説明

ソフトサポーターおよびソフトサポーター用フレンチパイルの製造方法

【課題】面ファスナー雄部材との着脱を繰り返しても、本体の変形が少なく、適切な部位に安定して装着することができるソフトサポーターおよびソフトサポーター用フレンチパイルの製造方法を提供する。
【解決手段】面ファスナー雄部材と本体の表地であるフレンチパイルとを係合させて装着するソフトサポーターにおいて、前記本体が、剛軟性が、JIS L1096に規定するカンチレバー法によって測定したときに60〜140mmであって、表地であるフレンチパイルと係合したときの幅方向の引っ張りせん断強さが6.0〜8.0N/cm2、剥離強さが2.0〜3.5N/cmとなる面ファスナー雄部材を、表地であるフレンチパイルに、負荷荷重0.5±0.2N/cm2で押し付け、着脱を500回繰り返したときに、当該係合した部分において生じるカール角度が60度以下とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療、スポーツの分野において人体に装着するサポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
医療、スポーツの分野において、膝、足首等の体の部位に応じた固定、保護等を目的としてサポーターが使用される。とくに人体への追従のし易さ、装着感の良さ等から比較的薄手のソフトサポーターが使用され、とくに縦横二方向に伸縮性のある起毛ツーウエイ経編地(以下、「フレンチパイル」という。)を本体の表地に使用し、本体の一端に設けた面ファスナー雄部材と係合させて着脱を行うようにしている。
【0003】
しかし、従来のソフトサポーターでは、とくに医療用のものでは、面ファスナー雄部材による脱着を患者が治癒するまでに、比較的少ない場合でも、300〜500回に亘り繰り返すため、次第にフレンチパイルが折れ曲がり、しわが生じたり、またループ糸が破断して係合力が低下するなどして治療に最適な部位に装着することが困難となる。
このため、装着のため掴まれる末端部に着目し、当該部分の剛性を高めたり、剛性の手掛かりを付設しているが十分ではない(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一般に、衣料用としてフレンチパイルのような起毛布帛を使用する場合は、しわがつきやすく、剥がしづらい欠点を改善するため、起毛糸の起毛長を短くしたり、また、起毛布帛に樹脂を含浸して、起毛糸、及び、地組織の屈曲回復性を狙った商品が製造されているが、風合い等に問題がある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
起毛布帛を使用した面ファスナー雌部材では、係合力の要因として、構成繊維の検討(一般にはナイロン繊維)、各種物性のナイロン繊維の利用や熱圧着性繊維の併用、雌材の組織、目付け、ループ高さ、ループ数等が知られている(例えば、特許文献3参照)。また、繰り返し使用による変形を防止するため、低融点フィラメントを地組織に用いて起毛後に融点よりも高い温度で熱処理する方法がある(例えば、特許文献4参照)。さらにトリコット地組織を起毛によって掻きだし易いループ長に設定する方法等もある(例えば、特許文献5,6,7参照)。しかし、これらは面ファスナーに関するものであってソフトサポーターの本体に関するものではない。
【0006】
【特許文献1】特開2003−290272号公報
【特許文献2】特許第3260327号公報(従来の技術)
【特許文献3】特開2003−325208号公報
【特許文献4】特開平5−115312号公報
【特許文献5】特開平10−33214号公報
【特許文献6】特許第3549675号公報
【特許文献7】特許第3590487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は面ファスナー雄部材との着脱を繰り返しても、本体の変形が少なく、適切な部位に安定して装着することができるソフトサポーターおよびソフトサポーター用フレンチパイルの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記課題は下記により達成される。面ファスナー雄部材と本体の表地であるフレンチパイルとを係合させて装着するソフトサポーターにおいて、前記本体が、剛軟性が、JIS L1096に規定するカンチレバー法によって測定したときに60〜140mmであって、表地であるフレンチパイルと係合したときの幅方向の引っ張りせん断強さが6.0〜8.0N/cm2、剥離強さが2.0〜3.5N/cmとなる面ファスナー雄部材を、表地であるフレンチパイルに、負荷荷重0.5±0.2N/cm2で押し付け、着脱を500回繰り返したときに、当該係合した部分において生じるカール角度が60度以下であることを特徴とする(請求項1の発明)。
【0009】
前記請求項1の発明の実施態様としては、下記請求項2ないし5の発明が好ましい。前記請求項1に記載のソフトサポーターにおいて、前記係合した部分において生じるカール角度が40度以下であることを特徴とする(請求項2の発明)。また、前記請求項1又は2に記載のソフトサポーターにおいて、前記本体がフレンチパイルを表地としたラミネートであることを特徴とする(請求項3の発明)。さらに、前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載のソフトサポーターにおいて、ソフトサポーターに取り付けられた前記面ファスナー雄部材が、当該ソフトサポーターの本体の表地であるフレンチパイルと係合したときの幅方向の引っ張りせん断強さが3.5〜9.0N/cm2、剥離強さが0.6〜5.5N/cmであることを特徴とする(請求項4の発明)。また、前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載のソフトサポーターにおいて、前記フレンチパイルの起毛高さが略1mm、コースが60〜65本/25.4mmであることを特徴とする(請求項5の発明)。
【0010】
ソフトサポーター用フレンチパイルの製造方法の発明としては、ソフトサポーターの本体表地として面ファスナー雄部材と係合させて使用されるフレンチパイルの製造方法において、起毛高さが略1mm、生機から仕上げの収縮率がコースで20%以上であることを特徴とする(請求項6の発明)。また、前記請求項6に記載のソフトサポーター用フレンチパイルの製造方法において、前記生機から仕上げの収縮率がコースで20〜40%であることを特徴とする(請求項7の発明)。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、面ファスナー雄部材との着脱を繰り返しても、本体の変形が少なく、適切な部位に安定して装着することができるソフトサポーター、ならびにソフトサポーターに好適なフレンチパイルの製造方法が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態について以下に述べる。なお、ソフトサポーターの具体的な構成や評価結果等については、後述する実施例の項で述べる。
【0013】
本発明の面ファスナー雄部材と本体の表地であるフレンチパイルとを係合させて装着するソフトサポーターとは、本体が所定の評価方法によってカール角度が60度以下、好ましくは40度以下となるものである。ここで所定の評価方法とは、評価されるフレンチパイルと係合させたとき、幅方向の引っ張りせん断強さが6.0〜8.0N/cm2、剥離強さが2.0〜3.5N/cmとなる面ファスナー雄部材を使用し、フレンチパイルに、負荷荷重0.5±0.2N/cm2で押し付け、着脱を500回繰り返すものである。
【0014】
本発明のソフトサポーターとは、本体の剛軟性が、JIS L1096に規定するカンチレバー法によって測定したとき、60〜140mm、例えば、80〜120mmである。
【0015】
本発明のソフトサポーターを構成する面ファスナー雄部材は、表地であるフレンチパイルと係合したとき、幅方向の引っ張りせん断強さが3.5〜9.0N/cm2、剥離強さが0.6〜5.5N/cmである。この範囲の下限値以下ではソフトサポーターに必要な係合力が得られず、また上限値以上では剥がしづらいだけでなく折れ曲がりやカールが発生しやすくなる。引っ張りせん断強さと剥離強さはソフトサポーターの用途、種類によって異なるが、比較的係合力の大きいものでは、引っ張りせん断強さが6.0〜8.0N/cm2、剥離強さが2.0〜3.5N/cmである。フックの形状、材質は問わない。フレンチパイルを連続して製造したときの布帛の流れに平行な方向を「流れ方向」、流れに垂直な方向を「幅方向」といい、流れ方向の編み目の連なりをウエール数、幅方向の編み目の連なりをコース数という。面ファスナーと係合したときの引っ張りせん断強さ、剥離強さは、流れ方向、幅方向ともほぼ同じであるが厳密には異なる。
【0016】
本発明のソフトサポーターの本体とは、膝、足首等の体の部位に装着され、ソフトサポーターのほぼ全体の形状を成すものである。本体は、1枚の生地から形成することができるが、適当な大きさに裁断した生地を縫製や接着によりつなぎ合わせて形成することもできる。また、体表面との追従性、適度な圧迫性や操作性を向上させるために、他の伸縮性の生地を部分的に用いてもよい。本体の伸縮性は、生地を構成する繊維の特性やその混紡の割合、生地同士の組合せパターン等により自由に調整することができる。
【0017】
本発明の本体の生地は、少なくとも面ファスナー雄部材と係合する表地がフレンチパイルで構成されていればよく、フレンチパイル単体でも、またフレンチパイルを他の素材とラミネートや縫製した複合材料でもよい。ラミネートや縫製する素材には、天然繊維、化学繊維よりなる織布、編布、不織布、パイル生地、プラスチックフォームなどを単独又は任意に選択組合せて形成することができる。その具体的な素材としては、例えば、綿、ウール、レーヨン、アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニリデン等の繊維を適宜組合せてなる、よこ編み布の天竺、経編み布のジャージ生地、パワーネットのような弾性糸混紡編物、ダブルラッシェル生地の立体編物等が使用できる。さらに、これらの生地とゴム発泡体(クロロプレンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジェンゴム、イソプレンゴム等)、ウレタンゴム(圧縮ウレタン)等の材料を積層することができる。ラミネートには、ウレタン系やポリエステル系の接着剤が使用できる。
【0018】
本発明のフレンチパイルとは、ポリアミド(Ny)糸やポリエステル糸の経編(トリコット)組織にポリウレタン(Pu)糸を挿入した組織で縦横方向に伸縮性を有するツーウエイ経編地を、起毛、中間ヒートセット、染色、ヒートセットの仕上げを施して製造したものである。使用される糸の材質、太さ、編み組織、起毛の方法等は限定されないが、起毛高さが略1mm、仕上げ後のコースが60〜65本/25.4mmのもの、または起毛高さが略1mm、生機から仕上げの収縮率がコースで20%以上、とくに20〜40%となるように製造されたものが好ましい。いずれの場合でも、起毛高さが0.3mm以下では面ファスナー雄部材のフックがループに引っかからず、係合することができず、また1.5mm以上ではカールしやすくなる。
【0019】
本発明のソフトサポーターの構造は、とくに限定されないが、例えば、膝装具に適用した場合には、ほぼ四角形状に形成され、上辺は下辺より若干長く、左右側辺のほぼ中央にほぼ凹所を備えた本体に、一方の側辺の末端近傍の内側には面ファスナーが取り付けられる。面ファスナーを取り付けた他方の側辺の表側が面ファスナーと係合する。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する(図1〜4参照)。
【0021】
(サンプルの作成)
試作したフレンチパイルは、糸と編み組織を、フロント(F)層が10本のマルチフィラメントからなるナイロン105/ハーフトリコット編み、ミドル(M)層がモノフィラメントからなるナイロン15/ハーフトリコットまたはデンビー編み、バック(B)層がポリウレタン糸/デンビー編みとした3枚筬による3層編地を生機とした。フロント、バック、ミドルの3層構造のうち、バック層の糸のみは異方向に入っている。
【0022】
次に、この生機に、起毛、中間セット、染色、セットを行って仕上げた。すなわち、まず生機を起毛機の針布ローラに通し生機の糸を引き出しループを形成させる。次に、起毛によって収縮した生地に加熱しながら幅方向に張力を与えて幅を整えて中間セットする。次に常温染色機に投入して精錬・染色する。最後に脱水・乾燥を行い、熱を加えながら幅やシワを整える最終セット工程を加えて仕上げを完了する。
【0023】
このフレンチパイルに、圧縮ポリウレタンを芯材に、マイクロジャージを裏材とし、接着剤を使用してラミネートした。芯材の圧縮ポリウレタンは、アキレス社製、品番:FJ(密度40.0±3.0kg/m3(JISK7222)、硬さ110±21N(JISK6400−2)、引っ張り強さ75kPa(JISK6400−5)、伸び300%(JISK6400−5)、反発弾性45%(JISK6400−3)、圧縮残留ひずみ4.0%(JISK6400−4)、繰り返し圧縮残留ひずみ2.0%(JISK6400−4))を7mmにスライスし、これを1.5mmに高密度圧縮した。裏材のマイクロジャージは、混率がポリウレタン糸(40d)20%、ポリアミド糸(40d/34f)、目付はコース64〜66本/25.4mm、ウェール53〜55本/25.4mmである。
接着剤は、大日精化(株)製、透湿防水素材、ハイムレンY-119(E)を使用し、塗工量は60g/m2である。ラミネートしたサンプルは、電子顕微鏡で観察して接着剤が含浸した領域でフィラメントの抜けがないことを確認した。
【0024】
得られたラミネートから、各辺が経編地の流れ、幅方向に平行になるように80mm×80mmにカットし、スチームアイロンでセットして形態を安定化させて評価用のサンプルとした(図1参照)。
【0025】
(評価方法)
(1)カール角度の評価
評価に使用した面ファスナー雄部材は市販のクラレ(株)製、マジックテープ(登録商標)A2600を使用した。A2600はフック糸が220d/1f、タテ糸が110d/24f、よこ糸が220d/48fのナイロン66製のフィラメントを使用し、タテ糸密度170本以上/25mm、よこ糸密度52±2本/25mm、厚さが1.85±0.15mmで、フックの高さは1.95±0.15mmで1.6mmと1.1mmの高さでカットされており、フック本数が55〜60個/cm2、水性の樹脂によってバックコーテイングされている。この面ファスナーを幅20mmのテープ状にカットして評価に使用した。
【0026】
A2600を試作したフレンチパイルと係合したとき、実施例1のものでは引っ張りせん断強さが幅方向で6.5N/cm2、剥離強さが2.5N/cm、その他のものでは引っ張りせん断強さが6.0〜8.0N/cm2、剥離強さが2.0〜3.5N/cmであった。
【0027】
図1,2に評価の状況を模式的に示す。図1は本発明のソフトサポーターの評価方法に関する説明図、図2はカール角度測定の説明図であって、(a)はサンプルの上面図、(b)は側面図を示す。サンプル10をテーブル上に置き、両側を押さえ、面ファスナー雄部材20を中央部の同一個所に、負荷荷重0.5±0.2N/cm2で押し付け、面ファスナーの長手方向の一端から引き剥がした(図1)。この操作を1秒間に2回の割合で繰り返した。また面ファスナーの着脱方向はフレンチパイルの流れ方向、幅方向を別々に行った。
【0028】
着脱500回後のサンプル10をテーブル上に静置してカール角度を測定した(図2)。本評価方法によれば着脱を繰り返したサンプルは面ファスナー雄部材との係合面を内側にして当該部分がカールし、カールが生じた係合面の両側は曲面形状に変形することなく、ほぼ初期の平面形状を維持するので、再現性よくカールの量(カール角度)を定量的に評価することができる。
【0029】
(2)装着性の評価
カール角度を測定した素材を使用してソフトサポーターを作成し、500回装着を繰り返したときの装着性を下記基準で評価した。
○:装着に支障がない。
×:装着に支障がある。
ここで、装着に支障があるとは、サポーター本体生地がカールして適切な位置に係合させるために手間がかかったり、さらにはサポーター本体生地が収縮したため装着時に面ファスナー雄部材が直接皮膚に当って不快感を生じることである。装着に支障がないとはこれらの問題が感じられないことである。
【0030】
図3は装着性の評価を行った膝関節装具の平面図である。膝関節装具の本体1は、フレンチパイルをラミネートとした1枚の生地から形成され、全体として上辺2が下辺3より若干長いほぼ台形状である。身体の膝に対応してほぼ中央に開口4が設けられ、大腿部に対応して左上側辺5と右上側辺6が,下腿部に対応して左下側辺7と右下側辺8が帯状に形成されている。右上側辺6は装着を容易にするため上下に二分割されている。上側辺5,6と下側辺7,8は膝部の屈曲に対応して所定距離離間している。右側辺6,8の端部近傍の裏面には面ファスナー雄部材としての面ファスナーA2600(9)が取り付けられ、それぞれの面ファスナー雄部材の寸法は、大腿部では上下とも幅35mm、長さ70mm、下腿部では幅35mm、長さ100mmである。身体に巻きつけたとき、それぞれの面ファスナー雄部材9を左側辺5,7の表地と係合させて装着する。
【0031】
(評価の結果)
実施例と比較例の構造、製法、評価結果を図4に示す。なお比較例は市販品である。
【0032】
各条件においてカール角度のバラツキは約±10°であった。着脱の方向(流れ、幅)による有為な差はなかった。実施例のサンプルでは市販品に比べてカール角度が顕著に低減した。
【0033】
実施例のラミネートを使用したソフトサポーターでは、500回脱着を繰り返した後も、すべて良好な装着性が得られた。
【0034】
また良好な装着性が得られたものでは、使用したフレンチパイルが、起毛高さが略1mmであって、生機幅から仕上げ幅の収縮率が20〜40%で製造されたものであった。とくに収縮率が27%となるように製造されたサンプルでは最も好ましい結果が得られた。
【0035】
収縮率によってカール角度が異なるメカニズムは不明だが、例えば、次のように推論できる。フレンチパイルのループは地組織に固着されているが、面ファスナー雄部材のフックとの着脱を繰り返すと、ループが上方に引き出され、上方に引き出された長さだけ面内方向では短くなる。ラミネートでは裏打ちされた素材には変化はない。このため表裏で長さが不揃いとなり、この差がカールとなって現れる。所定の収縮率を有するフレンチパイルでは地組織のフィラメントに余裕があるため、面ファスナー雄部材のフックによってフレンチパイルのループが引き出されても、ただちに面内方向の長さが変化しにくいため、カールも生じにくいと考えられる。
【0036】
また、カールが生じやすいフレンチパイルでは、面ファスナー雄部材のフックとの着脱を繰り返すと、ループが上方に引き出されやすいだけでなく、ループの先端が破断して面ファスナー雄部材との係合力を失いやすい。したがって、上記カールが生じにくいフレンチパイルはラミネートの有無にかかわらず、面ファスナーとの係合に適すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のソフトサポーターの評価方法に関する説明図。
【図2】本発明に関わるカール角度測定の説明図。
【図3】本発明に関わる装着性の評価を行った膝関節装具の平面図。
【図4】本発明の実施例と比較例の評価結果の説明図。
【符号の説明】
【0038】
1:本体、2:上辺、3:下辺、4:開口、5:左上側辺、6:右上側辺、7:左下側辺、8:右下側辺、9:面ファスナー、10:サンプル、20:面ファスナー雄部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面ファスナー雄部材と本体の表地であるフレンチパイルとを係合させて装着するソフトサポーターにおいて、前記本体が、
剛軟性が、JIS L1096に規定するカンチレバー法によって測定したときに60〜140mmであって、
表地であるフレンチパイルと係合したときの幅方向の引っ張りせん断強さが6.0〜8.0N/cm2、剥離強さが2.0〜3.5N/cmとなる面ファスナー雄部材を、表地であるフレンチパイルに、負荷荷重0.5±0.2N/cm2で押し付け、着脱を500回繰り返したときに、当該係合した部分において生じるカール角度が60度以下である
ことを特徴とするソフトサポーター。
【請求項2】
前記係合した部分において生じるカール角度が40度以下であることを特徴とする請求項1記載のソフトサポーター。
【請求項3】
前記本体がフレンチパイルを表地としたラミネートであることを特徴とする請求項1又は2記載のソフトサポーター。
【請求項4】
ソフトサポーターに取り付けられた前記面ファスナー雄部材が、当該ソフトサポーターの本体の表地であるフレンチパイルと係合したときの幅方向の引っ張りせん断強さが3.5〜9.0N/cm2、剥離強さが0.6〜5.5N/cmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のソフトサポーター。
【請求項5】
前記フレンチパイルの起毛高さが略1mm、コースが60〜65本/25.4mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のソフトサポーター。
【請求項6】
ソフトサポーターの本体表地として面ファスナー雄部材と係合させて使用されるフレンチパイルの製造方法において、
起毛高さが略1mm、生機から仕上げの収縮率がコースで20%以上であることを特徴とするソフトサポーター用フレンチパイルの製造方法。
【請求項7】
前記生機から仕上げの収縮率がコースで20〜40%であることを特徴とする請求項6に記載のソフトサポーター用フレンチパイルの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−151663(P2007−151663A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−347806(P2005−347806)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000151380)アルケア株式会社 (88)
【Fターム(参考)】