説明

セラミック放電容器を伴うメタルハライドランプ

【課題】セラミック放電容器はストッパによって閉じられ、2つの終端部を有し、導電性リードスルーが孔を通じて終端部に通っており、柄を有する電極がリードスルーに固定され、電極は放電容器の内部空間に突出し、リードスルーと電極とでまとめて電極システムと称される、セラミック放電容器を有するメタルハライドランプにおいて、製造ができるだけシンプルになるようにランプの電極システムを設計すること。
【解決手段】リードスルーは直径の異なる円筒状ピンとして設計されている2つの部分を有しており、放電に関して内部に位置する部分は孔の直径よりも少なくとも10μm小さい外径を有しており、外部に位置する部分は孔の直径よりも僅かに大きい、殊に5〜20μm大きい直径を有しており、2つの部分の間の段は細管の端面でリードスルーに対するストッパとして用いられる、セラミック放電容器を有するメタルハライドランプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック放電容器を伴うメタルハライドランプに基づく。ここでこの放電容器は2つの終端部を有しており、適切であれば、これらの終端部はストッパによって閉じられている。さらに導電性のリードスルー(leadthrough)が孔を通じてこの終端部に通っており、柄を有する電極がリードスルーに固定されており、電極は放電容器の内部空間に突出しており、リードスルーと電極とがまとめて電極システムと称される。本発明は殊に、20〜400W、有利には100〜250Wの出力を有するランプに関する。
【背景技術】
【0002】
US−A4155758号には、セラミック放電容器を有するメタルハライドランプが開示されている。ここではリードスルーに、放電容器の外側で広げられた部分が設けられる。この部分の外径は放電容器の外径に等しい。シーリングフリットがリングとして、放電容器の終端部と、広げられた部分の間に挿入されている。ピンの放電側部分はWから構成されており、放電から離れた部分はMoから成る。この部分は完全に、死空間を低減させる充填フィラメントによって囲まれている。2つの電極部分に対する標準の結合技術は、この場合には溶接またはろう付けである。
【0003】
WO03/060951号には、セラミック放電容器を有するメタルハライドランプが開示されている。ここではリードスルーは2つの部分から成る形状において、同じ直径の外部Nbピンと、内部部分とを含む。この内部部分はMO(Si,X)から成り、ここでX=B,Al,NまたはCである。
【特許文献1】米国特許第4155758号明細書
【特許文献2】国際公開第03/060951号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第887839号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、製造ができるだけシンプルになるようにランプの電極システムが設計された、請求項1の上位概念に記載された形式の、セラミック放電容器を伴うメタルハライドランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題は、リードスルーは2つの部分を有しており、当該2つの部分は直径の異なる円筒状ピンとして設計されており、放電に関して内部に位置する部分は孔の直径よりも少なくとも10μm小さい外径を有しており、外部に位置する部分は孔の直径よりも僅かに大きい、殊に5〜20μm大きい直径を有しており、前記2つの部分の間の段は、細管の端面で、前記リードスルーに対するストッパとして用いられる、ことを特徴とする、セラミック放電容器を有するメタルハライドランプによって解決される。さらに上述の課題は、a)開放されている細管を有する放電容器を提供し、b)電極システムを提供し、当該電極システムは異なる材料の2つの部分を含むリードスルーを有しており、放電に関して内部に位置する部分は前記孔の直径よりも少なくとも10μm小さい外径を有しており、外側に位置する部分は前記孔の直径よりも僅かに大きい、殊に5〜20μm大きい直径を有しており、c)ソルダガラスのリングを前記電極システムのより狭い部分上に押しつけ、この場合にはより広い部分をストッパとして用いるか、またはソルダガラスリングを前記細管の上方端面上に直接的に配置し、
d)前記細管の端面上にある前記ソルダガラスリングとともに、前記電極システムを前記細管孔内に導き入れ、e)前記ソルダガラスリングを加熱し、ソルダガラスの一部が前記細管内に流入し、シーリング作用を施す、ステップを有する、ことを特徴とする、セラミック放電容器を製造する方法によって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
詳細には、本発明は、セラミック放電容器を伴うメタルハライドランプに関する。この放電容器は2つの終端部を有している。これらの終端部は適切であるならば、ストッパーによって閉成される。導電性のリードスルーがこれらの終端部において孔を通じて通される。柄を有する電極がリードスルーに固定される。電極は放電容器の内部へ突出している。リードスルーと電極はまとめて電極システムと称される。リードスルーは2つの部分を有しており、これらの部分は異なる直径を有する円筒状のピンとして設計されている。放電に関して内側に位置している部分は、孔の直径よりも少なくとも10μm小さい外径を有している。外側に位置している部分は、孔の直径より僅かに、殊に5〜20μm大きい直径を有している。2つの部分の間の段は、細管の端面でリードスルーに対するストッパとして用いられる。
【0007】
リードスルーの材料は、直接的に成形部分として製造された焼結体である。択一的に、続いてこの段はピンから加工される。このピンは以前には統一された形状であった。
【0008】
終端部は典型的には細管(capillaries)として設計されており、これらの細管は放電容器に一体に取り付けられる、または別個のストッパを用いて取り付けられる。放電容器は典型的にAlから成り、オプショナルで、標準的な添加物、例えばMgでドーピングされる。
【0009】
ランプ出力が20〜400Wの範囲内、殊に100〜250Wの場合に本発明は殊に有効である。
【0010】
殊に、リードスルーは1つの材料から、単一部分形状(single-part form)で成る。これは有利には、主にモリブデンを含む材料である。このような例の一部はMoVまたはMo(Si,X)である。ここでそれ自体公知であるようにX=B,Al,NまたはCである。標準的なシステムはマルチコンポーネントシステムであって、ここでは個々の公差は累積される。この場合における典型的な問題は、個々の部分の湾曲、軸方向オフセット、結合およびさらなる成形箇所で直径が厚くなること(成長)、および位置公差である。
【0011】
別の実施形態は、異なる材料から成る2つの部分において特徴を有している。ここで殊に内側部分は主にサーメットまたはモリブデンを含む。また外側部分はニオブまたはニオブに類似した材料を含む。それ自体公知であるように、内部部分はMoピンまたはフィラメントコンポーネントによって囲まれているMoピン、またはサーメットピンである。これは機械的にリードスルー孔内に固定されている。サーメットピンそれ自体は、例えばEP−A887839号から既に公知である。
【0012】
上述したリードスルーの内部および外部の間の調整によって、製造時に標準のソルダガラス(soldering-glass)リングを使用することが可能になる。このリングは、放電容器の終端部を確実に圧迫し、細管および外部部分の外側の両方で、シーリングに対して十分な容量を確実にする。外部部分の直径が大きく選択された場合、次のような危険性が生じる。すなわち、リードスルーのコンタクト表面と、細管の端面との間に信頼性のあるシーリングが形成されるほど充分にソルダガラスが流れず、殊に細管内へ充分に入り込むことが不可能であるというような危険性が生じる。ここで生じる利点は、リードスルーが単一部分構造であるか二部分構造であるかに関係しない。それにもかかわらず、単一部分構造は非常に特殊な利益を提供する。なぜならこれは1つの材料から成り、この場合には、2つの部分の間の小さい差によって、少量の材料だけが、固定された、大きい直径のオリジナルピンから研磨され(milled off)、これによって内部部分が形成される。研磨は機械的に、またはレーザを用いて行われる。
【0013】
その後、外部部分が細管の終端部の端面に対して面を圧迫する。これはこれらの間にまだ存在するソルダガラスの非常に薄い層を伴う。これによって、放電容量内へ、リードスルーに固定された電極の明確な侵入深さが生じる。他方で、二部分リードスルーの場合には、リードスルーの2つのコンポーネントの結合における公差によって、侵入深さにおける増大されたばらつきが観察される。ここで、全体的な結果として、電極間の間隔は格段に良好に定められる。なぜならこの作用は両方の終端部で累積されるからである。この場合には、ストッパを有していない単一部分リードスルーを使用するだけでは全く充分ではない。なぜなら、ストッパの無い自由なポジショニングによって常に、相当大きな公差が、電極の侵入深さにおいて生じてしまうからである。
【0014】
本発明はセラミック放電容器(このコンテキスではしばしばバルブと称される)を製造するためのプロセスにも関する。この方法は以下のステップを有している:すなわち、
a)開放されている細管を有する放電容器を提供し、
b)電極システムを提供し、当該電極システムは異なる材料の2つの部分を含むリードスルーを有しており、放電に関して内部に位置する部分は孔の直径よりも少なくとも10μm小さい外径を有しており、外部に位置する部分は孔の直径よりも僅かに大きい、殊に5〜20μm大きい直径を有しており、
c)ソルダガラスのリングを前記電極システムの幅のより狭い部分に押し込み、この場合には幅のより広い部分はストッパとして用い、
d)細管の終端部上にある前記ソルダガラスリングとともに、前記電極システムを前記細管孔内に導き入れ、
e)前記ソルダガラスリングを加熱し、ソルダガラスの一部を前記細管内に流し込み、これによってシーリングを施す、
ステップを有する。
【0015】
殊に、単一部分リードスルーが使用される場合、本発明によって、細管内の死空間を低減させることが可能になり、電極システムの容易な製造が可能になる。細管内の死空間DVは、DV=細管容量−細管リードスルー容量(細管内に位置している電極システム部分の容量)−ソルダガラスのシーリング長さの容量によってあらわされる。ここでリードスルーのディメンジョンはこのようであるので、個々のコンポーネント(細管、電極システム)および製造プロセス(成形および位置づけ公差)の全ての公差プレセットによって、もはや製造が休止されることはない。これは有利には、高い程度のばらつきを有する死空間へ導く。バルブ充填の一部は、不可逆的に、ランプ作動位置の関数として、細管と電極システムの間のこの死空間内に堆積される。従ってこのバルブ充填量(メタルハライド)は従来では、次のような妥協として選択されなければならなかった。すなわち依然として死空間に対する幅の広い許容公差内で、個々のランプに対して使用に適したな結果を提供する妥協である。この場合、ランプの照明寿命にわたって色位置(color locus)と安定性を保証し、仕様内で色温度ばらつきを保つためには充分な充填量が放電容器内に存在しなければならない。同時に、過度に多くの充填量を加える必要はない。なぜなら、これによって、異なるおよび重大な使用可能寿命問題が生じるからである。充填量における増加とともに再スタートピーク電圧も上昇する。そしてこれによって次には、ランプの効力が早期に無くなってしまう。作動位置への依存性、すなわち、作動位置に相応する色温度差が上昇する。
【0016】
より多い充填量によって、セラミック壁部での浸食が増大する恐れがある(充填物の逃散によって生じる早期故障)。
【0017】
逆に言えば小さい死空間によって、充分な充填量がバルブ内に残り、これによって照明される対象上に影が生じる。
【0018】
従ってこれまで色温度差が製造バッチ毎に生じていた。これはバルブ内に残っている充填量が変化することが原因である。ここでは、死空間に対する格段に低い製造公差によって、これら全ての欠点が回避される。
【0019】
単一部分リードスルーが使用される場合には、本発明によって、細管長さを低減させることができる。温度が上昇するに従って、純モリブデンおよびAlO(放電容器の材料)の異なる熱膨張係数がシーリング領域における亀裂の危険性を上昇させ、従ってこれまで、シーリング領域における温度を低いレベルに保つために、可能な限り長い細管長さが使用されてきた。
【0020】
モリブデン焼結材料等の内部モリブデンコンポーネントおよび外部ニオブピン(適切であるならばNb−Zrピンが使用可能である)を伴う、二部分リードスルーが使用される場合でさえも、これまではこれらの材料の異なる膨張係数を考慮することが必要であった。そして細管長さは、亀裂形成の可能性が最小化されるように寸法が定められなければならない。殊に単一部分リードスルーは、適切なモリブデン材料を一様に使用することで細管長さを短くするオプションを提供する。これによって、よりコンパクトなセラミックメタルハライドランプが提供可能になる。択一的に、ランプ製造の信頼性がより高くなる。ランプ技術は、殊に、ワット数が低い、非常にコンパクトなランプの場合において、放電容器の全体的な長さによって、既にその限界にまで達している。付加的に、これによってさらに細管内の死空間が低減される。従って充填量をさらに抑えることが可能である。
【0021】
モリブデン焼結材料の使用は有利である。なぜなら、その熱膨張係数はAlの熱膨張係数にほぼ等しい、または少なくともAlの熱膨張係数と類似しているからである。
【0022】
本発明は、電極システムの構成において、製造深さを低減させることが可能である。なぜなら必要とされる巻き付け、切断および溶接デバイスの数が少ないからである。バルブ製造においてもこれは当てはまる。なぜなら、電極システムの用意が容易だからである。ランプフレームの構成において、コストが抑えられた予備的材料を使用することも可能になる。なぜなら、適切であるならば、高価なニオブ材料の使用を不要にすることが可能だからである。
【0023】
さらに、単一部分電極システムによって個々のコンポーネント(電極システムとしてのセラミック)の公差を最小化することができる。さらに、製造プロセスから生じる、成形および位置づけ公差に関する別の問題が除去される。
【0024】
従って、リードスルーは有利には成分を1つだけ含む。これは殊にサーメット成分である。Alから成るバルブセラミックと類似の膨張係数を有し、導電性である他の材料も適している。
【0025】
リードスルーの内部部分と外部部分の間のストッパは、電極システムをバルブ内に固定し、これによって明白な電極ギャップを形成する。
【0026】
細管内部に配置されている内部部分の直径は、約±10μmの寸法ばらつきに抑えられている。これによって細管直径と細管リードスルーとの組み合わせを見つけることが可能になる。これは90%までバルブ細管内の死空間を低減させる。細管内の死空間におけるこの低減によって、使用するバルブ充填量はより少なくなる。これはここでは、色温度ばらつき、再スタートピーク電圧および浸食を低減する利点を有する。
【0027】
このタイプのシステムの製造は、格段にシンプルである。タングステン電極とリードスルーとの間の1回の溶接のみが必要とされる。択一的に、この結合はプラグコネクション(圧入(press fit))であり、および/または後者がサーメットとして設計されている場合には、タングステン電極は直接的にリードスルー内に焼結可能である。
【0028】
電極システムの取り扱いがシンプルになる。例えばモリブデンおよびニオブを含む、柔軟なコンポーネントによって生じる電極システム湾曲のリスクが結果として回避される。単一部分リードスルーによって、剛性のリードスルーまたは電極システムが可能になる。
【0029】
ランプフレーム構造に対して、ニオブ以外の材料が使用される場合、通常は、バルブとフレームの間の永久的な結合を確実にするために、溶接補助を使用することが必要である。これとは対照的に、ここでは、それ程高価ではない材料を使用することが可能である。ニオブフレームに対する択一的な選択肢が使用可能である場合には、外管における真空は必要ない。
【実施例】
【0030】
以下の明細書において、本発明を複数の実施例に基づいてより詳細に説明する。
【0031】
図1には、150Wの出力を有するメタルハライドランプが示されている。これは円筒状の外管1を含む。この外管はランプ軸を定め、石英ガラスから成る。これは2つの側で締め付けられ(2)、キャップ(3)される。当然ながら、このランプは1つの側で閉じられ、例えばねじ込みキャップが設けられてもよい。Alセラミックから成る、軸方向に配置された放電容器4は円筒状または凸状で、2つの終端部6を有している。これは外管1内に、2つの供給導体7によって保持されている。これらの供給導体は、フォイル8を介してキャップ部分3と接続されている。この供給導体7はリードスルー9に溶接されている。このリードスルーはそれぞれ、放電容器の終端部6で終端ストッパ内にはめ込まれている。この終端ストッパは、延長細管チューブ12として設計されている(ストッパ細管)。放電容器の終端部6と、ストッパ細管12は例えば直接的に相互にそれぞれ焼結されているか、または相互に統合されて単一部分形状にされる(図2参照)。電極15は、リードスルー9の放電側に配置される。この電極は溶接されるか、またはシンプルにプラグコネクションによって保持される。
【0032】
リードスルー9は、この細管チューブ12の長さの四分の一〜90%にわたって、細管チューブ12内に突出している。これには細管チューブ12内で、放電容量の方向において、伸ばされた電極の柄16が続く。この柄はタングステンから成り、例えばフィラメント17を有している。このフィラメントは、柄の放電側上に押し込まれている。細管内の孔の直径は約950μmであり、リードスルーの内部部分の直径は約840μmである。
【0033】
不活性点弧ガス(例えばアルゴン)に対して付加的に、放電容器の充填物は、水銀と金属ハロゲン化物の添加物を含む。例えば水銀無しの金属ハロゲン化物充填物を使用することもできる。この場合には、選択される点弧ガスは有利にはキセノンであり、殊に1.3barを充分に上回る、高い圧力を有している。リードスルーはソルダガラス19によってシールドされる。このコンテキストでは、ソルダガラスに対して次のことが重要である。すなわち、細管内に、後ろの方の長さの部分にわたって広がるということが重要である。これは図2においてより詳細に示されている。
【0034】
図2には、細管内での35Wランプ34に対する電極システムが詳細に示されている。細管はここでは、統合化されるように選択されている。リードスルー9は、2つの部分から成る。0.61mmの直径を有するニオブピンが、外部部分29として使用されている。約0.56mmの直径を有するMoピン20がこの外部部分29上に嵌め込まれ、このMoピンの突出杭31はニオブピン29内の孔30内に押し込まれる。細管の直径は0.65mmである。Moピン20は孔32を有している。この孔は、電極の柄として用いられるWピン21を収容する。Moピン20は、電極33のWピン21を単に機械的に圧入により保持する。
【0035】
図3には、さらに70ワットランプ35に対する電極システムの実施例が、正確に示されている。これは断面図(図3a)と斜視図(図3b)で示されている。使用されているリードスルー10は、単一部分ピンであり、0.87mmのオリジナルの直径を有している。細管11内の孔41の直径は0.85mmである。ピン10の外部部分36の直径は、ピンのオリジナルの直径に相当し、これはMo5Si2Bから成る。直線的に段が付けられた内部部分37は研磨されて0.79mmにされている。これによって、リードスルーによって満たされる最小死空間が孔41内に残る。
【0036】
放電容器の閉成は、はじめに、放電容器35に、適切であるならばストッパを、または図4に示されているように、組み込み細管11を設けることによって行われる。この放電管は垂直に立っている。さらに、段付けされたリードスルー10および電極33を有する電極システムがその場所に取り付けられる。適切に選択されたソルダガラスのリング19Rは、上方細管11の終端部42上に設けられる。リング19Rの内径は、外部部分36の直径よりも僅かに大きいように選択されている(図4)。リードスルー10ははじめに僅かな距離で、しかし既にソルダガラスリング内に保持される(45)。これはソルダガラス19Rが加熱源46(例えばガスバーナまたはレーザ)によって加熱され、液化され、細管11の孔内に浸入するまで保持される。加熱源としての有利な択一的形態は、無線周波数溶解デバイスおよび外部からはめられた加熱コイルを使用した溶解デバイスである。毛管力のために、ソルダガラスは電極システムと、細管の内壁の間を流れ、これによって死空間の上方部分を満たす。その後、リードスルーは解放される。これは、2つの部分の間に残っている、ソルダガラスのフォイルを伴う。さらにある程度の量のソルダガラスもリードスルーの外部部分の外側に残る。従ってソルダガラスは、合計3つの場所でシーリング作用を有する:細管内では、端面で、およびリードスルーの外側部分の外側である(図3aで示されているように)。W電極および外部供給導体に対するホールを有する単一部分細管リードスルーに対して付加的に、当然ながら、ホールを有していないこのタイプのリードスルーを使用することも可能である。この場合には、電極および/または供給導体は、リードスルーの各終端部上に突合せ溶接される。
【0037】
図5に示した閉成の別の実施形態では、特別なソルダガラスリング19Sが用いられる。これはその高さにおいては低く、幅に関しては広い。このソルダガラスリング19Sは、ストッパとして用いられる、外部部分36の突出部分を有する内部部分37の直径にわたって押圧される。このアセンブリは細管内に挿入される。ここで、再び細管の端面42を圧迫するソルダガラスリング19Sが用いられる。しかし、この場合には、これ単独で行われる。電極システムは、ソルダガラスリングの加熱および溶解によって、保持部45が取り外された後に重力のもとで、端面上に落下する。所望であれば、電極システムが解放される時によって、その落下深さをコントロールすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】セラミック放電容器を伴うメタルハライドランプを示した概略図
【図2】図1に記載されたランプの終端領域の細部を示した図
【図3a】電極システムの別の実施例を示した概略図(断面図)
【図3b】電極システムの別の実施例を示した概略図(斜視図)
【図4】終端領域を閉じるための方法の別の実施例を示した概略図
【図5】終端領域を閉じるための方法の別の実施例を示した概略図
【符号の説明】
【0039】
1 外管、 2 ピンチ、 3 キャップ部分、 4 放電容器、 6 終端部、 7 供給導体、 8 フォイル、 9,10 リードスルー、 11,12 細管、 15 電極、 16 柄、 17 フィラメント、 19 シーリングガラス、 19R,19S ソルダガラスリング、 20,37 内部部分、 21 電極の柄(Wピン)、 29,36 外部部分、 30 孔、 31 突出杭、 32 孔、 33 電極、 34 ランプ、 35 ランプ、 41 孔、 42 終端部、 46 加熱源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック放電容器(4)を有するメタルハライドランプであって、
当該放電容器は2つの終端部(6)を有しており、適切であれば、当該終端部はストッパによって閉じられており、
導電性のリードスルー(9)が孔を通じて当該終端部に通っており、
柄(16)を有する電極(15)が前記リードスルーに固定されており、
当該電極は前記放電容器の内部空間に突出しており、
前記リードスルーと前記電極とがまとめて電極システムと称される形式のものにおいて、
前記リードスルー(16)は2つの部分(20,21)を有しており、当該2つの部分は直径の異なる円筒状ピンとして設計されており、
放電に関して内部に位置する部分は、前記孔の直径よりも少なくとも10μm小さい外径を有しており、
外部に位置する部分は、前記孔の直径よりも僅かに大きい、殊に5〜20μm大きい直径を有しており、
前記2つの部分の間の段は、前記細管の端面で、前記リードスルーに対するストッパとして用いられる、
ことを特徴とする、セラミック放電容器を有するメタルハライドランプ。
【請求項2】
前記リードスルーは単一部分形状で1つの材料から成る、請求項1記載のメタルハライドランプ。
【請求項3】
前記材料は主にモリブデンを含む、請求項2記載のメタルハライドランプ。
【請求項4】
前記2つの部分は異なる材料から成り、殊に前記内部部分は主にサーメットまたはモリブデンを含み、前記外部部分は、ニオブまたはニオブに類似した材料を含む、請求項1記載のメタルハライドランプ。
【請求項5】
セラミック放電容器を製造する方法であって、以下のステップを含み:すなわち
a)開放されている細管を有する放電容器を提供し、
b)電極システムを提供し、当該電極システムは異なる材料の2つの部分を含むリードスルーを有しており、放電に関して内部に位置する部分は前記孔の直径よりも少なくとも10μm小さい外径を有しており、外側に位置する部分は前記孔の直径よりも僅かに大きい、殊に5〜20μm大きい直径を有しており、
c)ソルダガラスのリングを前記電極システムのより狭い部分上に押しつけ、この場合にはより広い部分をストッパとして用い、
または
ソルダガラスリングを前記細管の上方端面上に直接的に配置し、
d)前記細管の端面上にある前記ソルダガラスリングとともに、前記電極システムを前記細管孔内に導き入れ、
e)前記ソルダガラスリングを加熱し、ソルダガラスの一部が前記細管内に流入し、シーリング作用を施す、
ステップを有する、
ことを特徴とする、セラミック放電容器を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−269433(P2006−269433A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83800(P2006−83800)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(390009472)パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング (152)
【氏名又は名称原語表記】Patent−Treuhand−Gesellschaft fuer elektrische Gluehlampen mbH
【住所又は居所原語表記】Hellabrunner Strasse 1, Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】