説明

ソーラー充電器

【課題】小型化を維持しつつ、二次電池の温度上昇を効果的に阻止する。
【解決手段】ソーラー充電器は、箱形のケース2と、ケース2の一面に設けられた太陽電池パネル3と、ケース2内において太陽電池パネル3の裏側に配置され、太陽電池パネル3で発電された電力で充電可能な二次電池セル1とを備えている。ソーラー充電器は、太陽電池パネル3と二次電池セル1とを離間させ、これらの間に空気層6を設けると共に、空気層6に連通して、前記ケース2の両側側面に開口された空気穴26を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池で携帯電話やモバイル機器等の携帯機器の内蔵電池、あるいはこれらのパック電池を充電可能なソーラー充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電力需要の逼迫や災害時等の非常電源として、太陽電池パネルで発電した電力を二次電池に蓄えるソーラー充電器が注目されている。例えば、特許文献1には、板状の太陽電池パネルの背面に、円筒状の二次電池を配置したソーラー充電器が開示されている。このソーラー充電器は、背面に二次電池を収納するためのケースを突出させているため、外形が嵩張り、携行には不便となる。このため、携帯に容易な小型のソーラー充電器が求められている。
【0003】
また一方で、このようなソーラー充電器は、発電量を高めるために直射日光が当たる場所に配置される。このため、太陽電池パネルの背面に配置された二次電池も、太陽光と、太陽電池パネルの発熱によって加熱されて、温度が高くなる。二次電池は、高温になると保護回路が働き、充電が停止されてしまう。このため、天気がよく十分な日光が得られているにも拘わらず、充電できないという事態が生じる。また、高温時に二次電池の充電を行おうとすれば、二次電池にダメージが与えられて、寿命が短くなる問題があった。
【0004】
このような温度上昇を低減するには、太陽電池パネルと二次電池とを離間させることが考えられる。太陽電池パネルと二次電池とを離すほど、温度を低下させることができるが、この場合はソーラー充電器の厚さが厚くなってしまうという問題がある。特に、近年は、上述の通り携行に便利なように小型化、薄型化が求められており、このような小型化の要求と二次電池の温度上昇抑制とは相反するため、これらの要求を同時に満たすソーラー充電器は存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭63−48939号公報
【特許文献2】特開昭61−40066号公報
【特許文献3】特開平6−350118号公報
【特許文献4】特開2010−55789号公報
【特許文献5】特開2011−19316号公報
【特許文献6】特開2008−104249号公報
【特許文献7】特開2011−36082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、小型化を維持しつつ、二次電池の温度上昇を効果的に阻止できるソーラー充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係るソーラー充電器によれば、箱形のケース2と、前記ケース2の一面に設けられた太陽電池パネル3と、前記ケース2内において前記太陽電池パネル3の裏側に配置され、該太陽電池パネル3で発電された電力で充電可能な二次電池セル1とを備えている。ソーラー充電器は、前記太陽電池パネル3と前記二次電池セル1とを離間させ、これらの間に空気層6を設けると共に、前記空気層6に連通して、前記ケース2の両側側面に開口された空気穴26を設けている。
【0008】
以上のソーラー充電器は、太陽電池パネルと二次電池セルとの間に空気層を設けることで、二次電池セルを太陽電池パネルから断熱すると共に、ケースの両側側面に開口された空気穴を通じて、空気層において加熱された空気がケース外部に排出されるため、冷却効果を高めることができる。また、この構成であれば、太陽電池パネルと二次電池セルとを離間させる距離を大きく取る必要が無いため、ソーラー充電器の薄型化も達成される。
加えて、太陽電池パネル自体の発熱をも背面の空気層により外部へ逃がすことができ、太陽電池パネル自体の発熱も抑制でき、発電量を向上させる効果も得られる。
【0009】
本発明の第2の側面に係るソーラー充電器によれば、前記二次電池セル1から放電される電力を外部に出力するための出力コネクタ7を備えている。
これにより、太陽電池パネルで発電されて二次電池セルに蓄電された電力を、出力コネクタを介して外部接続される電子機器に供給できる。
【0010】
本発明の第3の側面に係るソーラー充電器によれば、前記太陽電池パネル3と前記二次電池セル1との間に、前記太陽電池パネル3の熱を放熱する金属プレート5を配置している。
これにより、熱伝導に優れた金属製のプレートを介して、太陽電池パネルの熱を効果的に放熱できる。また、金属プレートで太陽電池パネルの輻射熱を遮断して、二次電池セルが太陽電池パネルに加熱されるのを有効に防止できる。また、ケースの内部に金属プレートを配置することで、ソーラー充電器に剛性を付加して機械的強度を増すことができる。
【0011】
本発明の第4の側面に係るソーラー充電器によれば、前記金属プレート5を前記太陽電池パネル3の裏面に沿って配置している。
これにより、金属プレートで太陽電池パネルを補強して、例えば落下等による衝撃で太陽電池パネルが破損する事態を回避できる。
【0012】
本発明の第5の側面に係るソーラー充電器によれば、前記金属プレート5の両側部を、L字状に折曲してなることを特徴とする。
これにより、金属プレートの剛性を高めることができる。
【0013】
本発明の第6の側面に係るソーラー充電器によれば、前記二次電池セル1を前記ケース2内の定位置に配置する電池ホルダ4を備えており、該電池ホルダ4が、前記二次電池セル1を収納する収納凹部40を有すると共に、該収納凹部40の底面プレート41を前記太陽電池パネル3と二次電池セル1との間であって、前記金属プレート5に対向して配置してなることを特徴とする。
これにより、電池ホルダを介して二次電池セルをケース内の定位置に配置しながら、電池ホルダの底面プレートを介して空気層の熱を遮断して、二次電池セルが加熱されるのを効果的に防止できる。とくに、太陽電池パネルと二次電池セルとを離間させて設けた空気層に、金属プレートと底面プレートとを対向して設けることで太陽電池パネルの熱を確実に遮断して、二次電池セルが加熱されるのを有効に防止できる。
【0014】
本発明の第7の側面に係るソーラー充電器によれば、前記電池ホルダ4が、前記空気層6の両端を区画する区画壁42を有することができる。
これにより、空気層の両端を区画壁で区画し、さらに、空気層の上下を金属プレートと底面プレートで区画して、電池ホルダと金属プレートとでダクト状の空気層を形成して、空気層の熱をスムーズにケース外に排出できる。また、電池ホルダの区画壁でケースの中央部を支持して、ケースの強度を増すことができる。
【0015】
本発明の第8の側面に係るソーラー充電器によれば、前記二次電池セル1から放電される電力を外部に出力するための出力コネクタ7を備えると共に、該出力コネクタ7を固定してなる回路基板9を前記ケース2に内蔵しており、前記ケース2は、前記回路基板9を収納する基板収納スペース15を前記ケース2の端部に備えており、さらに、前記電池ホルダ4の区画壁42が、前記基板収納スペース15と前記空気層6を遮断してなることを特徴とする。
これにより、空気層と基板収納スペースとを区画壁で遮断して、空気穴から空気層に侵入する埃等の異物が基板収納スペースに侵入するのを確実に防止できる。
【0016】
本発明の第9の側面に係るソーラー充電器によれば、前記ケース2が、前記空気層6の両側に位置して、複数の空気穴26を前記ケース2の長さ方向に並べて開口してなることを特徴とする。
これにより、空気層を効率よく換気して、内部の熱を外部に放出できる。
【0017】
本発明の第10の側面に係るソーラー充電器によれば、前記空気穴26を、ケース2の厚さ方向に長い長穴状に形成してなることを特徴とする。
これにより自然対流で、内部の熱を外部に放出して放熱性を高めることができる。
【0018】
本発明の第11の側面に係るソーラー充電器によれば、前記複数の空気穴26は、各々の上側開口縁の位置が前記ケース2の長さ方向に向かって前記ケース2の上面に次第に接近する傾斜姿勢で設けてなることを特徴とする。
これにより、複数の空気穴の上側開口縁の位置を傾斜するように配置することで、空気層における自然対流を起こりやすくして、内部の熱を外部に放出して放熱性を高めることができる。
【0019】
本発明の第12の側面に係るソーラー充電器によれば、外部から給電を受けるための給電端子8を備えることを特徴とする。
これにより、給電端子で外部から受ける電力でもって内蔵する二次電池セルを安定的に充電することもでき、天気が悪いときでも商用電源等を利用して充電器として利用することが可能となる。
【0020】
本発明の第13の側面に係るソーラー充電器によれば、前記ケース2の底面の端部に傾斜面22x、22yを設けてなることを特徴とする。
これにより、ケースを傾斜姿勢で配置しやすくしながら、太陽電池パネルに効率よく太陽光を照射できる。
【0021】
本発明の第14の側面に係るソーラー充電器によれば、前記ケース2の底面の両端部に角度の異なる傾斜面22x、22yを設けてなることを特徴とする。
これにより、ケースを傾斜姿勢で配置しやすくすると共に、角度の異なる傾斜面を選択しながら配置することで、太陽電池パネルの法線方向を太陽の高度に接近させて、より効率よく太陽光を太陽電池パネルに照射させて、太陽電池パネルの発電効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例にかかるソーラー充電器の斜視図である。
【図2】図1に示すソーラー充電器の側面図である。
【図3】図1に示すソーラー充電器の垂直縦断面図である。
【図4】図1に示すソーラー充電器の垂直横断面図である。
【図5】図1に示すソーラー充電器の分解斜視図である。
【図6】図2に示すソーラー充電器を下側から見た分解斜視図である。
【図7】図1に示すソーラー充電器のVII−VII線横断面図である。
【図8】本発明の一実施例にかかるソーラー充電器のブロック図である。
【図9】図1に示すソーラー充電器の使用例を示す側面図である。
【図10】図1に示すソーラー充電器の他の使用例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのソーラー充電器を例示するものであって、本発明はソーラー充電器を以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【0024】
図1ないし図10に、本発明の一実施例に係るソーラー充電器を示す。これらの図において、図1はソーラー充電器の斜視図、図2は図1のソーラー充電器の側面図、図3は図1のソーラー充電器の垂直縦断面図、図4は図1のソーラー充電器の垂直横断面図、図5は図1のソーラー充電器の分解斜視図、図6は図5のソーラー充電器を下側から見た分解斜視図、図7は図1のソーラー充電器のVII−VII線断面図、図8は図1のソーラー充電器のブロック図、図9は図1のソーラー充電器の使用例を示す側面図、図10は図1のソーラー充電器の他の使用例を示す側面図をそれぞれ示している。
【0025】
図1ないし図8に示すソーラー充電器は、箱形のケース2と、このケース2の一面に設けられた太陽電池パネル3と、ケース2内において太陽電池パネル3の裏側に配置され、太陽電池パネル3で発電された電力で充電可能な二次電池セル1とを備えている。このソーラー充電器は、太陽電池パネル3の発電電力を利用して、内蔵される二次電池セル1を充電し、この二次電池セル1に蓄電された電力を放電して負荷に供給し、あるいは、太陽電池パネル3の発電電力を直接に負荷に供給する。図のソーラー充電器は、二次電池セル1から放電される電力を外部に出力するための出力コネクタ7を備えている。このソーラー充電器は、出力コネクタ7を介して外部接続される種々の電子機器に電力を供給する。ただ、ソーラー充電器は、必ずしも出力コネクタを備える必要はなく、ソーラー充電器本体を電子機器に装備して、太陽電池パネルや二次電池セルから出力される電力を直接に電子機器の負荷に供給する構造とすることもできる。この電子機器は、図示しないが、例えば、ソーラー充電器のケースを電子機器本体のケースに併用して、このケース内に白色LEDやラジオ受信機等を内蔵することで、照明器具やラジオ等の電子機器として利用できる。
【0026】
(ケース2)
ケース2は、上面プレート21と下面プレート22の周囲に周壁を設けた形状として、全体の形状を箱形としている。図5と図6に示すケース2は、上面プレート21を有する上ケース2Aと、下面プレート22を有する下ケース2Bとに分割している。ケース2は、上面プレート21と下面プレート22の外形を長方形としている。箱形のケース2は、上ケース2Aの上面プレート21に太陽電池パネル3を固定すると共に、内部に二次電池セル1と回路基板9を収納して定位置に固定している。
【0027】
ケース2の周壁は、上面プレート21及び下面プレート22の両側に設けた側壁23と、その両端に設けた端面壁24とからなる。上ケース2Aは、側壁23と端面壁24とからなる周壁を上面プレート21に一体的に成形して設けた形状にプラスチックで成形している。下ケース2Bは、側壁23と端面壁24とからなる周壁を下面プレート22に一体的に成形して設けた形状にプラスチックで成形している。ケース2の両側に位置する側壁23は、その中間部において、上ケース2A側の第1の側壁23aと下ケース2B側の第2の側壁23bとに分割している。さらに、ケース2の両端に位置する端面壁24は、ケース2の一端である先端側に設けた先端壁24Aとケース2の他端である後端側に設けた後端壁24Bとからなる。先端壁24Aは、上ケース2Aの上面プレート21に連結された高さの高い第1の先端壁24aと下ケース2Bの下面プレート22に連結された高さの低い第2の先端壁24bとからなる。後端壁24Bは、下面プレート22の後端側に連結している。
【0028】
上ケース2Aは、上面プレート21の先端側に設けた第1の先端壁24aと、上面プレート21の両側に設けた第1の側壁23aとを互いに連結している。図5と図6に示す上ケース2Aは、第1の先端壁24aの高さを、ケース2の厚さの半分よりも高くしている。さらに、上ケース2Aの両側の第1の側壁23aは、先端壁24A側の端部を高く成形して、第1の先端壁24aの高さと等しくすると共に、第1の先端壁24aと高さの等しい端部から後端壁24Bに向かって高さが次第に低くなるように、先端縁を傾斜する形状に成形している。
【0029】
さらに、上ケース2Aは、上面プレート21の中央部に長方形の開口部21Xを設けて、この開口部21Xに太陽電池パネル3を配置している。上ケース2Aは、上面プレート21の開口部21Xの内側(裏面側)に、太陽電池パネル3の外周部を固定する段差凹部21Yを設けている。この段差凹部21Yは、開口縁部を段差形状に成形して設けており、上面プレート21の内面側の縦横の開口幅を太陽電池パネル3の縦横の幅と等しくし、その段差を太陽電池パネル3の厚さと等しくしている。この構造の上ケース2Aは、太陽電池パネル3の内側面が上ケース2Aの内面から突出しない。したがって、このケース21は、段差凹部21Yに太陽電池パネル3を配置する状態で、上ケース2Aの内面を平面状にできる。
【0030】
下ケース2Bは、下面プレート22の先端側に設けた第2の先端壁24bと、後端側に設けた後端壁24Bと、下面プレート22の両側に設けた第2の側壁23bとを互いに連結している。図5と図6に示す下ケース2Bは、第2の先端壁24bの高さを、ケース2の厚さの半分よりも低くすると共に、下ケース2Bの両側の第2の側壁23bの先端壁24A側の端部の高さを第2の先端壁24bの高さと等しくしている。さらに、下ケース2Bは、後端壁24Bの高さをケース2の厚さの半分よりも高く成形して、その先端縁を上面プレート21の後端縁に連結している。さらに、下ケース2Bは、両側の第2の側壁23bの後端壁24B側の端部の高さを後端壁24Bの高さと等しくしている。この第2の側壁23bは、先端壁24A側の端部から後端壁24B側の端縁に向かって、高さが次第に高くなるように、先端縁を傾斜する形状に成形している。
【0031】
図のケース2は、下ケース2Bを上ケース2Aよりも薄く成形しており、樹脂の使用量を少なくして製造コストを低減しながら、全体の重量を軽くしている。また、上ケース2Aは、下ケース2Bよりも厚く成形して、全体を強固にしている。とくに、上ケース2Aは、全体を強固にすることで、上面プレート21に固定される太陽電池パネル3を保護できる構造としている。
【0032】
以上の上ケース2Aと下ケース2Bは、対向する周壁の開口端を連結して、互いに連結している。図5と図6のケース22は、上ケース2Aと下ケース2Bを止ネジ19で連結して固定している。止ネジ19をねじ込んで連結するために、下ケース2Bは、下面プレート22の内面に突出して、止ネジ19をねじ込む連結ボス22a、22bを一体的に成形して設けて、上ケース2Aは、上面プレート21の内面に突出するように、止ネジ19を貫通させる連結部21aを一体的に成形して設けている。止ネジ19は、上ケース2Aの上面プレート21の表面に設けた挿入凹部21bから連結部21aを貫通して連結ボス22a、22bにねじ込まれて、上ケース2Aと下ケース2Bを連結する。互いに連結される上ケース2Aと下ケース2Bの周壁は、開口端を超音波溶着し、あるいは接着し、あるいは係止構造として確実に連結できる。
【0033】
さらに、ケース2は、上ケース2Aの上面プレート21の表面に、透光プレート10を固定している。この透光プレート10は、上面プレート21に固定された太陽電池パネル3の表面を保護すると共に、太陽光が太陽電池パネル3に照射されるように透過させている。図5と図6の透光プレート10は、太陽電池パネル3に太陽光を透過させる透光部10Aを中央部に設けると共に、この透光部10Aの外周部には、太陽光を遮断する遮蔽部10Bを設けている。透光プレート10の透光部10Aは、開口部21Xから表出する太陽電池パネル3の外形に沿う形状としている。透光プレート10の遮蔽部10Bは、上ケース2Aと下ケース2Bを固定するための止ネジ19を挿入する挿入凹部21bを外側から見えなくして、外観を良くしている。この遮蔽部10Bにて、接着剤又は両面テープ等により、上面プレート21の表面に、透光プレート10が設置される。
【0034】
(太陽電池パネル3)
太陽電池パネル3は、太陽電池セル(ソーラーセル)3Aを基板3B上に多数配置して、太陽電池セル3Aの表面を透光性シート(図示せず)、あるいは、透明性樹脂(図示せず)で保護している。太陽電池セル3Aを配置する基板3Bには、ガラスエポキシ基板等が利用でき、上面を平板状として多数の太陽電池セル3Aを直列接続し、あるいは並列接続して規則的に実装している。このように、太陽電池セル3Aの表面を保護して封止する構造、方法としては、以下のものがある。
(1)表面透光性シートを溶かして付着する(EVAシートを利用)。
(2)トランスファーモールドとして、太陽電池セル3Aを金型に入れ透明成形樹脂で一体成形する。
(3)ポッティングとして、型枠に太陽電池セル3Aを入れ、透明樹脂を注入する。
【0035】
太陽電池セル3Aは、シリコン結晶系太陽電池やアモルファスシリコン太陽電池、あるいはハイブリッド型である単結晶シリコンとアモルファスシリコンのヘテロ接合(HIT(登録商標):Heterojunction with Intrinsic Thin layer)等が利用できる。とくに、HITは太陽光の受光に際して指向性が少なく、また、高変換効率で温度特性にも優れ、面積当たりの発電量が高く好ましい。また、基板3B上の太陽電池セル3Aを実装する下地の色は、白色系等明るい色とすることが好ましい。これにより太陽光を太陽電池セル3Aの周囲で反射あるいは乱反射させて、より多くの太陽光を受光でき、発電効率を向上できる。太陽電池パネル3で発電された電力は、内蔵する二次電池セル1を充電して蓄電され、あるいは、出力コネクタ7を介して直接に外部に出力される。
【0036】
太陽電池パネル3の出力電流は、完全に放電された二次電池セル1を、約12時間で約80%程度まで充電できるように設定される。たとえば、二次電池セル1に1500mAhのリチウムイオン電池を使用するソーラー充電器においては、太陽電池パネル3の出力電流(晴天時の最大出力)を125mAとして、完全に放電された二次電池セル1を約12時間で約80%程度まで充電できる。太陽電池パネル3の出力電圧は、二次電池セル1を充電できる電圧に設定される。二次電池セル1をリチウムイオン電池とするソーラー充電器にあっては、太陽電池パネル3の出力電圧を4V〜6Vとして二次電池セル1を充電できる。さらに、太陽電池パネル3は、複数の太陽電池セル3Aを直列接続する個数を多くして出力電圧を高くできる。また、太陽電池セル3Aを並列に接続する個数を多くして出力電流を大きくできる。太陽電池パネル3は、出力電流を大きくして、二次電池セル1を満充電する時間を短くできる。
【0037】
(二次電池セル1)
二次電池セル1は、薄型電池で、ケース2内において、太陽電池パネル3の裏側に収納されている。図3ないし図6のソーラー充電器は、二次電池セル1を定位置に配置するために、電池ホルダ4を備えている。図に示す電池ホルダ4は、二次電池セル1を収納する収納凹部40を有する形状にプラスチックで成形している。二次電池セル1は、この電池ホルダ4を介して、ケース2の内部であって、下面プレート22に接近して配置している。
【0038】
図の二次電池セル1は、角形のリチウムイオン電池からなる素電池の両端面に樹脂成形部1A、1Bを設けた電池パックである。電池パックである二次電池セル1は、一方の端面に設けた樹脂成形部1Aに出力端子1Xを設けている。図の出力端子1Xは、正負の電極端子と温度端子とからなる。この二次電池セル1は、回路基板9に固定された接続コネクタ12の接続端子12Xに出力端子1Xが接続される。このソーラー充電器は、ケース2に内蔵する二次電池セル1を薄形の電池パックとすることで、ケース2を薄くでき、また、リチウムイオン電池によって充放電の容量を大きくできる。ただ、本発明のソーラー充電器は、二次電池セルをリチウムイオン電池に特定しない。ケースに内蔵する二次電池セルは、たとえばニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池など、充電できる全ての電池を使用できる。二次電池セル1に蓄電された電力は、出力コネクタ7を介して外部に出力される。
【0039】
(空気層6)
以上のソーラー充電器は、ケース2の上面プレート21に固定される太陽電池パネル3と、ケース2に内蔵される二次電池セル1とを離間させて、これらの間に空気層6を設けている。いいかえると、ソーラー充電器は、太陽電池パネル3と二次電池セル1との間に空気層6を設けるために、太陽電池パネル3を上ケース2Aの上面プレート21に固定すると共に、二次電池セル1を下ケース2Bの下面プレートの内面側に接近して配置している。図3と図4に示すソーラー充電器は、太陽電池パネル3と二次電池セル1とを互いに平行な姿勢で所定の間隔離して、その間に空気層6を設けている。
【0040】
(空気穴26)
さらに、ケース2は、この空気層6に連通して、ケース2の両側側面である側壁23に開口された空気穴26を設けている。図1ないし図6のケース2は、空気層6の両側に位置して、複数の空気穴26をケース2の長さ方向(図2において左右方向)に並べて開口している。図のケース2は、下ケース2Bの両側に設けた第2の側壁23bに、複数の空気穴26を開口している。これらの空気穴26は、ケース2の厚さ方向(図2において上下方向)に長い長穴状に形成している。さらに、複数の空気穴26は、各々の上側開口縁の位置がケース2の長さ方向に向かってケース2の上面に次第に接近する傾斜姿勢で設けている。図2に示すケースは、第1の側壁23aと第2の側壁23bとの境界縁をケース2の長さ方向に対して傾斜させているので、複数の空気穴26の上側開口縁を、この境界縁に沿って配置している。このように、複数の空気穴26の上側開口縁の位置を傾斜するように配置することで、空気層6における自然対流を起こりやすくして、内部の熱を外部に効率よく放出できる構造としている。さらに、複数の空気穴26を開口する構造は、空気層6と外部とを連通する開口部の開口面積を広くしながら、大きな異物等の侵入を有効に防止できる特徴がある。ただ、ソーラー充電器は、ケースに設ける空気穴の形状や配列を以上に特定しない。空気穴は、長円形以外の形状、例えば、円形や楕円形状、多角形状、短冊状、スリット状とすることもできる。さらに、複数の空気穴は、ケースの長さ方向である左右方向に並ぶ配列に特定せず、複数の空気穴を上下左右に並ぶ配列とすることも、上下に位置する空気穴を左右に並ぶ空気穴の間に配置する配列とすることもできる。さらに、複数の空気穴は、格子状やハニカム状に設けることもできる。
【0041】
このソーラー充電器は、太陽電池パネル3と二次電池セル1との間に空気層6を設けることで、二次電池セル1を太陽電池パネル3から断熱すると共に、ケース2の両側の側壁23に開口した空気穴26を通じて、空気層6において加熱された空気をケース2の外部に排出して冷却効果を向上できる。すなわち、この構造は、太陽電池パネル3と二次電池セル1とを空気層6で断熱することと、この空気層6に連通する空気穴26を介して空気層6の空気を換気できることの相乗効果で、極めて効果的に二次電池セル1の温度上昇を阻止できる。ここで、ソーラー充電器は、太陽電池パネルと二次電池セルの間隔を広くして空気層の厚さ(d)を厚くすることで、より効果的に二次電池セルを断熱できる。ただ、空気層の厚さ(d)を厚くするとケース全体の厚さ(D)が大きくなって、ソーラー充電器を薄型化できなくなる。したがって、ソーラー充電器は、以上のことを考慮して、空気層の厚さ(d)を、ケースの厚さ(D)の5%〜50%、好ましくは、10%ないし40%、さらに好ましくは、20%〜30%とする。
【0042】
(金属プレート5)
さらに、ソーラー充電器は、太陽電池パネル3と二次電池セル1との間に、太陽電池パネル3の熱を放熱する金属プレート5を配置している。金属プレート5は、鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属板を所定の形状にプレス成形したものである。このソーラー充電器は、熱伝導に優れた金属製のプレートを介して、太陽電池パネル3の熱を効果的に放熱できる。また、金属プレート5で太陽電池パネル3の輻射熱を遮断して、二次電池セル1が太陽電池パネル3に加熱されるのを有効に防止できる。また、ケース2の内部に金属プレート5を配置することで、ソーラー充電器に剛性を付加して機械的強度を増すことができる。
【0043】
図3と図4の金属プレート5は、空気層6の上面側であって、太陽電池パネル3の裏面に沿って配置している。この金属プレート5は、太陽電池パネル3の熱を効果的に伝導して効率よく放熱できる。ソーラー充電器は、図5と図6に示すように、上面プレート21の内面に、太陽電池パネル3のほぼ全面を被覆するように、シリコーン系、シリコン系、あるいはエラストマー系の放熱シート13を貼着している。この放熱シート13には、熱伝導に優れた熱伝導シートが使用される。この構造は、放熱シート13を介して、太陽電池パネル3の熱を効果的に金属プレート5に伝導して放熱できる。さらに、太陽電池パネル3の裏面に沿って金属プレート5を配置する構造は、金属プレート5で太陽電池パネル3を補強できる特徴もある。これにより、ソーラー充電器の落下等により、太陽電池パネル3が破損するのを有効に防止できる。
【0044】
図3ないし図6に示す金属プレート5は、両側部をL字状に折曲して、本体プレート部5Aの両側に、側壁部5Bを設けている。本体プレート部5Aは、太陽電池パネル3の裏面に沿って配置できるように、太陽電池パネル3とほぼ等しい大きさとしている。側壁部5Bは、本体プレート部5Aの両側であって、ケース2の側壁23と対向して設けられている。図に示す側壁部5Bは、ケース2内の空気層6を空気穴26から効果的に換気できるように、空気層6の両側に沿って切欠部5Cを設けている。図に示す切欠部5Cは、第1の側壁23aと第2の側壁23bとの境界縁に沿って傾斜する形状としている。
【0045】
さらに、図3、図5、及び図6に示す金属プレート5は、本体プレート部5Aに、太陽電池パネル3の出力リード14を案内する貫通穴5Xを開口している。太陽電池パネル3は、裏面に設けた出力端子(図示せず)に正負の出力リード14を接続しており、この接続リード14を、放熱シート13と金属プレート5に貫通させて上ケース2Aの内面側に引き出している。図の放熱シート13は、正負の出力リード14を通過させる貫通穴13Xを設けている。太陽電池パネル3の裏面に接続された正負の出力リード14は、放熱シート13の貫通穴13Xと金属プレート5の貫通穴5Xとに通過させて回路基板9に接続される。したがって、放熱シート13の貫通穴13Xと金属プレート5の貫通穴5Xは、太陽電池パネル3の裏面に接続した出力リード14を挿通できる位置に開口している。
【0046】
さらに、金属プレート5は、L字状に折曲された側壁部5Bの先端に、回路基板9と電池ホルダ4を固定するための固定片5Dを設けている。図6の固定片5Dは、側壁部5Bから内側に向かって折曲して、本体プレート部5Aと平行な姿勢としている。この固定片5Dは、回路基板9と電池ホルダ4を貫通する止ネジ18をねじ込む雌ネジ孔5dを開口している。
【0047】
さらに、金属プレート5は、上ケース2Aの内面の定位置に固定するために、本体プレート部5Aの先端側に突出する複数の連結片5E、5Fと、本体プレート部5Aの後端側に突出する連結部5Gとを設けている。連結片5Eは、本体プレート部5Aの先端両側から突出して設けている。この連結片5Eは、上ケース2Aの内面に突出する位置決め凸部21cを挿入する位置決め穴5cを開口すると共に、回路基板9を上ケース2Aに固定する止ネジ17を貫通させる貫通穴5eを開口している。この連結片5Eは、金属プレート5を上ケース2Aの内面に配置する状態で、位置決め凸部21cを位置決め穴5cに案内して金属プレート5を上ケース2Aの内面の定位置に配置する。さらに、この連結片5Eは、回路基板9の隅部を貫通する止ネジ17が貫通穴5eに挿通されると共に、この止ネジ17が上ケース2Aの内面に突出して設けた固定ボス21eにねじ込まれて、上ケース2Aの定位置に固定される。さらに、連結片5Fは、本体プレート部5Aの先端中央部から突出して設けており、上ケース2Aと下ケース2Bを連結する止ネジ19を挿通する貫通穴5fを開口している。この連結片5Fは、上ケース2Aと下ケース2Bを連結する状態で、上面プレート21の連結部21aと下面プレート22の連結ボス22aとの間に挟着されると共に、連結部21aを貫通する止ネジ19が挿通されてケース2の定位置に固定される。
【0048】
連結部5Gは、本体プレート部5Aの後端縁から突出する板状で、両端部に上ケース2Aと下ケース2Bを連結する止ネジ19を挿通する挿通部5gを開口すると共に、中央部には、上ケース2Aの上面プレート21の内面に突出する連結フック21hを案内する係止部5hを設けている。図5と図6の連結部5Gは、両側の挿通部5gを、止ネジ19を案内できる切欠部とし、中央の係止部5hを、連結フック21hを案内して係止する切欠部としている。この連結部5Gは、金属プレート5を上ケース2Aの内面に配置する状態で、連結フック21hを係止部5hに案内して、金属プレート5を上ケース2Aの内面の定位置に配置する。さらに、連結部5Gは、上ケース2Aと下ケース2Bを連結する状態で、上面プレート21の連結部21aと下面プレート22の連結ボス22bとの間に挟着されると共に、連結部21aを貫通する止ネジ19が挿通部5gに挿通されてケース2の定位置に固定される。
【0049】
(電池ホルダ4)
電池ホルダ4は、ケース2内の定位置に固定されて、収納凹部40に収納される二次電池セル1を定位置に配置する。図3ないし図6の電池ホルダ4は、二次電池セル1の両側面に沿う側面プレート43と両端面に沿う端面プレート44とを長方形の底面プレート41の周囲に連結してなる浅い容器形状に成形して、その内側に収納凹部40を設けている。図の電池ホルダ4は、収納凹部40の底面プレート41を上面プレート21側に配置する姿勢で上ケース2Aに固定しており、収納凹部40の開口部を下ケース2Bの下面プレート22側に開口している。この電池ホルダ4は、ケース2の定位置に固定される状態で、収納凹部40の底面プレート41を、太陽電池パネル3と二次電池セル1との間であって、金属プレート5に対向して配置している。この構造は、電池ホルダ4を介して二次電池セル1をケース2内の定位置に配置しながら、空気層6の熱を底面プレート41で遮断して、二次電池セル1が加熱されるのを効果的に防止できる。とくに、このソーラー充電器は、太陽電池パネル3と二次電池セル1とを離間させて設けた空気層6の上下に、金属プレート5と底面プレート41とを対向して配置することで、太陽電池パネル3の熱を確実に遮断して、二次電池セル1が加熱されるのを有効に防止できる。
【0050】
さらに、電池ホルダ4は、空気層6の両端を区画する区画壁42を備えている。図3に示す電池ホルダ4は、底面プレート41の両端縁に沿って、上面プレート21に向かって突出する区画壁42を一体成形して設けている。区画壁42は、その先端が、上面プレート21に固定される金属プレート5の内面に接近する高さとなるように成形している。このソーラー充電器は、空気層6の両端を電池ホルダ4の区画壁42で区画し、さらに、空気層6の上下を金属プレート5と底面プレート41で区画することで、ダクト状の空気層6を形成して、空気層6の熱をスムーズにケース2の外部に排出できる。また、電池ホルダ4の先端側に設けた区画壁42により、空気層6で加熱された空気が、回路基板9側に流入するのを有効に防止できる特徴もある。さらに、電池ホルダ4の区画壁42で金属プレート5を支持することにより、上ケース2Aと下ケース2Bの間を電池ホルダ4で支持して、ケース2の強度を増すことができる。
【0051】
電池ホルダ4は、上ケース2Aの内面に固定されて、ケース2内の定位置に配置される。図3、図5、及び図6の電池ホルダ4は、ケース2に固定するために、先端側の端面プレート44の上端から突出するカバープレート部45と、後端側の端面プレート44の下端部から突出する連結プレート部46とを一体成形して設けている。カバープレート部45は、両端部に貫通穴45dを設けており、この貫通穴45dに挿入する止ネジ18を回路基板9に貫通させて金属プレート5の固定片5Dにねじ込んでいる。すなわち、電池ホルダ4の先端側は、カバープレート部45が固定される金属プレート5を介して上ケース2Aに固定している。連結プレート部46は、両端部に上ケース2Aと下ケース2Bを連結する止ネジ19を挿通する貫通穴46gを開口すると共に、中央部には、上ケース2Aの上面プレート21の内面に突出する連結フック21hを案内する係止部46hを設けている。図の係止部46hは、連結フック21hを案内して係止する切欠部としている。この連結プレート部46は、電池ホルダ4を上ケース2Aの内面に配置する状態で、金属プレート5の連結部5Gに積層されると共に、連結フック21hを係止部5hに案内して、電池ホルダ5を上ケース2Aの内面の定位置に配置する。さらに、連結プレート部5Gは、上ケース2Aと下ケース2Bを連結する状態で、金属プレート5の連結部5Gと共に、上面プレート21の連結部21aと下面プレート22の連結ボス22bとの間に挟着されて、連結部21aを貫通する止ネジ19が貫通穴46gに挿通されてケース2の定位置に固定される。
【0052】
さらに、電池ホルダ4は、先端側の端面プレート44とカバープレート部45に、二次電池セル1の出力端子1Xを表出させる端子窓47を開口している。この電池ホルダ4は、図7に示すように、収納凹部40に二次電池セル1をセットする状態で、端子窓47から表出する出力端子1Xが、回路基板9に固定された接続コネクタ12の接続端子12Xに接続される。
【0053】
さらに、図4に示す電池ホルダ4は、側面プレート43の上端縁に沿って、両側に突出するサイドプレート48を一体成形して設けている。このサイドプレート48は、電池ホルダ4を補強すると共に、ダクト状の空気層6の両側をケース2の側壁23の内面まで案内している。さらに、図4に示すサイドプレート48は、その先端部を上方に折曲して、金属プレート5の側壁部5Bの下端を支持している。さらに、図4の電池ホルダ4は、サイドプレート48の中央部に、ケース2の長さ方向に延びる位置決めリブ48cを一体成形して設けている。この位置決めリブ48cは、下ケース2Bの内面の両側部に設けた保持リブ22cに嵌入されて、電池ホルダ4を位置決めしながら定位置に保持する。
【0054】
(回路基板9)
回路基板9は、ケース2内の定位置に固定している。図3に示すケース2は、回路基板9を配置する基板収納スペース15を端部に設けており、この基板収納スペース15に回路基板9を配置している。図5と図6の回路基板9は、隅部を貫通する止ネジ17、18を介して上ケース2Aに固定される。回路基板9は、先端側の隅部を貫通する止ネジ17が、金属プレート5の連結片5Eを貫通して、上ケース2Aの固定ボス21eにねじ込まれて、上ケース2Aの定位置に固定される。さらに、回路基板9は、電池ホルダ4のカバープレート部45を貫通する止ネジ18が、回路基板9の後端側の隅部を貫通して、金属プレート5の固定片5Dにねじ込まれて、金属プレート5を介して上ケース2Aに固定される。さらに、図3に示すように、基板収納部15に配置される回路基板9は、電池ホルダ4の区画壁42によって空気層6から遮断される。
【0055】
(出力コネクタ7)
ソーラー充電器は、外部に接続される電子機器(図示せず)に電力を供給する出力コネクタ7を備えている。図1、図5、及び図6のソーラー充電器は、出力コネクタ7としてUSBコネクタを備えている。USBコネクタである出力コネクタ7は、USBコネクタを備える電子機器を接続し、あるいは、USBケーブルを介して電子機器を接続して、二次電池セル1や太陽電池パネル3の出力を、他の電子機器に供給する。このソーラー充電器は、出力コネクタ7としてUSBコネクタを設けているので、USBコネクタを介して接続できる全ての電子機器に電力を供給することができる。ただ、出力コネクタは、USBコネクタには特定されない。出力コネクタには、外部に接続される電子機器に電力を供給できるUSBコネクタ以外のコネクタ、例えば、携帯電話に接続される電源端子を接続するコネクタ等を使用することもできる。
【0056】
(給電端子8)
さらに、図1、図5、及び図6に示すソーラー充電器は、内蔵される二次電池セル1を、外部電源(図示せず)から供給される電力で充電できる構造としている。このため、図のソーラー充電器は、外部から給電を受けるための給電端子8も備えている。図に示す給電端子8は、ミニUSB端子である。給電端子8に接続される外部電源は、パソコン等のUSBコネクタを有する電子機器、またはACアダプタである。給電端子8は、接続コードを介してUSBコネクタを有する電子機器に接続され、あるいはACアダプタに接続されて、外部電源から電力が供給される。このソーラー充電器は、太陽電池パネル3の発電電力が小さい状態、たとえば雨や曇天の時や、短時間で二次電池セル1を充電したい時に、外部電源から入力される電力で二次電池セル1を充電できる。
【0057】
以上の出力コネクタ7と給電端子8は、回路基板9に固定されて、ケース2の定位置に配置される。回路基板9は、先端側の一端の左右にそれぞれ出力コネクタ7であるUSBコネクタと給電端子8であるミニUSBコネクタとを並べて固定している。USBコネクタは、複数の接続ピンを回路基板9に挿入して物理的に連結し、この状態で接続ピンを回路基板9の導電部にハンダ付けして回路基板9に固定し、また電気接続される。さらに、図1、図5、及び図6のケース2は、一方の端面壁24である先端壁24Aに、出力コネクタ7を表出させるコネクタ窓24Xと、給電端子8を表出させる端子窓24Yとを開口して設けている。図のケース2は、第1の先端壁24aにコ字状の切欠部を設けると共に、この切欠部の開口部を第2の先端壁24bで閉塞してコネクタ窓24Xと端子窓24Yとを設けている。
【0058】
(表示部50)
さらに、図1、及び図5ないし図7のソーラー充電器は、ケース2の上面プレート21に、二次電池セル1の充電状態や残容量を表示する表示部50を備えている。この表示部50は、太陽電池パネル3と外部電源から二次電池セル1への電力の供給状態を表示する第1の表示部50Aと、二次電池セル1の残容量を表示する第2の表示部50Bとを備えている。図に示す表示部50は、パイロットランプとしての発光ダイオードを回路基板9に固定しており、この発光ダイオードの点灯状態で二次電池セル1の充電状態と残容量とを表示している。上面プレート21は、図7に示すように、発光ダイオードから照射される光を外部に表示する表示窓21iを開口して設けている。さらに、上面プレート21に固定される透光プレート10は、発光ダイオードから照射される光を透過させる表示部10Cを設けている。
【0059】
第1の表示部50Aは、例えば、パイロットランプとして単色の発光ダイオードを備えている。この発光ダイオードは、発光色を緑色とする発光ダイオードで、発光強度を変更して二次電池セル1の充電状態を表示している。たとえば、第1の表示部50Aは、太陽電池パネル3から二次電池セル1へ充電電力を供給する状態では、太陽電池パネル3の発電量により、発光強度を変更する。例えば、太陽電池パネル3の発電量が100mW以上の状態では、発光ダイオードを明るく点灯し、太陽電池パネル3の発電量が100mW未満の状態では、発光ダイオードを暗く点灯する。また、第1の表示部50Aは、外部電源から二次電池セル1へ充電電力を供給する状態では、発光ダイオードを明るく点灯する。すなわち、この第1の表示部は、その発光の強弱で、二次電池セル1の充電電力の大小を表示する。さらに、第1の表示部50Aは、二次電池セル1の電池温度が所定の温度(例えば約2℃)以下となり、もしくは所定の温度(例えば約58℃)以上となる状態においては、発光ダイオードを点滅させて電池温度が異常な状態であることを表示することができる。
【0060】
第2の表示部50Bは、パイロットランプとして複数色に発光する発光ダイオードを備えている。図に示す発光ダイオードは、緑色と赤色の発光色を有する発光ダイオードで、この発光ダイオードの発光状態を変更して二次電池セル1の残容量を表示している。この第2の表示部50Bは、たとえば、二次電池セル1の残容量が50%〜100%の状態では緑色に点灯し、残容量が10%〜50%の状態では赤色に点灯し、残容量が0%〜10%の状態では消灯して二次電池セル1の残容量を表示する。さらに、第2の表示部は、二次電池セル1の電池温度が所定の温度(例えば約2℃)以下となり、もしくは所定の温度(例えば約58℃)以上となる状態においても、発光ダイオードを消灯する。
【0061】
以上の表示部50は、二次電池セル1の充電状態や残容量をユーザーにわかりやすく表示できる特徴がある。ただ、表示部は、二次電池セルの充電状態や残容量を表示する構造を以上の構造には特定しない。表示部は、二次電池セルの充電状態や残容量を表示できる種々の構造とすることができる。たとえば、表示部は、図示しないが、発光ダイオードによらず液晶パネルで二次電池セルの充電状態や残容量を表示することもできる。
【0062】
(操作スイッチ)
さらに、図1、図2、図5、及び図6に示すソーラー充電器は、出力コネクタ7からの電力の出力をオンオフに切り換えると共に、第2の表示部50Bの表示をオンオフに切り換える操作スイッチ11をケース2の側面に設けており、この操作スイッチ11でオンオフに切り換えられる切換スイッチ16を回路基板9に実装している。このソーラー充電器は、操作スイッチ11をオンに操作して、出力コネクタ7から電力を出力すると共に、第2の表示部50Bで二次電池セル1の残容量を表示し、操作スイッチ11をオフに切り換えて、出力コネクタ7からの電力供給を停止すると共に、第2の表示部50Bによる表示を停止する。図5と図6に示すケース2は、操作スイッチ11を外部に表出するためのスイッチ窓23xを一方の側壁23に開口しており、このスイッチ窓23xにスライドスイッチである操作スイッチ11を配置している。図のケース2は、上ケース2Aの第1の側壁23aの先端壁24A側の端部にスライドスイッチ11を配置している。
【0063】
図8は、回路基板9に実装される電子部品のブロック図を示す。この回路基板9は、太陽電池パネル3の発電電力で二次電池セル1を充電する第1の充電回路51と、給電端子8に接続される外部電源60から供給される電力で二次電池セル1を充電する第2の充電回路52と、二次電池セル1の電圧を所定の電圧に安定化して出力する安定化回路53と、電池温度と電池電圧とから二次電池セル1の充放電を制御する制御回路55とを備えている。
【0064】
第1の充電回路51は、太陽電池パネル3から供給される電力を、二次電池セル1を充電する電圧と電流に変換する回路を備えており、二次電池セル1の満充電を検出して充電を停止する。二次電池セル1をリチウムイオン電池とするソーラー充電器は、第1の充電回路51が二次電池セル1を定電流充電し、二次電池セル1の電圧が所定の電圧になったことを検出して満充電と判定して充電を停止する。
【0065】
第2の充電回路52は、外部電源60から入力される電力を、二次電池セル1を充電する電圧と電流に変換する回路を備えており、二次電池セル1の満充電を検出して充電を停止する。二次電池セル1をリチウムイオン電池とするソーラー充電器は、第2の充電回路52を定電流・定電圧回路としている。この第2の充電回路52は、二次電池セル1を最初に定電流充電し、電池電圧が所定の電圧まで上昇すると定電圧充電に切り換え、充電電流が所定の電流以下になると満充電と判定して充電を停止する。さらに、外部電源60を接続するソーラー充電器は、外部電源60から入力される電力で二次電池セル1を充電する状態では、出力コネクタ7から外部に電力を出力しない。このソーラー充電器は、外部電源60による二次電池セル1の充電を停止する状態で、二次電池セル1の電力を外部に出力する。
【0066】
安定化回路53は、二次電池セル1の出力を安定化して出力コネクタ7に出力する。この安定化回路53は、DC/DCコンバータである。DC/DCコンバータである安定化回路53は、たとえば内蔵している二次電池セル1の出力を、出力電圧を5V、出力電流の最大値を1Aに安定化して出力コネクタ7に出力する。
【0067】
さらに、図8のソーラー充電器は、二次電池セル1と安定化回路53との間に、電源スイッチ54を接続している。この電源スイッチ54は、制御回路55でオンオフに制御される。制御回路55は、切換スイッチ56から入力される信号で電源スイッチ54をオンオフに切り変える。制御回路55は、切換スイッチ56からオン信号が入力されると電源スイッチ54をオンに切り換えて、二次電池セル1の出力を安定化回路53に出力する。この状態で安定化回路53は動作状態となって、出力側に接続している出力コネクタ7に安定化された電力を供給する。制御回路55は、出力コネクタ7に接続している電子機器70が外されると、出力コネクタ7から電子機器70が外されたことを出力電流から検出して電源スイッチ54をオフに切り換える。さらに、制御回路55は、外部電源60から入力される電力で二次電池セル1を充電する状態では、電源スイッチ54をオフに切り換えて、二次電池セルから安定化回路53への電力供給を停止する。
【0068】
さらに、制御回路55は、電池温度と電池の電圧を検出して電池の充放電をコントロールする。電池温度は、二次電池セル1に内蔵される温度センサ1Yで検出される。制御回路55は、電池の充放電電流を制限する温度を記憶するメモリ(図示せず)を備えており、このメモリに、電池の温度に対する許容電流を記憶している。許容電流は、その温度において電池に流すことができる最大電流であって、この電流よりも少ない電流で使用される。したがって、制御回路55は、電池温度から電池を充放電する電流を許容電流よりも小さく制御して電池を保護する。また、制御回路55は、電池の充放電を許容する最高温度と最低温度を記憶して、この最高温度と最低温度との間で充放電を許容するように制御することもできる。最高温度と最低温度は、電池の種類により最適温度に設定され、たとえばリチウムイオン電池においては、最高温度を約60℃〜70℃、最低温度を約−10℃〜0℃とすることができる。
【0069】
さらに、制御回路55は、二次電池セル1の電圧を検出して充放電を制御する。この制御回路55は、充電している電池の電圧が最高電圧まで上昇すると充電を停止し、また、放電している電池の電圧が最低電圧まで低下すると放電を停止する。図に示す制御回路55は、電池温度や電池電圧の異常を検出すると、第1の充電回路51や第2の充電回路52を制御して電池の充電を停止し、また、電源スイッチ54を制御して電池の放電を停止する。
【0070】
さらに、図8の回路基板9は、二次電池セル1の残容量を検出する残容量検出回路57も実装している。この残容量検出回路57は、二次電池セル1の電圧や電池の電流から残容量を演算して、第2の表示部50Bによって、発光ダイオードの発光色で残容量を表示する。この残容量検出回路57は、切換スイッチ56からオン信号が入力されると、発光ダイオードを点灯して所定の時間にわたって残容量を表示する。第2の表示部50Bである発光ダイオードは、残容量検出回路57に制御されて二次電池セル1の残容量を表示する。
【0071】
以上のソーラー充電器は、以下の工程で組み立てられる。
(1)回路基板9の定位置に、出力コネクタ7、給電端子8、切換スイッチ56、表示部50を構成する発光ダイオード、接続コネクタ12、及び、その他の電子部品を固定する。
(2)上ケース2Aの上面プレート21に太陽電池パネル3を固定する。太陽電池パネル3は、上面プレート21の開口部21Xの段差凹部21Yに外周縁部が固定されて、上面プレート21の定位置に固定される。
(3)太陽電池パネル3の内面に放熱シート13を貼着する。放熱シート13は、太陽電池パネル3の内面のほぼ全面にわたって貼着すると共に、太陽電池パネル3の外周縁と上ケース2Aの内面との境界部分を被覆する状態で貼着する。太陽電池パネル3の正負の出力リードを放熱シート13の貫通穴13Xに通過させて、上ケース2Aの内面側に引き出す。
(4)上ケース2Aの内面であって太陽電池パネル3の裏面に金属プレート5を配置する。金属プレート5は、放熱シート13の内面に密着する状態で配置される。太陽電池パネル3の正負の出力リード14を、金属プレート5の貫通穴5Xに通過させて、上ケース2Aの内面側に引き出す。金属プレート5は、先端側に設けた連結片5Eの位置決め穴5cに上ケース2Aの位置決め凸部21cを挿入すると共に、他端に設けた係止部5hに上ケース2Aの連結フック21hを案内して上ケース2Aの定位置に配置される。
(5)電子部品が固定された回路基板9をケース2の定位置に固定する。図に示す回路基板9は、隅部に設けた貫通穴に挿通される止ネジ17、18を介して上ケース2Aに固定される。止ネジ17は、回路基板9と金属プレート5の連結片5Eを貫通して固定ボス21eにねじ込まれて、回路基板9と金属プレート5の一端を上ケース2Aに固定する。
(6)太陽電池パネル3から引き出された正負の出力リード14を回路基板9に接続する。正負の出力リード14は、ハンダ付けして回路基板9の入力端子(図示せず)に接続される。
(7)電池ホルダ4をケース2の定位置に固定する。電池ホルダ4は、図7に示すように、回路基板9側に設けた端子窓47に、回路基板9に固定された接続コネクタ12を案内して、接続端子12Xを収納凹部40の内側に表出させる。さらに、電池ホルダ4は、回路基板9と反対側の端部に設けた係止部46hに上ケース2Aの連結フック21hを案内して、上ケース2Aの定位置に連結される。さらに、電池ホルダ4は、回路基板9側のカバープレート45の両端部に設けた貫通穴45dに挿通される止ネジ18を介して金属プレート5に固定される。止ネジ18は、電池ホルダ4と回路基板9とを貫通して金属プレート5の固定片5Dに設けた雌ねじ孔5dにねじ込まれて、電池ホルダ4と回路基板9の一端を金属プレート5に固定する。
(8)電池ホルダ4の収納凹部40に二次電池セル1を装着する。この状態で、二次電池セル1の出力端子1Xは、回路基板9に固定した接続コネクタ12の接続端子12Xに接続される。
(9)下ケース2Bを上ケース2Aに連結する。上ケース2Aは、挿入凹部21bに挿入される止ネジ19が下ケース2Bの連結ボス22a、22bにねじ込まれて下ケース2Bに固定される。図において、回路基板9側の挿入凹部21bに挿通される止ネジ19は、上ケース2Aと金属プレート5の連結片5Fとを貫通して下ケース2Bの連結ボス22aにねじ込まれて、上ケース2Aと下ケース2Bの一端を連結して固定する。さらに、図において、回路基板9と反対側の挿入凹部21bに挿入される止ネジ19は、上ケース2Aと金属プレート5の連結部5Gと電池ホルダ4の連結プレート部46とを貫通して下ケース2Bの連結ボス21bにねじ込まれて、上ケース2Aと下ケース2Bの他端を連結して固定する。
(10)上ケース2Aの上面プレート21の表面に透光プレート10を固定する。
【0072】
以上のソーラー充電器は、図2に示すように、ケース2の下面プレート22を水平面に載せて、太陽電池パネル3を上方に向ける姿勢で配置して使用される。さらに、ソーラー充電器は、図9と図10に示すように、ケース2を、傾斜姿勢で載置して、太陽電池パネル3に効率よく太陽光を照射できる。太陽電池パネル3は、太陽光に対して直交する姿勢に配置されて、最も効率よく発電する。図2に示すソーラー充電器は、太陽電池パネル3の法線方向が太陽の高度に近づくように、ケース2を傾斜姿勢で配置しやすくするために、ケース2の底面の端部に傾斜面22x、22yを設けている。図のケース2は、下ケース2Bの両端部に角度の異なる傾斜面22x、22yを設けている。図2に示すケース2は、先端壁24A側に設けた傾斜面22xの傾斜角(α)を5度〜10度とし、後端壁24B側に設けた傾斜面22yの傾斜角(β)を30度〜50度としている。このソーラー充電器は、季節や時間帯に応じて、ケース2の傾斜姿勢を変更しながら設置して効率よく太陽電池パネル3で発電できる。とくに、底面の両端部に角度の異なる傾斜面22x、22yを設ける構造は、太陽の高度に応じて太陽電池パネル3の法線方向が最適な角度となるように傾斜面22x、22yを選択しながら最適な傾斜姿勢でケース2を設置して、効率よく太陽光を太陽電池パネル3に照射させて発電効率を向上できる。さらに、ケース2の底面の両端部に傾斜面22x、22yを設けることにより、ケース2をスリムな外観にできる特徴もある。
【0073】
さらに、ソーラー充電器は、図9と図10に示すように、ケース2を傾斜姿勢で配置することで、さらに、空気層6の空気の自然対流を良くしてより効果的に換気できる。それは、図9と図10に示すように、ケース2を傾斜姿勢で配置することで、複数の空気穴26を上下方向に並ぶ姿勢にできるからである。このように、複数の空気穴26が上下に位置して配列されることにより、暖かい空気を上方の空気穴26から排出し、冷たい空気を下方の空気穴26から流入させて、空気層6の空気の対流を向上してより効果的に換気できる。
【0074】
以上のソーラー充電器は、太陽電池パネル3で発電した電力で二次電池セル1を充電し、この二次電池セル1を用いて外部接続される電子機器70に電力を供給する構成を採用することによって、太陽光の光量の変動により不安定になる発電量を、二次電池セル1を介して安定化させて電子機器70に供給できる利点が得られる。また、このような二次電池セル1を介在させた充電方法は、太陽電池パネル3で二次電池セル1の充電を完了した後、二次電池セル1を放電して電子機器70の充電に切り替える方式とする他、太陽電池パネル3で発電された電力を二次電池セル1に充電することなく、外部接続される電子機器70に直接に供給することもできる。さらにまた、太陽電池パネル3の発電電力と二次電池セル1の両方の電力を、外部接続される電子機器70に供給することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明に係るソーラー充電器は、携帯電話や携帯型音楽プレーヤ、緊急充電器等を充電するための充電器、特に商用電源が利用不能な場所でも利用可能な携帯可能な充電器として好適に利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1…二次電池セル 1A…樹脂成形部
1B…樹脂成形部
1X…出力端子
1Y…温度センサ
2…ケース 2A…上ケース
2B…下ケース
3…太陽電池パネル 3A…太陽電池セル
3B…基板
4…電池ホルダ
5…金属プレート 5A…本体プレート部
5B…側壁部
5C…切欠部
5D…固定片
5E…連結片
5F…連結片
5G…連結部
5X…貫通穴
5c…位置決め穴
5d…雌ねじ孔
5e…貫通穴
5f…貫通穴
5g…挿通部
5h…係止部
6…空気層
7…出力コネクタ
8…給電端子
9…回路基板
10…透光プレート 10A…透光部
10B…遮蔽部
10C…表示部
11…操作スイッチ
12…接続コネクタ 12X…接続端子
13…放熱シート 13X…貫通穴
14…出力リード
15…基板収納スペース
17…止ネジ
18…止ネジ
19…止ネジ
21…上面プレート 21X…開口部
21Y…段差凹部
21a…連結部
21b…挿入凹部
21c…位置決め凸部
21e…固定ボス
21h…連結フック
21i…表示窓
22…下面プレート 22a…連結ボス
22b…連結ボス
22c…保持リブ
22x…傾斜面
22y…傾斜面
23…側壁 23a…第1の側壁
23b…第2の側壁
23x…スイッチ窓
24…端面壁 24A…先端壁
24a…第1の先端壁
24b…第2の先端壁
24B…後端壁
24X…コネクタ窓
24Y…端子窓
26…空気穴
40…収納凹部
41…底面プレート
42…区画壁
43…側面プレート
44…端面プレート
45…カバープレート部 45d…貫通穴
46…連結プレート部 46g…貫通穴
46h…係止部
47…端子窓
48…サイドプレート 48c…位置決めリブ
50…表示部 50A…第1の表示部
50B…第2の表示部
51…第1の充電回路
52…第2の充電回路
53…安定化回路
54…電源スイッチ
55…制御回路
56…切換スイッチ
57…残容量検出回路
60…外部電源
70…電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形のケースと、
前記ケースの一面に設けられた太陽電池パネルと、
前記ケース内において前記太陽電池パネルの裏側に配置され、該太陽電池パネルで発電された電力で充電可能な二次電池セルと、
を備えるソーラー充電器であって、
前記太陽電池パネルと二次電池セルとを離間させ、これらの間に空気層を設けると共に、
前記空気層と連通され、前記ケースの両側側面に開口された空気穴を設けてなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項2】
請求項1に記載のソーラー充電器であって、さらに、
前記二次電池セルから放電される電力を外部に出力するための出力コネクタを備えることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項3】
請求項1または2に記載のソーラー充電器であって、さらに、
前記太陽電池パネルと二次電池セルとの間に、前記太陽電池パネルの熱を放熱する金属プレートを配置してなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項4】
請求項3に記載のソーラー充電器であって、
前記金属プレートを前記太陽電池パネルの裏面に沿って配置してなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項5】
請求項3または4に記載のソーラー充電器であって、
前記金属プレートの両側部を、L字状に折曲してなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれか一に記載のソーラー充電器であって、さらに、
前記二次電池セルを前記ケース内の定位置に配置する電池ホルダを備えており、
該電池ホルダが、前記二次電池セルを収納する収納凹部を有すると共に、該収納凹部の底面プレートが、前記太陽電池パネルと前記二次電池セルとの間であって、前記金属プレートに対向して配置されてなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項7】
請求項6に記載のソーラー充電器であって、
前記電池ホルダが、前記空気層の両端を区画する区画壁を有することを特徴とするソーラー充電器。
【請求項8】
請求項6または7に記載のソーラー充電器であって、
前記二次電池セルから放電される電力を外部に出力するための出力コネクタを備えると共に、該出力コネクタを固定してなる回路基板を前記ケースに内蔵しており、前記ケースは、前記回路基板を収納する基板収納スペースを端部に備えており、
さらに、前記電池ホルダの区画壁が、前記基板収納スペースと前記空気層を遮断してなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一に記載のソーラー充電器であって、さらに、
前記ケースが、前記空気層の両側に位置して、複数の空気穴を前記ケースの長さ方向に並べて開口してなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項10】
請求項9に記載のソーラー充電器であって、
前記空気穴が、前記ケースの厚さ方向に長い長穴状に形成されてなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項11】
請求項9または10に記載のソーラー充電器であって、
前記複数の空気穴は、各々の上側開口縁の位置が前記ケースの長さ方向に向かって前記ケースの上面に次第に接近するように傾斜する配列で設けられてなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか一に記載のソーラー充電器であって、さらに、
外部から給電を受けるための給電端子を備えることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか一に記載のソーラー充電器であって、さらに、
前記ケースの底面の端部に傾斜面を設けてなることを特徴とするソーラー充電器。
【請求項14】
請求項13に記載のソーラー充電器であって、
前記ケースの底面の両端部に角度の異なる傾斜面を設けてなることを特徴とするソーラー充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−48532(P2013−48532A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186484(P2011−186484)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(591052055)島根三洋電機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】