説明

ソースに依存しないコンテンツレーティング・システムおよび方法

ソースに依存しないコンテンツレーティング・システムおよび方法が提供される。システムは、複数のコンテンツ加入サービスから番組およびチャネルの少なくとも1つに関する番組ガイド情報を抽出する、電子番組ガイド抽出手段を備えている。フィルタは、受信した番組ガイド情報に基づき、コンテンツおよびコンテンツのカテゴリの少なくとも1つを識別する識別情報を生成する。加入管理手段は、ユーザ指定のレーティングおよび識別情報を受信し、ユーザに表示されたユーザインターフェース情報を管理する。ユーザインターフェース情報は、識別情報により識別されるコンテンツおよびカテゴリの少なくとも1つを含み、それに関するユーザ指定のレーティングを更に含んでいる。加入管理手段は、複数のコンテンツ加入サービスの特定の1つに関して設けられたいずれかのユーザ指定のレーティングを、複数のコンテンツ加入サービスの他のすべての関連するレーティングにマイグレーションする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の原理は、一般にコンテンツレーティング・システムに関し、より詳細には、ソースに依存しないコンテンツレーティング・システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、利用可能な多くのコンテンツ加入サービスが存在する。従来のケーブルテレビサービスおよび衛星テレビサービスは、コンテンツ加入サービスの具体例である。これらの全てのサービスは、ユーザが自分の好みのコンテンツ/番組を選択する際にユーザを支援するテレビガイドを備えている。ある場合には、ガイドによりユーザは、何らかのキーワードまたはカテゴリをタイプし、最良のマッチングした番組を見つけることも可能である。遠隔制御インターフェースによるこれらのサーチは煩雑であり、通常、多くの場合、ユーザの好みに関する一貫性のある結果を得られない。ユーザが自分の興味および好みを表明することが可能であるような例えば、NETFLXのような他のコンテンツ配信サービスもあり、当該ユーザに配信されるコンテンツの選択に関して、これらのレーティングが考慮される。しかし、かかるサービスによっては、同一のユーザ向けの他のコンテンツ加入サービスに対し、あるいはかかる他のコンテンツ加入サービスからユーザの好みを転送することは不可能である。
【発明の概要】
【0003】
先行技術の上記かつ他の欠点および不都合は、本発明の原理により対処されており、これはソースに依存しないコンテンツレーティング・システムおよび方法を対象としている。
【0004】
本発明の原理の1つの態様によると、ソースに依存しないコンテンツレーティング・システムが提供されている。当該システムは、複数のコンテンツ加入サービスから1つ以上の番組および1つ以上のチャネルの少なくとも1つに関する番組ガイド情報を抽出する、電子番組ガイド抽出手段を備えている。システムは更に、受信した番組ガイド情報に基づき、コンテンツおよびコンテンツのカテゴリの少なくとも1つを識別する識別情報を生成する、電子番組ガイド抽出手段に連結されたフィルタを備えている。当該システムは更に、ユーザ指定のレーティングおよび識別情報を受信し、ユーザに表示されたユーザインターフェース情報を管理するために、フィルタに連結された加入管理手段を備えている。ユーザインターフェース情報は、識別情報により識別されるコンテンツおよびカテゴリの少なくとも1つを含み、それに関するユーザ指定のレーティングを更に含んでいる。加入管理手段は複数のコンテンツ加入サービスの特定の1つに関して設けられたいずれかのユーザ指定のレーティングを、当該ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスの他の関連するレーティングにマイグレーションし、ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスの全てと関連するユーザ指定のレーティングを、ユーザインターフェース上に表示する。
【0005】
本発明の原理の別の態様によれば、セットトップボックス、あるいはセットトップボックスとは別個のスタンドアロン型装置、あるいはセットトップボックスと共に動作する装置におけるソースに依存しないコンテンツレーティング方法が提供される。当該方法は、ユーザが視聴しており、ユーザが視聴し、および/または視聴することを所望する加入サービスからコンテンツを判定するステップと、コンテンツのユーザによるレーティングを取得するステップと、ユーザによるレーティングを他の加入サービスに頒布するステップとを含んでいる。これは、複数のコンテンツ加入サービスから、1つ以上の番組および1つ以上のチャネルの少なくとも1つに関する番組ガイド情報を抽出するステップを含んでいてもよい。番組ガイド情報に基づき、コンテンツおよびコンテンツのカテゴリの少なくとも1つを識別する識別情報が生成される。ユーザ指定のレーティングが受信される。ユーザに表示されたユーザインターフェース情報は管理される。ユーザインターフェース情報は、識別情報により識別されるコンテンツおよびカテゴリの少なくとも1つを含み、それに関するユーザ指定のレーティングを更に含んでいる。複数のコンテンツ加入サービスの特定の1つに関して設けられたいずれかのユーザ指定のレーティングが、当該ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスの他のすべての関連するレーティングにマイグレーションし、ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスの全てと関連するユーザ指定のレーティングを、ユーザインターフェース上に表示する。
【0006】
本発明の原理の上記および他の態様、特徴および利点は、添付図面に関連して解釈される例示的実施形態の以下の詳細な記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の原理は、以下の例示的図面に従い、より良く理解できる。
【図1】本発明の原理の実施形態により、本発明の原理を適用できる例示的環境100を示すブロック図である。
【図2】本発明の原理の実施形態により、例示的セットトップボックス110コンテンツレーティング・システム115を示すブロック図である。
【図3】本発明の原理の実施形態により、コンテンツのソースに依存しない当該コンテンツをレーティングする例示的方法300を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の原理は、ソースから独立したコンテンツレーティング・システムおよび方法を対象としている。
【0009】
ある実施形態では、本発明の原理は、インターネット対応のセットトップボックス、すなわちソースに依存しないコンテンツレーティング・システムのための補完的利用を提供している。ある実施形態では、本発明の原理は、ユーザによるレーティングが、当該ユーザ向けの複数のコンテンツソースに及ぶことができるような態様で、ユーザが見ている(あるいは見ることを意図していた、あるいは見ることを意図する)コンテンツをユーザがレーティングするための手段を提供している。セットトップボックスは、視聴習慣およびインターネットにおけるユーザインタラクションを継続的に監視することにより、家族の一人一人、または(単一体とみなすことのできる)全体としての家族に関するユーザプロファイルを作成することもできる。ある実施形態においては、セットトップボックスは、その内部にユーザプロファイルを備えていてもよく、これにより本明細書中の以下に記述するような付随的効果を奏することができる。
【0010】
(たとえば図1に示すような)ある実施形態においては、コンテンツレーティング・システムは、セットトップボックス内に収納されてもよい。コンテンツレーティング・システムは、セットトップボックス上で起動する(実行される)ソフトウエアとして、あるいはセットトップボックス内部で(たとえば既存のハードウエア(たとえばプロセッサ、メモリ等)あるいは専用ハードウエアのみを利用した)ハードウエアとして、あるいはそれらの組合せとして実装することができる。本明細書中の以下に記述するように、コンテンツレーティング・システムは、セットトップボックスとは別個に実装してもよいことは言うまでもない。
【0011】
本説明は、本発明の原理を記述している。よって当業者は、種々の構成配置を考案し、本明細書に明示的に記述されておらず、または図示されていない場合であっても、本発明の原理を採用してその範囲に含めることが可能であることが理解される。
【0012】
本明細書に列挙されたすべての具体例および条件付文言は、技術を進歩させるために発明者(ら)が提供する本発明の原理および概念を理解する際に、読み手を助けるという教育目的を有しており、特に列挙されたかかる具体例および条件に限定することがないものとして解釈されるべきである。
【0013】
また、本発明の原理の原則、態様および実施形態を列挙する本明細書中のすべての記述、ならびにこれらの特定の具体例は、これらの構造的かつ機能的な均等物の双方を包含することを意図としている。また、かかる均等物は、現在知られており、かつ将来開発される均等物の双方、すなわち構造に関わらず、同一の機能を発揮する開発されたいずれの構成要件も包含することを意図している。
【0014】
よって、例えば、本明細書で提示されたブロック図は、本発明の原理を具体化する例示的回路の概念図を表現していることが、当業者により理解されるであろう。同様に、いずれのフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コード等も、コンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているか否かにかかわらず、コンピュータ読み取り可能媒体に十分に表現することができ、コンピュータまたはプロセッサによりそのように実行される種々のプロセスを表現することが理解されるであろう。
【0015】
図面に示された種々の要素の機能は、専用ハードウェアならびに適切なソフトエアと関連してソフトウェアを実行できるハードウェアの使用を介して提供できる。プロセッサにより提供される場合、機能は単一の専用プロセッサにより提供されてもよいし、単一の共有プロセッサにより提供されてもよいし、一部を共有できる複数の個別のプロセッサにより提供されてもよい。また、「プロセッサ」または「コントローラ」の文言の明示的使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアのみを言及するように解釈されるべきではなく、黙示的にディジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを記憶する読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置を含むが、これに限定されない。
【0016】
従来型および/またはカスタムの他のハードウェアが含まれてもよい。同様に、図示されたいずれのスイッチも概念的に過ぎない。その機能は、プログラムロジックの動作を介して、専用のロジックを介して、プログラム制御および専用のロジックの相互作用を介して、あるいは手動でも実行でき、特定の技術は、コンテキストからより詳細に理解されるように、実施者により選択可能である。
【0017】
本明細書の請求項において、特定の機能を実行するための手段として表わされる任意の要素は、例えば、a)その機能を実行する複数の回路素子の組み合わせ、またはb)ファームウェア、マイクロコードなどを含む任意の形態のソフトウェアであって、その機能を実行する当該ソフトウェアを実行するための適切な回路と組み合わされたものなどを含め、当該機能を実行する任意の方法を含むことが意図されている。請求項によって定義される本発明の原理は、列挙される様々な手段によって提供される機能が、請求項によって提唱される手法で組み合わされ、かつ結合されるという事実に属する。したがって、これらの機能を提供することができるいずれの手段も、本明細書に示されているものと均等であるとみなされる。
【0018】
明細書中の本発明の原理の「1つの実施形態」または「ある実施形態」並びにその他の変形に対する言及は、実施形態との関連で記載される特定の特徴、構造、特性等が、本発明の原理の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。よって、明細書全体を通して様々な箇所に現れている「1つの実施形態においては」または「ある実施形態においては」のフレーズの出現、並びに他のいずれの変形も、必ずしも全てが同一の実施形態に言及しているものではない。
【0019】
例えば、「A/B」、「Aおよび/またはB」、「AおよびBの少なくとも1つ」という場合の以下の「/」、「および/または」、および「少なくとも1つの」のいずれかの使用は、最初に挙げたオプション(A)のみの選択を含むか、2番目に列記されたオプション(B)のみの選択を含むか、双方のオプション(AおよびB)の選択を含むことを意図していると理解されるべきである。他の具体例としては、「A,Bおよび/またはC」と「A、B、Cのうち少なくとも1つ」の場合は、当該フレーズは、最初に挙げられたオプション(A)のみの選択を含むか、第2番目に挙げられたオプション(B)のみの選択を含むか、第3番目に挙げられたオプション(C)のみの選択を含むか、第1および第2番目に挙げられたオプション(AおよびB)のみの選択を含むか、第1および第3番目に挙げられたオプション(AおよびC)のみの選択を含むか、第2および第3番目に挙げられたオプション(BおよびC)のみの選択を含むか、3つすべてのオプション(AおよびBおよびC)の選択を含むことを意図している。上記は、当該技術分野および関連する技術分野の当業者に容易に明らかなように、列挙された多くの項目についても拡張適用できる。
【0020】
少なくとも1つの実施形態によると、 ユーザが種々のソースから複数のコンテンツをレーティングすることを可能にする、ソースから独立したソフトウエアコンテンツ・レーティング・システムが提供される。少なくとも1つの実施形態においては、かかるシステムはセットトップボックスに関して実装される。少なくとも1つの実施形態に関しては、(例えばケーブル、衛星等のいずれかを介して)テレビ放送にアクセス可能なインターネット対応のセットトップボックスが想定される。セットトップボックスは、テレビ受信機に関する従来の音声/映像の再生の性能に加え、インターネットを介する、いずれのウエブベースのサービスにもアクセス可能である。
【0021】
少なくとも1つの実施形態においては、エンドユーザがコンテンツの自分の個人的なレーティング、またはコンテンツのカテゴリの自分の個人的なレーティングを表明できる手段となるシステムまたは方法が提供され、当該レーティングは、ユーザ向けの多数のコンテンツ加入サービスにマイグレーションされた状態となる。既存の解決手段は、特定のサービス、または当該特定サービスにより提供されるコンテンツをユーザがレーティングすることを可能にするのみである。
【0022】
図1は、本発明の原理の実施形態により、本発明の原理を適用できる例示的環境100を示している。システム100は、セットトップボックス110、テレビ受信機120,携帯電話130、ラップトップ140等を備え、および/または伴っていてもよい。セットトップボックス110は、ソースに依存しないコンテンツレーティング・システム115を備えている。図1の実施形態は、セットトップボックス110内部のコンテンツレーティング・システム115を示し、一方で他の実施形態においてはコンテンツレーティング・システム115は、例えば、(例えば、その独自のプロセッサ、メモリ、ユーザインターフェース等を含む)スタンドアロン型装置として、あるいはコンテンツレーティング・システムが使用される環境に通常見られるような他の装置の一部として、セットトップボックスから独立して実装されてもよい。
【0023】
テレビ受信機120は、一次画面に関するものとみなすことができ、一方で携帯電話130およびラップトップ140は、一次画面と同期化(同期)された1つ以上(本実施例では2つ)の二次画面に関するものとみなすことができる。本明細書で使用される際、「同期化される」とは、同一(または関連した)情報、データおよび/またはメディアの少なくとも一部を一次および/または二次画面上で視聴できることをいう。ほとんどの場合、同期化は、かかる情報、データおよび/またはメディアが、互いに対してほぼ同時のタイムフレームにおいて(例えば、同時、あるいはユーザが一次画面上で何らかを視聴している場合、次に二次画面を内蔵する装置が作動されると、二次画面に関する対応する情報がそこに表示できる場合)、一次画面および二次画面上に表示されることを伴う。例えば、ある実施形態においては、以下に記載される少なくともユーザインターフェース情報を、一次画面と二次画面の双方に表示することが可能である。他の実施形態においては、少なくともユーザインターフェース情報およびインターフェース情報が参照する実際のコンテンツを、一次画面および二次画面の双方に表示することが可能である。更にテレビ受信機120、携帯電話130、ラップトップは、特定の(すなわち同一の)ユーザ150と関連付けられている。
【0024】
ケーブルおよび/または衛星伝送等(本明細書中では互換的に「メディアパイプ」ということもある)161(前者は、少なくとも有線通信手段を伴い、後者は少なくとも無線通信手段を伴う)は、セットトップボックス110に映像および/または音声コンテンツを提供する。例えば、インターネット伝送(本明細書中では互換的に「データパイプ」ともいうこともある)等の(有線通信手段または無線通信手段を伴ってもよい)広域通信網(WAN;Wide−Area Network)伝送162も、セットトップボックス110に音声および/または映像コンテンツを提供することができる。セットトップボックス110は、(有線通信手段または無線通信手段を伴ってもよい)映像/音声伝送163を介して、テレビ受信機に映像および/または音声コンテンツを提供する。本発明の原理は、いずれか特定の有線または無線通信手段に限定されず、当該通信手段は本技術分野および関連する技術分野の当業者は容易に知ることができるため、当該通信手段のいずれの更なる詳細も、簡略化のために本明細書では省略されている。
【0025】
二次画面に関する図1に図示した特定の実施形態は、携帯電話130、ラップトップ140を備え、一方で本発明の原理は前記装置には限定されず、よって画面(たとえばインターネットタブレット、コンピュータ、携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistance)、メディア・プレイヤー等)を有する他の装置も使用できることが理解されるべきである。同様に、1つ以上の実施形態が、(1又は複数の)画面、そして映像データ(同様の点が対応する音声データにも適用されると仮定して)に関するコンテンツレーティングに関して本明細書に記載されており、一方で本発明の原理は、映像データ、音声データ、あるいはそれらの組合せにのみ適用することもできる。
【0026】
図2は、本発明の原理の実施形態による例示的セットトップボックス110のコンテンツレーティング・システム115を示している。例えば図2は、図1のセットトップボックス110をさらに詳細に図示しているとみなすことができ、あるいは当該システムがセットトップボックス110とは別個に実装されている場合は、コンテンツレーティング・システム115等のスタンドアロン型コンテンツレーティング・システム115を図示しているとみなすことができる。コンテンツレーティング・システム(およびその付属要素)は、他の装置内部に実装してもよいことは明白である。
【0027】
セットトップボックス110のコンテンツレーティング・システム115は、電子番組ガイド(EPG)抽出手段210、コンテンツ/カテゴリフィルタ220、ユーザプロファイラ230および加入管理手段240を備えている。
【0028】
EPG抽出手段210は、メディアパイプまたはデータパイプを介して到達するいずれのチャネル/番組の番組ガイド情報も抽出する。インターネットベースのストリーミング配信サービス(たとえば、テレビ受信機に対するNETFLIXストリーミング)は、テレビコンテンツがインターネットを介して加入者に配信される場合の1つの具体例である。EPG抽出手段210は、番組をより巧みに記述するキーワードをカテゴリフィルタに提供する。
【0029】
コンテンツ/カテゴリフィルタ220は、特定のコンテンツまたは当該コンテンツのカテゴリを識別し、コンテンツ/カテゴリフィルタ220がユーザプロファイラ230から受信する当該特定のカテゴリに対する既存のユーザの好みに加え、当該情報を加入管理手段に対し転送する。
【0030】
ユーザプロファイラ230は、1人以上のユーザに関するユーザプロファイル情報を受信し、管理する。たとえば、家族の一人一人は別個のユーザとみなすことができ、および/または全体としての家族は特定のユーザとしてみなすことができる。ユーザプロファイル情報は、ユーザのお気に入りのコンテンツ、最近注目しているコンテンツ、現在または過去の時間範囲で大部分において見ているコンテンツ、ユーザが設定した好み(たとえば、「私は、映画より野生生物のドキュメンタリーが好きである。」)等を含んでいてもよいが、これに限定されない。ユーザプロファイラ230によりこの情報が提供されると、カテゴリ/コンテンツフィルタ220は、一組の候補となる提案から最適なマッチングを選択することにより、その提案を最適化することができる。コンテンツ/カテゴリフィルタ220が行った選択は、加入管理手段240に提供される。ユーザプロファイルは、(1つの単体としての)家族全体に対応する単一の「家族ユーザ」のためのものであってもよいし、あるいはユーザプロファイラ230は、同一家族内で異なるログインを持つ複数のユーザに対応していてもよい。後者の場合、各ユーザは、自分のプロファイルを起動された状態にするために、セットトップボックスにログインすることができる。「家族ユーザ」は、たとえば初期設定のログインであってもよい。
【0031】
加入管理手段240は、(ユーザ向け)コンテンツ加入サービス情報およびユーザのNETFLIXアカウントに対するアクセスに必要な詳細および情報等の(コンテンツ加入サービスプロバイダを対象とする)通信チャネル情報のすべてを有している。コンテンツ加入サービス情報は、たとえば、ユーザ名、パスワード、アプリケーションID等を含んでいてもよい。よってユーザのコンテンツ加入にアクセスするために、加入管理手段240は、ユーザが加入しているアカウントのユーザ名およびパスワードを必要とすることがあり、ある場合には、一部のサービスはプログラム的にサービスにアクセスするアプリケーションIDを必要とすることがある。加入サービスにより十分に決定され、ユーザに特有の当該情報は、加入管理手段240に提供されてもよい。
【0032】
通信チャネル情報は、たとえば1つ又は複数の特定の加入サービスにコンタクトするための情報を含んでいてもよい。たとえば、加入管理手段240も加入サービスにコンタクトするために、通信チャネル(たとえば、インターネットストリーミング配信サービスの場合は、データパイプ)にアクセスする必要がある。加入管理手段240は、コンタクトするためのサービスのポータルのアドレスを知っている必要があり、たとえば、サービスがNetflixである場合は、アドレスはNetflixのドメイン名であってもよい。
【0033】
加入管理手段240は、一次画面、あるいはユーザが当該特定のコンテンツまたは当該コンテンツのカテゴリの自分の現在のレーティングを見ることができる手段となる1つ以上の接続された二次画面のいずれか一方に、ユーザインターフェース(UI)288を表示する。加入管理手段240により、ユーザが、コンテンツまたは当該コンテンツの(ユーザ指定の)カテゴリに関する(ユーザ指定の)レーティングを修正することも可能になる。この修正されたレーティング情報は、ユーザを対象としたすべての関連するコンテンツ配信サービスに対して、加入管理手段240により更新される。
【0034】
このように、例えばHBO(Home Box Office)局の「Finding Nemo」のような特定の映画を見ているユーザは、自分のNETFLIXアカウントに当該映画または当該カテゴリ(「子供および家族」)をレーティングすることができ、当該ユーザは、NETFLIXにより自分に送信された同様のコンテンツを入手する。これは更に、ユーザが、異なるソースから特定のコンテンツを見ている間に、自分の、NETFLIXの同一のカテゴリまたはコンテンツのレーティングを見るのを支援する。これは、NETFLIXにおける当該コンテンツの自分の(あるいは集計した、あるいは専門家による)レーティングを、ユーザのケーブル/衛星サービスからユーザが自分の一次画面上で見たいと考えるコンテンツ/番組の選択に利用できることを意味する。
【0035】
図3は、本発明の原理の実施形態により、当該コンテンツのソースに依存しないコンテンツをレーティングする例示的方法300を示している。ステップ310においては、当該方法300は、ユーザプロンプトを待機する。ステップ320では、現在見ている番組のEPG情報が構文解析される。ステップ330では、番組コンテンツおよび/またはそのカテゴリーが検出される。ステップ340では、ユーザプロファイルに関して、種々のサービスにおけるコンテンツ/カテゴリー・レーティングが示されている。ステップ350では、(ユーザにより)レーティングが修正されるか否かが判定される。修正されると判定されるのであれば、次に当該方法はステップ360に進む。修正されると判定されないのであれば、当該方法はステップ210に戻る。ステップ360においては、新たなレーティングは、対応するサービスに提示される。
【0036】
すなわち、ある実施形態においては、ステップ360は、新たなレーティングをユーザが加入している他のコンテンツ加入サービスと関連付ける(たとえば共有する)ことを伴う。すなわち、同一または類似の番組(または同一又は類似のカテゴリ)が、レーティングが最初に提示された当初のコンテンツ加入サービスとは完全に異なる1つ又は複数のコンテンツ加入サービスに対して示される場合であっても、当該レーティングは、同一または類似の番組(あるいは同一または類似のカテゴリ)に関する、当該完全に異なる1つ又は複数のコンテンツ加入サービスに適用されるであろう。このように、唯一のコンテンツ加入サービスに関して提示されたレーティングは、(レーティングを提示した)ユーザが加入する他のコンテンツ加入サービスにマイグレーションされる。
【0037】
レーティングが単一のユーザ、複数の個々のユーザ、および/または単体としての二人以上のユーザに適用できることは明白である。たとえば、単体としての二人以上のユーザの場合は、一人以上の家族の構成員、例えば、1つのグループとしての複数の大人、および/または他のグループとしての子供たち、および/または更に他のグループとしてのすべての家族構成員は各々、一人のユーザの存在としてみなすことができる。種々の実施形態は、1つ以上の前記記載のグループを伴う場合があり、あるいは前記記載のグループを全く伴わない場合もある。
【0038】
コンテンツおよび/またはカテゴリが同一であるか、あるいは類似であるかを判断することに関して、キーワードに基づくもの、および/または本技術分野および関連する技術分野の当業者が容易に確定できるような他のいずれかのマッチング基準に基づくもの等、いずれかのマッチング技術を利用することが可能である。更に、当該マッチング技術は、閾値、可能性および/またはその他を伴ってもよい。すなわち、本発明の原理はコンテンツおよびカテゴリ間の相関関係を決定するいずれの特定のマッチング技術にも限定されず、それゆえにいずれのマッチング技術も、これを達成するために利用することができる。
【0039】
本発明の原理の上記および他の特徴および利点は、本明細書に記載された教示に基づき、関連する技術分野の当業者により容易に確認できる。本発明の原理の教示は、様々な形態のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用プロセッサまたはこれらの組合せにより実施できることが理解されるべきである。
【0040】
最も好ましくは、本発明の原理の教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せとして実装される。さらにソフトウェアは、プログラム記憶装置上で実体的に具現化されるアプリケーションプログラムとして実装されてもよい。アプリケーションプログラムは、何らかの適切なアーキテクチャを有するマシンにアップロードされ、そのマシンによって実行されてもよい。好ましくは、マシンは1つ以上の中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および入力/出力(I/O)インターフェース等のハードウェアを有するコンピュータ・プラットフォーム上で実装される。コンピュータ・プラットフォームには、オペレーティングシステムおよびマイクロインストラクションコードを含んでいてもよい。本明細書に記載される種々の処理および機能は、マイクロインストラクションコードの一部、アプリケーションプログラムの一部、またはそのいずれの組合せであってもよく、CPUにより実行されるものであってもよい。また他の種々の周辺装置は、補助データ記憶装置および印刷装置等のコンピュータ・プラットフォームに接続されてもよい。
【0041】
添付図面に記載された構成システム要素および方法の一部は、ソフトウェアによって好適に実施されるため、システム構成要素間又はプロセス機能ブロック間の実際の接続は、本発明の原理がプログラミングされる態様によって異なる場合があることが更に理解されるべきである。本明細書に記載された教示を前提とすると、当該技術分野の当業者は、本発明の原理のこれらおよび類似の実装または構造を予測することができるであろう。
【0042】
例示的実施形態が添付の図面を参照して本明細書中で記載されてきたが、当然に、本発明の原理はこれらの厳密な実施形態に限られず、様々な変更及び改変が、本発明の原理の範囲から逸脱することなく、当該技術分野の当業者によって行われ得ることが理解されるべきである。全てのこのような変更及び改変は、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の原理の範囲内に包含されることが意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソースに依存しないコンテンツレーティング・システムであって、
複数のコンテンツ加入サービスから1つ以上の番組および1つ以上のチャネルの少なくとも1つに関する番組ガイド情報を抽出する、電子番組ガイド抽出手段と、
受信した番組ガイド情報に基づき、コンテンツおよびコンテンツのカテゴリの少なくとも1つを識別する識別情報を生成する、前記電子番組ガイド抽出手段に連結されたフィルタと、
ユーザ指定のレーティングおよび識別情報を受信し、ユーザに表示されたユーザインターフェース情報を管理するために、前記フィルタに連結された加入管理手段を備え、前記ユーザインターフェース情報は、前記識別情報により識別されるコンテンツおよびカテゴリの少なくとも1つを含み、それに関するユーザ指定のレーティングを更に含んでおり、
前記加入管理手段は、複数のコンテンツ加入サービスの特定の1つに対して設けられたユーザ指定のレーティングを、当該ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスの他の関連するレーティングにマイグレーションし、ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスに対するユーザ指定のレーティングを、ユーザインターフェース上に表示する、前記システム。
【請求項2】
一人以上のユーザに関するユーザプロファイル情報を受信し、管理するユーザプロファイラを更に備え、前記フィルタは更に前記ユーザプロファイラに連結され、前記ユーザプロファイル情報および前記受信した番組ガイド情報に基づき、識別情報を生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電子番組ガイド抽出手段は、前記番組ガイド情報としてキーワードを抽出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記加入管理手段は、更新されたユーザ指定のレーティング、およびコンテンツ、他のコンテンツ、カテゴリ、他のカテゴリの少なくとも1つに関し最初に指定されたレーティングを受信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記加入管理手段は、ユーザ向けのコンテンツ加入サービス情報、およびコンテンツ加入サービスプロバイダを対象とする通信チャネル情報を更に管理し、前記コンテンツ加入サービス情報および前記通信チャネル情報は、1つ以上の番組および1つ以上のチャネルの少なくとも1つに関する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ソースに依存しないコンテンツレーティング・システムは、セットトップボックス内部に実装される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ソースに依存しないコンテンツレーティング・システムは、セットトップボックスから独立した装置内部に実装される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースは、2以上の各々の装置上の2以上の同期化された画面に対して実装される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記2以上の各々の装置は、設置型テレビおよび画面を有する携帯機器を備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記2以上の各々の装置は、テレビ受信機、携帯電話、ラップトップ、メディア・プレイヤー、携帯情報端末(PDA;Personal Digital Assistant)、内部に少なくとも1つの画面を内蔵したインターネットタブレットの少なくとも2つを備えた、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数のコンテンツ加入サービスの少なくとも1つは、ストリーミング・コンテンツ加入サービスおよびウエブベースのコンテンツ加入サービスの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のコンテンツ加入サービスは、ケーブルテレビ加入サービス、衛星テレビ加入サービス、ストリーミング・コンテンツ加入サービス、ウエブベースのコンテンツ加入サービスの少なくとも2つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ソースに依存しないコンテンツレーティング方法であって、
ユーザが視聴しており、ユーザが視聴し、および/または視聴することを所望する加入サービスからコンテンツを判定するステップと、
コンテンツのユーザによるレーティングを取得するステップと、
ユーザによるレーティングを他の加入サービスに頒布するステップとを含む、前記方法。
【請求項14】
複数のコンテンツ加入サービスから、1つ以上の番組および1つ以上のチャネルの少なくとも1つに関する番組ガイド情報を抽出するステップと、
前記番組ガイド情報に基づき、コンテンツおよびコンテンツのカテゴリの少なくとも1つを識別する識別情報を生成するステップと、
ユーザ指定のレーティングを受信するステップと、
ユーザに表示されたユーザインターフェース情報を管理するステップであって、前記ユーザインターフェース情報は、前記識別情報により識別されるコンテンツおよびカテゴリの少なくとも1つを含み、それに関するユーザ指定のレーティングを更に含む、ステップと、
ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスと関連するユーザ指定のレーティングを、ユーザインターフェース上に表示するように、複数のコンテンツ加入サービスの特定の1つに関して設けられたユーザ指定のレーティングを、当該ユーザ指定のレーティングが適用される複数のコンテンツ加入サービスの他の関連するレーティングにマイグレーションするステップとを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
一人以上のユーザに関するユーザプロファイル情報を受信し、管理するステップを更に含み、前記生成するステップは、前記ユーザプロファイル情報と前記受信した番組ガイド情報に基づき識別情報を生成する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記抽出するステップは、キーワードを番組ガイド情報として抽出する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
ユーザ指定のレーティングを受信する前記ステップは、更新されたユーザ指定のレーティング、およびコンテンツ、他のコンテンツ、カテゴリ、他のカテゴリの少なくとも1つに関し最初に指定されたレーティングを受信するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
ユーザ向けのコンテンツ加入サービス情報、およびコンテンツ加入サービスプロバイダを対象とする通信チャネル情報を管理する前記ステップを更に含み、前記コンテンツ加入サービス情報および前記通信チャネル情報は、1つ以上の番組および1つ以上のチャネルの少なくとも1つに関する、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のコンテンツ加入サービスの少なくとも1つは、ストリーミング・コンテンツ加入サービスおよびウエブベースのコンテンツ加入サービスの少なくとも1つである、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のコンテンツ加入サービスは、ケーブルテレビ加入サービス、衛星テレビ加入サービス、ストリーミング・コンテンツ加入サービス、ウエブベースのコンテンツ加入サービスの少なくとも2つを含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−509802(P2013−509802A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536765(P2012−536765)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/005867
【国際公開番号】WO2011/053270
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】