説明

ソリッドタイヤ用組成物及びソリッドタイヤ

【課題】耐オゾン性に優れ、100%モジュラスの値が大きいソリッドタイヤを製造可能なソリッドタイヤ用組成物。
【解決手段】少なくとも(a−1)不飽和ニトリル単量体、及び(a−2)共役ジエン単量体を重合させて得られる(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体存在下で、(b−1)不飽和ニトリル単量体、(b−2)(メタ)アクリル酸系単量体、及び(b−3)芳香族ビニル単量体からなる群より選択される少なくとも1種を含む(B)単量体成分を重合させて得られる(C)共重合体を含有し、(C)共重合体の下記式(1)で表されるαの値が、1.0以下であるソリッドタイヤ用組成物。
α=[tanδ(150℃)−tanδ(60℃)]/tanδ(60℃)(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソリッドタイヤ用組成物及びソリッドタイヤに関し、更に詳しくは、耐オゾン性に優れ、100%モジュラスの値が大きいソリッドタイヤを製造可能なソリッドタイヤ用組成物、並びに耐オゾン性及び操縦安定性に優れるソリッドタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
比較的低速かつ高荷重下で使用されるフォークリフトやトレーラーの産業車両タイヤには、ソリッドタイヤが用いられている。ソリッドタイヤは、タイヤ総体がゴム組成物である充実体又はその一部が繊維強化ゴム組成物である充実体から構成されるタイヤである。
【0003】
ソリッドタイヤは、通常、圧縮弾性率の高いゴム組成物を用いて製造される。ゴム組成物の圧縮弾性率を高める方法としては、例えば、架橋処理前の共役ジエン共重合体にカーボンブラックを多量配合したり、硫黄を多量配合したりする方法が開示されている(例えば、特許文献1〜2参照)。また、架橋処理前の共役ジエン共重合体に短繊維状物質を配合することも開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−161173号公報
【特許文献2】特開2004−142541号公報
【特許文献3】特開平9−3244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、カーボンブラックを多量配合する場合、未加硫粘度が上昇し、混合・成型作業が困難になる場合がある。また、食品工場等で使われるフォークリフト用のタイヤには清潔感が必要なため、ホワイトタイヤを用いることがあるが、カーボンブラックを多量配合すると、ホワイトタイヤを得ることが困難であるという問題もある。また、硫黄を多量配合する場合、熱老化性・耐セット性が低下したり、硫黄のブルームにより成型作業が困難になったりする場合がある。更に、短繊維状物質を配合した場合、圧縮弾性率等は改善されるが、耐オゾン性については考慮されていない。
【0006】
ソリッドタイヤは高荷重下、空気中で長時間暴露された状態で使用されるため、耐オゾン性に優れることが望ましい。また、100%モジュラスの値が小さいゴムからソリッドタイヤを製造すると、柔らかいためハンドルが重くなるといった操縦安定性に問題が生じる。
【0007】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、耐オゾン性に優れ、100%モジュラスの値が大きいソリッドタイヤを製造可能なソリッドタイヤ用組成物、並びに耐オゾン性及び操縦安定性に優れるソリッドタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体存在下で、単量体成分を重合させて得られる共重合体が所定の性質を有することによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、以下に示すソリッドタイヤ用組成物及びソリッドタイヤが提供される。
【0010】
[1]少なくとも(a−1)不飽和ニトリル単量体、及び(a−2)共役ジエン単量体を重合させて得られる(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体存在下で、(b−1)不飽和ニトリル単量体、(b−2)(メタ)アクリル酸系単量体、及び(b−3)芳香族ビニル単量体からなる群より選択される少なくとも1種を含む(B)単量体成分を重合させて得られる(C)共重合体を含有し、前記(C)共重合体の下記式(1)で表されるαの値が、1.0以下であるソリッドタイヤ用組成物。
α=[tanδ(150℃)−tanδ(60℃)]/tanδ(60℃)(1)
【0011】
前記式(1)中、tanδ(150℃)は、前記(C)共重合体の150℃における損失係数を示し、tanδ(60℃)は、前記(C)共重合体の60℃における損失係数を示す。
【0012】
[2]前記(C)共重合体が、前記(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体の水分散体に、前記(B)単量体成分を添加し、その系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率を、10mol%以下とした状態で重合させたものである前記[1]に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【0013】
[3]前記(b−1)不飽和ニトリル単量体がアクリロニトリルであるとともに、前記(b−3)芳香族ビニル単量体がスチレンである前記[1]又は[2]に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【0014】
[4]前記(C)共重合体が、前記(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体20〜98質量部に対して、前記(B)単量体成分2〜80質量部(但し、(A)+(B)=100質量部)を重合させて得られるものである前記[1]〜[3]のいずれかに記載のソリッドタイヤ用組成物。
【0015】
[5]前記(a−1)不飽和ニトリル単量体がアクリロニトリルであるとともに、前記(a−2)共役ジエン単量体がブタジエンであり、前記(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体が、前記(a−1)不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(i)を10〜60質量%、前記(a−2)共役ジエン単量体に由来する構造単位(ii)を10〜90質量%、(a−3)その他の単量体に由来する構造単位(iii)を0〜80質量%(但し、(i)+(ii)+(iii)=100質量%)有するものである前記[1]〜[4]のいずれかに記載のソリッドタイヤ用組成物。
【0016】
[6]前記(C)共重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)が、10〜200である前記[1]〜[5]のいずれかに記載のソリッドタイヤ用組成物。
【0017】
[7]補強剤、可塑剤、及び架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載のソリッドタイヤ用組成物。
【0018】
[8]前記補強剤がシリカである前記[7]に記載のソリッドタイヤ用ゴム組成物。
【0019】
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載のソリッドタイヤ用組成物を架橋して得られるゴム組成物を使用してなるソリッドタイヤ。
【発明の効果】
【0020】
本発明のソリッドタイヤ用組成物は、耐オゾン性に優れ、100%モジュラスの値が大きいソリッドタイヤを製造可能であるという効果を奏するものである。また、本発明のソリッドタイヤは耐オゾン性及び操縦安定性に優れるという効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0022】
1.ソリッドタイヤ用組成物
本発明のソリッドタイヤ用組成物は、(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体(以下、「(A)共重合体」ともいう)存在下で、(B)単量体成分(以下、「(B)成分」ともいう)を重合させて得られる(C)共重合体を含有し、(C)共重合体の式(1)で表されるαの値が1.0以下の組成物である。
α=[tanδ(150℃)−tanδ(60℃)]/tanδ(60℃)(1)
【0023】
式(1)中、tanδ(150℃)は、(C)共重合体の150℃における損失係数を示し、tanδ(60℃)は、(C)共重合体の60℃における損失係数を示す。
【0024】
また、本発明のソリッドタイヤ用組成物は、架橋して得られるゴム組成物のJIS K6259に準拠して行う耐オゾン性の評価が優れている組成物である。具体的には、先ず、厚さ2mmのゴム組成物からなる加硫ゴムシートを、JIS K6251に規定されるダンベル状1号形に打ち抜くことによって試験片を作製する。次いで、作製した試験片を40%伸張し、伸張24時間後にオゾン試験機(80pphm、40℃)に投入する。168時間経過後にオゾン試験機から試験片を取り出し、クラックが発生していないものである。このため、本発明のソリッドタイヤ用組成物からは、耐オゾン性に優れているソリッドタイヤを製造することが可能である。
【0025】
更に、本発明のソリッドタイヤ用組成物は、架橋して得られるゴム組成物からなる厚さ2mmの加硫ゴムシートを用いてJIS K6251に準拠し測定した100%モジュラスの値が大きい組成物である。100%モジュラスの値として、より具体的には、5〜20MPaであることが好ましい。100%モジュラスの値が5MPa未満であると、ソリッドタイヤが柔らかく、ハンドルが重くなり操縦安定性に劣る場合がある。一方、100%モジュラスの値が20MPa超であると、ソリッドタイヤが硬くなりすぎるため、乗り心地が悪くなる場合がある。本発明のソリッドタイヤ用組成物は、100%モジュラスの値が大きく、操縦安定性が良好であり、合わせて乗り心地も良いソリッドタイヤを製造することが可能である。
【0026】
1.1(C)共重合体
(C)共重合体は、(A)共重合体の存在下で、(B)成分を重合させることで得られる共重合体であり、(A)共重合体を改質した共重合体である。
【0027】
(A)共重合体
(A)共重合体は、少なくとも、(a−1)不飽和ニトリル単量体と、(a−2)共役ジエン単量体とを重合させて得られる共重合体であり、更に(a−3)他の単量体を重合させて得られる共重合体であることが好ましい。(A)共重合体を用いることで、耐オゾン性に優れるソリッドタイヤを製造可能である。
【0028】
(A)共重合体は、不飽和ニトリル単量体としてアクリロニトリルを、共役ジエン単量体としてブタジエンを用いた場合、不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(i)を10〜60質量%、共役ジエン単量体に由来する構造単位(ii)を10〜90質量%、その他の単量体に由来する構造単位(iii)を0〜80質量%(但し、(i)+(ii)+(iii)=100質量%)有するものであることが好ましい。
【0029】
(a−1)不飽和ニトリル単量体
不飽和ニトリル単量体は、重合性二重結合とニトリル基(シアノ基)とを一分子内に有する単量体である。具体的には、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、メチルα−イソプロピルアクリロニトリル、メチルα−n−ブチルアクリロニトリル等の(メタ)アクリロニトリル類;2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−(2−シアノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(2−シアノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(2−シアノエトキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−[2−(2−シアノエトキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート等のシアノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;の他、フマロニトリル、2−メチレングルタロニトリル等を挙げることができる。これらの中でも、アクリロニトリルを用いることが好ましい。なお、不飽和ニトリル単量体は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0030】
(A)共重合体の調製に用いられる全単量体に対する不飽和ニトリル単量体の比率は、10〜60質量%であることが好ましく、10〜55質量%であることが更に好ましい。不飽和ニトリル単量体の比率が60質量%超であると、ソリッドタイヤ用組成物を架橋して得られるゴム組成物の硬度が高くなり、ゴムとしての性質を損なう場合がある。一方、不飽和ニトリル単量体の比率が10質量%未満であると、重合反応が極めて遅くなる場合がある。
【0031】
(a−2)共役ジエン単量体
共役ジエン単量体は、二つの炭素−炭素二重結合が一つの炭素−炭素単結合により結合された構造を有する単量体である。具体的には、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、クロロプレン等を挙げることができる。これらの中でも、ブタジエン又はイソプレンを用いることが好ましく、ブタジエンを用いることが更に好ましい。なお、共役ジエン単量体は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0032】
(A)共重合体の調製に用いられる全単量体に対する共役ジエン単量体の比率は、40〜90質量%であることが好ましい。共役ジエン単量体の比率が90質量%超であると、重合反応が極めて遅くなる場合がある。一方、共役ジエン単量体の比率が40質量%未満であると、ソリッドタイヤ用組成物を架橋して得られるゴム組成物の硬度が高くなり、ゴムとしての性質を損なう場合がある。
【0033】
(a−3)他の単量体
他の単量体は、不飽和ニトリル単量体及び共役ジエン単量体以外のものであり、且つ、不飽和ニトリル単量体及び共役ジエン単量体と共重合することができる重合性二重結合を有する単量体である。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸系単量体等を挙げることができる。
【0034】
(メタ)アクリル酸系単量体は、(メタ)アクリル酸とアルコールから合成することができるエステルであることが好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
【0035】
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、4,4,4,3,3,2,2−ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
【0036】
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0037】
メトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール等のアルコキシポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数:2〜23程度)の(メタ)アクリレート類;
【0038】
2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のアリーロキシアルキル(メタ)アクリレート類;
【0039】
フェノキシポリエチレングリコール、フェノキシポリプロピレングリコール等のアリーロキシポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数:2〜23程度)のモノ(メタ)アクリレート類;
【0040】
2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート等のシアノアルキル(メタ)アクリレート類;
【0041】
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコールのモノ−(メタ)アクリレート類又はジ−(メタ)アクリレート類;
【0042】
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数:通常2〜23)のモノ−(メタ)アクリレート類又はジ−(メタ)アクリレート類;
【0043】
グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール、トリメチロールアルカン(アルカンの炭素数:通常1〜3)、テトラメチロールアルカン(アルカンの炭素数:通常1〜3)等の3価以上の多価アルコール類のモノ−(メタ)アクリレート類又はオリゴ−(メタ)アクリレート類;
【0044】
前記3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物(アルキレングリコール単位数:通常2〜23)のモノ−(メタ)アクリレート類又はオリゴ−(メタ)アクリレート類;
【0045】
4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール、1,4−ジ−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン等の環式ポリオールのモノ−(メタ)アクリレート類又はオリゴ−(メタ)アクリレート類;
【0046】
ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−(ジ−n−プロピルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類;
【0047】
2−(ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(ジアルキルアミノアルコキシ)アルキル(メタ)アクリレート類等のカルボキシル基のエステル化されたもの、ラクトン変性(メタ)アクリレート等がある。
【0048】
(メタ)アクリル酸系単量体としては、炭素数1〜4のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、又は炭素数2〜6のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、炭素数2〜6のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが更に好ましい。なお、他の単量体は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0049】
(A)共重合体の調製に用いられる全単量体に対する他の単量体の比率は、80質量%以下であることが好ましい。他の単量体の比率が80質量%超であると、(A)共重合体の100%モジュラスの値の低下を招く場合がある。
【0050】
((A)共重合体の調製方法)
(A)共重合体は、不飽和ニトリル、共役ジエン等の単量体を重合させることで調製することができる(以下、当該重合反応を「重合反応」ともいう)。重合反応は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法であって良い。例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等がある。これらの中でも、ラジカル重合が好ましい。また、重合方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等がある。これらの中でも、乳化重合が好ましい。
【0051】
不飽和ニトリル、共役ジエン等の単量体、乳化剤、重合開始剤及び連鎖移動剤等は反応容器に全量を一括投入しても良く、反応継続中に連続的に又は間欠的に追加投入しても良い。また、重合反応は連続式であっても回数式であっても良く、酸素を除去した反応容器を用いることが好ましい。反応温度は、0〜100℃であることが好ましく、0〜80℃であることが更に好ましい。重合反応の途中で、原料の添加法、温度、攪拌等の条件等を適宣変更しても良い。
【0052】
反応時間は、通常、0.01〜30時間程度である。重合反応の停止は、所定の重合添加率に達した時点で、重合反応停止剤を添加する等の操作によって行うことができる。重合反応停止剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノン等のキノン化合物等がある。なお、重合転化率は秤量した重合反応溶液を加熱し、溶媒を揮発させ固形分を秤量することで算出することができる。
【0053】
重合反応停止後、必要な場合は、得られた乳化剤から水蒸気蒸留等の方法により未反応の単量体を除去する。このように、(A)共重合体中の未反応の共役ジエン単量体の量を減少させることで、(B)成分を添加した際に、共役ジエン単量体の量を10mol%以下に制御することができる。その後、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩、又は塩酸、硝酸、硫酸等の酸を添加することで凝固物を得る。次いで、この凝固物を水洗、乾燥することにより、(A)共重合体を調製することができる。
【0054】
ラジカル重合に用いる重合開始剤としては、従来公知のものを挙げることができる。例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、tert−ブチルヒドロペルオキサイド、クメンヒドロペルオキサイド、パラメンタンヒドロペルオキサイド、ジ−tert−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド等の有機過酸化物;過硫酸カリウム等の無機過酸化物;前記過酸化物と還元剤(硫酸第一鉄等)とを組み合わせたレドックス系触媒等がある。重合開始剤の使用量は、全単量体100質量部に対し、0.001〜2質量部であることが好ましい。なお、重合開始剤は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0055】
乳化重合に使用する乳化剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系の界面活性剤等がある。これらの中でも、アニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。アニオン系界面活性剤として、より具体的には、スルホン酸塩、炭素数10以上の長鎖脂肪酸塩、ロジン酸塩等を挙げることができる。これらの塩の中でもカリウム塩、ナトリウム塩、又はこれらを組み合わせた塩を使用することが更に好ましい。なお、乳化剤は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0056】
重合反応に際しては、(A)共重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いることもできる。連鎖移動剤としては、例えば、tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;四塩化炭素、チオグリコール類、ジテルペン、タ−ピノーレン、γ−テルピネン類等がある。
【0057】
(B)成分
(B)成分は、(A)共重合体を(C)共重合体に改質する単量体成分であり、(b−1)不飽和ニトリル単量体、(b−2)(メタ)アクリル酸系単量体、及び(b−3)芳香族ビニル単量体からなる群より選択される少なくとも1種を含む単量体成分である。
【0058】
(b−1)不飽和ニトリル単量体
不飽和ニトリル単量体としては、「(a−1)不飽和ニトリル単量体」で例示したものと同様のものを挙げることができる。これらの中でも、アクリロニトリルを用いることが好ましい。なお、不飽和ニトリル単量体は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0059】
(B)成分中、不飽和ニトリル単量体の割合は、0〜90質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることが更に好ましい。
【0060】
(b−2)(メタ)アクリル酸系単量体
(メタ)アクリル酸系単量体としては、「(a−3)他の単量体」で例示した(メタ)アクリル酸系単量体と同様のものを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸系単量体は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0061】
(b−3)芳香族ビニル単量体
芳香族ビニル単量体としては、「(a−3)他の単量体」で例示した芳香族ビニル単量体と同様のものを挙げることができる。これらの中でも、スチレンを用いることが好ましい。なお、芳香族ビニル単量体は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0062】
(B)成分中、芳香族ビニル単量体の割合は、0〜90質量%であることが好ましい。
【0063】
1.2(C)共重合体の物性
(C)共重合体の式(1)で表されるαの値は1.0以下であり、0.8以下であることが好ましい。αの値が1.0超であると、(C)共重合体の粘弾性の温度依存性が大きく、ソリッドタイヤを広範な環境下で使用することが困難になる場合がある。なお、(C)共重合体のαの値は、(A)共重合体と(B)成分との改質反応の際の、その系内に存する共役ジエン単量体の比率により制御することができる。なお、αの値の下限値は特に限定されるものではない。
α=[tanδ(150℃)−tanδ(60℃)]/tanδ(60℃)(1)
【0064】
式(1)中、tanδ(150℃)は、(C)共重合体の150℃における損失係数を示し、tanδ(60℃)は、(C)共重合体の60℃における損失係数を示す。なお、tanδは商品名「RPA2000」(アルファテクノロジーズ社製)を用いて、JIS K6394に準拠し、60℃又は150℃、周波数10Hz,歪5.02%の条件にて測定した値である。
【0065】
(C)共重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、10〜200であることが好ましく、20〜200であることが更に好ましい。ムーニー粘度が10未満であると、ソリッドタイヤの100%モジュラスの値が小さい場合がある。一方、ムーニー粘度が200超であると、ゴム組成物の加工性が悪くなる場合がある。
【0066】
(C)共重合体は、(A)共重合体の存在下で、(B)成分を重合させて改質した共重合体であり、(A)共重合体の周りを(B)成分を重合させて得られる重合体が取り囲むことで、(A)共重合体中に存する二重結合の回りに他の重合体が存在し、二重結合のオゾン劣化による亀裂成長を抑えることができる。そのため、ソリッドタイヤは耐オゾン性に優れるものとなる。
【0067】
1.3(C)共重合体の調製方法
(C)共重合体は、(A)共重合体の存在下で、(B)成分を重合させる(以下、「改質反応」ともいう)ことで調製することができる。より具体的には、(A)共重合体の水分散体に、(B)成分を添加し、その系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率を10mol%以下とした状態で改質反応を行うことにより調製することができる。
【0068】
改質反応は、特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等がある。また、改質方法としては、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等がある。
【0069】
改質反応を行う際、反応系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率は10mol%以下とした状態であることが好ましく、5mol%以下とした状態であることが更に好ましい。比率が10mol%超であると、(A)共重合体の改質が不十分であり、(C)共重合体のαの値が1.0超となる場合がある。なお、反応系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率は、重合反応終了時における未反応の共役ジエン単量体の残留量と、改質反応時に添加する(B)成分に含まれる共役ジエン単量体の量から算出することができる。未反応の共役ジエン単量体の残留量は、重合反応終了時、又は未反応の残存した単量体を留出させた後にガスクロマトグラフィーを行い、その分析値から算出することができる。
【0070】
ここで、「系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率」とは、改質反応時に添加する単量体と、重合反応時に未反応の残存した単量体との合計量に対する、改質反応時に添加する単量体成分に含まれる共役ジエン単量体と、重合反応時に未反応の残存した共役ジエン単量体との合計量の比率をいう。
【0071】
(A)共重合体の水分散体は、(A)共重合体が媒体である水中に分散されているものである限り、いかなる製法で得られたものであっても良いが、不飽和ニトリル、共役ジエン等を乳化重合して得られる(A)共重合体の乳化液を用いることが好ましい。また、共役ジエン単量体のmol分率が所定の範囲内に制御することができる限り、未反応の単量体を留出させることなく(A)共重合体の乳化液をそのまま改質反応に用いても良い。
【0072】
また、重合反応後、単離精製した(A)共重合体を用いて、新たにラジカル重合を行うことで改質反応を行っても良い。この際、(B)成分、乳化剤、重合開始剤及び連鎖移動剤等は、反応容器に全量を一括投入しても良く、反応継続中に連続的に又は間欠的に追加投入しても良い。また、改質反応は連続式であっても回数式であっても良く、酸素を除去した反応容器を用いることが好ましい。
【0073】
(A)共重合体と(B)成分との割合は、(A)共重合体20〜98質量部に対し、(B)成分2〜80質量部であることが好ましく、(A)共重合体50〜95質量部に対し、(B)成分5〜50質量部であることが更に好ましい(但し、(A)共重合体+(B)成分=100質量部)。(B)成分の割合が80質量部超であると、(A)共重合体の物理的性質が損なわれる場合がある。一方、(B)成分の割合が2質量部未満であると、(A)共重合体の改質が不十分な場合がある。
【0074】
反応温度は、0〜100℃であることが好ましく、0〜80℃であることが更に好ましい。改質反応の途中で、原料の添加法、温度、攪拌等の条件等を適宣変更しても良い。
【0075】
反応時間は、通常、0.01〜30時間程度である。改質反応の停止は、所定の重合添加率に達した時点で、反応停止剤を添加する等の操作によって行うことができる。反応停止剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン等のアミン化合物、ヒドロキノン等のキノン化合物等がある。なお、重合転化率は秤量した重合反応溶液を加熱し、溶媒を揮発させ固形分を秤量することで算出することができる。
【0076】
改質反応停止後、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等の塩、又は塩酸、硝酸、硫酸等の酸を添加することで凝固物を得る。次いで、この凝固物を水洗、乾燥することにより、(C)共重合体を単離精製することができる。
【0077】
ラジカル重合に用いる重合開始剤、乳化重合に使用する乳化剤及び連鎖移動剤として、具体的には、「((A)共重合体の調製)」で例示したものを挙げることができる。
【0078】
1.4(D)他の重合体成分
本発明のソリッドタイヤ用組成物は、(D)他の重合体成分(以下、「(D)成分」ともいう)を含有するものであっても良い。(D)成分として、具体的には、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ブタジエン・イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、アクリルゴム、ブチルゴム等を挙げることができる。(D)成分の含有割合は、ソリッドタイヤ用組成物100質量部に対して、0〜30質量部であることが好ましく、0〜10質量部であることが更に好ましい。
【0079】
1.5(E)添加剤
本発明のソリッドタイヤ用組成物に含有させることのできる添加剤としては、例えば、補強剤、可塑剤、及び架橋剤等がある。これらの中でも、補強剤が好ましい。なお、これらの添加剤は、1種単独で含有させても良く、2種以上を組み合わせて含有させても良い。
【0080】
(補強剤)
補強剤は、ソリッドタイヤに強靭さを付与するための添加剤である。即ち、ソリッドタイヤ用組成物に補強剤を含有させることにより、高強度のソリッドタイヤを製造することができる。
【0081】
補強剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ等がある。これらの中でも、補強効果が高いカーボンブラック又はホワイトタイヤを製造することができるシリカを用いることが好ましく、シリカを用いることが更に好ましい。なお、補強剤は1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0082】
カーボンブラックとして、具体的には、SAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック、HAFカーボンブラック、FEFカーボンブラック、GPFカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FTカーボンブラック、MTカーボンブラック、アセチレンカーボンブラック、ケッチェンカーボンブラック等を挙げることができる。
【0083】
補強剤としてカーボンブラックを用いる場合、その配合量は、(C)共重合体100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることが更に好ましい。配合量が5質量部未満であると、補強剤の効果が現れない場合がある。一方、配合量が200質量部超であると、ゴム組成物の加工性が悪くなる場合がある。
【0084】
シリカとして、具体的には、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカ等を挙げることができる。
【0085】
補強剤としてシリカを用いる場合、その配合量は、(C)共重合体100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることが更に好ましい。補強剤の配合量が5質量部未満であると、補強剤の効果が現れない場合がある。一方、補強剤の配合量が200質量部超であると、ゴム組成物の加工性が悪くなる場合がある。
【0086】
(可塑剤)
可塑剤は、ソリッドタイヤに柔軟性を付与するための添加剤である。即ち、ソリッドタイヤ用組成物に可塑剤を含有させることにより、ゴム組成物の加工性を良好にすることができる。
【0087】
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルオクチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、オクチルデシルアジペート、ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジイソブチルアゼレート、ジブチルセバレート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバレート、ジイソオクチルセバレート等の脂肪酸エステル類;トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸n−オクチルエステル、トリメリット酸系イソノニルエステル等のトリメリット酸エステル類;の他、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート、ジエチレングリコールモノオレート、グリセリルモノリシノレート、トリラウリルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、エポキシ化大豆油、ポリエーテルエステル等がある。なお、可塑剤は、1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0088】
可塑剤の配合量は、(C)共重合体100質量部に対して、0〜80質量部であることが好ましく、10〜60質量部であることが更に好ましい。可塑剤の配合量が80質量部超であると、ソリッドタイヤ用組成物の性質を損なう場合がある。
【0089】
(架橋剤)
架橋剤は、ソリッドタイヤ用組成物を架橋するための添加剤である。即ち、ソリッドタイヤ用組成物に架橋剤を含有させることにより、ソリッドタイヤ用組成物を架橋することができる。
【0090】
架橋剤としては、例えば、硫黄、有機過酸化物等があり、硫黄を用いることが好ましい。架橋剤の配合量は、(C)共重合体100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることが更に好ましい。架橋剤の配合量が0.05質量部未満であると、十分に架橋されない場合がある。一方、架橋剤の配合量が5質量部超であると、ゴム組成物の加工性が悪くなる場合がある。なお、架橋剤は、1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0091】
硫黄として、具体的には、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を挙げることができる。また、架橋剤として硫黄を用いる場合には、架橋助剤(以下、「加硫促進剤」という)を併用することが好ましい。
【0092】
加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフィンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフィンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフィンアミド等のスルフィンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2’,4’−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミン又はアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華、活性亜鉛華、表面処理亜鉛華、炭酸亜鉛、複合亜鉛華、複合活性亜鉛華等の無機系亜鉛化合物等がある。なお、加硫促進剤は、1種単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0093】
有機過酸化物として、具体的には、tert−ブチルハイドロペルオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロペルオキサイド、p−メンタンハイドロペルオキサイド、クメンハイドロペルオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロペルオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロペルオキサイド、1,1−ジ−tert−ブチルハイドロペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−tert−ブチルペルオキサイド、tert−ブチルクミルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)オクタン、1,1−ジーtert−ブチルペルオキシシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキサイド、m−トルイルペルオキサイド、p−クロロベンゾイルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシ−イソプロピルカーボナート、tert−ブチルペルオキシアリルカーボナート等を挙げることができる。
【0094】
2.ソリッドタイヤ
本発明のソリッドタイヤは、「1.ソリッドタイヤ用組成物」に記載のソリッドタイヤ用組成物を架橋して得られるゴム組成物からなるものであり、耐オゾン性及び操縦安定性に優れるものである。
【0095】
(ゴム組成物の調製方法)
ゴム組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、改質反応によって得られた(C)共重合体に、添加剤を配合し、バンバリーミキサー等を用いて混練した後、加熱条件下、加硫する方法がある。
【0096】
(ソリッドタイヤの製造)
ゴム組成物を加工成型することで、目的とするソリッドタイヤを製造することができる。架橋ゴム組成物の加工成型方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。
【実施例】
【0097】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
【0098】
[重合添加率(%)]:秤量した重合反応溶液を加熱し、溶媒を揮発させ固形分を秤量することにより算出した。
【0099】
[ムーニー粘度(ML1+4,100℃)]:JIS K6300に準拠し、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で測定した。
【0100】
[共重合体の単量体成分に由来する構造単位の含有割合(質量%)]:アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合については元素分析により測定した窒素含有量から算出した。スチレンに由来する構造単位の含有割合については熱分解ガスクロマトグラフィーにより測定した。
【0101】
[tanδの測定]:RPA2000(アルファテクノロジーズ社製)を用い、JIS K6394に準拠し、周波数10Hz、歪5.02%の条件にて、60℃と150℃のtanδを測定した。
【0102】
[αの値]:測定した60℃と150℃のtanδの値を式(1)に代入して算出した。
α=[tanδ(150℃)−tanδ(60℃)]/tanδ(60℃)(1)
【0103】
[耐オゾン性の評価]:JIS K6259に準拠して評価した。具体的には、先ず、厚さ2mmのゴム組成物からなる加硫ゴムシートを、JIS K6251に規定されるダンベル状1号形に打ち抜くことによって試験片を作製した。次いで、作製した試験片を40%伸張し、伸張24時間後にオゾン試験機(80pphm、40℃)に投入した。168時間経過後にオゾン試験機から試験片を取り出し、クラックの発生の有無を確認した。試験片にクラックが生じていない場合を「○」と評価し、クラックが生じた場合を「×」と評価した。
【0104】
[100%モジュラス(MPa)]:作製した加硫ゴムシートを用いて、JIS K6251に準拠し測定した。
【0105】
(実施例1)
アクリロニトリル70部、ブタジエン30部からなる単量体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部及び水200部を窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、40℃で重合反応を行った。重合転化率がほぼ60%に達したところで、単量体混合物100部に対し、スチレン10部を加えて改質反応を行った。その後、重合転化率がほぼ51%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して改質反応を停止させた(反応時間12時間)。0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して凝固物を得、得られた凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥させることにより、(C)共重合体(1)を得た。得られた(C)共重合体(1)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は135であり、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合は50%であり、スチレンに由来する構造単位の含有割合は10%であり、αの値は0.1であった。(C)共重合体(1)の物性値を表2に示す。
【0106】
なお、スチレンを添加する直前の重合反応溶液を抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、未反応のブタジエンの残留量は検出限界以下であり、未反応のアクリロニトリルの残留量は単量体混合物100部当たり40部であった。ここでいう「検出限界以下」とは、合成した(A)共重合体100部当たり0.2部以下であることをいう。また、改質反応時の系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率は、下記式(2)から算出されるように、0.4mol%以下であった。
[{(0.2/54)/{(40/53)+(10/104)}]×100<0.4:(2)
【0107】
(実施例2)
アクリロニトリル46部、ブタジエン54部からなる単量体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部及び水200部を窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、40℃で重合反応を行った。重合転化率がほぼ70%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して重合反応を停止させた(反応時間8時間)。次いで、このラテックスにスチームを投入し、未反応の単量体を留出させた。ラテックスを窒素置換した後、アクリロニトリル19.5部、スチレン9.7部をこのラテックスに再び仕込み、過硫酸カリウム0.2部を添加して、40℃で改質反応を行った。重合転化率がほぼ60%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して改質反応を停止させた(反応時間4時間)。0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して凝固物を得た。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥させることにより、(C)共重合体(2)を得た。得られた(C)共重合体(2)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は120であり、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合は43%であり、スチレンに由来する構造単位の含有割合は10%であり、αの値は−0.1であった。(C)共重合体(2)の物性値を表2に示す。
【0108】
なお、アクリロニトリル及びスチレンを添加する直前の重合反応溶液を抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、未反応のブタジエンの残留量及び未反応のアクリロニトリルの残留量はいずれも検出限界以下であった。また、改質反応時の系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率は、下記(3)から算出される様に、0.8mol%以下であった。
[(0.2/54)/{(19.5/53)+(9.7/104)}]×100<0.8:(3)
【0109】
(比較例1)
アクリロニトリル46部、ブタジエン54部からなる単量体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部及び水200部を窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、40℃で重合反応を行った。重合転化率がほぼ70%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して重合反応を停止させた(反応時間8時間)。次いで、このラテックスにスチームを投入し、未反応の単量体を留出させた。ラテックスを窒素置換した後、アクリロニトリル14.8部、スチレン7.4部、ブタジエン7.0部をこのラテックスに再び仕込み、過硫酸カリウム0.2部を添加して、40℃で改質反応を行った。重合転化率がほぼ60%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して改質反応を停止させた(反応時間4時間)。0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して凝固物を得た。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥させることにより、(C)共重合体(3)を得た。得られた(C)共重合体(3)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は92であり、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合は41%であり、スチレンに由来する構造単位の含有割合は8%であり、αの値は1.3であった。(C)共重合体(3)の物性値を表2に示す。
【0110】
なお、アクリロニトリル、スチレン、及びブタジエンを添加する直前の重合反応溶液を抜き取り、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、未反応のブタジエンの残留量及び未反応のアクリロニトリルの残留量はいずれも検出限界以下であった。また、改質反応時の系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率は、下記(4)から算出される様に、27mol%であった。
[(7.0/54)/{(14.8/53)+(7.4/104)+(7.0/54)}]×100=27:(4)
【0111】
(比較例2)
アクリロニトリル70部、ブタジエン30部からなる単量体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部及び水200部を窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、40℃で重合反応を行った。重合転化率がほぼ60%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して重合反応を停止させた(反応時間8時間)。0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して凝固物を得た。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥させることにより、(A)共重合体(1)を得た。得られた(A)共重合体(1)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は80であり、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合は50%であり、αの値は1.7であった。(A)共重合体(1)の物性値を表2に示す。
【0112】
(比較例3)
アクリロニトリル46部、ブタジエン54部からなる単量体混合物、ラウリル硫酸ナトリウム4部、過硫酸カリウム0.2部及び水200部を窒素置換したステンレス製反応器に仕込み、40℃で重合反応を行った。重合転化率がほぼ70%に達したところで、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン0.5部を反応系に添加して重合反応を停止させた(反応時間8時間)。0.25%塩化カルシウム水溶液を添加して凝固物を得た。この凝固物を十分に水洗した後、約90℃で3時間乾燥させることにより、(A)共重合体(2)を得た。得られた(A)共重合体(2)のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は70であり、アクリロニトリルに由来する構造単位の含有割合は41%であり、αの値は1.5であった。(A)共重合体(2)の物性値を表2に示す。
【0113】
【表1】

【0114】
【表2】

【0115】
(実施例3)
実施例1で製造した(C)共重合体(1)100部、補強剤としてカーボンブラック(商品名「シースト116」、東海カーボン社製)60部、老化防止剤としてN−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン(商品名「アンテージ3C」、川口化学社製)2.5部、及びポリメライズド2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(商品名「アンテージRD」、川口化学社製)1.5部、加工助剤としてステアリン酸(商品名「ルナックS−30」、花王社製)2部、軟化剤としてアジピン酸エーテルエステル系可塑剤(商品名「RS107」、旭電化工業社製)25部、架橋剤として硫黄(商品名「粉末硫黄」、鶴見化学社製)0.5部、並びに架橋助剤として亜鉛華(商品名「酸化亜鉛2種」、正同化学社製)5部を配合し、バンバリーミキサーを使用して70〜180℃で混練することにより混練物を得た。
【0116】
得られた混練物を冷却したものに、加硫促進剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド(商品名「ノクセラーTET」、大内新興化学工業社製)0.6部及びN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業社製)1.6部をロールで練り込んだ後、170℃、20分プレス加硫することによりゴム組成物からなる加硫ゴムシートを作製した。この加硫ゴムシートの100%モジュラスの値は9.2MPaであり、耐オゾン性の評価は「○」であった。
【0117】
(実施例4、比較例4〜8)
表3に示す配合処方としたこと以外は、前述の実施例3の場合と同様にしてゴム組成物からなる加硫ゴムシートを作製した。この加硫ゴムシートを用いて100%モジュラスの値の測定及び耐オゾン性の評価を行った。その結果を表4に示す。
【0118】
【表3】

【0119】
【表4】

【0120】
表4に示すように、実施例3、4のゴム組成物からなる加硫ゴムシートは100%モジュラスの値、耐オゾン性とも良好な結果を示した。一方、比較例4、7、8のゴム組成物からなる加硫ゴムシートは耐オゾン性の面で、比較例5、6のゴム組成物からなる加硫ゴムシートは100%モジュラスの値、耐オゾン性ともに十分に満足できるものではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、耐オゾン性及び操縦安定性に優れるソリッドタイヤであるため、産業車両用のタイヤとして、好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも(a−1)不飽和ニトリル単量体、及び(a−2)共役ジエン単量体を重合させて得られる(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体存在下で、
(b−1)不飽和ニトリル単量体、(b−2)(メタ)アクリル酸系単量体、及び(b−3)芳香族ビニル単量体からなる群より選択される少なくとも1種を含む(B)単量体成分を重合させて得られる(C)共重合体を含有し、
前記(C)共重合体の下記式(1)で表されるαの値が、1.0以下であるソリッドタイヤ用組成物。
α=[tanδ(150℃)−tanδ(60℃)]/tanδ(60℃)(1)
(前記式(1)中、tanδ(150℃)は、前記(C)共重合体の150℃における損失係数を示し、tanδ(60℃)は、前記(C)共重合体の60℃における損失係数を示す。)
【請求項2】
前記(C)共重合体が、
前記(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体の水分散体に、前記(B)単量体成分を添加し、その系内に存する全単量体に対する共役ジエン単量体の比率を、10mol%以下とした状態で重合させたものである請求項1に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【請求項3】
前記(b−1)不飽和ニトリル単量体がアクリロニトリルであるとともに、前記(b−3)芳香族ビニル単量体がスチレンである請求項1又は2に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【請求項4】
前記(C)共重合体が、前記(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体20〜98質量部に対して、前記(B)単量体成分2〜80質量部(但し、(A)+(B)=100質量部)を重合させて得られるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【請求項5】
前記(a−1)不飽和ニトリル単量体がアクリロニトリルであるとともに、前記(a−2)共役ジエン単量体がブタジエンであり、
前記(A)不飽和ニトリル・共役ジエン系共重合体が、前記(a−1)不飽和ニトリル単量体に由来する構造単位(i)を10〜60質量%、前記(a−2)共役ジエン単量体に由来する構造単位(ii)を10〜90質量%、(a−3)その他の単量体に由来する構造単位(iii)を0〜80質量%(但し、(i)+(ii)+(iii)=100質量%)有するものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【請求項6】
前記(C)共重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)が、10〜200である請求項1〜5のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【請求項7】
補強剤、可塑剤、及び架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【請求項8】
前記補強剤がシリカである請求項7に記載のソリッドタイヤ用組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のソリッドタイヤ用組成物を架橋して得られるゴム組成物を使用してなるソリッドタイヤ。

【公開番号】特開2009−203432(P2009−203432A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50050(P2008−50050)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】