説明

ソーシャルネットワーキングシステム

【課題】簡易、且つ即時に自己が推薦する商品又はサービスを他のユーザーに通知することができる。
【解決手段】ユーザーが配信するコンテンツを、そのコンテンツのアクセス規制に関する情報及びユーザーを特定するユーザー識別子と関連づけて蓄積するコンテンツ蓄積部3aと、通信ネットワーク5において、各コンテンツに関連づけられたアクセス規制に従ってアクセスを制限しつつ、コンテンツをユーザー間で共有させるコンテンツ配信サーバー3と、特定のユーザーがそれぞれ使用し、コンテンツ配信サーバー3を通じて各コンテンツを共有するユーザー端末装置1と、通信ネットワーク上に配置され、不特定のユーザーの評価操作に基づき、その評価操作の内容を示す評価操作データを送信する評価操作装置2と、評価操作装置2から送信された評価操作データを、その評価操作の内容に応じて、コンテンツ蓄積部に蓄積する評価操作管理部33とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク上において、ユーザー間における相互のアクセス規制を個々に設定し、該アクセス規制に基づいてユーザー間でコンテンツの共有を行うソーシャルネットワーキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネット等の通信ネットワークを介して、複数のユーザーが相互にコミュニケーションを図るためのコミュニケーションシステムが種々発達してきており、その一つとして、ユーザー間における相互のアクセス規制を個々に設定し、該アクセス規制に基づいてユーザー間でコンテンツの共有を行うソーシャルネットワーキングシステム(SNS)がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、近年、商品やサービスについてのホームページ上で、その商品を推薦するためのアイコン、所謂、「いいねボタン」が表示されており、ユーザーがこのアイコンをクリックすることで、グループ内における他のユーザーのマイページ上に、ユーザーが商品、又はサービスを推薦している旨が表示されるようになっている。このようなサービスによって、商品又はサービスを口コミとして拡げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−198023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザーが「いいねボタン」をクリックするためには、SNSにログインした状態で、商品又はサービスのホームページを閲覧しなければならず、その手続が煩雑であるという問題があった。そのため、例えば、店舗に来店し、その店の商品やサービスを気に入ったとしても、ユーザーは、即時に「いいねボタン」をクリックしないという問題があった。また、時間が経過した後では興味が薄れてしまうこともあるため、その結果、その商品又はサービスについて他のユーザーに対して推薦されないこととなっていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、インターネットなどの通信ネットワークを通じて、仮想空間運営サーバー上に構築される仮想空間を複数のユーザー間で共有するサービスにおいて、簡易、且つ即時に自己が推薦する商品又はサービスを他のユーザーに通知することができるソーシャルネットワーキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、通信ネットワーク上において、ユーザー間における相互のアクセス規制を個々に設定し、アクセス規制に基づいてユーザー間でコンテンツの共有を行うソーシャルネットワーキングシステムであって、
ユーザーが配信するコンテンツを、そのコンテンツのアクセス規制に関する情報及びユーザーを特定するユーザー識別子と関連づけて蓄積するコンテンツ蓄積部と、
通信ネットワークにおいて、各コンテンツに関連づけられたアクセス規制に従ってアクセスを制限しつつ、コンテンツをユーザー間で共有させるコンテンツ配信サーバーと、
通信ネットワーク上に配置され、特定のユーザーがそれぞれ使用し、コンテンツ配信サーバーを通じて各コンテンツを共有するユーザー端末装置と、
通信ネットワーク上に配置され、不特定のユーザーの評価操作に基づき、その評価操作の内容を示す評価操作データを送信する評価操作装置と、
評価操作装置から送信された評価操作データを、その評価操作の内容に応じて、コンテンツ蓄積部に蓄積する評価操作管理部と
を備えることを特徴とする。
【0008】
このような本発明では、例えば、レストランやショップなどの店舗に、来店した不特定多数のユーザーが操作できるように評価操作装置を設置する。来店したユーザーは、その店舗の商品やサービスに対する評価として、評価操作装置を操作することで、そのユーザーの評価が評価操作データとして評価操作管理部を通じてコンテンツ蓄積部に蓄積される。このコンテンツ蓄積部に蓄積された各ユーザーの評価操作データは、各ユーザーのアクセス権限に応じ、コンテンツ配信サーバーを通じて通信ネットワーク上に配信され、各ユーザーが使用するユーザー端末装置により共有可能となる。
【0009】
上記発明において、評価操作装置は、操作を行ったユーザーを認証する認証部を備え、認証部は、認証が成功した場合、ユーザーを特定するための認証情報を評価操作データに付加して、該評価操作データを評価操作管理部に送信し、評価操作管理部は、認証部から受信した認証情報に基づいてユーザーのユーザー識別子を取得し、該評価操作データをコンテンツ蓄積部に蓄積することが好ましい。
【0010】
この場合には、評価操作装置に対して操作を行ったユーザーを認証することによってユーザーを特定し、評価操作データとユーザーとを紐付けることができ、他のユーザーは、SNSを通じて誰が何を評価したのかを知ることができ、特定のユーザー間で情報を共有することができる。
【0011】
上記発明において、認証部は、評価操作装置の外部に配置された他の認証システムから、認証情報を取得するようにしてもよい。この場合には、例えば、クレジットカードなど決済時に認証を行う他のシステムからその認証情報の提供を受けることにより、評価操作装置に対する認証操作を特別に実行することなく、評価操作装置に対する評価操作とユーザーとを紐付けすることができる。
【0012】
これにより、例えば、ユーザーが購入した商品やその時刻などを管理する機能を備えたPOSレジや、ユーザーが鑑賞した映画や音楽を管理するレンタルビデオショップの会員カード、交通運賃の支払用カードなど、認証システムを備えた他のシステムと融合させることが可能となり、ユーザーを特定した上で、そのユーザーの行動や趣味・嗜好と、それらに対するユーザーの評価を紐付けて、SNS上で共有することができる。
【0013】
上記発明において、評価操作管理部は、各評価操作装置に対する評価操作の履歴を記録し、評価操作の集計結果を算出し、コンテンツ配信サーバーは、集計結果を、評価操作装置に関連づけられた評価対象に関するコンテンツとして、通信ネットワーク上に配信することが好ましい。この場合には、特定の評価操作装置に対する評価を集計することにより、その装置が設置された店舗に対する評価として、情報を共有することができる。この場合は、ユーザーを特定することができない場合であっても、その評価操作の回数や時刻などは集計できることから、その店舗の一般的な評価情報として利用することができる。
【0014】
上記発明において、評価操作管理部は、集計結果に応じて、その集計結果に関わったユーザーに対してクーポンを発行するクーポン発行部に接続されていることが好ましい。この場合には、その評価操作装置が設置された店舗に対する評価の報酬をユーザーに付与できるとともに、他のユーザーの注目も集めることができる。これによりユーザーに対して評価操作を行うインセンティブを付与することができる。なお、このクーポン発行の対象ユーザーとしては、評価操作を行ったユーザー自身に限定したり、そのユーザーに対して友人関係の登録を行った多のユーザーに限定してもよく、さらには全てのアクセス者(SNS会員以外のユーザー)に開放するなど、自由に設定することができる。また、このクーポン発行部は、クーポンの発行に関する情報を配信する機能を備えてもよく、クーポンの内容の他、クーポン発行の条件や、条件達成までの現在状況などを配信するようにしてもよい。
【0015】
上記発明において、評価操作装置は、商品を販売する自動販売機であり、評価操作は、商品を購入する操作であることが好ましい。この場合には、自動販売機で商品を購入する操作自体が評価操作となるため、簡単な操作で評価操作データを発信することができる。なお、評価操作装置としての自動販売機には、商品を選択するボタンとして、一つの商品に対し、通常の購入用ボタンと、評価操作用のボタンとを設けるようにしてもよい。このとき、通常の購入用ボタンによる購入金額より、評価操作用ボタンによる購入金額を低くするなどして、評価操作に対するインセンティブを付与するようにしてもよい。この評価操作に対する差額は、広告宣伝費として商品の販売元が負担するようにしてもよい。
【0016】
上記発明において、評価操作装置は、硬化や紙幣が投入されて蓄積する募金部をさらに備え、この募金部に投入された金額を、評価操作データとすることが好ましい。この場合には、募金する際の硬貨や紙幣を投入する動作自体が評価操作となるため、簡単な操作で評価操作データを発信することができ、募金に対するインセンティブを付与することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上述べたように、この発明によれば、仮想空間運営サーバー上に構築される仮想空間を複数のユーザー間で共有するSNSサービスにおいて、現実社会における行動を、簡易、且つ即時にSNS上にアップすることができ、現実社会で自己が推薦する商品又はサービスを、通信ネットワークを通じて他のユーザーに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1に係るソーシャルネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。
【図2】第1実施形態に係る評価操作装置を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る評価操作装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係るコンテンツ配信サーバー及びコンテンツ蓄積部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態に係るユーザー端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態に係るユーザー端末装置の表示画面に表示されるウインドウを示す説明図である。
【図7】第1実施形態に係るソーシャルネットワークシステムの動作を示すフローチャート図である。
【図8】第2実施形態に係るソーシャルネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。
【図9】第2実施形態に係る評価操作装置及び周辺機器の内部構成を示すブロック図である。
【図10】第3実施形態に係るソーシャルネットワークシステムの全体構成を示す概念図である。
【図11】第3実施形態に係る自動販売機を示す斜視図である。
【図12】第3実施形態に係る自動販売機の内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
(ソーシャルネットワークシステムの概要)
以下に添付図面を参照して、本発明に係るソーシャルネットワークシステムの第1実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るソーシャルネットワークシステムの全体構成を示す概念図であり、図2は、第1実施形態に係る評価操作装置を示す斜視図である。
【0020】
図1に示すように、本発明に係るソーシャルネットワークシステムは、通信ネットワーク5上において、ユーザー間における相互のアクセス規制を個々に設定し、アクセス規制に基づいてユーザー間でコンテンツの共有を行うシステムであって、店舗4に設置されるとともに通信ネットワーク上に配置された評価操作装置2と、通信ネットワーク上に配置されたユーザー端末装置1(1a〜1c)と、コンテンツ配信サーバー3と、コンテンツ配信サーバー3に接続されたコンテンツ蓄積部3aとを備えている。
【0021】
通信ネットワーク5は、インターネットなど通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークである。この通信ネットワーク5には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0022】
ユーザー端末装置1(1a〜1c)は、CPUによる演算処理機能、及び通信インターフェースによる通信処理機能を備えた情報処理端末であり、例えば、スマートフォン等の携帯電話端末の他、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置、モバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)で実現することができる。なお、図1に示す例では、1cはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであり、1bは移動電話であり、1aは移動電話や携帯情報端末(PDA)の機能を備える携帯情報端末である。
【0023】
このユーザー端末装置1a、1bは、無線基地局6との間で無線通信を行う機能と、アプリケーションを実行する機能とを備えている。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W-CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、上述した通信方式とは別の無線通信インターフェースとして、無線LANの規格等に準じたIPパケットの送受による通信方式に対応した機能も備えている。さらに、このユーザー端末装置1a、1bには、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、或いはGPS機能等の機能が搭載されている。
【0024】
無線基地局6は、中継装置8を通じて通信ネットワーク5に接続され、ユーザー端末装置1a,1bとの間で無線通信接続を確立し、ユーザー端末装置1a,1bによる通話やデータ通信を提供する装置である。中継装置8は、通信ネットワーク5に接続するためのモデムやターミナルアダプタ、ゲートウェイ装置等のノード装置であり、通信経路の選択や、データ(信号)の相互変換を行い、無線基地局6と、通信ネットワーク5との間における中継処理を行う。なお、これら無線基地局6や中継装置8としては、無線ルーターやアクセスポイント装置なども含まれる。
【0025】
コンテンツ配信サーバー3は、通信ネットワーク5上に分散配置された一般的な通信サーバーであり、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバーコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、ユーザー端末装置1上で実行されるWebブラウザなどのアプリケーションの要求に応じて、コンテンツ(Webページ)の配信を行う。
【0026】
特に、本実施形態において、コンテンツ配信サーバー3は、SNSサービスを提供するためのサーバーアプリケーションを運用する機能を備え、SNSを通じて、各コンテンツに関連づけられたアクセス規制に従ってアクセスを制限しつつ、コンテンツをユーザー間で共有させるサービスを提供する。また、このコンテンツ配信サーバー3には、コンテンツ蓄積部3aが接続されており、コンテンツ配信サーバー3は、各評価操作装置2から送信された評価操作データを、その評価操作の内容に応じてコンテンツ蓄積部に蓄積する評価操作管理部としての機能も備えている。
【0027】
上記実施形態において、評価操作管理部としての機能は、各評価操作装置に対する評価操作の履歴を記録し、評価操作の集計結果を算出し、コンテンツ配信サーバーは、集計結果を、評価操作装置に関連づけられた評価対象(店舗やサービス)に関するコンテンツ(クチコミ情報など)として、通信ネットワーク上に配信する。この場合には、特定の評価操作装置に対する評価を集計することにより、その装置が設置された店舗に対する評価として情報を共有することができる。この場合は、ユーザーを特定することができない場合であっても、その評価操作の回数や時刻などは集計できることから、その店舗の一般的な評価情報として利用することができる。
【0028】
コンテンツ蓄積部3aは、ユーザーが配信するコンテンツを、そのコンテンツのアクセス規制に関する情報及び当該ユーザーを特定するユーザー識別子と関連づけて蓄積するデータベースである。コンテンツ蓄積部3aに蓄積されるデータとしては、SNSサービスに登録されたユーザーに関する個人情報及び個人コンテンツ(評価操作データを含む。)、各ユーザーのアクセス権限及びコンテンツの公開条件(アクセス範囲)の他、レストランやショップなどの店舗やサービス等の団体としてのユーザーに関する情報も蓄積されている。また、コンテンツ蓄積部3aは、各評価操作装置2を特定する端末識別子とその評価操作装置を設置した店舗やサービスに関する情報との関連づけも記録している。これらの各テーブルデータは、リレーションにより相互に関連づけられており、様々なデータの集計や抽出が可能となっている。
【0029】
評価操作装置2は、店舗に設置された、ユーザーの評価操作を受け付け、不特定のユーザーの評価操作に基づき、その評価操作の内容を示す評価操作データを送信する情報処理装置である。この評価操作装置2は、例えば、レストランやショップなどの店舗に、来店した不特定多数のユーザーが操作できるように、店舗の出入り口や、レジ近く、テーブルやカウンターなどに設置され、無線LANや有線等を通じて通信ネットワーク5と接続されている。
【0030】
本実施形態において評価操作データは、評価操作の内容を示すデータと、自機を特定するための端末ID(IPアドレス、GPS、ロケーション情報(設置店舗名、設置店舗住所、設置店舗ID、GPS情報等を含む)等の位置情報を含む)や、操作が行われた時刻、ユーザー端末装置1側から取得した情報を含むデータである。ユーザー端末装置1から取得される情報としては、例えば、ユーザー端末装置2のIPアドレス、WiFiポイント情報、基地局情報、位置情報、GPS情報、時間情報、端末情報、認証されたアプリケーション情報(SNSにおけるユーザ属性などを含む。)が含まれる。また、評価操作の内容を示すデータとしては、「いいね」の他、自由に設定することができ、評価ボタンを複数配置させたり、複数を組み合わせて選択して操作したり、コメントなどのテキストデータや、音声、画像などのファイルを添付できるようにしてもよい。このような添付ファイルのアップロードのために、評価操作装置2に文字や写真、音声等を入力するためのデバイスを設けてもよく、またユーザー端末装置1側の入力デバイスで入力されたデータを、評価操作装置2やコンテンツ配信サーバ3に転送するようにしてもよい。
【0031】
具体的に、評価操作装置2は、図2に示すように、評価操作ボタン21と、評価された回数を計数する評価カウンター22と、評価の内容を駆動機構で示す評価操作表示機構23とを備えている。評価操作ボタン21は、ユーザーがその店舗の商品やサービスが「いいね」と感じたときなどに押すボタンであり、これを押すことにより、評価操作データがコンテンツ配信サーバー3に送信される。
【0032】
本実施形態において評価操作装置2は、評価操作ボタン21の押下と連動して、評価カウンター22の数字が加算されるとともに、良い評価を示す評価操作表示機構23が動作する。この評価操作表示機構23は、図2(b)に示すように、お奨めを意味する手の形である「サムアップ」を形取ったプレートが、評価操作ボタン21の押下に伴って、駆動音(例えば、ベルや機械音など)とともに回動して上昇する機構であり、ボタンの押下後、所定時間経過後に自動的に下がるようになっている。来店したユーザーは、その店舗の商品やサービスに対する評価として、評価操作ボタン21を押下することで、そのユーザーの評価が評価操作データとして評価操作管理部33を通じてコンテンツ蓄積部3aに蓄積される。このコンテンツ蓄積部3aに蓄積される。
【0033】
なお、図2に示した例では、評価操作ボタン21は、良い評価を意味する「いいね」のみが備えられているが、例えば、「普通」「悪いね」などのように、評価に種類を設けるようにしてもよい。この場合は、評価カウンター22の数値は、「いいね」で加算され、「悪いね」で減算され、「普通」では変動させないようにしてもよい。また、評価操作表示機構の動作も、「いいね」で上昇、「悪いね」で下降するなど、動作機構にバリエーションを持たせてもよい。
【0034】
さらに、評価操作装置2には、操作を行ったユーザーを認証する認証部が内蔵されている。この認証部は、認証が成功した場合、ユーザーを特定するための認証情報を評価操作データに付加して、該評価操作データをコンテンツ配信サーバー3の評価操作管理部に送信するモジュールである。この認証方式としては、非接触通信によりユーザーが有している通信端末やICカードと通信を行い、ユーザーを特定する認証情報を取得するものや、CCDカメラなどの撮像装置により、ユーザーを特定する識別子(ユーザーIDやメールアドレス、カード番号)やそれらをコード化したバーコード、ユーザーの顔認識、指紋などの生体情報を撮像して画像解析等で認識したり、音声などによる認証などが挙げられる。
そして、このように評価操作装置2に対して操作を行ったユーザーを認証し、特定することによって、評価操作データとユーザーとを紐付けて、コンテンツ蓄積部3aに蓄積する。
【0035】
(各装置の内部構造)
次いで、上述したソーシャルネットワークシステムを構成する各装置の内部構造について説明する。図3は、第1実施形態に係る評価操作装置の内部構成を示すブロック図であり、図4は、第1実施形態に係るコンテンツ配信サーバー及びコンテンツ蓄積部の内部構成を示すブロック図であり、図5は、第1実施形態に係るユーザー端末装置の内部構成を示すブロック図であり、図6は、第1実施形態に係るユーザー端末装置の表示画面に表示されるウインドウを示す説明図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0036】
(1)評価操作装置2の構成
図3に示すように、評価操作装置2は、評価カウンター22と、評価操作ボタン21と、計時部25と、評価操作データ生成部24と、認証部28と、無線インターフェース26とを備えている。
【0037】
評価カウンター22は、各評価操作装置に対する評価操作の履歴の集計結果をカウンター値として表示するモジュールである。本実施形態では、レトロな雰囲気を出すために、機械的に動作するカウンター表示装置となっており、評価操作ボタン21を押下する力を駆動力として、カウンター値が変化するようになっている。なお、上記評価カウンター22は、本実施形態では、機械的な駆動機構により数値が増減するようにしたが、液晶パネルや電光表示などによるデジタル表示であってもよい。この評価カウンター22で表示されるカウント値は、当該評価操作装置内でカウントした値でもよく、コンテンツ配信サーバー3に問い合わせて取得されるコンテンツ配信サーバー3による集計結果であってもよい。
【0038】
評価操作ボタン21は、ユーザーの評価操作を受け付ける装置であり、このボタンを押下することにより、当該評価操作装置が設置された店舗等に対する評価が入力されることとなる。図2に示した例では、ユーザーがその店舗の商品やサービスを良いと感じたときに押下するように「いいね」と表記されており、これを押すことにより、好評価を意味する評価操作データがアップロードされることとなる。なお、本実施形態では、この操作ボタンは、機械的に評価カウンター22と評価操作表示機構23とリンクされており、評価操作ボタン21の押下と連動して、評価カウンター22の数字が加算されるとともに、良い評価を意味する手の形である「サムアップ」を形取ったプレートが、駆動音(例えば、ベルや機械音など)とともに上昇する機構となっている。
【0039】
さらに、本実施形態では、この評価操作ボタン21内部には、認証部28と接続された識別情報取得部21aが埋め込まれている。この識別情報取得部21aは、ユーザー識別子を非接触通信により取得するリーダライタ装置であり、例えば、クレジットカードやキャッシュカードなどのICカード100a、「おサイフケータイ」等の機能を備えたユーザー端末装置1aとの非接触通信により、ユーザーを特定する認証情報を読み取る装置である。なお、この識別情報取得部21aとして、非接触式の装置には、ICチップ等が搭載されたカードや磁気カードなどをスロットに挿入する挿入式の装置や、カードをスライドさせて磁気部分読み込む機能を備えた装置などが含まれ、非接触式の装置には、ICチップ搭載のカードの内部に近距離通信用のアンテナを持ち、微弱電波を利用してデータを送受信するリーダライタ装置なども含まれる。また、識別情報としては、OCR(Optical Character Reader)で光学的に読み取り可能な文字列、バーコード100b、QRコード等のコードや、ICチップに識別情報が内蔵され、非接触で識別できるものであってもよい。
【0040】
計時部25は、随時、現在時刻を取得するモジュールであり、本実施形態においては、認証部28において実行された認証処理の時刻を取得し、その取得した現在時刻評価操作データ生成部24へ送信する。評価操作データ生成部24は、操作ボタンから取得した評価操作の内容を示す評価操作データを生成するモジュールであり、無線インターフェース26を介してコンテンツ配信サーバー3へ送信する。この評価操作データは、認証情報や時刻情報などに基づいて生成された、どのユーザーが、いつ、どこで、どのような評価操作を行ったかを示すデータである。
【0041】
なお、本実施形態に係る評価操作データ生成部24は、不正な評価操作を防止するフィルタリング機能を備えている。例えば、30秒間に1回のみ評価操作を許可したり、同一のユーザーIDによる連続操作は、所定の時間経過しないと受け付けないようにする。これにより、不正に連続して評価操作を行わせない用にすることができる。このとき、不正な評価操作を検出した場合に、評価操作ボタン21や、評価カウンター22、評価操作表示機構23の動作をロックさせるなど、機械的な動作制限を行うようにしてもよい。
【0042】
認証部28は、操作を行ったユーザーを認証するモジュールであり、認証が成功した場合、当該ユーザーを特定するための認証情報を評価操作データに付加して、該評価操作データを評価操作データ生成部24に送信する。なお、認証部28で認証が成功しなかった場合には、ユーザーが特定できない旨を評価操作データ生成部24へ送信し、評価操作データ生成部24は、ユーザーが不明であることを評価操作データに付記する。なお、認証部28による認証が成功すると、評価操作装置2は、ユーザー端末装置1から種々の情報を取得することが可能となる。この情報としては、例えば、ユーザー端末装置2のIPアドレス、WiFiポイント情報、基地局情報、位置情報、GPS情報、時間情報、端末情報、認証されたアプリケーション情報(SNSにおけるユーザ属性などを含む。)が含まれる。
【0043】
無線インターフェース26は、通話やデータ通信を行うための移動通信用のプロトコルによる無線通信機能と、例えば無線LAN等のデータ通信用のプロトコルによる無線通信機能とを備えている。なお、この無線インターフェースは、モバイルコンピュータやPDAにおいては、無線LANアダプタ等により実現することができる。なお、この無線インターフェース26には、無線LANの他、赤外線通信やBluetooth等の近距離通信のインターフェースが含まれる。また、これらの無線通信インターフェースを通じて、外部の情報処理端末からの遠隔操作を受付けるようにしてもよく、遠隔的にメンテナンスや、データの送受信などを制御できるようにしてもよい。
【0044】
なお、本実施形態において評価操作装置2は、募金機能を備え、この募金機能のためのモジュールとして募金部27を有している。この募金部27は、投入された硬化を蓄積し、その金額を算出するモジュールであり、この募金部27に投入された金額を、評価操作データ生成部24へ送出する。評価操作データ生成部24は、評価操作データに募金部27で募金された金額情報を追加する機能を備えている。
【0045】
本実施形態では、この評価操作装置2として、専用の装置を用いる場合を例に説明したが、例えば、スマートフォンやモバイルPC、その他の情報処理端末上で、上記評価操作を受け付けて、評価操作データをコンテンツ配信サーバ3へ送信する機能を実現するアプリケーションをインストールして、一般的な情報処理端末を評価操作装置2として用いることもできる。
【0046】
(2)コンテンツ配信サーバー3及びコンテンツ蓄積部3aの構成
コンテンツ配信サーバー3は、通信インターフェース31と、データ受信部32と、データ送信部35と、評価操作管理部33と、クーポン発行部34とを備えている。
【0047】
通信インターフェース31は、認証情報などの各種データを受信し、コンテンツデータ等の各種データを送信する通信インターフェースである。この通信インターフェース31により受信された各データは、データ受信部32に入力される。
【0048】
評価操作管理部33は、評価操作装置2から送信された評価操作データを、その評価操作の内容に応じて、コンテンツ蓄積部3aに蓄積するモジュールである。この評価操作管理部33は、認証部28から受信した認証情報に基づいて当該ユーザーのユーザー識別子を取得し、該評価操作データをコンテンツ蓄積部3aに蓄積する。この評価操作管理部33には、操作履歴集計部33aを備えている。この操作履歴集計部33aは、各評価操作装置に対する評価操作の履歴を記録し、評価操作の集計結果を算出するモジュールであり、この集計結果をコンテンツ蓄積部3aや、クーポン発行部34へ送信する。
【0049】
クーポン発行部34は、集計結果に応じて、その集計結果に関わったユーザーに対してクーポンを発行するモジュールであり、評価操作管理部33に接続されている。このクーポンは、例えば、評価操作を行ったユーザーや、そのユーザーと友人関係にあるグループメンバーに優先的に発行するようにしてもよい。また、クーポン発行条件として、評価操作の回数や人数を設定した場合には、SNSを通じて、条件がクリアされるまでの残り数を通知するようにしてもよい。
【0050】
なお、このクーポン発行部34は、クーポンの発行に際し、クーポン発行者やユーザーが設定したメッセージを記載する機能を備えている。その場合、ユーザーの属性(ユーザーの氏名、会員ユーザーか否か、ユーザーの所属グループ等)に応じてメッセージを切り替えることができる。例えば、ユーザが特定されない場合には、「東京渋谷の○○ホテルでお客様がいいね!ボタンを押しました。宿泊ありがとうございました。お客様のご好意によりみなさまにクーポンを発行いたします。」とのメッセージを付記したり、ユーザを特定できた場合には、「東京渋谷の○○ホテルで、会員ユーザー×××さんがいいね!ボタンを押しました。宿泊ありがとうございました。×××様のご好意によりみなさまにクーポンを発行します。」というメッセージを付記する。
【0051】
データ受信部32は、認証情報やユーザーからの操作信号等を受け付けるモジュールであり、認証情報については、評価操作管理部33へ送信し、コンテンツを要求する操作信号は、データ配信部35へ送信する。データ配信部35は、コンテンツやクーポンなどをユーザー端末装置1に対して配信するモジュールであり、集計結果を、評価操作装置2に関連づけられた評価対象に関するコンテンツとして配信する。
【0052】
一方、コンテンツ蓄積部3aは、上述したように各種テーブルデータをリレーションにより関連づけたリレーショナルデータベースであり、具体的には、ユーザー情報DB36と、コンテンツDB37とを備えている。コンテンツDB37は、映像や音楽などのコンテンツを多数蓄積する記憶メモリであり、ユーザー情報DB36は、ユーザー情報であるID、パスワード、及び宛先アドレスや、各ユーザーに関する個人情報、認証情報及び決済情報などを記憶する記憶装置である。このユーザー情報DB36及びコンテンツDB37は、ユーザーに配信するコンテンツを、そのコンテンツのアクセス規制に関する情報及びユーザーを特定するユーザー識別子と関連づけて蓄積している。
【0053】
(3)ユーザー端末装置1aの構成
ユーザー端末装置1aの構成には、通信インターフェース11と、コンテンツ取得部12と、アプリケーション実行部13と、出力インターフェース15と、入力インターフェース16と、位置情報取得部19と、表示部17とを備えている。
【0054】
通信インターフェース11は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル,アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。本実施形態において、通信インターフェース11は、通信ネットワーク5を通じて、コンテンツ配信サーバー3に対してコンテンツの要求を送信するとともに、コンテンツ配信サーバー3からコンテンツデータを受信する。
【0055】
コンテンツ取得部12は、通信インターフェース11が受信したコンテンツデータを、受取りコンテンツ蓄積部3aに蓄積するとともに、コンテンツデータに評価操作データが含まれている(付加されている)場合には、その評価操作データを評価操作管理部33に送出するモジュールである。
【0056】
アプリケーション実行部13は、一般のOSやブラウザソフト、ワープロソフトなどのオフィスソフト、画像表示ソフトなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU等により実現される。このアプリケーション実行部13でアプリケーションを実行することにより、ブラウザ部13aと、通信リンク確立部13bとが構成される。
【0057】
ブラウザ部13aは、ブラウザソフトを実行することによって構築され、Webページを閲覧するためのモジュールであり、インターネットからHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。また、ブラウザ部13aには、GUI制御部13cが備えられている。GUI制御部13cは、ユーザーとの間で対話形式により、ユーザー操作を促すモジュールであり、ユーザーに対する画面表示と、その画面上におけるクリック操作や文字入力などを受け付ける。
【0058】
本実施形態においては、図6に示すように、ブラウザ部13aにより、表示部17のウインドウ18に、ユーザー固有のマイページであるグラフィックユーザーインターフェースが構築され、この画面上には、他のユーザーが評価操作を行ったなどの項目18aが表示される。また、マイページには、そのユーザーに固有の識別子をコード化したマイバーコード18が表示され、このマイバーコード18を印刷したり、端末の画面に表示させ、それを評価操作装置2の撮像部で撮像し画像認識することにより、ユーザーを認証することができるようになっている。
【0059】
通信リンク確立部13bは、ユーザー端末装置1a上で常駐的に実行されるアプリケーションであり、常時、評価操作装置2を発信する微弱な電波を探索し、評価操作装置2が検出されると、その評価操作装置2との間で通信リンクを確立し、いつでもユーザーの識別情報を送受信する。この通信リンク確立部13bにより、評価操作を行う度に認証操作を行う必要がなく、簡単に且つ即座に、評価操作を行うことができる。
【0060】
入力インターフェース16は、操作ボタンやタッチパネル、ジョグダイヤルなどユーザー操作を入力するデバイスであり、出力インターフェース15は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース15には、液晶ディスプレイなどの表示部17が含まれており、アプリケーションにより構築されるGUI(Graphical User Interface)がこの表示部17に表示される。
【0061】
(ソーシャルネットワーキングシステムの運用方法)
以上の構成を有するソーシャルネットワーキングシステムを動作させることで、本実施形態に係るソーシャルネットワーキングシステムの運用方法を実施することができる。図7は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの動作を示すシーケンス図である。
【0062】
先ず、ユーザーが、評価操作装置2の評価操作ボタン21を押下する(S201)と、評価操作装置2は、評価カウンター22の数値を増加させるとともに、評価操作表示機構23を駆動させる。これと同時に、評価操作装置2は、ユーザー端末が通信エリア内に在圏するかどうかを探索し(S202)、ユーザー端末を検出した場合には(S203における”Y”)、ユーザー端末装置1aと通信リンクを形成し、認証処理を実行する(S102及びS204)。
【0063】
この認証処理としては、ユーザー端末装置1aが非接触通信機能を備えているのであれば、その機能を通じて認証を行ってもよく、また、ユーザー端末装置1aが無線LAN等の通信機能を有する場合には、最も電波強度が強いユーザー端末装置1aを、評価操作を行っているユーザーのものであると推定する。このとき、予め、ユーザー端末装置1a上で、通信リンク確立部13bを常駐的に実行しておくことで(S101)、来店時など、早期に通信リンクをユーザー端末装置1aと評価操作装置2との間で確立しておき、速やかに評価操作の認証を行うようにすることもできる。
【0064】
そして、評価操作ボタン21の押下を受けて、評価操作装置2は、評価操作データを生成し、コンテンツ配信サーバー3へ送信する(S205及びS206)。詳述すると、端末が検出できなかったり、認証が成功しない場合には(S203における“N”)、不特定のユーザーである旨を付記して評価操作データを生成し(S205)、サーバー3へ送信する(S206)。すなわち、SNSに参加していない客であっても、評価操作ボタン21を押すことができ、その評価は、不特定のユーザーのものとしてコンテンツ配信サーバー3に送信される。一方、ユーザー端末が検出され、認証が成功した場合には、認証情報と操作ボタンが押下された情報が評価操作データ生成部24に送信され、評価操作データ生成部24において、評価操作データが生成される(S205)。評価操作データは、無線インターフェース26を通じて、コンテンツ配信サーバー3へ送信される(S206)。
【0065】
コンテンツ配信サーバー3では、このデータを受信すると(S301)、評価操作管理部33において、評価操作データに付加された認証情報に基づいてユーザー識別子を取得し、評価操作データをその評価操作の内容に応じて、コンテンツDB37に蓄積する(S302)。すなわち、認証が成功しユーザーが特定できた場合には、そのユーザーの識別子と評価操作データとを関連づけて蓄積し、認証が成功していない場合には、不特定のユーザーの評価データとして蓄積する。
【0066】
コンテンツ配信サーバー3は、評価操作データを時系列順に履歴としてコンテンツ蓄積部3aに蓄積し、逐次集計を行う。この集計は、評価操作装置2を設置した店舗やサービス毎に行われ、その店舗やサービスを評価する情報として、通信ネットワーク上で共有可能となる。
【0067】
その後、他のユーザー端末装置から接続要求があると(S401)、コンテンツ配信サーバー3は、接続要求に係る操作信号を受信し(S303)、例えば、ID又はパスワード等から認証を行う。認証が正しくない場合には、SNSに参加していない会員以外の不特定ユーザーとして、アクセス制限を行う(S304)。この不特定ユーザーには、そのアクセス制限に応じて、一般的な情報のみが提供され(S305)、閲覧に際しては(S402及びS403)、SNSの会員限定で公開されている情報にはアクセスできないこととなる。
【0068】
一方、認証が正しい場合には、アクセス者側のユーザー情報から、アクセス規制に基づいてコンテンツの共有が許されているユーザーのコンテンツをコンテンツDB36から抽出して、アクセス側のユーザーに対して、評価操作データのコンテンツを送信する(S305)。
【0069】
認証が成功したユーザーの表示画面には、図6に示すように、評価操作を行った項目18aが表示される(S402及びS403)。例えば、あるユーザーが自分が行った評価操作を、友人として登録されたメンバーにのみ開示を認めている場合には、友人メンバーのみがその情報を閲覧でき、それ以外のユーザーには、提示されない。これにより、個人的な行動に関する評価操作を、特定のメンバーにだけ提示することができる。なお、ユーザーが、自分の評価操作の公開条件(公開範囲)を全てのユーザーとしている場合には、ユーザー認証の成否に関わらず、情報が公開される。
【0070】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、例えば、レストランやショップなどの店舗に、来店した不特定多数のユーザーが操作できるように評価操作装置2を設置することによって、来店したユーザーが、その店舗の商品やサービスに対する評価として、評価操作装置を操作することで、そのユーザーの評価が評価操作データとして評価操作管理部33を通じてコンテンツ蓄積部3aに蓄積される。このコンテンツ蓄積部3aに蓄積された各ユーザーの評価操作データは、各ユーザーのアクセス権限に応じ、コンテンツ配信サーバー3を通じて通信ネットワーク5上に配信され、各ユーザーが使用するユーザー端末装置1により共有可能となる。この共有された情報は、クチコミ情報として宣伝効果を有することとなる。
【0071】
また、評価操作を行ったユーザーが特定された場合には、評価操作データとユーザーとを紐付けることができ、他のユーザーは、SNSを通じて誰が何を評価したのかを知ることができ、特定のユーザー間で有用な情報を共有することができる。一方、認証がされなかったユーザーであっても、不特定ユーザーによる評価操作として集計されるため、その評価操作装置2を設置した店舗への一般的な評価情報として利用することができる。
【0072】
さらに、評価操作装置2は、硬化や紙幣が投入されて蓄積する募金部27を備えていることから、この募金部27に投入された金額を、評価操作データとする。これにより、募金する際の硬貨や紙幣を投入する動作自体が評価操作となるため、簡単な操作で評価操作データを発信することができ、募金に対するインセンティブを付与することができる。
【0073】
また、上記実施形態では、評価操作管理部33が、集計結果に応じて、その集計結果に関わったユーザーに対してクーポンを発行するため、その評価操作装置2が設置された店舗に対する評価の報酬を、ユーザーに付与できるとともに、他のユーザーの注目も集めることができる。その結果、ユーザーに対して評価操作を行うインセンティブを付与することができる。
【0074】
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、評価操作装置2の外部に配置された、例えばPOSシステムなどの他の認証システムから、認証情報を取得することを特徴とする。図8は、第2実施形態に係るソーシャルネットワークシステムの全体構成を示す概念図であり、図9は、第2実施形態に係る評価操作装置及び周辺機器の内部構成を示すブロック図である。なお、以下の実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0075】
図8に示すように、第2実施形態に係るソーシャルネットワーキングシステムでは、店舗4に備えられたPOSレジ装置7aに備えられた認証装置7bを用い、その認証装置7bから取得した認証情報に基づいて、評価操作データを生成する。
【0076】
認証装置7bは、識別情報取得部71を備えたリーダライタ装置であり、例えば、クレジットカードやキャッシュカードなどのカードや情報端末装置から認証情報を読み取る、接触式、非接触式の装置などを用いることができる。認証装置7bは、この識別情報を入出力インターフェース74を介してPOSレジ装置7aに送信する。
【0077】
POSレジ装置7aは、制御部78と、認証部78bと、商品情報記憶部76と、商品コード取得部77とを備えている。
【0078】
商品コード取得部77は、商品バーコード等を読み取るスキャナー73から取得した商品コードを取得するモジュールであり、商品情報記憶部76に記憶された各種情報を制御部78に送信する。この商品情報記憶部76は、商品コードに商品名や値段等関連づけて記録するメモリ装置である。
【0079】
制御部78は、商品の決済を行ったり、装置全体の制御を行うCPU等の演算処理装置であり、本実施形態では、商品コード取得部77から取得した商品情報に基づいて、決済処理を行う。また、制御部78は、認証部78bと、送信データ生成部78aとを備えている。
【0080】
認証部78bは、認証装置7bから送信されたユーザー識別子を含む認証情報から認証処理を実行するモジュールであり、認証結果を入出力インターフェース74を介して評価操作装置2aに送信する。この認証結果に応じて評価操作装置2aでは、評価操作ボタン21が有効となり、操作ボタンが押下された場合には、評価操作データ生成部24で、評価操作データが生成される。また、この評価操作データは、入出力インターフェース28を介してコンテンツ配信サーバー3に返される。
【0081】
POSレジ装置側では、制御部78の送信データ生成部78aによって、この評価操作データに商品情報が付加され、通信インターフェース79を通じて、コンテンツ配信サーバー3へ送信される。
【0082】
このような本実施形態によれば、例えば、クレジットカードなど決済時に認証を行う他のシステムからその認証情報の提供を受けることにより、評価操作装置2に対する認証操作を特別に実行することなく、評価操作装置2に対する評価操作とユーザーとを紐付けすることができる。
【0083】
これにより、例えば、ユーザーが購入した商品や、その時刻などを管理する機能を備えたPOSレジや、ユーザーが鑑賞した映画や音楽を管理するレンタルビデオショップの会員カード、交通運賃の支払用カードなど、認証システムを備えた他のシステムと融合させることが可能となり、ユーザーを特定した上で、そのユーザーの行動や趣味・嗜好と、それらに対するユーザーの評価を紐付けて、その評価をSNS上で共有することができる。
【0084】
[第3実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。図10は、第3実施形態に係るソーシャルネットワークシステムの全体構成を示す概念図であり、図11は、第3実施形態に係る自動販売機を示す斜視図であり、図12は、第3実施形態に係る自動販売機の内部構成を示すブロック図である。図10に示すように、本実施形態では、評価操作装置を、商品を販売する自動販売機2bとし、この自動販売機2bからコンテンツ配信サーバー3へ評価操作データが送信される。
【0085】
自動販売機2bは、図11に示すように、商品を表示する展示部206と、各商品を選択する購入用ボタン204と、その商品について評価操作を行う評価操作用ボタン205とを備えている。
【0086】
すなわち、本実施形態において自動販売機2bには、商品を選択するボタンとして、一つの商品に対し、通常の購入用ボタン204と、評価操作用の評価操作用ボタン205とを設けている。そして、通常の購入用ボタン204による購入金額より、評価操作用ボタン205による購入金額を低くするなどして、評価操作に対するインセンティブを付与している。この評価操作に対する差額は、広告宣伝費として商品の販売元が負担するようにしてもよい。
【0087】
また、自動販売機2bは、硬化が投入される硬化投入口201と、提供される商品を利用者が取り出すための取出口である商品提供口203と、識別情報を読み取る識別情報取得部202とを備えている。識別情報取得部202は、例えば、カードやICチップなどに、利用者を特定するIDやパスワード等の個人情報を記録した識別情報を読み取る接触式又は非接触式のリーダライタである。ここで、識別情報としては、OCR(Optical Character Reader)で光学的に読み取り可能な文字列、バーコード、QRコード等のコードや、ICチップに識別情報が内蔵され、非接触で識別できるものであってもよい。
【0088】
そして、この自動販売機2bの商品提供に関する制御は、制御部210によって行われる。制御部210は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、各機能モジュールによって、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行う。
【0089】
図3に示すように、制御部210には、商品選択部215と、動作制御部216と、操作信号取得部212と、認証部213と、評価操作データ生成部214とを備えている。
【0090】
支払額確認部211は、硬化投入口201から投入された金銭価値の額を識別するモジュールであり、具体的には、投入された硬貨及び貨幣を認識したり、リーダライタで読み出された価値情報の額を認識することで、投入された金銭価値の額を算出する。また、支払額確認部105は、支払われた金銭価値の額から選択された商品の金銭価値を差し引きし、お釣りとして払い出させる金銭価値の額を算出する。
【0091】
操作信号取得部212は、購入用ボタン204及び評価操作用ボタン205が押下された際、各ボタンの操作信号を取得するモジュールであり、商品の選択ボタンについての情報は、商品選択部215へ送信し、評価操作用ボタン205についての情報は評価操作データ生成部214へ送信される。
【0092】
認証部213は、操作を行ったユーザーを認証するモジュールであり、認証が成功した場合、当該ユーザーを特定するための認証情報を評価操作データに付加して、該評価操作データを評価操作データ生成部214に送信する。
【0093】
商品選択部215は、選択された商品を提供するモジュールであり、選択された商品に関する信号を動作制御部216へ送信し、動作制御部216では、この信号に応じて該当する商品を商品提供口203まで搬送する商品提供手段の動作を制御する。
【0094】
評価操作データ生成部214は、評価操作用ボタン205から取得した評価操作の内容を示す評価操作データを生成するモジュールであり、本実施形態においても認証部213から取得した認証情報や商品選択部215から取得した商品に関する情報について評価操作データに付加し、通信インターフェース217を通じてコンテンツ配信サーバー3へ送信する。
【0095】
このような自動販売機2bによれば、自動販売機2bで商品を購入する操作自体が評価操作となるため、簡単な操作で評価操作データを発信することができ、評価操作用ボタン205による購入時による価格を、通常価格より低く設定することにより、評価操作のインセンティブを高めることができるとともに、宣伝効果を向上させることができる。
【符号の説明】
【0096】
1…ユーザー端末装置
1a…ユーザー端末装置
1a,1b…ユーザー端末装置
2…評価操作装置
2b…自動販売機
3…コンテンツ配信サーバー
3a…コンテンツ蓄積部
4…店舗
5…通信ネットワーク
6…無線基地局
7a…POSレジ装置
7b…認証装置
8…中継装置
11…通信インターフェース
12…コンテンツ取得部
13…アプリケーション実行部
13a…ブラウザ部
13c…GUI制御部
13b…通信リンク確立部
15…出力インターフェース
16…入力インターフェース
17…表示部
18…ウインドウ
18a…項目
19…位置情報取得部
21…評価操作ボタン
21a…識別情報取得部
22…評価カウンター
23…評価操作表示機構
24…評価操作データ生成部
25…計時部
26…無線インターフェース
27…募金部
28…認証部
31…通信インターフェース
32…データ受信部
33…評価操作管理部
33a…操作履歴集計部
34…クーポン発行部
35…データ送信部
35…データ配信部
72…出力インターフェース
71…識別情報取得部
73…スキャナー
74…入出力インターフェース
76…商品情報記憶部
77…商品コード取得部
78…制御部
78a…送信データ生成部
78b…認証部
79…通信インターフェース
100a…ICカード
100b…バーコード
105…支払額確認部
201…硬化投入口
202…識別情報取得部
203…商品提供口
204…購入用ボタン
205…評価操作用ボタン
206…展示部
210…制御部
211…支払額確認部
212…操作信号取得部
213…認証部
214…評価操作データ生成部
215…商品選択部
216…動作制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク上において、ユーザー間における相互のアクセス規制を個々に設定し、該アクセス規制に基づいてユーザー間でコンテンツの共有を行うソーシャルネットワーキングシステムであって、
ユーザーが配信する前記コンテンツを、そのコンテンツのアクセス規制に関する情報及び当該ユーザーを特定するユーザー識別子と関連づけて蓄積するコンテンツ蓄積部と、
前記通信ネットワークにおいて、各コンテンツに関連づけられた前記アクセス規制に従ってアクセスを制限しつつ、前記コンテンツをユーザー間で共有させるコンテンツ配信サーバーと、
前記通信ネットワーク上に配置され、特定のユーザーがそれぞれ使用し、前記コンテンツ配信サーバーを通じて各コンテンツを共有するユーザー端末装置と、
前記通信ネットワーク上に配置され、不特定のユーザーの評価操作に基づき、その評価操作の内容を示す評価操作データを送信する評価操作装置と、
前記評価操作装置から送信された評価操作データを、その評価操作の内容に応じて、前記コンテンツ蓄積部に蓄積する評価操作管理部と
を備えることを特徴とするソーシャルネットワーキングシステム。
【請求項2】
前記評価操作装置は、操作を行ったユーザーを認証する認証部を備え、
前記認証部は、認証が成功した場合、当該ユーザーを特定するための認証情報を前記評価操作データに付加して、該評価操作データを前記評価操作管理部に送信し、
前記評価操作管理部は、前記認証部から受信した前記認証情報に基づいて当該ユーザーのユーザー識別子を取得し、該評価操作データを前記コンテンツ蓄積部に蓄積する
ことを特徴とする請求項1に記載のソーシャルネットワーキングシステム。
【請求項3】
前記認証部は、前記評価操作装置の外部に配置された他の認証システムから、前記認証情報を取得することを特徴とする請求項2に記載のソーシャルネットワーキングシステム。
【請求項4】
前記評価操作管理部は、各評価操作装置に対する評価操作の履歴を記録し、評価操作の集計結果を算出し、
前記コンテンツ配信サーバーは、当該集計結果を、当該評価操作装置に関連づけられた評価対象に関するコンテンツとして、前記通信ネットワーク上に配信する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングシステム。
【請求項5】
前記評価操作管理部は、前記集計結果に応じて、その集計結果に関わったユーザーに対してクーポンを発行するクーポン発行部に接続されていることを特徴とする請求項4に記載のソーシャルネットワーキングシステム。
【請求項6】
評価操作装置は、商品を販売する自動販売機であり、
前記評価操作は、前記商品を購入する操作である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングシステム。
【請求項7】
前記評価操作装置は、硬化や紙幣が投入されて蓄積する募金部をさらに備え、この募金部に投入された金額を、前記評価操作データとすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のソーシャルネットワーキングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−41405(P2013−41405A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177646(P2011−177646)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.Bluetooth
【出願人】(511198900)
【Fターム(参考)】