説明

セメント製造装置およびセメント製造方法

【課題】廃棄物をセメント原料または燃料として用いるセメント製造装置において、廃棄物から金属類を効率的に回収することができ、しかも装置にかかる負担を軽減できるセメント製造装置等を提供する。
【解決手段】このセメント製造装置1は、廃棄物をセメント原料または燃料として用いるものであり、前記廃棄物を粉砕する粉砕部と粉砕された廃棄物をセメント原料または燃料に適した大きさの適合廃棄物とそれ以外の大きさの別廃棄物との選別を行う形状選別部とを有する竪型ミル100と、別廃棄物を、形状選別部から搬出して竪型ミル100に再投入する循環部300と、別廃棄物から金属類を選別する金属類選別部350とを備えており、前記金属類選別部350が循環部300に設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント製造装置に関し、特には、固形廃棄物をセメント原料または燃料の一部として用いるセメント製造装置においてその固形廃棄物から金属類を効率的に回収することができ、しかも装置にかかる負担を軽減することができるセメント製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、セメント製造装置に関し、竪型ミルからの粗粒(排石)を、循環部を循環させて再び竪型ミルに戻す構成のものが開示されている。
また、近年、環境対策などの観点から、セメント原料や燃料の一部として建設残土や汚泥などの固形廃棄物を利用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−245405
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のように固形廃棄物をセメント原料や燃料の一部として利用する場合、その固形廃棄物から金属類を分離回収することが望ましい。これを実現する1つの方法として、例えば竪型ミルよりも上流側に金属類分離装置を配置し、これを用いて金属類を分離回収することが考えられる。
【0005】
しかしながら、このような構成の場合、金属類分離装置によって回収しきれなかった金属類は竪型ミルおよび下流の機器類(セメント製造装置における竪型ミル下流のサイクロン、ミルファン、煙道および電気集塵機)に供給されることとなり、その場合、それらの金属類の移動によって竪型ミルおよび下流の機器類が激しく損耗することとなる。特に、固定廃棄物が水分を多く含んだものである場合、金属類分離装置の回収効率が低下することから、上記問題はより顕著となる。
【0006】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定廃棄物をセメント原料または燃料の一部として用いるセメント製造装置において、その廃棄物から金属類を効率的に回収することができ、しかも装置にかかる負担を軽減することができるセメント製造装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明のセメント製造装置は、
廃棄物をセメント原料または燃料の一部として用いるセメント製造装置において、
前記廃棄物を粉砕する粉砕部と、粉砕された廃棄物をセメント原料または燃料に適した大きさの適合廃棄物とそれ以外の大きさの別廃棄物との選別を行う形状選別部と、を有する竪型ミルと、
前記別廃棄物を前記形状選別部から搬出し、前記竪型ミルに再投入する循環部と、
前記別廃棄物から金属類を選別する金属類選別部と
を備え、
前記金属類選別部は、前記循環部に設けられること
を特徴とする。
【0008】
本発明によれば、循環部に金属類選別部が設けられているので、金属類を効率的に回収するとともに、竪型ミルおよび下流に設けられた機器類の損傷を低減させることができる(詳細は〔発明を実施するための形態〕のなかで後述する)。また、竪型ミルの粉砕部を利用して廃棄物の粉砕を行うことができるので、廃棄物を粉砕するための専用の装置を設ける必要もない。
【発明の効果】
【0009】
上述したように本発明によれば、循環部に金属類選別部が設けられているので、固形廃棄物をセメント原料または燃料の一部として用いるセメント製造装置において廃棄物から金属類を効率的に回収することができ、しかも装置にかかる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一形態のセメント製造装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】竪型ミルの構造を示す縦断面図である。
【図3】金属類選別装置の斜視図である。
【図4】本発明のセメント製造装置の他の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態について説明する。
図1に示すように、このセメント製造装置1は、供給されたセメント原料原石等を粉砕する竪型ミル100と、その竪型ミル100に原料原石等を供給する供給部200と、竪型ミル100によって粉砕された原料原石等の微粉をセメント焼成装置のキルン(不図示)に供給するとともに竪型ミル100からのガスを除塵し排出する排出部400と、竪型ミル100によって粉砕された原料原石等の粗粒を循環して再び竪型ミルに戻す循環部300と、を備えている。
【0012】
なお、このセメント製造装置1は、固形廃棄物をセメント原料または燃料として用いるものであり、図1では、供給部200のベルトコンベア208(詳細下記)にセメント原料原石と廃棄物とが供給される様子が描かれている。
本明細書では、このセメント原料原石と廃棄物が混ざったものを単に「原料原石等」ともいう。「セメント原料原石」としては、石灰石と粘土類を主とするセメント原料を利用することができる。「固形廃棄物」とは、建設残土、埋立土、焼却灰、汚泥などをいう。
【0013】
竪型ミル100は、図2に示すように筒型の本体部141を備え、その内部に、原料原石等を粉砕するための粉砕部120が設けられている。本体部141の側面には、縦方向に伸びる原料供給路122が設けられており、原料原石等がこの原料供給路122を通って本体部141内に供給されるようになっている。
【0014】
粉砕部120は本体部141内の底部にあり、電動機127を駆動源として鉛直軸周りに回転する粉砕テーブル121Bと、その上面で転がる複数の粉砕ローラ121Aとを有している。本体部141内に供給された原料原石等はこの粉砕テーブル121B上に供給され、粉砕テーブル121B上で回転しながら粉砕ローラ121Aによって粉砕される。
【0015】
本体部141の底部側面にはガス導入口124が設けられており、このガス導入口124から高温のガス(例えば300℃)が本体部141内に導入されるようになっている。導入されたガスは本体部141内で上昇ガス流129となり、この上昇ガス流129により、粉砕された原料原石等の微粉が上方に飛ばされる(詳細後述)。微粉は、ガスとともに本体部141の上部の排出口125から外部に排出される。
【0016】
粉砕テーブル121Bの周囲には排石用の開口部126が設けられている。上昇ガス129に乗ることができない程度の比較的大きな粗粒や塊など(未粉砕の金属類を含んでいる)は、粉砕テーブル121Bの周囲から開口部126に落下する。開口部126に落下した粗粒(排石または別廃棄物ともいう)はベルトコンベアによって外部に搬送される。なお、粉砕テーブル121Bは、上昇ガス流129の作用と相まって形状選別部として機能するものである。
【0017】
本体部141内の上部には、もう1つの形状選別部である分級機123が設けられている。この分級機123は、上昇ガス流129によって運ばれた微粉を分級する。
【0018】
再び図1を参照する。供給部200は、セメント原料原石および廃棄物を受けてそれを搬送する原料ベルトコンベア208と、そのベルトコンベア208の途中に配置された磁選機203と、ベルトコンベア208の終端側に配置された原料タンク202と、その原料タンク202からの原料原石等を竪型ミル100に搬送する原料ベルトフィーダ207と、を有している。
このように供給部200に磁選機203が設けられている場合、原料タンク202に供給する前に原料原石等から鉄片等を除去することができる点で好ましい。
【0019】
循環部300は、竪型ミル100から排出された排石を略水平方向に搬送する排石ベルトコンベア305と、該ベルトコンベア305によって搬送された排石を上方に搬送する排石バケットエレベータ306とを有している。
【0020】
排石バケットエレベータ306の上部には、搬送された排石から金属類(鉄片・非鉄など)を選別する金属類選別装置350が設けられている。選別装置350の詳細については、図3を参照して後述する。
【0021】
搬送部400は、竪型ミル100の排出口125(図2参照)から排出された微粉をセメント製造装置のキルン(不図示)に送るサイクロン409と、そのサイクロン409からのガスが通る排気ファン410と、ガス中の異物等を除塵する電気集塵機411と、集塵機411からのガスを大気に排出する煙突412と、を有している。
【0022】
次に、図3を参照して金属類選別装置350について説明する。
金属類選別装置350は市販のものを利用することができ(例えば(株)アーステクニカ社製の「マルチソータF600」)、この例では、排石を略水平方向に搬送するベルトコンベア354と、このベルトコンベア354の終端部付近に設けられた2つのホッパ364、365とが設けられている。ベルトコンベア354に近い側が第1のホッパ364であり、遠い側が第2のホッパ365である。選別装置350はさらに、ベルトコンベア354内に配置された磁界センサ353を有している。また、ベルトコンベア354の終端部と第1のホッパ364との間には、横方向に配列されたエアノズル356が設けられている。
【0023】
このように構成された選別装置350は、磁界センサ353によって排石中の金属類が検知された場合に所定のタイミングでエアノズル356を動作させることで、風圧により、金属類を第2のホッパ365に吹き飛ばす。一方、金属類以外の塊などは、第1のホッパ364内に落下する。これにより、排石から金属類を分離することができる。
【0024】
図1に示すように、第1のホッパ364に落下した排石は再び原料タンク202に送られて竪型ミル100に再投入され、一方、第2のホッパ365に吹き飛ばされた金属類は回収容器318内に回収される。
【0025】
以上のように構成された本実施形態のセメント製造装置1の動作について、以下説明する。
まず、供給部200のベルトコンベア208にセメント原料原石および固形廃棄物が供給される。この原料原石等はベルトコンベア208によって、原料タンク202内へと搬送される。ベルトコンベア208によって搬送される途中に、磁選機203によって、原料原石等に混入している鉄片等が選別除去される。
【0026】
次いで、原料タンク202からの原料原石等がベルトフィーダ207によって竪型ミル100へと搬送される。搬送された原料原石等は、竪型ミル100の原料供給路122に供給され、原料供給路122を通って(具体的には、三重ダンパ128などを通って)本体部141内に送られる。
【0027】
本体部141内に送られた原料原石等は、図2に示すように、粉砕テーブル121B上に落下し、粉砕ローラ121Aによって細かく粉砕される。
【0028】
粉砕テーブル121Bおよび粉砕ローラ121Aの動作中、ガス導入口124からキルン排ガスの温度が300℃の熱風が導入され、熱風は、粉砕テーブル121Bの周囲からの上昇ガス流129となって上方に送られる。この上昇ガス流129によって、粉砕された原料原石等の微粉(適合廃棄物)が上方に運ばれ、分級機123で分級されて、上昇ガス流129に乗って粉砕物排出口125から外部へ排出される。
なお、分級機123で分級されて外部へと排出される金属類については、セメント製品として品質上問題はないので、下記するように、次工程のセメントキルンに送られる。
【0029】
排出口125から排出された微粉は、次いで図1に示すように、サイクロン409によって捕集されてセメントキルンへ送られる。サイクロン409でほとんどの微粉が分離されたガスは、排気ファン410を通り、電気集塵機411にてほぼ完全に除塵され煙突412から大気へと排出される。電気集塵機411で捕集されたダストは、セメントキルンに搬送され焼成されてセメントクリンカ(セメント中間製品)となる。
【0030】
再び竪型ミル101の説明に戻り(図2参照)、上昇ガス流129に乗れなかった粉砕されていない金属類を含む比較的大きな粗粒(別廃棄物)は、その大部分が排石用開口部126から落下する。
【0031】
落下した排石は、図1に示すように、排石ベルトコンベア305で輸送される。このコンベア305で輸送された排石は、次いで、排石バケットエレベータ306で上方に搬送され、金属類選別装置350に送られる。
【0032】
金属類選別装置350(図3参照)では、まず、エレベータ306からの排石をベルトコンベア354で受け、ベルトコンベア354は排石をホッパ364、365に向けて搬送する。
磁界センサ353で検知され、塊状となった金属類は、エアノズル356の噴射によって吹き飛ばされて第2のホッパ365内に飛び込む。金属類以外の粉粒体や塊は、ベルトコンベア終端部から第1のホッパ364内に落下する。
【0033】
第2のホッパ365に入った金属類は、図1に示すように、金属類回収容器318内に回収される。一方、第1のホッパ364に入った排石は、再び原料タンク202に投入され、竪型ミル100内で再度粉砕される。粉砕された排石のうち微粉は、上記同様、上昇ガス流129に乗って本体部141の外部に排出される。一方、粗粒は、再び循環部300に送られ、金属類選別装置350で再度の選別が行われる。
【0034】
(1)本発明の一形態のセメント製造装置1は、
廃棄物をセメント原料または燃料として用いるセメント製造装置1において、
前記廃棄物を粉砕する粉砕部120と、粉砕された廃棄物をセメント原料または燃料に適した大きさの適合廃棄物とそれ以外の大きさの別廃棄物との選別を行う形状選別部(121B)と、を有する竪型ミル100と、
前記別廃棄物を前記形状選別部(121B)から搬出し、前記竪型ミル100に再投入する循環部300と、
前記別廃棄物から金属類を選別する金属類選別部350と
を備え、
前記金属類選別部350は、前記循環部300に設けられること
を特徴とする。
【0035】
このセメント製造装置1によれば、循環部300に金属類選別装置350が設けられているので、廃棄物が循環部300を循環する間に廃棄物中の金属類を良好に回収することができる。すなわち、仮に循環部300に金属類選別部が設けられていない場合、誤選別により磁選機203(図1参照)が一旦金属類を取り残してしまうと再度選別することはできない。しかし本装置によれば、磁選機203で金属類を十分に回収できないとしても、循環部300内の金属類選別部350によって再度の選別が可能となる。したがって、竪型ミル下流に設けられた機器類(サイクロン409、排気ファン410、電気集塵機411等)に排出される金属類に含まれる金属類が大幅に減少し、竪型ミル100および竪型ミル下流に設けられた機器類の損傷を低減させることができる。
【0036】
とりわけ、建設残土、埋立土のように非鉄金属が含まれる廃棄物を用いる場合、磁選機203のみでは非鉄金属を回収できず、非鉄金属が循環部300内を循環するおそれがある。これに対し本願では循環部300内に設けられた金属類選別部350によって非鉄金属を選別することが可能であるため、より顕著な効果が得られる。
【0037】
また、セメント製造装置が一般に備えている竪型ミル100を利用して固形廃棄物を粉砕できるので、廃棄物を粉砕するための専用の粉砕装置別途設ける必要もない。換言すれば、廃棄物を前処理する専用の工程が必要なくなる。特には、竪型ミル100による粉砕によれば、廃棄物を一気に粉砕できるという利点がある。
【0038】
廃棄物に対して大量のセメント原料原石には水分を多く含んでおり、鉄片が原料原石に凝集し、埋もれているため、磁選機203のみでは十分に除去することはできない。しかしながら、本装置では、竪型ミル内で供給物が乾燥・解砕され、その後の循環部300で金属類の分離回収が行われるので効率が大幅に改善する。
また、排石については、竪型ミル100によって、セメント原料と廃棄物から微粉を除去した状態となっており、原料に対する金属比率が大きくなっている。そのため、セメント原料と配合された廃棄物から、非磁性金属および磁性金属を分離除去しやすい。
さらに、竪型ミル100からの排石について、排石の粒度は、粒径の大きなもののみで乾燥したもので構成され、原料粉末を同伴することが低減されるので、鉄片や非鉄金属等の金属類を高精度に分離除去することができる。
また、循環部300に金属類選別装置350を設置する構成によれば、乾燥した廃棄物等に対して金属類の分離回収を行うこととなるので、処理能力の比較的小さい金属類選別装置ですむ。
セメント原料粉砕を行う竪型ミルおよび下流の各装置の内部摩耗については、塊状の金属類を選別除去することができるので、廃棄物を配合していないときと同じ程度の装置の摩耗であって問題とならない。
本実施形態によれば、1台の粉砕機によって、セメント原料中の固形廃棄物から高精度で、鉄片などの磁性金属と、非鉄金属などの非磁性金属を分離除去することができる。このような1段階のみの粉砕機による処理によれば、プロセスを単純化できる。
【0039】
(2)循環部300は、
竪型ミル100の下部から別廃棄物を搬出する排出路(305)と、
前記排出路(305)に接続し、竪型ミル100の鉛直上方側に前記別廃棄物を供給する供給路(306)とを有し、金属類選別部が供給路(306)に設けられている。
【0040】
このような構成によれば、次のような利点が得られる。
すなわち、竪型ミル100は重量が大きいため地面に設けられることが多い。したがって、空気流に乗らない大径の廃棄物(別廃棄物)を搬出する排出路も地面に近接して設けられることが多く、排出路付近はレイアウト上余裕がない。
一方、竪型ミル100へ原料原石等を投入する際、テーブル上で破砕を行うという特性上、竪型ミル100の上部側から被破砕物を投入することになる。このような構造上、別廃棄物を再度投入する際に関しても別廃棄物を竪型ミル100の鉛直上方側から投入することとなり、別廃棄物を供給する供給路(306)は竪型ミルの鉛直上方側に設けられることとなる。つまり、供給路(306)は地面に近接せず、排出路(305)と比べてレイアウト上の制約が少ない。この供給路(306)に金属類選別部(350)を設ける構成によれば、特別なレイアウト上の工夫をすることなく容易に金属類選別部を設置することができる。
【0041】
金属類選別部は、
前記別廃棄物を搬送するベルトコンベア354と、
該ベルトコンベアの終端部に設けられた第1の受け部364と、
該第1の受け部よりも前記終端部から離れた位置に設けられた第2の受け部365と、
搬送される前記別廃棄物中の金属類を検出する検出手段353と、
該検出手段353の検出結果に基づいて動作することによって前記金属類を前記第2の受け部に移送する移送手段(356)と、
を有することを特徴とする。
このような構成によっても、本願発明による効果を上記同様に得ることができる。
【0042】
(3)本発明の一形態のセメント製造方法は、
廃棄物をセメント原料または燃料として用いるセメント製造方法において、
前記廃棄物の一部を、前記セメント原料または燃料に適した大きさに加工する粉砕工程と、
前記粉砕工程を通過した廃棄物を、前記セメント原料または燃料に適した大きさの適合廃棄物と、それ以外の大きさの別廃棄物に選別する形状選別工程と、
前記別廃棄物を前記形状選別部から搬出し、前記粉砕工程に再投入する循環工程と、
前記別廃棄物から金属類を選別する金属類選別工程と
を備え、
前記金属類選別工程は、前記循環工程で行われること
を特徴とする。
【0043】
なお、本発明は図1に示したような形態に限られるものではなく、種々変更可能である。例えば、図4に示すように原料ベルトコンベア208の途中の磁選機203を省略した構成であってもよい。このような構成は、廃棄物の中に鉄片が比較的少ない場合に効果的に適用することができる。このようなセメント製造装置であっても、その循環部300内に金属類選別装置350が設けられているので上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。もっとも、図1のように磁選機203が設けられている構成によれば、鉄片については2箇所で除去できることとなるので、非常に高精度な除去が可能となる。
【0044】
また、循環部に設けられる金属類選別装置は、排石から金属類を回収できるものであれば特に限定されるものではなく、図3に示したような風圧により金属類を吹き飛ばす方式以外のものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 セメント製造装置
100 竪型ミル
120 粉砕部
121A 粉砕ローラ
121B 粉砕テーブル
122 原料供給路
126 開口部
129 上昇ガス流
141 本体部
200 供給部
202 原料タンク
203 磁選機
208 ベルトコンベア
300 循環部
305 排石ベルトコンベア
306 排石バケットエレベータ
350 金属類選別装置
354 ベルトコンベア
356 エアノズル
364 第1のホッパ
365 第2のホッパ
400 排出部
409 サイクロン
410 排気ファン
411 電気集塵機
412 煙突

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物をセメント原料または燃料の一部として用いるセメント製造装置において、
前記廃棄物を粉砕する粉砕部と、粉砕された廃棄物をセメント原料または燃料に適した大きさの適合廃棄物とそれ以外の大きさの別廃棄物との選別を行う形状選別部と、を有する竪型ミルと、
前記別廃棄物を前記形状選別部から搬出し、前記竪型ミルに再投入する循環部と、
前記別廃棄物から金属類を選別する金属類選別部と
を備え、
前記金属類選別部は、前記循環部に設けられること
を特徴とするセメント製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセメント製造装置において、
前記循環部は、
前記竪型ミルの下部から前記別廃棄物を搬出する排出路と、
前記排出路に接続し、前記竪型ミルの鉛直上方側に前記別廃棄物を供給する供給路と
を有し、
前記金属類選別部は、前記供給路に設けられること
を特徴とするセメント製造装置。
【請求項3】
廃棄物をセメント原料または燃料の一部として用いるセメント製造方法において、
前記廃棄物の一部を、前記セメント原料または燃料に適した大きさに加工する粉砕工程と、
前記粉砕工程を通過した廃棄物を、前記セメント原料または燃料に適した大きさの適合廃棄物と、それ以外の大きさの別廃棄物に選別する形状選別工程と、
前記別廃棄物を前記形状選別工程部から搬出し、前記粉砕工程に再投入する循環工程と、
前記別廃棄物から金属類を選別する金属類選別工程と
を備え、
前記金属類選別工程は、前記循環工程で行われること
を特徴とするセメント製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−153053(P2011−153053A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16946(P2010−16946)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】