し、下記の試験方法に準拠し、流動性試験、ブリーディング測定、凝結試験および圧縮強度試験を行った。結果を表2に示す。
(1)グラウトの流動性(その2):JIS R 5201に準拠し、グラウト製造直後にフロー値を測定した。
(2)グラウトのブリーディング率:JSCE-F532-1999に準拠し、試験温度84℃でのブリーディング率を測定した。
(3)グラウト凝結の始発時間:JIS R 5201-97に準拠し、図1に示す通常期と夏期の温度履歴をそれぞれ与え、それぞれのグラウトの凝結の始発時間を測定した。
(4)グラウトの凝結終結時の膨張率:JSCE-F532-1999に準拠し、グラウトの凝結終結時膨張率を測定した。
(5)圧縮強度:JSCE-G531-1999に準拠し、凝結終結後56日の圧縮強度を測定した。
(6)緊張時PC鋼より線とシースとの摩擦係数:得られたグラウトを、直径28.6mm、長さ10mのPC鋼より線の周囲に、厚さ約6mmとなるように塗布した。次いで、内径40mmのプラスチック製シースにより覆い、その周りにコンクリートを打設してプレグラウトPC鋼材を製造した。通常期養生パターンで養生し、プレグラウトPC鋼材製造後60日に、プレグラウトPC鋼材を緊張し、その角度変化1ラジアンの摩擦係数μと長さ1mあたりの摩擦係数λをそれぞれ測定した。
【0019】
尚、比較例2、比較例3及び比較例8のグラウトは、フロー値が高すぎるため、PC鋼材に塗布する際に、グラウトがPC鋼材から垂れてプレグラウトPC鋼材を製造することができなかった。また、比較例9のグラウトは、PC鋼材に塗布するに必要な流動性、即ち、フロー値が低すぎるため、PC鋼材に塗布する際に、グラウトが硬すぎて、PC鋼材の外周に均等に成形できず、プレグラウトPC鋼材を製造できなかった。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例で行ったグラウトの通常期と夏期を模擬した養生パターンを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーライトを30質量%以上含有する高ビーライト系ポルトランドセメントと、凝結遅延剤と、分離低減剤と、水とを含み、
前記高ビーライト系ポルトランドセメント100質量部に対して、凝結遅延剤の含有割合が固形分換算で1.05〜2.0質量部であり、分離低減剤の含有割合が固形分換算で0.55〜0.95質量部であり、水/前記ビーライト系ポルトランドセメント比が40〜45%であり、組成物のJIS R 5201に準拠したフロー値が190〜240mmであることを特徴とするセメント系グラウト組成物。
【請求項2】
分離低減剤が、セルロースエーテル系、アクリルポリマー系、グリコール系、バイオポリサッカライド系、繊維素誘導体ポリマー系、澱粉系及びこれらの2種以上の混合物からなる群より選択される粉末系分離低減剤である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
PC鋼材の外周に、請求項1又は2記載のセメント系グラウト組成物を塗布する工程と、塗布したセメント系グラウト組成物の外周に、プラスチック製シースを被覆する工程とを含むプレグラウトPC鋼材の製造方法。
【請求項4】
プラスチック製シースの内径とPC鋼材の直径との差が、16mm以下である請求項3記載の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−47447(P2010−47447A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−213459(P2008−213459)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000103769)オリエンタル白石株式会社 (136)
【出願人】(000192626)神鋼鋼線工業株式会社 (44)
【Fターム(参考)】