説明

セラミック放電容器を有する高圧放電ランプ

本発明は、高圧放電ランプ12及びリフレクタランプに関する。前記高圧放電ランプは、1つ以上のハロゲン化合物を含んでいるイオン化充填材が供給されている放電空間24を囲んでいる放電容器22、61を有する。前記放電容器は、第1の端部及び第2の端部33、34を有するセラミック材料51、52によって実質的に構成されている。電流供給導体44は、放電を維持するように、各端部を通って前記放電空間24内に配されている対応する電極42に出ている。前記電流供給導体の少なくとも1つは、イリジウムを有しているロッド44として形成されている。前記ロッドは、前記セラミック材料に直接的に封止されている。前記セラミック材料に直接的に封止されているイリジウムの前記ロッドの使用は、前記ロッドと前記セラミック材料との間の界面が、強く、実質的にクラックを有さないという効果を有しており、結果として、前記高圧放電ランプのより長い寿命をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック放電容器を有する高圧放電ランプに関する。
【0002】
本発明は、リフレクタランプにも関する。
【背景技術】
【0003】
セラミック放電容器を有する高圧放電ランプは、充填材を含んでおり、前記充填材は、例えば、アルゴン又はXeガスのような希ガスの他に、例えば、NaCe、NaTl、NaSc及びNaTlDyハロゲン化物(例えば、ヨウ化物又はこれらの塩類の組合せ)のようなメタルハライド塩混合物も含む。これらのメタルハライド塩混合物は、特に、高いランプ効率、特定の色温度及び特定の値の平均演色評価数Raを得るのに利用されている。
【0004】
この種の高圧放電ランプは、一般に、前記メタルハライド塩混合物の充填材を有している放電空間を囲んでいる放電容器を持っている。前記放電空間は、更に、この間に放電が維持される電極を有している。典型的には、前記電極は、リードスルー導体(フィードスルー導体とも称される)に接続されており、前記リードスルー導体は、前記放電容器を貫通している。前記リードスルー導体を前記放電容器に接続し、これを封止するためには、ガラス材料(別名フリット)が、一般的に使用されている。しかしながら、前記フリットの比較的低い溶融温度と前記高圧放電ランプが動作中である場合の前記放電容器の放電空間における比較的高い温度とのため、前記放電容器は、この内部で前記フリットが前記電極リードスルー導体を前記放電容器に封止している拡張プラグを有している。
【0005】
前記高圧放電ランプの代替的な実施例は、国際特許出願公開第2005/124823号パンフレットから知られている。既知の前記高圧放電ランプは、前記放電容器のそれぞれの側部における第1及び第2の密閉構造を有する放電容器を持っている。前記密閉構造は、前記放電容器に接続されており、それぞれの第1及び第2の電流フィードスルーを有しており、前記電流フィードスルーの少なくとも第2のものが、前記第2の密閉構造を形成している拡張セラミックプラグへの焼結結合を持っている管を有している。モリブデン、レニウム、タングステン、イリジウム及びこれらの合金から選択される金属から成ると共に、バナジウム及び/又はチタンも任意に含んでいる管が、電流供給導体を囲んでいると共に、細孔空間を維持している。管及び電流供給導体は、拡張セラミックプラグの外側の端部と一緒に溶接され、この溶接箇所は、前記細孔空間の気密封止を構成している。この既知の高圧放電ランプは、かなり複雑な密閉構造及び比較的短い寿命という不利な点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
更なる既知のランプの構造は、欧州特許第1580797号に記載されている。このランプは、プラチナ族から選択された金属からできており、はんだによってセラミックプラグに封止されている少なくとも1つのボール形部分のリードスルー構造を有している。
【0007】
この既知の構造は、複数の不利な点を有する。この封止の工程の間、はんだは、密封領域の外側を流れ落ち、電極自体の上に流れる傾向がある。従って、前記放電容器によって囲まれている放電空間内に存在する前記はんだの塊が、放電空間の充填材を汚染し、当該ランプの光特性に悪影響を与え、従って、当該ランプの寿命に有害な効果を有する。
【0008】
更に、このボール形は、セラミックプラグ及びリードスルー要素によって囲まれているボリュームが完全に充填されている場合に問題を呈するので、不利である。このことは、リードスルー要素が2つ以上のボール形部分の列から構成されている場合に、いっそう真実である。
【0009】
更に、セラミックプラグ及びリードスルー要素の金属との強い結合を形成することができると共に、1000時間よりも長いランプ寿命にわたって当該ランプの動作条件に耐える適切なはんだが存在しないことも、不利な点である。
【0010】
本発明の目的は、より長い寿命を有するメタルハライド放電ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の見地によれば、この目的は、1つ以上のハロゲン化合物を含むイオン化充填材が供給されている放電空間を囲んでいる放電容器であって、第1の端部及び第2の端部を持つセラミック材料によって実質的に構成されている前記放電容器と、そして、放電を維持するように、前記放電空間内に配されているそれぞれの電極に各端部を通じて出ている電流供給導電体であって、前記電流供給導電体の少なくとも1つが、イリジウムを有するロッドとして形成されている、電流供給導体とを有している高圧放電ランプによって達成される。好適な実施例において、前記ロッドは、前記セラミック材料に直接的に封止されている。
【0012】
本発明による手段の効果は、前記セラミック材料に直接的に封止されるイリジウムを有する前記ロッドの使用の結果として、前記ロッドと前記セラミック材料との界面における前記放電容器の壁のセラミック材料内に形成されるクラックのリスクが、非常に減少することにある。このことは、当該高圧放電ランプの寿命の有効な増大に、著しい影響を及ぼす。
【0013】
本発明による高圧放電ランプの好適な実施例において、前記ロッドは、焼結結合によって前記セラミック材料に直接的に封止されており、この結果、前記ロッドと前記セラミック材料との間の直接的な接続を介した前記放電容器の真空密閉又は封止を生じる。前記ロッドの断面は、例えば、円、楕円、平方又は角形のような、如何なる形状も有し得る。
【0014】
更なる好適な実施例において、Irを有する前記リードスルーのロッドは、例えば、封止ガラス又は結晶封止セラミックのような、適切な封止組成物によって前記セラミック放電容器の前記壁に直接的に固定されており、従って、前記放電容器の気密封止を形成している。
【0015】
本発明者らは、既知の高圧放電ランプにおける前記セラミック材料に直接的に焼結されている前記管が、オン/オフに切り換えられた場合の既知の高圧放電ランプの加熱及び冷却により、繰り返し変形されていることを認識した。前記既知の高圧放電ランプにおけるこの繰り返される変形は、特に前記管と前記セラミック材料との間の界面において、前記セラミック材料内にクラックを生じ、このことは、結果として前記放電容器の漏出を生じ、結果として、典型的には既知の前記高圧放電ランプの寿命の終わりを生じる。本発明によるイリジウムを有するロッドが使用される場合、前記ロッドは、管と比較するとあまり変形せず、このように、前記ロッドと前記セラミック材料との間の界面におけるクラックが減少され、この結果、前記高圧ガス放電ランプのより長い寿命をもたらす。
【0016】
Ir及びNbの熱膨張比の違いが、アルミナの熱膨張比に対してごくわずかであることは真実である。しかしながら、Nbは、セラミック放電容器内のリードスルー導体に使用される非常に最も一般的な金属であり、確実に、Irよりも延性がある。この点に関して、驚いたことに、直接的に封止されているリードスルー要素の形成において、Irロッドは、高圧放電ランプの信頼性できる長期にわたるフィードスルー構造をもたらすのである。更に、このことは、前記ランプの前記フィードスルーの封止のあまり複雑でない構造をもたらし、産業規模の大量生産において大いに有利である。
【0017】
本発明による前記セラミック材料に直接的に封止されているイリジウムのロッドの使用は、小さい放電容器についての更なる有利な点を有しており、前記高圧放電ランプの更なる小型化をもたらす。イリジウムを有している前記ロッドが焼結結合によって前記セラミック材料に直接的に封止されている場合、イリジウムを有している前記ロッドと前記セラミック材料との間の接続は、一般的に、高温に耐えることができ、この結果、前記ロッドと前記セラミック材料との間の接続は、前記放電容器の放電の比較的近くに設けられることができる。このことは、前記高圧放電ランプの小型化を可能にする。
【0018】
この直接的な封止が封止フリットによって作られている場合、前記封止フリットは、一般的に、例えば、Al、Dy及びSiOのような、材料のような、種々のガラス様の材料の組成物を有している。前記封止フリットの使用の見地は、典型的には、融点が、前記高圧放電ランプの放電空間内の平均動作温度より低いことにある。結果として、前記封止フリットは、好ましくは、前記高圧ガス放電ランプの前記放電空間から幾らかの距離において設けられる。特に、小さい寸法の放電容器において、このことはプラグとして形成されている前記高圧放電ランプの第1の端部及び第2の端部であって、放電から離れて延在している第1の端部及び第2の端部によって達成される。この構造における前記封止フリットの近くの比較的低い温度により、1つ以上のハロゲン化合物を含む前記高圧放電ランプの前記イオン化充填材の塩成分は、前記フリットによってかなり減少された反応度を有する。
【0019】
本発明によるセラミック材料に直接的に封止されているイリジウムのロッドの使用は、特に前記直接的な封止が焼結結合によって形成されている場合における前記放電容器全体にわたる比較的高い温度を可能にするという付加的な有利な点を有しており、このことは、前記放電容器内部の、より均一な温度分布を生じ、このランプの前記維持を促進し、従って、より長い寿命に貢献する。他のフィーチャの中で、前記放電容器の全体にわたる比較的高い温度は、前記放電容器の1つの部分から他の部分までの前記セラミック材料の移動を減少し、このことは、更に、前記高圧放電ランプのより長い寿命に貢献する。放電からかなり遠くに突出している拡張プラグを有する放電ランプにおいて、比較的大きな温度差が、放電の近くの放電容器と、前記拡張プラグの端部の近く放電容器との間で生じる。この比較的大きな温度差は、セラミック材料を前記放電容器の内壁から前記端部に移動させ得て、放電の近くの放電容器を弱め、従って、前記高圧放電ランプの寿命を短縮する。前記セラミック材料に直接的に封止されているイリジウムを有する前記ロッドの使用は、拡張プラグの長さを著しく減少されたものに保持する可能性を提供し、この結果、前記セラミック材料の移動が減少されることができ、前記高圧放電ランプの寿命の更なる増大にも貢献する。前記高圧放電ランプの比較的均一な温度の更に有利な点は、前記高圧放電ランプの色安定性の改善である。
【0020】
本明細書及び添付請求項において、「セラミック材料」とは、耐熱材料(例えば単結晶金属酸化物(例えば、サファイア)、多結晶金属酸化物(例えば、多結晶高密度焼結酸化アルミニウム及びイットリウム酸化物)、及び多結晶非酸化物材料(例えば、窒化アルミニウム)を意味するものだと理解される。このような材料は、ほとんど完全に高密度である場合、半透明(translucent)にされることができ、1500〜1700のケルビンの壁温度を可能にし、ハロゲン化合物及び他の充填材成分による化学的侵食に対する耐性が高い。本発明の目的のためには、多結晶酸化アルミニウム(PCA)が、最適であると分かっている。
【0021】
当該高圧放電ランプの実施例において、焼結結合が、前記ロッドと前記セラミック材料との間に形成され、前記ロッドと前記セラミック材料との間の直接的な封止を構成している。この実施例は、如何なる隙間も前記セラミック材料と前記ロッドとの間に残されず、隙間への塩成分の沈殿により前記放電空間から抽出されるイオン化充填材の塩成分を最小にするという有利な点を有している。この隙間が存在しないことは、高圧ガス放電ランプの色安定性を向上させる。
【0022】
本発明による放電ランプの更なる実施例において、Irを有するロッドとして形成されている前記電流供給導体と、前記放電容器の前記セラミック材料との間の直接的な封止は、封止フリットによって形成されている。この実施例は、よく証明されたランプ作製技術が、基本的に変更なく保持されることができるという有利な点を有する。更に、前記ロッドの形状は、封止フリットを、封止断面における前記セラミック部分及びIrロッドの両方の表面上に均一に拡散させ、結果として、信頼できると共に、ボール形断面を有する電流導体構造を備える場合よりも強い結合をもたらす。
【0023】
封止フリットによる直接的な封止の品質、強さ及び耐久性に更に貢献するために、前記Irロッド及び前記セラミック材料は、封止の場所において先細りにされている。前記セラミック部分と電流供給導体としての前記Irロッドとの両方の先細りにされている形状は、両者間の自己位置合わせ嵌合(a self-aligning fit)を提供し、従って、当該封止の長さにわたる封止フリットの均一な分布に貢献する。更に、この構造の形状は、封止の工程の間、封止フリットが放電空間内に流入するのを防止するのを助ける。
【0024】
代替的な構造において、Irロッドは、セラミック前記放電容器の外面において前記封止フリットによって封止されているフランジを備えている。この構造において、前記フランジは、前記セラミックプラグの先端又は前記セラミックの容器の壁の端部における一種のキャップを形成している。この形状の性質によって、前記封止フリットが放電空間内に流入することは実質的に不可能であると同時に、前記封止フリットによって形成されている封止は、前記ランプが動作中である場合、放電から比較的大きく離れて位置されている。このようにして、前記封止フリットを放電空間の外に維持すること、前記封止フリットを、ランプ動作の間、比較的冷たく保つこととの両方の有利な点が、達成される。
【0025】
前記高圧放電ランプの実施例において、前記放電容器は、前記第1の端部及び前記第2の端部を持っている半透明のセラミックバーナと、前記半透明のセラミックバーナの前記第1の端部及び/又は前記第2の端部を封止しているセラミックプラグと、前記セラミックプラグに直接的に封止されているイリジウムを有する前記ロッドとを有する。この実施例は、セラミックプラグの使用が、前記半透明のセラミックバーナ内の比較的大きい開口を可能にし、前記電流供給導電体の放電に面している側における構造を使用する可能性を提供するという有利な点を有する。これらの拡張構造は、コイル又は球体としても一般に知られている。前記高圧放電ランプ内のコイル又は球体の使用は、例えば、前記高圧放電ランプの点火の間や、例えば、光強度を増大する/調光する場合に、生じるタングステンのスパッタリングによる前記放電容器を黒くする効果を低減するという有利な点を有する。
【0026】
前記高圧放電ランプの実施例において、前記セラミックプラグと前記半透明のセラミックバーナとは、異なるセラミック材料によって構成される。この実施例は、前記セラミックプラグが、イリジウムを有している前記ロッドと前記セラミックプラグとの間の完全な接続を可能にするように選択される異なるセラミック材料によって構成されることができるという有利な点を有する。例えば、前記異なるセラミック材料は、イリジウムを有している前記ロッドと比較して、実質的に同一の膨張係数を有するように選択され、この結果、前記ロッドと前記セラミックプラグとの間の熱応力が最小化される。代替的には、例えば、前記セラミックプラグの前記異なるセラミック材料は、前記ロッドと前記セラミックプラグとの間に強力な真空密閉を形成するように選択される。前記異なるセラミック材料は、例えば、前記半透明のセラミックバーナのものと比較して、(化学的に)異なる材料から構成されていても良く、又は、例えば、単に、前記半透明のセラミックバーナのための予備焼結よりも高い温度で実施されるような、異なる予備焼結の工程による前記半透明のセラミックバーナとは異なるものであり得る。一般に、前記放電空間内で生成される光は、前記高圧放電ランプから発されなければならず、従って、前記放電容器の少なくとも一部は、半透明のセラミック材料によって構成されていなければならない。前記放電容器が、半透明のセラミックバーナ及びセラミックプラグを有する場合、前記セラミックプラグの前記異なるセラミック材料が、必ずしも半透明であらなければならないというわけではなく、より広い範囲のセラミック材料が、本発明による前記高圧放電ランプにおけるセラミックプラグとして使用されることを可能にする。前記セラミックプラグの前記セラミック材料は、例えば、前記イリジウムのロッドを前記セラミックプラグに焼結する工程の間にも変化し得て、この結果、前記セラミックプラグのセラミック材料は、前記半透明のセラミックバーナの前記セラミック材料とは異なる。このことは、前記ロッドと前記セラミックプラグのとの間の強力で気密な接続を生じる焼結工程の使用を可能にすると共に、例えば、前記セラミックプラグの前記セラミック材料の半透明の特徴を低減させる。
【0027】
前記高圧放電ランプの実施例において、前記半透明のセラミックバーナの壁と前記セラミックプラグとの間の更なる焼結結合が、前記半透明のセラミックバーナを前記セラミックプラグによって封止するために配される。この実施例は、前記更なる焼結結合が、一般に、前記高圧放電ランプの攻撃的な環境に耐性があり、少数の異なる材料のみによって構成されており、この結果、比較的単純な封止工程をもたらすという有利な点を有する。
【0028】
前記高圧放電ランプの実施例において、フリットは、前記半透明のセラミックバーナを前記セラミックプラグによって封止するように、半透明のセラミックバーナの壁と前記セラミックプラグのとの間に配されている。この実施例は、前記半透明のセラミックバーナが、前記セラミックプラグによって封止されることができると共に、前記フリットを比較的低い温度において使用し、従って、充填材の成分の気化を防止するという有利な点を有する。このことは、水銀を前記放電容器のイオン化充填材の充填材成分として使用する場合であって、前記半透明のセラミックバーナが封止される前に、水銀の温度が300℃を上回ってはならない場合において、特に有益である。
【0029】
しかしながら、前記半透明のセラミックバーナを前記セラミックプラグによって封止する前記フリットの使用によって、前記フリットは、前記放電空間内の高温の放電の比較的近くにある。従って、この構造は、非常に少ない充填量を有するランプに特に適している。従って、前記充填材が、動作の間、実質的に完全に気化するランプにおいて、前記フリットの放電空間に比較的近いこの仕方における使用が、可能である。
【0030】
前記高圧放電ランプの実施例において、イリジウムを有する前記ロッドは、600μm未満、好ましくは300μm未満の直径を有する。600μm以上の直径を有するロッドは、しばしば、前記ロッドと前記セラミック材料との間の界面におけるクラックを呈し、前記クラックは、一般に前記イリジウムのロッドと前記放電容器の前記セラミック材料との熱膨張の間の違いから生じる。これらのクラックは、典型的には、前記放電容器の漏れを生じ、典型的には、前記高圧放電ランプの寿命の終わりを生じる。一方では、より小さい直径は、前記ロッドと前記セラミック材料との間の界面におけるより小さい熱応力を保証し、前記放電ランプの寿命を増大させる。他方では、より小さい直径は、低減された伝導(特に熱伝導)に繋がる。更に、このような小さい直径のロッドを扱うことは、より複雑である。約100μmと300μmとの間のロッド直径が、良好な妥協点であることが分かっている。
【0031】
本発明は、更に、本発明による高圧放電ランプを有するリフレクタランプに関する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1A】本発明による高圧放電ランプの実施例の断面図である。
【図1B】本発明による高圧放電ランプの実施例の断面図である。
【図2A】本発明による高圧放電ランプの端部の断面図であり、電流供給導電体は、半透明のセラミックバーナの開口内に配されているセラミックプラグに封止されている。
【図2B】本発明による高圧放電ランプの端部の断面図であり、電流供給導電体は、半透明のセラミックバーナの開口内に配されているセラミックプラグに封止されている。
【図3A】本発明による高圧放電ランプの端部の断面図であり、電流供給導電体は、半透明のセラミックバーナの開口上のキャップとして配されているセラミックプラグに封止されており、セラミックプラグ、は、フリットによって半透明のセラミックバーナに取り付けられている。
【図3B】本発明による高圧放電ランプの端部の断面図であり、電流供給導電体は、半透明のセラミックバーナの開口上のキャップとして配されているセラミックプラグに封止されており、セラミックプラグ、は、フリットによって半透明のセラミックバーナに取り付けられている。
【図4A】本発明による高圧放電ランプの端部の断面図であり、直接的な封止は、記電流供給導電体を前記半透明のセラミックバーナに封止するための封止フリットによって、前記電流供給導電体と前記半透明のセラミックバーナとの間に配されている。
【図4B】本発明による高圧放電ランプの端部の断面図であり、直接的な封止は、記電流供給導電体を前記半透明のセラミックバーナに封止するための封止フリットによって、前記電流供給導電体と前記半透明のセラミックバーナとの間に配されている。
【図5】本発明によるリフレクタランプを示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明のこれら及び他の見地は、後述される実施例を参照して、明らかになり、説明されるであろう。
【0034】
これらの図は、単に模式的なものであり、縮尺で描かれているものではない。特に明確にするため、多少の寸法は、強く誇張されている。図面における類似の構成要素は、可能な限り、同一の符号によって示されている。
【0035】
図1A及び1Bは、本発明による高圧放電ランプ10、12の実施例の断面図である。これらの実施例において、放電ランプ10、12は、放電空間24を囲んでいる放電容器21、22を有している。放電容器21、22は、酸化アルミニウム(Alのような、セラミック材料によって実質的に構成されている。放電容器21、22は、更に、ここから電流供給導電体44が放電容器21、22を介して出ている第1の端部31、33及び第2の端部32、34を有している。電流供給導電体44は、イリジウムを有しているロッドによって形成されている。一般に、電極42は、放電空間24に面している側において電流供給導電体44に接続されている。前記電極は、しばしば、タングステンによって構成されている。更に、電流リード46が、放電空間24から外方を向いている側において電流供給導電体44に接続されている。電流リード46は、しばしば、高圧放電ランプ10、12に電力を供給する電源(図示略)に、電流供給導体44を介して電極42を接続しているモリブデンによって構成されている。
【0036】
図1Aに示されている放電ランプ10の実施例において、放電容器21は、壁210を備えている半透明のセラミックバーナと、セラミックプラグ61とを有し、両方とも、第1のセラミック材料から構成されている。半透明のセラミックバーナの壁210は、実質的に円筒状であり、第1の端部31においては、イリジウムを有する前記ロッドである電流供給導電体44によって封止されており、第2の端部において、半透明のセラミックバーナの壁210上のキャップとしてのセラミックプラグ61を備えている。壁210を有する円筒状の半透明のセラミックバーナは、比較的容易に、かつ、比較的低いコストで製造されることができる。
【0037】
セラミックバーナ21の第1の端部31において、電流供給導体44は、前記第1のセラミック材料と電流供給導体44のイリジウムのロッドとの間の焼結結合71を介して、半透明のセラミックバーナ21のセラミック材料に直接的に封止されている。半透明のセラミックバーナの壁210の前記第1のセラミック材料と電流供給導体44の前記ロッドとの間の焼結結合71は、例えば、電流供給導体44のイリジウムのロッドを囲んでいる前記第1のセラミック材料の温度を、例えば、炉を使用して、1700℃と1800℃との間の焼結温度まで上昇させることによって、生成されることができる。代替的には、焼結結合71は、例えば、最初に、約1000℃と1400℃との間の温度でセラミックバーナの壁210を予備焼結し、この後、セラミックバーナの壁210の孔に前記イリジウムのロッドを設けた後、実質的に真空気密な、焼結結合の封止を形成するように、イリジウムのロッドの周りのセラミックバーナの壁210を焼結することによって生成されることができる。
【0038】
セラミックバーナの壁210の第2の端部32において、電流供給導体44は、前記セラミックプラグ61の前記第1のセラミック材料と電流供給導体44の前記ロッドとの間の焼結結合71によってセラミックプラグ61に直接的に封止されている。この後、セラミックプラグ61は、例えば、セラミックプラグ61と半透明のセラミックバーナの壁210との間の更なる焼結結合72によって前記半透明のセラミックバーナを封止する。図1Aに示されている実施例において、セラミックプラグ61の前記第1のセラミック材料は、半透明のセラミックバーナの壁210の前記第1のセラミック材料と実質的に同一である。セラミックプラグ61の使用は、前記第1の端部に示されている電流供給導体44の前記ロッドと半透明のセラミックバーナの壁210との間の焼結結合71を作る焼結工程と比較して、電流供給導体44の前記ロッドとセラミックプラグ61との間の焼結結合710を作る異なる焼結の工程を可能にするという有利な点を持っている。電流供給導体44の前記ロッドと前記半透明のセラミックバーナの壁210との間に焼結結合が作られる場合、この焼結工程が、半透明のセラミックバーナの壁210の半透明の特徴を変えるべきではない。このことは、焼結結合710を作る焼結工程の選択を制限し、従って、結果として、電流供給導体44のロッドと、半透明のバーナ壁210との間のより最適でない焼結結合710をもたらし得る。セラミックプラグ61の使用のため、セラミックプラグ61と電流供給導体44の前記ロッドとの間の焼結結合710を作るための異なる焼結工程が選択されることもでき、例えば、セラミックプラグ61の前記セラミック材料と電流供給導体44の前記ロッドとの間のより強力な結合をもたらす工程が選択されることができる。この異なる焼結工程がセラミックプラグ61の前記第1のセラミック材料の前記半透明の特徴を変える場合、このことは、高圧放電ランプ10の放出特性にわずかだけ影響する。前記半透明のセラミックバーナの壁210及びセラミックプラグ61の両方に対する実質的に同一の第1のセラミック材料の使用により、セラミックプラグ61と半透明のセラミックバーナの壁210との熱膨張のような、実質的に同一の材料特性をもたらす。このことは、結果として、例えば、動作中、高圧放電ランプ10が、それぞれ、オン/オフに切り換えられる際に加熱される及び冷却される場合、セラミックプラグ61と半透明のセラミックバーナの壁210との間の熱の歪みが、比較的小さいことをもたらす。この比較的小さい熱の歪みは、結果として、高圧放電ランプ10の比較的長い寿命をもたらす。更に、セラミックプラグ61の使用は、半透明のセラミックバーナの壁210内の比較的大きい開口を可能にし、例えば、電極42における拡張構造48(図1Bを参照)を使用する可能性を提供する。これらの拡張構造48は、コイル(図示せず)又は球体48としても一般的に知られている。コイル又は球体48の使用は、例えば、高圧放電ランプ10の点火の間や、例えば、光強度を増大させる/調光する場合に生じ得るタングステン42のスパッタによって生じる放電容器の壁210を黒くする効果を軽減する。
【0039】
図1Bに示されている放電ランプ12の実施例において、放電容器22は、前記第1のセラミック材料と、前記第1のセラミック材料とは異なる第2のセラミック材料によって構成されているセラミックプラグ61とによって構成されている壁220を有する半透明のセラミックバーナを有する。壁220を備える前記半透明のセラミックバーナは、バルブ形であり、第1の端部33においては、電流供給導体44の前記ロッドによって封止されており、第2の端部34においては、半透明のセラミックバーナの壁220上のキャップ61として配されているセラミックプラグ61によって封止されている。前記バルブ形の半透明のセラミックバーナの放電空間24内の放電は、前記バルブ形の半透明のセラミックバーナの壁220から更に離れて位置されており、結果として、典型的には、半透明のセラミックバーナの壁220の低い壁温度のため、高圧放電ランプ12の改良された演色評価数と改良された寿命とをもたらす。
【0040】
壁220を有するセラミックバーナの第1の端部31において、図1Aに示した実施例と実質的に同じように、電流供給導体44のロッドは、前記第1のセラミック材料と電流供給導体44の前記イリジウムのロッドとの間の焼結結合71によって半透明のセラミックバーナの壁220の前記第1のセラミック材料に直接的に封止されている。
【0041】
半透明のセラミックバーナの壁220における第2の端部34において、電流供給導体44は、セラミックプラグ61の前記第2のセラミック材料と電流供給導体44の前記ロッドとの間の焼結結合710によって、セラミックプラグ61に直接的に封止されている。この後、セラミックプラグ61は、半透明のセラミックバーナの壁220を、例えば、セラミックプラグ61と半透明のセラミックバーナの壁220との間の更なる焼結結合72によって封止する。前記第1のセラミック材料は、例えば、動作中、高圧放電ランプ12の放電空間24の放電から発される光に対して実質的に半透明であるように選択される。前記第2のセラミック材料は、例えば、電流供給導体44とセラミックプラグ61との間の強い焼結結合710を得るように選択される。放電空間24の放電から発される光に対する前記第2のセラミック材料の半透明特性は、高圧放電ランプ12の放出特性にわずかにだけ影響する。このことは、それで、電流―供給導体44の前記ロッドと前記セラミックプラグ61との間の強力な焼結結合710を得るように選択されるべき第2のセラミック材料のより幅広い選択を可能にする。
【0042】
図1A及び1Bに示した実施例において、セラミックプラグ61は、射出成形、押し出し及びスリップ鋳造のような、よく知られている成形工程によって、電流供給導体44の周りに生成されることができる。
【0043】
高圧放電ランプ10、12の実施例において、電流供給導体44のロッドは、600μm未満の、好ましくは300μm未満の直径dを有する。600μm未満の直径を有するロッドを使用する場合、例えば、前記セラミック材料と電流供給導体44の前記ロッドとの熱膨張の残りの違いによって生じる焼結結合71、710における残りの熱の歪みは、比較的小さいまま残り、使用中、それぞれ、オン/オフに切り換えられた場合に、前記高圧放電ランプ10、12が加熱される及び冷却される場合に、クラックが焼結結合71、710内に生じるのを防止する。
【0044】
図2A及び2Bは、本発明による高圧放電ランプ14、15の端部32、34の断面図である。放電容器21、22は、壁210、220とセラミックプラグ62とを備える半透明のセラミックバーナによって構成されている。図1A及び1Bに示した実施例とは対照的に、図2A及び2Bに示されているセラミックプラグ62は、図1A及び1Bに示されているキャップ61としての場合よりも、むしろ半透明のセラミックバーナの壁210(220)の開口内に実質的に配されている。セラミックプラグ62のこの配置は、典型的には、セラミックプラグ62と半透明のセラミックバーナの壁210、220との間の焼結結合を生成し、この結合は、図1A及び1Bにおける半透明のセラミックバーナの壁の210、220の開口上のキャップとしてのセラミックプラグ61の使用と比較して、より強力である。この強力な焼結結合72を得るために、セラミックプラグ62は、例えば、前記半透明のセラミックバーナの壁210、220よりも高い温度において予備焼結される。予備焼結されたセラミックプラグ62が予備焼結された半透明のセラミックバーナの壁210、220に焼結された場合、この壁210、220は、セラミックプラグ62よりも縮み、実質的に真空気密の強力な結合を作る。更に、このより強力な焼結結合72は、典型的には、セラミックプラグ62が半透明のセラミックバーナの壁210、220の開口に嵌合する場合、焼結結合72の増大された接続領域から生じるものである。
【0045】
図2Aに示した実施例において、実質的に円筒状の半透明のセラミックバーナの壁210及びセラミックプラグ62は、両方は、前記第1のセラミック材料によって構成される。焼結結合710は、電流供給導体44とセラミックプラグ62との間に配されており、更に、焼結結合72は、セラミックプラグ62と前記半透明のセラミックバーナの壁210との間に配される。再び、前記セラミックプラグ62及び前記半透明のセラミックバーナの壁210に対する前記第1のセラミック材料の使用は、結果として、例えば、動作中、高圧放電ランプ14が、それぞれ、オン/オフに切り換えられる際に加熱される又は冷却される場合に、セラミックプラグ62と半透明のセラミックバーナの壁210との間の比較的小さい熱の歪みをもたらす。この比較的小さい熱の歪みは、結果として、高圧放電ランプ14の比較的長い寿命をもたらす。セラミックプラグ62に電流供給導体44を封止する焼結工程は、強力かつクラックのない焼結結合710のために最適化されることができ、場合によっては、セラミックプラグ62の前記第1のセラミック材料の半透明の特徴の部分を失う。
【0046】
図2Bに示されている実施例において、バルブ形の半透明のセラミックバーナの壁220は、前記第1のセラミック材料によって構成されており、セラミックプラグ62は、第2のセラミック材料によって構成される。前記第1のセラミック材料は、動作中、例えば、高圧放電ランプ15の放電空間24の放電から発される光に対して実質的に半透明であるように選択される。前記第2のセラミック材料は、例えば、前記電流供給導体44とセラミックプラグ61との間の強い焼結結合710を得るように選択される。
【0047】
図2A及び2Bに示されている実施例において、セラミックプラグ62は、半透明のセラミックバーナの壁210、220から延在している。しかしながら、セラミックプラグ62は、高圧放電ランプの端部31、33に配されることもできる。
【0048】
図3A及び3Bは、本発明による高圧放電ランプ16、17の端部32、34の断面図であり、電流供給導体44は、半透明のセラミックバーナ21、22の開口上のキャップとして配されているセラミックプラグ61に封止されており、セラミックプラグ61は、フリット73によって半透明のセラミックバーナの壁210、220に取り付けられている。高圧放電ランプ16、17の放電容器21、22は、半透明のセラミックバーナの壁210、220及びセラミックプラグ61によって構成されている。フリット73の使用は、比較的低い温度における放電容器21、22の比較的速い閉止を可能にする。このことは、高圧放電ランプ16、17のイオン化充填材における水銀を使用する場合、前記半透明のセラミックバーナが封止される前の水銀の蒸着を防止するように、水銀を含む前記イオン化充填材の温度は300℃を超えてはならないので、特に有益である。
【0049】
図3Aに示されている実施例において、実質的に円筒状の半透明のセラミックバーナの壁210は、前記第1のセラミック材料によって構成されており、セラミックプラグ62は、前記第2のセラミック材料によって構成されている。更に、第1のセラミック材料は、例えば、動作中、高圧放電ランプ16の放電空間24の放電から発される光に対して実質的に半透明であるように選択される。前記第2のセラミック材料は、例えば、電流供給導体44とセラミックプラグ61との間の強い焼結結合710を得るように、選択される。
【0050】
図3Bに示されている実施例において、バルブ形の半透明のセラミックバーナの壁220及びセラミックプラグ61は、両方とも前記第1のセラミック材料によって構成される。焼結結合710が、電流供給導体44とセラミックプラグ61との間に配されており、フリット73は、セラミックプラグ61と半透明のセラミックバーナの壁220との間に配されている。また、セラミックプラグ62及び半透明のセラミックバーナの壁220への前記第1のセラミック材料の使用は、結果として、例えば、動作中の高圧放電ランプ17のセラミックプラグ62と、半透明のセラミックバーナの壁220と間の比較的低い熱歪みを生じる。半透明のセラミックバーナの壁220とセラミックプラグ62との間の(動作中の)この比較的低い熱歪みは、結果として、フリット73における比較的小さい熱歪みを生じ、フリット73内に現れるクラックを防止し、高圧放電ランプ17の寿命を向上させる。セラミックプラグ62に電流供給導体44を封止するための焼結工程は、強く、クラックのない焼結結合710のために最適化されることができ、場合によっては、セラミックプラグ62の前記第1のセラミック材料の半透明の特性の部分を失う。
【0051】
図4A及び4Bは、本発明による高圧放電ランプの端部32の断面図であり、封止フリット74は、電流供給導体44の、前記放電容器(図示略)の半透明のセラミック材料への直接的な封止を形成している電流供給導体44と半透明のセラミックプラグ61との間に配されている。封止フリット74は、例えば、Al(Dy及びSiO)から成る。これは、電流供給導体44の周りに真空密封を形成し、半透明のセラミックバーナの壁210、220を封止している。
【0052】
図4Aは、Irロッドがフランジ440を備えている当該高圧放電ランプの封止構造の実施例を示しており、フランジ440は、封止フリット74によってセラミックプラグ61の外面に封止されている。この構造において、フランジ440は、セラミックプラグ61の先端における一種のキャップを形成している。代替的には、フランジ440は、前記セラミック容器の壁の端部に直接的に密封される。その形状の性質によって、前記封止フリットの前記放電空間内への流入は、事実上不可能であると同時に、封止フリット74によって形成されている封止は、前記ランプが動作中の場合、放電から比較的大きい距離をおいて位置されている。このようにして、封止フリットを放電空間の外に保持することと、これをランプの動作中、比較的冷たく保持することとの両方の効果が、達成される。(封止フリットによって部分的に満たされ得る)非常に薄い隙間740は、封止フリットによって部分的に充填されることができ、セラミックプラグ61の長手方向と電流供給導体44を形成しているIrロッドとに沿って残っている。隙間740を部分的に満たすことによって、前記隙間のボリュームはできるだけ小さいものであり、従って、ランプ動作の間、充填材の成分が凝縮するのが可能である前記ボリュームを最小化する。
【0053】
図4Bは、Irロッド及びセラミックプラグ61が、当該封止の場所において先細りにされている高圧放電ランプの封止構造の実施例を示している。部分610にわたるセラミック部分と、部分444にわたる電流供給導体44としてのIrロッドとの両方の先細りにされた形状は、両者の間の自己位置合わせ嵌合を提供し、従って、前記封止の長さにわたる封止フリット74の均一な分布に貢献する。更に、この構造の形状は、封止フリット74が、封止工程の間、前記放電空間内に流入するのを防止するのを助ける。代替的には、直接的な封止が、先細りにされている部分444を有する電流供給導体44としてのIrロッドと、前記セラミック放電容器の端部における先細りにされている部分との間に作られる。
【0054】
前記放電容器の一方の端部における封止フリットによる直接的な封止の記載されている種類のうちの1つと、前記放電容器の他方の端部における他のものとの組み合わせを有することも更に可能である。
【0055】
封止フリットによる直接的な封止を有する構造において、Irロッドは、少なくとも電極42に接続されている端部において先細りにされている場合、例えば、400μm以下、好ましくは300μm以下の小さな直径を有する。フランジ440は、好ましくは、2mm、又はより好ましくは1mmの外径と、100μm未満のフランジ厚さという寸法を有する。0.5〜0.8mmのフリット長が、前記ランプの寿命を長続きさせることができる真空密封を達成するのに十分であることが分かっている。
【0056】
図5は、本発明によるリフレクタランプ100を示している。リフレクタランプ100は、本発明による高圧放電ランプ12を有している。
【0057】
上述の実施例は、本発明を制限するというよりは、むしろ、説明しているものであり、当業者であれば、添付請求項の範囲を逸脱することなく、多くの他の実施例を設計することができるであろうことに留意されたい。
【0058】
当業者であれば、図1〜4に示されている各端部31、32、33、34は、異なる端部31、32、33、34の何らかの組合せも含み、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明による高圧放電ランプ10、12、14、15、16、17、18、19を得るために利用されることができることが分かるであろう。
【0059】
前記請求項において、括弧内に位置されている如何なる符号も、前記請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。「有する」なる語の使用は、前記請求項において述べられていない要素又はステップの存在を除外しているものではない。単数形の要素は、複数のこのような要素の存在を除外しているものではない。本発明は、幾つかの異なった要素を有するハードウェアによって実施されることができる。幾つかの手段を列挙している装置の請求項において、これらの手段の幾つかは、1つの同じハードウェアの項目によって実施されることができる。特定の手段が、相互に異なる従属請求項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有効に使用されることができないと示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のハロゲン化合物を含んでいるイオン化充填材が供給されている放電空間を囲んでいるセラミック放電容器であって、第1の端部及び第2の端部を有するセラミック材料によって実質的に構成されているセラミック放電容器と、放電を保持するように、各端部を通って前記放電空間内に配されている対応する電極へと出ている電流供給導体とを有する高圧放電ランプであって、前記電流供給導体の少なくとも1つは、イリジウムを有するロッドとして形成されており、前記ロッドは、前記セラミック材料に直接的に封止されている、高圧放電ランプ。
【請求項2】
前記ロッドと前記セラミック材料との間の焼結結合が前記ロッドと前記セラミック材料との間の直接的な封止を形成している、請求項1に記載の高圧放電ランプ。
【請求項3】
前記セラミック放電容器が、前記第1の端部及び第2端部を持っている半透明のセラミックバーナの壁と、前記半透明のセラミックバーナの壁の第1及び/又は第2の端部を封止するセラミックプラグとを有しており、前記イリジウムを有するロッドは、前記セラミックプラグに直接的に封止されている、請求項1又は2に記載の高圧放電ランプ。
【請求項4】
前記セラミックプラグ及び前記半透明のセラミックバーナの壁は、異なるセラミック材料によって構成されている、請求項3に記載の高圧放電ランプ。
【請求項5】
前記半透明のセラミックバーナの壁と前記セラミックプラグとの間の更なる焼結結合が、前記セラミックプラグによって前記半透明のセラミックバーナの壁(210、220)を封止するように配されている、請求項3又は4に記載の高圧放電ランプ。
【請求項6】
前記半透明のセラミックバーナの壁をセラミックプラグによって封止するように、フリットが前記半透明のセラミックバーナの壁と前記セラミックプラグとの間に配されている、請求項3又は4に記載の高圧放電ランプ。
【請求項7】
イリジウムを有する前記ロッドは600μm未満の直径を有している、請求項1又は2に記載の高圧放電ランプ。
【請求項8】
請求項1、2又は3に記載の高圧放電ランプを含んでいるリフレクタランプ。
【請求項9】
1つ以上のハロゲン化合物を含んでいるイオン化充填材が供給されている放電空間を封止しているセラミック放電容器であって、第1及び第2の端部を持っているセラミック材料によって実質的に構成されているセラミック放電容器と、放電を保持するように、各端部を通って前記放電空間内に配されている対応する電極へと出ている電流供給導体とを有する高圧放電ランプであって、前記電流供給導体の少なくとも1つは、イリジウムを有するロッドとして形成されており、前記ロッドと前記セラミック材料との間に封止が形成されており、前記ロッドは、封止フリットによって前記セラミック材料に直接的に封止されている、高圧放電ランプ。
【請求項10】
前記ロッド及び前記セラミック材料は、前記直接的な封止の場所で先細りにされている、請求項9に記載のランプ。
【請求項11】
前記ロッドは、前記セラミック材料の外面に前記封止フリットによって直接的に封止されているフランジを備えている、請求項9に記載のランプ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−514098(P2010−514098A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540961(P2009−540961)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055103
【国際公開番号】WO2008/075273
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】