説明

ソノグラフィーイメージングのための方法及び装置

【課題】子宮及びそれが関連するファロピウス管のような体の一位置をソノグラフィーにより観察すること。
【解決手段】造影剤装置100は、容器アセンブリ101、及び、オプションとして、当該容器アセンブリ101に流体接続されるカテーテルアセンブリ102を含む。容器アセンブリ101は、食塩水のような液体の溶液を与える第1容器と、空気のような気体を与える第2容器と、気体及び流体の交替パターンを作る要素とを含む。当該交替パターンは、カテーテルアセンブリ102によって器官又は構造物に直接送達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2008年10月3日出願の米国特許出願第12/245,265号、2009年10月2日出願の国際出願第PCT/US2009/059370号、及び2011年11月9日出願の米国仮特許出願第61/411,856号の優先権を主張する。これらはそれぞれ、その全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は、器官、管路、及び他の腔のような腔及び導管のソノグラフィーイメージングのための方法及び装置に関する。詳しくは、本発明に係る方法及び装置は、一通路を横断する気相及び液相の交替パターンの検出可能な音響変化を使用する。
【背景技術】
【0003】
体の腔及び管路、詳しくは子宮及びファロピウス管を検査するための非外科的診断手順が周知である。子宮卵管撮影法として知られる一手順では、子宮及びファロピウス管を観察するべく造影剤及び診断蛍光透視イメージング法が用いられる。より安全、安価、かつ容易な方法は、イメージングモダリティとして超音波が利用されるソノ子宮卵管撮影法すなわちソノHSGである。超音波イメージングはまた、ファロピウス管の開通性評価なしで選択される方法として、食塩水を使用しての子宮腔の評価も可能とする。理想的なソノグラフィー条件下においてのみ卵管疎通及び卵管閉塞を評価することができるが、その臨床的な有用性は限られる。
【0004】
目下のところ、子宮腔及びファロピウス管の超音波評価中のコントラスト向上を示す造影剤は米国において入手できない。他の超音波造影剤が広範な用途に対して入手可能であるが、心臓性及び血管性用途での使用は限られる。現在入手可能な血管造影剤のほとんどは、安定性を向上させる弾性固体シェル又は一の界面活性剤若しくは2以上の界面活性剤の組み合わせのような付加材料の存在によって、溶解及び癒着に対して安定化される。
【0005】
造影剤は、望ましくない界面の反射率を低減すること、又は望ましくない領域からの後方散乱エコーを増加することのいずれかによりソノグラフィーの画質を向上させることができる。前者のアプローチでは造影剤が経口摂取され、後者を有効にするには造影剤が血管導入される。肺毛細管を通過して体循環に入るべく、血管造影剤中のマイクロバブルは、直径10ミクロン未満(最近の造影剤のほとんどに対しては平均で2から5ミクロン)である必要がある。かかる小さなマイクロバブルにとっては安定性及び持続性が大きな問題となり、このサイズ範囲の空気バブルが短時間のみ溶液中に持続する。このため、当該造影剤が十分に長く持続して体血管用途のための心臓の圧力変化に耐えるようにするべく、気体バブルを安定化する必要がある。したがって、造影剤の入手可能性、特に患者及び造影材料の調製中での手順上の課題、及びコストが、ソノグラフィーに使用される周知の造影媒体に関する欠点となる。
【0006】
従来の造影剤が適切に機能するにもかかわらず、従来造影剤固有の欠点により良好な造影剤の必要性が生じている。現在使用される造影剤に関する一の欠点は、非常に高価であり何人かの医師にとって入手困難であるということである。他の欠点は、従来造影剤は、当該成分を混合又はバブルを生成のいずれかを行うべく注入前に振る必要があり、これにより診断手順全体が面倒かつ多少主観的になるということである。第3の欠点は、患者に使用するべく一旦調製されると、不安定な性質に起因して造影剤組成物の貯蔵寿命が非常に短いということである。
【0007】
液体中のマイクロバブルは以前から造影媒体として使用されている。マイクロバブルは、空気と分散剤との組み合わせでシリンジを前後に動かすような方法又は超音波キャビテーション手段によって生成できる。かかるマイクロバブルは短い時間量の間のみ安定であることが知られている。短時間の安定寿命に対処するべく、一時的又は永久的なポリマー膜を使用して事前形成されたマイクロ粒子が使用されている。溶液中にマイクロバブルを生成するべく加圧システムが使用されている。当該方法は、マイクロバブルを有する流体に空気を入れるための、焦点が絞られたガスジェットを生成する手段を含む。かかるマイクロバブルは、生成と可視化対象構造物内への適用との間に時間のずれが存在すると合体するので、これらの方法は高速液体流を使用している。このため、この方法を制限するのは、流体中に導入されたマイクロバブルが、少しの大きなバブル又は一の大きな空気ポケットに合体するということである。形成されたマイクロバブルは、可視化を生じさせるのに十分長く安定しなけらばならず、マイクロバブルの不安定性に起因して、比較の可視化を目的として再現可能な条件を作ることは難しい。
【0008】
したがって、現在遭遇している問題を解決する造影剤を作るための装置及び方法が必要とされている。詳しくは、子宮及びファロピウス管の可視化のような器官の構造及び機能を可視化するための方法及び装置が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/187561(A1)号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明は、造影剤を作り使用する方法及び装置を含む。本発明に係る方法は、例えば子宮及びファロピウス管のような器官又は体構造物をソノグラフィーにより観察するべく使用される造影剤を生成する装置の使用を含む。当該造影剤装置は、容器アセンブリ、及び、オプションとして、当該容器アセンブリに流体接続されるカテーテルアセンブリを含む。容器アセンブリは、食塩水のような液体の溶液を与える第1容器と、空気のような気体を与える第2容器と、気体及び流体の交替パターンを作る要素とを含む。当該交替パターンは、カテーテルアセンブリによって器官又は構造物に直接送達される。容器アセンブリは一以上の容器を含む。容器アセンブリは、当該容器に収容された物質を一の容器から当該カテーテルに与える要素を含む。
【0011】
本発明に係る方法は、本明細書に開示の装置を使用して、子宮及びそれが関連するファロピウス管のような体の一位置をソノグラフィーにより観察することを含む。方法は、カテーテル送達端を観察対象構造物に極めて近接して配置することと、当該流体/気体混合物を当該構造物に与えることとを含む。例えば、ファロピウス管を観察する方法では、少なくとも一のカテーテルを含む送達装置が子宮内に配置され、当該少なくとも一のカテーテルは、当該送達装置を通して与えられて子宮角まで延ばされる。当該カテーテルの送達端が所定位置に、例えばバルーンのような端構造によって保持される。ひとたび一の又は複数のカテーテルが配置されると、液体/気体混合物すなわち造影媒体が造影剤装置からカテーテルに及び一の又は複数のファロピウス管に与えられる。ソノグラフィー可視化が始まり、一の又は双方のファロピウス管が検査される。造影剤を与えるべく使用される送達装置に応じて、ファロピウス管は同時に又は順次に検査できる。子宮全体の可視化が望まれる場合は、例えば、ファロピウス管の可視化の後に、一の又は複数のカテーテルが当該角から引かれて、一のカテーテルの端構造が子宮への入口に配置されるまで引き込まれる。バルーンのような端構造が子宮の液体封止を与えるべく膨張し、液体/気体造影剤が子宮に導入される。ソノグラフィー可視化が始まり、十分な量の液体/気体造影剤が子宮内に存在するまで続けられる。
【0012】
一の方法は、子宮及びファロピウス管に対し造影媒体を、子宮内にカテーテル送達端を与えて子宮に造影媒体を送達することによって与えることを含む。例えば、子宮及び少なくとも一のファロピウス管を評価する方法において、造影剤装置はカテーテルを含む。カテーテル送達端が子宮内に配置される。カテーテルはオプションとして、当該カテーテルを介して子宮に与えられる流体の逆行流を又は頸部を介しての流出を防止する要素を含む。例えば、膨張可能バルーンが、子宮から膣への逆行流を防止する要素である。ひとたび一又は複数のカテーテルが配置されると、液体/気体混合物のような造影剤が造影剤装置から当該カテーテルを介して子宮内に与えられる。ソノグラフィー可視化が始まり、及び、オプションとして子宮が可視化されて、一の又は双方のファロピウス管が可視化される。ファロピウス管が同時に又は順次に検査される。造影剤装置が一以上の回数充填又は再充填されて、有効量の造影剤が子宮及びファロピウス管に与えられる。または、子宮及び/又は第1若しくは第2ファロピウス管の一以上の可視化が与えられる。本発明に係る造影剤によって、人若しくは動物の体構造物又は無生物が容易に観察できる。カテーテルアセンブリを使用して観察対象構造物に造影剤を直接与えることが、当該液体/気体混合物の気体及び液体セグメントを維持することに役立つ。本発明に係る方法は、可視化方法の再現性及びこれによる比較結果に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る一実施例の概略図である。
【図2】本発明に係る一実施例の概略図である。
【図3】本発明に係る一実施例の概略図である。
【図4】本発明に係る一実施例の概略図である。
【図5】ファロピウス管路における造影材料のパターンの概略図である。
【図6】本発明に係る一の例示装置によって供給される、子宮及びファロピウス管内で見られる造影媒体のパターンの概略図である。
【図7】本発明に係る一の例示装置の内部部材すなわち容器アセンブリの図である。
【図8】本発明に係る一の例示装置の図である。
【図9】本発明に係る一の例示装置の図である。
【図10】本発明に係る一の例示装置の図である。
【図11】圧力解放機構を含む一の例示装置による実験からの圧力読み取りのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、構造物を超音波又はソノグラフィーにより可視化するべく造影剤を作り使用する方法及び装置を含む。かかる構造物は、人若しくは動物の体内に存在するか又は無生物の構造物である。本明細書に記載するように、本方法及び装置は、哺乳類の子宮及び一以上のファロピウス管の超音波可視化のために使用される。なお、本方法及び装置は、この用途に限られることなく、生物又は無生物いずれかの管路又は構造物の可視化に使用することができる。
【0015】
本発明は、造影媒体組成物を作る装置を含む。本明細書で使用するように、造影剤及び造影媒体は、当業者にとって周知の方法によって可視又は可視化可能な組成物を意味する。これは、超音波、フルオログラフィー、ラジオグラフィー、又は他の検出方法を含むがこれらに限られない。当該用語は同義的に使用できる。本発明に係る方法は、例えば子宮及びファロピウス管のような器官又は体構造物をソノグラフィー観察するのに有用な造影剤を生成し送達する造影媒体装置の使用を含む。本発明に係る方法は、例えば少なくとも一のファロピウス管における器官又は体構造物をソノグラフィー観察するのに有用な造影剤を生成する造影媒体装置の使用を含む。
【0016】
造影媒体装置は、容器アセンブリ、及び、オプションとして、当該容器アセンブリに流体接続されるカテーテルアセンブリを含む。本発明に係る容器アセンブリの実施例は図1−4及び図7−10に示される。容器アセンブリには、当該容器アセンブリの少なくとも一部を囲むケーシング(図示しない)が設けられる。例えば、ケーシングは、容器アセンブリの部材、及びオプションとして出口ポート、アクチュエータを囲み、並びに/又は、プランジャ端の双方が当該ケーシングの外部に存在する。
【0017】
造影媒体装置は、容器アセンブリ、並びにオプションとして、当該容器アセンブリに流体接続されたカテーテルアセンブリ、及びオプションとして圧力制御素子を含む。容器アセンブリは、少なくとも一の流体用容器を含む。流体は液体又は気体である。容器アセンブリは、食塩水のような液体用の第1容器と、空気のような気体用の第2容器と、気体及び流体の交替パターンを作る要素とを含む。容器アセンブリは、含まれた流体を容器から造影パターン生成チャンバへ及びカテーテルアセンブリへ与えるための、又は容器アセンブリの外部から造影パターン生成チャンバへ及び容器へ与えるためのチュービング又は流体導管のような接続要素を含む。当該接続要素は、流体を当該装置の外部から容器へ与えるべく使用される。容器は、一以上のアウトレットを含む。当該アウトレットを通して気体若しくは液体のような流体が容器を出るか、又は当該アウトレットが液体若しくは気体のいずれかの流体を容器内に与えるべく使用される。容器アセンブリは、当該容器の中に又はこれの外に流体を動かすべく当該容器内に含まれる流体に力を及ぼす部材を含む。例えば、容器はシリンジ本体又はバレルであり、当該流体に力を及ぼす部材はシリンジプランジャである。容器アセンブリは、力を及ぼす部材をアクティベートする部材を含む。例えば、容器はシリンジ本体又はバレルであり、含まれる流体に力を及ぼす部材はシリンジプランジャであり、当該プランジャをアクティベートする部材はポンプ又は操作者の手である。本発明の一側面は、造影媒体装置が2つのシリンジ本体のような2つの容器を含み、当該シリンジプランジャが、当該2つのプランジャ端がアクチュエータのような部材に一緒に保持されることによって、協働して動かされる一実施例を含む。その結果、当該複数のシリンジプランジャは当該シリンジのバレルの内部を通って動き、当該内部を通して同じレート、速度、及び距離で動く。当該複数のシリンジプランジャが同じレート、速度、及び距離で動くのは、各プランジャの近位端が、例えば要素すなわちアクチュエータによって一緒につながっているからである。
【0018】
容器アセンブリはさらに流体接続部を含む。これは、当該一以上の容器及び造影パターン生成チャンバのような互いに流体接続されている要素間の流体接続要素である。かかる流体接続部は、導管、チュービング、又はニードルを含むがこれらに限られない。容器アセンブリは、造影パターン生成チャンバを含む。ここで、気相及び液相が混ざり、当該造影パターン生成チャンバを出る組成物すなわち造影媒体組成物は、当該造影媒体組成物のパターンを形成する気相及び液相の交替を特徴とする。容器アセンブリは、当該造影媒体組成物をカテーテルアセンブリに与えるか又は直接可視化対象構造物に与える流体接続部を含む。
【0019】
一実施例では、造影媒体装置は、造影パターン生成チャンバとして機能する容器を含む。ここで、当該容器内で造影媒体が作られ、造影パターン生成チャンバは存在しない。また、例えば気相及び液相を含む造影媒体組成物が当該造影媒体装置の外部に与えられる。
【0020】
容器アセンブリは、カテーテルアセンブリに流体接続される。カテーテルアセンブリは単一又は二重ルーメンカテーテルを含む。カテーテルは、複数の端構造を含む。例えば、カテーテルの送達端のバルーンである。ここで、送達端は造影媒体装置から遠位にあり、取付端は造影媒体装置から近位にある。カテーテルの対向端すなわち取付端は、当該カテーテルを例えば造影媒体装置に取付けるための取付要素を有する。カテーテルを造影媒体装置に取り付けるべくルアーロックのような取付要素が使用される。取付要素は周知である。カテーテルは、ワイヤ、センサ、切断要素、クランプ若しくははさみのような回収要素等の他の部材を含む。かかるカテーテルは業界周知であり、当業者は意図する手順を目的として適切なカテーテルを選択することができる。
【0021】
本発明は、造影媒体を一の構造物に送達するための装置を含む。本発明に係る一実施例により意図されるのは、カテーテルアセンブリによって造影媒体が一の可視化対象構造物に実質的に直接与えられるということである。本発明の一側面では、例えばファロピウス管への直接送達において、各ファロピウス管評価ごとに使用される造影媒体の量が小さくてよい。例えば、20mL未満、15mL未満、10mL未満、8mL未満、5mL未満、4mL未満、3mL未満、2mL未満、1mL未満、0.5mL未満である。使用される造影流体の量は、当該構造物の正確な可視化を与えるのに十分な任意量でよい。造影流体は、当該可視化対象構造物を実質的に充填するか又は当該構造物内の特定位置にのみ存在する。
【0022】
本発明は、造影媒体を一以上の構造物に送達する造影媒体装置を含む。当該一以上の構造物は例えば、互いに流体接続された複数の腔、器官、又は導管である。本発明に係る一実施例により意図されるのは、カテーテルアセンブリによって造影媒体が少なくとも一の可視化対象構造物に与えられ、及びオプションとして、造影媒体を一の構造物に与えることによって当該造影媒体が、第2の、第3の、又はさらなる可視化対象構造物の中にも流れる。本発明の一側面では、ファロピウス管の可視化はまず、造影媒体の十分な量を子宮に与えて当該流体を所定量まで子宮に充填することを含み、次に当該流体は、子宮に流体接続された一以上のファロピウス管の中まで動く。当該流体はさらに、ファロピウス管の中へ及びこれを通して動いて腹腔に入る。子宮及び少なくとも一のファロピウス管を見る手順で使用される造影媒体の量は、約5mLから約100mL、約10mLから約100mL、約15mLから約90mL、約10mLから約80mL、約20mLから約70mL、約30mLから約60mLである。生成されて患者に送達される造影媒体の量は、約5mL、約10mL、約20mL、約30mL、約40mL、約50mL、約60mL、約70mL、約80mL、約90mL、若しくは約100mL、又は子宮及びファロピウス管の可視化又は複数の可視化に必要な場合は100mLを超える。例えば、一の大きな腔、又はいくつかの導管に接続された一の腔は、当該腔全体及び/又は当該導管の可視化のためには100mLを超えて必要とし得る。使用される造影流体の量は、検査対象構造物の正確な可視化を与えるのに十分な任意量であってよい。造影流体は、当該可視化対象構造物を実質的に充填するか又は当該構造物内の特定位置にのみ存在する。
【0023】
例えば、造影媒体装置は、各10mLの2つの容器すなわちシリンジ本体を使用して約20mLの造影媒体組成物を生成することができ、当該造影媒体の一部又はすべてをカテーテルシステムに輸送する。ここで、当該送達端は子宮内に配置されている。造影媒体は子宮に入り、ファロピウス管に直接流れる。ここで、当該造影媒体は例えばソノグラフィーによって可視化される。双方のファロピウス管のかかる可視化には、5から10mLの造影媒体が使用される。このとき、造影媒体の流れは一時停止又は終了される。第2の可視化が望まれる場合は造影媒体の流れが再開されて、造影媒体の存在下で体構造物の可視化が行われる。
【0024】
本発明の利点は、造影媒体の流れが、当該造影媒体組成物の一部又はすべてを一の体構造物に与えるべく制御されるということである。当該装置から及び/又はカテーテルから体構造物への流れは、当該造影媒体の付与が連続流又は間欠流となるように制御される。これにより、一部の造影媒体を与える、当該流れを止める、造影媒体を与える、当該流れを止める等となる。造影媒体装置の一又は複数の容器は、一の手順の間に一以上の回数再充填できる。造影媒体の当該構造物への流れは、自動的に又は操作者によって制御される。造影媒体の送達レートが制御される。当該送達レートは、高速から低速の範囲にある。また、当該一又は複数の容器内に含まれる流体に力を及ぼすべく当該一又は複数の部材に及ぼされる力のレートによって主に制御される。一実施例では、造影媒体装置は、2つのシリンジ本体のような2つの容器を含む。各容器内に含まれる流体に力を及ぼす部材は一のプランジャであり、各容器内の流体に及ぼされる力のレートは、当該装置から造影媒体を同じレートで送達するべく当該複数のプランジャが当該及ぼされる力と同時にアクティベートされる場合と同一である。
【0025】
本発明に係る一実施例は、少なくとも一のファロピウス管を可視化することを含む。当該可視化には、当該ファロピウス管の開口に又はこれの近くに配置されたカテーテルを使用する。ファロピウス管にカテーテルを与える任意の装置が使用される。本明細書に記載の一の容器アセンブリを含む造影媒体装置に一のカテーテルが接続される。ファロピウス管のような体構造物にカテーテルを与える特定の装置及びファロピウス管を可視化する方法に有用なそれは、現在米国特許第_号明細書、第_号明細書、及び第_号明細書となっている米国特許出願第11/065,886号明細書、米国特許出願第12/240,738号明細書、及び米国特許出願第12/240,791号明細書に教示される装置である。これらはそれぞれが、その全体において本明細書に組み入れられる。一般に、これらの出願は、ハウジング及びイントロデューサシャフトを含む装置を開示する。イントロデューサシャフトは、当該シャフトの先端が子宮底に接近する又は接触するまで当該子宮に入りかつこれを横切るべく使用される。ひとたびイントロデューサシャフトの先端が子宮底に存在すれば、当該装置は安定する。例えば2つのような一以上のカテーテルがイントロデューサシャフトを通して供給されて子宮腔内に出る。イントロデューサシャフトの配置により、当該一の又は複数のカテーテルの子宮角に関する3次元配列が可能となる。一の又は複数のカテーテルが、当該カテーテルの一の又は複数の送達端が当該角内に配置されるまで進められる。バルーンのような端構造が膨張又は拡大されて当該カテーテルを所定位置に安定させる。また、当該端構造により、カテーテル送達端から出る材料の逆流を防止又は最小化する。ひとたび当該端構造が拡大されると、当該カテーテルは、材料の送達又は他のアクティビティの準備が整う。
【0026】
本発明に係る一の方法では、イントロデューサシャフトによって配置されるカテーテルは一のカテーテルアセンブリを含む。送達端に対向するカテーテル端(本明細書においては近位端又は取付端と称する)が、本発明に係る造影媒体装置に取り付けられる。造影媒体が容器アセンブリの作用によって生成され、当該造影媒体が一の又は複数のカテーテルの中に及びこれを通って与えられ、子宮角に又は一の若しくは複数のファロピウス管内に出る。造影媒体が当該ファロピウス管に入ると可視化法が開始される。また、可能であれば、造影媒体は、当該管を通って流れて腹膜腔内に出る。一の管が閉塞されると、当該媒体は当該管内を流れずに、第2のすなわち対側の管に流れる。これは、第2の管が閉塞されていない場合である。当該閉塞によって上昇した圧力が、圧力を開放するべくバルーンのようなカテーテル上の端構造を離座させるかもしれないし又はさせないかもしれないが、当該カテーテルの端構造が動けば当該流れは子宮又は閉塞されていない管内に向けられる。
【0027】
カテーテルを与える装置が一のカテーテルのみを使用する場合、引用特許出願に教示されているように、イントロデューサシャフトの回転のような当該装置の再調整に引き続き一のファロピウス管の可視化が生じる。そして、造影媒体を他方のファロピウス管に与えるべく当該ステップが繰り返される。与えられる造影媒体は、カテーテルを通って所定位置に与えられる現在周知の任意の造影媒体でよい。
【0028】
本発明に係る一実施例は、少なくとも一のファロピウス管を可視化又は子宮の少なくとも一部及び少なくとも一のファロピウス管を可視化するべく、子宮に造影媒体を与える造影媒体装置及びカテーテルを使用することを含む。可視化対象構造物が少なくとも一のファロピウス管又は子宮及び/若しくは少なくとも一のファロピウス管である場合、本発明に係る造影媒体装置はカテーテルと組み合わせて使用される。本明細書に記載されるように、子宮からの流体の逆行流を防止するための複数要素を有する一のカテーテルが、一の容器アセンブリを含む一の造影媒体装置に接続される。逆行流を防止する一の又は複数の要素を有するカテーテルは業界周知であり、本明細書にて教示される方法で使用される本発明に係る造影媒体装置に取り付けられるカテーテルを選択することは当業者の技術範囲内にある。
【0029】
本発明に係る方法では、バルーンカテーテルのようなカテーテルが一のカテーテルアセンブリである。本方法では、カテーテルの送達端が子宮に配置され、及びオプションとして当該頸部内への逆行流を防止する構造物が用いられる。例えば、バルーンカテーテルのバルーンが膨張する。当該送達端に対向するカテーテルの端(本明細書においては近位端又は取付端と称する)が本発明に係る造影媒体装置に取り付けられる。当該装置の作用によって造影媒体が生成され、当該造影媒体は、一の又は複数のカテーテルの中へかつこれを通って与えられて子宮内に出る。所望量の造影媒体が与えられて、可視化法が開始される。当該可視化法は、子宮内への造影剤の動きを可視化するべく、子宮の構造物の少なくとも一部を例えば当該造影媒体によって可視化するべく、並びに/又は、少なくとも一のファロピウス管における当該造影媒体の流入、遷移、及び/若しくは流出を可視化するべく使用することができる。一のファロピウス管が閉塞されると、造影媒体が当該閉塞を通り過ぎて流れることはないが、対側管が閉塞されていなければ当該対側管に流れる。当該閉塞によって上昇した圧力が、造影媒体装置の一の要素によって検知されるかもしれないし又はされないかもしれない。当該要素は、当該構造物及び/又は導管を通る当該流体の連続流欠如により作られる当該流体の背圧を検出するべく設計される。所望の圧力に達すると、例えば造影媒体を与える医療専門家によって造影媒体流が停止され、造影媒体装置に圧力が及ぼされることが止まり、当該カテーテルを通して流体を子宮に与えることが終わる。与えられる造影媒体は、カテーテルを通って所定位置に与えられる現在周知の任意の造影媒体でよく、又は本明細書に開示の液体/空気造影媒体であってよい。
【0030】
本発明に係る造影媒体装置には、一の又は複数の流体が充填された複数の容器が与えられるか、又は造影媒体を生成及び送達する前にまずは一の又は複数の流体が充填される必要のある複数の空の容器が与えられる。造影媒体装置における流体のすべてが一の手順で使用されてさらなる造影媒体が望まれる場合、本発明に係る造影媒体装置は、当該装置の容器が各流体で充填されるようにして再充填される。事前に充填された容器を使用する場合、元の容器が除かれて新たな容器が当該装置に挿入される。再充填可能な容器を使用する場合、当該容器は、カテーテルの送達端を患者から除くことなく再充填される。造影媒体装置がカテーテルの近位端及び容器から取り外される。当該容器は、造影媒体の第1の送達で使用されたのと同じ種類のさらなる流体又は望まれる場合これとは異なる流体が再充填される。
【0031】
本発明に係る造影媒体装置を使用する場合、ひとたび所定量の造影媒体が与えられて当該容器の造影媒体が消耗すると、当該容器は、有効量の造影媒体を体の構造物及び/又は導管に与えるべく一回又は複数回再充填される。例えば、造影媒体が所定パターンの空気及び食塩水の複数セグメントを含む一実施例では、当該セグメントは2つの容器を有する本発明に係る造影媒体装置によって生産される。一の容器が食塩水を与え、第2の容器が空気を与える。例えば、当該容器は10mLのシリンジである。第1の容器が10mLの食塩水を含み、第2の容器が10mLの空気又は気体を含む。造影媒体は、各容器からの食塩水及び空気を同時に動かすことによって生成又は生産される。これは、例えば、各容器の一のプランジャに圧力を及ぼすこと、又はシリンジ若しくは同様の容器からの流体を動かすポンプ若しくは他の手段による。空気及び食塩水は造影パターン生成チャンバの中に移動する。造影パターン生成チャンバは、空気流体と液体流体とを混合するスタティックミキサ又は同様の構造物を含む。これは、分散された食塩水の複数セグメント及び空気の複数セグメントを作る。これにより、空気バブル又は空気セグメントが中に含まれた食塩水を含む造影媒体が生成される。スタティックミキサは、空気流体と食塩水流体との流れ分割及び径方向混合の複数パターンを同時に生産するらせん要素のような複数要素を含む。スタティックミキサは業界周知であって、例えば円筒管のような一の管又はハウジング内に含まれた複数のミキサ要素を含むのが一般的である。スタティックミキサ要素は、金属又は様々なプラスチックから作られた一連のバッフルを含む。スタティックミキサは、2つの流体のストリームが当該スタティックミキサを通って移動するときに当該流体を連続的にブレンドすることによって動作する。本発明では他の混合要素も使用される。かかる要素は当業者にとって周知である。代替的に、造影媒体生成チャンバは、当該気体容器からの一の気体導管と当該液体容器からの一の液体導管との双方が中に入る一の導管のみを含み、一のスタティックミキサ又は他の混合要素を含まない。当該造影媒体生成チャンバ導管に気体及び液体が同時に与えられると、複数の気体セグメントが当該流体内に作られて造影媒体組成物が生成される。
【0032】
例えば一の手順の開始前に造影媒体装置の複数容器が空の場合、又は例えば一の手順中に当該流体の実質的にすべてがもはや当該容器内に存在しない場合、本発明に係る一実施例では、当該容器は、造影媒体装置を分解することなく又は当該容器を当該装置ハウジングから除くことなく同時充填又は再充填される。例えば、造影媒体装置は2つの容器を含む。第1容器は食塩水を含み、第2容器は空気を含む。第1及び第2容器がそれぞれ食塩水及び空気を充填又は再充填される。このとき、当該造影媒体装置を分解することがなく又は当該容器を除くこともない。造影媒体装置の出口ポートに一のカテーテルが取り付けられる場合、オプションとして、これは当該容器を充填するときに除かれて患者に配置されたままとしてもよい。造影媒体装置の出口ポート端が、前もって当該カテーテルに取り付けられて又は当該カテーテルへの取り付け前に、食塩水溶液に浸漬される。例えば当該容器本体内のシリンジプランジャ又は同様に動作する可動シールのように当該容器内にプランジャが存在する場合、プランジャは当該シリンジシリンダの内部で近位方向に引き上げられ、かつ、出口ポートから出される。これにより当該シリンジシリンダ内に圧力低下がもたらされ、食塩水及び空気がそれぞれの容器(シリンジ)に入る。典型的には、当該複数のプランジャは同時に制御されて、双方のプランジャが当該シリンジシリンダの内部を同じレートで引き上げられる。その結果、双方のシリンジは、空気シリンダに空気が、食塩水シリンダに食塩水が同時に再充填される。空気シリンダは、当該空気シリンジバレルに取り付けられた少なくとも一のインライン逆止弁に流体接続される。また、オプションとして、インライン空気フィルタに流体接続される。当該インライン空気フィルタにより、空気シリンジバレルの一方向充填が可能となる。
【0033】
造影媒体装置内に配置された容器の充填中における空気又は気体の経路は以下のとおりである。当該装置の出口ポートが食塩水溶液に浸漬されている間に空気シリンジバレルがシリンジの内部を近位方向に引き上げられ、かつ、出口ポートから出ると、空気がオプションの空気フィルタを通り、少なくとも一の一方向逆止弁との流体接続部を通り、当該少なくとも一の逆止弁を通り、当該少なくとも一の逆止弁に接続するコネクタを通り、及び当該シリンジ(容器)出口を通り、そして当該空気シリンジバレルに入る。プランジャがシリンジシリンダの近位端に到達し及び/又は所望程度(例えば当該シリンジバレルの全長)まで引かれると、シリンジには例えば10mLの空気が充填される。
【0034】
空気シリンジプランジャが空気シリンジを通って引かれるのと同じ時及びレートで、流体シリンジプランジャが流体シリンジバレルを通って同じレート及び距離で引かれる。造影媒体装置の出口ポートが食塩水に浸漬されると、流体シリンジプランジャの近位方向に当該出口ポートから離れる動きによって、食塩水が当該装置の出口ポートに入り、かつ、流体接続部を通って流体シリンジ容器まで動く。当該プランジャが流体シリンジシリンダの近位端に到達し及び/又は所望程度(例えば当該シリンジバレルの全長)まで引かれると、シリンジには例えば10mLの流体(例えば食塩水)が充填される。当該プランジャの動きが終了すると(例えば各プランジャが当該シリンジバレル内の所望位置にあると)、空気容器及び流体容器は、各容器内に実質的に同量の空気及び食塩水を含む。ここで造影媒体装置は充填又は再充填される。可視化手順を続けるにあたり、カテーテルが当該装置の出口ポートの一の又は複数の取付要素に再接続される。当該プランジャによる相反作用により、当該シリンジバレルは出口ポートに向かって動き、かつ、流体(食塩水)及び空気が流体容器及び空気容器のそれぞれから押し出される。スタティックミキサのような一のミキサを通って流れる流体/空気のストリーム又は混合要素を欠く混合チャンバにおいて混合する当該流体によって、造影媒体が造影媒体生成チャンバにおいて生成され、空気及び液体のセグメントを含む造影媒体組成物が当該造影媒体装置から出て、例えば取り付けられたカテーテルに入りかつこれを通る。当該造影媒体は、子宮及び少なくとも一のファロピウス管のような腔に入る。ここで、当該構造物内の造影媒体の可視化が、例えばソノグラフィー法によって行われ、当該体構造物が検査される。
【0035】
本明細書の開示は空気又は食塩水のような流体を言及するが、意図されるところでは、本発明は空気及び/又は食塩水に限られず、当業者は空気及び/又は食塩水を、他の液体、他の気体、又は周知の造影媒体組成物のような他の適切な流体に置換することができる。本発明に係る方法は、造影媒体を作る又は生成すること、及び造影媒体を一の体構造物に送達することを含む。本発明に係る造影媒体装置は、造影媒体を作るべく使用される。例えば、流体用の一の容器を含む造影媒体装置の一実施例は、一の容器を含む。当該容器は、その中に可撓性の多孔質材料を含む。当該容器がシリンジ本体である一例が記載される。その一つが図4に示される。本発明はこの設計に限られるわけではなく、同様に機能する複数の他の容器も意図する。当該シリンジは、可撓性の多孔質材料で実質的に充填されている。可撓性の多孔質材料は、織若しくは不織材料の条片若しくは小片、スポンジ若しくはスポンジのフラグメントのような開放気泡材料、又は気体を含みかつ圧縮力のような作用に際し当該気体を放出する任意材料を含むが、これらに限られない。例えば、当該可撓性の多孔質材料は開放気泡スポンジである。当該スポンジは当該容器に配置されて液体が付加されるが、当該液体は当該スポンジにおける空気のすべてを置換するわけではない。当該シリンジの大きな開放端にシリンジプランジャが適用され、当該シリンジの他端にはカテーテルアセンブリが流体接続される。当該プランジャが当該シリンジ内に押し込まれると、当該スポンジが圧縮されて空気が当該液体内に押し出され、バブル又は空気セグメントが作られる。バブル及び流体、空気及び流体セグメントが当該カテーテルに入り、当該構造物まで当該カテーテルを通過する。そして、当該構造物の可視化が可能となる。一のファロピウス管の可視化に対しては図5を参照のこと。
【0036】
本発明は、一以上の容器を含む複数の造影媒体装置を含む。例えば、当該造影媒体装置は、例えば図1及び図7−10に示すもののような2つの容器を含む。当該容器は、一のシリンジ本体を含む。これは、本明細書においてシリンジバレル又はシリンジ容器と称する。オプションとして、当該シリンジバレルの内部を一のプランジャ要素が横切る。当該プランジャ要素が、例えば操作者によって、当該バレルの近位位置から当該シリンジ容器に内部を通して遠位位置まで、及び当該バレルの遠位位置から当該バレルの近位位置まで動かされる。ここで近位とは、当該装置の当該操作者に最も近い端を称する。遠位とは、当該装置の当該患者に最も近くかつ当該出口ポートに近い方の端を称する。一のプランジャ要素は、一のピストンと、2つの表面を有する一の流体シールとからなる。当該ピストンは当該流体シールの一の表面すなわち近位表面に取り付けられ、他の表面すなわち遠位表面は、送達可能流体に面しかつ接触する。一の標準シリンジプランジャが一のプランジャ要素である。2つの表面を有する当該流体シールは、当該容器内に流体シールを形成する。これにより、送達可能流体が当該プランジャ表面の遠位表面(第1表面)に維持され又は含まれ、かつ、近位表面(第2表面)には送達可能流体が存在しない。送達可能流体は、当該容器内に含まれる流体であり、可視化及び/又は検査対象構造物に与えられることが意図される。ピストン及び流体シールを含むプランジャがシリンジを通って動くと、当該プランジャの近位側に空気又はわずかな真空が作られるが、当該空気を当該シールの近位側に与える意図はない。したがって、この空気は送達可能流体ではない。本発明はこの設計に限られることはなく、同様に機能する複数の他の容器も意図する。当該容器の一つは事前充填シリンジであって、一の液体を含む。当該液体は本明細書に開示の任意のものであってよく、例えば食塩水若しくは水又は周知の造影剤流体である。第2容器は事前充填シリンジであって、一の気体を含む。当該気体は本明細書に開示の任意のものであってよく、例えば空気、二酸化炭素、酸素、窒素、若しくはハロカーボン化合物気体、他の気体又は周知の造影剤気体である。当該2つのシリンジのプランジャが、手動又は機械いずれかで同時に押し込まれる。気体及び液体の混合物が、一の気相及び液相の交替パターンを形成する。これが一の造影媒体組成物である。そして、当該造影媒体組成物は取り付けられたカテーテルに入りかつこれを通過し、ファロピウス管のような構造物内に出る。超音波法によって当該構造物の可視化が可能となる。
【0037】
代替的に、本発明に係る一の装置は、例えば2つのシリンジのような2つの容器を含む。これらには流体は与えられない。かかる装置の使用では各プランジャが、シリンジのような各容器の遠位端の所定位置まで押し込まれ、当該装置の出口ポートが食塩水に置かれる。各プランジャが所望の近位位置まで当該容器内を同時に動くので、空気が第1容器内に引き込まれ、かつ、流体が第2容器内に引き込まれる。二重容器装置の実質的に同時の充填が本明細書に開示される。ひとたび当該容器が充填されると、プランジャが押し込まれて、当該流体シールの表面がより遠位の位置まで動き当該流体が当該容器から分配される。当該流体が混合されて、気体及び液体の混合が、空気及び液体のセグメントを含む一の造影媒体組成物を形成する。当該造影媒体組成物は、当該装置の出口ポートを流れ出て、オプションとして、検査対象構造物内に配置された一のカテーテルに入る。本発明に係る一実施例は、一のプランジャを動かすこと、一の流体を充填すること、又は一の容器から一の流体を与えることを含む。
【0038】
本発明に係る組成物は、本明細書に教示の方法を使用して作られる造影媒体を含む。本発明に係る造影媒体は、液体担体内の気相を含む。当該気相は、バブル、又は液相領域に近接する液体の存在しない気体充填領域である。交替する気体充填領域及び液体領域は複数回繰り返す。気体充填領域又は液体充填領域のサイズは均一サイズであってもそうでなくてもよい。本発明が意図する側面は、20mL以上の現在使用される量と比べて低減された容積で造影媒体を与えることが使用される。また、当該造影媒体は可視化対象構造物(すなわちファロピウス管)の実質的に中又は極めて近くに与えられる。
【0039】
本発明が意図するのは、一の構造物を見るのに有効な量の造影媒体を与えることである。例えば、一の造影媒体の有効量は、当該構造物の容積及び検査対象構造物の数に応じて5mLから200mLを含む。例えば、子宮及びファロピウス管に造影媒体を与えるべく本発明に係る一の装置が使用される場合、これらの構造物に与えるべき造影媒体の有効量は、一の造影媒体をファロピウス管に直接与えるべく使用される量よりも大きい。本発明は、当該構造物に入る混合気体/液体組成物を形成する組み合わせに使用される気体及び液体の量を制御する。造影媒体組成物のパターンは、大部分が気相(空気又は他の気体)から大部分が液相(食塩水又は他の液体)までの範囲であり得る。また、規則パターン又は不規則パターンで与えることができる。気体対液体の比は、各シリンジのサイズによって決まる。空気シリンジが大きいほど、当該組成物のパターンにおける空気セグメントが大きくなる。多孔質構造の使用により、よりランダムな又は不規則なパターンが作られる。送達される造影媒体の量は、シリンジプランジャの量の変位によって又は当該容器を一回以上再充填することによって制御される。
【0040】
本発明に係る造影媒体装置は、交替する空気及び流体の再現性及び信頼性があるパターンを生成かつ送達する。当該パターンは、ソノグラフィーのような検出方法によって可視となる。本発明に係る一の装置によって生産される組成物による空気/液体パターンは、交替する空気及び液体の実質的に規則的な繰り返しパターンが、造影媒体組成物として生成され、体構造物に与えられ、及び、例えばファロピウス管に関して可視であるという点で、再現性がある。当該パターンは一の装置によって一貫生産される。例えば本発明に係る一装置は、空気/食塩水界面間の距離が、例えばソノグラフィーによって当該組成物の一の構造物を通る動きが可視となるほど十分に短くかつ規則的に繰り返される造影媒体組成物を生成する。一貫したパターンが、子宮において及び閉塞されていない開放ファロピウス管において、ソノグラフィーのような検出方法によって可視となる。本発明が意図するのは、本発明に係る造影媒体の界面間距離が界面の各対ごとに同一である必要はなく、当該距離は、ソノグラフィーのような検出手段による明暗の繰り返しパターンの認識を形成するのに十分同等なサイズであるということである。また、ファロピウス管のような体構造物の構造が、ソノグラフィーのような検出手段のもとで当該界面によって生産される明暗の規則パターンの動きによって可視となるということである。
【0041】
例えば、ファロピウス管の開通性を評価するべく、当該管が開放されかつ障害物又は閉塞物が欠如しているか否かを決定するには、送達される食塩及び空気の組成物が、様々なインターバルの頻繁な規則的交替パターンである空気/食塩水界面を有することが望ましい。ソノグラフィーで見ると食塩水単独では黒く見える。食塩水は、当該プローブに音響エコーをあまり反射しないからである。したがって、食塩水の長いインターバルは、ユーザに対してファロピウス管のような体構造物を可視化する際の問題を引き起こす。空気は骨と同様に白く見える。空気は、当該プローブに多くの音響エコーを反射するからである。したがって、空気の長いインターバルは、誤って解釈されて他の体組織と容易に混同される。このため、ファロピウス管開通性の診断において不確かさをもたらす。本発明により記載されるように、繰り返しパターンに関する頻繁な、規則的な、及び交替的な食塩水及び空気の界面の動きによって、残響と称する効果を可能とする。これは、十分に異なる反射特性の2つの構造物に関する音響界面によって引き起こされる。記載の発明はまた、コメットテール(comet−tail)効果も可能とする。これは一種の残響であり、流体における空気バブルのような、いくつかの小さな高反射率界面によって引き起こされる。歴史的に及び従来使用されてきた方法の文献に見られるように、当該パターンにあまりにも一貫性がない場合、ファロピウス管の構造又は開通性の確信的かつ正確な診断とは評価され得ず、しかも容易にかつ信頼性をもってともいかない。一貫性がなくかつ不規則なパターンに関しては、ソノヒステログラフィー手順の複雑性が増し、当該手順の信頼性を不確かなものとし、医療専門家が当該手順を学習し及び行う学習曲線が非常に急峻となる。具体的には、空気又は食塩水いずれかの長いセグメントを作る小さなパターン周波数からなる一貫性のないパターンは、造影媒体の動きが見えないので誤った解釈を導き得る。構造物の中及びこれを通る当該造影媒体の動きを認識することこそが、医療専門家がファロピウス管の評価を行うのに必要である。
【0042】
付加的に、子宮及びファロピウス管を検査するソノグラフィー手順では、最適なソノグラフィープローブの配置/位置を修正面内に得ることが困難となり得る。子宮及びファロピウス管の患者解剖学的位置が様々だからである。したがって、本発明に係る一の装置によって生成される、造影媒体の頻繁な規則的交替パターンの一貫性のある動きによって、意図された評価を行うべく一の又は複数の体構造物を医師(医療専門家)が見る可能性が高まる。当該手順の間、医師は、流れが一のファロピウス管では容易に観察されるが、他の管が、閉塞されているか、卵管痙攣の特定が困難であるか、又は当該卵管痙攣の経験が困難であるかのいずれかであるような場合、ファロピウス管の一方を観察することが難しい。かかる状況等の場合ユーザは、当該見ていない管の閉塞を除外するか又は確認するべく、追加の食塩水及び空気を患者に送達する必要があるかもしれない。したがって、迅速かつ容易に当該装置に空気及び食塩水のような流体を再充填することができる本発明の側面は、当該手順の簡易性及び便利性にとって有利である。患者の不快、又は、当該管の弛緩を可能として困難な管評価に挑むべく数分間当該手順を遅らせる決定によっても、食塩水及び空気の送達を遅らせて手順時間全体を引き延ばす必要があるかもしれない。したがって、例えば当該手順の一時停止後又は当該装置容器の再充填後に、空気セグメント及び液体セグメントの規則的な繰り返し界面パターンを与える一の造影媒体組成物を与えることは、先の装置に鑑みて本発明の一の利点である。
【0043】
本発明に係る組成物は、一の液体及び一の気体を含み、オプションとして、界面活性剤、乳化剤、又は他の安定化剤を含む。気相の担体とみなせる当該液体は、固体が実質的に存在せずかつ通常温度又は体温にて流れる任意の液体である。例えば、当該液体は、水又は生理学的に許容可能な水溶液である。これは、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、又は酒石酸ナトリウムの生理学的電解質溶液、生理学的食塩水溶液、リンゲル液若しくは水溶液、グルコース溶液、又は一価若しくは多価アルコール(例えばエタノール、nブタノール、エチレングリコール、ポリビニルピロリドン、又はこれらの混合物若しくは組み合わせ)溶液を含むがこれらに限られない。さらに、当該液体担体は、生理学的に許容可能な非水溶液を含む。これは、無水若しくは実質的に無水の担体液体、アルコール、グリコール、ポリグリコール、合成ペルフルオロ炭化水素、又は他の非水液体若しくは水性液体との混合物若しくは組み合わせを含むがこれらに限られない。
【0044】
本発明に係る造影媒体組成物は、気体・液体界面を安定化する界面活性剤又は化合物を含む。界面活性剤は、造影媒体の液相に与えられる。例えば、造影媒体組成物が空気及び食塩水のような液体を含む場合、一以上の界面活性剤が当該食塩水に付加される。界面活性剤組成物は、造影媒体が、当該造影媒体を移送するべく使用されるカテーテルサイズよりも大きい構造物に与えられる場合に有用である。界面活性剤は、レシチンのような表面活性剤;ソルビトール、グリコール及びグリセロール、コレステロールのようなポリオキシエチレン及びポリオキシエチル化ポリオールを有する脂肪酸及び脂肪アルコールのエステル及びエーテル;及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリマー、増粘及び安定化化合物、単糖及び多糖(グルコース、ラクターゼ、スクロース、デキストラン、ソルビトール);ポリオール(例えばグリセロール、ポリグリコール):及びたんぱく質、ゼラチン、オキシポリゼラチン、血漿たんぱく質、水及び気体の存在下で安定膜を形成可能な両親媒性化合物(例えばレシチン(ホスファチジルコリン)及び他のリン脂質、とりわけホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルグリセロール(PG)、カルジオリピン(CL)、スフィンゴミエリン、プラスモゲン、セレブロシド、天然レシチン(例えば卵レシチン又は大豆レシチン)又は合成レシチン(例えば飽和合成レシチン(例えばジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、又はジステアロイルホスファチジルコリン)又は不飽和合成レシチン(例えばジオレイルフォスファチジルコリン又はジリノレイルホスファチジルコリン)、遊離脂肪酸、ポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシアルキレングリコールのようなポリオキシアルキレン化合物を有する脂肪酸のエステル、ポリオキシアルキレングリコールを有する脂肪アルコールのエーテル、ポリオキシアルキル化ソルビタンを有する脂肪酸のエステル;せっけん;ステアリン酸グリセロールポリアルキレン;リシノール酸グリセロールポリオキシエチレン;ポリアルキレングリコールのホモポリマー及びコポリマー;ポリエトキシル化大豆油及びひまし油並びに硬化誘導体;脂肪酸、脂肪アルコールを有するスクロース又は他の炭水化物のエーテル及びエステル、これらはオプションとしてポリオキシアルキル化される;飽和又は不飽和脂肪酸のモノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド;大豆油のグリセリド及びスクロース、ポリオキシプロピレン及びポリオキシエチレン(ポロキサマ)ポリオキシエチレンソルビタンのブロックコポリマー、ソルビトール、ステアリン酸グリセロールポリアルキレン、リシノール酸グリセロールポリオキシエチレン、ポリアルキレングリコールのホモポリマー及びコポリマー、大豆油、並びに硬化誘導体、脂肪酸、脂肪アルコール、大豆油のグリセリド、デキストラン、スクロース、及び炭水化物を有するスクロース又は他の炭水化物のエーテル及びエステルを含む。界面活性剤は膜形成又は非膜形成であってよく、リノレイルレシチン又はポリエチレンドデカノアートの種類の重合性両親媒性化合物、ホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオリピン、スフィンゴミエリン、並びに、水相及び気体の存在下で安定膜を形成可能な生体適合性かつ両親媒性の化合物、飽和脂質及び不飽和脂質の双方を有するホスファチジルコリン(PC)を含むリン脂質;ホスファチジルコリン(例えばジオレイルフォスファチジルコリン)を含む;ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジペンタデカノイルファチジルコリン−、ジラウロイルフォスファチジルコリン(DLPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC);ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC);及びジアラキドニルホスファチジルコリン(DAPC);ホスファチジルエタノールアミン(PE)(例えばジオレイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、及びジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE));ホスファチジルセリン(PS)(例えばジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS));ホスファチジルグリセロール(PG)(例えばジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG);及びホスファチジルイノシトールを含む。界面活性剤、乳化剤、又は他の安定化剤は当該気相内でエアロゾル化される。
【0045】
造影媒体組成物は気体を含み、本発明に係る組成物には任意の生理学的に許容可能な気体が存在する。本明細書で使用される用語「気体」は、通常の人体(37℃)において実質的に気体状態の任意の複数物質(複数混合物を含む)を含む。200近くの複数気体が、超音波造影剤を作るのに潜在的に有用なものとして特定されている。これらは、酸素、空気、窒素、二酸化炭素、又はこれらの混合物、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプトン、CHClF、又は亜酸化窒素、六フッ化硫黄、テトラフルオロメタン、クロロトリフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、クロロペンタフルオロエタン、ヘキサフルオロエタン、ヘキサフルオロプロピレン、オクタフルオロプロパン、六フッ化ブタジエン、オクタフルオロ−2−ブテン、オクタフルオロシクロブタン、デカフルオロブタン、パーフルオロシクロペンタン、ドデカフルオロペンタン、フッ化ガス(少なくとも一のフッ素原子(例えばSF、フレオン(炭素原子及びフッ素(すなわちCF、C、C、C、C10、CBrF、CCl、CClF、及びCBrClF)の一以上を含む有機組成物)、及びパーフルオロカーボン)を含む物質を含む)を含む。用語パーフルオロカーボンは、炭素及びフッ素原子のみを含む化合物を称し、飽和、不飽和、及び環状のパーフルオロカーボン(例えばパーフルオロアルカン(例えばパーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン(例えばパーフルオロ−n−ブタン、オプションとしてパーフルオロイソブタンのような他の異性体との混合物)));パーフルオロアルケン(例えばパーフルオロプロペン、パーフルオロブテン(例えばパーフルオロブタ−2エン)及びパーフルオロブタジエン);パーフルオロアルキン(例えばパーフルオロブタ−2−イン)及びパーフルオロシクロアルカン(例えばパーフルオロシクロブタン、パーフルオロメチルシクロブタン、パーフルオロジメチルシクロブタン、パーフルオロトリメチルシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロメチルシクロペンタン、パーフルオロジメチルシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、及びパーフルオロシクロヘプタン)を含む。通常好ましい飽和パーフルオロカーボンは化学式Cn+2を有する。ここで、nは1から12、好ましくは2から10、最も好ましくは3から8、及びなおもさらに好ましくは3から6である。適切なパーフルオロカーボンは例えば、CF、C、C、C、C10、C12、C12、C14、C18、及びC20を含む。
【0046】
本発明は、複数の造影媒体装置及びシステムを含む。本発明に係る一のシステムは、分離可能な複数の部材と一の造影媒体装置を含む。当該造影媒体装置は、一の容器アセンブリと一のカテーテルアセンブリとを含む。当該カテーテルアセンブリは、造影媒体組成物すなわち装置の流体排出を対象管路又は腔にすなわちこれの近く又は中に与える。代替的に、本発明に係る一のシステムは、一のカテーテルアセンブリに隣接する一の容器アセンブリを含む造影媒体装置を有する単一のワンピース構造である。一の造影媒体装置は一の容器アセンブリを含む。当該容器アセンブリは、一の気相及び一の液相を含む一の造影媒体を与える。一の造影媒体装置は一の容器アセンブリを含む。当該容器アセンブリは、一の改良された従来型多重シリンジポンプを含む。これは、様々なサイズのシリンジを許容可能な機械又は手動いずれかの携帯用装置である。シリンジ排出物は、一の混合チャンバ又は導管内に向けられる。ここで、適切に作られた一連の気体(すなわち空気)及び液体(すなわち食塩水)が一のカテーテルアセンブリの流入物の中に追い込まれる。例えば、当該管路(すなわちファロピウス管)の近く又は中の造影媒体の指向的な送達によって当該構造物のソノグラフィーが可能となる。造影媒体組成物が、ファロピウス管に直接与えられる。これは、当該造影媒体組成物がファロピウス管にのみ又は最初にファロピウス管にのみ送達されるということを意味する。子宮に流体を充填することによってそのような流体が双方のファロピウス管内にあふれることがない。造影媒体組成物が、子宮に直接与えられる。これにより、子宮の可視化が可能となる。十分な量の造影媒体を与えることによって当該造影媒体は一以上のファロピウス管に流れる。当該造影媒体は、ファロピウス管の開通性に応じて当該ファロピウス管に入りかつこれを通って流れてもよいしそうでなくてもよい。組成物を一の構造物に直接与えることは本明細書において、当該組成物が評価対象構造物の開口において又はこれの近くに与えられることを意味する。これにより、当該組成物は当該構造物に入るが、組成物の送達に係る遠く離れた場所から当該構造物内に当該組成物が流れ込むことはない。
【0047】
本発明の一側面は、周知の子宮卵管撮影法の手順に関する本発明に係る一の装置の使用を含む。例えば、かかる手順は、本発明に係る一の装置の使用前又は後に行われる。一の手順は、少なくとも部分的に子宮を充填するか又は子宮を膨張させるべく食塩水を子宮腔にのみ与えることを含む。ソノグラフィーのような検出方法によって子宮が可視化される。そして食塩水は、例えば閉止された子宮をシールするべく使用された一のバルーンを当該頸部から解放することによって、又は子宮に当該食塩水を与えたカテーテルを引くことによって子宮から放出される。代替的に、食塩水はファロピウス管から流れ出る。かかる事前処置手順の後、本発明に係る一の造影媒体装置が、その送達端を子宮内に有する一のカテーテルに当該装置を取り付けることと、造影媒体組成物を生成することと、当該造影媒体組成物を子宮及び少なくとも一のファロピウス管に与えることとによって使用される。造影媒体組成物を与えた後、子宮又はファロピウス管には事後処置も与えられる。例えば、治療組成物又は受精卵組成物が、その後子宮又はファロピウス管に与えられる。なんら特定の理論に縛られることを望まないが、本発明に係る一の装置を使用して本発明に係る造影媒体組成物を与えることが、本明細書に記載の方法を受ける患者の受胎能力を支援すると理論付けられる。本発明に係る造影媒体装置及び空気/食塩水造影媒体組成物を使用することを含む一の手順を受ける女性には高い妊娠発生率が見られると考えられている。本発明は、女性の妊娠可能性を高め、女性の妊娠状態を支援して若しくは得て、又は女性の受胎能力を増大させる方法を含む。当該方法は、造影媒体生成送達装置を与えることであって、当該装置は本明細書に開示の一の装置のように、一の流体を含む少なくとも一の容器と、当該容器から一の流体を動かす一の部材と、少なくとも一の容器を一の造影媒体生成チャンバに流体接続する複数の接続部とを含む一の容器アセンブリを含むことと、少なくとも一の容器に一の流体を充填することと、造影媒体組成物を生成するべく当該流体を少なくとも一の容器から一の流体媒体生成容器まで動かすことと、当該造影媒体組成物を当該女性の一の体構造物に送達することとを含む。ソノグラフィーのような検出方法による可視化は行われてもよいが行われなくてもよい。
【0048】
本発明に係る複数の方法では、一の又は双方のファロピウス管を同時に、順次に、又は分離された手順で見ることができる。いくつかの例では、ソノグラフィーイメージングの同じ平面において双方のファロピウス管を見ることはできない。例えば、痙攣が一のファロピウス管の開口又は一部を圧迫する場合は、一の又は双方のファロピウス管は同時充填されない。
【0049】
本発明の一側面は、一の造影パターン生成チャンバを含む一の容器アセンブリを含む一の造影媒体装置を含む。当該造影パターン生成チャンバは、可視化対象構造物の直径に対して0.3から1.8の比となる範囲の直径を有する。当該造影パターン生成チャンバの直径は、可視化対象構造物の直径の0.1対100の比であってよい。当該造影パターン生成チャンバは、可視化対象構造物との直径比が0.5対1、可視化対象構造物との直径比が1対1、可視化対象構造物との直径比が1対1.5、可視化対象構造物との直径比が1対2であってよい。一の造影媒体装置の一側面は、一の造影パターン生成チャンバを含む一の容器アセンブリを含む。当該造影パターン生成チャンバは、可視化対象構造物の直径と実質的に等しい直径を有する。ここで、直径比は1である。
【0050】
本発明の一側面は、一の造影パターン生成チャンバを含む一の容器アセンブリを含む一の造影媒体装置を含む。当該造影パターン生成チャンバは、当該一の又は複数の容器から与えられる2以上の流体を混合するべく使用される一のスタティックミキサを含む。2以上の容器とラインをなして流体的に接続されかつ当該出口ポートの前に配置されたスタティックミキサに2以上の流体が入ると、当該スタティックミキサは当該2以上の流体を混合する。例えば、本発明に係る一の造影媒体装置の一実施例では、一の容器の流体は食塩水であり、第2容器の流体は空気である。食塩水及び空気が各容器からスタティックミキサ内に移動すると、食塩水内の空気バブルすなわち空気及び食塩水のセグメントが当該スタティックミキサによって作られる。当該スタティックミキサから離れて当該出口ポートを通り当該造影媒体装置を出ると、及びオプションとして一のカテーテル内に入ると、空気及び食塩水の混合物は、一の構造物を可視化するべく使用することができる一の造影媒体となる。当該混合物は第一に、子宮のような開空間における当該食塩水中の空気バブルとして、すなわち一の管内に入るときの空気及び食塩水のセグメントのパターン化されたシーケンスとして見える。
【0051】
一の管路、管、又は構造がこの造影媒体によって可視化される場合、交替する気相及び液相の界面が十分な数だけ存在する必要がある。また、観察時間中は双方の相が観察領域に存在する必要がある。観察領域を横断する双方の相の存在こそが、可視化造影を与える。例えば、一の相(液体又は気体のいずれか)のみが所定時刻にて観察領域で可視となる場合、評価は困難又は不可能である。当該造影媒体に当該2相間の複数界面を作ることによって、構造観察が可能となる。造影媒体の流れが当該相の複数界面を含むからである。
【0052】
本発明の一側面は、観察対象構造物に対して直径が同等の直径を有する複数の造影パターン生成チャンバを含む複数の造影媒体装置を含む。例えば、観察対象構造物の直径よりも小さな気相が作られると、当該気体は当該管路の上部まで上昇して他の気相と合体する。そして、当該構造物の直径を充填する。本発明の一側面は、観察対象構造物に対して直径が大きいか又は小さいかいずれかの複数の造影パターン生成チャンバを含む複数の造影媒体装置を含む。例えば、造影パターン生成チャンバにおいて非常に小さい気相が作られる場合、当該小さな気相は、分散剤、界面活性剤、又は当該液相又は気相において同等に作用する他の成分を使用して、大きい直径の構造物に保持することができる。かかる小さな気相は、当該容器アセンブリの振動操作によって達成することができる。当該振動の周波数が高ければ高いほど、放出される気相バブルは小さくなる。
【0053】
本発明の一側面は、2以上の流体を混合することができる複数の構造物を含む複数の造影パターン生成チャンバを含む複数の造影媒体装置を含む。例えば、一の造影パターン生成チャンバが一のスタティックミキサを含む。2以上の流体を混合することができる複数のスタティックミキサ及び同等の要素が当業者にとって周知であり、本発明は本明細書において使用される例示に限られない。混合という用語により、2以上の流体が混合されることが理解されるが、当該2以上の流体間の複数界面が当該混合組成物に保持されることも理解される。当該流体間の当該界面こそが、構造物可視化のための造影を与える。当該界面は、分散剤、界面活性剤、又は当該液相又は気相において同等に作用する他剤を使用して保持される。本発明に係る一の造影媒体は、空気と流体(例えば食塩水)との複数界面を含む。ここで、当該界面は、食塩水における空気バブルすなわち空気及び食塩水のセグメントによって与えられる。当該界面は、複数構造物(例えば子宮及び/又は少なくとも一のファロピウス管若しくは2つのファロピウス管)の複数の身体的側面を決定するのに十分な時間保持される。例えば、複数の身体的側面は、一の腔の形状、一の腔内のポリープ、複数の導管の開通性、及び/又は複数の導管の閉塞性を含む。本明細書における腔とは、例えば子宮のような身体の任意の腔を含む。本明細書における導管とは、例えばファロピウス管のような身体の任意の導管を含む。
【0054】
一の造影媒体を作る一の手動手段を、一のシリンジ及び一の多孔質物質(例えば開放気泡発泡体、スポンジ、又は織若しくは不織の布若しくは繊維若しくはこれらの組み合わせ)を含む一の容器アセンブリを含む一の造影媒体装置を使用して達成することができる。当該シリンジには、これらの物質の一以上が、ゆるく適合された態様で充填される。その後、当該プランジャが、完全に引き込まれた位置に戻される。その後、一の又は複数の多孔質物質を含む当該シリンジチャンバに造影媒体が注入されるか又は供給され若しくは引き込まれる。当該シリンジプランジャの制御された押し込みに際し、当該流体及び空気又は他の気体が、上述の二重シリンジシステムと同等の態様で出て行く。当該カテーテルアセンブリによって、造影媒体が評価対象構造物内に送達される。
【0055】
本明細書に開示の複数装置の使用により、可視化対象構造物に造影媒体組成物が送達される。本明細書に記載の造影媒体装置及び一のカテーテルアセンブリを使用して、組成物(例えば造影媒体組成物又は治療剤を含む組成物)を一の構造物に送達することにより、人間又は動物に診断又は治療処置が与えられる。例えば、一のファロピウス管に複数の治療剤が、交替相界面と組み合わせられて与えられる。当該交替相界面は、複数の治療剤を含む一の組成物に一の気体を導入することによって与えられる。ファロピウス管の処置を目的として、かかる治療剤は、メトトレキサート、ホルモン、受胎能力を向上させる化合物、受胎能力を妨害する化合物、運動性を向上させる化合物、運動性を妨害する化合物、繊毛/線毛消失サイクルに影響を及ぼす化合物、繊毛成長を向上若しくは妨害する化合物、卵胞処置化合物、抗細菌性、抗菌性、抗真菌性、抗ウイルス性、抗マイコプラズマ性、若しくは抗壁細胞性の化合物、炎症若しくは瘢痕組織形成を低減する化合物、一以上の抗生物質、抗マイコプラズマ剤、若しくは抗ウイルス性化合物を含む組成物;ムコタンパク質、受胎能力を向上若しくは阻害する電解質若しくは酵素、プロゲステロン、エストロゲン、アドレナリン作用化合物、ノルアドレナリン作用化合物、非ステロイド性抗炎症薬、プロスタグランジン、ファロピウス管、子宮、卵巣、若しくは他の器官又はファロピウス管の角若しくは小孔から流れる組成物が到達する被膜に関する状態を扱う若しくは回避する他の化合物を含むがこれらに限られない。治療組成物は、受胎能力のためのホルモン、受胎能力を向上させる化合物、配偶子、精子、卵子、精子と卵子の組み合わせ、一以上の接合子、若しくは一以上の受精卵、又はこれらの組み合わせを含む。かかる診断又は治療剤組成物が、かかる組成物を複数の構造物に直接与えることによって送達される方法では、当該組成物は、気体と診断又は治療剤を含む当該組成物との混ざり合いをさらに含む。当該組成物の送達が超音波のような手法によってモニタされる。本発明に係る一の造影媒体装置を使用して一の気体と当該治療組成物との組み合わせによって作られる当該界面と組み合わせられた治療剤を含む一の組成物は、当該組成物を送達する一ステップにおいて一の構造物の状態の処置及び診断の双方を与える。代替的に、気相/液相からの複数界面を有する一の組み合わせ治療剤組成物が、対象構造物に当該医薬を限定又は配置するべく用いられる。ソノグラフィーイメージングの支援によって、診断及び処置が同時又は順次に生じ得る。
【0056】
図1は、容器アセンブリ101を含む造影媒体装置100の一実施例の概略図を表す。また、気相及び液相の交替及び繰り返しの複数界面を作るべく容器アセンブリ101に流体接続されたカテーテルアセンブリ102の一部を示す。容器アセンブリ100は、カテーテル1を含む一のカテーテルアセンブリに接続される。造影パターン生成チャンバ3及び/又はカテーテルの寸法は、別個の気相/液相を保持して同様の相の合体を最小限にするための直径を有する。いくつかの実施例では、造影生成チャンバ及びカテーテルの直径は約0.5mmから約5.0mmの範囲である。圧力解放弁2が一の構造物(例えばファロピウス管)における過度の圧力上昇が、当該構造物が閉塞されている場合(例えば一のファロピウス管が開通していない場合)に最小限にされる。かかる弁は、当該装置(図示せず)の他の複数位置においてラインに使用され、又は複数の実施例は弁を有しない。これはまた、一のカテーテル(例えばバルーン)における一の端構造に対し、当該カテーテルがファロピウス管への入口すなわち角に配置される場合に第2の解放として機能し、当該端構造は当該カテーテルを所定位置に保持するべく作用する。
【0057】
造影パターン生成チャンバ3が、液体(例えば食塩水)の相14と気体(例えば空気)の相13との間に複数界面を有する相を作る。気相と液相との間の複数界面の形成は、当該2つの媒体が二重シリンジポンプ7によって進行して造影パターン生成チャンバに入るときに生じる。ゴムの隔壁4によって、ニードル9が気密シールされて造影パターン生成チャンバ3に挿入される。一の液相が、チュービングである一の接続部10を通して造影パターン生成チャンバ3に導入される。当該気体又は液体はいずれかの容器から与えられる。複数の弁がラインに追加され得る。例えば可能な流れを防止するべく、一方向逆止弁12がニードル9の後方に配置される。逆止弁に先行するのは、0.2ミクロン程度の気孔率のインライン無菌フィルタ装置5である。いずれか又は双方の媒体に対してかかるフィルタが使用されてよい。本発明に係る複数の実施例は、かかる弁又はフィルタを含まない複数の装置を含む。シリンジ11a及びシリンジ11bが、それぞれの媒体すなわち液体又は気体のいずれかを事前に充填されて二重シリンジポンプ7の中に配置かつロックされる。シリンジポンプ駆動ブロック8が、気体及び液体シリンジプランジャ6a及び6bのそれぞれを同時に進行させる。ジャンクション15が、造影生成チャンバとカテーテルとの間に形成される。振動子16はオプション要素である。これは、ニードル9を出る気相又は液相いずれかの小さな複数の相(例えばバブル)を作るべく、ニードル9を通る振動を作る。
【0058】
一の代替実施例は一の二重ポンプを含む。駆動ブロックは、当該2つの個別シリンジのための分離した2つのドライバを含む。これにより、一方の相を短い又は長い複数のセグメントで他方の相に対して与える界面パターンすなわち気相/液相の変更が可能となる。これは、一方のプランジャの、他方のプランジャに対して遅い(又は速い)送達レートによって達成することができる。
【0059】
ニードル9の直径は、造影パターン生成チャンバの直径よりも、ある程度小さい又はわずかに小さい。造影パターン生成チャンバ3において、ニードル9を通って送達される相は他方の相から影響を受ける。これにより、ニードル9によって送達される相が、区別された量で分散される。例えば、ニードル9を通して送達される液体の表面張力は、当該ニードル端から確定量の液体を切り離し、造影パターン生成チャンバにおける気体の中に液相を形成する。例えば、当該ニードルのゲージは約10から30の範囲である。
【0060】
図2は、造影媒体装置200が送達カテーテルよりも大きな直径を有する造影パターン生成チャンバを有することを除き図1と同等である。図2は、図1と同等の付番がされており、カテーテルアセンブリ202に流体接続された容器アセンブリ201を示す。
【0061】
図3は、造影媒体装置300が送達カテーテルよりも大きな直径を有する造影パターン生成チャンバを有し、かつ、ニードル9が存在しないことを除き図1と同等である。図3は、図1と同等の付番がされており、カテーテルアセンブリ302に流体接続された容器アセンブリ301を示す。
【0062】
図4は、交替気体/液体造影媒体を生成しカテーテルアセンブリ又は同等の装置に送達するべく使用される容器アセンブリ200の一実施例の概略図である。シリンジ10には多孔質物質20が充填されている。多孔質物質20は液体30によって一部が飽和している。これは、プランジャ40を引いて、当該シリンジを液体に浸漬して、シリンジ開口50又は多孔質物質20の間隙に液体を配置する他の適切な手段を介して液体を注入することによって達成できる。例えば、多孔質物質は、当該容器内に配置される前に、液体がすでに多孔質成分と関連付けられている湿潤状態で与えられる。シリンジ開口50が無菌フィルタ部材によって又はこれなしで、所望の場所に造影媒体を移送するカテーテルアセンブリ又は同等の送達部材に適切に接続される。プランジャ40が次第に進行する。この結果、液相及び気相が交替してシリンジ開口50を出てカテーテルアセンブリに向かい、意図されたイメージング対象の場所に送達される。
【0063】
図5は、本発明に係る造影媒体組成物並びに米国特許出願第12/240,738号及び第12/240,791号明細書の送達装置を使用したファロピウス管の可視化の概略図である。イントロデューサシャフト60が子宮120に配置されているのが示される。カテーテルアセンブリ70がイントロデューサシャフト60から延びて、カテーテル80の送達端が子宮角に配置される。造影媒体130はファロピウス管90に存在し、造影媒体130は流体相100及び気相110を含む。
【0064】
図6は、本発明に係る一の装置によって作られた空気/食塩水造影媒体組成物の送達を示す。当該空気/食塩水組成物が雌の哺乳類の子宮に直接送達される。逆行流を妨げるバルーン要素を有するカテーテル1の送達端が、哺乳類の子宮2の中に配置される。気体/液体造影媒体3が生成され、カテーテル1を通して送達されて子宮内に出る。造影媒体は子宮を通ってファロピウス管4の中に流れる。ファロピウス管4は、造影媒体の気体/液体セグメントによって作られた交替パターンにより可視となる。
【0065】
図7は、本発明に係る二重容器実施例を含む造影媒体装置20の容器アセンブリを示す。図面に示されないのは、当該図面に示された部材を囲むが、オプションとして空気及び出口ポート6並びに/又はプランジャ端は囲まないケーシングである。当該図面の近位端から、当該装置の複数の要素が記載される。プランジャ端7a及び7bは、シリンジ本体4a及び4bの中に保持されるシリンジプランジャ(図示せず)に取り付けられる。図示されていないのは、当該2つのプランジャ端を接続する一要素である。これにより、プランジャ端7a及び7bが同時に動作する。当該2つのプランジャ端を接続する一要素の一例としてのアクチュエータ35については図8を参照のこと。また、図示されていないのは、各プランジャの全長である。各プランジャ端は、当該シリンジ本体の中に配置された一のピストン及び一の流体シールに接続される。シリンジ本体(容器)4bは中空であり、食塩水のような一の液体を含むことができる。また、一の流体用導管すなわち接続部3bに流体接続される。接続部3bは、各容器(接続部11a及び11b)ごとに流体接続される一の導管及び混合チャンバ1並びにスタティックミキサ12を含む造影媒体生成チャンバ8に接続される。シリンジ本体(容器)4aは中空であり、一の気体を含むことができる。また、シリンジ本体4aは逆止弁2aとラインをなしかつ気体接続される。逆止弁2aは、空気ポート開口5からの空気経路の接続部10とラインをなす。接続部10は空気フィルタ9とラインをなして流体接続される。空気フィルタ9は空気ポート開口5とラインをなして流体接続される。容器4aを充填するべく空気を、空気ポート開口5を通して、フィルタ9の中へ及びこれを通して、接続部10を通して、逆止弁2aを通して、接続部3aを通して、容器出口ポート14aを通して、及び容器4aの中へ引くことができる。空気を造影媒体生成チャンバ8に与えるべく空気を、容器4aから、容器出口ポート14aを通して、及び接続部3aの中へ、プランジャ端7aに圧力を及ぼすことによって動かす。プランジャ端7aは、容器4aの内部本体を通してプランジャピストン及び流体シールを動かす。逆止弁2bは、造影生成チャンバ8と流体(気体)連通される。これにより、容器4aからの気体を、容器4aから、容器出口ポート14aを通して、接続部3aを通して、逆止弁2bを通して、造影生成チャンバ8における接続部11aの造影媒体生成チャンバ8近位端まで、及び混合チャンバ1まで動かす。混合チャンバ1はスタティックミキサ12を含んでよい。造影媒体生成チャンバ8は出口ポート6に流体接続される。一のコネクタすなわちコネクタ7が示される。これは、図示の造影媒体装置にカテーテルを接続するべく使用される。接続要素(例えばコネクタ22(例えばルアーロック又は他のチュービング若しくは導管コネクタ))が、当該装置の分離された要素を取付けるべく使用される。
【0066】
食塩水又は他の任意流体を造影媒体生成チャンバ8に与えるときに、食塩水(又は他の流体)を、容器4bから、容器出口ポート14bを通して、及び接続部3bの中へ、プランジャ端7bに圧力を及ぼすことによって動かす。プランジャ端7bは、容器4bの内部本体を通してプランジャピストン及び流体シールを動かす。接続部3bから食塩水は、接続部11bを含む造影媒体生成チャンバ8の近位端に入る。接続部11bは混合チャンバ1とラインをなして流体接続される。造影媒体生成チャンバ8の遠位端はスタティックミキサ12及び出口ポート6に流体接続される。
【0067】
図7の装置に一の液体(例えば食塩水)を充填するとき、出口ポート6が、一の容器(例えば一のボール又は他の流体容器)に見出される流体(例えば食塩水)に浸漬される。プランジャ7bのピストン及び流体シール端は、容器4bの中のより遠位の位置に配置される。当該プランジャ端を動かす力が及ぼされ、当該ピストン及び流体シールは出口ポート6から離れ容器4bの近位端に向かって動く。流体シールが当該容器を通って近位方向に動くにつれて、食塩水が出口ポート6の中へ及びこれを通って、造影媒体生成チャンバ8及び接続部11a及び11bを通って引かれる。ここで、食塩水は、逆止弁2b(一方向弁)によって接続部11aよりもさらに流れることが防止される。食塩水は、接続部3b及び容器出口14bを通って容器4bの中に流れ続ける。
【0068】
図8は、造影媒体装置の一代替実施例を示す。ここで、スタティックミキサ12(図7に示す)は短くされるか又は存在せず、出口ポート6は造影媒体生成チャンバ8の混合チャンバ1に接続される。他の要素は図7と同等である。
【0069】
図9は、圧力管理要素が存在する本発明に係る造影媒体装置の内部部材(容器アセンブリ)を示す。構造物は図7と同様に付番される。コネクタ7の遠位端が、少なくとも要素21a、21b、22、16、及び17を含む圧力解放機構のチャネル21aとラインをなして流体接続される。当該圧力解放機構のチャネル21aは接続部19に流体接続され、オプションとしてコック弁を含む。当該コック弁は、コックハンドル15を使用して開又は閉位置とすることができ、コネクタ18及び出口ポート20とラインをなして流体接続される。当該圧力解放機構の解放弁21bは閉位置にあり、当該弁における流体圧力が許容圧力を超えると開となる。許容圧力を超えると、解放弁21bが開き、流体がチャネル21aから(又は接続部19からチャネル21aへ)解放弁21bを通って、及びコネクタ16の中へかつこれを通って流れる。コネクタ16は、チュービング接続部22によって解放弁21bに接続される。コネクタ16は、出口ポート17を通して当該流体を流す一の容器、バッグ、又は収集装置(図示せず)を取り付ける取付要素である。解放弁21bが開くと、コック15が回動して接続部19を閉じる。これにより、流体は解放弁21bへ流れることを止める。
【0070】
図10は、本発明に係る一の装置の内部要素を示す。出口ポート25に向かうように又はこれから離れるように動くときに双方のプランジャ端7a及び7b(アクチュエータ35によって一部が隠れている)を同時に動かすアクチュエータ35が示される。当該アクチュエータは、当該装置の内部要素を囲むケーシングに対して外部にある。
【0071】
本発明に係る複数の方法は、超音波法を介して複数の構造物を観察するべく造影媒体を使用することを含む。本発明は、本明細書に記載の一の造影媒体装置を使用して一のパターンの液相及び気相を含む造影媒体を作ることを含む。当該造影媒体は、ソノグラフィーによる可視化対象構造物へ又はこれの中に直接送達される。例えば、複数のファロピウス管が検査対象の場合、当該造影媒体は、一のカテーテルによって子宮角へ又はファロピウス管の開口に送達される。代替的に、器官系全体、子宮、及びファロピウス管が可視化法によって評価できるように、子宮及び複数のファロピウス管に十分な量の造影媒体が与えられる。一の又は双方のファロピウス管を評価するべく完全な子宮腔拡張が必要となることはない。対照的に、他の周知なシステムでは、子宮全体を一の液体(例えば食塩水)で充填すること、その後、食塩水が充填された子宮に気体/液体混合組成物を加えること、及び当該気体/液体混合物が当該ファロピウス管に到達するまで待つことが必要となる。かかる方法には、当該ファロピウス通路を可視化するための空気及び食塩水の導入前に、子宮に拡張に十分な食塩水を充填する必要がある点で、手順上の制限が存在する。当該子宮又は管に存在する空気が、流体の流れを変える複数の空気ポケットを作る。患者は、有用な方向の気体の流れを目的として普通ではない位置に操作される必要がある。医師は、複雑な性質の多数の切り替え手順を行う必要がある。本発明は、単純な自動化造影媒体装置又は携帯用造影媒体装置を使用する単一ステップ工程を含む。
【0072】
本発明に係る一の方法は、第1及び第2容器を含む造影媒体装置を与えることであって、各容器は、10mLの流体を含むことができて一のプランジャが嵌められ、当該複数の容器は一の出口ポートに流体接続され、第2容器は少なくとも一の逆止弁を通して一の空気ポートに接続されることと、当該出口ポートを一の食塩水容器内に配置し、当該2つのプランジャを当該2つの容器を通しかつ当該出口ポートから離れて引くことによって当該2つの容器を同時充填することとを含む。一の容器が食塩水で充填される一方で、第2容器が空気で充填される。当該プランジャが所定位置まで引かれると、第1容器は食塩水を含み第2容器は空気を含む。各プランジャをその容器を通して出口ポートに向けて動かすべく当該複数のプランジャを同時に押し込むと、食塩水及び空気が各容器から分離された複数の流体接続部の中にかつこれらを通って一のスタティックミキサを含む一の造影媒体生成チャンバへ動く。または代替的に、当該分離した2つの接続部に各容器から流体接続されて一の容器空間すなわち導管として機能する一の混合チャンバを含む一の造影媒体生成チャンバへ動く。ここで、当該容器からの当該分離した2つの接続部は結合され(一の導管混合チャンバ)、一のスタティックミキサは存在しない。一の造影媒体組成物が生成されて、一のカテーテルに入るべく当該造影媒体生成チャンバから移動し、かつ、一の体構造物の中に移動する。一のスタティックミキサでは、複数の空気/食塩水界面を含む一の造影媒体組成物を形成するべく空気及び食塩水が混合される。代替的に、造影媒体生成チャンバが一のスタティックミキサを含まないが一の導管混合チャンバを含む一実施例では、空気及び食塩水はこれらの各チャネルから出て、分散かつ混合される。当該分離した接続部によって行われる当該混合チャンバ内の流体ストリームの混合に際して、当該流体内に複数の空気セグメント(バブル)が形成される。かかる空気/食塩水界面は、食塩水によって又はこれの中に囲まれた空気バブルすなわち空気及び食塩水セグメントの結果である。当該スタティックミキサすなわち導管混合チャンバを出た造影媒体組成物は、オプションとして一の出口導管を通って一の出口ポートの外に流れる。当該導管に一のカテーテルが接続されて、当該造影媒体組成物は当該カテーテルの中に流れる。当該容器の流体が分散した後、当該容器は、十分な量の造影媒体が作られて送達されるべく一回以上再充填される。代替的に、流体(例えば空気及び食塩水)が事前に充填された複数の容器が与えられる。最初に造影媒体と複数の第1事前充填容器のいずれかとが、流体(例えば空気及び食塩水)を含む新たな事前充填容器で置換される。または、複数の第1事前充填容器が、上述のステップによって再充填される。
【0073】
本発明では、造影媒体装置からファロピウス管への一の気液界面パターンを含む造影媒体の送達は、可視化中の遮られていない流れによって当該管の開通性を確認することができる。そして、行き止まりにおける材料の不必要な増加がもたらされることがない。送達容積は、ファロピウス管路の潜在容積すなわち一の評価に対して近似的に約2ミリリットルの範囲内にとどめられるが、初期観察を確認するべくこれより多い量を含んでもよい。一のファロピウス管のイメージングは、組み合わせられた流体相/気相組成物、約0.5mLから約20mL、約1mLから約15mL、約1mLから約5mL、約1mLから約10mL、約10mLから約20mL、約1mLから約3mL、約15mLから約20mLの使用を含む。一の子宮及び少なくとも一のファロピウス管のイメージングは、組み合わせられた流体相/気相造影媒体組成物、約10mLから約150mL、約10mLから約100mL、約10mLから約50mL、約20mLから約100mL、約10mLから約80mL、約10mLから約90mL、約20mLから約90mLの使用を含む。管閉塞は、当該ファロピウス管から腹膜腔内への造影媒体の移動性欠如によって明らかとなる。圧力解放は、当該装置の解放弁によって、又は、当該送達カテーテルの一端構造の、当該角内でのその位置からの移動によって確証できる。本発明に係る一の装置は、ひとたび当該シリンジが一のポンピングシステムに挿入されると自動化に順応する。または、ひとたび当該シリンジが一の携帯用装置に挿入又は取り付けられると手動送達によるアクティベーションに順応する。
【0074】
本発明に係る一実施例は、補足的なシステム(例えば一の又は複数の液体リザーバ、又は当該装置に取り付けられたかかる液体リザーバからの流体流の弁制御)を必要としない一の造影媒体送達装置を意図する。複数の再充填可能容器を含む本発明に係るもののような簡略化された装置及び方法により、手順及び結果の成功確率が高くなる。さらに本発明に係る装置は、当該交替相パターンを、ソノグラフィーにとって有用な複数の時間周期保持することができる。これによりユーザは、当該手順の間適切に複数構造物の位置を特定しかつ患者若しくは構造物又はカテーテルを再配置する自由が得られる。一般に、個々の相の合体は存在しない。当該造影媒体装置によって作られる気相/液相又は界面のパターンが当該開始時において視覚的に観察される。各媒体セグメント及び送達レートはユーザのニーズに合わせて制御することができる。
【0075】
流体(空気及び食塩水)の混合は、空気/液体界面の交替パターンの一貫性をもたらし、ファロピウス管内の造影剤の移動を最適に観察するのに望ましい。当該管のサイズに起因して、当該交替パターンの一貫性は、超音波による流れの可視化を許容する必要がある。食塩水及び空気を送達しようとしてきた他の複数の装置は、一貫性なくこれを行っていた。当該手順は難しすぎて、医療関係者によるファロピウス管及び/又は子宮の評価ができないと考えられていた。以前の装置では、当該手順は、その装置を使用して診断に十分な可視化を得るためのスキルの練習及び学習が多大であった。一方、本発明により生成される一貫した交替パターンでは、ほとんどの医師が、ほんのわずかな使用及び忍耐の後その装置に熟練し、良好なデータを日常的に十分に取得することができる。一の造影生成チャンバの一例は、Micromedics(登録商標)から商業的に購入可能である(部品:スタティックミキサ付ブレンディングコネクタ)。これは、可視化が容易な交替パターンを作るべく一貫性をもって液体及び気体を一緒にもたらすことができる部材の一例である。Micromedicsの当該部品はKeptal(登録商標)F30から作られたスタティックミキサを有し、当該スタティックミキサは、液体及び気体の乱流を作る一構成を有する。発泡体又は任意の多孔質材料のような他の材料であっても、液体及び気体の乱流及び混合を作るべく同等の目的に資する。代替的に、当該造影媒体生成チャンバがスタティックミキサなしの混合チャンバを含む場合(例えば当該混合チャンバが2つの別個な接続部の連結箇所(一の導管混合容器)における閉じ込められた空間である場合)、当該交替パターンは、一のスタティックミキサを有する一の造影媒体生成チャンバとして一貫性があってもよく又はなくてもよい。当該分離した接続部、造影媒体生成チャンバ、混合チャンバ、及び一のカテーテルにつながる出口ポートの直径は、作られた食塩水及び空気のインターバルに影響を与え、一貫性のある交替パターンを確保するべく最適化される。液体が超音波のもとで黒く見える一方、気体は白く見える。当該腔又は導管を通って動く白黒の交替パターンにより、一の小さな直径の管(ファロピウス管)又は一の管路の評価が可能となる。当該容積及び直径が大きな構造物のいくつかの通路では、本明細書に開示のように添加剤すなわち界面活性剤によって2つの流体相が保持される。当該造影媒体装置は、本明細書に示したシリンジよりも大きな複数の容器を含む。例えば、一の容器が使用される。当該容器は発泡した一の液体を含む。当該発泡は、振ること、発泡剤を加えること、超音波処理、又は攪拌によって作られる。当該発泡は、その発泡を当該容器アセンブリから一のカテーテルアセンブリを通して評価対象構造物まで輸送することによって、イメージング対象の腔に移送される。当該分散を作る他の複数の方法が可能であってこれを行う機械化手段が含まれ得ることは明らかである。これらの方法によって作られた相は人に、振ることすなわちかき混ぜること並びに当該分散剤の種類及び濃度を制御することによって、得られた発泡のサイズを規制することを可能とする。
【0076】
本発明に係る方法は、超音波による複数の通路(例えばファロピウス管及び子宮腔)の評価を可能とし、簡単、安全、かつ安価な外来方法を与える。本発明に係る方法は、本明細書に開示の装置及び組成物を使用して一の体(例えば子宮及びその関連するファロピウス管)の位置をソノグラフィー観察することを含む。
【0077】
一般に、本発明は、当該構造物に造影媒体組成物を与えること及び超音波のような可視化法を与えることによって、複数の構造物を可視化する複数の方法及び装置を含む。当該構造物の中の又はこれのまわりの造影媒体の可視化は、観察者に情報を与える。かかる方法及び装置は、観察された構造物に関する状態の診断及び処置を目的として使用することができる。本発明に係る方法及び装置は、人間又は動物の子宮及び/又はファロピウス管に関する状態の診断及び処置に有用である。
【0078】
本発明に係る一の造影媒体装置は一の容器アセンブリを含む。当該容器アセンブリは、一の流体を含む少なくとも一の容器と、当該容器から一の流体を動かす一の部材と、当該少なくとも一の容器を当該容器アセンブリに接続する複数の部材とを含み、オプションとして当該容器アセンブリに流体接続される一のカテーテルアセンブリを含む。本発明に係る一実施例では、当該容器は一のシリンジであり、当該容器から一の流体を動かす当該部材は、一のシリンジプランジャである。複数の実施例が、当該シリンジプランジャをアクティベートする一の部材をさらに含み、当該部材は一のメカニカルポンプ又は手の作用である。当該装置は、当該装置の複数部品すなわち弁、ニードル、フィルタ、振動子、ポンプ、及び他の部材を流体接続する複数の接続要素をさらに含む。
【0079】
複数の実施例が、少なくとも一の容器が一の多孔質物質及び一の気体をさらに含む装置を含む。一の多孔質物質は、気体及び液体を含み、かつ、当該多孔質物質への圧縮又は物理的な力に応じて容易に当該気体及び液体を放出することができる任意の物質である。例えば、一の多孔質物質は、圧縮性の一のスポンジ(例えば開放気泡ポリウレタンスポンジ)である。例えば、一の多孔質物質は、一の気体及び一の液体を含む材料である。剛性であるが、当該気体及び液体を放出するべく圧縮に応じてつぶれる。一の多孔質物質は、乾燥状態で一の容器に与えられる。当該多孔質物質は気体を含み、当該容器に一の液体が加えられて当該多孔質物質が一の気体及び一の液体の双方を含むこととなる。代替的に、当該多孔質物質は、液体及び気体の双方を含んで湿潤し、一の容器に与えられる。当該湿潤した多孔質物質の挿入後に、より多くの液体が当該容器に加えられてもよく又は加えられなくともよい。理論づけられるのは、当該多孔質物質はその小孔内の一の気体とそれに関連付けられた一の液体とを含むということである。当該液体及び気体は、当該小孔内に見出されるか、又は容易に解放可能に(例えば表面張力、水素結合、又は他の弱結合関連性により)当該多孔質材料に関連付けられる。
【0080】
複数の容器又は多孔質物質に与えられた液体は、界面活性剤、乳化剤、他の安定化剤、又は他の分散剤をさらに含む。複数の容器又は多孔質物質に与えられた液体は、発泡した一の液体をさらに含む。液体は業界周知の方法で発泡される。
【0081】
本発明に係る複数の実施例は、一の容器アセンブリを含む複数の造影媒体装置を含む。当該容器アセンブリは、2つの容器と、当該容器に流体接続された一のパターン造影生成チャンバとを含む。例えば、当該容器は複数のシリンジである。各シリンジは、一のシリンジプランジャである容器から流体を動かす一の部材を含む。かかる実施例は、当該シリンジプランジャをアクティベートする一の部材をさらに含む。当該部材は一のメカニカルポンプ又は手の作用である。2つの容器装置では、一方の容器が一の気体を含み、他方の容器が一の液体を含む。例えば、当該容器が複数のシリンジである場合、一方のシリンジが一の気体を含み、他方のシリンジが一の液体を含む。本発明では、一の装置において2以上の容器が使用される。当該容器は、サイズ、容積、直径、長さが同じ若しくは異なり、又は同じ若しくは異なる材料から作られる。
【0082】
本発明に係る一の方法は、当業者にとって周知の超音波法を使用する複数の観察構造物を含む。一の構造物をソノグラフィー可視化する方法は、少なくとも一の容器を含む一の造影媒体装置において一の気体及び一の液体の複数交替相を含む一の造影媒体を作ることと、当該造影媒体を一のカテーテルアセンブリに与えることであって、当該カテーテルアセンブリは、一の可視化対象構造物に又はこれの近くに配置された一のカテーテル送達端を含むことと、当該造影媒体を当該可視化対象構造物に直接送達することと、当該構造物の中の当該造影媒体を超音波によって観察することとを含む。一の構造物をソノグラフィー可視化する方法は、本発明に係る一の造影媒体をその中に含むか又は当該構造物を通して流す一の構造物を観察することを含む。本発明に係る複数の方法は、一の造影媒体装置において混合した気体及び液体を含む一の造影媒体を作ることを含む。交替する気相及び液相が、一の造影媒体組成物を形成するべく作られる。当該交替する気相及び液相は、当該相間に可視界面を有して超音波による可視パターンを形成する。
【0083】
本発明は、一の構造物の中の当該造影媒体を可視化する超音波を含む。超音波より行われる手順は一般に、一の経腟プローブを使用する。当該プローブはファロピウス管の近くに配置することができる。一の矢状野を達成するプローブの配置が、所定配置のカテーテルによる子宮腔内のソノグラフィー造影剤の可視化を可能とする。膣に向かって逆行する逆行流が存在しない子宮腔内への順方向の流れが検証される。一の横断野を達成するプローブの配置が、子宮腔からファロピウス管の中へのソノグラフィー造影剤の可視化を可能とする。これにより、双方の管又は各管が所定平面で観察される。
【0084】
超音波を使用して観察可能な任意の構造物を、本発明に係る造影媒体組成物を使用して観察することができる。本明細書において当該造影媒体装置によって作られる造影媒体組成物が教示される。例えば、一の可視化対象構造物は、一の人間又は動物の少なくとも一のファロピウス管である。
【0085】
本発明に係る造影媒体組成物は、流れることができる一の液体によって作ることができ、一の気体と接触するときに一の区別された液相を形成する。当該造影媒体液体は、可視化可能液体を含んでもよいし又は含まなくてもよい。当該造影媒体組成物は、一の治療組成物をさらに含む。治療組成物は治療剤を含む。当該治療剤は、メトトレキサート、ホルモン、受胎能力を向上させる化合物、受胎能力を妨害する化合物、運動性を向上させる化合物、運動性を妨害する化合物、繊毛/線毛消失サイクルに影響を及ぼす化合物、繊毛成長を向上若しくは妨害する化合物、卵胞処置化合物、抗細菌性、抗菌性、抗真菌性、抗ウイルス性、抗マイコプラズマ性、若しくは抗壁細胞性の化合物、炎症若しくは瘢痕組織形成を低減する化合物、一以上の抗生物質、抗マイコプラズマ剤、若しくは抗ウイルス性化合物を含む組成物;ムコタンパク質、受胎能力を向上若しくは阻害する電解質若しくは酵素、プロゲステロン、エストロゲン、アドレナリン作用化合物、ノルアドレナリン作用化合物、非ステロイド性抗炎症薬、プロスタグランジン、ファロピウス管、子宮、卵巣、若しくは他の器官又はファロピウス管の角若しくは小孔から流れる組成物が到達する被膜に関する状態を扱う若しくは回避する他の化合物を含むがこれらに限られない。処置組成物は、受胎能力のためのホルモン、受胎能力を向上させる化合物、配偶子、精子、卵子、精子と卵子の組み合わせ、一以上の接合子、若しくは一以上の受精卵、又はこれらの組み合わせを含む。
【0086】
複数の構造物の可視化方法は、本発明に係る一の造影媒体装置によって作られる複数の組成物の使用を含む。複数の実施例では、当該造影媒体装置は、一の多孔質物質及び一の流体を含む一の容器を含む。当該多孔質物質は、一の気体をさらに含む。当該液体は、一の界面活性剤、乳化剤、他の安定化剤、又は他の分散剤をさらに含む。当該液体は発泡する。
【0087】
本発明に係る複数の方法は、本発明に係る一の造影媒体組成物を当該構造物に直接送達することを含む。例えば、一の造影媒体組成物が一のファロピウス管に直接送達される。当該組成物は、一のカテーテルによって送達される。当該カテーテルは、業界周知の複数の及び本明細書にて教示の装置によって当該位置まで与えられる。例えば、当該カテーテルは、そのカテーテル送達端が子宮角に配置されるべく与えられる。当該造影媒体組成物は、当該カテーテルを通して与えられてファロピウス管の開口内に出る。当該組成物は可能であればファロピウス管を通って流れる。当該造影媒体組成物は超音波によって可視となる。当該可視化によってファロピウス管の状態を決定することができ、診断が与えられ、又はファロピウス管若しくは他の構造物への処置が与えられる。例えば、少なくとも一のファロピウス管の開通性又は閉塞性が、超音波より当該少なくとも一のファロピウス管を観察して決定される。本発明に係る複数の方法は、複数の構造物(例えばファロピウス管)を評価又は処置するべく少量の造影媒体組成物を使用することを含む。当該構造物に与えられる少量の造影媒体は、一の評価に対して20mL未満である。本発明に係る造影媒体生成送達装置は、一の流体を含む少なくとも一の容器を含む一の容器アセンブリと、当該容器から一の流体を動かす一の部材と、少なくとも一の容器を一の造影媒体生成チャンバに流体接続する複数の接続部を含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は2つの容器を含む。それぞれは、一の容器から一の流体を動かす一の部材を有する。一側面では、各容器は一のシリンジである。当該容器から一の流体を動かす部材は一のシリンジプランジャである。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、双方のシリンジプランジャを同時に作動させる一の部材(本明細書においてアクチュエータを称する)をさらに含む。一のアクチュエータが当該シリンジプランジャの複数端をつなぐ。これにより、当該アクチュエータは当該プランジャを同時に同じ方向、同じレート、及び同じ距離に動かすことができる。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、一のスタティックミキサを含む一の造影媒体生成チャンバを含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、一の導管混合チャンバを含む一の造影媒体生成チャンバを含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、大気又は他の気体源への一の空気ポートに流体接続された一の容器を含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、当該空気ポートに流体接続された当該容器に流体接続された少なくとも一の逆止弁を含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、当該空気ポートに流体接続された当該容器に流体接続された少なくとも2つの逆止弁を含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、一の圧力解放機構を含む。一の圧力解放機構は一の圧力放出弁を含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、一の混合チャンバを含むがスタティックミキサは含まない一の造影媒体生成チャンバを含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、当該造影媒体生成チャンバに流体接続された一の出口ポートを含む。本発明に係る一の造影媒体生成送達装置は、当該出口ポートに取り付けられた一のカテーテルを含む。
【0088】
本発明に係る一の方法は、一の体構造物のソノグラフィー可視化の一方法を含む。当該方法は、一の流体を含む少なくとも一の容器を含む一の容器アセンブリと、当該容器から一の流体を動かす一の部材と、少なくとも一の容器を一の造影媒体生成チャンバに流体接続する複数の接続部とを含む一の造影媒体生成送達装置を与えることと、少なくとも一の容器を一の流体で充填することと、一の造影媒体組成物を生成するべく当該流体を少なくとも一の容器から一の造影媒体生成容器に動かすことと、当該造影媒体組成物を一の体構造物に、同じ又は一の異なる体構造物に配置された一のカテーテル送達端を含む一のカテーテルを介して与えることと、一以上の体構造物における当該造影媒体組成物を超音波によって観察することとを含む。本発明に係る一の方法は、流体が事前に充填された少なくとも一の容器を含む。本発明に係る一の方法は、2つの容器を含む一の造影媒体装置を含む。第1容器が空気で充填され、第2容器が食塩水で充填される。本発明に係る一の方法は、食塩水及び空気を一の造影媒体生成チャンバに与えることを含む。当該食塩水及び空気は混合されて一の造影媒体組成物を形成する。当該造影媒体組成物は、一のパターンの規則的周波数にある複数の空気セグメント及び複数の食塩水セグメントを含む。本発明に係る一の方法は、一の造影媒体組成物を子宮及び複数のファロピウス管に与えることを含む。これらは、ソノグラフィーを使用して観察できる。
【0089】
本発明に係る一の方法は、一のファロピウス管の開通性を診断することを含む。当該方法は、一の流体を含む少なくとも一の容器を含む一の容器アセンブリと、当該容器から一の流体を動かす一の部材と、少なくとも一の容器を一の造影媒体生成チャンバに流体接続する複数の接続部とを含む一の造影媒体生成送達装置を与えることと、少なくとも一の容器を一の流体で充填することと、一の造影媒体組成物を生成するべく当該流体を少なくとも一の容器から一の造影媒体生成容器に動かすことと、当該造影媒体組成物を一の体構造物に、同じ又は一の異なる体構造物に配置された一のカテーテル送達端を含む一のカテーテルを介して与えることと、一以上の体構造物における当該造影媒体組成物を超音波によって観察することとを含む。本発明に係る一の方法は、造影媒体生成送達装置が2つの容器を含むことを含み、当該容器は、同時作用を有効とするべく結合され、第1容器は空気で充填されて第2容器は食塩水で充填され、及び、食塩水及び空気を一の造影媒体生成チャンバに与えることを含む。当該食塩水及び空気は混合されて一の造影媒体組成物を形成する。当該造影媒体組成物は、一のパターンの規則的周波数にある複数の空気セグメント及び複数の食塩水セグメントを含む。本発明に係る一の方法は、一の造影媒体組成物を子宮及び少なくとも一のファロピウス管に与えることを含む。子宮及び/又は少なくとも一のファロピウス管はソノグラフィーを使用して観察される。
【0090】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形である「一」及び「当該」は、文脈が明確にそうではないことを示さない限りは複数の指示対象物も含むことに注意すべきである。
【0091】
すべての特許、特許出願、及び参考文献が本明細書に含まれ、これらの全体が参照により具体的に組み込まれる。
【0092】
もちろんのことだが、上述したのは本発明に係る好ましい実施例にのみ関連し、本開示に記載のとおり本発明の要旨及び範囲から逸脱することなく多数の修正例又は変形例をなし得る。
【0093】
本発明はさらに、以下の実施例によって説明される。これらは、どんなことがあっても本発明の範囲に制限を課するものとして解釈してはならない。反対に、様々な他の実施例、修正例、及び均等例を講じることができ、これらは、本明細書の記載を読んだ後に、本発明の要旨及び/又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく当業者に想起できるということが明確に理解される。
【実施例1】
【0094】
二重シリンジポンプを有する造影媒体の調製
【0095】
図1に一般的に示される一の二重ポンプを含む一の容器アセンブリが作られる。当該容器アセンブリは、一方が容積6cc、他方が容積20ccである2つのシリンジを有する。6ccのシリンジは食塩水で完全に充填され、20ccの方は空気で充填された。滅菌法が望まれる場合は、複数の滅菌0.2μmフィルタ(Sartorius Minisart(登録商標)又はWhatman Syrfil−MF(登録商標))が当該シリンジに取り付けられた。一の27ゲージ、8.9cm(3.5”)長さのスパイナルニードルが、一の気相を当該造影パターン生成チャンバ内の一の流体相に注入するべく使用されて、交替空気及び液相の界面が作られた。当該セットアップには、PICC−Nate(登録商標)カテーテルのTポートエクステンション及び2つの長さのエクステンションチュービングが利用された。
【0096】
様々なシリンジID、ポンプ容積、ポンプレート、及びポンプ遅延の設定が評価され、これらにより、当該容器アセンブリの前方にある一のカテーテルアセンブリにおいて可視化される許容可能な造影媒体がもたらされた。当該造影媒体は、一のファロピウス管の寸法を模擬する透明PVCチュービングの中に送達された。ユーザは、気体又は液体の容積増加、及び、当該ポンプの設定を調整することによって当該造影媒体が送達される速度を可能とすることにより気相及び液相を有するパターンを変化させることができた。当該造影媒体装置によって、かなり規則的なパターンの気相/液相界面が作られた。
【実施例2】
【0097】
携帯用二重シリンジポンプを有する造影媒体の調製
【0098】
実施例1のアセンブリに引き続き、当該二重シリンジを支持する一のハウジングが使用された。一のブロックが、食塩水を含む6ccシリンジのプランジャの後ろに配置され、空気を含む20ccシリンジのプランジャ距離と整列された。当該造影媒体の生成及びそのカテーテルへの送達が、当該造影媒体を当該カテーテルの中に送達する必要に応じて当該二重シリンジのプランジャへの手の力によって制御かつ操作された。当該シリンジの2つプランジャが同時に押されると、当該造影媒体のパターンは、当該カテーテル内で交替する実質的に等量の空気相及び食塩水相によって均一となった。一方のプランジャが押されることに引き続き他方のシリンジのプランジャが押された。個々のプランジャのアクティベーションに応じて、当該パターンは時には規則的に、時には不規則的になった。空気相及び食塩水相の個々のセグメントのサイズは均一ではなかったが、当該液相/空気相は容易に観察するのに十分な程度に繰り返された。当該造影媒体は、ファロピウス管の寸法を模擬する透明PVCチュービングの中に送達された。
【実施例3】
【0099】
多孔質物質を含むシリンジを有する造影媒体の調製
【0100】
一の滅菌Optipore(登録商標)スクラビングスポンジが長さ方向に、2つの等しい部分に切られた。60ccシリンジからのプランジャが取り外され、当該スポンジの複数の半体が、一方が他方の後ろとなるように挿入された。当該プランジャが当該シリンジの中に再挿入されて15ccのマークまで押し込まれた。当該シリンジの先端が食塩水の滅菌容器の中に浸漬され、当該プランジャが30ccのマークまで引かれた。これで当該容器アセンブリが組み付けられかつ充填された。当該容器アセンブリが一のカテーテルアセンブリに取り付けられた。当該プランジャが押し込まれて、ソノグラフィー可視化のための空気及び食塩水の一組成物すなわち一の造影媒体組成物が作られた。当該造影媒体は、ファロピウス管の寸法を模擬する透明PVCチュービングの中に送達された。当該造影媒体の送達をユーザが制御すると、一の不規則パターン又はランダムパターンが可視化された。空気相及び食塩水相の個々のセグメントのサイズは均一ではなかったが、当該液相/空気相は容易に観察するのに十分な程度に繰り返された。
【実施例4】
【0101】
模擬モデルにおける、二重シリンジポンプにより作られた造影媒体の研究
【0102】
図1及び実施例1の造影媒体装置が、当該装置によって作られた液相としての食塩水及び気相としての空気からなる造影媒体を、一の超音波ファントムモデル(Blue Phantom(登録商標)(ワシントン州カークランドのAdvanced Medical Technologies有限責任会社の一部門)から購入)における人間のファロピウス管を模擬するサイズの一のチャネルに送達するべく使用された。一のカテーテルアセンブリの送達端が、当該模擬ファロピウス管に配置された。当該造影媒体装置ポンプがアクティベートされて当該造影媒体が作られた。当該造影媒体は、当該モデルファロピウス管に送達されて図5に示されるパターンに再組み付けされた。超音波機械(GE Medical Systems(登録商標)が製造したモデル:Voluson730Pro)が、作られた造影媒体を可視化するべく使用された。当該造影媒体は、当該チャネルすなわち模擬ファロピウス管をリアルタイムで下って移動し、気相/液相造影が当該超音波プローブによって可視化される。
【実施例5】
【0103】
複数人間被験者における、二重シリンジポンプにより作られた造影媒体の研究
【0104】
図1及び実施例1の造影媒体装置が、造影媒体を複数人間被験者のファロピウス管に送達するべく使用された。当該造影媒体組成物は、液相としての食塩水及び気相としての空気を使用して当該装置によって作られた。各相は、無菌性を保証するべく近似的に0.2ミクロンのサイズの無菌フィルタを通して移動された。当該カテーテルアセンブリは、米国特許出願第11/065,886号明細書に記載される一の送達システムを使用して当該複数の人間の患者に与えられた。当該送達システムは各被験者の当該角に配置された。当該造影媒体は、当該送達システムのカテーテルを通して送達された。超音波機器(製造者:GE Medical Systems、モデル:Logic500)を使用して可視化された。造影媒体がファロピウス管を横断して腹膜腔の中へ出ることによって卵管疎通が証明された。この評価は、当該送達システムの適切な配置において明らかな造影媒体の流れによってリアルタイムで行われた。
【実施例6】
【0105】
模擬モデルにおける、多孔質物質を含むシリンジによって作られた造影媒体の研究
【0106】
図4及び実施例3に示されるような一の造影媒体装置が、当該装置によって作られた食塩水が液相であり空気が気相である造影媒体を、一の超音波ファントムモデル(Blue Phantom(ワシントン州カークランドのAdvanced Medical Technologies有限責任会社の一部門)から購入)における人間のファロピウス管を模擬するサイズの一チャネルに送達するべく使用された。使用された多孔質物質は、保護包装材料用に設計された高度に多孔質のポリウレタン開放気泡発泡体であった。一のカテーテルアセンブリの一の送達端が、当該模擬ファロピウス管に配置された。当該造影媒体装置が手でアクティベートされた。図5に示されるものよりもパターンが不規則的な一の造影媒体が作られた。超音波機械(GE Medical Systemsが製造したモデル:Voluson730Pro)が、作られた造影媒体を可視化するべく使用された。当該造影媒体は、当該チャネルすなわち模擬ファロピウス管をリアルタイムで下って移動し、気相/液相造影媒体組成物が当該超音波プローブによって可視化される。
【実施例7】
【0107】
複数人間被験者における、多孔質物質を含むシリンジポンプにより作られた造影媒体の研究
【0108】
図4及び実施例3に示されるような一の造影媒体装置が、当該装置によって作られた食塩水が液相であり空気が気相である造影媒体を、米国特許出願第11/065,886号明細書に記載される一の送達システムに組み込まれた一のカテーテルアセンブリによって複数人間被験者のファロピウス管に送達するべく使用された。当該送達装置は、一の人間被験者の子宮に配置された。一の又は双方のカテーテルの送達端が子宮角に配置された。60cc滅菌シリンジが、3X2”滅菌Optipore創傷清浄スポンジ(ConvaTec(登録商標)(ニュージャージー州プリンストンのE.R.Squibb&Sons有限責任会社の一部門)のために製造)によって充填された。当該スポンジはポリウレタンによって構成され、事実上高度に多孔質であった。当該シリンジが充填されるが当該スポンジに捕捉された空気が除かれることがないように、食塩水が当該シリンジの中に引き込まれた。当該シリンジが、当該送達装置の一の又は双方のカテーテルの取付端に取り付けられた。当該シリンジのプランジャが押し込まれると、当該造影媒体が形成されて当該カテーテルアセンブリを通して送達され、一又は複数のファロピウス管内に出た。当該造影媒体は、超音波(製造者:Philips(登録商標)、モデル:HD3)の下で可視であった。この評価は、当該送達システムの適切な配置において明らかな造影媒体の流れによってリアルタイムで行われた。
【実施例8】
【0109】
ベンチモデルにおける、4チャネル構成により作られた造影媒体の研究
【0110】
図7に示されるような一の造影媒体装置が、当該造影媒体インターバルを評価するための以下の4構成を生産するべく変更された。a)図7に示す(スタティックミキサを有する)造影媒体装置であって、各流体チャネルは当該スタティックミキサにおいてID(内部直径(interior diameter))0.55mm(0.022”)からID2.54mm(0.100”)に移り変わる装置。b)図8に示す(スタティックミキサを有しない)造影媒体装置であって、各流体チャネルはID0.55mm(0.022”)である装置。c)図8のような造影媒体装置であって、各流体チャネルはID1.14mm(0.045”)である装置。d)図8のような造影媒体装置であって、各流体チャネルはID0.43mm(0.017”)である装置。
【0111】
すべての造影媒体装置が2.2mm管に接続された。当該管は、作られた流体のインターバルを評価するべくファロピウス管の直径を模擬したものである。これらの流体チャネル内径及びスタティックミキサの有無によって、作られた空気インターバルの長さと対比した食塩水での長さは、実質的に同じであり平均長さ約5mmであった。
【実施例9】
【0112】
様々な送達レートに伴うパターン周波数及びセグメント長さの違いが食塩水及び空気について解析された。
【0113】
図7に示す装置の様々な送達レート並びに空気及び食塩水のパターン周波数及び各セグメントの長さの潜在的効果を解析可能とするべく、頸部、子宮腔、及びファロピウス管を含む雌の生殖器系を模擬する系が作られた。いくつかの実験に対する空気セグメントの長さ及び送達レートを表1に示す。
【0114】
当該試験器具は、2つの透明アクリル板の間に挟まれた透明なソフトエラストマー材料から構成された。底板は、子宮腔を代表するものと同等のサイズの凹みを有し、そこに当該エラストマーが置かれた。当該複数のアクリル板が一緒にボルト締めされ、一の水密シールが作られた。頂板は、以下から構成される。a)一の標準の子宮内バルーンカテーテルを収容するのに十分な内部子宮頸を模擬する短い長さの2mmボアのエラストマーチュービングが嵌められた一のインレット、及びb)各ファロピウス管の内径を模擬する2つの2mmボアのエラストマーチュービングが嵌められた2つのアウトレット。複数のデータ読み取りを可能とするべく、各管の長さは近似的に400mmであった。当該試験器具は、標準の卓上モデル引張試験機(Instron(登録商標))に固定された。当該装置をそのInstronに保持するが当該食塩水及び空気の再充填必要性に応じて取り外し可能とする一のブラケットが製作された。当該装置が、当該標準子宮内カテーテルを含む当該試験器具に接続された。当該Instronのクロスヘッドが、完全に充填された装置のプランジャに対向して配置され、送達を模擬する一の設定レートで前進させられた。
【表1】

【実施例10】
【0115】
圧力解放機構を含む装置によって送達された食塩水及び空気
【0116】
図9に示す装置は、20.7kPa(3.0PSI(155mmHg))の圧力解放弁を含む。食塩水及び空気を送達するときに達成される圧力を測定するべく、一の使い捨て圧力トランスデューサ(Utah Medical(登録商標)製品番号DPT−100)に接続され、これがさらに一の圧力モニタ(PendoTech(登録商標)PressureMat(登録商標)3Plus)に接続され、これがさらに一の標準デジタルコンピュータに接続された当該装置から構成される一の試験器具が使用された。アクティベートされたときに当該圧力解放弁から放出される過剰流体をキャプチャするべく、当該圧力解放弁の解放ポートに一の流体格納バッグが取り付けられた。
【0117】
この実施例の装置は、一の閉じた系の中に注入される食塩水及び空気の注入圧力を200mmHg未満の値に制限するべく設計された。インラインの圧力が20.7kPa(3.0PSI(155mmHg))の圧力レートに一致するか又はこれを超過すると当該弁が開き、流体が当該圧力解放弁の解放ポートから放出される。
【0118】
当該装置の流体注入圧力について複数の測定値が、一の模擬された閉じた系においてキャプチャされた。当該閉じた系は、当該トランスデューサの対向端のポート上に一のキャップを配置することによって達成された。当該トランスデューサが食塩水でプライミングされた。正確な流体圧力読み取りを保証するべく、複数の圧力測定値を得る前に当該トランスデューサの検出部近傍において空気バブルが存在しないことが視覚的に確証された。当該試験は6回繰り返された。結果は図11に示すグラフに描かれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
造影媒体生成送達装置であって、
一の流体を含む少なくとも一の容器を含む一の容器アセンブリと、
前記容器から一の流体を動かす一の部材と、
少なくとも一の容器を一の造影媒体生成チャンバに流体接続する複数の接続部と
を含む装置。
【請求項2】
2つの容器を含み、それぞれが一の容器から一の流体を動かす一の部材を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項2】
各容器は一のシリンジであって、前記容器からの一の流体を動かす前記部材は一のシリンジプランジャである、請求項2に記載の装置。
【請求項3】
双方のシリンジプランジャを同時に動作させる一の部材をさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
一のスタティックミキサを含む一の造影媒体生成チャンバをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
大気又は他の気体源への一の空気ポートに流体接続された一の容器をさらに含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
少なくとも一の逆止弁が、前記空気ポートに流体接続された前記容器に流体接続される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも2つの逆止弁が、前記空気ポートに流体接続された前記容器に流体接続される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
一の圧力解放機構をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記圧力解放機構は一の圧力放出弁を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記造影媒体生成チャンバは一の混合チャンバを含み、かつ、スタティックミキサを含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記造影媒体生成チャンバに流体接続された出口ポートをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記出口ポートに取り付けられた一のカテーテルをさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
一の体構造物をソノグラフィー可視化する方法であって、
a)一造影媒体生成送達装置を与えることであって、前記装置は、一の流体を含む少なくとも一の容器と、前記容器から一の流体を動かす一の部材と、少なくとも一の容器を一の造影媒体生成チャンバに流体接続する複数の接続部とを含む一の容器アセンブリを含むことと、
b)少なくとも一の容器に一の流体を充填することと、
c)一の造影媒体組成物を生成するべく前記流体を少なくとも一の容器から一の流体媒体生成容器まで動かすことと、
d)前記造影媒体組成物を一の体構造物に、同じ又は一の異なる体構造物に配置された一のカテーテル送達端を含む一のカテーテルを介して与えることと、
e)一以上の体構造物における前記造影媒体組成物を超音波によって観察することと
を含む方法。
【請求項14】
少なくとも一の容器が事前に流体充填されていることに起因してステップbが除かれる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記造影媒体装置は、第1容器が空気で充填され第2容器が食塩水で充填される2つの容器を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ステップcは、食塩水及び空気を一の造影媒体生成チャンバに与えることを含み、
前記食塩水及び空気は混合されて一の造影媒体組成物を形成し、
前記造影媒体組成物は、一のパターンの規則的周波数にある複数の空気セグメント及び複数の食塩水セグメントを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記造影媒体組成物は子宮に与えられ、ソノグラフィーを使用してファロピウス管が観察される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
一のファロピウス管の開通性を診断する方法であって、
a)一造影媒体生成送達装置を与えることであって、前記装置は、一の流体を含む少なくとも一の容器と、前記容器から一の流体を動かす一の部材と、少なくとも一の容器を一の造影媒体生成チャンバに流体接続する複数の接続部とを含む一の容器アセンブリを含むことと、
b)少なくとも一の容器に一の流体を充填することと、
c)一の造影媒体組成物を生成するべく前記流体を少なくとも一の容器から一の流体媒体生成容器まで動かすことと、
d)前記造影媒体組成物を一の体構造物に、同じ又は一の異なる体構造物に配置された一のカテーテル送達端を含む一のカテーテルを介して与えることと、
c)一以上の体構造物における前記造影媒体組成物を超音波によって観察することと
を含む方法。
【請求項19】
前記造影媒体生成送達装置が2つの容器を含むことを含み、
前記容器は、同時作用を有効とするべく結合され、第1容器は空気で充填されて第2容器は食塩水で充填され、
ステップcは、食塩水及び空気を一の造影媒体生成チャンバに与えることを含み、
前記食塩水及び空気は混合されて一の造影媒体組成物を形成し、
前記造影媒体組成物は、一のパターンの規則的周波数にある複数の空気セグメント及び複数の食塩水セグメントを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記造影媒体組成物が子宮に与えられ、ソノグラフィーを使用して少なくとも一のファロピウス管が観察される、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−101069(P2012−101069A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−245163(P2011−245163)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(506289882)フェマシス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】